JP2003129230A - 真空蒸着装置及び真空蒸着方法 - Google Patents

真空蒸着装置及び真空蒸着方法

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JP2003129230A
JP2003129230A JP2001329673A JP2001329673A JP2003129230A JP 2003129230 A JP2003129230 A JP 2003129230A JP 2001329673 A JP2001329673 A JP 2001329673A JP 2001329673 A JP2001329673 A JP 2001329673A JP 2003129230 A JP2003129230 A JP 2003129230A
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vapor deposition
vapor
deposited
evaporation source
opening
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JP2001329673A
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English (en)
Inventor
Taisuke Nishimori
泰輔 西森
Yasuo Kishi
泰生 岸
Yukihiro Kondo
行廣 近藤
Teruo Nakagawa
照雄 中川
Junji Kido
淳二 城戸
Yuji Yanagi
雄二 柳
Eiichi Matsumoto
栄一 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Canon Tokki Corp
Original Assignee
Tokki Corp
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被蒸着体を自重で変形しない状態でセットす
ることができ、均一な膜厚で被蒸着体に蒸着を行なうこ
とができる蒸着装置及び蒸着方法を提供する。 【解決手段】 真空チャンバー1内に蒸発源2と被蒸着
体3を配置すると共に蒸発源2と被蒸着体3の間の空間
を蒸発源2の物質が気化される温度で加熱された筒状体
4で囲み、蒸発源2から気化した物質を筒状体4内を通
して被蒸着体3の表面に到達させて蒸着させるようにし
た真空蒸着装置に関する。筒状体4を略直角に屈曲した
形状に形成して筒状体4の一端の開口部5を略水平方向
に開口させ、被蒸着体3をこの開口部5に対面させて配
置する。被蒸着体3を鉛直姿勢で配置することができ、
重力の作用で被蒸着体3が変形することを防ぐことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空雰囲気中で蒸
発源を蒸発させると共に被蒸着体に蒸発物質を蒸着させ
るようにした真空蒸着装置及び真空蒸着方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着装置は、真空チャンバー内に蒸
発源と被蒸着体とを配置し、真空チャンバー内を減圧し
た状態で、蒸発源を加熱して、蒸発源を溶融させて蒸発
させるか、もしくは蒸発源を昇華させるかして、気化さ
せ、この気化させた物質を被蒸着体の表面に堆積させて
蒸着するようにしたものである。そして加熱されて蒸発
源から発生する気化物質は蒸発源から法線方向に直進的
に放出されるが、放出空間は真空に保たれているため気
化物質は直進し、蒸発源と対向して配置される被蒸着体
の表面に付着して蒸着されるものである。
【0003】このように気化物質は蒸発源から法線方向
に直進的に放出されるので、気化物質は四方八方へ飛散
する方向に直進することになるが、蒸発源からの距離が
被蒸着体の中央部と端部とでは異なるので、被蒸着体の
中央部と端部とでは蒸着物質の堆積量が異なり、蒸着の
膜厚が不均一になり易いという問題があった。またこの
ように蒸発源から気化物質が飛散する方向に直進するた
めに、被蒸着体へ向かって進行しない気化物質が多く、
この気化物質は被蒸着体の表面に付着しないので、蒸発
源の歩留まりが低くなると共に被蒸着体の表面への蒸着
速度が遅くなるという問題もあった。
【0004】そこで、特開平4−45259号公報や特
開平9−272703号公報などに開示されているよう
に、真空チャンバー内に配置した蒸発源と被蒸着体が対
向する空間を筒状体で囲むと共に筒状体を蒸発源の物質
が気化される温度で加熱し、蒸発源から気化した物質を
筒状体内を通して被蒸着体の表面に蒸着させるようにし
た真空蒸着装置が提案されている。
【0005】図5はその一例を示すものであり、真空チ
ャンバー1内に上下に開口する筒状体4が配設してあ
り、筒状体4にはヒーター11が巻いてあって筒状体4
を加熱できるようにしてある。この筒状体4の下端の開
口部12に面して蒸発源2が配置してあり、ヒーター1
3で加熱して蒸発源2を気化させることができるように
してある。筒状体4の上端の開口部14の上方には被蒸
着体3が配置してあり、この開口部14はシャッター1
5によって開閉できるようにしてある。16は被蒸着体
3を加熱するためのヒーターである。
【0006】このものにあって、真空チャンバー1内を
減圧すると共に蒸発源2を加熱して気化させ、そしてシ
ャッター15を開くと、蒸発源2から気化した物質が筒
状体4内を飛翔して通過し、筒状体4の上端の開口部1
4を通って被蒸着体3の表面に付着し、被蒸着体3にこ
の気化物質を堆積させて蒸着を行なうことができるもの
である。そしてこのものでは、蒸発源2と被蒸着体3が
対向する空間が筒状体4で囲まれているので、蒸発源2
から発生する気化物質を筒状体4内に囲った状態で、こ
の気化物質を筒状体4の内面で反射させながら被蒸着体
3の方向へ進ませることができ、蒸発源2から発生する
気化物質の多くを被蒸着体3の表面に到達させることが
できるものであり、被蒸着体3に付着せずに逃げる量を
少なくして歩留まり高く蒸着を行なうことができるもの
である。また筒状体4はヒーター11で加熱されてお
り、気化物質が筒状体4の内面に付着しても再加熱され
て再気化し、この再気化した物質は被蒸着体3に到達し
て蒸着層を形成するものであり、筒状体4に気化物質が
堆積して歩留まりを低下させるようなことはないもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、蒸発源
2と被蒸着体3の間の空間を加熱された筒状体4で囲む
ことによって、歩留まり高く蒸着を行なうことができる
ものであるが、筒状体4は蒸発源2の直上の位置に配設
されており、被蒸着体3は筒状体4の直上に配置され、
被蒸着体3の下面に蒸着が行なわれるようになってい
る。従って、被蒸着体3は水平に配置した姿勢でセット
されることになる。
【0008】しかしこのように被蒸着体3を水平に配置
した姿勢でセットすると、被蒸着体3の下面は蒸着を施
す面であるので支えることができないために、被蒸着体
3の下面は重力の作用で図5に鎖線で示すように中央部
が自重で撓んで変形するおそれがある。被蒸着体3とし
て薄い板状のものを用いる場合は、中央部が自重で撓ん
で下方へ凸に屈曲する変形が発生し易く、特にサイズが
大きい板状のものはこのような変形が特に大きく発生し
易い。
【0009】そしてこのように自重で撓んで変形した被
蒸着体3に蒸着を行なうと、被蒸着体3の表面のうち蒸
発源2の側に凸になっている部分に気化物質が付着し易
くなるので、被蒸着体3の表面に蒸着される膜厚が不均
一になり、蒸着の品質が不安定になるという問題を生じ
るものであった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、被蒸着体を自重で変形しない状態でセットするこ
とができ、均一な膜厚で被蒸着体に蒸着を行なうことが
できる蒸着装置及び蒸着方法を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
蒸着装置は、真空チャンバー1内に蒸発源2と被蒸着体
3を配置すると共に蒸発源2と被蒸着体3の間の空間を
蒸発源2の物質が気化される温度で加熱された筒状体4
で囲み、蒸発源2から気化した物質を筒状体4内を通し
て被蒸着体3の表面に到達させて蒸着させるようにした
真空蒸着装置において、筒状体4を略直角に屈曲した形
状に形成して筒状体4の一端の開口部5を略水平方向に
開口させ、被蒸着体3をこの開口部5に対面させて配置
して成ることを特徴とするものである。
【0012】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、略直角に屈曲した一対の筒状体4,4をその一端の
開口部5,5同士を対向させて配設し、被蒸着体3をこ
の対向する開口部5,5間に配置して成ることを特徴と
するものである。
【0013】また、本発明の請求項3に係る蒸着装置
は、真空チャンバー1内に蒸発源2と被蒸着体3を配置
すると共に蒸発源2と被蒸着体3の間の空間を蒸発源2
の物質が気化される温度で加熱された筒状体4で囲み、
蒸発源2から気化した物質を筒状体4内を通して被蒸着
体3の表面に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着
装置において、筒状体4を略180度の角度で屈曲した
形状に形成して一端の開口部5を下方に開口させ、被蒸
着体3をこの開口部5に対面させて配置して成ることを
特徴とするものである。
【0014】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、被蒸着体3として凹部6を有するも
のを用い、筒状体4の一端の開口部14をこの凹部6に
差し込まれる形状に形成して成ることを特徴とするもの
である。
【0015】本発明の請求項5に係る蒸着方法は、請求
項1に記載の真空蒸着装置を用い、被蒸着体3を鉛直姿
勢で筒状体4の開口部5に対面させて配置し、蒸発源2
から気化した物質を筒状体4内を通して開口部5から被
蒸着体3の表面に到達させることによって、被蒸着体3
の表面に蒸着を行なうことを特徴とするものである。
【0016】また本発明の請求項6に係る蒸着方法は、
請求項2に記載の真空蒸着装置を用い、被蒸着体3を鉛
直姿勢で一対の筒状体4,4の開口部5,5間に配置
し、蒸発源2から気化した物質を筒状体4内を通して開
口部5から被蒸着体3の両側の表面に到達させることに
よって、被蒸着体3の両側の表面に蒸着を行なうことを
特徴とするものである。
【0017】また本発明の請求項7に係る蒸着方法は、
請求項3に記載の真空蒸着装置を用い、被蒸着体3を水
平姿勢で下面側から支えて筒状体4の開口部5の下側に
対面させて配置し、蒸発源2から気化した物質を筒状体
4内を通して開口部5から被蒸着体3の上面に到達させ
ることによって、被蒸着体3の上面に蒸着を行なうこと
を特徴とするものである。
【0018】また本発明の請求項8に係る蒸着方法は、
請求項4に記載の真空蒸着装置を用い、凹部6内に筒状
体4の開口部5を被挿した状態で被蒸着体3を配置し、
蒸発源2から気化した物質を筒状体4内を通して開口部
5から被蒸着体3の凹部6内に到達させることによっ
て、被蒸着体3の凹部6内に蒸着を行なうことを特徴と
するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0020】図1は本発明の実施の形態の一例を示すも
のであり、真空チャンバー1の側面に設けた排気口18
にゲートバルブ19を介して真空ポンプ20が接続して
ある。真空チャンバー1内には筒状体4が配設してあ
る。筒状体4の外周にはシーズヒーターなどのヒーター
21が巻き付けてあり、ヒーター21に接続した電源2
2から給電してヒーター21を発熱させることによっ
て、筒状体4を加熱することができるようにしてある。
【0021】また真空チャンバー1の下部内において、
筒状体4の下側に蒸発源加熱具23が配設してある。蒸
発源加熱具23内にはヒーター24と温度センサー25
が設けてあり、ヒーター24に接続した電源26から給
電してヒーター24を発熱させることによって蒸発源加
熱具23を加熱すると共に、温度センサー25で検出さ
れる温度によってヒーター24の発熱を制御することが
できるようにしてある。
【0022】上記の筒状体4は円筒形や角筒形など任意
の断面形状に形成されるが、図1の実施の形態では、筒
状体4を直角に屈曲してL形筒として形成してある。こ
のL形に屈曲して形成される筒状体4は下部が鉛直方向
を、上部が水平方向を向くように配設されるものであ
り、筒状体4の下端の開口部7は下方に開口し、筒状体
4の上端の開口部5は水平方向に開口するようにしてあ
る。筒状体4の下端の内周には鍔片27が延出してあっ
てその内縁に開口部7が小さい径で開口するように形成
してあり、この開口部7の直下の位置において蒸発源加
熱具23に蒸発源2がセットされるようにしてある。ま
た筒状体4の上端の開口部5は筒状体4の内周全面に亘
って大きく開口するようにしてあり、開口端面は鉛直面
となっている。そして被蒸着体3はその表面をこの開口
部5に平行に対面させて配置してセットされるものであ
り、被蒸着体3として板状の基板を用いる場合には、被
蒸着体3は鉛直に立てた姿勢で配置されるものである。
図1の実施の形態では、被蒸着体3の上端縁と下端縁
(あるいは四周端縁)を支持体28で保持することによ
って、被蒸着体3を鉛直状態に支持するようにしてあ
る。
【0023】本発明において蒸発源2としては任意のも
のを用いることができるものであり、例えば有機エレク
トロルミネッセンス材料などの有機材料を用いることが
できる。そして蒸着を行なうにあたっては、蒸発源2を
蒸発源加熱具23の上に充填して筒状体4の下端の開口
部7の直下位置にセットすると共に、被蒸着体3を上記
のように筒状体4の上端の開口部7に対面させてセット
する。次に、真空ポンプ20を作動させて真空チャンバ
ー1内を真空状態に減圧し、ヒーター24を発熱させて
蒸発源2を加熱すると共にヒーター21によって筒状体
4を加熱する。筒状体4の加熱温度は、蒸発源2から気
化した物質が筒状体4に付着しても再度蒸発して気化
し、筒状体4の表面に堆積しない温度に設定されるもの
である。
【0024】上記のように真空チャンバー1内を減圧し
て蒸発源2を加熱すると、蒸発源2は溶融・蒸発、ある
いは昇華して気化し、蒸発源2から発生するこの気化物
質31は下端の開口部7から筒状体4に導入され、筒状
体4内を直進する。気化物質31が進む蒸発源2と被蒸
着体3の間の空間は筒状体4で囲まれており、気化物質
31は筒状体4内に閉じ込められた状態にあるので、図
1に示すように気化物質31は筒状体4の内面で反射し
て上端の開口部5へ向けて進み、開口部5に対面して配
置された被蒸着体3の表面に気化物質31が到達して堆
積し、被蒸着体3の表面に蒸着させることができるもの
である。このように蒸発源2から発生した気化物質31
は筒状体4内で規制された状態で開口部5へ進み、四方
八方へ飛散することを防ぐことができるものであり、蒸
発源2から発生する気化物質31の多くを被蒸着体3の
表面に到達させて付着させることができるものである。
従って蒸発源2から発生する気化物質31の多くが被蒸
着体3の表面に付着して成膜に寄与することになって無
効材料が少なくなり、蒸発源2の材料利用効率が高くな
って歩留まりの高い蒸着が可能になると共に、被蒸着体
3の表面の成膜速度を速くすることができるものであ
る。また気化物質31は筒状体4の内面で反射しながら
開口部5へ進むものであり、色んな方向から被蒸着体3
の表面の各部に付着するものであり、被蒸着体3の表面
の各部への堆積量が均一化され、均一な膜厚で成膜する
ことができるものである。
【0025】また、筒状体4は加熱されていてホットウ
ォールになっているために、気化物質31が筒状体4の
表面に付着しても、付着物は筒状体4で再加熱されて気
化し、このように再気化した気化物質31は上記と同様
にして被蒸着体3の表面に蒸着されるものである。従っ
て筒状体4に気化物質31が堆積して蒸着に使用されな
くなることを防ぐことができ、蒸着の歩留まりが低下す
るようなことはないものである。
【0026】ここで、上記のように蒸着を行なうにあた
って、被蒸着体3は鉛直姿勢で配置されているので、重
力の作用で被蒸着体3が変形することがなくなるもので
あり、筒状体4の開口部5に対面する被蒸着体3の表面
が変形することを防ぐことができる。従って、被蒸着体
3の表面の変形による蒸着の偏りを防いで、被蒸着体3
の表面に蒸着される膜厚を均一化することが容易にな
り、蒸着の品質が安定化するものである。
【0027】図2は本発明の実施の形態の他の一例を示
すものであり、上記のように直角に屈曲してL形筒とし
て形成した筒状体4を一対用い、この一対の筒状体4,
4をそれぞれ上端の開口部5,5を所定間隔を隔てて対
向させてあり、この状態で一対の筒状体4,4を真空チ
ャンバー1内に配設するようにしてある。その他の構成
は図1のものと同じであり、一対の各筒状体4,4の直
下にはそれぞれ蒸発源加熱具23が配設してある。そし
て、被蒸着体3はその両側の表面が各筒状体4,4の開
口部5,5に平行に対面するように、筒状体4,4の開
口部5,5間に配置してセットされるものである。被蒸
着体3として板状の基板を用いる場合には、被蒸着体3
は鉛直に立てた姿勢で配置されるものであり、被蒸着体
3の上端縁と下端縁(あるいは四周端縁)を支持体28
で保持することによって、被蒸着体3を鉛直状態に支持
するようにしてある。
【0028】この実施の形態のものにあって、一対の各
筒状体4,4の直下に配設した各蒸発源加熱具23にそ
れぞれ蒸発源2をセットし、真空チャンバー1内を減圧
して各蒸発源2を加熱すると、蒸発源2から発生する気
化物質31は下端の開口部7,7から各筒状体4,4に
導入され、さらに各筒状体4,4内をその内面で反射し
ながら通過した後に上端の各開口部5,5から被蒸着体
3の両側の表面にそれぞれ到達して、被蒸着体3の両面
に同時に蒸着を行なうことができるものである。従って
蒸着処理の生産性を高めることができるものであり、ま
た一対の各筒状体4,4にセットされる蒸発源2として
異なるものを用いることによって、被蒸着体3の両面に
異なる蒸着皮膜を形成することが可能になるものであ
る。尚、被蒸着体3として2枚の基板を重ねたものを用
いると、2枚の各基板の表面に同時に蒸着を行なうこと
ができるものである。
【0029】図3は本発明の実施の形態の他の一例を示
すものであり、筒状体4として180度の角度で逆U形
に屈曲したU形筒を用いるようにしてある。この逆U形
に屈曲して形成される筒状体4は両端の開口部5,7が
それぞれ下方を向いて開口するように真空チャンバー1
内に配設されるものである。筒状体4の一端の内周には
鍔片27が延出してあってその内縁に開口部7が小さい
径で開口するように形成してあり、この開口部7の直下
の位置において蒸発源加熱具23に蒸発源2がセットさ
れるようにしてある。また筒状体4の他端の開口部5は
筒状体4の内周全面に亘って大きく開口するようにして
あって、その開口端面は水平面となっており、この開口
部5は他端の開口部7よりも下方に位置するように形成
してある。そして被蒸着体3はその上面をこの開口部5
に平行に対面させて配置してセットされるものであり、
被蒸着体3として板状の基板を用いる場合には、被蒸着
体3は水平に寝かせた姿勢で配置されるものである。こ
のように蒸着を行なう面を上面にして被蒸着体3を水平
姿勢で配置することができるので、被蒸着体3はその下
面を支持体28で保持した状態で支持することができる
ものである。その他の構成は図1のものと同じである。
【0030】この実施の形態のものにあって、真空チャ
ンバー1内を減圧して蒸発源2を加熱すると、蒸発源2
から発生する気化物質31は下端の開口部7から筒状体
4に導入され、さらに筒状体4内をその内面で反射しな
がら通過した後に、開口部5から被蒸着体3の上面に到
達し、被蒸着体3の上面に蒸着を行なうことができるも
のである。ここで、被蒸着体3は下面の全面を支持した
状態で水平に配置されているので、重力の作用で被蒸着
体3が変形することがなくなるものであり、筒状体4の
開口部5に対面する被蒸着体3の表面が変形することを
防ぐことができる。従って、被蒸着体3の表面の変形に
よる蒸着の偏りを防いで、被蒸着体3の表面に蒸着され
る膜厚を均一化することが容易になり、蒸着の品質が安
定化するものである。またこのものでは、蒸発源2のセ
ット位置と被蒸着体3のセット位置を相互に近い場所に
設定することができ、蒸発源2の供給作業と被蒸着体3
の取換え作業を同時に行なうことが可能になるものであ
る。
【0031】図4は本発明の実施の形態の他の一例を示
すものであり、このものでは、被蒸着体3として凹部6
を有するものを用い、この凹部6内に蒸着を行なうこと
ができるようにしてある。すなわち、筒状体4の先端の
開口部5をこの被蒸着体3の凹部6に差し込むのに適し
た形状に形成してあり、開口部5をこのように形成した
筒状体4を真空チャンバー1内に配設するようにしてあ
る。図4の実施の形態では、筒状体4として図1のよう
に直角に屈曲してL形筒として形成したものを用い、筒
状体4の先部を絞って開口部5の径を小さくし、被蒸着
体3の凹部6に差し込むことのできる径に開口部5を形
成してある。その他の構成は図1のものと同じである。
【0032】この実施の形態のものにあって、凹部6に
筒状体4の開口部5を被挿した状態で被蒸着体3をセッ
トし、真空チャンバー1内を減圧して蒸発源2を加熱す
ると、蒸発源2から発生する気化物質31は下端の開口
部7から筒状体4に導入され、さらに筒状体4内をその
内面で反射しながら通過した後に、開口部5から放出さ
れ、被蒸着体3の凹部6の内面に到達するものであり、
被蒸着体3の凹部6という蒸着が非常に困難な部位の内
面に蒸着を行なうことができるものである。
【0033】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る真
空蒸着装置は、真空チャンバー内に蒸発源と被蒸着体を
配置すると共に蒸発源と被蒸着体の間の空間を蒸発源の
物質が気化される温度で加熱された筒状体で囲み、蒸発
源から気化した物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面
に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置におい
て、筒状体を略直角に屈曲した形状に形成して筒状体の
一端の開口部を略水平方向に開口させ、被蒸着体をこの
開口部に対面させて配置するようにしたので、筒状体の
開口部に被蒸着体を対面させて蒸着を行なうにあたっ
て、被蒸着体を鉛直に配置することができ、重力の作用
で被蒸着体が変形することを防ぐことができるものであ
り、被蒸着体の変形による蒸着の偏りを低減して、被蒸
着体の表面に均一な膜厚で蒸着を行なうことができるも
のである。
【0034】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、略直角に屈曲した一対の筒状体をその一端の開口部
同士を対向させて配設し、被蒸着体をこの対向する開口
部間に配置するようにしたので、一対の筒状体の各開口
部から被蒸着体の両側の表面に同時に蒸着を行なうこと
ができるものであり、蒸着処理の生産性を高めることが
できるものである。
【0035】本発明の請求項3に係る真空蒸着装置は、
真空チャンバー内に蒸発源と被蒸着体を配置すると共に
蒸発源と被蒸着体の間の空間を蒸発源の物質が気化され
る温度で加熱された筒状体で囲み、蒸発源から気化した
物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面に到達させて蒸
着させるようにした真空蒸着装置において、筒状体を略
180度の角度で屈曲した形状に形成して一端の開口部
を下方に開口させ、被蒸着体をこの開口部に対面させて
配置するようにしたので、筒状体の開口部に被蒸着体を
対面させて蒸着を行なうにあたって、被蒸着体を下面を
支持した状態で水平に配置することができ、重力の作用
で被蒸着体が変形することを防ぐことができるものであ
り、被蒸着体の変形による蒸着の偏りを低減して、被蒸
着体の表面に均一な膜厚で蒸着を行なうことができるも
のである。
【0036】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、被蒸着体として凹部を有するものを
用い、筒状体の一端の開口部をこの凹部に差し込まれる
形状に形成したので、凹部に筒状体の開口部を差し込ん
だ状態で被蒸着体をセットして蒸着を行なうことによっ
て、被蒸着体の凹部という蒸着が非常に困難な部位の内
面に蒸着を容易に行なうことができるものである。
【0037】本発明の請求項5に係る真空蒸着方法は、
請求項1に記載の真空蒸着装置を用い、被蒸着体を鉛直
姿勢で筒状体の開口部に対面させて配置し、蒸発源から
気化した物質を筒状体内を通して開口部から被蒸着体の
表面に到達させることによって、被蒸着体の表面に蒸着
を行なうようにしたので、鉛直姿勢で配置される被蒸着
体には重力の作用による変形が生じ難いものであり、被
蒸着体の変形による蒸着の偏りを低減して、被蒸着体の
表面に均一な膜厚で蒸着を行なうことができるものであ
る。
【0038】本発明の請求項6に係る真空蒸着方法は、
請求項2に記載の真空蒸着装置を用い、被蒸着体を鉛直
姿勢で一対の筒状体の開口部間に配置し、蒸発源から気
化した物質を筒状体内を通して開口部から被蒸着体の両
側の表面に到達させることによって、被蒸着体の両側の
表面に蒸着を行なうようにしたので、鉛直姿勢で配置さ
れる被蒸着体に均一な膜厚で蒸着を行なうことができる
と共に、被蒸着体の両側の表面に同時に蒸着を行なうこ
とができ、蒸着処理の生産性を高めることができるもの
である。
【0039】本発明の請求項7に係る真空蒸着方法は、
請求項3に記載の真空蒸着装置を用い、被蒸着体を水平
姿勢で下面側から支えて筒状体の開口部の下側に対面さ
せて配置し、蒸発源から気化した物質を筒状体内を通し
て開口部から被蒸着体の上面に到達させることによっ
て、被蒸着体の上面に蒸着を行なうようにしたので、下
面側から支えて水平に配置した被蒸着体には重力の作用
による変形が生じ難いものであり、被蒸着体の変形によ
る蒸着の偏りを低減して、被蒸着体の表面に均一な膜厚
で蒸着を行なうことができるものである。
【0040】また請求項8に係る真空蒸着方法は、請求
項4に記載の真空蒸着装置を用い、凹部内に筒状体の開
口部を被挿した状態で被蒸着体を配置し、蒸発源から気
化した物質を筒状体内を通して開口部から被蒸着体の凹
部内に到達させることによって、被蒸着体の凹部内に蒸
着を行なうようにしたので、被蒸着体の凹部という蒸着
が非常に困難な部位の内面に、蒸着を容易に行なうこと
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の他の一例を示す一部の断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示す一部の断
面図である。
【図4】本発明の実施の形態の他の一例を示す一部の断
面図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 蒸発源 3 被蒸着体 4 筒状体 5 開口部 6 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西森 泰輔 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 岸 泰生 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 近藤 行廣 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 中川 照雄 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 城戸 淳二 山形県米沢市中央2丁目6番6号 サンロ ード米沢中央408 (72)発明者 柳 雄二 新潟県長岡市東高見2丁目2番31号 トッ キ株式会社長岡工場内 (72)発明者 松本 栄一 新潟県長岡市東高見2丁目2番31号 トッ キ株式会社長岡工場内 Fターム(参考) 4K029 AA24 BA62 CA01 DA10 DB00 JA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバー内に蒸発源と被蒸着体を
    配置すると共に蒸発源と被蒸着体の間の空間を蒸発源の
    物質が気化される温度で加熱された筒状体で囲み、蒸発
    源から気化した物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面
    に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置におい
    て、筒状体を略直角に屈曲した形状に形成して筒状体の
    一端の開口部を略水平方向に開口させ、被蒸着体をこの
    開口部に対面させて配置して成ることを特徴とする真空
    蒸着装置。
  2. 【請求項2】 略直角に屈曲した一対の筒状体をその一
    端の開口部同士を対向させて配設し、被蒸着体をこの対
    向する開口部間に配置して成ることを特徴とする請求項
    1に記載の真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 真空チャンバー内に蒸発源と被蒸着体を
    配置すると共に蒸発源と被蒸着体の間の空間を蒸発源の
    物質が気化される温度で加熱された筒状体で囲み、蒸発
    源から気化した物質を筒状体内を通して被蒸着体の表面
    に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置におい
    て、筒状体を略180度の角度で屈曲した形状に形成し
    て一端の開口部を下方に開口させ、被蒸着体をこの開口
    部に対面させて配置して成ることを特徴とする真空蒸着
    装置。
  4. 【請求項4】 被蒸着体として凹部を有するものを用
    い、筒状体の一端の開口部をこの凹部に差し込まれる形
    状に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の真空蒸着装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の真空蒸着装置を用い、
    被蒸着体を鉛直姿勢で筒状体の開口部に対面させて配置
    し、蒸発源から気化した物質を筒状体内を通して開口部
    から被蒸着体の表面に到達させることによって、被蒸着
    体の表面に蒸着を行なうことを特徴とする真空蒸着方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の真空蒸着装置を用い、
    被蒸着体を鉛直姿勢で一対の筒状体の開口部間に配置
    し、蒸発源から気化した物質を筒状体内を通して開口部
    から被蒸着体の両側の表面に到達させることによって、
    被蒸着体の両側の表面に蒸着を行なうことを特徴とする
    真空蒸着方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の真空蒸着装置を用い、
    被蒸着体を水平姿勢で下面側から支えて筒状体の開口部
    の下側に対面させて配置し、蒸発源から気化した物質を
    筒状体内を通して開口部から被蒸着体の上面に到達させ
    ることによって、被蒸着体の上面に蒸着を行なうことを
    特徴とする真空蒸着方法。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の真空蒸着装置を用い、
    凹部内に筒状体の開口部を被挿した状態で被蒸着体を配
    置し、蒸発源から気化した物質を筒状体内を通して開口
    部から被蒸着体の凹部内に到達させることによって、被
    蒸着体の凹部内に蒸着を行なうことを特徴とする真空蒸
    着方法。
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