JP2003132783A - ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法 - Google Patents

ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法

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JP2003132783A
JP2003132783A JP2001325058A JP2001325058A JP2003132783A JP 2003132783 A JP2003132783 A JP 2003132783A JP 2001325058 A JP2001325058 A JP 2001325058A JP 2001325058 A JP2001325058 A JP 2001325058A JP 2003132783 A JP2003132783 A JP 2003132783A
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Hiroko Mitsui
博子 三井
Junji Sanada
淳二 真多
Hitoshi Nobumasa
均 信正
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも基板上に電極および誘電体層または
絶縁体層が構成された配線基板であって、電極上に誘電
体層または絶縁体層を形成しても、電極のエッジカール
が少ない電極を有する配線基板、配線基板の製造方法と
誘電体ペーストまたは絶縁体ペーストを提供する。 【解決手段】少なくとも基板上に電極および、誘電体層
または絶縁体層が構成された配線基板であって、電極の
幅方向における断面中央部の平均高さ(hc)と断面端
部の最大高さ(he)が1≦he/hc≦1.5の関係
を満たすことを特徴とする配線基板である。また、重合
開始剤および架橋剤を含有するペーストであって、基板
上に塗布し硬化させて膜を形成した後の膜厚が150〜
300μmのときのロックスウェル硬度がHRR35〜
120であることを特徴とするペーストおよびそれを用
いた配線基板の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットディスプ
レイや多層基板などの配線基板、さらにはフラットディ
スプレイや多層基板などの配線基板の製造方法と誘電体
ペーストあるいは絶縁体ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイや回路材料におい
て、高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高まってお
り、それに伴って、パターン加工技術の向上が望まれて
いる。
【0003】電極を形成する場合、電極ペーストを基板
上にパターニングし、その後500℃以上の高温で熱処
理することにより形成する方法がある。
【0004】しかし、パターニングされた電極を高温で
熱処理する際、電極の熱収縮により電極サイドが基板か
ら剥がれて突起するいわゆるエッジカールが発生しやす
い。エッジカールした電極上に誘電体層または絶縁体層
を形成すると、エッジカールにより部分的に誘電体層ま
たは絶縁体層の膜厚が薄くなり、耐電圧低下による表示
不良といった問題が起こる。特開平11−283511
号公報にはエッジカールの少ない電極の製造方法が開示
されているが、この方法を用いてエッジカールの少ない
電極を製造しても、電極上に誘電体層または絶縁体層を
形成して焼成する工程において、誘電体層または絶縁体
層の焼成収縮に伴い電極のエッジカールが増加し、最終
的に誘電体層または絶縁体層の厚みムラによる信頼性の
低下が起きるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、少な
くとも基板上に電極および誘電体層または絶縁体層が構
成された配線基板であって、電極上に誘電体層または絶
縁体層を形成しても、電極のエッジカールが少ない電極
を有する配線基板、配線基板の製造方法とそれに用いら
れるペーストを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも基板上に電極および、誘電体層または絶縁体層が
構成された配線基板であって、電極の幅方向における断
面中央部の平均高さ(hc)と断面端部の最大高さ(h
e)が次の関係を満たすことを特徴とする配線基板であ
る。 1≦he/hc≦1.5 また、重合開始剤および架橋剤を含有するペーストであ
って、基板上に塗布し硬化させて膜を形成した後の膜厚
が150〜300μmのときのロックスウェル硬度がH
RR35〜120であることを特徴とするペーストであ
る。
【0007】さらに、基板上に電極および、誘電体層ま
たは絶縁体層を有する配線基板の製造方法であって、基
板上に電極を形成し120〜300℃で熱処理を行う工
程、電極が形成された基板上に上記のペーストを塗布し
熱または光によって硬化させて誘電体層または絶縁体層
を形成する工程、電極および誘電体層または絶縁体層を
形成した基板を焼成する工程を含むことを特徴とする配
線基板の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。
【0009】本発明の配線基板は、少なくとも基板上に
電極および、誘電体層または絶縁体層が構成された配線
基板であって、電極の幅方向における断面中央部の平均
高さ(hc)と断面端部の最大高さ(he)が1≦he
/hc≦1.5の関係を満たすことを特徴とする。ここ
で、断面中央部の平均高さ(hc)とは、電極の幅方向
の長さの中心を基準として両端側へ幅長さの35%以内
ずつの長さに当たる範囲、つまり電極幅方向長さの70
%に当たる範囲における電極上面と電極形成面からの距
離の平均値を指し、断面端部の最大高さ(he)とは、
電極幅方向の両端側より幅長さ15%以内の範囲、つま
り電極幅方向断面に対して上記断面中央部を除く2つの
端部範囲における電極上面と電極形成面からの距離の最
大値を指し、それぞれ任意の断面について測定し得られ
た値とする。測定は、走査型電子顕微鏡(例えば(株)
日立製作所S−2400形)や触針式粗さ計(例えば
(株)小坂研究所性表面粗さ測定器SE−3000)に
より観察し、測定するものとする。he/hcの値を1
以上とすることで、エッジカールを少なくでき、また電
極の厚みに対する断面積を大きくすることができるた
め、電極の抵抗を低くすることができるというものであ
る。さらにhe/hcの値が1.1以上であることが好
ましく、一層、エッジカールが少なくかつ抵抗の低い電
極とすることができる。he/hcの値を1.5以下と
することで、さらに誘電体層または絶縁体層の膜厚を一
定に保ち、耐電圧低下などの問題のない信頼性の高い配
線基板を得ることができる。また、he/hcの値が
1.3以下であることがより好ましく、一層信頼性の高
い配線基板を得ることができる。
【0010】電極の断面中央部の平均高さ(hc)は、
1〜10μmであることが好ましい。hcを10μm以
下とすることで、抵抗を下げ、消費電力を削減すること
ができる。さらに電極を薄膜化することは経済的であ
り、コストダウンにも寄与することができるが、hcが
1μm未満であると、高度な製造技術が要求され製造が
困難である。hcは1〜6μmであることが好ましく、
特に1〜4μmの薄膜電極が好ましい。
【0011】また、本発明のペーストは、重合開始剤お
よび架橋剤を含有するペーストであって、基板に塗布
後、熱または光によって硬化させたときのロックスウェ
ル硬度がHRR35〜120であることを特徴とする。
重合開始剤および架橋剤を含有することにより、不飽和
結合の開裂反応の連鎖によって重合または架橋反応を進
行させ、誘電体ペースト塗布膜の分子構造を3次元網目
構造を有するものに変化させ、誘電体層の強度を向上す
ることができる。
【0012】また、ロックスウェル硬度をHRR35以
上とすることによって、電極を熱処理した時の収縮を押
さえ込み、エッジカールの発生を抑制することができ
る。HRR120以下とすることにより、ペースト塗布
膜の熱処理時の脱バインダー性を良好にすることができ
る。ペースト塗布膜の熱処理時の脱バインダー性が低下
すると、誘電体層に気泡が発生し、耐電圧低下による表
示不良などが発生する。ここで、ロックスウェル硬度は
JIS K7202に規定される測定方法により、圧子
を用いて、まず基準荷重を加え、再び基準荷重に戻した
とき、前後2回の基準荷重における圧子の浸入深さの差
hをプラスチック用ロックスウェル硬さ試験機を用いて
測定し、以下の式によって算出される。
【0013】(ロックスウェル硬度)=130−500
h (ただし、hはmm単位) 試験片は、ペーストを基板上に塗布、乾燥して厚さ約2
00μmの塗布膜を形成し、熱または光によって硬化さ
せて作成する。熱硬化の場合は、ペースト塗布後に15
0℃で15分熱処理した。光硬化の場合は、ペースト塗
布膜を乾燥させ、超高圧水銀灯を光源とした平行光線を
用いる露光機により300mJ/cm2の露光量で光照
射を行った。圧子の径は12.700mmのものを使用
し、基準荷重は98.07N、試験荷重は588.4N
で測定するものとする。
【0014】重合開始剤は、ペースト全量中に1.1〜
10重量%含まれることが好ましい。重合開始剤の含有
量を1.1重量%以上とすることにより、ペースト塗布
膜の3次元網目構造を密にし、硬化後のロックスウェル
硬度を十分に保つことができるためである。重合開始剤
の含有量を10重量%以下とすることで、ペースト保存
時の経時変化を抑制し安定性を低下させず、かつペース
ト塗布膜を熱処理した時の脱バインダー性を向上させる
ことができる。誘電体を熱処理した時の脱バインダー性
が低下すると、硬化膜に気泡が発生し、耐電圧低下によ
る表示不良などが発生する。
【0015】そのような重合開始剤としては、例えば熱
により活性ラジカルとなり、炭素−炭素2重結合のよう
な不飽和結合の開裂反応を開始することができる熱重合
開始剤が挙げられる。具体的には、熱重合開始剤は、半
減期10時間の温度が40〜130℃であるものが好ま
しく、60〜110℃であるものがより好ましい。半減
期とは、一定温度における熱重合開始剤の分解速度をあ
らわす指標で、元の熱重合開始剤が分解して、その濃度
が1/2になるまでに要する時間によって示される。そ
の時間が10時間となる温度を半減期10時間の温度と
する。熱重合開始剤として適当な安定性と活性とを有す
ることが、ペーストの安定性を保持すると共に本発明の
目的に適した熱重合活性を示すために好ましい。半減期
10時間の温度が40℃以上であることで、ペーストの
安定性を保持することができ、130℃以下とすること
で加熱に対する活性を十分に発揮することができる。
【0016】このような熱重合開始剤は、有機過酸化
物、アゾ化合物から選ばれた少なくとも一種のラジカル
重合開始剤を好ましく選択することができる。これらの
化合物で上記の半減期10時間の温度が40〜130℃
を有するものとして具体例をあげると、有機過酸化物と
しては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エ
トキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキ
シイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−
エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(3−
メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、琥珀
酸パーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トル
オイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、ベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン
酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパー
オキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、シク
ロヘキサンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン、t−ブチルパーオキシ
アセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブ
タン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、
ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイドなどが挙げられる。アゾ
化合物としては、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]
ホルムアミド(2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニ
トリル)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−
[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ
メチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2
−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロ
ピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N
−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,
2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチル
プロピオンアミド]2,2’−アゾビス(N−ブチルー
メチルプロピオンアミド)2,2’−アゾビス(N−シ
クロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2
−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−
アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−
(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]ジサルフェートジハイドレイトなどが挙げられる。
【0017】また、重合開始剤として光重合開始剤を用
いることもできる。具体的には、ジエトキシアセトフェ
ノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4
−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、
1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エ
トキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1
−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイ
ソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安
息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−
ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、
4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイ
ド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−
テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−
(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼ
ンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジ
ル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ
−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−ト
リメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2
−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4
−ジクロロチオキサントン、2ーヒドロキシ−3−
(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテ
ン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プ
ロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス
(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラ
フェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2
−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベン
ジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキ
ノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シク
ロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)
−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニル
スルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタ
ジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−
(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウ
ム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオ
キサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチ
オキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケ
トン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロ
アセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、
アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−
アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、ア
ントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチ
レンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、
2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサ
ン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メ
チルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジ
オン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,
3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム、ナフタレンスルフォニルクロラ
イド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチ
オアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、
ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィ
ン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸
化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光
還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン
などの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。本発明で
は、これらの開始剤から1種または2種以上使用するこ
とができる。
【0018】架橋剤は、ペースト全量中に5〜30重量
%含まれることが好ましい。含有量を5重量%以上とす
ることにより、誘電体ペースト塗布膜の3次元網目構造
を密にし、硬化後のロックスウェル硬度を十分に保つこ
とができる。30重量%以下とすることで、誘電体ペー
スト保存時の経時変化を抑制し安定性を低下させず、か
つ誘電体層熱処理時の脱バインダー性を向上させること
ができるためである。
【0019】架橋剤としては、例えば炭素−炭素2重結
合を1つあるいは2つ以上有するモノマー類を加えるこ
とが好ましく、また、重合体に炭素−炭素2重結合を有
する側鎖を導入するなどの方法を用いることも好まし
い。
【0020】モノマー類としては、アルコール類(例え
ばエタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノ
ール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなど)のアクリル酸
またはメタクリル酸エステル、カルボン酸(例えば酢
酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル
酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン
酸など)とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジル、アリルグリシジル、またはテトラグリシジルメタ
キシリレンジアミンとの反応生成物、アミド誘導体(例
えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドな
ど)、エポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸
との反応物、ウレタン(メタ)アクリレートなどを挙げ
ることができる。また、多官能モノマーにおいて、不飽
和基は、アクリル、メタクリル、ビニル、アリル基が混
合して存在してもよい。これらは単独で用いてもよく、
また組み合わせて用いてもよい。
【0021】重合体に炭素−炭素2重結合を有する側鎖
を導入するなどの方法は、重合体中にメルカプト基、ア
ミノ基、水酸基やカルボキシル基を導入し、それらに対
して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレ
ン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル
酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて
作る方法がある。
【0022】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するエ
チレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイル
イソシアナート、(メタ)アクリロイルエチルイソシア
ネートなどがある。
【0023】バインダー樹脂としては、エチルセルロー
スやアクリル系樹脂を用いることが焼成の際の脱バイン
ダー性向上の点で好ましい。アクリル系樹脂としては、
例えば(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸ア
ルキル類を単独または共重合させて用いたものが好まし
く、ペーストに好ましい特性を与えるようにその特性を
選択することができるが、具体的には、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタク
リル酸ブチル、ポリメタクリル酸ヘキシルなどの単独重
合体やこれらの重合体を構成するモノマーの組合せで得
られる共重合体などが好ましい。
【0024】また、本発明のペーストは、これらの他に
もさらに必要に応じて、分散剤、安定剤、消泡剤、レベ
リング剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、重合禁
止剤、有機溶媒、などを添加することもできる。
【0025】ペーストの塗布は、スピンコーター、スク
リーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコ
ーター、ブレードコーターなどの方法を用いることがで
きる。基板上にペーストを塗布した後に、塗布膜を熱ま
たは光により硬化させる。
【0026】ペースト塗布膜を熱により硬化させる条件
としては、通常100〜200℃で3〜30分程度が適
当であり、誘電体ペーストを塗布した後に上記の温度、
時間で塗布膜の乾燥と硬化とを同時に行えば良い。熱に
よる硬化には熱風乾燥機やIR乾燥機を用いることがで
きる。ペースト塗布膜を光により硬化させる場合、光硬
化に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、そ
の光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水
銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的であ
り、通常50〜1000mJ/cm2の露光量が適当で
ある。
【0027】次に本発明の配線基板の製造方法につい
て、プラズマディスプレイを例として順に説明する。た
だし本発明は、プラズマアドレス液晶ディスプレイなら
びに電子放出素子または有機電界発光素子を用いたディ
スプレイや多層基板などにおいても、好ましく適用する
ことができるものである。
【0028】プラズマディスプレイの背面板の基板に
は、通常、ソーダガラスや旭硝子社製の“PD−20
0”などの高歪み点ガラス基板が用いられることが多
い。
【0029】ガラス基板上には、導電性金属により電極
が形成される。導電性金属としては、銀、銅、クロム、
アルミニウム、ニッケル、金などを用いることができ、
幅20〜200μmのストライプ状に形成される。電極
は、スクリーン印刷やフォトリソグラフィ法などにより
製造する。例えばフォトリソグラフィ法では、基板上に
有機バインダーと無機粉末を含む感光性ペーストを全面
塗布、もしくは部分的に塗布し、乾燥させた後、マスク
を介して活性光線を照射する。続いて、露光部分と未露
光部分の現像液に対する溶解度差を利用して現像処理を
行い、電極パターンを形成する。
【0030】次に、電極パターンの熱処理を行う。この
時、300℃より高温で熱処理を行うと、電極ペースト
中の架橋成分の熱重合によって、電極サイドが基板から
剥離するエッジカールが発生する。エッジカールした電
極上に誘電体層または絶縁体層を形成すると、エッジカ
ールにより部分的に誘電体層または絶縁体層の膜厚が薄
くなり、耐電圧低下による表示不良といった問題が起こ
る。
【0031】そこで、本発明においては、電極の熱処理
を120〜300℃の範囲内で行うことを特徴とする。
120℃以上とすることで、電極ペースト中のポリマー
のガラス転移点(Tg)に近づけ、電極ペーストの乾燥
や硬化の収縮などによるエッジカールを緩和できる。ま
た、300℃以下とすることで、今度は電極ペーストの
熱収縮を抑え、電極サイドのエッジカールを抑制するこ
とができる。エッジカールの少ない電極上に誘電体層を
形成することにより、誘電体層の厚みムラなどによる耐
電圧低下などの問題を抑制できる。
【0032】次に、誘電体層を形成する。基板上に本発
明のペーストを塗布する。それによって得られた誘電体
層は、基板上に形成された電極を被覆して保護し絶縁す
る作用を有すると共に、その上に形成される隔壁の形成
性を改良する効果を有するものである。
【0033】また、本発明のペーストは、無機成分とし
て、ガラス転移点が400〜550℃、軟化点が450
〜600℃である低融点ガラスとフィラーを含有するこ
ともでき、その場合にはそれぞれ無機成分全体の50〜
95重量%と5〜50重量%であることが好ましい。低
融点ガラスのガラス転移点が550℃以下、かつ軟化点
が600℃以下であることで、高温焼成を必要とせず、
焼成の際にガラス基板に歪みを生じにくいためである。
また、ガラス転移点を400℃以上、軟化点を450℃
以上とすることで、後工程の蛍光体層の形成や封着の際
に本発明のペーストを用いて得られた硬化膜に歪みを生
じにくく、膜厚精度を保つことができやすくなるためで
ある。
【0034】ここで、本発明のペーストを誘電体ペース
トとして使用する場合に配合される低融点ガラスとして
は、酸化物換算表記で、 酸化ビスマス 10〜85重量% 酸化珪素 3〜50重量% 酸化ホウ素 5〜40重量% 酸化亜鉛 4〜40重量% からなる組成を有するものが好ましい。この組成範囲で
あると520〜580℃程度の適切な条件でガラス基板
上に焼き付けることができる誘電体ペーストが得られる
ためである。
【0035】また、フィラーを配合することも好まし
い。フィラーは、焼成時の収縮率を小さくし、基板にか
かる応力を低下させるなどの効果がある。フィラー添加
量を5重量%以上とすることで、焼成収縮率を低くした
り、熱膨張係数を制御する効果が得られる。また、フィ
ラー添加量を50重量%以下とすることで、焼成後の誘
電体層の緻密性や強度を保つことが可能となり、同時
に、クラック発生などの欠陥を防止することができる。
【0036】フィラーとして、軟化点650〜850℃
の高融点ガラス、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化
ケイ素、チタン酸バリウムおよび酸化ジルコニウムから
なる群から選ばれた少なくとも一種が好ましく用いられ
る。
【0037】さらに、本発明のペーストは、導電性粉末
を無機成分の0.5〜10重量%含有することも好まし
い。AC型プラズマディスプレイパネルにおいて、表示
電極とアドレス電極間でプラズマ放電させると空間電荷
が発生し、その大部分が表示電極上に形成されている誘
電体層上に蓄積される。この蓄積された電荷による電圧
で偶発的に放電が生じて画質を悪くするという問題が起
こる。このような画質の劣化の原因となる電荷の蓄積を
解消するために、誘電体層に導電性粉末を配合し、蓄積
電荷をリークさせることが有効である。導電性粉末は、
具体的には、クロムまたはニッケルから選んだ金属粉末
や酸化インジュウム、酸化スズ、酸化チタンなどの金属
酸化物に不純物を混入した半導体を使用することができ
る。導電性粉末の添加量は0.5〜10重量%であるこ
とが好ましい。0.5重量%以上とすることで、有効に
電荷をリークすることができ、偶発放電を防ぐことがで
きる。10重量%以下とすることで、誘電体層の緻密性
を保持することができる。
【0038】無機粉末は、平均粒径が0.2〜1.5μ
m、最大粒径が10μm以下、タップ密度が0.6g/
cm3以上であることが好ましい。このような範囲であ
ることにより、ペーストへの充填性および分散性が良好
となり、塗布性の優れたペーストを調製することがで
き、緻密で均一な塗布膜を得ることが可能になるためで
ある。ここで、粒径は、レーザ散乱・回折法で測定した
値であり、平均粒径は50%体積粒径、最大粒径は粒径
の最大値である。粒子の凝集力は表面積に依存するた
め、平均粒径を0.2μm以上とすることで凝集性を抑
え、ペースト中での分散性がよくなり、緻密かつ均一な
塗布膜が得られる。また、1.5μm以下とすることで
形成された誘電体ペースト塗布膜の緻密性がよくなり、
内部にボイドなどが発生しない。また、塗布膜表面に不
要な凹凸も生じにくい。最大粒径を10μm以下にする
ことも、内部でのボイド発生や表面の不要な凹凸の発生
を防止するために好ましい。また、無機粉末のタップ密
度を0.6g/cm3以上、好ましくは0.7g/cm3
以上とすると、粉末の充填性・分散性がよくなり、気泡
や凝集物を生じにくくなる。
【0039】ここで、誘電体層の厚みは、均一で緻密な
誘電体層を形成するために、熱処理後で4〜18μmで
あることが好ましく、6〜15μmであることがより好
ましい。厚さを18μm以下とすることで、焼成の際の
脱バインダー性が良好となり、バインダーの残存に起因
するクラックが生じにくくなる傾向がある。またガラス
基板にかかる応力も小さくなるので基板が反るなどの問
題も生じにくくなる。また、4μm以上とすることで平
坦で均一かつ強度の大きい誘電体層を形成することがで
き、電極のエッジカールによって誘電体層にクラックが
入るなどの問題が生じにくいという傾向がある。
【0040】誘電体層の焼成は、バッチ式の焼成炉やベ
ルト式の連続型焼成炉を用いることができる。バッチ式
の焼成の場合、ペースト塗布膜の上に隔壁パターンが形
成されたガラス基板を室温から500℃程度まで数時間
掛けてほぼ等速で昇温した後、通常焼成温度として設定
された500〜580℃に30〜40分間で上昇させ
て、15〜30分間程度保持して焼成を行う。焼成温度
は用いるガラス基板のガラス転移点より低いことが好ま
しいので、自ずから上限が存在する。焼成温度を580
℃以下、焼成時間を15〜30分に設定することで、欠
陥のない良好な誘電体層を得ることができる。
【0041】誘電体ペースト膜の焼成は、ペーストを塗
布・乾燥した後に行っても良いが、誘電体を塗布・乾燥
した後、続いて誘電体塗布膜上に隔壁パターンを形成
し、その後誘電体層と隔壁パターンを同時に焼成する同
時焼成技術を用いることができる。本発明のペーストを
用いて形成した誘電体塗布膜は高い強度を有するので、
隔壁形成用ペーストの塗布膜もしくは隔壁パターンの収
縮による応力に耐えることができ、また感光性ペースト
を用いて隔壁を形成する際の現像時の溶剤にも耐性を有
し、誘電体層と隔壁の同時焼成を歩留まり良く実現でき
る。
【0042】隔壁のパターン形成には、ペーストのスク
リーン印刷を繰り返すスクリーン印刷法やペーストの塗
布膜上にレジストを形成し、研磨剤により不要な部分を
取り除き、最後にレジストを剥離するサンドブラスト
法、感光性ペーストを塗布し、乾燥後に露光・現像する
感光性ペースト法、ペースト塗布膜を金型で加圧した
後、金型を取り除いて隔壁パターンを形成するプレス成
型法等が用いられる。隔壁のパターニングは、焼成によ
る収縮を考慮して行うとよいが、焼成後の隔壁のサイズ
としてはピッチ100〜250μm、高さ60〜170
μm、幅15〜60μmを有するものが好ましく、主と
してストライプ状に形成されるが、格子状である場合も
ある。
【0043】隔壁パターンを形成した後に隔壁パターン
のみを、あるいは誘電体層と隔壁を同時に焼成する場合
には誘電体ペーストの塗布膜と隔壁パターンを同時に、
焼成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特性
によって異なるが、通常は空気中で焼成される。焼成炉
としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉
を用いることができる。バッチ式の焼成の場合、誘電体
ペースト塗布膜の上に隔壁パターンが形成されたガラス
基板を室温から500℃程度まで数時間掛けてほぼ等速
で昇温した後、さらに通常は焼成温度として設定された
500〜580℃に30〜40分間で上昇させて、15
〜30分間保持して焼成を行う。焼成温度は用いるガラ
ス基板のガラス転移点より低いことが好ましいので、自
ずから上限が存在する。焼成温度を580℃以下、焼成
時間を15〜30分に設定することで、ダレなどの欠陥
がない良好な隔壁を得ることができる。
【0044】このようにして得られた隔壁に挟まれたセ
ル内に、赤、緑、青に発光する蛍光体層を設けてプラズ
マディスプレイ用パネルの背面板が構成される。
【0045】この背面板と前面板とを貼り合わせた後、
封着、ガス封入し、駆動用ドライバーICを実装してプ
ラズマディスプレイが作製される。
【0046】なお、ここではプラズマディスプレイ部材
について説明したが、すでに述べたように、本発明は多
層基板などにおいて基板上に電極および絶縁体層を形成
する場合にも好ましく適用することができる。
【0047】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例中の濃度は、断りのない限り重量%で
ある。ペーストの有機成分として用いたバインダー樹脂
溶液、開始剤、架橋剤は次のとおりである。 バインダー樹脂溶液A:エチルセルロース(数平均分子
量80000)、5%テルピネオール溶液 バインダー樹脂溶液B:ポリメタクリル酸メチル(数平
均分子量60000)、5%ベンジルアルコール溶液 バインダー樹脂溶液C:アクリル系ポリマー(ダイセル
化学製、サイクロマーP・ACA250)、40%γ−
ブチロラクトン溶液 重合開始剤A:過酸化ベンゾイル 重合開始剤B:1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル) 重合開始剤C:ベンゾフェノン 架橋剤A:ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロオキ
シプロピル)イソプロピルアミン 架橋剤B:テトラエチレングリコールジメタクリレート 架橋剤C:トリメチロールプロパントリアクリレート ペーストは、バインダー樹脂溶液、開始剤、架橋剤と、
無機成分(ガラス粉末40重量%、フィラー(酸化ケイ
素:日本アエロジル社のアエロジル200)5重量%、
導電体粉末(酸化チタン)10重量%)と溶媒適量から
なる混合物を3本ローラー混練機で混練して作製した。
なお、導電性粉末として混入された酸化チタンはフィラ
ー成分としての役割も有する。ここで、表中の化合物は
以下の化合物である。
【0048】(実施例1〜8、比較例1〜4)125m
m角のガラス基板(旭硝子社製“PD200”)上に、
感光性銀ペーストを用いてストライプ状の線幅110μ
m、ピッチ220μm、厚さ3μmの電極を形成し、表
1に示す電極熱処理条件で熱処理を行った。熱処理後の
電極の幅方向における断面中央部の平均高さ(hc)と
断面端部の最大高さ(he)の関係を走査型電子顕微鏡
((株)日立製作所製)によって観察、測定した結果を
he/hc(1)として表1に示す。
【0049】その電極付きガラス基板上の全面に上記の
誘電体ペーストをスクリーン印刷法(印刷版:SUS#
325)により塗布し、熱風乾燥機を用いて150℃、
15分熱硬化させた。そのときのロックスウェル硬度を
JIS K7202に従って測定した結果を表1に示
す。
【0050】次にフォトリソグラフィ法を用いて、ピッ
チ220μm、線幅30μm、高さ160μmの隔壁パ
ターンを形成した。その後、ローラーハース式焼成炉を
用いて570℃で15分間焼成して、良好な形状の隔壁
層を得た。
【0051】隔壁層を形成した基板に、赤、緑、青3色
の蛍光体層を形成し、プラズマディスプレイ背面板を作
成した。作製した背面板の断面を観察、測定し、hcと
heの関係を関係を走査型電子顕微鏡((株)日立製作
所製)によって観察、測定した結果をhe/hc(2)
として表1に示す。また、断面SEM観察により、誘電
体層中の気泡の体積割合を測定した結果を表1に示す。
【0052】前面板と合わせて封着し、ガス注入を行っ
てパネルを作製した。作成したパネルを5分間点灯さ
せ、誘電体の耐電圧低下によるクロストーク等の表示欠
陥の有無を目視により観察し、表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】本発明に沿って作成したパネルを点灯させ
ると、表示欠陥のない良好なディスプレイを得ることが
できた。一方、電極熱処理温度が300℃を超える(比
較例5)と、電極形成後のエッジカールが大きくなっ
た。さらに、後工程において一層エッジカールが大きく
なり、誘電体厚みムラによる表示不良が多数発生した。
また、電極熱処理を適切に行った場合でも、誘電体ペー
ストが開始剤あるいは架橋剤を含有していなかったり
(比較例2、3)、塗布後の硬化工程を省略すると(比
較例4)、後工程において電極にエッジカールが発生
し、表示不良が発生した。
【0055】(実施例7〜8、比較例5〜6)誘電体ペ
ーストの有機成分として表2に示す組成を用い、誘電体
ペースト塗布膜を硬化させるために、超高圧水銀灯を光
源とした平行光線を用いる露光機によって光照射を行っ
た他は、実施例1を繰り返した。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】本発明に沿って作成したパネルを点灯させ
ると、表示不良のない良好なディスプレイを得ることが
できた。一方、電極熱処理が適切に行われなかったり
(比較例6)、電極熱処理を適切に行った場合でも、誘
電体形成後の光硬化を行わなかった場合(比較例7)に
は、電極のエッジカールは大きくなり、表示不良が発生
した。
【0058】
【発明の効果】本発明の配線基板は、基板上に電極を形
成し120〜300℃で熱処理を行う工程、電極が形成
された基板上に特定のペーストを塗布し熱または光によ
って硬化させて誘電体層または絶縁体層を形成する工
程、電極および誘電体層または絶縁体層を形成した基板
を焼成する工程を含む製造方法により作成されるので、
電極上に誘電体層または絶縁体層を有していても、電極
のエッジカールが少ない。また、本発明のペーストは重
合開始剤および架橋剤を含有するペーストであって、塗
布膜を形成後、熱または光によって硬化させたときのロ
ックスウェル硬度がHRR35〜120であることによ
り、電極のエッジカールを押さえ込むことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G059 AA08 AB09 AC30 CA01 CA08 CB09 DA01 DA02 DA05 DA06 DA07 GA01 GA05 GA15 5C027 AA09 5C040 FA01 GD07 GF18 JA03 JA12 JA22 KA08 KA17 KB28 KB29 MA20 5E346 AA02 AA12 AA15 BB01 BB15 BB16 CC16 CC31 DD03 DD31 EE32 GG19 GG28 HH21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基板上に電極および、誘電体層
    または絶縁体層が構成された配線基板であって、電極の
    幅方向における断面中央部の平均高さ(hc)と断面端
    部の最大高さ(he)が次の関係を満たすことを特徴と
    する配線基板。 1≦he/hc≦1.5
  2. 【請求項2】電極の幅方向における断面中央部の平均高
    さ(hc)と断面端部の最大高さ(he)が次の関係を
    満たすことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 1.1≦he/hc≦1.3
  3. 【請求項3】重合開始剤および架橋剤を含有するペース
    トであって、基板上に塗布し硬化させて膜を形成した後
    の膜厚が150〜300μmのときのロックスウェル硬
    度がHRR35〜120であることを特徴とするペース
    ト。
  4. 【請求項4】重合開始剤がペースト全量中に1.1〜1
    0重量%含まれることを特徴とする請求項3記載のペー
    スト。
  5. 【請求項5】架橋剤がペースト全量中に5〜30重量%
    含まれることを特徴とする請求項3記載のペースト。
  6. 【請求項6】基板上に電極および、誘電体層または絶縁
    体層を有する配線基板の製造方法であって、基板上に電
    極を形成し120〜300℃で熱処理を行う工程、電極
    が形成された基板上に請求項3〜5のいずれかに記載の
    ペーストを塗布し熱または光によって硬化させて誘電体
    層または絶縁体層を形成する工程、電極および誘電体層
    または絶縁体層を形成した基板を焼成する工程を含むこ
    とを特徴とする配線基板の製造方法。
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