JP2003134859A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータ

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JP2003134859A JP2001318194A JP2001318194A JP2003134859A JP 2003134859 A JP2003134859 A JP 2003134859A JP 2001318194 A JP2001318194 A JP 2001318194A JP 2001318194 A JP2001318194 A JP 2001318194A JP 2003134859 A JP2003134859 A JP 2003134859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サブミクロンのオーダーでの位置調整を行な
い得ると共に、正確な位置精度が安定的に確保され得、
しかも、より十分に大きなストロークと駆動力とが簡略
な構造で、有利に実現され得る圧電アクチュエータを提
供する。 【解決手段】 第一の移動体26と第二の移動体28と
を、ベース10における第一の案内面22と第二の案内
面24とに案内されつつ、上下方向と該上下方向に交叉
する横方向にそれぞれ移動せしめられ得るように配設す
ると共に、該第二の移動体28の横方向への移動に伴っ
て該第一の移動体26を上下方向に移動させる楔機構を
設け、更に、該第二の移動体28に対して、該横方向に
伸縮可能な圧電素子34と質量体44を該第二の移動体
28と一体移動可能に取り付けて、該圧電素子34の変
形の急速な発生乃至は停止に伴って、該質量体44が急
速移動乃至は急停止せしめられたときに、該第二の移動
体28が該横方向に移動せしめられるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、圧電アクチュエータに係り、特
に、サブミクロン(ナノメーター)のオーダーでの位置
決め精度を確保可能な圧電アクチュエータに関するもの
である。
【0002】
【背景技術】一般に、光学や医学、物理学の分野、或い
は精密加工や精密機械の製造等の分野においては、数十
ミクロン或いはそれ以下のオーダーで位置を調整する装
置が所望されており、これに応えるものの一つとして、
目標位置への調整方向に沿って延びる案内面を備えたベ
ースに対して、所定の移動体を、該案内面に案内されつ
つ移動可能に配置する一方、かかる移動体に、サーボモ
ータにより回転駆動せしめられるねじ部材を螺合せし
め、このねじ部材のねじ送り機構により、移動体を目標
位置に向かって移動させるようにしたアクチュエータ
が、知られている。
【0003】このようなサーボモータを利用したアクチ
ュエータは、サーボモータへのパルス電圧を制御するこ
とにより、ねじ部材のねじ送り機構により移動せしめら
れる移動体の位置を容易に且つ正確に制御することが出
来るのである。
【0004】ところが、かかる従来のアクチュエータに
あっては、移動体を移動させるための機構が、サーボモ
ータとねじ送り機構との組み合わせによって実現されて
いるため、せいぜい、数ミクロン〜数十ミクロンのオー
ダーでのステップ状の移動が得られるに過ぎず、また、
位置決め精度が、ねじ部材のねじ精度に大きく依存する
ところから、長期の使用によるねじ部材と移動体との間
の螺合部分等の摩耗によって、移動体の位置決め精度が
著しく低下するといった問題が内在していたのである。
【0005】一方、近年では、圧電素子を利用したアク
チュエータ、所謂圧電アクチュエータが、サブミクロン
のオーダーでの位置調整が可能なアクチュエータとし
て、一部で利用されてきているが、従来の圧電アクチュ
エータは、圧電素子自体の変形量が小さ過ぎるために、
十分に大きなストロークが得ることが困難であったので
あり、しかも、そのようなストロークを制限しない限り
は、十分に大きな駆動力が得られないといった大きな欠
点が、存していたのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、サブミクロンのオーダーでの位置調整が
可能で、長期の使用によっても正確な位置精度が安定的
に確保され得、しかも、より十分に大きなストロークと
駆動力とが簡略な構造で、有利に実現され得る圧電アク
チュエータを提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、(a)上下方向に延びる第一の案内面
と、該上下方向に対して交叉する方向となる横方向に延
びる第二の案内面とを有するベースと、(b)該ベース
に対して、該ベースの前記第一の案内面に案内されつ
つ、上下方向に移動可能に配設された第一の移動体と、
(c)該第一の移動体の下方において、その下面に接触
した状態下で、前記ベースの第二の案内面に案内されつ
つ、該第二の案内面が延出する前記横方向に移動可能に
配設された第二の移動体と、(d)前記第二の案内面が
延出する横方向の一方から他方に向かって傾斜する傾斜
面形態をもって、前記第二の移動体と接触する前記第一
の移動体の下面と前記第二の案内面のうちの何れか一方
にて構成された第一の傾斜面と、該第一の傾斜面に対応
した傾斜面形態をもって、該第二の移動体における該第
一の傾斜面との接触面にて構成されて、該第二の移動体
の該横方向への移動に伴って該第一の傾斜面に摺動せし
められる第二の傾斜面とからなり、該第一の傾斜面に対
する該第二の傾斜面の摺動により、それら第一の傾斜面
と第二の傾斜面のうちの何れか一方を上下移動させるこ
とによって、前記第一の移動体を上下方向に移動せしめ
得るように構成された楔機構と、(e)該第二の移動体
における前記移動方向の何れか一方側の端部に、該第二
の移動体と一体移動可能に取り付けられ、電圧の印加に
より、該第二の移動体の移動方向に沿って伸長乃至収縮
変形せしめられる圧電素子と、(f)前記第二の移動体
に、前記圧電素子を介して、該第二の移動体と一体移動
可能に取り付けられると共に、該圧電素子の前記電圧の
印加による変形に伴って、該第二の移動体の前記移動方
向に沿って移動せしめられる質量体とを含み、前記圧電
素子への印加電圧の急変による該圧電素子の変形の急速
な発生乃至は停止に伴って、前記質量体が急速移動乃至
は急停止せしめられたときに、該圧電素子から該質量体
に及ぼされる作用力に対する反作用によって、該第二の
移動体が、前記第二の案内面との間に生ずる摩擦力に打
ち勝って、かかる第二の案内面が延出する前記横方向に
移動せしめられるように構成したことを特徴とする圧電
アクチュエータを、その要旨とするものである。
【0008】要するに、このような本発明に従う圧電ア
クチュエータにあっては、圧電素子を介して、第二の移
動体に、それと一体移動可能に取り付けられた質量体
が、圧電素子の急速変形に伴って急速移動せしめられた
際や、圧電素子の変形の急停止に伴って移動が急停止せ
しめられた際に、圧電素子から質量体に及ぼされる作用
力に対する反作用によって、第二の移動体が、ベースに
設けられた第二の案内面に案内されつつ、該第二の案内
面が延出する横方向に移動され得るようになっていると
ころから、質量体が急速移動せしめられる毎に、或いは
質量体の移動が急停止せしめられる毎に、第二の移動体
のステップ状の移動が、圧電素子の変形量よりも小さな
量、つまりサブミクロン(ナノメーター)のオーダーで
得られることとなる。
【0009】また、かかる圧電アクチュエータにおいて
は、第二の移動体と第二の案内面との間に生ずる摩擦力
を考慮して、質量体の質量を適度な大きさとすることに
よって、圧電素子を十分に遅い速度で変形させたり、そ
の変形を遅い速度で停止させたりした際に、圧電素子か
ら質量体に及ぼされる作用力に対する反作用により、第
二の移動体が、何等移動せしめられることなく、第二の
案内面との間に生ずる摩擦力によって、静止状態が保持
されることとなり、その上、それら質量体と圧電素子と
が、共に、第二の移動体に対して一体移動可能に取り付
けられている。
【0010】それ故、この本発明に従う圧電アクチュエ
ータでは、例えば、圧電素子を急速変形させて、第二の
移動体を移動せしめた後、第二の移動体の静止状態が保
持され得る程度の速度で、圧電素子の変形状態を復帰さ
せる操作を繰り返し行なったり、或いは第二の移動体の
静止状態が保持され得る程度の速度で、圧電素子を所定
の量だけ変形せしめる一方で、その変形を急停止させる
操作を繰り返し行なったり、更にはそれらの操作を組み
合わせて行なったりすれば、上述せる如きサブミクロン
のオーダーでの第二の移動体のステップ状の移動が、前
記各操作の回数だけ、無制限に得られるのであり、それ
によって、第二の移動体の一回の移動が微小であるにも
拘わらず、かかる第二の移動体のストロークが、何等の
制限もなく、所望の量において得られることとなるので
ある。なお、このような第二の移動体の移動方向は、圧
電素子への電圧印加時の電界の方向(電流の流れの方
向)によって、第二の移動体が案内される第二の案内面
が延出する横方向のうちの何れか一方が、適宜に選択さ
れ得ることとなる。
【0011】そして、本発明に従う圧電アクチュエータ
にあっては、第二の移動体と接触する第一の移動体の下
面と第二の案内面のうちの何れか一方にて構成された第
一の傾斜面と、第二の移動体における該第一の傾斜面と
の接触面にて構成された第二の傾斜面とにて楔機構が構
成され、この楔機構によって、第二の案内面が延出する
横方向への第二の移動体の移動に伴って、第一の移動体
が、第一の案内面に案内されつつ、上下移動せしめられ
るようになっているところから、前述せるように、圧電
素子の急変形や変形の急停止が惹起される毎に、第二の
移動体がステップ状に移動せしめられるのに伴って、第
一の移動体が、該第二の移動体の移動量に応じた量で、
上方若しくは下方に移動せしめられつつ、位置決めされ
得るのである。
【0012】また、かかる圧電アクチュエータにおいて
は、上述のように、位置決めされるべき第一の移動体の
上下方向への移動が、上述の如く、第一の移動体の下面
と第二の案内面のうちの何れか一方にて構成された第一
の傾斜面と、第二の移動体における該第一の傾斜面との
接触面にて構成された第二の傾斜面とにて構成される楔
機構によって実現されているため、例えば、位置決めさ
れるべき移動体をねじ送り機構にて移動させる従来のア
クチュエータとは異なって、位置決めされるべき第一の
移動体の上下方向への移動時に摩耗が生ずる第一の傾斜
面と第二の傾斜面との間の摺接部分が、ねじ部等よりも
十分に大きな面積をもって形成され得るため、長期の使
用による部分的な摩耗によって、第一の移動体の位置決
め精度が低下するようなことが、効果的に解消乃至は抑
制され得るのである。
【0013】しかも、そのように、本発明の圧電アクチ
ュエータでは、第一の傾斜面と第二の傾斜面との間で構
成される上述の如き楔機構によって、第二の移動体に移
動に伴う第一の移動体の移動が実現されているため、第
一の移動体のストロークを大きく損なうことなく、第一
の移動体を上下方向に移動させるための駆動力を増大さ
せることが出来るのである。
【0014】加えて、本発明に従う圧電アクチュエータ
においては、第二の移動体を移動させるための構造が、
第二の移動体に、圧電素子と質量体とを、第二の移動体
と一体移動可能に取り付けただけの簡略な構造で実現さ
れ得ており、また、第一の移動体を移動させるための構
造も、単に、互いに対応する二つの傾斜面にて構成され
た、比較的に単純な構造の楔機構を設けることによっ
て、実現されているに過ぎないのである。
【0015】従って、かくの如き本発明に従う圧電アク
チュエータにあっては、サブミクロンのオーダーでの位
置調整が可能で、長期の使用によっても正確な位置精度
が安定的に確保され得、しかも、より十分に大きなスト
ロークと駆動力とが簡略な構造で、極めて有利に実現さ
れ得ることとなったのである。
【0016】また、本発明に従う圧電アクチュエータに
おいては、第一の傾斜面と第二の傾斜面との間での摺動
により第一の移動体の移動を行なうため、従来のサーボ
モータを用いたアクチュエータとは異なって、第一の移
動体の位置決めの際に微振動が生ずるようなことが有利
に回避され得るといった利点も、得られるのである。
【0017】さらに、本発明に従う圧電アクチュエータ
にあっては、圧電素子への印加電圧の波形の制御のみ
で、位置決めされるべき第一の移動体の駆動力や移動方
向、位置決め精度を制御することが出来、また、それと
共に、第一の移動体の微動と粗動とが、容易に行なうこ
とも出来るのである。
【0018】なお、このような本発明に従う圧電アクチ
ュエータの好ましい態様の一つによれば、前記質量体
が、前記圧電素子に対して、取り外し可能に取り付けら
れると共に、該圧電素子が、前記第二の移動体に対し
て、取り外し可能に取り付けられる。このような構成を
採用すれば、例えば、複数種類の圧電アクチュエータの
間で、比較的に効果な圧電素子の使い回しを行なうこと
が出来、それによって、複数のタイプの圧電アクチュエ
ータを、それぞれ、低コストに得ることが可能となるの
である。
【0019】そして、本発明にあっては、前述せる技術
的課題の解決のために、(a)上下方向に延びる第一の
案内面と、該上下方向に対して交叉する方向となる横方
向に延びる第二の案内面とを有するベースと、(b)該
ベースに対して、該ベースの前記第一の案内面に案内さ
れつつ、上下方向に移動可能に配設された第一の移動体
と、(c)該第一の移動体の下方において、その下面に
接触した状態下で、前記ベースの第二の案内面に案内さ
れつつ、該第二の案内面が延出する前記横方向に移動可
能に配設された第二の移動体と、(d)前記第二の案内
面が延出する横方向の一方から他方に向かって傾斜する
傾斜面形態をもって、前記第二の移動体と接触する前記
第一の移動体の下面と前記第二の案内面のうちの何れか
一方にて構成された第一の傾斜面と、該第一の傾斜面に
対応した傾斜面形態をもって、該第二の移動体における
該第一の傾斜面との接触面にて構成されて、該第二の移
動体の該横方向への移動に伴って該第一の傾斜面に摺動
せしめられる第二の傾斜面とからなり、該第一の傾斜面
に対する該第二の傾斜面の摺動により、それら第一の傾
斜面と第二の傾斜面のうちの何れか一方を上下移動させ
ることによって、前記第一の移動体を上下方向に移動せ
しめ得るように構成された楔機構と、(e)該第二の移
動体における前記移動方向の少なくとも何れか一方側
に、該第二の移動体の移動方向と同一の方向に移動可能
に配置され、電圧の印加に伴って、該第二の移動体の移
動方向に沿って伸長乃至収縮変形せしめられることによ
り、該第二の移動体を該移動方向に沿って押圧乃至引張
せしめて、移動させる圧電素子と、(f)該圧電素子の
伸長乃至収縮変形による前記第二の移動体の移動に追従
して、該圧電素子を該第二の移動体の移動方向に駆動せ
しめる駆動機構とを含んで構成したことを特徴とする圧
電アクチュエータを、また、その要旨とするものであ
る。
【0020】すなわち、このような本発明に従う圧電ア
クチュエータにあっては、圧電素子が、電圧の印加に伴
って伸長乃至収縮変形せしめられることにより、第二の
移動体が、第二の案内面に案内されつつ、その延出方向
たるベースの横方向に移動せしめられるようになってい
るところから、第二の移動体を、圧電素子の変形量に応
じたサブミクロンのオーダーで、移動させることが出来
るのである。
【0021】また、かかる圧電アクチュエータにおいて
は、上述の如くして第二の移動体を移動させる圧電素子
が、駆動機構により、第二の移動体の移動に追従して、
その移動方向に駆動せしめられるようになっているた
め、圧電素子の変形による第二の移動体の移動と、駆動
機構による圧電素子の駆動とを繰り返し行なうことによ
って、第二の移動体のストロークが、何等の制限もな
く、所望の量において得られることとなるのである。な
お、この本発明の圧電アクチュエータでは、第二の移動
体の移動方向の両側に、圧電素子と駆動機構をそれぞれ
配置することにより、第二の移動体が、その移動方向の
両側に向かって移動可能とされる。
【0022】さらに、本発明に従う圧電アクチュエータ
にあっても、十分に大きな面積を確保可能な第一及び第
二の傾斜面にて、第二の移動体の移動に応じて、第一の
移動体を移動させる楔機構が構成されているため、前述
せる如く、長期使用による第一及び第二の傾斜面の摩耗
に起因する位置決め精度の低下が効果的に解消乃至は抑
制され得ると共に、第一の移動体を上下方向に移動させ
るための駆動力が、そのストロークを損ねることなく十
分に増大され得るのである。
【0023】しかも、本発明に従う圧電アクチュエータ
においては、第二の移動体を移動させるための構造が、
第二の移動体の移動方向の少なくとも何れか一方に、圧
電素子と駆動機構とを配置しただけの簡略な構造で実現
され得ており、また、第一の移動体を移動させるための
構造も、単に、互いに対応する二つの傾斜面にて構成さ
れた、比較的に単純な構造の楔機構を設けることによっ
て、実現されているに過ぎないのである。
【0024】従って、かくの如き本発明に従う圧電アク
チュエータにあっても、サブミクロンのオーダーでの位
置調整が可能で、長期の使用によっても正確な位置精度
が安定的に確保され得、しかも、より十分に大きなスト
ロークと駆動力とが簡略な構造で、極めて有利に実現さ
れ得るのである。
【0025】なお、この本発明に従う圧電アクチュエー
タの望ましい態様の一つによれば、前記駆動機構が、前
記第二の移動方向に沿って直線運動するピストン部材を
備えたシリンダ機構にて構成され、且つ該ピストン部材
に、前記圧電素子が取り付けられることにより、該圧電
素子が、該駆動機構にて、該第二の移動体の移動方向に
駆動せしめられるように構成される。これによって、第
二の移動体の移動方向への圧電素子の駆動が、確実に行
なわれ得ることとなり、その結果として、十分に大きな
ストロークが、より確実に実現され得るのである。
【0026】また、本発明に従う圧電アクチュエータの
有利な態様の一つによれば、前記第二の移動体の移動量
を検出する検出手段と、該検出手段にて検出される該第
二の移動体の移動量を、予め設定された目標値と比較し
て、該移動量が該目標値と一致するように、前記圧電素
子に印加される電圧を制御する制御手段とが、更に含ん
で構成される。これによって、第二の移動体の移動量に
応じた量で移動せしめられる第一の移動体を、正確に、
所望の量で移動させることが可能となり、その結果とし
て、位置決め精度が、更に一層効果的に高められ得るの
である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る圧電アクチュエータの構
成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することと
する。
【0028】先ず、図1及び図2には、本発明に従う構
造を有する圧電アクチュエータの一実施形態としての半
導体製造装置における位置決め装置が、その正面形態と
縦断面形態とにおいて概略的に示されている。そこにお
いて、10は、全体として、長手形状を呈するベースで
あり、上面と下面とがそれぞれ水平面とされた、厚肉の
長手矩形平板状の底板部12を有して、構成されてい
る。また、このベース10における底板部12の長手方
向両側の端部には、該長手方向において互いに対向し、
且つ対向面のそれぞれが鉛直面とされた、厚肉板状のエ
ンドプレート部14と、ブロック状のエンドブロック部
16とが、それぞれ、鉛直上方に向かって延びるように
一体的に突設されている。更に、それらエンドプレート
部14とエンドブロック部16との間には、鉛直方向に
おいて上下に延びる二つの側板18,18が、底板部1
2の幅方向に対向しつつ、エンドプレート部14とエン
ドブロック部16の対応する側面同士を連結するように
架け渡されて、各側面に対してボルト固定されている。
【0029】かくして、ベース10においては、長手方
向の略中央部に、それぞれ鉛直面からなるエンドプレー
ト部14とエンドブロック部16の各対向面と、二つの
側板18,18の各対向面とを四つの側面とし、且つ水
平面からなる底板部12の上面を底面として、上方に向
かって開口する矩形凹所20が形成されている。そし
て、ここでは、この矩形凹所20の各側面を与えるエン
ドプレート部14とエンドブロック部16の各対向面及
び二つの側板18,18の各対向面が、それぞれ鉛直方
向において上下に延びる、第一の案内面としての鉛直案
内面22a〜dとされており、また、矩形凹所20の底
面を与える底板部12の上面が、水平な状態でベース1
0の長手方向に向かって横方向に延びる、第二の案内面
としての水平案内面24とされているのである。
【0030】また、そのような鉛直及び水平案内面22
a〜d,24にて囲まれてなる矩形凹所20内には、第
一の移動体としての位置決めテーブル26と、第二の移
動体としての移動ブロック28とが、それぞれ上下に位
置せしめられた状態で、収容配置されている。
【0031】そして、移動ブロック28の上方に位置す
る位置決めテーブル26は、矩形凹所20の深さ寸法よ
りも小さな厚さと、該矩形凹所20の幅や長さよりも僅
かに小さな幅や長さを有する略厚肉矩形板状の全体形状
をもって構成されている。また、この位置決めテーブル
26にあっては、その四つ側面の全てが鉛直面からなる
一方、上面が水平面にて形成されており、更に、下面
が、底板部12(ベース10)の長手方向、換言すれ
ば、水平案内面24の延出方向において、エンドプレー
ト部14側からエンドブロック部16側に向かって下傾
する傾斜面にて形成されている。
【0032】すなわち、これによって、ここでは、矩形
凹所20内に収容配置された位置決めテーブル26が、
上面の水平状態を維持しつつ、ベース10の四つの鉛直
案内面22a〜dに案内されつつ、上下方向に移動せし
められ得るようになっているのであり、また、下面の全
面が、第一の傾斜面としてのテーブル側傾斜面30とさ
れているのである。
【0033】一方、矩形凹所20内において、位置決め
テーブル26の下方に位置する移動ブロック28は、矩
形凹所20の深さ寸法よりも小さな高さと、矩形凹所2
0の幅よりも僅かに小さな幅と、矩形凹所20の長さよ
りも所定寸法短い長さを有する、やや高さの低い矩形ブ
ロック状の全体形状をもって構成されている。また、こ
の移動ブロック28にあっては、その四つ側面の全てが
鉛直面からなる一方、下面が水平面にて形成されてお
り、更に、上面が、前記位置決めテーブル26のテーブ
ル側傾斜面30の形状に対応した傾斜面形状、つまり、
底板部12(ベース10)の長手方向において、エンド
プレート部14側からエンドブロック部16側に向かっ
て、テーブル側傾斜面30の傾斜角度と同一の角度で下
傾する傾斜面にて形成されている。そして、このような
移動ブロック28が、水平面からなる下面において、矩
形凹所20の底面を与える水平案内面24上に載置され
ると共に、位置決めテーブル26のテーブル側傾斜面3
0の形状に対応した傾斜面からなる上面上に、該位置決
めテーブル26を載置させた状態で、矩形凹所20内に
収容位置せしめられているのである。
【0034】これによって、ここでは、移動ブロック2
8が、水平案内面24に案内されつつ、前記エンドプレ
ート部14とエンドブロック部16との対向面間を、該
水平案内面24の延出方向に沿って移動せしめられ得る
ようになっているのである。また、この移動ブロック2
8の上面の全面が、位置決めテーブル26のテーブル側
傾斜面30と所定の楔機構を構成する、第二の傾斜面と
しての移動ブロック側傾斜面32とされている。
【0035】かくして、図2に二点鎖線で示されるよう
に、移動ブロック28が、エンドプレート部14側から
エンドブロック部16側に向かって移動せしめられる際
に、かかる移動ブロック側傾斜面32が、位置決めテー
ブル26のテーブル側傾斜面30に対して摺動せしめら
れ、それにより、位置決めテーブル26が、鉛直案内面
22a〜dに案内されつつ、移動ブロック28の移動量
に応じた量において、上方に移動せしめられるようにな
っている。また、図2に実線で示されるように、移動ブ
ロック28が、エンドブロック部16側からエンドプレ
ート14側に移動せしめられる際には、移動ブロック側
傾斜面32のテーブル側傾斜面30に対する摺動によ
り、位置決めテーブル26が、鉛直案内面22a〜dに
案内されつつ、移動ブロック28の移動量に応じた量に
おいて、下方に移動せしめられるようになっているので
ある。なお、これら移動ブロック側傾斜面32のテーブ
ル側傾斜面30のそれぞれの傾斜角度は、特に限定され
るものではなく、必要とされる位置決めテーブル26の
ストロークや駆動力等に応じて、適宜に決定されること
となる。
【0036】そして、本実施形態においては、特に、上
述の如き移動ブロック28における水平案内面24の延
出方向への移動、更には位置決めテーブル26の上下方
向への移動等の機械的な動作を、電気信号によって実現
させるための圧電素子34が、移動ブロック28に取り
付けられているのである。
【0037】より詳細には、ここでは、ベース10のエ
ンドブロック部16に対して、円形の貫通孔36が、ベ
ース10(底板部12)の長手方向に沿って該エンドブ
ロック部16を貫通して、水平に延びるように形成され
ている。また、この貫通孔36は、エンドブロック部1
6のエンドプレート部14側に位置する部分と、それと
は反対側に位置する部分とが互いに異なる径をもって延
出せしめられており、かかるエンドプレート部14側の
部分が小径孔部38とされている一方、それとは反対側
の部分が大径孔部40とされている。即ち、ここでは、
ベース10の略中央部に形成された矩形凹所20が、前
述の如く、上方に向かって開口せしめられる一方で、エ
ンドブロック部16に形成された小径孔部38と大径孔
部40とからなる貫通孔36を通じて、側方にも開口せ
しめられているのである。
【0038】また、かかる貫通孔36を通じて側方に開
口せしめられた矩形凹所20内に収容された移動ブロッ
ク28においては、該貫通孔36が形成されるエンドブ
ロック部16との対向側の端面に、所定長さを有する丸
棒状の連結ロッド42が、ベース10(底板部12)の
長手方向において、エンドブロック部16側に向かって
水平に延出し、且つ先端部を、エンドブロック部16に
設けられた貫通孔36内に突入せしめた状態で、固設さ
れている。
【0039】そして、この連結ロッド42の先端部の端
面に対して、円柱形状を呈する圧電素子34が、その軸
方向の一方側の端面において固着されており、以て、か
かる圧電素子34が、連結ロッド42を介して、移動ブ
ロック28のエンドブロック部16との対向側の端部
に、該移動ブロック28と一体移動可能に取り付けられ
ているのである。
【0040】なお、ここでは、圧電素子34が、貫通孔
36の小径孔部38の内径よりも一周り小さな外径を有
して構成されており、それによって、図2において実線
で示されるように、移動ブロック28が、水平案内面2
4に案内されつつ、エンドプレート部14側への移動限
度位置まで移動せしめられた際に、部分的に小径孔部3
8内に突入せしめた状態で、貫通孔36内に収容位置せ
しめられるようになっている。
【0041】また、ここで用いられる圧電素子34は、
その種類が特に限定されるものではなく、チタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)等を始めとした、サブミクロンのオ
ーダーでの変形量が得られる、従来から公知の各種の圧
電材料からなるものが用いられ、更に、そのような圧電
材料からなる薄板を一体的に積層することにより円柱状
に成形してなる構造のものが、好適に用いられる。そし
て、ここでは、特に、そのような構造のもののうち、電
圧の印加により、軸方向において、伸長乃至収縮変形せ
しめられる圧電素子34が使用されており、それによっ
て、かかる圧電素子34が、エンドブロック部16の貫
通孔36内において、図示しないリード線を通じた電圧
の印加により、ベース10(底板部12)の長手方向、
換言すれば、水平案内面24の延出方向に沿って、伸縮
乃至収縮変形せしめられ得るように構成されているので
ある。
【0042】さらに、本実施形態では、かかる圧電素子
34の連結ロッド42への固着側とは反対側の軸方向他
方側の端面に、質量体44が、宙に浮いた状態で固着さ
れている。これによって、かかる質量体44が、圧電素
子34と連結ロッド42を介して、移動ブロック28の
エンドブロック部16との対向側の端部に、該移動ブロ
ック28と一体移動可能に取り付けられているのであ
る。
【0043】なお、この質量体44は、貫通孔36の小
径孔部38の内径よりは大きいものの、大径孔部40の
内径よりは一周り小さな外径を有する円柱形状を呈して
いることによって、移動ブロック28が、エンドプレー
ト部14側への移動限度位置に位置せしめられた状態下
で、貫通孔36の大径孔部38内に、収容位置せしめら
れるようになっている。また、かかる質量体44にあっ
ては、後述する如く、圧電素子34への印加電圧の急変
による該圧電素子34の変形の急速な発生乃至は停止に
伴って、急速移動乃至は急停止せしめられたときに、圧
電素子34から及ぼされる作用力に対する反作用によ
り、移動ブロック28を、水平案内面24との間に生ず
る摩擦力に打ち勝って、水平案内面24の延出方向に移
動させる一方、圧電素子34を十分に遅い速度で変形さ
せたり、その変形を遅い速度で停止させたりした際に
は、移動ブロック28を、水平案内面24との間に生ず
る摩擦力によって、静止状態を保持せしめ得る程度の大
きさの質量とされている。
【0044】次ぎに、かくの如き構造とされた本実施形
態の位置決め装置における移動ブロック28の圧電素子
34による移動原理について、説明する。
【0045】本実施形態の位置決め装置における移動ブ
ロック28の移動機構は、それを抽出して、概略的に示
す図3の(a)〜(e)からも明らかなように、基本的
に、水平案内面24、移動ブロック28、圧電素子3
4、及び質量体44を含んで構成されている。そして、
圧電素子34に印加する電圧パターンを制御することに
より、質量体44に適当な加速度を与え、その反作用に
よって、移動ブロック28の微小な移動をステップ状に
得るものであり、その基本的な移動方法として、次ぎの
3種類のパターンがある。なお、以下の記載及び図3の
(a)〜(e)には、移動ブロック28を、図3中、左
方向に移動させる場合のみについて、示した。また、移
動ブロック28と圧電素子34との間に介在せしめられ
る連結ロッド42は、移動ブロック28の一部とみなし
得るため、図3の(a)〜(e)において、かかる連結
ロッド42が省略されていることが理解されるべきであ
る。
【0046】すなわち、第一の移動パターンは、先ず、
圧電素子34に対して一定の電圧を印加せしめて、図3
の(a)に示されるように、圧電素子34を一定量だけ
伸長変形せしめた状態から、圧電素子34に対して急激
に電圧を加えて、図3の(b)に示される如く、圧電素
子34を急速に伸長させる。このとき、質量体44を、
圧電素子34から及ぼされる作用力によって、図中、右
側に移動せしめ、その一方で、移動ブロック28を、質
量体44に及ぼされる作用力に対する反作用により、水
平案内面24との間に生ずる摩擦力に打ち勝って、水平
案内面24上を、図中、左側に向かって移動させるので
ある。
【0047】そして、圧電素子34に印加する電圧を、
前記一定の電圧にまで徐々に減少させることにより、図
3の(c)に示されるように、移動ブロック28を、水
平案内面24との間に生ずる摩擦力にて、静止状態に保
持させたまま、圧電素子34を図3の(b)の大きな変
形状態から、図3の(a)の小さな変形状態に収縮させ
る。これによって、移動ブロック28と圧電素子34と
質量体44とを、水平案内面24上において、図3中、
左側に、同一の量だけ移動させるのである。なお、ここ
での移動ブロック28の移動は、圧電素子34の急速変
形に基づいて惹起される質量体44への作用力の反作用
によって実現されるため、その移動量は、圧電素子34
の変形量よりも、小さな量とされる。
【0048】また、第二の移動パターンは、先ず、圧電
素子34に印加する電圧を徐々に増加せしめて、移動ブ
ロック28を、水平案内面24との間に生ずる摩擦力に
て、静止状態に保持させたまま、圧電素子34を図3の
(b)の大きな変形状態にまで伸長させる。そして、そ
の状態から、質量体44が一定の加速度で加速しなが
ら、移動ブロック28に接近するように、圧電素子34
を収縮せしめる。なお、この圧電素子34の収縮時に
も、移動ブロック28が、水平案内面24との間に生ず
る摩擦力にて、静止状態に保持せしめられるように為
す。
【0049】その後、図3の(d)に示されるように、
圧電素子34が、伸長前の状態にまで収縮せしめられた
時点で、圧電素子34の収縮を急停止させる。このと
き、圧電素子34の収縮に伴って、一定の加速度で加速
しながら移動ブロック28に接近していた質量体44
が、圧電素子34の収縮の急停止により、移動ブロック
28に、圧電素子34を介して衝突するような状態とな
り、その衝撃によって、移動ブロック28が、図3の
(e)に示される如く、図中、左側に向かって、水平案
内面24上を移動する。その際、圧電素子34と質量体
44も、移動ブロック28と一体的に移動せしめられる
こととなる。なお、ここでの移動ブロック28の移動量
も、圧電素子34の変形量よりも小さな量とされる。
【0050】さらに、第三の移動パターンは、第二の移
動パターンにおいて、圧電素子34の収縮を急停止させ
ると同時に、第一の移動パターンでの圧電素子34の急
速変化を開始させることにより、移動ブロック28を、
水平案内面24上で、図3中、左側に向かって移動させ
るものである。なお、この第三の移動パターンでは、移
動ブロック28の1回の移動サイクル毎に、第一の移動
パターンで得られる移動ブロック28の移動量と、第二
の移動パターンで得られる移動ブロック28の移動量と
の合計量よりもいくらか大きい移動量が得られることと
なる。
【0051】かくして、ここでは、第一、第二、及び第
三の移動パターンのうちの何れか一つを選択して、或い
はそれらを種々組み合わせて、繰り返し実施することに
より、移動ブロック28の移動を、ステップ状に、連続
して得られるのであり、また、その1ステップの移動量
として、圧電素子34の変形量よりも小さな移動量が得
られることとなるのである。
【0052】なお、上述せる第一、第二、及び第三の移
動パターンは、移動ブロック28を、図3中、左側に移
動させるための移動機構の動作方法について示したが、
それら第一、第二、及び第三の移動パターンにおいて、
圧電素子34を伸長させるところを収縮させると共に、
それを収縮させるところを伸長させるように為せば、移
動ブロック28を、図3中、右側に向かって、上記と同
様に移動させることが出来るのである。
【0053】このように、本実施形態の位置決め装置に
おいては、第一の移動パターンや第二の移動パターンや
第三の移動パターンに基づいて、圧電素子34の変形を
惹起させ、その操作を繰り返し行なうことにより、移動
ブロック28を、水平案内面24の延出方向に、圧電素
子34の変形量よりも小さな量で移動させる、移動ブロ
ック28のステップ状の移動を得ることが出来るところ
から、位置決めテーブル26を、移動ブロック28の移
動に伴って、圧電素子34の変形量よりも小さな量で、
上下方向に、ステップ状に移動させることが可能とな
り、それによって、位置決めテーブル26の位置決め調
整を、サブミクロンのオーダーで実施することが出来る
のである。
【0054】また、本実施形態では、移動ブロック28
のステップ状の移動を連続して繰り返すことにより、そ
の繰り返し回数に応じた量において、移動ブロック28
を移動させることが出来るため、移動ブロック28のス
テップ状の移動の連続的な繰り返し操作の回数に応じ
て、位置決めテーブル26も、上下方向に連続移動させ
ることが出来、その結果として、位置決め調整における
ストロークが、所望の量において十分に確保され得るの
である。
【0055】さらに、本実施形態の位置決め装置におい
ては、位置決めテーブル26と移動ブロック28とのそ
れぞれの接触面の全面からなる、互いに対応した傾斜面
形態を有するテーブル側傾斜面30と移動ブロック側傾
斜面32とによって、楔機構が構成されて、移動ブロッ
ク28の水平方向への移動に伴って位置決めテーブル2
6が上下方向に移動せしめられるようになっているとこ
ろから、位置決めテーブル26の上下移動を行なわしめ
る作動時に摺動せしめられるテーブル側傾斜面30と移
動ブロック側傾斜面32との間で生ずる応力が、それら
両傾斜面30,32の全面において有利に分散せしめら
れて、テーブル側傾斜面30と移動ブロック側傾斜面3
2の摺動による摩耗が有利に小さく為され得るのであ
り、その結果として、長期の使用による位置決めテーブ
ル26の位置決め精度の低下が、効果的に解消乃至は抑
制され得ることとなるのである。
【0056】更にまた、本実施形態では、位置決めテー
ブル26を上下方向に移動させる楔機構が、テーブル側
傾斜面30と移動ブロック側傾斜面32とにて構成され
ているため、それらの傾斜面30,32の傾斜角度を調
整すること等により、位置決めテーブル26のストロー
クを大きく損ねることなく、その駆動力を増大せしめる
ことが出来るのである。
【0057】しかも、本実施形態の位置決め装置におい
ては、移動ブロック28を水平案内面24の延出方向に
移動させるための構造が、移動ブロック28に対して、
圧電素子34と質量体44とを、連結ロッド42を介し
て取り付けただけの簡略な構造で実現され得ており、ま
た、位置決めテーブル26を上下方向に移動させて、位
置決めするための構造も、単に、位置決めテーブル26
と移動ブロック28との間に、互いに対応した傾斜面形
態を有するテーブル側傾斜面30と移動ブロック側傾斜
面32とにて構成された、比較的に単純な構造の楔機構
を設けることによって、実現されているに過ぎないので
あり、従って、装置全体の構造が、極めて有利に簡略化
され得ているのである。
【0058】また、本実施形態の位置決め装置において
は、テーブル側傾斜面30と移動ブロック側傾斜面32
との間での摺動により、位置決めテーブル26の移動を
行なうため、従来のサーボモータを用いた位置決め装置
等とは異なって、位置決めテーブル26の位置決めに際
して、微振動が生ずるようなことが有利に回避され得る
こととなるのである。
【0059】さらに、本実施形態の位置決め装置にあっ
ては、圧電素子34への印加電圧の波形の制御のみで、
位置決めテーブル26の駆動力や移動方向、位置決め精
度を制御することが出来、また、それと共に、位置決め
テーブル26の微動と粗動とが、容易に行なうことも出
来るといった利点も得られるのである。
【0060】次ぎに、図4には、本発明に従う構造を有
する圧電アクチュエータの別の実施形態としての半導体
製造装置における位置決め装置が、その縦断面形態にお
いて概略的に示されている。なお、本実施形態では、第
二の移動体を移動させるための構造が、前記実施形態と
は異なるものの例が示されており、それ以外の部位及び
部材の構造は、前記実施形態と同一の構造とされてい
る。従って、ここでは、第二の移動体の移動構造以外の
部位及び部材について、図4において、前記実施形態と
同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略す
ることとする。
【0061】すなわち、本実施形態では、エンドブロッ
ク部16における貫通孔36の大径孔部40内に、駆動
機構としてのエアシリンダ46が、位置固定に設けられ
ており、また、このエアシリンダ46の内部には、ピス
トンロッド48が、移動ブロック28の移動方向と平行
な方向において、該移動ブロック28に向かって突出/
引込作動せしめられるように配設されている。更に、か
かるエアシリンダ46のピストンロッド48の先端部に
は、圧電素子34が一体的に固着されており、また、こ
の圧電素子34のピストンロッド48に対する固着側と
は反対側には、硬質材料からなるハンマ部50が、一体
的に固着されている。なお、この圧電素子34は、図示
しないリード線等を通じて電圧が印加されることによ
り、ベース10の長手方向、つまり、該ベース10にお
ける水平案内面24の延出方向に向かって伸長乃至収縮
変形せしめられ得るように構成されている。
【0062】そして、ここでは、図4に二点鎖線で示さ
れる如く、エアシリンダ46内への圧縮空気の供給に伴
うピストンロッド48の突出作動によって、ピストンロ
ッド48と共に、圧電素子34とハンマ部50とが、貫
通孔36の小径部38を通じて、移動ブロック28が収
容配置される矩形凹所20内に突入せしめられるように
なっている。
【0063】かくして、本実施形態においては、ハンマ
部50の先端が移動ブロック28に接触せしめられた状
態下で、圧電素子34に電圧を印加せしめて、該圧電素
子34を伸長変形させることにより、移動ブロック28
が、ハンマ部50にて、ベース10の長手方向の一端部
に位置するエンドプレート部14側に向かって打撃され
るように押圧されて、かかるエンドプレート部14側に
向かって、圧電素子34の変形量に応じた量だけ移動せ
しめられるようになっている。また、ここでは、そのよ
うな移動ブロック28の移動後に、圧電素子34を伸長
変形せしめられる前の状態に復帰させる一方で、移動ブ
ロック28の移動によりハンマ部50の先端と移動ブロ
ック28との間に形成される隙間が無くなるように、エ
アシリンダ46内のピストンロッド48が突出作動せし
められて、それらが再び接触せしめられるようになって
いる。そして、また、そのようなハンマ部50と移動ブ
ロック28との接触状態から、圧電素子34の伸長変形
が更に行なわれることにより、移動ブロック28が、圧
電素子34の伸長変形量に応じて、ベース10のエンド
プレート部14側に向かって、水平案内面24に案内さ
れつつ、該水平案内面24の延出方向(ベース10の横
方向)に沿って、ステップ状に移動せしめられ得るよう
になっているのである。
【0064】さらに、ここでは、エンドプレート部14
も、エンドブロック部16と略同様な構造とされてい
る。即ち、エンドプレート部14にも、移動ブロック2
8の移動方向に沿って、ベース10のエンドブロック部
16側に向かって突出/引込作動せしめられるピストン
ロッド48が内蔵されたエアシリンダ46が、エンドブ
ロック部16と同様な構造をもって、位置固定に設けら
れており、また、このエアシリンダ46のピストンロッ
ド48の先端部にも、圧電素子34とハンマ部50とが
直列状態で固着せしめられているのである。
【0065】それ故、本実施形態においては、移動ブロ
ック28が、エンドプレート部14に配設された圧電素
子34の伸長変形と、エアシリンダ46におけるピスト
ンロッド48の突出作動とによって、ベース10のエン
ドブロック部16側に向かって、水平案内面24に案内
されつつ、該水平案内面24の延出方向に沿って、圧電
素子34の変形量に応じた量で、ステップ状に移動せし
められ得るように構成されているのである。
【0066】そして、このような移動ブロック28にお
ける水平案内面24の延出方向への移動に伴って、該移
動ブロック28の移動ブロック側傾斜面32と位置決め
テーブル26のテーブル側傾斜面30との間の楔機構に
より、位置決めテーブル26が上下方向に移動せしめら
れつつ、かかる位置決めテーブル26の上下方向におけ
る位置決めが行なわれるようになっているのである。
【0067】このように、本実施形態においても、圧電
素子34の伸長変形とエアシリンダ46内におけるピス
トンロッド48の突出作動とを繰り返し行なうことによ
り、移動ブロック28を水平案内面24の延出方向に、
圧電素子34の変形量に応じた量で移動させる、移動ブ
ロック28のステップ状の移動を得ることが出来るた
め、位置決めテーブル26を、移動ブロック28の移動
に伴って、圧電素子34の変形量に応じた量で、上下方
向に、ステップ状に移動させることが可能となり、それ
によって、位置決めテーブル26の位置決め調整を、サ
ブミクロンのオーダーで実施することが出来るのであ
る。
【0068】また、かかる本実施形態にあっても、移動
ブロック28のステップ状の移動を連続して繰り返すこ
とにより、その繰り返し回数に応じた量において、移動
ブロック28を移動させることが出来るため、移動ブロ
ック28のステップ状の移動の連続的な繰り返し操作の
回数に応じて、位置決めテーブル26も、上下方向に連
続移動させることが出来、その結果として、位置決め調
整におけるストロークが、所望の量において十分に確保
され得るのである。
【0069】さらに、本実施形態においても、前記実施
形態と同様に、移動テーブル26の上下移動が、移動テ
ーブル26のテーブル側傾斜面30と移動ブロック28
の移動ブロック側傾斜面32との間で構成される楔機構
にて実現され得るようになっているところから、かかる
楔機構の採用によって前記実施形態で達成され得る効果
が、悉く、有利に享受され得ることとなるのである。
【0070】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであ
って、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも
受けるものではない。
【0071】例えば、第一の移動体としての位置決めテ
ーブル26や、第二の移動体たる移動ブロック28を案
内する第一の案内面や第二の案内面の構造は、前記第一
及び第二の実施形態に示されるものに、何等限定される
ものではなく、位置決めテーブル26や移動ブロック2
8を上下方向や、該上下方向に対して交叉する方向とな
る横方向に案内し得るように構成されておれば良いので
ある。
【0072】従って、図5に示されるように、例えば、
ベース10の底板部12の上面を、位置決めテーブル2
6における第一の傾斜面たるテーブル側傾斜面30や、
移動ブロック28における第二の傾斜面たる移動ブロッ
ク側傾斜面32とは反対方向に傾斜しつつ、ベース10
の長手方向に向かって横方向に延びる傾斜案内面52と
為し、この傾斜案内面52にて、第二の移動体たる移動
ブロック28を前後方向に案内する第二の案内面を構成
しても良いのである。
【0073】また、前記第一及び第二の実施形態では、
水平案内面24の延出方向たる水平方向への移動ブロッ
ク28の移動に伴って、位置決めテーブル26を上下方
向に移動させるための楔機構が、位置決めテーブル26
の下面と移動ブロック28の上面のそれぞれの全面から
なるテーブル側傾斜面30と移動ブロック側傾斜面32
とにて、構成されていたが、例えば、位置決めテーブル
26の下部や移動ブロック28の上部のそれぞれ一部の
面に、テーブル側傾斜面30と移動ブロック側傾斜面3
2を形成し、そのような両傾斜面にて、楔機構を構成す
るようにしても、何等差し支えないのである。
【0074】さらに、かかる楔機構を構成する第一の傾
斜面と第二の傾斜面の形成面も、前記二つの実施形態に
示されるものに、決して限定されるものではない。即
ち、例えば、図6に示されるように、第二の案内面を、
図5に示される如き形態と同様に、エンドプレート部1
4側からエンドブロック部16側に向かって下傾する傾
斜案内面52とし、そして、この傾斜案内面52にて、
第一の傾斜面を形成する一方、かかる第一の傾斜面を与
える傾斜案内面52に接触する移動ブロック28の下面
を、該傾斜案内面52に対応した傾斜面形態を有し、ベ
ース10の長手方向への移動ブロック28の移動に伴っ
て、該傾斜案内面52に摺動する傾斜摺動面54と為す
ことにより、かかる傾斜摺動面54にて、第二の傾斜面
を形成するようにすることも可能である。
【0075】なお、このような構造が採用される場合に
は、例えば、移動ブロック28と位置決めテーブル26
との互いの接触面が、それぞれ水平面にて形成される。
そして、図6に二点鎖線と実線で示されるように、移動
ブロック28が、ベース10の長手方向への移動に伴っ
て、上下方向にも移動せしめられることとなり、この移
動ブロック28の上方への移動時に、位置決めテーブル
26が、かかる移動ブロック28にて押し上げられて、
上方に移動せしめられる一方、移動ブロック28への下
方への移動時に、位置決めテーブル26が、自重により
下方に移動せしめられることとなる。
【0076】また、図7に示されるように、第二の傾斜
面を、移動ブロック28の傾斜摺動面54にて形成する
一方、第一の傾斜面を、ベース10の矩形凹所20内に
おいて、移動ブロック28の下方に更に配置された案内
ブロック56の上面にて、形成しても良い。
【0077】すなわち、ここでは、矩形凹所20内に、
移動ブロック28と略同様な構造により、ベース10に
おける底板部12の底面上を移動せしめられる案内ブロ
ック56が配設されている。そして、この案内ブロック
56の上面に案内されつつ、移動ブロック28がベース
10の長手方向に移動可能とされて、かかる案内ブロッ
ク56の上面の全面が、第二の案内面として構成され、
またそれと共に、それが、移動ブロック28の傾斜摺動
面54と対応した傾斜面形態もって、ベース10のエン
ドプレート部14側からエンドブロック部16側に向か
って下傾する第一の傾斜面としても機能する傾斜案内面
52とされているのである。なお、ここでは、案内ブロ
ック56も、ベース10の一部として構成されている。
【0078】かくして、かくの如き構造が採用される場
合にあっても、例えば、移動ブロック28と位置決めテ
ーブル26との互いの接触面が、それぞれ水平面にて形
成される。そして、図7に二点鎖線と実線で示されるよ
うに、移動ブロック28が、ベース10の長手方向への
移動に伴って、上方に移動せしめられる際に、位置決め
テーブル26が、移動ブロック28にて押し上げられ
て、上方に移動せしめられる一方、移動ブロック28の
下方への移動時に、位置決めテーブル26が、自重によ
り下方に移動せしめられることとなるのである。
【0079】一方、位置決めテーブル26や移動ブロッ
ク28の全体形状も、第一の案内面としての鉛直案内面
22や、第二の案内面たる水平案内面24に案内され
て、各案内面22,24が延出する上下方向や、該上下
方向に対して交叉する方向となる横方向に、それぞれ移
動可能に構成され得るものであれば、如何なる形状であ
っても良いのである。
【0080】また、前記第一の実施形態では、圧電素子
34が、移動ブロック28に対して、連結ロッド42を
介して固着され、また、質量体44が、圧電素子34に
対して固着されていたが、それら圧電素子34を移動ブ
ロック28に対して取り外し可能に取り付けると共に、
質量体44も、圧電素子34に対して取り外し可能に取
り付けるようにしても良い。それによって、例えば、複
数種類の位置決め装置の間で、比較的に効果な圧電素子
34を兼用することが出来、以て、複数のタイプの位置
決め装置を、それぞれ低コストに確保することが可能と
なるのである。
【0081】なお、連結ロッド42を何等介在させるこ
となく、圧電素子34を、移動ブロック28に対して直
接に取り付けることも、勿論可能である。
【0082】さらに、前記第二の実施形態では、エンド
プレート部14やエンドブロック部16にエアシリンダ
46が位置固定に設けられると共に、このエアシリンダ
46のピストンロッド48の先端部に、圧電素子と34
とハンマ部50が固着されて、該ハンマ部50が、移動
ブロック28に対して、圧電素子34の伸長変形によ
り、該移動ブロック28を押圧し得るように、接触位置
せしめられていたが、例えば、エアシリンダ46を移動
ブロック28に位置固定に設ける一方、このエアシリン
ダ46のピストンロッド48の先端部に、圧電素子34
と共に固着されたハンマ部50を、エンドプレート部1
4やエンドブロック部16に立設された適当な壁部に対
して、圧電素子34の伸長変形により、該壁部を押圧し
得るように、接触位置せしめるようにしても良い。これ
によっても、圧電素子34の伸長変形と、エアシリンダ
46におけるピストンロッド48の突出作動とに基づい
て、移動ブロック28をベース10の前後方向に移動さ
せることが出来る。なお、圧電素子34に固着されるハ
ンマ部50を省略しても、何等差し支えない。
【0083】更にまた、前記第二の実施形態では、圧電
素子34を移動ブロック28の移動方向に駆動させる駆
動機構が、エアシリンダ46にて構成されていたが、か
かる駆動機構の構造も、何等これに限定されるものでは
なく、圧電素子34を移動ブロック28の移動に追従し
て、その移動方向に駆動させ得るものであれが、従来よ
り公知の駆動機構が、適宜に採用され得るのである。
【0084】また、移動ブロック28に対して、その移
動量を検出するセンサ等を取り付ける一方、かかるセン
サにて検出される移動ブロック28の移動量を、予め設
定された目標値と比較して、検出される移動量が目標値
と一致するように、圧電素子34に印加される電圧を制
御する制御装置を設けて、移動ブロック28の移動をフ
ィードバック制御することも、可能である。そうするこ
とによって、移動ブロック28の移動量に対応した移動
量で、上下方向に移動せしめられる位置決めテーブル
を、より正確に、所望の量で移動させることが可能とな
り、その結果として、位置決め精度が、更に一層効果的
に高められ得ることとなるのである。
【0085】加えて、前記実施形態では、本発明を、半
導体製造装置における位置決め装置に適用したものの具
体例を示したが、本発明は、その他、光学や医学、物理
学の分野、或いは精密加工や精密機械の製造等の分野
で、様々な位置決めのため等に用いられる圧電アクチュ
エータの何れに対しても、有利に適用され得ることは、
勿論である。
【0086】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0087】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う圧電アクチュエータにあっては、サブミクロン
のオーダーでの位置調整が可能で、長期の使用によって
も正確な位置精度が安定的に確保され得、しかも、より
十分に大きなストロークと駆動力とが簡略な構造で、極
めて有利に実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する位置決め装置の一例
を示す正面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示された位置決め装置に設けられる移動
ブロックの移動原理を説明するための説明図である。
【図4】本発明に従う構造を有する位置決め装置の別の
例を示す図2に対応する図である。
【図5】本発明に従う構造を有する位置決め装置の更に
別の例を示す図2に対応する図である。
【図6】本発明に従う構造を有する位置決め装置の他の
例を示す図2に対応する図である。
【図7】本発明に従う構造を有する位置決め装置の更に
他の例を示す図2に対応する図である。
【符号の説明】
10 ベース 22 鉛直案内
面 24 水平案内面 26 位置決め
テーブル 28 移動ブロック 30 テーブル
側傾斜面 32 移動ブロック側傾斜面 34 圧電素子 44 質量体 46 エアシリ
ンダ 52 傾斜案内面 54 傾斜摺動
フロントページの続き (72)発明者 酒井 正一 岐阜県各務原市那加西市場町一丁目22番地 Fターム(参考) 5H680 AA12 BB09 BC10 DD02 DD23 DD65 FF24 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に延びる第一の案内面と、該上
    下方向に対して交叉する方向となる横方向に延びる第二
    の案内面とを有するベースと、 該ベースに対して、該ベースの前記第一の案内面に案内
    されつつ、上下方向に移動可能に配設された第一の移動
    体と、 該第一の移動体の下方において、その下面に接触した状
    態下で、前記ベースの第二の案内面に案内されつつ、該
    第二の案内面が延出する前記横方向に移動可能に配設さ
    れた第二の移動体と、 前記第二の案内面が延出する横方向の一方から他方に向
    かって傾斜する傾斜面形態をもって、前記第二の移動体
    と接触する前記第一の移動体の下面と前記第二の案内面
    のうちの何れか一方にて構成された第一の傾斜面と、該
    第一の傾斜面に対応した傾斜面形態をもって、該第二の
    移動体における該第一の傾斜面との接触面にて構成され
    て、該第二の移動体の該横方向への移動に伴って該第一
    の傾斜面に摺動せしめられる第二の傾斜面とからなり、
    該第一の傾斜面に対する該第二の傾斜面の摺動により、
    それら第一の傾斜面と第二の傾斜面のうちの何れか一方
    を上下移動させることによって、前記第一の移動体を上
    下方向に移動せしめ得るように構成された楔機構と、 前記第二の移動体における前記移動方向の何れか一方側
    の端部に、該第二の移動体と一体移動可能に取り付けら
    れ、電圧の印加により、該第二の移動体の移動方向に沿
    って伸長乃至収縮変形せしめられる圧電素子と、 前記第二の移動体に、前記圧電素子を介して、該第二の
    移動体と一体移動可能に取り付けられると共に、該圧電
    素子の前記電圧の印加による変形に伴って、該第二の移
    動体の前記移動方向に沿って移動せしめられる質量体と
    を、含み、前記圧電素子への印加電圧の急変による該圧
    電素子の変形の急速な発生乃至は停止に伴って、前記質
    量体が急速移動乃至は急停止せしめられたときに、該圧
    電素子から該質量体に及ぼされる作用力に対する反作用
    によって、該第二の移動体が、前記第二の案内面との間
    に生ずる摩擦力に打ち勝って、かかる第二の案内面が延
    出する前記横方向に移動せしめられるように構成したこ
    とを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記質量体が、前記圧電素子に対して、
    取り外し可能に取り付けられると共に、該圧電素子が、
    前記第二の移動体に対して、取り外し可能に取り付けら
    れている請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上下方向に延びる第一の案内面と、該上
    下方向に対して交叉する方向となる横方向に延びる第二
    の案内面とを有するベースと、 該ベースに対して、該ベースの前記第一の案内面に案内
    されつつ、上下方向に移動可能に配設された第一の移動
    体と、 該第一の移動体の下方において、その下面に接触した状
    態下で、前記ベースの第二の案内面に案内されつつ、該
    第二の案内面が延出する前記横方向に移動可能に配設さ
    れた第二の移動体と、 前記第二の案内面が延出する横方向の一方から他方に向
    かって傾斜する傾斜面形態をもって、前記第二の移動体
    と接触する前記第一の移動体の下面と前記第二の案内面
    のうちの何れか一方にて構成された第一の傾斜面と、該
    第一の傾斜面に対応した傾斜面形態をもって、該第二の
    移動体における該第一の傾斜面との接触面にて構成され
    て、該第二の移動体の該横方向への移動に伴って該第一
    の傾斜面に摺動せしめられる第二の傾斜面とからなり、
    該第一の傾斜面に対する該第二の傾斜面の摺動により、
    それら第一の傾斜面と第二の傾斜面のうちの何れか一方
    を上下移動させることによって、前記第一の移動体を上
    下方向に移動せしめ得るように構成された楔機構と、 該第二の移動体における前記移動方向の少なくとも何れ
    か一方側に、該第二の移動体の移動方向と同一の方向に
    移動可能に配置され、電圧の印加に伴って、該第二の移
    動体の移動方向に沿って伸長乃至収縮変形せしめられる
    ことにより、該第二の移動体を該移動方向に沿って押圧
    乃至引張せしめて、移動させる圧電素子と、 該圧電素子の伸長乃至収縮変形による前記第二の移動体
    の移動に追従して、該圧電素子を該第二の移動体の移動
    方向に駆動せしめる駆動機構とを、含んで構成したこと
    を特徴とする圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記駆動機構が、前記第二の移動方向に
    沿って直線運動するピストン部材を備えたシリンダ機構
    にて構成され、且つ該ピストン部材に、前記圧電素子が
    取り付けられることにより、該圧電素子が、該駆動機構
    にて、該第二の移動体の移動方向に駆動せしめられるよ
    うになっている請求項3に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記第二の移動体の移動量を検出する検
    出手段と、該検出手段にて検出される該第二の移動体の
    移動量を、予め設定された目標値と比較して、該移動量
    が該目標値と一致するように、前記圧電素子に印加され
    る電圧を制御する制御手段とを、更に含んで構成されて
    いる請求項1乃至請求項4の何れかに記載の圧電アクチ
    ュエータ。
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