JP2003128490A - 薄膜剥離装置 - Google Patents

薄膜剥離装置

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JP2003128490A
JP2003128490A JP2001324348A JP2001324348A JP2003128490A JP 2003128490 A JP2003128490 A JP 2003128490A JP 2001324348 A JP2001324348 A JP 2001324348A JP 2001324348 A JP2001324348 A JP 2001324348A JP 2003128490 A JP2003128490 A JP 2003128490A
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peeling
roller
peeling roller
thin film
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Shinichi Mizuno
真一 水野
Takeshi Matsushita
孟史 松下
Yoshimasa Haraguchi
芳雅 原口
Naoko Hiroshimaya
直子 廣島屋
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Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性に優れるとともに品質向上を可能とす
る薄膜剥離装置を提供する。 【解決手段】 剥離ローラ11の内周面11Aに軸受け
されるガイドローラ35を設け、このガイドローラ35
をガイドローラ板36およびステージ34を介してリー
ドスクリュー32に連動させる。モータ31を駆動して
リードスクリュー32を回転させれば、これに連動して
ガイドローラ35が回転して剥離ローラ11を転動移動
させる。剥離ローラ11はガイドローラ35の下向きの
押圧力を受けて基板を確実に押圧する。断面円形で回転
軸が偏心されたフィルム固定ローラ61をねじりコイル
ばね62を介して支持板63により剥離ローラ11に固
定する。フィルム固定ローラ61はねじりコイルばね6
2の回転力を受けて、剥離ローラ11との間でフィルム
を確実に挟み込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た薄膜をこの基板から剥離するための薄膜剥離装置に関
する。すなわち、本発明は、薄膜単結晶シリコン太陽電
池素子や薄膜トランジスタなど、種々の薄膜素子の製造
に好適に用いられる薄膜剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチックフィルムのよう
な可撓性を有する支持基板上に薄膜単結晶シリコン太陽
電池素子を製造するための好適な方法として、以下のよ
うな方法が知られている(例えば特開平8−21364
5号公報,特開平10−135500号公報)。まず、
単結晶シリコン基板上に分離層として多孔質シリコン層
を形成する。そして、この多孔質シリコン層上に太陽電
池素子となる薄膜単結晶シリコンよりなる半導体層を成
長させ、その後、この半導体層上に接着剤を用いて薄い
プラスチックフィルムを接着させる。次いで、例えばプ
ラスチックフィルムとシリコン基板との間に引張り応力
をかけることにより、多孔質シリコン層を分離層として
太陽電池素子をシリコン基板から剥離する。こうして、
柔軟なプラスチックフィルムに転写された太陽電池素子
を得ることができる。
【0003】ところで、半導体層を基板から剥離する
際、上述のような外力による剥離方法では、半導体層ま
たはそこに形成された素子にひびなどの損傷が発生する
虞がある。そこで、特開2000−77963号公報で
は、半導体薄膜が形成された基板を基板支持部材に固定
し、曲面を有する薄膜支持部材を半導体薄膜に接触させ
た状態で基板支持部材を水平方向に移動させ、これに同
期して薄膜支持部材が半導体薄膜上で回動するように
し、半導体薄膜を薄膜支持部材の曲面で支持しつつ基板
から剥離するようにした方法を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように曲面を有す
る薄膜支持部材の回動によって半導体薄膜をフィルムと
ともに曲面に巻き取るようにした方法においては、薄膜
支持部材の回動速度や剥離力を変化させることによりひ
び等の損傷の発生の防止を図っている。しかしながら、
基板支持部材を水平移動させ、これに同期して薄膜支持
部材が回動するようにした上記構成では、薄膜支持部材
の動作状態を直接制御することは困難であり、基板支持
部材の複雑な駆動制御が必要となる。また、特にフィル
ムの表面が滑らかな場合、薄膜支持部材が半導体薄膜か
ら浮いてしまったり軌道からずれたりして、フィルムや
薄膜に対する押圧力が不充分になり、剥離が不確実にな
る。
【0005】上記方法においては、薄膜をフィルムごと
薄膜支持部材に巻き取るために、フィルムの先端を薄膜
支持部材に固定する必要がある。しかしながら、クリッ
プのように、フィルムの端部を薄膜支持部材に押さえつ
けるだけでは、薄くて滑らかなフィルムの脱落やずれを
防ぐことはできない。また、剥離時には薄膜およびフィ
ルムと基板との間に大きな力が働くので、フィルムは必
ずしも真直ぐに薄膜支持部材に巻き取られるとは限ら
ず、曲がったりずれたりすることがある。フィルム装着
時の片寄りやたるみ、フィルム固定部材による押圧力な
ども、フィルム巻取りの歪みの原因となる。フィルムが
曲がって巻き取られると、曲がり方が微妙であっても剥
離が進行するにつれて顕著なシワ、たるみなどを生じや
すく、品質低下の原因となる。
【0006】さらに、多孔質層の熱アニールや半導体薄
膜のエピタキシャル成長などの高温プロセスにより基板
には若干の反りが生じているのが通常である。そのた
め、接着剤を用いず真空吸着や静電吸着のみにより基板
を固定しようとすると、剥離中にフィルムや薄膜を引っ
張る大きな力につられて基板がずれたり、最悪の場合割
れたりする危険がある。また、固定爪の形状に合わせて
基板の端部を切削したり、ナイフ状の固定爪を基板に食
い込ませたりすることによって、基板や半導体層に結晶
欠陥が生じ、素子の品質低下を招来する虞もある。
【0007】一方、作業時間短縮や品質向上のため、剥
離そのものの機械化だけでなく、基板の装置への投入お
よび位置決め、半導体層へのフィルムの貼付、剥離終了
後の基板取り出しなど、剥離に伴う手作業まで含めた一
連のプロセスを円滑化することができる薄膜剥離装置の
開発が望まれている。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、作業性に優れるとともに品質向上を
可能とする薄膜剥離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜剥離装
置は、基板上に剥離層を介して形成された薄膜にフィル
ムを貼付した後、剥離層を境として薄膜をフィルムとと
もに基板から剥離させるためのものであって、基板を支
持するための基板支持台と、外周部に弯曲面を有し、弯
曲面で基板を押圧しつつ転動移動する剥離ローラと、こ
の剥離ローラを駆動するための剥離ローラ駆動手段と、
剥離ローラおよび剥離ローラ駆動手段を支持する剥離ロ
ーラ支持台とを備えている。
【0010】本発明による薄膜剥離装置では、基板を押
圧しつつ剥離ローラが転動駆動されることにより、薄膜
がフィルムとともに基板から剥離される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態に係る薄膜剥
離装置の外観の一例を表すものである。この薄膜剥離装
置は、基板上に剥離層を介して形成された薄膜をこの基
板から剥離するために用いられるものである。より具体
的には、例えば薄膜単結晶シリコン太陽電池素子や薄膜
トランジスタなどの薄膜半導体素子の製造工程におい
て、例えばシリコンなどの半導体からなる基板上に剥離
層としての多孔質層を形成し、この多孔質層を介して単
結晶シリコンからなる薄膜をエピタキシャル成長させ
て、この薄膜に薄いプラスチック等のフィルムを貼付し
た後、この薄膜剥離装置を用いて剥離層を境として薄膜
をフィルムとともに基板から剥離する。
【0013】図1に示した薄膜剥離装置10は、例えば
U字形に形成された剥離ローラ11を有している。剥離
ローラ11は、後述する剥離ローラ駆動手段により駆動
されるようになっており、U字形の外周部の弯曲面で基
板(図示せず)を押圧しつつ転動移動する。剥離ローラ
11は、後述する剥離ローラ駆動手段とともに剥離ロー
ラ支持台12によって支持され、例えば透明プラスチッ
クからなる開閉自由なカバー13により覆われている。
剥離ローラ支持台12のカバー13に覆われていない部
分には、蓋14がねじ等により固定されている。剥離ロ
ーラ11、剥離ローラ支持台12および蓋14は例えば
アルミニウム(Al)等の金属から形成されている。
【0014】剥離ローラ支持台12の前面には、把持部
材12Aがねじ等により取り付けられている。図2は、
操作者が手でこの把持部材12Aを持って剥離ローラ支
持台12を剥離ローラ11ごと上方へ退避させた状態を
示すものであり、基板を載置するための基板支持台15
が示されている。図1および図2から分かるように、剥
離ローラ支持台12は、剥離ローラ11と基板支持台1
5とが接触する位置(第1の位置、図1)と、剥離ロー
ラ11と基板支持台15とが離間する位置(第2の位
置、図2)との間で、基板支持台15に対して相対的に
移動可能となっている。基板支持台15は、図1に示し
た状態では剥離ローラ支持台12の内側におさまってい
る。
【0015】剥離ローラ支持台12と基板支持台15と
は、共通の基台16上に設置されている。基台16の前
面にはコントロールパネル17が設けられている。この
コントロールパネル17には剥離ローラ11の駆動など
のための種々のスイッチや表示部などが設けられてい
る。
【0016】基板支持台15の両側には、剥離ローラ支
持台12を第1の位置まで下降させたときに剥離ローラ
支持台12を水平に支持するための枕部材15A,15
Bが設けられている。枕部材15A,15Bの一端部に
はそれぞれ剥離ローラ支持台12との結合のためのヒン
ジ部18が設けられている。剥離ローラ支持台12はヒ
ンジ部18を中心に回動する。なお、枕部材15A,1
5Bは、例えばアルミニウム等の金属から形成されてい
る。
【0017】剥離ローラ支持台12は例えばエアダンパ
19により第2の位置に固定しておくことができる。こ
れにより、剥離ローラ支持台12と基板支持台15との
間に空きが生じ、作業エリア20が形成される。この作
業エリア20を利用して、基板支持台15への基板の投
入および位置決め、基板上に形成された薄膜へのフィル
ムの貼付、剥離終了後の基板取り出しなど、剥離に伴う
種々の手作業を安全かつ円滑に行うことができる。な
お、剥離ローラ支持台12を第2の位置から第1の位置
に下降させる際の安全性を高めるため、基板支持台15
の両端にストッパ21を設けてもよい。このように、本
実施の形態に係る薄膜剥離装置10は作業性が向上する
とともに安全性も高い。
【0018】以下、図3ないし図13を参照して、薄膜
剥離装置10の剥離ローラ支持台12および基板支持台
15の構成について、より詳細に説明する。なお、図3
以降においてはカバー13は省略するとともに、蓋14
は点線で示している。
【0019】初めに、剥離ローラ支持台12、剥離ロー
ラ11、および剥離ローラ11を回動させるための剥離
ローラ駆動手段について説明する。図3および図4に示
したように、剥離ローラ支持台12は、一対の支持部材
12B,12Cからなり、これら支持部材12B,12
Cはそれぞれ剥離ローラ11の長手方向両端部を支持し
ている。すなわち、剥離ローラ11は一対の支持部材1
2B,12Cに挟まれており、剥離ローラ支持台12が
図1に示した第1の位置にあるときには、支持部材12
B,12Cの間において剥離ローラ11と基板支持台1
5とが接触することができる。支持部材12B,12C
は前面において把持部材12Aによってつながれ、後部
には図1に示したように蓋14が固定される。支持部材
12B,12Cは対称であり、両者の構成要素は同一で
あるから、以下、主として支持部材12Bについて説明
する。また、図面においては、支持部材12B,12C
において同一の構成要素には同一の符号を付す。
【0020】支持部材12Bは、後部内側の一部が切り
取られた矩形形状の底面部12Dと、前面および側面を
囲む側壁12Eとからなっている。側壁12Eのすぐ内
側の底面部12Dには、モータ31と、一端がこのモー
タ31に接続されるとともに底面部12Dに対して平行
に延設されたリードスクリュー32と、リードスクリュ
ー32の他端を玉軸受けするリードスクリュー軸受部材
33とが設けられている。なお、図4においては、側壁
12Eおよびリードスクリュー軸受部材33は一部切り
欠いて示されている。
【0021】リードスクリュー32にはステージ34が
螺合している。ステージ34には、複数(本実施の形態
では二個)のガイドローラ35を支持するガイドローラ
板36が固定されている。ガイドローラ35は、剥離ロ
ーラ11の弯曲した内周面11Aに軸受けされている。
モータ31を駆動するとリードスクリュー32が回転
し、これにより、ステージ34およびこれに固定された
ガイドローラ板36が水平方向に移動するとともに、ガ
イドローラ35が回転する。ガイドローラ35の回転に
伴って、図5に示したように剥離ローラ11が転動移動
する。
【0022】剥離ローラ11が基板支持台15上の基板
を均一かつ確実に押圧するためには、剥離ローラ11の
転動移動の軌道の平面性、および基板支持台15に対す
る平行度が重要である。本実施の形態においては、剥離
ローラ11は常にガイドローラ35の押圧力により下方
に押し付けられており、ガイドローラ35はガイドロー
ラ板36およびステージ34を介してリードスクリュー
32に連動しているので、剥離ローラ11の転動移動の
軌道は支持部材12B,12Cの底面部12Dに対して
平行な平面となる。ここで、剥離ローラ支持台12は第
1の位置では枕部材15A,15B上に載せられるの
で、支持部材12B,12Cの底面部12Dは水平とな
り、基板支持台15に対して平行になっている。したが
って、剥離ローラ11の転動移動の軌道は、基板支持台
15に対する平行度と、底面部12Dの平面性を基準に
した平面性とを併せ持つことができ、基板支持台15上
の基板を均一かつ確実に押圧することが可能となる。
【0023】加えて、第1の金属帯41および第2の金
属帯42からなる一対の金属帯43が、剥離ローラ11
の弯曲面11Cの長手方向両端部のそれぞれに一対ずつ
設けられている。この金属帯43は、例えばステンレス
鋼からなっており、剥離ローラ11の転動移動を滑らか
にすることができる。
【0024】内側に設けられた第1の金属帯41は、図
6に示すように、一端が剥離ローラ11の弯曲面11C
の一方の頂部11Bにねじ41Aにより固定され、剥離
ローラの弯曲面11Cに沿って巻き付けられ、支持部材
12Bの底面部12Dに達してそのまま底面部12Dに
沿って伸び、他端は底面部12Dにねじ41Bにより固
定されている。したがって、第1の金属帯41は、両端
が固定されている。なお、図6において、向かい合う支
持部材12Cは省略されている。
【0025】一方、外側に設けられた第2の金属帯42
は、図7に示すように、一端が剥離ローラ11の弯曲面
11Cの他方の頂部11Dにねじ42Aにより固定さ
れ、剥離ローラ11の弯曲面11Cに沿って巻き付けら
れ、支持部材12Bの底面部12Dに達してそのまま底
面部12Dに沿って伸び、他端はねじ42B付きのナッ
ト42Cに溶着されている。したがって、ねじ42Bに
よりナット42Cを矢印T方向へ移動させることによ
り、第2の金属帯42の張力を調整することができ、第
1および第2の金属帯41,42の張力のバランスを図
ることができる。ナット42Cは、支持部材12Bの底
面部12Dに形成された凹部12Fに収納されている。
なお、図7において、向かい合う支持部材12Cは省略
されている。
【0026】さらに、剥離ローラ11の弯曲面11Cの
長手方向両端部には、ガイド溝51が形成されている。
そして、図8に示すように、支持部材12B,12Cの
底面部12Dには、ガイド溝51に嵌まるようにガイド
レール52が形成されている。ガイド溝51とガイドレ
ール52との嵌合により、剥離ローラ11の転動移動の
軌道の直線性を確実に維持することができる。また、ガ
イド溝51およびガイドレール52は、第1の金属帯4
1と第2の金属帯42との間に形成されているので、第
1および第2の金属帯41,42のずれ防止という付随
的な効果も得られる。なお、ガイド溝51およびガイド
レール52は、剥離ローラ11の弯曲面11Cの長手方
向両端部に設けてもよいし、いずれか一方の端部のみに
設けるようにしてもよい。
【0027】モータ31、リードスクリュー32、リー
ドスクリュー軸受部材33、ステージ34、ガイドロー
ラ35、ガイドローラ板36、第1および第2の金属帯
41,42、ガイド溝51、ならびにガイドレール52
が、本発明における「剥離ローラ駆動手段」に相当す
る。
【0028】次に、薄膜に貼付されたフィルムの端部を
剥離ローラ11の弯曲面11Cとの間で挟んで固定する
ための手段について説明する。
【0029】図3に示したように、剥離ローラ11の頂
部11B近傍には、細長い筒状のフィルム固定ローラ6
1が設けられている。フィルム固定ローラ61は、剥離
ローラ11の長手方向に沿って設けられており、その両
端はねじりコイルばね62を介して支持板63により回
動可能に支持されている。支持板63は、剥離ローラ1
1の弯曲面11Cの頂部11B近傍にねじ固定されてい
る。また、図9に示すように、本実施の形態では、フィ
ルム固定ローラ61は断面円形であり、その回転軸は偏
心されている。外部からの力が加わらない状態では、フ
ィルム固定ローラ61は、ねじりコイルばね62の反時
計回りの(図9の矢印CCL方向)回転力を受けて剥離
ローラ11の弯曲面11Cに対する圧接状態を維持して
いる。
【0030】一方、フィルム固定ローラ61を手動で少
しだけ時計回り(図9の矢印CL方向)に回転させる
と、逃げ角作用が働いて、フィルム固定ローラ61の押
圧力を弱めることができる。ただし、このときも、フィ
ルム固定ローラ61が剥離ローラ11の弯曲面11Cか
ら浮くわけではなく、押圧力が弱まるだけである。
【0031】ここで、図8または図9に示したように、
剥離ローラ11の弯曲面11Cにおいて、フィルム固定
ローラ61に対向する位置に摩擦部材64を設けるよう
にしてもよい。摩擦部材64は、例えばポリアセタール
樹脂またはPOM(ポリオキシメチレン)と呼ばれるプ
ラスチック材料からなる平面または曲面の板状とし、弯
曲面11Cの所定の位置に埋め込むことができる。摩擦
部材64を設けることにより、フィルム固定ローラ61
からの側圧でフィルム自体の摩擦効果が維持され、フィ
ルムの滑りや脱落を防止することができる。
【0032】図10および図11は、フィルム固定ロー
ラ61へのフィルムの装着および取り外しを模式的に示
した断面図である。まず、図10(A)に示したよう
に、図2に示した作業エリア20(図10では省略)を
利用して、基板65を基板支持台15(図10では要部
のみ示す)に載置し、フィルム66を貼付した後で、剥
離ローラ支持台12(図10では省略)を下降させて剥
離ローラ11を基板支持台15に接触させる。なお、基
板65には、図示しない剥離層を介して薄膜67が形成
されている。
【0033】次いで、図10(B)に示したように、フ
ィルム66の先端をフィルム固定ローラ61と剥離ロー
ラ11の弯曲面11Cとの接点に当接させる。そして、
フィルム固定ローラ61を手動で少しだけ時計回り(図
10(C)の矢印CL方向)に回転させると同時に剥離
ローラ11も手動で少しだけ逆転させて左へ回し(図1
0(C)の矢印A方向)、フィルム固定ローラ61の押
圧力を弱めると、図10(C)に示したように、フィル
ム66自体の弾性により先端がフィルム固定ローラーラ
61と剥離ローラ11との間に進入する。その後、フィ
ルム固定ローラ61から手を離せば、フィルム固定ロー
ラ61は再びねじりコイルばね62の反時計回りの回転
力を受けてフィルム66との間に食い込み作用を生じ、
フィルム66はフィルム固定ローラ61に真直ぐにかつ
確実に装着される。
【0034】このように、本実施の形態では、フィルム
固定ローラ61およびねじりコイルばね62とを用いて
フィルム66を固定するようにしたので、フィルム66
を簡単に真直ぐに装着できる。
【0035】フィルム66を装着した後、剥離ローラ1
1を転動移動させ、図11(A)に示したように、薄膜
67を基板65から剥離してフィルム66に転写してい
く。この剥離時に薄膜67およびフィルム66と基板6
5との間には大きな力が働き、フィルム66は脱落する
方向に引っ張られるが、本実施の形態では、ねじりコイ
ルばね62の回転力およびフィルム固定ローラ61の側
圧によりフィルム66にバックテンションをかけること
ができる。したがって、クリップのようにフィルムを押
さえつけるにとどまる従来の場合と異なり、フィルム6
6のずれや脱落を効果的に防止することができる。
【0036】剥離が完了したら、図11(B)に示すよ
うに、剥離ローラ支持台12(図11では省略)を図2
に示した第2の位置へ退避させ、フィルム固定ローラ6
1を手動で少しだけ時計回り(図11(B)の矢印CL
方向)に回転させるとともに剥離ローラ11も手動で少
しだけ逆転させて左へ回し(図11(B)の矢印A方
向)、フィルム固定ローラ61の押圧力を弱めて、フィ
ルム66のフィルム固定ローラ61に挟まれていない方
の端部66Aを引っ張って慎重に外す。このようにすれ
ば、フィルム66に転写された薄膜67を損傷させるこ
となくフィルム66を取り外すことができる。
【0037】続いて、基板支持台15の構成について説
明する。基板支持台15は、図12に示したように、基
台16上において、枕部材15A,15Bの間に設置さ
れている。すなわち、図12において点線で示した剥離
ローラ支持台12の支持部材12B,12Cの間に収ま
る位置に設置されている。
【0038】基板65は、図13に示すように、基板載
置板71に形成された基板埋込用凹部71Aに埋め込ま
れている。基板埋込用凹部71Aの底面(吸着面)71
Cには、例えば、図示しない真空吸着機構が設けられて
おり、基板65は真空吸着により基板埋込用凹部71A
の底面(吸着面)71Cに固定される。基板載置板71
は、複数の加圧ダンパ72を介して基板支持台本体73
の上に設置されている。基板載置板71と基板支持台本
体73との間に加圧ダンパ72を挿入したことにより、
剥離ローラ11の基板支持台15に対する下向きの押圧
力に対する反発力を持たせ、基板65と剥離ローラ11
との間の隙間をなくすことができる。
【0039】基板載置板71には、図14に示すよう
に、可動押止部81および固定押止部82が、基板65
に関して互いに対向する位置に設けられている。固定押
止部82は、図15に示すように、基板載置板71に形
成された凹部71B内に埋め込まれ、例えばねじ等で固
定されているので、基板載置板71の表面には段差を生
じない。固定押止部82には、基板65の周縁に係合す
る固定押止面82Aが形成されている。一般に基板65
の周縁は取扱いの安全のために表面側および裏面側とも
に全周にわたって面取り(cカット)されているとこ
ろ、この固定押止面82Aは、斜面であり、しかも基板
65の表面側の面取りされた斜面65Aに係合するよう
になっている。これにより、固定押止部82が基板65
の周縁を押圧して、基板65を確実に基板埋込用凹部7
1Aの底面(吸着面)71Cに押し付けるようにしてい
る。
【0040】可動押止部81は、図16に示したよう
に、基板載置板71に形成された凹部71D内に埋め込
まれており、基板載置板71の表面に段差を生じない。
可動押止部81は、基板65の周縁を押圧する機能に加
えて、基板65をプライマリーオリエンテーションフラ
ット65Bを基準とした方位角で正確に位置決めする機
能を有している。このため、可動押止部81には、基板
65のプライマリーオリエンテーションフラット65B
に係合する可動押止面81Aが設けられている。可動押
止面81Aは、斜面であり、しかも基板65のプライマ
リーオリエンテーションフラット65Bの表面側の面取
りされた斜面65Cに係合するようになっている。ま
た、可動押止部81には、可動押止面81Aに対して9
0度の方向に複数(本実施の形態では2本)のコイルば
ね81Bが設けられており、可動押止部81を凹部71
D内において手動で摺動させ、所望の位置で長穴81C
内のスライドローラ81Dにより固定することができ
る。
【0041】なお、スライドローラ81Dは長穴81C
に沿って移動可能であり、中心はねじになっていて可動
押止部81を所望の位置で固定することができる。スラ
イドローラ81Dと長穴81Cとの接触部分は摩擦のた
め減りやすいが、スライドローラ81Dは時計回り、反
時計回りのいずれの方向にも回転可能なので、減りを防
ぐことができる。なお、スライドローラ81Dのかわり
に単なるねじを用いてもよい。スライドローラ81Dま
たはこれの代わりに用いられるねじが、本発明の「固定
手段」に対応する。
【0042】コイルばね81Bは、基板載置板71の凹
部71Dに形成された溝71Eの端部71Fと可動押止
部81の裏面に形成された溝81Eの端部81Fとをス
トッパとして装着されており、可動押止面81Aを介し
て基板65のプライマリーオリエンテーションフラット
65Bに押圧力を加えている。したがって、これらの複
数のコイルばね81Bの押圧力がつりあうように基板6
5を回転させるだけで、可動押止面81Aをプライマリ
ーオリエンテーションフラット65Bに極めて簡単かつ
正確に係合させることができる。
【0043】このように、固定押止部82と可動押止部
81との組み合わせにより、基板65をプライマリーオ
リエンテーションフラット65Bを基準とした正確な方
位角で基板載置板71に装着することができるととも
に、基板65の周縁を押止して剥離時の基板65のずれ
や割れを防ぐことができる。また、固定押止面82Aお
よび可動押止面81Aを斜面とし、基板65の表面側の
面取りされた斜面65A,65Cに係合させるようにし
たので、基板載置板71の表面に段差を生じることはな
く、しかも基板65を傷つけることなく周縁を確実に押
止することが可能となる。
【0044】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、剥離ローラ支持台12を、剥離ローラ11と基板支
持台15とが接触する位置(第1の位置、図1)と、剥
離ローラ11と基板支持台15とが離間する位置(第2
の位置、図2)との間で、基板支持台15に対して相対
的に移動可能とし、剥離ローラ支持台12を第2の位置
に固定しておくことにより剥離ローラ支持台12と基板
支持台15との間に作業エリア20を形成するようにし
たので、この作業エリア20を利用して、基板支持台1
5への基板の投入および位置決め、基板上に形成された
薄膜へのフィルムの貼付、剥離終了後の基板取り出しな
ど、剥離に伴う種々の手作業を安全かつ円滑に行うこと
ができる。したがって、本実施の形態に係る薄膜剥離装
置10は、作業性が向上するとともに安全性も高い。
【0045】また、本実施の形態では、剥離ローラ11
を駆動する剥離ローラ駆動手段として、剥離ローラ11
の内周面11Aに軸受けされるガイドローラ35を設
け、このガイドローラ35をガイドローラ板36および
ステージ34を介してリードスクリュー32に連動させ
るようにしたので、モータ31を駆動してリードスクリ
ュー32を回転させれば、これに連動してガイドローラ
35が回転して剥離ローラ11を転動移動させることが
できる。また、剥離ローラ11は常にガイドローラ35
の押圧力により下方に押し付けられており、基板支持台
15上の基板を均一かつ確実に押圧することが可能とな
る。
【0046】さらに、基板支持台15においては、基板
載置板71と基板支持台本体73との間に加圧ダンパ7
2を挿入したので、剥離ローラ11の基板支持台15に
対する下向きの押圧力に対する反発力を持たせ、基板6
5と剥離ローラ11との間の隙間をなくすことができ
る。
【0047】加えて、第1の金属帯41および第2の金
属帯42からなる一対の金属帯43が、剥離ローラ11
の長手方向両端部のそれぞれに一対ずつ設けられている
ので、剥離ローラ11の転動移動を滑らかにすることが
できる。第1の金属帯41は両端がねじ固定され、第2
の金属帯42は、その張力が調整可能となっており、第
1および第2の金属帯41,42の張力のバランスを図
ることができる。
【0048】さらに、剥離ローラ11の弯曲面11Cの
長手方向両端部には、ガイド溝51を形成し、支持部材
12B,12Cの底面部12Dには、ガイド溝51に嵌
まるようにガイドレール52を形成したので、ガイド溝
51とガイドレール52との嵌合により、剥離ローラ1
1の転動移動の軌道の直線性を維持することができる。
また、ガイド溝51およびガイドレール52は、第1の
金属帯41と第2の金属帯42との間に形成されている
ので、第1および第2の金属帯41,42のずれ防止と
いう付随的な効果も得られる。
【0049】また、本実施の形態では、フィルム固定ロ
ーラ61およびねじりコイルばね62を用いてフィルム
66を固定するようにしたので、フィルム66のフィル
ム固定ローラ61への装着および取り外しは著しく簡単
となる上に、フィルム66を真直ぐにかつ確実に装着
し、薄膜67への損傷を生じることなく取り外しでき
る。また、剥離時に薄膜およびフィルムと基板との間に
大きな力が働いてフィルム66が脱落する方向に引っ張
られても、ねじりコイルばね62の回転力およびフィル
ム固定ローラ61の側圧によりフィルム66にバックテ
ンションをかけることができる。したがって、クリップ
のようにフィルムを押さえつけるにとどまる従来の場合
と異なり、本実施の形態ではフィルム66のずれや脱落
を効果的に防止することができる。
【0050】加えて、剥離ローラ11の弯曲面11Cに
おいて、フィルム固定ローラ61に対向する位置に、例
えばポリアセタール樹脂またはPOM(ポリオキシメチ
レン)と呼ばれるプラスチック材料からなる摩擦部材6
4を設ければ、フィルム固定ローラ61からの側圧でフ
ィルム自体の摩擦効果が維持され、フィルムの滑りや脱
落を防止することができる。
【0051】また、本実施の形態では、基板載置板71
には、基板65に関して互いに対向する位置に、固定押
止部82と、複数のコイルばね81Bにより摺動可能な
可動押止部81とを設けたので、基板65をプライマリ
ーオリエンテーションフラット65Bを基準とした正確
な方位角で基板載置板71に装着することができる。し
かも、仮に基板65に高温プロセスによる反りが生じて
いた場合であっても、基板65の周縁を押止して確実に
基板載置板71に吸着させ、剥離時の基板65のずれや
割れを防ぐことができる。固定押止面82Aおよび可動
押止面81Aは斜面とし、基板65の表面側の面取りさ
れた斜面65A,65Cに係合させるようにしたので、
基板載置板71の表面に段差はなく、基板65を傷つけ
ることなく周縁を確実に押止することが可能となる。
【0052】本実施の形態に係る薄膜剥離装置10は、
例えば薄膜単結晶シリコン太陽電池素子や薄膜トランジ
スタなどの薄膜素子製造プロセスにおける剥離工程に用
いることができるが、これに限らず、MOSトランジス
タ(Metal Oxide Semiconductor ),CCD(Charge C
oupled Device )あるいは太陽電池など他の受光素子,
発光素子,集積回路素子の製造にも利用することがで
き、これらの薄膜化を実現することが可能である。
【0053】また、薄膜剥離装置10は、図10におい
て説明したような薄膜67の剥離工程そのものだけでな
く、フィルム66を薄膜67に確実に貼付・定着させる
ために用いることも可能であることは言うまでもない。
【0054】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態で
は、剥離ローラ支持台12の支持部材12B,12Cと
基板支持台15の枕部材15A,15Bとをヒンジ部1
8を用いて結合し、剥離ローラ支持台12をヒンジ部1
8の周りで回動可能としたが、ヒンジ部18の代わりに
油圧ジャッキを用いて剥離ローラ支持台12が基板支持
台15に対して平行移動するようにしてもよい。
【0055】また、上記実施の形態では、フィルム固定
ローラ61は断面円形で回転軸が偏心されているように
したが、フィルム固定ローラ61は断面楕円形としても
よい。
【0056】さらに、上記実施の形態では、固定押止面
81Aおよび可動押止面82Aは、全体にわたって斜面
であるものとして説明したが、少なくとも一部において
斜面であればよい。また、剥離ローラ11の断面はU字
形状のものに限らず、その他の形状であってもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項17のいずれか1に記載の薄膜剥離装置によれば、
剥離ローラを駆動するための剥離ローラ駆動手段を備え
たので、剥離ローラの転動移動を直接制御することがで
きる。したがって、剥離プロセスの作業性の改善、スル
ープット向上、品質の安定などの優れた効果を得ること
ができる。
【0058】特に、請求項16または17に記載の薄膜
剥離装置によれば、剥離ローラ支持台を、剥離ローラと
基板支持台とが接触する第1の位置と、剥離ローラと基
板支持台とが離間する第2の位置との間で、基板支持台
に対して相対的に移動可能としたので、剥離ローラ支持
台を第2の位置に固定しておくことにより剥離ローラ支
持台と基板支持台との間に作業エリアを形成し、この作
業エリアを利用して、基板支持台への基板の投入および
位置決め、基板上に形成された薄膜へのフィルムの貼
付、剥離終了後の基板取り出しなど、剥離に伴う種々の
手作業を安全かつ円滑に行うことができる。したがっ
て、作業性が向上するとともに安全性も高いという優れ
た効果が得られる。
【0059】また、特に、請求項3に記載の薄膜剥離装
置によれば、剥離ローラ駆動手段として、剥離ローラの
内周面に軸受けされるガイドローラを設け、このガイド
ローラをガイドローラ板およびステージを介してリード
スクリューに連動させるようにしたので、モータを駆動
してリードスクリューを回転させれば、これに連動して
ガイドローラが回転して剥離ローラを転動駆動させるこ
とができる。また、剥離ローラは常にガイドローラの押
圧力により下方に押し付けられており、基板支持台上の
基板を均一かつ確実に押圧することが可能となるという
効果を奏する。
【0060】加えて、特に、請求項10に記載の薄膜剥
離装置によれば、基板支持台において、基板載置板と基
板支持台本体との間に加圧ダンパを挿入したので、剥離
ローラの基板支持台に対する下向きの押圧力に対する反
発力を持たせ、基板と剥離ローラとの間の隙間をなくす
ことができる。
【0061】また、特に、請求項4または5に記載の薄
膜剥離装置によれば、第1の金属帯および第2の金属帯
からなる一対の金属帯が、剥離ローラの長手方向両端部
のそれぞれに一対ずつ設けられているので、剥離ローラ
の転動移動を滑らかにすることができる。第1の金属帯
は両端がねじ固定され、第2の金属帯は、その張力が調
整可能となっており、第1および第2の金属帯の張力の
バランスを図ることができる。
【0062】さらに、特に、請求項6記載の薄膜剥離装
置によれば、剥離ローラの弯曲面の長手方向両端部にガ
イド溝を形成し、支持部材の底面部には、ガイド溝に嵌
まるようにガイドレールを形成したので、ガイド溝とガ
イドレールとの嵌合により、剥離ローラの転動移動の軌
道の直線性を維持することができる。
【0063】また、特に、請求項7ないし9のいずれか
1に記載の薄膜剥離装置によれば、フィルム固定ローラ
とねじりコイルばねとを用いてフィルムを固定するよう
にしたので、フィルムのフィルム固定ローラへの装着お
よび取り外しは著しく簡単となる上に、フィルムを真直
ぐにかつ確実に装着し、薄膜への損傷を生じることなく
取り外しできる。また、剥離時に薄膜およびフィルムと
基板との間に大きな力が働いてフィルムが脱落する方向
に引っ張られても、ねじりコイルばねの回転力およびフ
ィルム固定ローラの側圧によりフィルムにバックテンシ
ョンをかけることができる。したがって、クリップのよ
うにフィルムを押さえつけるにとどまる従来の場合と異
なり、フィルムのずれや脱落を効果的に防止することが
できる。
【0064】加えて、特に、請求項8に記載の薄膜剥離
装置によれば、剥離ローラの弯曲面において、フィルム
固定ローラに対向する位置に、摩擦部材を設けたので、
フィルム固定ローラからの側圧でフィルム自体の摩擦効
果が維持され、フィルムの滑りや脱落を防止することが
できる。
【0065】また、特に、請求項11ないし14のいず
れか1に記載の薄膜剥離装置によれば、基板載置板に
は、基板に関して互いに対向する位置に、固定押止部
と、摺動可能な可動押止部とを設けたので、基板をプラ
イマリーオリエンテーションフラットを基準とした正確
な方位角で基板載置板に装着することができる。しか
も、仮に基板に高温プロセスによる反りが生じていた場
合であっても、基板の周縁を押止して確実に基板載置板
に吸着させ、剥離時の基板のずれや割れを防ぐことがで
きる。
【0066】なかでも、特に、請求項14記載の薄膜剥
離装置によれば、固定押止部の固定押止面および可動押
止部の可動押止面は斜面とし、基板の表面側の面取りさ
れた斜面に係合させるようにしたので、基板を傷つける
ことなく周縁を確実に押止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜剥離装置の外
観の一例を表す斜視図である。
【図2】図1に示した薄膜剥離装置の剥離ローラ支持台
を上方に退避させた状態を表す斜視図である。
【図3】図1に示した剥離ローラおよび剥離ローラ支持
台の概略構成を表す平面図である。
【図4】図3に示した剥離ローラおよび剥離ローラ支持
台の左側面図である。
【図5】図4に示した剥離ローラを回動させた状態を示
す左側面図である。
【図6】図3のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った断面図であ
る。
【図8】図3のVIII−VIII線に沿った断面図で
ある。
【図9】図3のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】図3に示したフィルム固定ローラへのフィル
ムの装着を説明するための断面図である。
【図11】図3に示したフィルム固定ローラからのフィ
ルムの取り外しを説明するための断面図である。
【図12】図1に示した基板支持台の概略構成を示す平
面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿った断面
図である。
【図14】図12に示した基板載置板の概略構成を表す
平面図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿った断面図であ
る。
【図16】図14のXVI−XVI線に沿った断面図で
ある。
【符号の説明】
10…薄膜剥離装置、11…剥離ローラ、11A…内周
面、11B,11D…頂部、11C…弯曲面、12…剥
離ローラ支持台、12A…把持部材、12B,12C…
支持部材、12D…底面部、12E…側壁、13…カバ
ー、14…蓋、15…基板支持台、15A,15B…枕
部材、16…基台、17…コントロールパネル、18…
ヒンジ部、19…エアダンパ、20…作業エリア、21
…ストッパ、31…モータ、32…リードスクリュー、
33…リードスクリュー軸受部材、34…ステージ、3
5…ガイドローラ、36…ガイドローラ板、41…第1
の金属帯、42…第2の金属帯、43…金属帯、51…
ガイド溝、52…ガイドレール、61…フィルム固定ロ
ーラ、62…ねじりコイルばね、63…支持板、64…
摩擦部材、65…基板、66…フィルム、67…薄膜、
71…基板載置板、71A…基板埋込用凹部、72…加
圧ダンパ、73…基板支持台本体、81…可動押止部、
81A…可動押止面、81B…コイルばね、81C…長
穴、81D…スライドローラ、82…固定押止部、82
A…固定押止面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原口 芳雅 神奈川県相模原市双葉1−10−11 (72)発明者 廣島屋 直子 東京都港区南青山1丁目15番9号 第45興 和ビル アデコ キャリアスタッフ株式会 社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BA04 DB01 EE06 FJ03 TC13 TC16 TK11 5F051 AA02 CB02 CB11 CB30 GA04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に剥離層を介して形成された薄膜
    にフィルムを貼付した後、前記剥離層を境として前記薄
    膜を前記フィルムとともに前記基板から剥離させるため
    の薄膜剥離装置であって、 前記基板を支持するための基板支持台と、 外周部に弯曲面を有し、前記弯曲面で前記基板を押圧し
    つつ転動移動する剥離ローラと、 この剥離ローラを駆動するための剥離ローラ駆動手段
    と、 前記剥離ローラおよび前記剥離ローラ駆動手段を支持す
    る剥離ローラ支持台とを備えたことを特徴とする薄膜剥
    離装置。
  2. 【請求項2】 前記剥離ローラ支持台は、前記剥離ロー
    ラの長手方向両端部をそれぞれ支持する一対の支持部材
    からなり、 前記一対の支持部材の間において、前記剥離ローラと前
    記基板支持台とが接触することを特徴とする請求項1記
    載の薄膜剥離装置。
  3. 【請求項3】 前記剥離ローラ駆動手段は、前記支持部
    材の底面部に設置されたモータと、一端がこのモータに
    接続されるとともに前記支持部材の底面部に対して平行
    に延設されたリードスクリューと、リードスクリュー軸
    受部材と、前記剥離ローラの内周面に軸受けされた複数
    のガイドローラと、この複数のガイドローラを支持する
    ガイドローラ板と、このガイドローラ板が固定されてい
    るとともに、前記リードスクリューに螺合して水平方向
    に移動可能なステージとを含むことを特徴とする請求項
    2記載の薄膜剥離装置。
  4. 【請求項4】 前記剥離ローラ駆動手段は、第1の金属
    帯および第2の金属帯からなる一対の金属帯を含み、前
    記一対の金属帯は、前記剥離ローラの弯曲面の長手方向
    両端部のそれぞれに設けられていることを特徴とする請
    求項2記載の薄膜剥離装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の金属帯は、一端が前記剥離ロ
    ーラの弯曲面の一方の頂部に固定され、前記剥離ローラ
    の弯曲面に沿って巻き付けられ、前記支持部材の底面部
    に達してそのまま前記支持部材の底面部に沿って伸び、
    他端は前記支持部材の底面部に固定されており、 前記第2の金属帯は、一端が前記剥離ローラの他方の頂
    部に固定され、前記剥離ローラの弯曲面に沿って巻き付
    けられ、前記支持部材の底面部に達してそのまま前記支
    持部材の底面部に沿って伸び、他端はねじ付きのナット
    に溶着されることにより張力が調整可能となっているこ
    とを特徴とする請求項4記載の薄膜剥離装置。
  6. 【請求項6】 前記剥離ローラ駆動手段は、前記剥離ロ
    ーラの弯曲面の長手方向両端部の少なくとも一方にガイ
    ド溝を有すると共に、前記支持部材の底面部に前記ガイ
    ド溝に嵌まるガイドレールを有することを特徴とする請
    求項2記載の薄膜剥離装置。
  7. 【請求項7】 前記剥離ローラの弯曲面の一方の頂部近
    傍に、 前記剥離ローラの長手方向に沿って設けられた、前記フ
    ィルムの端部を固定するためのフィルム固定ローラと、 このフィルム固定ローラを支持するために前記剥離ロー
    ラの長手方向の両端部に設けられた一対の支持板と、 一端が前記フィルム固定ローラの端部に接続され、他端
    が前記支持板に接続された一対のねじりコイルばねとを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の薄膜剥離装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルム固定ローラは、断面円形で
    回転軸が偏心されているか、または断面楕円形であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の薄膜剥離装置。
  9. 【請求項9】 前記剥離ローラの弯曲面において、前記
    フィルム固定ローラに対向する位置に摩擦部材を設けた
    ことを特徴とする請求項8記載の薄膜剥離装置。
  10. 【請求項10】 前記基板支持台は、 前記支持部材を水平に載置するための一対の枕部材と、 この枕部材の間に設置された基板支持台本体と、 前記基板を埋め込み固定するための基板埋め込み用凹部
    が設けられた基板載置板と、 前記基板支持台本体と前記基板載置板との間に挿入設置
    された複数の加圧ダンパとを備えたことを特徴とする請
    求項2記載の薄膜剥離装置。
  11. 【請求項11】 前記基板載置板は、 前記基板のプライマリーオリエンテーションフラットに
    係合する可動押止面を有するとともに、水平方向に摺動
    可能な可動押止部と、 前記基板に関してこの可動押止部に対向する位置に設け
    られるとともに、前記基板の周縁に係合する固定押止面
    を有する固定押止部とを備えたことを特徴とする請求項
    10記載の薄膜剥離装置。
  12. 【請求項12】 前記可動押止部は、 前記プライマリーオリエンテーションフラットに押圧力
    を加えるためのコイルばねと、 前記プライマリーオリエンテーションフラットに係合す
    る位置で前記可動押止面を固定させるための固定手段と
    を有することを特徴とする請求項11記載の薄膜剥離装
    置。
  13. 【請求項13】 前記固定手段は、ねじまたはスライド
    ローラであることを特徴とする請求項12記載の薄膜剥
    離装置。
  14. 【請求項14】 前記可動押止面および前記固定押止面
    は、前記基板の表面側の面取りされた斜面に係合する斜
    面であり、 前記可動押止面および前記固定押止面が前記基板の表面
    側周縁を押止することを特徴とする請求項11記載の薄
    膜剥離装置。
  15. 【請求項15】 前記基板は前記基板埋め込み用凹部に
    真空吸着により埋め込まれることを特徴とする請求項1
    0記載の薄膜剥離装置。
  16. 【請求項16】 前記剥離ローラ支持台は、 前記剥離ローラと前記基板支持台とが接触する第1の位
    置と、前記剥離ローラと前記基板支持台とが離間する第
    2の位置との間で前記基板支持台に対して相対的に移動
    可能であることを特徴とする請求項1記載の薄膜剥離装
    置。
  17. 【請求項17】 前記剥離ローラ支持台および前記基板
    支持台は、一端においてヒンジ部により結合され、前記
    剥離ローラ支持台は前記ヒンジ部を中心に回動可能とな
    っていることを特徴とする請求項16記載の薄膜剥離装
    置。
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