JP2003134852A - 搬送装置の圧電駆動素子 - Google Patents

搬送装置の圧電駆動素子

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JP2003134852A
JP2003134852A JP2001324916A JP2001324916A JP2003134852A JP 2003134852 A JP2003134852 A JP 2003134852A JP 2001324916 A JP2001324916 A JP 2001324916A JP 2001324916 A JP2001324916 A JP 2001324916A JP 2003134852 A JP2003134852 A JP 2003134852A
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piezoelectric ceramic
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ceramic plate
plate
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JP2001324916A
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Katsunori Yokoyama
勝徳 横山
Hironaga Nonaka
博修 野中
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Sanki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送装置の圧電駆動素子として、電気的安全
性を確保するとともに耐久性を向上し得て信頼性を高
め、更には駆動電源の小型軽量化も可能とする。 【解決手段】 金属シム板22に、両面に電極を有する
圧電セラミック素子24を接合し、この圧電セラミック
素子24に交流電圧を印加することで搬送装置の駆動源
とする素子21にあって、前記金属シム板22と圧電セ
ラミック素子24との接合間に、絶縁セラミック板23
を介在し電気的に絶縁した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を励起し小物
部品の搬送に好適する例えばフィ−ダの駆動源として使
用される搬送装置の圧電駆動素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば各種の自動組立工程におい
て、電子部品、樹脂成形部品、機械部品など比較的小形
の部品をはじめ、粉末体を搬送するためのフィーダとし
ては、駆動源に圧電セラミックス素子を用いた圧電型フ
ィーダ、或いは電磁石を駆動源とするフィーダがよく知
られている。しかるに、前者の圧電型フィーダは、後者
の電磁型フィーダと比較して、物品の搬送がスムーズ
で、消費電力が小さく、また金属性の搬送品に対し着磁
するおそれがないなどの特長があり、近年広く普及して
いる。
【0003】そこで、図6および図7には、物品を直進
搬送するこの種の圧電型フィーダの基本的な一例を示し
ている。その構成につき概述すると、据付け面に接地
(アース)固定される基台1の上方部には、ほぼ水平方
向に延びる搬送用のトラフ2を配設していて、前記基台
1上に取付けられた水平枠片3と、前記トラフ2の下面
に取付けられた水平枠片4との間に、左右両端部におい
て斜め上下方向に延びる圧電駆動素子5,5と変位拡大
ばね6,6とを連結した構成としている。
【0004】しかるに、前記圧電駆動素子5(1個の構
成につき述べる)は、具体的には図8の拡大斜視図に示
すように、金属シム板7として例えばSK鋼を焼入れ処
理して、一般的な板ばね材に比べ厚み寸法を大きくした
矩形板状をなしていて、この金属シム板7の両面のほぼ
中央部に、それぞれ矩形薄板状の圧電セラミック板8,
8を貼り付け接合して構成するとともに、斯かる圧電セ
ラミック板8は、その両面に銀等の導電性ペーストを印
刷し焼き付けしてなる面状の電極9a,9b(後述する
図9参照)を形成した後、分極処理して極性を持たせた
ものである。尚、前記金属シム板7の上下両端部には、
それぞれ2個のネジ止め用の透孔10が形成されてい
て、図6,7に示すように該透孔10を介して、下端部
では前記水平枠片3と、また上端部では前記変位拡大ば
ね6の下端部とそれぞれ連結固定される。
【0005】そして、図9は図8中のC−C線に沿って
切断して示す断面図で、この図9を参照して、更に上記
圧電駆動素子5の細部の構成につき付言すると、前記金
属シム板7と圧電セラミック板8,8との接合には、導
電性を有する接着剤11,11にて貼り合わされ、接合
された内面側の電極9bと金属シム板7の電気的導通が
図られ、また面状の電極9a,9bは、圧電セラミック
板8のほぼ全面或は図示するように周縁部の一部を除い
て形成されている。
【0006】斯くして、各外面側の上記電極9aの中央
部には、図8に示すように銅箔12が貼り付けられ、こ
の銅箔12の表面に、または電極9aに直接半田13に
よりリード線14が半田付けされている。このリード線
14は、図6に示すように一方の電源端子15に接続さ
れ、また他方の電源端子16には、リード線17により
金属シム板7と接続されている。尚、これら電源端子1
5,16は図示しない駆動電源に接続されフィーダとし
て駆動すべくコントロールされる。
【0007】これにより、図示しない電源からの交流電
圧が、リード線14,17を介して印加されると、各圧
電駆動素子5が励起されてたわみ振動し、図6,7に示
す上方向(縦方向)に伝達され変位拡大ばね6とで構成
される振動系の共振周波数で強い振動を起こし、前記ト
ラフ2上の物品18を矢印D方向に移動させ、所謂直進
搬送するようにしている。尚、上記直進型のフィーダに
対し、図示しないが上部に搬送ボウルを備えたボウル型
フィーダも広く普及しており、上記と同様の原理機構に
て物品を螺旋搬送できるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記構成の
フィーダによれば、特に図8に示すように圧電駆動素子
5は金属シム板7に圧電セラミック板8を直接貼り合せ
た構成としている。このため、圧電セラミック板8の接
合面側の電極9bと金属シム板7とが電気的に共通電位
にあり、更にこの金属シム板7は図6に示したように水
平枠片3を介して接地(アース)固定された基台1とも
電気的に繋がっており、このことは上記圧電セラミック
板8の接合面側の電極9bも接地(アース)状態にあ
る。
【0009】従って、搬送装置としてのフィーダの絶縁
耐圧は、圧電セラミック板8に直接試験電圧が印加され
ることとなり、該圧電セラミック板8の圧電性能を劣化
させてしまうおそれが生じる。即ち、圧電セラミック板
8は、前記したように圧電性を付与すべく分極処理され
ているが、この圧電性の劣化や、極性が反転しないよう
に印加される電界としては、一般的に2〔KV/mm〕
以下である。しかも、圧電セラミック板8の厚みが薄く
なるほど耐電圧は低くなるため、ユーザーにて搬送装置
たるフィーダの耐電圧、接地間絶縁抵抗をチェックする
とき、その測定電圧が高いと圧電セラミック板8、所謂
圧電駆動素子5を劣化させてしまう事態を招くのであ
る。
【0010】そこで、従来ではフィーダを駆動コントロ
ールする図示しない駆動電源に、電源回路間の電気的安
全を図るため絶縁トランスを設けるようにしている。し
かしながら、現状この種圧電型フィーダにあっては、搬
送品の小形化或いは多様化に伴い装置全体の小形化や、
高速搬送化が求められているのに対し、上記絶縁トラン
スを設けることは電源の小型化や軽量化に反するととも
に、圧電駆動素子5の振幅を大きくするといった高性能
化、および耐久性(長寿命)の向上による電気的安全性
をより高める要望に対しては、未だ十分とは言えなかっ
た。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、従ってその目的は、十分な絶縁耐圧が得られて電気
的安全性を確保するとともに耐久性にも富み、更には駆
動電源の小型軽量化も期待できる搬送装置の圧電駆動素
子を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の搬送装置の圧電駆動素子は、金属シム板の
片面または両面に、両面に電極を有する圧電セラミック
素子を接合し、この圧電セラミック素子に交流電圧を印
加することで搬送装置の駆動源とする素子にあって、前
記金属シム板と圧電セラミック素子との接合間に、絶縁
セラミック板を介在して電気的に絶縁したことを特徴と
する(請求項1の発明)。
【0013】斯かる構成によれば、金属シム板と圧電セ
ラミック素子との間を絶縁したので、搬送装置として十
分な絶縁耐圧が得られて電気的安全性を確保するととも
に、絶縁セラミック板を介在したことで圧電駆動素子の
耐久性が向上し、より高い信頼性が得られる。また、駆
動電源には絶縁トランスを設ける必要がなくなり小型軽
量化ができるとともに、外部ノイズも受けにくくなるの
で、耐電圧特性を下げた回路部品を使用できてコスト的
にも有利となる。
【0014】そして、請求項1記載のものにおいて、絶
縁セラミック板には、圧電セラミック素子と接合する側
に電極を形成し、該電極は前記圧電セラミック素子の一
方の電極と電気的に導通するるとともに、外部に導出し
てリード部としたことを特徴とする(請求項2の発
明)。
【0015】斯かる構成によれば、絶縁セラミック板に
て絶縁された圧電セラミック素子の接合側の電極に対
し、該電極と導通し外部に導出したリード部を介してリ
ード線等の電気結線が容易にできる。
【0016】また、請求項2記載のものにおいて、絶縁
セラミック板の電極は、枝状に延出した構成であること
を特徴とする(請求項3の発明)。
【0017】斯かる構成によれば、枝状に延びる電極
は、圧電セラミック素子側の電極と確実に導通可能とな
るとともに、絶縁セラミック板と圧電セラミック素子と
は、この枝状電極部位を除いた比較的広い接合面が確保
でき、接合強度も十分に得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を搬送装置としての
フィーダの駆動源に適用した圧電駆動素子の一実施例に
つき、図1〜図5を参照して説明する。尚、圧電型のフ
ィーダの基本構成については、従来例(図6,7参照)
で述べた直進型のフィーダや、或いはボウル型のフィー
ダと同様につき、その図示および説明は省略する。
【0019】まず、図1は、本実施例の圧電駆動素子2
1の構成を示す外観斜視図で、概述すると金属シム板2
2の例えば両面(そのうち一方のみ図示)に、それぞれ
絶縁セラミック板23を介して圧電セラミック素子24
を接合した基本的構成をなしている。具体的には、図2
〜図4も参照して以下に述べる。尚、図2は図1のA−
A線に沿って切断して示す断面図で、図3は図1のB−
B線に沿って切断して示す上半部の断面図、および図4
は前記絶縁セラミック板23の片面に施された電極パタ
ーン図である。
【0020】しかして、まず前記金属シム板22は、図
1に示すように例えばバネ材として用いられるSK鋼を
焼入れ処理して構成され、本実施例では、例えば幅寸法
68〔mm〕,縦寸法105〔mm〕,厚さ寸法8〔m
m〕とした縦長の矩形板状をなしている。この金属シム
板22の上下両端部には、ねじ止め用の複数個の例えば
2個の透孔25がそれぞれ形成されていて、この上端部
には図示しないフィーダの変位拡大ばねと連結され、下
端部には同じく図示しない基台側に不動状態に連結固定
され、該基台は据付け場所に接地(アース)固定されて
いる。
【0021】そして、この金属シム板22の両面に接合
される前記絶縁セラミック板23,23は、例えばチタ
ン酸鉛,ジルコン酸鉛を主成分とし、誘電率2000程
度のソフト系材料が用いられ、その形状は例えば本実施
例では、幅寸法61〔mm〕,縦寸法64〔mm〕,厚
さ寸法0.3〔mm〕とする矩形薄板状をなしている。
この絶縁セラミック板23の片面には、全体的に枝状を
なす電極26が形成されている。この電極26は、特に
図4に示すように並列な枝状に展開して延出された枝状
電極部26aと、外部に導出されリード部としての引出
し電極部26bとからなり、銀,銅,カーボン等の電気
抵抗が小さくなる材質を用いて印刷法により形成されて
いる。
【0022】しかして、斯かる絶縁セラミック板23,
23は、その反電極26側を前記金属シム板22の両面
に、例えばエポキシ系接着剤27(図2参照)を用いて
貼り合わされて接合され、且つその電極26側には前記
圧電セラミック素子24,24がやはりエポキシ系の接
着剤28(図2参照)にて接合される。この圧電セラミ
ック素子24は、上記絶縁セラミック板23と同じセラ
ミック材料にして、且つ全体に若干小さい形状とする幅
寸法59〔mm〕,縦寸法61〔mm〕,厚さ寸法0.
7〔mm〕とする矩形薄板状の圧電セラミック板29
と、その両面に周縁部の一部を除くほぼ全面に銀の導電
ペーストを印刷して焼き付けて形成された電極30a,
30bとを備え、この状態で所定の分極電界を印加する
ことにより分極処理され極性を有したものである。そし
て、上記のうちの一方の例えば電極30b側の面が、前
記した如く絶縁セラミック板23に接合されている。
【0023】この場合、圧電セラミック板29は、図4
中の絶縁セラミック板23上に二点鎖線で示した圧電セ
ラミック板29の外形線29aが、その貼り付け位置を
示している。これから理解できるように、絶縁セラミッ
ク板23の電極26の引出し電極部26bは、外部に導
出された状態に接合されるとともに、圧電セラミック板
29の面状の電極30bと、絶縁セラミック板23の全
体に枝状をなす電極26とは確実に導通状態が得られ
る。また、この枝状電極部26aを除く広い面上に接着
剤28を塗布して貼り付けることで、十分な接合強度が
得られるようにしている。
【0024】しかるに、上記圧電セラミック素子24に
駆動電圧を印加するため、図1,2に示すようにリード
線31,32を引出し、図示しない駆動電源に接続され
ている。即ち、圧電セラミック板29の外面側の電極3
0aには、導電性粘着剤を付した銅箔33を貼り付け、
この銅箔33に一方のリード線31が半田34にて半田
付けされる。これに対し、他方のリード線32は、圧電
セラミック板29の接合面側の電極30bに接続される
もので、当該電極30bは絶縁セラミック板23に形成
された電極26から外部に導出された引出し電極部26
bを経て、以下の手段にて接続される。即ち、特に図1
および図3に明示するように、上記引出し電極部26b
に一端を接した銅箔35が、その他端が圧電セラミック
板29の電極30a上まで帯状に延ばして引出された形
態に形成されている。この銅箔35と引出し電極26b
との電気的接続および固着手段としては、図3に示すよ
うに、この場合、導電性の接着剤36として機能する銀
の導電ペーストを塗布し、乾燥硬化させて結合してい
る。
【0025】しかるに、この銅箔35は、圧電セラミッ
ク板29の外面側の電極30aとは電気的に絶縁するた
め、該銅箔35より幅広とした絶縁性の樹脂シート37
が介在され貼り付けられている。この樹脂シート37
は、例えば絶縁耐圧の高いポリイミド樹脂(または、銅
箔と樹脂を一体化したフレキシブルなフィルム基板でも
可)が採用されるとともに、その銅箔35上に前記した
他方のリード線32が半田38にて半田付けされ、外方
に取り出されている。
【0026】上記のようにして構成された圧電駆動素子
21によれば、各々の圧電セラミック素子24は、金属
シム板22とはそれぞれ絶縁セラミック板23を介して
完全に絶縁された状態で、図示しないフィーダの駆動源
として組み込まれ、従ってリード線31,32間に交流
電圧を印加することで、圧電セラミック板29の伸縮に
伴うたわみ振動を起こし、図示しないトラフ上の物品を
移動させることができる。
【0027】この場合、絶縁セラミック板23が接合さ
れた圧電セラミック板29の電極30b側からは、これ
と導通し該絶縁セラミック板23に形成され外部に導出
された引出し電極部26bを、一方のリード線32を接
続するリード部として容易に取り出すことができ、ま
た、この枝状電極部26aを除く広い面にて両セラミッ
ク板23,29を接着できて十分な接合強度を得るに有
効である。
【0028】そして、耐電圧性能は、圧電セラミック板
29の両面の電極30a,30bから引出された共通の
リード線31と、絶縁構成とした金属シム板22との間
に、交流および直流ともそれぞれ1.5〔KV〕の高電
圧を1分間印加することで試験を行ない、これを10回
繰り返し行なった結果は良好で、絶縁抵抗の低下など何
ら異常はなかった。従って、従来のように駆動電源に絶
縁トランスを設ける必要がなくなり小型軽量化ができる
とともに、外部ノイズも受けにくくなるので、耐電圧特
性を下げた回路部品を使用できてコスト低減も期待でき
る。
【0029】しかるに、長期間の使用に伴う圧電駆動素
子21の耐久性は、圧電セラッミック板29が種々の応
力歪みなどを受けて疲労から生じるクラック(破損)に
委ねられていることから、絶縁性セラッミック板23を
介在した本構成の圧電駆動素子21(圧電セラッミック
板29)において加速寿命試験を行ない、その耐久性能
につき検討した。
【0030】そこで、まず試験条件につき説明すると、
フィーダとしては直径390〔mm〕の搬送未加工ボウ
ルを有するボウル型のフィーダを採用して、その駆動部
に後述する各試料の2個の圧電駆動素子を二組組み込
み、計4個の圧電駆動素子を同時に駆動させて試験し
た。この場合、駆動周波数は約130〔Hz〕、駆動電
圧は230〔V〕(実効値)、そして振動加速度(振動
振幅)は通常の使用状態の約4.5倍の加速度(振幅)
で連続運転駆動を行ない、各試料の圧電セラミック板に
クラックが生じるまでの時間に基づき振動回数を計算
し、その結果を圧電駆動素子の寿命(時間)として評価
した。
【0031】因みに図5は、本発明者の行なった下記3
種類の圧電駆動素子の加速寿命試験の結果を示したもの
で、試験は、各試料について複数回ずつ行ない、その平
均寿命として横軸に上記振動回数を太線矢印で示した。
ここで、上記試料の構成条件とともに試験結果につき述
べると、まず図5から明らかなように試料「実施例品」
の試験結果による耐久性が秀でて優れていることが分か
る。この試料は、上記実施例で述べた圧電駆動素子21
にあって、前記したように絶縁セラミック板23を設け
絶縁耐圧の改善を図ったものであるが、耐久性について
も後述する他の例に比して最も長寿命となる好結果を得
た。
【0032】これに対し、まず「比較例1」は、先の従
来技術の項で述べるとともに図8にて開示した圧電駆動
素子5に相当するもので、この耐久性能にあっては図5
に示す通り比較的良好な結果を得たが、前記したように
絶縁耐圧の問題を有している。次に、「比較例2」につ
き述べると、これは、やはり絶縁耐圧につき改善を図っ
た圧電駆動素子であって、これは上記「実施例品」の絶
縁セラミック板23に代えて、柔軟性を有するポリイミ
ド樹脂からなる厚さ30〔μm〕の絶縁フィルム(引出
し電極用に厚さ30μmの銅箔貼付)を介在してなる圧
電駆動素子を用意した。その結果、絶縁耐圧試験では上
記「実施例品」と同じく良好な結果を得て所期の目的を
達したが、加速寿命試験では図5から明らかな如く最も
短寿命の結果となり、上記従来品である「比較例1」よ
りも劣るものとなった。尚、各試料に組み込まれた圧電
セラミック板は、全て共通とし所謂「実施例品」に云う
圧電セラミック板29を採用した。
【0033】この結果から考察するに、「実施例品」の
耐久性能の好結果は、フィーダとして駆動させたとき駆
動電圧に対する圧電セラミック板29と金属シム板22
の変位に位相差を生じ、絶縁セラミック板23(厚さ
0.3mm)を介在させたとき、その位相差により圧電
セラミック板29に生じる応力歪みが緩和されているも
のと考えられる。ところが、これに類似構成でありなが
ら「比較例2」の柔らかい絶縁フィルム(厚さ30μ
m)を介在させた場合には、より位相差を大きくし当該
圧電セラミック板に生じる応力歪みを大きくして、それ
だけ早期クラックが生じ易くなったものと考えられる。
【0034】また、本実施例(上記「実施例品」に同
じ)では、絶縁セラミック板23の厚さ寸法を0.3
〔mm〕を用いたが、これに限らず例えば最小厚さは、
厚みが薄くなるほど耐電圧は低くなるので金属シム板2
2と圧電セラミック板29との間に加わる耐電圧に耐え
る厚さにすればよく、一方、最大厚さは耐久性能および
フィーダとしての搬送性能に問題がない厚さにすればよ
く、試験では厚さ1.0〔mm〕まで問題ないことを確
認した。また、絶縁セラミック板23の材質は、上記実
施例では圧電セラミック板29と同一材料としたが、こ
れは所期の絶縁耐電圧性能が得られる材質であればよ
い。
【0035】その他、本発明は上記し且つ図面に示す実
施例に限定されることなく、例えば絶縁セラミック板に
形成した枝状に延出した電極も、これに接合される電極
とが確実に電気的導通が得られる構成であればよく、ま
た圧電駆動素子は金属シム板の両面に圧電セラミック素
子を設けたものに限らず、片面のみに設けた駆動源の構
成でもよいなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内で種々変更して実施し得るものである。
【0036】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明の搬送装置の圧電駆動素子は、金属シム板に圧電セ
ラミック素子を接合してなる搬送装置の圧電駆動素子に
あって、金属シム板と圧電セラミック素子との接合間
に、絶縁セラミック板を介在して電気的に絶縁する構成
とした。これにより、搬送装置として十分な絶縁耐圧が
得られて電気的安全性を確保するとともに、絶縁セラミ
ック板を介在したことで圧電駆動素子の耐久性が向上
し、より高い信頼性が得られる。また、駆動電源には絶
縁トランスを設ける必要がなくなり小型軽量化ができる
とともに、外部ノイズも受けにくくなるので、耐電圧特
性を下げた回路部品を使用できてコスト的にも有利で実
用に好適する搬送装置の圧電駆動素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す圧電駆動素子の外観斜
視図
【図2】図1のA−A線に沿って切断して示す断面図
【図3】図1のB−B線に沿って切断し、その上半部を
示す断面図
【図4】絶縁セラミック板に形成した電極パターン図
【図5】加速寿命試験結果を示す図
【図6】従来例を示す圧電型フィーダの作用説明図
【図7】フィーダの概略構成を示す外観斜視図
【図8】図1相当図
【図9】図8のC−C線に沿って切断して示す断面図
【符号の説明】
図面中、21は圧電駆動素子、22は金属シム板、23
は絶縁セラミック板、24は圧電セラミック素子、26
は電極、26aは枝状電極部、26bは引出し電極部
(リード部)、29は圧電セラミック板、30a,30
bは電極、33,35は銅箔、および37は樹脂シート
を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属シム板の片面または両面に、両面に
    電極を有する圧電セラミック素子を接合し、この圧電セ
    ラミック素子に交流電圧を印加することで搬送装置の駆
    動源とする素子にあって、 前記金属シム板と圧電セラミック素子との接合間に、絶
    縁セラミック板を介在して電気的に絶縁したことを特徴
    とする搬送装置の圧電駆動素子。
  2. 【請求項2】 絶縁セラミック板には、圧電セラミック
    素子と接合する側に電極を形成し、該電極は前記圧電セ
    ラミック素子の一方の電極と電気的に導通するるととも
    に、外部に導出してリード部としたことを特徴とする請
    求項1記載の搬送装置の圧電駆動素子。
  3. 【請求項3】 絶縁セラミック板の電極は、枝状に延出
    した構成であることを特徴とする請求項2記載の搬送装
    置の圧電駆動素子。
JP2001324916A 2001-10-23 2001-10-23 搬送装置の圧電駆動素子 Pending JP2003134852A (ja)

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