JP2003132550A - マルチレベル光記録媒体およびマルチレベル記録方法 - Google Patents

マルチレベル光記録媒体およびマルチレベル記録方法

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JP2003132550A
JP2003132550A JP2001325116A JP2001325116A JP2003132550A JP 2003132550 A JP2003132550 A JP 2003132550A JP 2001325116 A JP2001325116 A JP 2001325116A JP 2001325116 A JP2001325116 A JP 2001325116A JP 2003132550 A JP2003132550 A JP 2003132550A
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Eimei Miura
栄明 三浦
Jiro Yoshinari
次郎 吉成
Yoichi Nakayama
陽一 中山
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    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/0045Recording
    • GPHYSICS
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0009Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier for carriers having data stored in three dimensions, e.g. volume storage
    • G11B2007/0013Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier for carriers having data stored in three dimensions, e.g. volume storage for carriers having multiple discrete layers

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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録可能容量を増加し得るマルチレベル光記
録媒体を提供する。 【解決手段】 記録用レーザービームの照射量を多段階
で切り替えることによってL1記録層12,14におけ
る記録部分の光反射率を複数段階に規定するマルチレベ
ル記録方法に従って記録データを記録可能なマルチレベ
ル光記録媒体10であって、マルチレベル光記録媒体1
0における一方の面に記録用レーザービームの入射方向
が同一方向となるように複数のL1記録層12,14を
積層して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録部分の光反射
率を多段階に規定するマルチレベル記録方法に従って記
録データを記録可能なマルチレベル光記録媒体、および
マルチレベル記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、光記録媒体として、記録用レーザ
ービームを照射してピットを形成することによって記録
データが記録され、かつそのピットの有無に基づいてそ
の2値データを再生可能に構成された2値光記録媒体が
広く使用されている。また、近年、光記録媒体の記録密
度向上(記録可能容量の増加)の要請により、記録用レ
ーザービームの集光ビーム径を調節して高密度に記録す
る研究も進められている。その一方、集光ビーム径を調
節する方式とは異なり、複数の意味を持つ異なるマーク
のうちの一つを1の仮想記録セルに記録可能なマルチレ
ベル光記録媒体の開発が進められている。
【0003】この種のマルチレベル光記録媒体として、
出願人は図12に示すマルチレベル光記録媒体(以下、
「光記録媒体」ともいう)30を開発している。この光
記録媒体30は、円板状の基板31と、基板31上に積
層された記録層32と、記録層32を覆うように形成さ
れたカバー層33とを備え、記録層32における1の仮
想記録セルS(図11参照)に複数の意味を持つ異なる
記録マークのうちの一つを記録可能に構成されている。
この場合、図13に示すように、記録層32は、反射層
32d、第2保護層32c、相変化材料層32bおよび
第1保護層32aの順で基板31側の上に積層されて構
成され、光記録媒体30に対する記録用レーザービーム
の照射量を多段階に切り替えることによって相変化材料
層32bの非晶質度合いが変化する。なお、相変化材料
層32bは、GeSbTe、SbTe共晶合金などの相
変化材料をスパッタリングすることによって薄膜状に形
成されている。この相変化材料層32bは、スパッタリ
ングの直後には非晶質状態を維持する。一方、相変化材
料層32bは、初期化用レーザービームを照射すること
によって結晶状態に移行し、この結晶状態において記録
データの記録が可能となる。
【0004】具体的には、光記録媒体30に対する記録
用レーザービームの照射量を多段階に切り替えることに
よって記録対象の1の仮想記録セルSの一部に光反射率
を低下させる非晶質部分(図11に示す記録マークMa
〜Mh、以下、区別しないときには「記録マークM」と
もいう)が出現し、かつ、この記録マークMの1の仮想
記録セルS全体に占める割合が記録用レーザービームの
照射量によって異なるという特性が利用されている。つ
まり、この光記録媒体30では、再生用レーザービーム
が照射された際に、この記録マークMの1の仮想記録セ
ルS全体に占める割合に応じて再生用レーザービームの
反射量が変化し、その結果として再生用レーザービーム
の光反射率が多段階(例えば5段階以上)となる。した
がって、多段階の光反射率の各々に複数のデータ内容の
各々を対応させることにより、1の仮想記録セルSに複
数のデータのいずれかが記録されることになる。この場
合、光反射率とは、仮想記録セルSに照射した再生用レ
ーザービームに対して、この仮想記録セルSの表面で反
射されたレーザービーム、および仮想記録セルSを透過
して反射膜などで反射された後にその仮想記録セルSを
再度透過して光記録媒体30の外部に出射されるレーザ
ービームの割合をいう。
【0005】この光記録媒体30に対する記録データの
記録に際しては、記録データの再生時においてマルチレ
ベル方式に従って記録された記録データを確実に識別で
きるように記録する必要がある。具体的には、再生用レ
ーザービームを照射した仮想記録セルSの光反射率が多
段階の光反射率のうちの何段階目の光反射率であるかを
特定することによって初めて、記録データの再生が可能
となる。したがって、マルチレベルで記録された仮想記
録セルS毎の各光反射率には、ある程度の差があること
が好ましい。この場合、光記録媒体30の記録層32
は、相変化材料層32bが結晶状態の仮想記録セルSの
光反射率と非晶質状態の仮想記録セルSとの光反射率差
である光反射率ダイナミックレンジや、記録用レーザー
ビームの照射量に対する非晶質化の度合いが一義的では
なく、相変化材料層32bに使用される素材や各層の厚
みに応じて相違する。したがって、光記録媒体30の設
計時には、記録マークMを記録した仮想記録セルSのう
ち、非晶質化の度合いが最も大きい仮想記録セルSの光
反射率と、非晶質化の度合いが最も小さい仮想記録セル
Sの光反射率との差分に相当する記録部分光反射率ダイ
ナミックレンジを大きく規定することができるように、
相変化材料層32bに使用する素材や各層の厚みを適宜
調整している。この結果、光反射率が最も大きい記録マ
ークMaを記録した仮想記録セルS(非晶質化の度合い
が最も小さい仮想記録セルS)の光反射率と、光反射率
が最も小さい記録マークMh(非晶質化の度合いが最も
大きい仮想記録セルS)の光反射率との間の記録部分光
反射率ダイナミックレンジを大きく規定することができ
る。この後、規定した記録部分光反射率ダイナミックレ
ンジの間に各仮想記録セルS毎の各光反射率が含まれる
ように、記録データの値に応じてレーザービームの照射
量を多段階に制御することにより、マルチレベルで記録
データが記録される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この光記録
媒体30には、以下の改善すべき点がある。すなわち、
この光記録媒体30では、複数のマーク(記録マークM
a〜Mh)のうちの一つを1の仮想記録セルSに記録す
ることにより、従来の一般的な2値光記録媒体よりも記
録密度向上(記録可能容量の増加)が図られている。そ
の一方、記録データのデータ容量が増大する傾向の今日
においては、光記録媒体に対する記録可能容量のさらな
る増加が望まれている。したがって、1枚の光記録媒体
にさらに大量の記録データを記録可能に改善するのが好
ましい。
【0007】この場合、記録マークMの記録密度をさら
に高めることにより、1枚の光記録媒体に対する記録可
能容量を増加させる方法が考えられる。しかし、記録マ
ークMの記録密度を高めるためには、仮想記録セルSの
セルサイズを縮小する必要があり、このためには、波長
が短いレーザービーム(例えば青色レーザービーム)を
記録用レーザービームおよび再生用レーザービームとし
て使用する必要が生じる。この青色レーザービームを出
射するレーザとしては、一般的に、最大出力が10mW
程度のタイプが流通している。この場合、最大出力が1
0mWのレーザでは、最小出力としては0.6mW程度
が下限値であり、0.6mW未満のレーザービームにつ
いては、ノイズ成分が増加することに起因して照射量が
不安定となる。このため、このレーザを用いて例えば
0.4mW相当の再生用レーザービームを出射するため
には、光学系の光効率を下げた設計のピックアップを用
いる必要がある。したがって、高パワーを必要とする記
録マークMの記録が困難となり、この種のレーザを使用
して記録マークMの記録密度を高めるのは事実上極めて
困難である。
【0008】本発明は、かかる改善すべき点に鑑みてな
されたものであり、記録可能容量を増加し得るマルチレ
ベル光記録媒体を提供することを主目的とする。また、
正確な再生を保証しつつマルチレベル光記録媒体に記録
データを記録し得るマルチレベル記録方法を提供するこ
とを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係るマルチレベル光記録媒体は、記録用レーザー
ビームの照射量を多段階で切り替えることによって記録
層における記録部分の光反射率を複数段階に規定するマ
ルチレベル記録方法に従って記録データを記録可能なマ
ルチレベル光記録媒体であって、当該マルチレベル光記
録媒体における一方の面および他方の面の少なくとも一
方に前記記録用レーザービームの入射方向が同一方向と
なるように複数の前記記録層を積層して構成されてい
る。
【0010】この場合、その前記記録部分における前記
複数段階の光反射率を含む光反射率ダイナミックレンジ
が当該各記録層毎に異なるように前記各記録層をそれぞ
れ形成するのが好ましい。
【0011】また、前記記録用レーザービームの入射方
向側ほど前記光反射率ダイナミックレンジが大きくなる
ように前記各記録層をそれぞれ形成するのが好ましい。
【0012】さらに、前記記録用レーザービームの入射
方向側ほど前記光反射率ダイナミックレンジが小さくな
るように前記各記録層をそれぞれ形成するのが好まし
い。
【0013】また、本発明に係るマルチレベル記録方法
は、上記記載のマルチレベル光記録媒体に対して前記記
録データを記録するマルチレベル記録方法であって、前
記各記録層における前記記録部分の最大光反射率と最小
光反射率との差分に相当する差分光反射率ダイナミック
レンジを当該各記録層毎に異ならせて規定すると共に当
該各差分光反射率ダイナミックレンジ内で前記記録部分
の光反射率を複数段階にそれぞれ規定して前記記録デー
タを記録する。
【0014】この場合、前記記録部分の光反射率の段階
数を前記各記録層毎に異なる段階数に規定して前記記録
データを記録するのが好ましい。
【0015】また、前記差分光反射率ダイナミックレン
ジが小さい前記記録層ほど前記光反射率の段階数を少な
く規定して前記記録データを記録するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るマルチレベル光記録媒体、およびそのマルチレ
ベル光記録媒体に対するマルチレベル記録方法の好適な
実施の形態について説明する。
【0017】最初に、本発明に係るマルチレベル光記録
媒体10(以下、「光記録媒体10」ともいう)の構成
について、図1〜3を参照して説明する。
【0018】光記録媒体10は、例えば、相変化記録層
を有する書換え型片面2層タイプの光記録媒体であっ
て、図1に示すように、少なくとも、基板11、L1記
録層12、スペーサ層13、L0記録層14およびカバ
ー層15を備えている。基板11は、一例として透明樹
脂(例えばポリカーボネイト)を基材として直径120
mm程度、厚み1.1mm程度の平板状に形成されてい
る。この基板11における一方の面(図1における上
面)には、その中心部近傍から外縁部に向けて、L1記
録層12に対する記録データの記録および再生時に記録
用レーザービームまたは再生用レーザービームをガイド
するためのグルーブやランドが螺旋状に形成されてい
る。L1記録層12は、図2に示すように、反射層12
d、第2保護層12c、相変化材料層12bおよび第1
保護層12aが基板11側から順に積層されて構成され
ている。反射層12dは、光記録媒体10に記録された
記録データの再生時に、カバー層15、L0記録層1
4、スペーサ層13、およびL1記録層12(反射層1
2dを除く)を透過した再生用レーザービームを反射す
るための薄膜層であって、金、銀またはアルミニウムな
どの金属を主原料として基板11の上に例えばスパッタ
リングすることによって成膜されている。この場合、再
生用レーザービームは、反射層12dによる反射の他に
各層間の屈折率の差に起因する層間反射などによっても
反射される。
【0019】第1保護層12aおよび第2保護層12c
は、ZnS−SiOなどをスパッタリングすることに
より、相変化材料層12bを挟むようにして成膜されて
いる。相変化材料層12bは、SbTe共晶合金、Ge
TeSb、InSbTeおよびAgGeInSbTeな
どの相変化材料を例えばスパッタリングすることによっ
て薄膜状に成膜されている。この相変化材料層12b
は、スパッタリングの直後には非晶質状態で、初期化用
レーザービームを照射することによって結晶状態に移行
する。また、この結晶状態の相変化材料層12bに対し
て記録マークが記録される。この光記録媒体10では、
記録用レーザービームまたは消去用レーザービーム(例
えば波長が405nmのレーザービーム)がL1記録層
12に照射されることにより、相変化材料層12bを含
むL1記録層12が非晶質状態と結晶状態との間で可逆
的に相変化させられて記録マークMの記録または消去が
行われる。具体的には、L1記録層12に記録用レーザ
ービームが照射された際に、その照射部分が融点以上に
加熱された後に急速に冷却(急冷)されることによって
非晶質化されて、記録データのデータ内容に応じた記録
マークMが形成される。また、L1記録層12では、消
去用レーザービームが照射された際に、その照射部分が
結晶化温度以上に加熱された後に徐々に冷却(徐冷)さ
れることによって結晶化されて、記録マークMが消去さ
れる。
【0020】スペーサ層13は、L1記録層12を覆う
ようにして例えば紫外線硬化樹脂をスピンコートするこ
とによって形成されている。このスペーサ層13におけ
る一方の面(図1における上面)には、その中心部近傍
から外縁部に向けて、L0記録層14に対する記録デー
タの記録時および再生時に記録用レーザービームまたは
再生用レーザービームをガイドするためのグルーブやラ
ンドが螺旋状に形成されている。L0記録層14は、図
3に示すように、第2保護層14c、相変化材料層14
bおよび第1保護層14aがスペーサ層13側から順に
積層されて構成されている。この場合、第1保護層14
aおよび第2保護層14cは、L1記録層12の第1保
護層12aおよび第2保護層12cと同様にして、Zn
S−SiOなどをスパッタリングすることにより、相
変化材料層14bを挟むようにして成膜されている。相
変化材料層14bは、L1記録層12の相変化材料層1
2bと同様にして、相変化材料を例えばスパッタリング
することによって薄膜状に成膜されている。また、この
相変化材料層14bに対する記録データ(記録マーク
M)の記録についても、L1記録層12の相変化材料層
12bと同様の記録原理に従って行われる。この場合、
相変化材料層14bに記録された記録データの再生時に
は、相変化材料層14bを透過した再生用レーザービー
ムが反射層12dを含むL1記録層12によって反射さ
れることにより、記録マークMの読み取りが行われる。
カバー層15は、L0記録層14などの保護や光路の一
部(レンズ)としての役割を有すると共に光記録媒体1
0全体としての厚みを調整するための樹脂層であって、
L0記録層14の表面を覆うように例えば紫外線硬化型
の透明樹脂をスピンコートして形成されている。
【0021】次に、光記録媒体10の記録原理につい
て、図面を参照して説明する。
【0022】この光記録媒体10では、その回転方向
(円周方向)に沿ってL1記録層12およびL0記録層
14のそれぞれのグルーブを仮想的に分割した仮想記録
セルS,S・・が記録単位として規定(仮想)されてい
る。ここで、図11に示すように、仮想記録セルSのグ
ルーブに沿った方向(光記録媒体10の円周方向)のセ
ル幅は、集光ビーム径(ビームウエストの直径)Dより
も短い例えば180nmに規定されている。この場合、
光記録媒体10のトラックピッチやグルーブの幅は任意
に選択できるが、この光記録媒体10では、仮想記録セ
ルSの単位幅は、グルーブの幅と同一または若干狭めと
なるように規定されている。したがって、光記録媒体1
0の半径方向に対して仮想記録セルSが効率よく配置さ
れている。なお、仮想記録セルSは、あくまでも仮想さ
れるものであり、同図に示す四角形のように実体が存在
するのではなく、マルチレベル記録再生の際の信号処理
時において、記録再生装置によって想定される。
【0023】この場合、記録再生装置のピックアップか
ら出射される記録用レーザービームの出射時間を記録デ
ータの値に応じて多段階に制御することで、図11に示
すように、L1記録層12またはL0記録層14の仮想
記録セルS内に非晶質化の度合いが異なる記録マークM
a〜Mhが形成される。なお、同図では、非晶質化の度
合い(すなわち、光反射率の変化量)を記録マークMの
大きさで概念的に図示している。また、記録マークMの
形成された仮想記録セルSが、L1記録層12およびL
0記録層14における記録部分となる。さらに、記録用
レーザービームによって記録データを記録する際には、
光記録媒体10を回転させつつ記録用レーザービームを
出射する。
【0024】また、この光記録媒体10に記録データを
マルチレベルで記録する際には、仮想記録セルSを含む
部分に再生用レーザービームを照射した際の光反射率が
例えば8段階(未記録部分を含めて9段階)となるよう
に、記録マークMa〜Mhのそれぞれの非晶質化の度合
い(光反射率の変化量)を規定する(図11参照)。こ
の場合、光反射率は、L1記録層12またはL0記録層
14の非晶質化の度合いが小さいほど大きくなる。この
ため、記録マークMが記録されていない仮想記録セルS
(結晶状態)が最大光反射率の特性を有し、最も小さい
記録マークMaが形成されている仮想記録セルSを含む
部分が記録マークMのうち最も大きい光反射率の特性を
有し、以降、記録マークMb〜Mgがそれぞれ形成され
ている仮想記録セルSを含む各部分の順に光反射率が低
下し、最も大きな記録マークMhが形成されている仮想
記録セルSを含む部分が最小光反射率の特性を有する。
【0025】この場合、「仮想記録セルSを含む部分」
とは、光記録媒体10の表面において記録用または再生
用のレーザービームの焦点が合わされた照射部分を意味
する。したがって、仮想記録セルSの個数を意味するも
のではない。つまり、この焦点が合った記録用または再
生用のレーザービームの照射部分には、そのレーザービ
ームの集光ビーム径に応じて、1つの仮想記録セルSに
おける特定の部分、および1以上の仮想記録セルSを含
む部分が含まれる。このため、この仮想記録セルSを含
む部分に対する記録用レーザービームの出射量を制御し
て非晶質部分の面積比(つまりL1記録層12またはL
0記録層14の光反射率)を適宜設定することにより、
L1記録層12およびL0記録層14の双方に対して、
再生用のレーザービームが照射された際の光反射率が8
段階となる記録マークMa〜Mhを形成することが可能
となる。なお、L1記録層12およびL0記録層14の
それぞれの光反射率の段階数(すなわち、記録マークM
の段階数)については、各記録層12,14毎の特性に
応じて適宜変更することができる。この点については、
具体例を挙げて後述する。
【0026】次いで、この光記録媒体10に対する記録
データの記録、および記録データの再生を実行する記録
再生装置1について、図4を参照して説明する。
【0027】記録再生装置1は、本発明に係るマルチレ
ベル記録方法に従って記録データを記録可能に構成され
ている。この記録再生装置1は、スピンドルモータ2、
ピックアップ3、スピンドルサーボ4、送りサーボ5、
フォーカストラッキングサーボ6および制御部7を備え
ている。この場合、スピンドルモータ2は、後述するよ
うにスピンドルサーボ4によって駆動制御され、光記録
媒体10を線速度一定の条件で回転させる。ピックアッ
プ3は、レーザー出射部とレーザー受光部とが一体化さ
れて構成され、制御部7の制御下でレーザードライバに
よってレーザー(共に図示せず)が駆動されて光記録媒
体10に対して記録用レーザービームまたは再生用レー
ザービーム(出射レーザーLa)を出射する。これによ
り、仮想記録セルSに対する記録マークMの記録、およ
び記録マークMが記録されている仮想記録セルSによっ
て反射された反射レーザーLbのレベルに応じた電気信
号の出力が行われる。
【0028】また、ピックアップ3は、対物レンズおよ
びハーフミラー(共に図示せず)を備え、記録用または
再生用のレーザービームを光記録媒体10のL1記録層
12またはL0記録層14に集光させる。具体的には、
フォーカストラッキングサーボ6によって対物レンズが
フォーカストラッキング制御され、これにより、記録用
または再生用のレーザービームが光記録媒体10のL1
記録層12またはL0記録層14に集光させられる。こ
のピックアップ3は、光記録媒体10の直径方向に沿っ
てその内周側と外周側との間を送りサーボ5によって往
復運動させられる。スピンドルサーボ4は、制御部7の
制御下で一定の線速度となるようにスピンドルモータ2
の回転を制御する。制御部7は、ピックアップ3、スピ
ンドルサーボ4、送りサーボ5およびフォーカストラッ
キングサーボ6の駆動を制御すると共に、ピックアップ
3から出力された電気信号に基づいて、L1記録層12
またはL0記録層14に記録されている記録データを判
読する。
【0029】続いて、光記録媒体10に対する記録デー
タの記録方法(マルチレベル記録方法)および記録デー
タの再生方法について説明する。
【0030】記録再生装置1に光記録媒体10を装填し
た際に、制御部7は、スピンドルサーボ4を制御するこ
とによりスピンドルモータ2を駆動させて光記録媒体1
0を例えば線速度5.3m/秒で回転させる。同時に、
制御部7は、送りサーボ5を駆動してピックアップ3を
例えばL1記録層12の最内周部のグルーブ上に移動さ
せる。次に、制御部7は、ピックアップ3に対して記録
データの値に対応する記録マークMa〜Mh毎に予め規
定された出射時間で出射レーザーLaを出射させると共
に、フォーカストラッキングサーボ6を駆動してピック
アップ3の対物レンズをL1記録層12の相変化材料層
12bにフォーカストラッキング制御する。この際に、
制御部7は、出射レーザーLaの出射パワーを例えば
6.0mWとし、その出射時間を例えば17nsから2
7nsまでの範囲で記録マークMa〜Mh毎に規定され
たパルス幅に応じて変化させる。これにより、出射レー
ザーLaの出射時間(すなわち出射量)に応じて、出射
レーザーLaが照射された仮想記録セルS,S・・に記
録マークMa〜Mhのいずれかが記録され、各仮想記録
セルS,S・・の光反射率が変化する。これにより、L
1記録層12に対する記録データの記録が完了する。な
お、L0記録層14に対する記録データの記録時には、
制御部7は、フォーカストラッキングサーボ6を駆動し
てピックアップ3の対物レンズをL0記録層14の相変
化材料層14bにフォーカストラッキング制御する。こ
の後、L0記録層14に対する記録データの記録を実行
する。これにより、L1記録層12およびL0記録層1
4の双方を合わせて、従来の光記録媒体30のほぼ倍程
度のデータ量の記録データを光記録媒体10に記録する
ことができる。
【0031】一方、光記録媒体10に記録された記録デ
ータの再生時には、制御部7は、ピックアップ3をL1
記録層12またはL0記録層14にフォーカストラッキ
ング制御しつつレーザを駆動制御することにより、記録
マークMa〜Mhが記録された各仮想記録セルS,S・
・に対して出射レーザーLaを出射する。この際に、制
御部7は、反射膜13で主として反射された反射レーザ
ーLbの受光レベルに応じてピックアップ3から出力さ
れる電気信号の電圧値に基づいて、仮想記録セルSに記
録されている記録マークMが記録マークMa〜Mhのい
ずれであるかを判別する。この結果、記録データが再生
される。
【0032】この場合、再生対象のL1記録層12にお
ける相変化材料層12bには、カバー層15、L0記録
層14およびスペーサ層13を透過することで減衰した
出射レーザーLaが照射される。したがって、出射レー
ザーLaの出射パワーを例えば0.8mWに調整した際
には、相変化材料層12bに照射される出射レーザーL
aは、従来の光記録媒体30における記録層32に対し
て0.4mWのレーザを照射したときとほぼ同程度の照
射量となる。このため、ノイズ成分が少なく、出力特性
が安定した0.6mW以上の出射レーザーLaによって
記録マークMa〜Mhを再生することができる。同様に
して、L0記録層14に対する記録データの再生に際し
ても、相変化材料層14bに向けて出射した出射レーザ
ーLaの多くがスペーサ層13側に透過するため、出射
パワーを例えば0.8mWに調整した際に、相変化材料
層14bに照射される出射レーザーLaは、L1記録層
12に照射される照射量とほぼ同程度となる。このた
め、L1記録層12に対する記録データの再生時と同様
にして、ノイズ成分が少なく、出力特性が安定した0.
6mW以上の出射レーザーLaによって記録マークMa
〜Mhを再生することができる。
【0033】続いて、L1記録層12およびL0記録層
14における各層の厚みを変更することにより、L1記
録層12およびL0記録層14のそれぞれの光反射率ダ
イナミックレンジを変更した光記録媒体10について説
明する。
【0034】前述したように、光記録媒体10に記録さ
れた記録データの再生に際しては、記録マークMa〜M
hが記録された各仮想記録セルS,S・・毎の光反射率
が8段階の光反射率のうちの何段階目の光反射率である
かを特定する必要がある。このために、仮想記録セルS
毎の各光反射率に、ある程度の差があるのが好ましく、
記録マークMaが記録された仮想記録セルSの光反射率
と記録マークMhが記録された仮想記録セルSの光反射
率との差分に相当する記録部分光反射率ダイナミックレ
ンジ(差分光反射率ダイナミックレンジ)は、ある程度
のレンジ幅が必要となる。その一方、L1記録層12に
照射される出射レーザーLaは、カバー層15、L0記
録層14およびスペーサ層13を透過する際に減衰させ
られ、その一方、L0記録層14に照射された出射レー
ザーLaは、その多くがスペーサ層13側に透過する。
このため、L1記録層12およびL0記録層14内の各
層の厚みや材質によっては、L1記録層12およびL0
記録層14の双方に対して確実に読み取り可能に8段階
の記録マークMa〜Mhを記録するのに必要な光反射率
ダイナミックレンジを確保するのが困難になることがあ
る。
【0035】具体的には、L1記録層12の光反射率ダ
イナミックレンジを大きく確保するためには、出射レー
ザーLaがカバー層15、L0記録層14およびスペー
サ層13を透過する際の減衰量を低減させる必要上、L
0記録層14(相変化材料層14bなど)を薄厚に形成
する必要がある。ところが、この場合には、L0記録層
14の光反射率ダイナミックレンジが小さくなる。逆
に、L0記録層14の光反射率ダイナミックレンジを大
きく確保するためには、L0記録層14(相変化材料層
14bなど)を厚く形成する必要がある。ところが、こ
の場合には、L1記録層12に照射する出射レーザーL
aのスペーサ層13側への透過が困難となるため、L1
記録層12の光反射率ダイナミックレンジが小さくな
る。したがって、記録層12,14の双方に8値の記録
マークMを記録するのが困難になるおそれがある。この
ため、この記録再生装置1では、L1記録層12および
L0記録層14のそれぞれの光反射率ダイナミックレン
ジに応じて、記録マークMの段階数(すなわち、記録マ
ークMが記録された仮想記録セルSの光反射率の段階
数)を適宜調整可能に構成されている。
【0036】例えば、光記録媒体10の各層の厚み、屈
折率、光学的消衰係数をそれぞれ図5に示す値に規定し
た場合、図6に示すように、L1記録層12およびL0
記録層14の光反射率ダイナミックレンジ(DR)は、
それぞれ4.5%および3.8%となる。なお、図6,
9において「透過率」の欄は、測定の際におけるL0記
録層14の光透過率を示す。また、図5,6および後に
参照する図8,9において「結晶」と記載した欄は、記
録用レーザービームが未照射の状態(すなわち、初期化
用レーザービームが照射された後の状態)における各数
値を示している。また、各図において「非結晶」と記載
した欄は、出射レーザーLa(記録用レーザービーム)
を照射することにより、その仮想記録セルSを非晶質化
した状態における各数値を示している。さらに、図6,
9における「(全)」と記載した欄は、完成状態の光記
録媒体10(すなわち、基板11からカバー層15まで
の各層が積層された状態)における各数値を示し、
「(単)」と記載した欄は、基板11上にL1記録層1
2を形成した直後(つまり、未完成状態の光記録媒体1
0)における各数値を示している。また、図6,9の
「光反射率ダイナミックレンジ」における丸括弧内の各
数値は、記録部分光反射率ダイナミックレンジを示して
いる。この場合、記録部分光反射率ダイナミックレンジ
については、光反射率ダイナミックレンジにおける上限
側および下限側の10%程度(光反射率ダイナミックレ
ンジに対する相対値)を除いた部分、すなわち、光反射
率ダイナミックレンジの中間部分の80%程度の部分に
規定している。
【0037】この状態の光記録媒体10におけるL1記
録層12およびL0記録層14に対して、それぞれ6
値、8値および10値の記録マークM(すなわち、仮想
記録セルSの光反射率を6段階、8段階および10段階
に規定する)を記録し、それそれのSDR(出力変動
率)を測定した。この際に、各値についての10セル分
の出力変動値をそれぞれ求め、求めた出力変動値の平均
値をダイナミックレンジ(光反射率が最も大きい記録マ
ークMについての出力レベルと最も小さい記録マークM
についての出力レベルの差)で除すことでSDRを求め
る。この場合、一例として、記録マークMの記録時にお
ける出射レーザーLa(記録用レーザービーム)の波長
を405nm、ピックアップ3の開口率(NA:Numeri
cal Aperture)を0.85、光記録媒体10の回転速を
線速度5.3m/s、グルーブの幅を0.19μm、グ
ルーブの深さを22nm、グルーブのピッチを0.32
5μm、および仮想記録セルSのセルサイズ(セル長)
を180nmに規定した。また、SDRの測定時におけ
る出射レーザーLa(再生用レーザービーム)の出力パ
ワーを0.8mWに規定した。この結果、図7に示すよ
うに、L1記録層12に対して6値、8値および10値
の記録マークMをそれぞれ記録した場合、各値毎のSD
Rとして、それぞれ1.7%、2.3%および3.2%
が測定された。また、L0記録層14に対して6値、8
値および10値の記録マークMをそれぞれ記録した場
合、各値毎のSDRとして、それぞれ1.3%、1.8
%および2.6%が測定された。
【0038】この場合、記録マークMの正常な読み取り
を実現するためには、SDRが2.0%以下であるのが
好ましく、1.8%以下であるのがさらに好ましい。し
たがって、この光記録媒体10に対しては、L1記録層
12については、光反射率ダイナミックレンジ3.8%
のうちの3.0%を使用して6値以下の記録マークMを
記録し、L0記録層14については、光反射率ダイナミ
ックレンジ4.5%のうちの3.6%を使用して8値以
下の記録マークMを記録する。これにより、記録データ
の正常な再生が行われる。この場合、L1記録層12お
よびL0記録層14の双方についての段階数を例えば6
値に統一して規定した場合、記録データの再生時におい
て、記録マークMを確実に読み取ることができる。ま
た、L1記録層12およびL0記録層14についての段
階数をそれぞれ6値および8値に規定した場合には、双
方の段階数を6値に規定した場合と比較して、L0記録
層14に記録可能な記録データのデータ容量をさらに増
加させることができる。
【0039】一方、例えば、光記録媒体10の各層の厚
み、屈折率、光学的消衰係数をそれぞれ図8に示す値に
規定した場合、図9に示すように、L1記録層12およ
びL0記録層14の光反射率ダイナミックレンジ(D
R)は、それぞれ4.1%および4.5%が測定され
た。この状態の光記録媒体10におけるL1記録層12
およびL0記録層14に対して、6値、8値および10
値の記録マークMを記録し、それぞれのSDRを測定し
た。なお、記録マークMの記録時およびSDRの測定時
における各条件は前述した条件で行った。この結果、図
10に示すように、L1記録層12に対して6値、8値
および10値の記録マークMをそれぞれ記録した場合、
各値毎のSDRとして、1.3%、1.7%および2.
5%が測定された。また、L0記録層14に対して6
値、8値および10値の記録マークMをそれぞれ記録し
た場合、各値毎のSDRとして、1.6%、2.2%お
よび2.8%が測定された。
【0040】したがって、この光記録媒体10に対して
は、L1記録層12については、光反射率ダイナミック
レンジ4.5%のうちの3.6%を使用して8値以下の
記録マークMを記録し、L0記録層14については、光
反射率ダイナミックレンジ4.1%のうちの3.3%を
使用して6値以下の記録マークMを記録する。これによ
り、記録データの確実な再生が行われることとなる。こ
の場合、L1記録層12およびL0記録層14の双方に
ついての段階数を例えば6値に統一したときには、記録
データの再生時において、記録マークMを確実に読み取
ることができる。また、L1記録層12およびL0記録
層14についての段階数を8値および6値とした場合に
は、双方の段階数を6値に統一した場合と比較してL1
記録層12に記録可能な記録データのデータ容量を増加
させることができる。なお、以上に挙げた数値は一例で
あり、L1記録層12およびL0記録層14毎の光反射
率ダイナミックレンジに応じて仮想記録セルSの光反射
率の段階数(すなわち、記録マークMの段階数)を適宜
規定することにより、確実に再生し得る記録データを記
録することができる。
【0041】このように、この光記録媒体10によれ
ば、出射レーザーLaの入射方向が同一方向となるよう
にL1記録層12およびL0記録層14を積層したこと
により、従来の光記録媒体30と比較してほぼ2倍程度
のデータ容量の記録データを記録することができる。ま
た、この光記録媒体10によれば、出射レーザーLaの
入射方向が同一方向となるようにL1記録層12および
L0記録層14を積層しているため、基板11の一方の
面にL1記録層12を形成して他方の面にL0記録層1
4を形成し、相反する方向から出射レーザーLaを出射
することによって記録データの記録再生を可能に構成さ
れた両面単層タイプの光記録媒体とは異なり、光記録媒
体10を反転させることなく記録データの記録や再生を
行うことができる。
【0042】また、この光記録媒体10によれば、光反
射率ダイナミックレンジをL1記録層12およびL0記
録層14毎に変化させたことにより、L1記録層12お
よびL0記録層14の光反射率の段階数をその各記録層
12,14の光反射率ダイナミックレンジに応じた適切
な段階数の記録マークMを記録することができる。この
場合、例えば従来の光記録媒体30における記録層32
の第1保護層32a、相変化材料層32bおよび第2保
護層32cからなる記録層を単に2層に積層した構成で
は、基板11側の記録層およびカバー層15側の記録層
のいずれかの反射率ダイナミックレンジが小さくなるた
め、多段階での記録マークMの記録が困難となる。これ
に対して、この光記録媒体10では、例えばL1記録層
12およびL0記録層14内における各層の厚み等を適
宜調整して光反射率ダイナミックレンジを所定幅に規定
し、その光反射率ダイナミックレンジの大小に応じてL
1記録層12およびL0記録層14のそれぞれの光反射
率の段階数を調整することにより、両記録層12,14
に対する多段階の記録マークMの記録が可能となる結
果、記録データの正確な再生、および記録データの大量
記録のいずれかを実現することができる。さらに、この
マルチレベル記録方法によれば、各L1記録層12,1
4における各記録マークMの記録部分光反射率ダイナミ
ックレンジ内で記録部分の光反射率を複数段階にそれぞ
れ規定して記録データ(記録マークM)を記録すること
により、記録データを確実に読み取ることができる結
果、記録データの正確な再生を保証することができる。
【0043】この場合、各記録層の各光反射率ダイナミ
ックレンジを出射レーザーLaの入射方向側ほど大きく
規定した場合(例えば図8に示す構成に設計した場合)
には、L1記録層12よりも多値の記録マークMをL0
記録層14に記録することができる。一方、各記録層の
各光反射率ダイナミックレンジを出射レーザーLaの入
射方向側ほど小さく規定した場合(例えば図5に示す構
成に設計した場合)には、L0記録層14よりも多値の
記録マークMをL1記録層12に記録することができ
る。
【0044】さらに、この記録再生装置1では、L1記
録層12およびL0記録層14の各光反射率ダイナミッ
クレンジに応じて複数段階の記録マークを記録すべき記
録部分光反射率ダイナミックレンジを規定し、この記録
部分光反射率ダイナミックレンジをSDRが1.8%以
下となるように6段階以下または8段階以下に規定して
記録マークMを記録する。したがって、この記録再生装
置1によれば、出射レーザーLa(再生用レーザービー
ム)を照射した際に各仮想記録セルSの各光反射率にあ
る程度の差が生じるため、出射レーザーLaを照射した
仮想記録セルSの記録マークMが何段階目の記録マーク
Mであるかを確実かつ正確に読み取ることができる結
果、記録データを確実に再生することができる。
【0045】なお、本発明は、上記した発明の実施の形
態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の
実施の形態では、L1記録層12およびL0記録層14
を有する片面2層タイプの光記録媒体10を例に挙げて
説明したが、本発明におけるマルチレベル光記録媒体は
これに限定されず、3層以上の記録層を積層して構成す
ることができる。また、本発明におけるマルチレベル光
記録媒体は片面多層タイプの光記録媒体に限定されず、
その表裏両面にそれぞれ複数の記録層が積層された両面
多層タイプの光記録媒体や、一方の面に複数の記録層を
積層すると共に他方の面に1つの記録層を形成したタイ
プの光記録媒体が含まれる。さらに、本発明の実施の形
態では、本発明における記録層として相変化材料層12
b,14bのような相変化材料の非晶質度合いを変化さ
せることでマルチレベル記録を実現可能な光記録媒体1
0を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定され
ず、例えば有機色素系の記録層を形成することで、出射
レーザーLaの照射量に応じて有機色素を変質させて、
複数段階の記録マークMを記録することもできる。ま
た、孔空け記録等の形状の変形によって記録データを記
録するAl、Si、Te−Se、Te−Cなどの無機膜
で形成された記録層や、材料元素が熱によって相互拡散
することで記録データを記録するAl/Sb、Al/G
eなどの積層膜で形成された記録層を有する光記録媒体
に対しても、本発明を有効に適用することができる。ま
た、本発明の実施の形態では、記録マークMが記録マー
クM以外の部分よりも光反射率が低くなる場合について
説明したが、記録膜(記録層)の特性や積層構造の光学
設計によっては記録マークMの光反射率を記録マークM
以外の部分よりも高くすることも可能であり、本発明
は、このような光記録媒体に対しても問題なく適用でき
る。さらに、光の偏光方向が変化させられることで記録
データを記録するTbFeCoなどの記録層を有する光
磁気記録媒体に対しても、本発明を有効に適用すること
ができる。また、記録マークMが記録された仮想記録セ
ルSにおける光反射率の段階数も、6段階または8段階
に限定されず、2段階以上の複数かつ任意の段階数に規
定することができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るマルチレベ
ル光記録媒体によれば、マルチレベル光記録媒体におけ
る一方の面および他方の面の少なくとも一方に記録用レ
ーザービームの入射方向が同一方向となるように複数の
記録層を積層して構成したことにより、片面単層の光記
録媒体と比較して、ほぼ2倍程度のデータ容量の記録デ
ータを記録することができる。また、一方の面に複数の
記録層が形成され、他方の面に記録層が形成されない片
面多層型のマルチレベル光記録媒体によれば、例えば両
面単層タイプの光記録媒体とは異なり、記録データの記
録時および再生時における光記録媒体の煩雑な反転操作
を不要とすることができる。
【0047】また、本発明に係るマルチレベル光記録媒
体によれば、その記録部分における複数段階の光反射率
を含む光反射率ダイナミックレンジが各記録層毎に異な
るように各記録層をそれぞれ形成したことにより、各記
録層の光反射率の段階数をその各層の光反射率ダイナミ
ックレンジに応じた適切な段階数に規定することができ
る。
【0048】さらに、本発明に係るマルチレベル光記録
媒体によれば、記録用レーザービームの入射方向側ほど
光反射率ダイナミックレンジが大きくなるように各記録
層をそれぞれ形成したことにより、記録用レーザービー
ムの入射方向から遠い下層側の記録層についての記録部
分の光反射率をより多段階に規定することができる。
【0049】また、本発明に係るマルチレベル光記録媒
体によれば、記録用レーザービームの入射方向側ほど光
反射率ダイナミックレンジが小さくなるように各記録層
をそれぞれ形成したことにより、記録用レーザービーム
の入射方向に近い上層側の記録層についての記録部分の
光反射率をより多段階に規定することができる。
【0050】さらに、本発明に係るマルチレベル記録方
法によれば、各記録層における記録部分の差分光反射率
ダイナミックレンジを各記録層毎に異ならせて規定する
と共に各差分光反射率ダイナミックレンジ内で記録部分
の光反射率を複数段階にそれぞれ規定して記録データを
記録することにより、記録データの再生時に、記録部分
の光反射率が多段階のうちの何段階目であるかを確実に
読み取ることができる結果、記録データの正確な再生を
保証することができる。
【0051】また、本発明に係るマルチレベル記録方法
によれば、記録部分の光反射率の段階数を各記録層毎に
異なる段階数に規定して記録データを記録することによ
り、光反射率ダイナミックレンジの大小に関係なく各記
録層毎の光反射率の段階数を同数に規定する記録方法と
は異なり、各記録層の光反射率ダイナミックレンジの大
小に応じて記録データの正確な再生、および記録データ
の大量記録のいずれかを実現することができる。
【0052】さらに、本発明に係るマルチレベル記録方
法によれば、差分光反射率ダイナミックレンジが小さい
記録層ほど光反射率の段階数を少なく規定して記録デー
タを記録することにより、記録データの再生時に、記録
部分の光反射率が多段階のうちの何段階目であるかをよ
り確実に読み取ることができる結果、記録データをさら
に正確に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光記録媒体10の構
成を示す断面図である。
【図2】L1記録層12の構成を示す断面図である。
【図3】L0記録層14の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る記録再生装置1の構
成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る光記録媒体10におけるL1記録
層12およびL0記録層14の一構成例を示す説明図で
ある。
【図6】図5に示した光記録媒体10におけるL1記録
層12およびL0記録層14の各光反射率ダイナミック
レンジを示す説明図である。
【図7】図5に示した光記録媒体10におけるL1記録
層12およびL0記録層14に対して各値で記録した記
録データのSDRを示す説明図である。
【図8】本発明に係る光記録媒体10におけるL1記録
層12およびL0記録層14の他の一構成例を示す説明
図である。
【図9】図8に示した光記録媒体10におけるL1記録
層12およびL0記録層14の各光反射率ダイナミック
レンジを示す説明図である。
【図10】図8に示した光記録媒体10におけるL1記
録層12およびL0記録層14に対して各値で記録した
記録データのSDRを示す説明図である。
【図11】光記録媒体10,30に記録された記録マー
クMa〜Mhを概念的に示す概念図である。
【図12】出願人が既に開発している光記録媒体30の
構成を示す断面図である。
【図13】光記録媒体30の記録層32の構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置 10 マルチレベル光記録媒体(光記録媒体) 11 基板 12 L1記録層 12a,14a 第1保護層 12b,14b 相変化材料層 12c,14c 第2保護層 12d 反射層 13 スペーサ層 14 L0記録層 15 カバー層 La 出射レーザー Lb 反射レーザー Ma〜Mh 記録マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/24 522P (72)発明者 中山 陽一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB13 JC02 5D090 AA01 BB04 BB12 CC01 CC14 DD01 GG11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用レーザービームの照射量を多段階
    で切り替えることによって記録層における記録部分の光
    反射率を複数段階に規定するマルチレベル記録方法に従
    って記録データを記録可能なマルチレベル光記録媒体で
    あって、 当該マルチレベル光記録媒体における一方の面および他
    方の面の少なくとも一方に前記記録用レーザービームの
    入射方向が同一方向となるように複数の前記記録層を積
    層して構成された多層型のマルチレベル光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記各記録層は、その前記記録部分にお
    ける前記複数段階の光反射率を含む光反射率ダイナミッ
    クレンジが当該各記録層毎に異なるようにそれぞれ形成
    されている請求項1記載のマルチレベル光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記各記録層は、前記記録用レーザービ
    ームの入射方向側ほど前記光反射率ダイナミックレンジ
    が大きくなるようにそれぞれ形成されている請求項2記
    載のマルチレベル光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記各記録層は、前記記録用レーザービ
    ームの入射方向側ほど前記光反射率ダイナミックレンジ
    が小さくなるようにそれぞれ形成されている請求項2記
    載のマルチレベル光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のマル
    チレベル光記録媒体に対して前記記録データを記録する
    マルチレベル記録方法であって、 前記各記録層における前記記録部分の最大光反射率と最
    小光反射率との差分に相当する差分光反射率ダイナミッ
    クレンジを当該各記録層毎に異ならせて規定すると共に
    当該各差分光反射率ダイナミックレンジ内で前記記録部
    分の光反射率を複数段階にそれぞれ規定して前記記録デ
    ータを記録するマルチレベル記録方法。
  6. 【請求項6】 前記記録部分の光反射率の段階数を前記
    各記録層毎に異なる段階数に規定して前記記録データを
    記録する請求項5記載のマルチレベル記録方法。
  7. 【請求項7】 前記差分光反射率ダイナミックレンジが
    小さい前記記録層ほど前記光反射率の段階数を少なく規
    定して前記記録データを記録する請求項6記載のマルチ
    レベル記録方法。
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