JP2003129116A - ニッケル粉末の製造方法、ニッケル粉末、ニッケルペースト、積層セラミック電子部品 - Google Patents
ニッケル粉末の製造方法、ニッケル粉末、ニッケルペースト、積層セラミック電子部品Info
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Abstract
クラック等の構造欠陥を防止できるニッケル粉末、その
製造方法、そのペースト、それを用いた積層セラミック
電子部品を提供する。 【解決手段】 ニッケルを主成分とする金属であるニッ
ケル基金属と金属酸化物または金属複合酸化物とを液相
反応により粉末として共析出させる工程を有するニッケ
ル粉末の製造方法。
Description
クコンデンサ内部電極用等の導電性ペーストに用いるニ
ッケル粉末の製造方法およびその方法によって得られた
ニッケル粉末に関するものであり、さらにはこのニッケ
ル粉末を用いた導電性ペーストとしてのニッケルペース
ト、並びにニッケルペーストを用いて作製した積層セラ
ミック電子部品に関するものである。
る積層セラミック電子部品は、導電性ペーストを用いて
セラミックグリーンシート上に印刷によりペースト層を
形成した後、上記セラミックグリーンシートを複数互い
に積層し、圧着、焼成することにより作製される。
成分として、ニッケル(Ni)や銅、銀(Ag)/パラ
ジウム(Pd)等の粉末を用い、これに有機ビヒクル、
溶剤等を添加して作製される。
て、小型化/高容量化を進めるためには、内部導体の厚
みを極力薄くし、単位体積あたりの積層可能枚数を増大
させることが必須となっている。この目的を達成するた
めには、導電性ペーストに用いる金属粉末の粒子の物理
的サイズを極力小さくすることが求められる。
−87121号公報のように、液相中で還元剤と金属塩
溶液を混合して還元析出させる方法により製造される。
しかし、金属粉末の粒径が小さくなるとその金属粉末の
比表面積が二乗で大きくなることにより、金属粉末の表
面エネルギーが増大し、その金属微粉末の焼結開始温度
は低下する。
導電性ペーストを内部電極用として用いた場合には、積
層セラミック電子部品の焼成段階でセラミックグリーン
シート上に形成された電極層となるペースト層の焼結収
縮開始温度が低温側にシフトし、セラミックが収縮する
以前に金属粉末の焼結が急峻に進行してしまい、デラミ
ネーション、クラック等の構造的欠陥の発生の一因にな
る。
平11−185527号公報のように、Pd被覆された
Ni粉末を用いることによりNi粉末の焼成収縮を制御
することが試みられているが、この方法では、NiとP
dが合金化するため、微粉のNi粉末、例えば、その粒
径が100nm以下となるようなときには、十分な収縮
抑制効果を発揮できず、過焼結による電極カバレージの
低下や、デラミネーションの問題を発生させる。
開平10−106351号公報、特開平11−2834
41号公報では、酸化Niを含むペーストや、一部が酸
化されたNi粉末の使用が示唆されているが、このよう
な金属粉末を用いた場合には、焼成中に酸化Ni中のN
i成分がセラミック層に拡散し、セラミックの電気特性
や信頼性を劣化させるという問題や、焼成条件雰囲気が
酸化Niを還元する、いわゆる還元雰囲気下では、添加
された酸化Niや、Ni粉末中の酸化Niが還元し、実
質的な効果を示さないという問題がある。
収縮温度のミスマッチを緩和するために、セラミック材
料を導電性ペーストに添加する共材添加ということが行
われるが、添加したセラミック材料にネッキングを抑制
する効果は無く、トータルの電極収縮量と収縮挙動の緩
和には不十分である。加えて特に添加するセラミック材
料の粒径が小さく100nm以下の場合には、凝集して
粗大粒子(二次粒子)を生じ易く、機械的分散では均一
混合は困難であり、従ってこれを用いた導電性ペースト
では、得られたペースト膜の厚みが不均一になるなどの
問題がある。
粉末の焼結を制御し焼結開始温度を高温度側にシフトさ
せるとともに、焼結開始温度からの急峻な焼結収縮を抑
制した金属粉末であるNi粉末の製造方法を提供するこ
とである。
度がNi粉末よりも高いセラミック層と同時焼成を行う
導電性ペースト用のNi粉末として用いた際、Ni粉末
の焼結開始温度が低いことと、焼結収縮が急峻であるこ
とに起因した、デラミネーション、クラック等の不良を
阻止できる効果を有するNi粉末を提供することであ
る。
を劣化させること無く達成できるNi粉末を提供するこ
とである。
ミック電子部品の薄層化を図るべき内部導体を形成する
ために有利に用いることのできる導電性ペースト、なら
びにその導電性ペーストを用いて製造した積層セラミッ
ク電子部品を提供しようとすることである。
(Ni−酸化物共析粉末)の製造方法は、上述した技術
的課題を解決するため、Niを主成分とする金属である
Ni基金属と金属酸化物または金属複合酸化物(以下、
金属化合物という)とを液相反応により粉末として共析
出させることを特徴としている。
Ni塩溶液および金属アルコキシド化合物を含む溶液と
を混合し、Niイオンの還元反応と金属アルコキシド化
合物の加水分解反応とを進行させて、共析出させること
が好ましい。
ミックの粉末をNi粉末に混合する共材添加が行われて
きた。これは、Ni粉末の焼結の際に添加物が3重点に
析出し、ピン止め効果により焼結収縮を抑える効果が得
られるものであり、これにより焼成収縮開始温度を上昇
させ、また、収縮開始後の急峻な収縮を抑制できるNi
粉末が得られる。このNi粉末を導電性ペースト化し、
例えば積層セラミックコンデンサの内部電極用に用いる
ことによって、クラックやデラミネーションのない積層
セラミック電子部品を供給しようというものであった。
粒径100nm以下のNi粉末の場合は、上記Ni粉末
の凝集による粒径の大きな二次粒子が生じて、共材のN
i粉末への均一な混合が困難となり、共材の混合均一性
が不十分な導電性ペーストを用いて、内部電極層を形成
しようとすれば、粗大粒子により積層構造の欠陥を生じ
易かった。
たNi粉末では、Niを主成分とする金属であるNi基
金属と金属酸化物または金属複合酸化物とを液相反応に
より粉末として共析出させるので、Ni粉末の作製時点
で均一に混合されており、Ni粉末の凝集を回避でき
て、共材の不均一混合の問題を解消できる。
金属としては、Ni単独でもよいが、Niと、導電性を
有し、還元により共析される他の金属、例えば銅[Ni
100mol(モル)に対し0.1mol以下]とを有
していてもよい。
コートでは積層体を作製した場合に誘電体の特性を損な
うものがあるが、酸化物が安定である場合や、誘電体材
料との組み合わせによっては、回避できる組み合わせが
ある。具体的には、本発明の製造方法によって、例えば
セラミック材料である金属複合酸化物としてABO
3(ペロブスカイト)型やAB2 O4 型(スピネル)型
の金属化合物を同時析出させた場合は、導電性ペースト
作製の段階でセラミックの共材を添加する従来の場合に
比べて、セラミックの均一分散が得られており、分散処
理を必要とせず有利である。
の、酸化物、アルミン酸塩、タングステン酸塩、チタン
酸塩などである。これらの金属化合物は、通常1500
℃以上の融点(例えば、Al2 O3 は融点2054℃、
MgOは融点2826℃、Mg2 SiO4 は融点189
8℃、BaAl2 O4 は融点1827℃、CaWO4は
融点1540℃、BaTiO3 は融点1610℃、Ca
TiO3 は融点1980℃など)を有するため、高温安
定性が高く効果的である。
媒として用いるが、有機溶剤を溶媒として一部使用し、
添加した金属アルコキシド化合物の加水分解の速度を調
整することにより、より一層微細な結晶を析出させ、均
一なNi粉末(Ni基複合粉末)を作製することができ
る。有機溶媒としてはNi塩を溶解し易いアルコール類
が使用し易く、特にメタノール、エタノール、プロパノ
ールなど低級アルコール(炭素数1〜5)がこの目的に
は好適であり有効な材料である。
の粒径に制御され、同時に析出する金属化合物も同様に
0.2μm以下の粒径に制御される。Ni粉末のサイズ
は0.2μm以下の場合に、本発明の効果が特に顕著で
あるが、0.5μm〜1μmのNi粉末に用いても相当
の効果は得られる。
シド成分の量は、Ni粉末のサイズ、材質、用途による
が、通常、還元可能なNi塩のNi100mol(モ
ル)に対し、0.05molから30molまでが好ま
しい。また、Ni100molに対して、0.2mol
から5molの範囲がより好ましい。下限0.05mo
l未満では、Ni粉末の外部への金属化合物の析出が少
なく十分な焼結抑制効果が得られない。また30mol
を超えると、セラミックの電気特性や焼結性への影響お
よび信頼性の点で不具合が発生する。
有するNiペースト(導電性ペースト)にも向けられ
る。このNiペーストは、好ましくは、積層セラミック
電子部品の内部導体を形成するために用いられる。ま
た、この発明はこのような金属粉末を含有するNiペー
ストを用いた積層セラミック電子部品に向けられる。こ
の様にして作製したNi粉末をNiペーストにし、積層
セラミック電子部品に用いることにより、本発明は実用
に供される。
は、一度の反応でNiの還元反応と金属アルコキシド化
合物の加水分解を同時に行い、還元されたNi粒子と加
水分解した金属化合物がNi粉末中に均一に複合混在し
た状態で得られる。
粉末と異なり、本発明は、金属化合物がNi粒子内外に
混在することで、Ni粉末同士の接触だけでなくNi粒
子中での金属の移動を妨げることで、Ni粉末の急峻な
焼結を阻害して、焼結抑制されたNi粉末の製造方法お
よびその方法によって得られたNi粉末を要旨とするも
のである。以下、実施例にしたがって本発明の実施の形
態を示す。
に説明する。
と、塩化銅(I)0.00254gとをエタノール15
0mlに溶解し、Ni100molに対し0.002m
ol、0.010mol、0.206mol、2.00
mol、6.18mol、10.0molのTiとなる
ようにチタンテトライソプロポキシドをそれぞれ混合し
た金属塩溶液、1-a 、1-b 、1-c 、1-d 、1-e 、1-f を
作製した。また、同様の比率でそれぞれ調整した溶液1-
g 、1-h 、1-i 、1-j 、1-k 、1-l をもう一組作製し
た。
ラジン(還元剤)90gとをエタノール30gとイオン
交換水30gとに混合溶解した溶液に対し、水酸化バリ
ウムを0.002mol、0.010mol、0.20
6mol、2.00mol、6.18mol、10.0
molそれぞれ添加した還元剤溶液2-a 、2-b 、2-c、2
-d 、2-e 、2-f を作製した。
加しない還元剤溶液2-g 、2-h 、2-i 、2-j 、2-k 、2-
l を作製し、これらと対になる溶液3-g 、3-h 、3-i 、
3-j、3-k 、3-l を作製した。溶液3-g 、3-h 、3-i 、3
-j 、3-k 、3-l は、Ni100molに対して、0.
002mol、0.010mol、0.206mol、
2.00mol、6.18mol、10.0molのB
aとなるようにバリウムイソプロポキシドをそれぞれエ
タノール10gに溶解したものである。
2℃に調整し、還元溶液2-a 〜2-fを回転数350rp
mの攪拌羽で攪拌しつつ、その中にアルファベットによ
り対応する金属塩溶液1-a 〜1-f を100ml/分で投
入し、液相にて、それぞれ共析させた。また、同様にし
て、還元剤溶液2-g 〜2-l に対し、アルファベットによ
り対応する原料塩溶液1-g 〜1-l と溶液3-g 〜3-l とを
それぞれ投入し、液相にて、それぞれ共析させた。
が進行するまで約90分回転数350rpmで攪拌を継
続した。共析による金属粉末(Ni粉末)生成後、分離
・回収し純水で洗浄した後、アセトンで洗浄しオーブン
中で乾燥した。このようにして得られた金属粉末を走査
型電子顕微鏡で観察したところ粒径80nm〜100n
mの金属粉末が得られた。粉末X線回折法による分析か
ら、金属NiとABO 3 型化合物であるチタン酸バリウ
ム(BaTiO3 )の生成が確認された。結晶子径は1
0nm〜20nm程度であった。
て用いてなる内部電極層を有する積層セラミックコンデ
ンサ(積層セラミック電子部品)の素体となる積層体を
作製し、上記内部電極層やセラミック層の状況に基づ
き、用いたNi粉末の評価を行った。
て、エチルセルロース系バインダ10wt%をテルピネ
オール90wt%に溶解して作製した有機ビヒクル40
wt%とテルピネオール10wt%とを加えて、3本ロ
ールミルにより入念に分散混合処理を行なうことによっ
て、良好に分散した金属粉末を含有する導電性ペースト
(ニッケルペースト)を調製した。
成分とする2.1μmの厚みのセラミックグリーンシー
ト上にスクリーン印刷し、内部電極層となる導電性ペー
スト膜を形成した。このとき、導電性ペースト膜の乾燥
後の厚みは、1.0μmとした。
を形成したセラミックグリーンシートを、複数、互いに
積層し、プレスして一体化した。続いて、プレス体を所
定の寸法にカットして生チップを得た。
し、バインダを燃焼させた後、酸素分圧は4×10-12
MPaのH2 −N2 −H2 Oガスからなる還元性雰囲気
中において、1300℃を最高焼成温度とするプロファ
イルで焼成し、積層セラミックコンデンサの素体となる
各試料a〜lをそれぞれ得た。有効誘電体セラミック層
の総数は200であり、1層当たりの対向電極の面積は
15.1×10-6m2 であった。
100個ずつ樹脂に埋めて断面研磨面を行い、走査型電
子顕微鏡で上記断面を観察し、内部電極層やセラミック
層のクラックの発生状況を調べた。表1にクラックの発
生状況を示す。
用いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエ
タノール150mlに溶解し、Ni100molに対し
て1.2molのAl2 O3 が得られようにアルミニウ
ムトリイソプロポキシドを溶解した。この溶液を、水酸
化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g及びイ
オン交換水60gを混合した溶液と実施例1と同様の要
領で混合し、反応させ、粒子径150nm、結晶子径3
8nmのNi−Al2 O3 共析粉末を得た。
スト、積層セラミックコンデンサを作成して、クラック
発生率を求めた。表2にクラックなどの発生状況を示
す。
用いた例を以下に示す。塩化ニッケル45gをエタノー
ル150mlに溶解し、Ni100molに対し3.5
molのFe2 O 3 が得られるように鉄トリイソプロポ
キシドを添加した。この溶液を、水酸化ナトリウム2
2.5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60
gを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒
子径150nm、結晶子径38nmのNi−Fe2 O3
共析粉末を得た。その後、実施例1と同様の方法でペー
スト、積層セラミックコンデンサを作成、クラック発生
率を求めた。表3にクラックなどの発生状況を示す。
用いた例を以下に示す。塩化ニッケル45gをエタノー
ル150mlに溶解し、Ni100molに対し4.0
molのCo2 O 3 が得られるようにCoジイソプロポ
キシドを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.
5g、抱水ヒドラジン90g,イオン交換水60gを混
合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径1
50nm、結晶子径38nmのNi−Co2 O3 共析粉
末を得た。表4にクラックなどの発生状況を示す。
いた例を以下に示す。塩化ニッケル45gをエタノール
150mlに溶解し、Ni100molに対し2mol
のTiO2 が得られるようにテトラチタンイソプロポキ
シドを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5
g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60gを混
合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径2
00nm、結晶子径48nmのNi−TiO2 共析粉末
を得た。その後、実施例1と同様の方法で導電性ペース
ト、積層セラミックコンデンサを作成して、クラック発
生率を求めた。表5にクラックなどの発生状況を示す。
いた例を以下に示す。塩化ニッケル45gをエタノール
150mlに溶解し、Ni100molに対し1.5m
olのZrO2 が得られるようにn−テトラブトキシジ
ルコニウムを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム2
2.5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60
gを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒
子径50nm、結晶子径17nmのNi−ZrO2 共析
粉末を得た。
性ペースト、積層セラミックコンデンサを作成して、ク
ラック発生率を求めた。表6にクラックなどの発生状況
を示す。
いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3
molのSiO2が得られるように珪酸エテルを溶解し
た。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒド
ラジン90g及びイオン交換水60gを混合した溶液と
を混合し、60℃で1時間放置し、粒子径100nm、
結晶子径25nmのNi−SiO2共析粉末を得た。こ
の粉末を、実施例1と同様の方法で導電性ペースト、積
層セラミックコンデンサを作成して、クラック発生率を
求めた。表7にクラックなどの発生状況を示す。
いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し
2.5molのY2O3 が得られるようにイットリウム
イソプロポキシドを溶解した。この溶液を水酸化ナトリ
ウム22.5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換
水60gを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置
し、粒子径80nm、結晶子径20nmのNi−Y2 O
3 共析粉末を得た。表8にクラックなどの発生状況を示
す。
た例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し1.
5molのBaOが得られようにバリウムジイソプロポ
キシドを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.
5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60gを
混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径
80nm、結晶子径19nmのNi−BaO共析粉末を
得た。この粉末を、実施例1と同様の方法で導電性ペー
スト、積層セラミックコンデンサを作成して、クラック
発生率を求めた。表9にクラックなどの発生状況を示
す。
O4 を用いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45
gをエタノール150mlに溶解し、Ni100mol
に対し、3molのBaとなるようにバリウムジイソプ
ロポキシドを溶解し、6molのAlとなるようにアル
ミニウムトリイソプロポキシドを溶解した。この溶液を
水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g及
びイオン交換水60gを混合した溶液と混合し、60℃
で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径19nm
の.Ni−BaAl2 O4 共析粉末を得た。この粉末
を、実施例1と同様な方法で導電性ペースト、積層セラ
ミックコンデンサを作成して、クラック発生率を求め
た。表10にクラックなどの発生状況を示す。
用いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエ
タノール150mlに溶解し、Ni100molに対し
3.5molのNbO2 が得られるようにぺンタエトキ
シニオブを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム2
2.5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60
gを混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒
子径80nm、結晶子径19nmのNi−NbO2 共析
粉末を得た。この粉末を、実施例1と同様の方法で導電
性ペースト、積層セラミックコンデンサを作成して、ク
ラック発生率を求めた。表11にクラックなどの発生状
況を示す。
いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3
molのWO2 が得られるようにペンタエトキシタング
ステンを溶解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.
5g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60gを
混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径
80nm、結晶子径19nmのNi−WO2 共析粉末を
得た。この粉末を、実施例1と同様の方法で導電性ペー
スト、積層セラミックコンデンサを作成して、クラック
発生率を求めた。表12にクラックなどの発生状況を示
す。
いた例を以下に示す。まず、塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し2
molのMnOが得られるようにヱトキシマンガンを溶
解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水
ヒドラジン90g及びイオン交換水60gを混合した溶
液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径80nm、
結晶子径19nmのNi−MnO共析粉末を得た。この
粉末を、実施例1と同様の方法で導電性ペースト、積層
セラミックコンデンサを作成して、クラック発生率を求
めた。表13にクラックなどの発生状況を示す。
Ni100molに対しAl2 O3 換算で0.010m
ol、0.206mol、2.00mol、6,18m
ol、10.0molのNi−Al2 O3 共析粉末14-a
〜14-eを得た。これに、実施例1と同様の方法で導電性
ペースト、積層セラミックコンデンサを作成して、クラ
ック発生率を求めた。表14にクラックなどの発生状況
を示す。
粉末を、特に処理せずに、実施例1と同様の方法でペー
スト化し、積層セラミックコンデンサでの評価を行っ
た。結果を表15に示す。
粉末を200℃のオーブン内に2時間放置し、Ni表面
を酸化させた。XPS解析より表面からNi金属が検出
されないことを確認した。実施例1と同様の方法でペー
スト化し、積層セラミックコンデンサでの評価を行っ
た。結果を表15に示す。
粉末に、Ni100molに対して3.5molのAl
2 O3 をコートし、実施例1と同様の方法でペースト化
し,積層セラミックコンデンサでの評価を行った。結果
を表15に示す。
明らかなように、本発明の実施例1〜14は、それを用
いた積層セラミックコンデンサにおいて、クラック発生
を抑制できるものであることが判る。
造について説明する。図1に示すように、上記積層セラ
ミックコンデンサ11は、略直方体型であり、セラミッ
ク積層体12と、複数の各内部電極13…と、一対の各
端子電極14、14と、一対の各めっき膜15、15と
を有している。
O3 を主成分とする誘電体材料からなるセラミック層1
2aが複数積層された生のセラミック積層体が焼成され
てなっている。
体12内の各セラミック層12a・12a間にあって、
焼成前の複数のセラミックグリーンシート上に本発明の
ニッケルペーストが印刷され、各セラミックグリーンシ
ートと共に積層されてなる生チップと同時に焼成されて
形成されている。また、各内部電極13…のそれぞれの
端縁は、セラミック積層体12の何れかの端面に露出し
ている。
体12の端面に露出した各内部電極13…の一端と電気
的かつ機械的に接合されるように、端子電極形成用の導
電性ペーストがセラミック積層体12の端面に塗布され
焼き付けられている。各めっき膜15、15は、例え
ば、SnやNi等の無電解めっきや、はんだめっき等か
らなり、各端子電極14、14上に少なくとも1層それ
ぞれ形成されている。
は、上述に限定されることはなく、例えば、PbZrO
3 等その他の誘電体材料や、絶縁体、磁性体、半導体材
料からなっても構わない。
述に限定されることはなく、何層形成されていても構わ
ない。また、端子電極14の形成位置ならびに個数は、
上述に限定されるものではない。また、めっき膜15、
15は、必ずしも備えている必要はなく、また何層形成
されていても構わない。
Niペーストは、粒径が小さく薄層化を図るのに効果が
あり、また焼結収縮が抑制されるので積層セラミック電
子部品等のセラミックス層と同時に焼成を行う際、セラ
ミック層の焼結収縮に近づくので、クラック等の構造的
な不良の発現を防止できる効果を奏する。
積層セラミックコンデンサの断面図である。
子部品) 12 セラミック積層体 13 内部電極
Claims (8)
- 【請求項1】ニッケルを主成分とする金属であるニッケ
ル基金属と金属酸化物または金属複合酸化物とを液相反
応により粉末として共析出させることを特徴とするニッ
ケル粉末の製造方法。 - 【請求項2】少なくとも還元剤溶液とニッケル塩溶液お
よび金属アルコキシド化合物を含む溶液とを混合し、ニ
ッケルイオンの還元反応と金属アルコキシド化合物の加
水分解反応とを進行させて、共析出させることを特徴と
する請求項1記載のニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項3】金属アルコキシド化合物として、アルカリ
土類金属、ランタノイド系希土類元素、Zr、Ti、A
l、Y、Nb、W、Mn、Fe、Co、Siのうち少な
くとも一種を含むことを特徴とする請求項2記載のニッ
ケル粉末の製造方法。 - 【請求項4】金属複合酸化物が、ペロブスカイト型また
はスピネル型であることを特徴とする請求項1ないし3
の何れか1項に記載のニッケル粉末の製造方法。 - 【請求項5】共析出させたニッケル粉末中の金属酸化物
または金属複合酸化物の割合が、ニッケル100モルに
対し0.05モル〜30モルであることを特徴とする請
求項1ないし4の何れか1項に記載のニッケル粉末の製
造方法。 - 【請求項6】請求項1ないし5の何れか1項に記載のニ
ッケル粉末の製造方法にて得られたことを特徴とするニ
ッケル粉末。 - 【請求項7】請求項6記載のニッケル粉末と、有機ビヒ
クルとを含有することを特徴とするニッケルペースト。 - 【請求項8】互いに積層された、複数のセラミックス層
と、 各セラミックス層の間に設けられた、請求項7記載のニ
ッケルペーストの焼結体とを備えていることを特徴とす
る積層セラミック電子部品。
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JP2014136826A (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-28 | Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd | 複合ニッケル微粒子及びその製造方法 |
JP2017005021A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方法 |
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-
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- 2001-10-25 JP JP2001328262A patent/JP3772726B2/ja not_active Expired - Fee Related
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