JP2003137600A - 結晶化ガラス - Google Patents
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C10/00—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
- C03C10/0054—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing PbO, SnO2, B2O3
-
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C10/00—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
- C03C10/0036—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents
- C03C10/0045—Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents containing SiO2, Al2O3 and MgO as main constituents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 700℃以上で焼成されても熱変形が起こら
ず、誘電体材料の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有
し、しかも大型化が可能であり、無機ELディスプレイ
用基板材料として好適な結晶化ガラスを提供する。 【解決手段】 質量%で、SiO2 45〜75%、A
l2O3 8〜30%、MgO 1〜20%、ZnO 0
〜20%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜4%、
BaO 0〜20%、Li2O 0〜3%、Na2O 0
〜4%、K2O0〜10%、B2O3 0〜7%、P2O5
0〜8%の組成を有し、主結晶としてα-石英および
/またはβ-石英固溶体の結晶が析出してなり、屈伏点
が750℃以上、熱膨張係数が50〜120×10-7/
℃である。
ず、誘電体材料の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有
し、しかも大型化が可能であり、無機ELディスプレイ
用基板材料として好適な結晶化ガラスを提供する。 【解決手段】 質量%で、SiO2 45〜75%、A
l2O3 8〜30%、MgO 1〜20%、ZnO 0
〜20%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜4%、
BaO 0〜20%、Li2O 0〜3%、Na2O 0
〜4%、K2O0〜10%、B2O3 0〜7%、P2O5
0〜8%の組成を有し、主結晶としてα-石英および
/またはβ-石英固溶体の結晶が析出してなり、屈伏点
が750℃以上、熱膨張係数が50〜120×10-7/
℃である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイ用基板、
特に無機ELディスプレイ用基板材料として好適な結晶
化ガラスに関するものである。
特に無機ELディスプレイ用基板材料として好適な結晶
化ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機ELディスプレイは、薄型軽量で表
示が鮮明であり、画像の微細化が容易であるため高品位
画像が実現でき、フルカラー化が可能であるなど、多く
の利点を有するため、今後、表示装置として益々広く利
用される傾向にある。
示が鮮明であり、画像の微細化が容易であるため高品位
画像が実現でき、フルカラー化が可能であるなど、多く
の利点を有するため、今後、表示装置として益々広く利
用される傾向にある。
【0003】無機ELディスプレイは、例えば図1に示
すように、背面基板10上に金属電極11、第1の誘電
体層12、無機EL発光体層13、第2の誘電体層1
4、ITO電極15、RGBカラーフィルター16、カ
ラーフィルター基板17が順番に積層された構造を有し
ている。
すように、背面基板10上に金属電極11、第1の誘電
体層12、無機EL発光体層13、第2の誘電体層1
4、ITO電極15、RGBカラーフィルター16、カ
ラーフィルター基板17が順番に積層された構造を有し
ている。
【0004】この無機ELディスプレイでは、金属電極
11とITO電極15に電圧を印加して無機EL発光体
層13を励起することにより白色光を発生させ、これを
RGBカラーフィルター16で色変換するようになって
いる。
11とITO電極15に電圧を印加して無機EL発光体
層13を励起することにより白色光を発生させ、これを
RGBカラーフィルター16で色変換するようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の無機ELディス
プレイの第1、第2の誘電体層12、14と発光層13
は、ペースト法等で材料を塗布した後、乾燥、焼成する
ことによって形成される。この焼成は、700℃以上の
高温で行われているため、背面基板10には、耐熱性に
優れ、且つ、誘電体材料の熱膨張係数に近似した熱膨張
係数を有するアルミナ基板が使用されている。
プレイの第1、第2の誘電体層12、14と発光層13
は、ペースト法等で材料を塗布した後、乾燥、焼成する
ことによって形成される。この焼成は、700℃以上の
高温で行われているため、背面基板10には、耐熱性に
優れ、且つ、誘電体材料の熱膨張係数に近似した熱膨張
係数を有するアルミナ基板が使用されている。
【0006】ところで無機ELディスプレイは、家庭用
テレビ等に利用することが試みられており、大型ディス
プレイ用として、40〜60インチ程度の大きさの背面
基板が要求されている。また10インチ以下のような小
型ディスプレイを作製する場合でも、1枚毎に背面基板
を作製するよりも、一旦大型基板を作製してから、それ
を複数枚に分割切断する方が、遙かに生産効率が高い。
テレビ等に利用することが試みられており、大型ディス
プレイ用として、40〜60インチ程度の大きさの背面
基板が要求されている。また10インチ以下のような小
型ディスプレイを作製する場合でも、1枚毎に背面基板
を作製するよりも、一旦大型基板を作製してから、それ
を複数枚に分割切断する方が、遙かに生産効率が高い。
【0007】しかしながらアルミナ等のセラミック基板
の場合、製造プロセス上、大型で平らな基板を作製する
ことは非常に困難であり、コストが極めて高くなるとい
う問題がある。
の場合、製造プロセス上、大型で平らな基板を作製する
ことは非常に困難であり、コストが極めて高くなるとい
う問題がある。
【0008】また大型の基板としては、建築用窓板ガラ
スとして利用されるソーダライムガラスやPDP基板用
ガラスが存在するが、これらを背面基板として用い、7
00℃以上の高温で焼成すると、熱変形を起こすため、
カラーフィルター基板としての使用に限定されている。
スとして利用されるソーダライムガラスやPDP基板用
ガラスが存在するが、これらを背面基板として用い、7
00℃以上の高温で焼成すると、熱変形を起こすため、
カラーフィルター基板としての使用に限定されている。
【0009】本発明の目的は、上記事情に鑑みなされた
ものであり、700℃以上で焼成されても熱変形が起こ
らず、誘電体材料の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を
有し、しかも大型化が可能であり、特に無機ELディス
プレイ用基板材料として好適な結晶化ガラスを提供する
ことである。
ものであり、700℃以上で焼成されても熱変形が起こ
らず、誘電体材料の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を
有し、しかも大型化が可能であり、特に無機ELディス
プレイ用基板材料として好適な結晶化ガラスを提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく種々の実験を繰り返した結果、700℃以
上の焼成工程で背面基板の熱変形を起こさないために
は、背面基板の屈伏点が750℃以上であれば良いこと
を見出し、本発明を提案するに至った。
を達成すべく種々の実験を繰り返した結果、700℃以
上の焼成工程で背面基板の熱変形を起こさないために
は、背面基板の屈伏点が750℃以上であれば良いこと
を見出し、本発明を提案するに至った。
【0011】すなわち本発明の結晶化ガラスは、質量%
で、SiO2 45〜75%、Al2O3 8〜30%、
MgO 1〜20%、ZnO 0〜20%、TiO2
0〜10%、ZrO2 0〜4%、BaO 0〜20
%、Li2O 0〜3%、Na2O0〜4%、K2O 0
〜10%、B2O3 0〜7%、P2O5 0〜8%の組成
を有することを特徴とする。
で、SiO2 45〜75%、Al2O3 8〜30%、
MgO 1〜20%、ZnO 0〜20%、TiO2
0〜10%、ZrO2 0〜4%、BaO 0〜20
%、Li2O 0〜3%、Na2O0〜4%、K2O 0
〜10%、B2O3 0〜7%、P2O5 0〜8%の組成
を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、上記のように組
成範囲を限定した理由を述べる。
成範囲を限定した理由を述べる。
【0013】SiO2はα-石英およびβ-石英固溶体の
結晶相の必須成分である。含有量は45〜75%であ
る。SiO2が45%より少ないと結晶性が低下し、屈
伏点が低くなって変形しやすくなる。SiO2が75%
より多いとガラス溶融が困難になる。好ましい範囲は4
8〜73%である。
結晶相の必須成分である。含有量は45〜75%であ
る。SiO2が45%より少ないと結晶性が低下し、屈
伏点が低くなって変形しやすくなる。SiO2が75%
より多いとガラス溶融が困難になる。好ましい範囲は4
8〜73%である。
【0014】Al2O3もまた、β-石英固溶体結晶相の
必須成分である。含有量は8〜30%である。Al2O3
が8%より少ないと結晶性が低下し、屈伏点が低くなっ
て変形しやすくなる。Al2O3が30%より多いとガラ
スの粘度が大きくなりすぎてガラス溶融が困難になる。
好ましい範囲は10〜30%である。
必須成分である。含有量は8〜30%である。Al2O3
が8%より少ないと結晶性が低下し、屈伏点が低くなっ
て変形しやすくなる。Al2O3が30%より多いとガラ
スの粘度が大きくなりすぎてガラス溶融が困難になる。
好ましい範囲は10〜30%である。
【0015】MgOもまた、β-石英固溶体の必須成分
である。含有量は1〜20%である。MgOが1%より
少ないと、結晶性が低下し、屈伏点が低くなって変形し
やすくなる。MgOが20%より多いとガラスが失透し
やすくなる。好ましい範囲は2〜20%である。
である。含有量は1〜20%である。MgOが1%より
少ないと、結晶性が低下し、屈伏点が低くなって変形し
やすくなる。MgOが20%より多いとガラスが失透し
やすくなる。好ましい範囲は2〜20%である。
【0016】ZnOは溶解を促進させる成分であり、そ
の含有量は0〜20%である。ZnOが20%より多い
とガラスが分相して均質なガラスが得られない。好まし
い範囲は0〜18%、さらには1〜15%である。
の含有量は0〜20%である。ZnOが20%より多い
とガラスが分相して均質なガラスが得られない。好まし
い範囲は0〜18%、さらには1〜15%である。
【0017】TiO2は、核形成剤であり、その含有量
は0〜10%である。TiO2が10%より多いとガラ
スが失透し易くなる。好ましい範囲は0〜8%、さらに
は1〜6%である。
は0〜10%である。TiO2が10%より多いとガラ
スが失透し易くなる。好ましい範囲は0〜8%、さらに
は1〜6%である。
【0018】ZrO2は核形成剤であり、その含有量は
0〜4%である。ZrO2が4%より多いとガラスの失
透性が強くなる。好ましい範囲は0〜3.5%、さらに
は0.1〜3%である。
0〜4%である。ZrO2が4%より多いとガラスの失
透性が強くなる。好ましい範囲は0〜3.5%、さらに
は0.1〜3%である。
【0019】BaOは溶解を促進し、かつ失透温度を低
下させる作用がある。含有量は0〜20%である。Ba
Oが20%より多いと、結晶性が低下し、屈伏点が低く
なって変形しやすくなる。好ましい範囲は0〜18%、
さらには0.5〜16%である。
下させる作用がある。含有量は0〜20%である。Ba
Oが20%より多いと、結晶性が低下し、屈伏点が低く
なって変形しやすくなる。好ましい範囲は0〜18%、
さらには0.5〜16%である。
【0020】Li2Oは溶解を促進し、かつ結晶成分と
なる。含有量は0〜3%である。3%より多いとLi2
Oは焼成時に誘電体層等に拡散するため、デバイス特性
の劣化を招きやすい。好ましい範囲は0〜2.5%であ
る。
なる。含有量は0〜3%である。3%より多いとLi2
Oは焼成時に誘電体層等に拡散するため、デバイス特性
の劣化を招きやすい。好ましい範囲は0〜2.5%であ
る。
【0021】Na2O、K2Oは溶解を促進し、かつ成型
性を向上させる。含有量はそれぞれ0〜4%、0〜10
%である。Na2O、K2OはLi2Oと同様に、デバイ
ス特性の劣化を招きやすい。そのため、Na2OとK2O
合量を10%以下に抑えることが望ましい。なお、好ま
しい範囲は、Na2Oが0〜3.5%、K2Oが0〜6.
5%であるが、デバイス特性の劣化をより完全に防ぐた
めには無アルカリであることが望ましい。
性を向上させる。含有量はそれぞれ0〜4%、0〜10
%である。Na2O、K2OはLi2Oと同様に、デバイ
ス特性の劣化を招きやすい。そのため、Na2OとK2O
合量を10%以下に抑えることが望ましい。なお、好ま
しい範囲は、Na2Oが0〜3.5%、K2Oが0〜6.
5%であるが、デバイス特性の劣化をより完全に防ぐた
めには無アルカリであることが望ましい。
【0022】B2O3は溶解を促進し、かつ成型性を向上
させる。含有量は0〜7%である。B2O3が7%より多
いと、結晶性が低下し、屈伏点が低下することによって
変形しやすくなる。好ましい範囲は0〜5%である。
させる。含有量は0〜7%である。B2O3が7%より多
いと、結晶性が低下し、屈伏点が低下することによって
変形しやすくなる。好ましい範囲は0〜5%である。
【0023】P2O5は溶解を促進し、かつ析出結晶の核
形成を促進させる働きがある。含有量は0〜8%であ
る。P2O5が8%より多いと、ガラスが分相して均質な
ガラスが得られない。好ましい範囲は0〜7%である。
形成を促進させる働きがある。含有量は0〜8%であ
る。P2O5が8%より多いと、ガラスが分相して均質な
ガラスが得られない。好ましい範囲は0〜7%である。
【0024】さらに上記成分に加え、溶解を促進し、か
つ失透温度を低下させるためにCaOを4%以下、好ま
しくは3.5%以下添加してもよい。なおCaOが4%
より多いと、結晶性が低下し、屈伏点が低下することに
より、変形しやすくなる。
つ失透温度を低下させるためにCaOを4%以下、好ま
しくは3.5%以下添加してもよい。なおCaOが4%
より多いと、結晶性が低下し、屈伏点が低下することに
より、変形しやすくなる。
【0025】また基板特性を損なわない範囲でSrO、
SnO2、Sb2O3等の他成分を各々2%以下添加して
もよい。
SnO2、Sb2O3等の他成分を各々2%以下添加して
もよい。
【0026】上記組成範囲の結晶性ガラスを、溶融後に
700℃〜1200℃で熱処理し、主結晶としてα-石
英および/またはβ-石英固溶体を析出させると、屈伏
点が750℃以上で、熱膨張係数が50〜120×10
-7/℃である結晶化ガラスが得られる。なお、結晶性ガ
ラスの成形に、周知のロール成形、フロート成形等の成
形法を採用することによって大型の基板状にすることが
可能である。
700℃〜1200℃で熱処理し、主結晶としてα-石
英および/またはβ-石英固溶体を析出させると、屈伏
点が750℃以上で、熱膨張係数が50〜120×10
-7/℃である結晶化ガラスが得られる。なお、結晶性ガ
ラスの成形に、周知のロール成形、フロート成形等の成
形法を採用することによって大型の基板状にすることが
可能である。
【0027】ところで、上記の析出結晶であるα-石英
は、熱膨張係数がおよそ120×10-7/℃で、屈伏点
が1000℃以上であるため、基板の熱膨張係数を上
げ、また耐熱性を向上させている。β-石英固溶体結晶
も、結晶化ガラス基板の結晶化度が高めることによって
耐熱性を向上させている。
は、熱膨張係数がおよそ120×10-7/℃で、屈伏点
が1000℃以上であるため、基板の熱膨張係数を上
げ、また耐熱性を向上させている。β-石英固溶体結晶
も、結晶化ガラス基板の結晶化度が高めることによって
耐熱性を向上させている。
【0028】上記の組成において、Al2O3およびZn
Oがそれぞれ4質量%以上含有すると、さらにガーナイ
ト結晶が析出する。ガーナイト結晶は、熱膨張係数がお
よそ80×10-7/℃であり、かつ屈伏点が1000℃
より高いため、基板の熱膨張係数および耐熱性特性に対
して好影響を与える。
Oがそれぞれ4質量%以上含有すると、さらにガーナイ
ト結晶が析出する。ガーナイト結晶は、熱膨張係数がお
よそ80×10-7/℃であり、かつ屈伏点が1000℃
より高いため、基板の熱膨張係数および耐熱性特性に対
して好影響を与える。
【0029】本発明では、結晶化ガラスの結晶化度が高
くなるほど、屈伏点が高くなるため好ましく、具体的に
は結晶化度を30質量%以上にすることが望ましい。
くなるほど、屈伏点が高くなるため好ましく、具体的に
は結晶化度を30質量%以上にすることが望ましい。
【0030】上記特徴を有する本発明の結晶化ガラス
は、屈伏点が750℃以上(好ましくは780℃以
上)、熱膨張係数が50〜120×10-7/℃(好まし
くは60〜100×10-7/℃)であるため、この結晶
化ガラスからなるディスプレイ用結晶化ガラス基板は、
700℃以上の高温で焼成されても熱変形を起こすこと
がなく、また誘電体との間で熱応力が発生することもな
い。特にカラーフィルター基板としてソーダライムガラ
スを使用する場合には、ソーダライムガラスの熱膨張係
数(約85×10-7/℃)に近似した熱膨張係数(具体
的には60〜100×10-7/℃)を有する結晶化ガラ
スを使用すると、ディスプレイパネルの反りも小さくな
るため好ましい。
は、屈伏点が750℃以上(好ましくは780℃以
上)、熱膨張係数が50〜120×10-7/℃(好まし
くは60〜100×10-7/℃)であるため、この結晶
化ガラスからなるディスプレイ用結晶化ガラス基板は、
700℃以上の高温で焼成されても熱変形を起こすこと
がなく、また誘電体との間で熱応力が発生することもな
い。特にカラーフィルター基板としてソーダライムガラ
スを使用する場合には、ソーダライムガラスの熱膨張係
数(約85×10-7/℃)に近似した熱膨張係数(具体
的には60〜100×10-7/℃)を有する結晶化ガラ
スを使用すると、ディスプレイパネルの反りも小さくな
るため好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
する。
【0032】表1〜4は、本発明の結晶化ガラスの実施
例(試料No.1〜12)と比較例(試料No.13〜
14)を示すものである。尚、比較例であるNo.13
の試料は、PDP基板として市販されている高歪点ガラ
スであり、No.14は、建築用窓板ガラスとして市販
されているソーダライムガラスである。
例(試料No.1〜12)と比較例(試料No.13〜
14)を示すものである。尚、比較例であるNo.13
の試料は、PDP基板として市販されている高歪点ガラ
スであり、No.14は、建築用窓板ガラスとして市販
されているソーダライムガラスである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表中のNo.1〜12の各試料は、次のよ
うにして作製した。
うにして作製した。
【0038】まず表の組成となるようにガラス原料を調
合し、白金ポットで1550℃で15時間溶融した後、
カーボン板上に流し出し、さらに700〜1200℃で
1時間熱処理することによって結晶化ガラス基板を作製
した。このようにして得られた各試料について、析出結
晶、結晶化度、屈伏点および熱膨張係数を測定し、その
結果を表に示した。
合し、白金ポットで1550℃で15時間溶融した後、
カーボン板上に流し出し、さらに700〜1200℃で
1時間熱処理することによって結晶化ガラス基板を作製
した。このようにして得られた各試料について、析出結
晶、結晶化度、屈伏点および熱膨張係数を測定し、その
結果を表に示した。
【0039】表から明らかなように、実施例であるN
o.1〜12の各試料は、析出結晶がα-石英及びβ-石
英固溶体、或いはさらにガーナイトで、結晶化度は50
%以上であり、屈伏点が980〜1100℃であり、熱
膨張係数が60〜85×10-7/℃であり、無機ELデ
ィスプレイの背面基板として適したものであった。
o.1〜12の各試料は、析出結晶がα-石英及びβ-石
英固溶体、或いはさらにガーナイトで、結晶化度は50
%以上であり、屈伏点が980〜1100℃であり、熱
膨張係数が60〜85×10-7/℃であり、無機ELデ
ィスプレイの背面基板として適したものであった。
【0040】それに対し、比較例であるNo.13と1
4の試料は、屈伏点が700℃以下と低いため、700
℃で焼成すると熱変形が起こる。
4の試料は、屈伏点が700℃以下と低いため、700
℃で焼成すると熱変形が起こる。
【0041】尚、表中の析出結晶および結晶化度は、X
線回折装置を用いて確認した。熱膨張係数および屈伏点
は、試料を円柱に加工した後、ディラトメーターを用い
て、荷重90mN、昇温速度毎分5℃以下の条件で測定
した。実施例の熱膨張係数は30〜900℃における平
均熱膨張係数として評価し、一方、比較例の熱膨張係数
は30〜380℃における平均熱膨張係数として評価し
た。屈伏点は、実施例および比較例とも熱膨張曲線の屈
曲点の最大値をもって評価した。
線回折装置を用いて確認した。熱膨張係数および屈伏点
は、試料を円柱に加工した後、ディラトメーターを用い
て、荷重90mN、昇温速度毎分5℃以下の条件で測定
した。実施例の熱膨張係数は30〜900℃における平
均熱膨張係数として評価し、一方、比較例の熱膨張係数
は30〜380℃における平均熱膨張係数として評価し
た。屈伏点は、実施例および比較例とも熱膨張曲線の屈
曲点の最大値をもって評価した。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の結晶化ガラスから
なるディスプレイ用結晶化ガラス基板は、700℃以上
の高温で焼成されても熱変形を起こさず、誘電体との間
で熱応力が発生することもないので、特に無機ELディ
スプレイの背面基板に好適である。
なるディスプレイ用結晶化ガラス基板は、700℃以上
の高温で焼成されても熱変形を起こさず、誘電体との間
で熱応力が発生することもないので、特に無機ELディ
スプレイの背面基板に好適である。
【図1】無機ELディスプレイの構造を示す説明図であ
る。
る。
10 基板
11 金属電極
12 第1の誘電体層
13 無機EL発光体層
14 第2の誘電体層
15 ITO電極
16 RGBカラーフィルター
17 カラーフィルター基板
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Fターム(参考) 4G062 AA11 BB01 BB06 CC04 DA05
DA06 DA07 DB03 DB04 DC01
DC02 DC03 DD01 DD02 DD03
DE01 DE02 DE03 DE04 DF01
EA01 EA02 EA03 EB01 EB02
EB03 EC01 EC02 EC03 ED02
ED03 ED04 EE01 EF01 EG01
EG02 EG03 EG04 FA01 FA10
FB01 FB02 FB03 FC01 FC02
FC03 FD01 FE01 FF01 FG01
FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01
GA10 GB01 GC01 GD01 GE01
HH01 HH03 HH05 HH07 HH09
HH11 HH13 HH15 HH17 HH20
JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10
KK01 KK03 KK05 KK07 KK10
MM27 NN30 NN31 QQ02
Claims (4)
- 【請求項1】 質量%で、SiO2 45〜75%、A
l2O3 8〜30%、MgO 1〜20%、ZnO 0
〜20%、TiO2 0〜10%、ZrO20〜4%、B
aO 0〜20%、Li2O 0〜3%、Na2O 0〜
4%、K2O 0〜10%、B2O3 0〜7%、P2O5
0〜8%の組成を有することを特徴とする結晶化ガラ
ス。 - 【請求項2】 屈伏点が750℃以上、熱膨張係数が5
0〜120×10-7/℃であることを特徴とする請求項
1記載の結晶化ガラス。 - 【請求項3】 主結晶としてα-石英および/またはβ-
石英固溶体の結晶が析出してなることを特徴とする請求
項1又は請求項2記載の結晶化ガラス。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の結晶化ガラスからなる
ことを特徴とするディスプレイ用結晶化ガラス基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001336361A JP2003137600A (ja) | 2001-11-01 | 2001-11-01 | 結晶化ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001336361A JP2003137600A (ja) | 2001-11-01 | 2001-11-01 | 結晶化ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003137600A true JP2003137600A (ja) | 2003-05-14 |
Family
ID=19151202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001336361A Pending JP2003137600A (ja) | 2001-11-01 | 2001-11-01 | 結晶化ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003137600A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008488A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 熱処理用セッター及びその製造方法、並びにガラス基板の熱処理方法 |
JP2007519596A (ja) * | 2004-01-28 | 2007-07-19 | サン−ゴバン グラス フランス | 静止ポイントなしのフロートによる板ガラス製造 |
-
2001
- 2001-11-01 JP JP2001336361A patent/JP2003137600A/ja active Pending
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JP2007519596A (ja) * | 2004-01-28 | 2007-07-19 | サン−ゴバン グラス フランス | 静止ポイントなしのフロートによる板ガラス製造 |
JP2006008488A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 熱処理用セッター及びその製造方法、並びにガラス基板の熱処理方法 |
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