JP2007268671A - 樹脂被膜除去方法 - Google Patents

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【課題】金属板の表面に形成されている樹脂被膜をブラスト処理によって確実に除去する。
【解決手段】金属板1の表面に設けられている合成樹脂製被膜をブラスト処理S2によって除去する樹脂被膜除去方法において、前記合成樹脂製被膜を引き剥がす処理S1を行った後にその処理を施した面に向けてブラスト材を投射して前記ブラスト処理S2を行う。本発明の方法によれば、樹脂被膜を容易に除去できるので、処理時間を短縮でき、またブラスト材の損耗を抑制して低コスト化を図ることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、表面に印刷塗装を施した金属塗装板や合成樹脂製フィルムをラミネートしたラミネート金属板などの金属板の表面からその印刷やフィルム層などの被膜を除去する方法に関し、特にブラスト処理によって除去する方法に関するものである。
従来、例えば各種の缶詰に使用される金属板として、図柄や文字などを印刷し、あるいは図柄や文字などを印刷したフィルムをラミネートした金属板が使用されている。この種の金属板は、製造するべき缶胴に適した大きさに切断される前に印刷が施され、あるいはフィルムがラミネートされる。このような金属板の全量が必ず使用されるわけではなく、印刷あるいはフィルムのズレや、模様替えのために印刷やフィルムの貼着をやり直す必要が生じることがある。その場合、再度の塗装もしくはフィルムの貼着に先立って、既存の印刷やフィルムを除去し、金属板自体の再利用を図っている。
金属板の表面に形成されている印刷層やフィルムを除去する方法の一例が、特許文献1や特許文献2に記載されている。特許文献1に記載されている方法は、メラミン樹脂からなるブラスト材を対象物に噴射することにより、塗装膜や樹脂複合材料などの表面層を除去する方法である。また、特許文献2に記載された方法は、金属部分の表面に形成された塗膜を、投射材を吹き付けるブラスト処理によって剥離する方法であって、その投射材として樹脂粒子を使用する方法である。そして、この特許文献2に記載された発明では、塗膜として塗料以外に接着剤を挙げており、また投射材の粒径が50〜850μm程度、投射距離が30〜700mm、遠心式ブラスト処理の場合はロータの回転速度が30m/s〜150m/s程度であることが特許文献2に記載されている。
特開平5−162079号公報 特開2003−290706号公報
金属板に印刷を施したり、フィルムをラミネートする場合、接着剤を印刷層やフィルムとの間に介在させることがある。このようないわゆる樹脂被覆金属板の樹脂層を上述した各特許文献に記載されている方法で除去するとした場合、接着剤を含めて完全に除去することが困難であり、印刷層のインキあるいはフィルムの裏面に施してある印刷のインキが残ってしまうことがある。このような不都合を解消するために、ブラスト処理の時間を長くしたり、ブラスト材の吹き付け速度を速くしたりすると、樹脂層を除去した金属板の表面が粗くなってしまい、再使用することが困難になり、あるいは表面を平滑にするための加工を更に施さなければならないなどの問題が生じる。また、ブラスト材の損耗が激しくなり、ブラスト材を多く必要とするため、ブラスト材のコストが高くなる。
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、接着剤を使用して合成樹脂製被膜が形成されている金属板であっても、その被膜を確実に除去できる方法を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、金属板の表面に設けられている合成樹脂製被膜をブラスト処理によって除去する樹脂被膜除去方法において、前記合成樹脂製被膜を引き剥がす(事前剥離)処理を行った後にその処理を施した面に向けてブラスト材を投射して前記ブラスト処理を行うことを特徴する方法である。
その合成樹脂製被膜は、請求項2に記載されているように、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材層と、そのフィルム基材層の表面に形成された熱硬化性樹脂からなるオーバーコート層と、前記フィルム基材層の裏面側に設けられたインキ層および/または熱硬化性樹脂からなる接着剤層を備えた構成であってもよい。
また、本発明では、請求項3に記載されているように、合成樹脂製被膜を引き剥がす処理は、前記金属板を所定温度に加熱した状態で行うこととしてもよい。
さらに、本発明では、請求項4に記載されているように、前記加熱を、150〜230℃の温度に加熱して行うこととしてもよい。
またさらに、前記合成樹脂製被膜を引き剥がす処理は、請求項5に記載されているように、前記合成樹脂製被膜の表面にシート材を貼着し、前記合成樹脂製被膜の所定の端部側を始点として次第に引き離すことにより行うこととしてもよい。
一方、本発明では、請求項6に記載されているように、前記金属板を、前記ブラスト材の投射方向に対して垂直な方向に搬送しつつ前記ブラスト材を投射し、かつ前記ブラスト材の前記金属板の表面までの投射距離を、前記搬送速度が速い場合には、遅い場合に比較して短くしてもよい。
請求項1の発明によれば、合成樹脂性被膜の一部を引き剥がす処理を行った後に、ブラスト材を投射するので、金属板の表面に設けられている合成樹脂製被膜を良好に除去することができる。また、ブラスト材の投射速度を速くしたり、ブラスト処理の時間を長くしたりする必要がないので、金属板の表面が粗くなることを防止もしくは抑制することができる。さらに、樹脂被膜を容易に除去できるので、処理時間を短縮でき、またブラスト材の損耗を抑制して低コスト化を図ることができる。
また、請求項2に記載されているような熱硬化性樹脂からなる接着剤層をフィルム基材層が備えている被膜であっても、合成樹脂性被膜の一部を引き剥がす処理を行った後に、ブラスト材を投射するので、その被膜を確実に除去することができる。
なお、請求項3に記載されているように、合成樹脂製被膜を引き剥がす際に金属板を加熱することによって、合成樹脂製被膜の一部を除去する作業が容易になる。
また、請求項4に記載されているように、150〜230℃に加熱することにより、印刷層やフィルム基材層の裏面の図柄あるいは文字などが金属板側に転写されて残ることを抑制でき、その結果、合成樹脂製被膜の除去をより確実に行うことができる。
さらにまた、請求項5の発明によれば、合成樹脂製被膜の引き剥がしを機械的な操作によって行うことができるので、作業を自動化し、また容易に行うことができる。
一方、請求項6に記載されているように、ブラスト材の投射距離が短い場合には、金属板の搬送速度を相対的に速くするので、被膜の除去作業効率を向上させることができる。
先ず、本発明で対象とする樹脂被覆金属板は、金属板基材の表面(表側の面と裏側の面との少なくとも一方の面)に、合成樹脂製被膜を設けた金属板である。その一例を図1に模式的に示してあり、ここに示す金属板1はその表面が1缶分の缶胴の長さおよび幅に相当する多数の区画に分けられており、各区画毎に模様や文字などが合成樹脂被膜(以下、単に樹脂被膜と記すことがある)2によって形成されている。
その金属板基材3としては、アルミニウム板、テインフリースチールなどの表面処理鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、その他の各種合金メッキ鋼板を用いることができる。また、合成樹脂被膜2は、金属板基材3の表面に焼き付け塗装などの方法で直接形成した印刷層であってもよく、あるいは予め印刷が施された装飾フィルムを貼り付けて形成したものであってもよい。
図2に、装飾フィルムを金属板基材3の表面に貼り付けた例を示してあり、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材4の表面にオーバーコート層5が形成され、また裏面には印刷層6および接着剤層7が順に形成されている。そのフィルム基材4としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸との共重合体などよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単体、あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フイルムが用いられる。また、オーバーコート層5は、熱によって硬化させたものであり、そのための塗料としては、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、ポリブタジエン系アクリレート樹脂などが挙げられ、分子量としては比較的高い樹脂状のものから、低いモノマー状のものを含み、熱で重合反応を示すものであればよい。なお、前記熱硬化性樹脂は単独でも二種類以上の混合物としてでも使用できる。
さらに、印刷層6は、熱硬化性のウレタン系樹脂からなるインキが使用され、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などによって形成されている。
またさらに接着剤層7は、加熱と加圧とにより密着し易く、しかもインキとの密着性が良好な電子線硬化型接着剤によって形成されている。特に、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂およびアミノ樹脂とを配合した接着剤が通常用いられる。
本発明の方法は、上記の樹脂被膜2を金属基材3からの引き剥がし処理およびブラスト処理によって除去する。図3にその工程をブロック図で示してあり、樹脂被膜2が表面に形成されている金属板1に、樹脂被膜2を引き剥がす(事前剥離)処理S1を施した後にブラスト処理S2を施す。本発明では、その前処理(前工程)として加熱S0を行っている。その引き剥がし処理S1は、金属板1が前述した装飾フィルム(ラミネートフィルム)を樹脂被膜として備えている場合に、その装飾フィルム(より具体的にはフィルム基材)を引き剥がす工程である。したがって、ブラスト処理S2では、金属基材3に残っている接着剤やインキをブラスト処理によって除去することになる。
加熱S0は、要は、処理対象物である金属板1の全体を所定温度まで加熱・昇温する処理であり、バーナーや電気ヒータあるいは赤外線ヒータなどを使用した従来知られている適宜の加熱炉(図示せず)を使用して行うことができる。その加熱温度は、150〜230℃の温度で行われる。230℃を超えると、金属板のメッキ層が溶融(メルト)するためである。これに対して150℃より低いと、合成樹脂製被膜の剥離を容易にする作用が殆ど生じない。
引き剥がし処理S1では、フィルム基材4を含む樹脂被膜2を金属基材3から引き離す。このような操作は、機械的に行うことが好ましく、例えば特には図示しないが、接着剤を表面に付着させてある環状ベルトなどのシート材を、金属板1と同期させて走行させつつ樹脂被膜2の表面に押し付け、その環状ベルトが金属板1の所定の端部側から次第に離隔することにより、環状ベルトの表面に付着させた樹脂被膜2を金属基材3から引き剥がせばよい。なお、適宜に工具を使用して手作業で樹脂被膜2を剥離してもよい。
ブラスト処理S2は、適宜のブラスト材を金属板1の表面に投射することにより行われる。その投射の方式として、遠心力による方式と加圧空気による方式とのいずれを採用してもよい。また、いずれの方式であっても、ブラスト材は金属板1に到達する過程で次第に広がって飛翔する。また、ブラスト材としては、金属基材3の表面の硬度より軟質でかつ樹脂被膜2より硬質の材料が使用される。金属基材3の表面に凹凸の変形を可及的に生じさせないようにするためである。したがって、メラミン樹脂を素材としたブラスト材が好ましい。その粒径は、各粒子が十分な運動エネルギを有し、また樹脂被膜2を隙間なく打撃できることを考慮して選択すればよく、例えば50〜70メッシュ程度の粒径が好ましい。さらにブラスト材の各粒子の形状は、角のある多角形状が望ましい。
図4に遠心式のブラスト装置の一例を模式的に示してある。水平な中心軸線を中心にして回転させられるディスク10を備えており、そのディスク10の正面における所定半径の位置より外周側に、多数枚のブレード11が等間隔で放射状に設けられている。なお、ディスク10は図示しないモータによって駆動されるようになっている。また、ディスク10の中心部には、ディスク10に対して相対回転自在なディフレクター(コントロールゲージ)12が配置されている。
このディフレクター12は、円筒状の部材であって、外周の一部に開口部13が形成されており、その開口部13の円周方向での位置を調整するように構成されている。さらに、そのディフレクター12の内部には、全体として円筒状をなし、その周壁部に軸線方向に向けた多数のブレードを円周方向に等間隔に設けてなるインペラー14が回転自在に配置されている。このインペラー14は、その内部に供給されたブラスト材15を遠心力で外側に噴射させるためのものであって、図示しないモータによって回転させられるようになっている。したがって、ブラスト材15は、インペラー14によって半径方向で外側に噴射させられた後、ディフレクター12の開口部13からブレード11側に送り出され、さらにそのブレード11と共に回転して遠心力が与えられて金属板1に向けて投射される。その場合、ブラスト材15は投射方向の前方側で次第に広がって飛翔し、金属板1に投射される。
金属板1を前記ブラスト材15の投射方向に対して垂直な方向に搬送するコンベヤー16が上記のディスク10の中心部あるいはブレード11の下側にほぼ水平に配置されている。このコンベヤー16は例えばローラーコンベヤーであって、金属板1の搬送速度を調整できるように構成されている。さらに、コンベヤー16は昇降機構17によって支持されており、その高さすなわち上記のディスク10の中心部あるいはブレード11との間隔(投射距離)を調整できるように構成されている。その昇降機構17は一例としてパンタグラフ機構などの平行運動機構によって構成されている。
なお、金属板1に対して投射したブラスト材15を回収して、これに混入しているフィルムの破砕片やインキなどの合成樹脂を分離した後に再度使用すること、破砕したブラスト材15を分離することなどは、従来のブラスト装置と同様である。
ブラスト処理の効率を良くするためには、ブラスト装置の能力を可能な範囲で最大にすることが好ましく、そのためには例えば上記のブレード11の回転数を高くし、またブラスト材15の投射量を多くする。一方、ブラスト材15が金属板1に対して与える打撃量すなわち衝突エネルギ量が多いと、金属板1の反りなどの変形や面粗度の悪化などが生じる可能性がある。さらに、事前に樹脂被膜2の引き剥がし処理が行われているので、ブラスト材15の投射密度を下げることができる。すなわち、投射距離を大きくしてブラスト材15の投射面積を拡大し、効率の良いブラスト処理が可能になる。また一方、投射距離を短くした場合には、金属板1の搬送速度を、投射距離が長い場合より速くする。すなわち、単位面積あたりのブラスト材15の投射総量を増大させない。したがって、金属板1の変形や面粗度の悪化を招来することがなく、またブラスト処理効率を向上させることができる。
つぎに本発明の実施例を説明する。ブラスト処理として遠心式ブラスト処理を採用し、ブラスト材として平均粒度60メッシュのメラミン樹脂製粒子を用いた。前記インペラー14やブレード11などからなるインペラーユニットの回転速度は6730rpmとし、投射量は約23kg/分とした。投射距離は200mm、300mm、450mmの三種類とし、また金属板1の搬送速度は、870mm/分、1740mm/分、3480mm/分の三種類とした。さらに、樹脂被膜の引き剥がし(剥離)を行わなかった場合、及び150℃に加熱して事前剥離を行った場合、200℃に加熱して事前剥離を行った場合の各々の条件について、ブラスト処理を行った。
評価は、先ず、目視観察により樹脂被膜の除去の状態を評価し、樹脂被膜が除去できているように観察されたものについて、金属板の表面の算術平均粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)、最大高さ(Ry)を測定した。なお、Ra=0.4以下、Rz=2.5以下、Ry=3.5以下を合格とした。
(実施例1)
飲料缶(銘柄A)に使用される金属板の表面(飲料缶の外面側に相当)に対して、上記のブラスト処理条件で樹脂被膜の除去試験を行った。その金属板の構成は、金属基材が、極薄錫メッキ鋼板からなり、また金属板の外面側には樹脂被膜として、表面側から熱硬化性塗料(オーバーコート)と、熱可塑性樹脂と、グラビアインキと、接着剤とからなる被膜が形成されている。評価結果を図5の図表に示してある。なお、図5において「○」印は合格を示し、「×」印は目視観察では樹脂被膜の残留が認められないが表面の面粗度あるいは変形が大きいことにより不合格と評価されたことを示す。さらに、「××」は樹脂被膜やインキなどが残存していることが目視観察で認められ、面粗度を測定することなく不合格と評価されたことを示す。
図5に示す結果から、事前剥離を行わない場合には、投射距離が長く、それに伴って投射面積が広くなるのに応じて不合格になり、除去作業の効率が悪くなることが認められた。また、投射距離が短いほど、また搬送速度が遅いほど、面粗度が良好であることが認められた。面粗度は、ブラスト材の衝突による微細な変形以外に、樹脂被膜の断片が残存することが要因となって悪化するから、面粗度が良好であることにより、樹脂被膜が良好に除去されていることが認められた。さらに、加熱温度が150〜230℃の温度範囲内で加熱処理してから、引き剥がし処理し、ブラスト処理による樹脂被膜をより良好に除去できることが認められた。
また一方、金属板の搬送速度が相対的に遅い場合には、投射距離を長くしても樹脂被膜の除去を十分に行えることが認められた。換言すれば、投射距離を短くした場合、搬送速度を相対的に速くしても樹脂被膜の除去を十分に行うことができる。したがって、こうすることにより、樹脂被膜の除去効率を向上させることができる。
そして、樹脂被膜がラミネートフイルムによって構成されている場合、そのラミネートフイルムをいわゆる事前剥離処理することにより、樹脂被膜の除去を十分に行えることが認められた。
(実施例2)
上記の実施例1で対象とした金属板の裏面(飲料缶の内面側に相当)に対して、実施例1と同様の処理を施した。この金属板の裏面には、樹脂被膜として表面側から熱可塑性樹脂と、接着剤とからなる被膜が形成されており、これをブラスト処理で除去した。評価結果を図6に図表として示してある。なお、図6における各符号の意味は、上述した図5に示したものと同様である。
図6に示すように、加熱温度による影響、投射距離による影響、搬送速度による影響は、実施例1と同様であることが認められた。これに対して、実施例2で対象とした熱可塑性樹脂と接着剤とからなる樹脂被膜は、実施例1で対象とした熱可塑性樹脂からなる樹脂被膜より除去しにくいことが認められた。
(実施例3)
飲料缶(銘柄B)に使用される金属板の表面(飲料缶の外面側に相当)に対して、上記のブラスト処理の条件で樹脂被膜の除去試験を行った。その金属板の構成は、金属基材が、極薄錫メッキ鋼板からなり、また金属板の外面側には樹脂被膜として、表面側から熱硬化性塗料(オーバーコート)と、熱可塑性樹脂と、グラビアインキと、接着剤とからなる被膜が形成されている。評価結果を図7の図表に示してある。なお、図7における各符号の意味は、上述した図5および図6に示したものと同様である。
図7に示すように、加熱温度による影響、投射距離による影響、搬送速度による影響は、実施例1あるいは実施例2と同様であることが認められた。これに対して、実施例3で対象とした熱可塑性樹脂からなる樹脂被膜は、実施例1で対象とした熱可塑性樹脂からなる樹脂被膜より除去し易いことが認められた。
以上の実施例の結果から、本発明では、ブラスト処理に先立って樹脂被膜の引き剥がしを行い、また加熱は150〜230℃の温度とした。また、金属板の搬送速度が相対的に速い場合には、ブラスト材の投射距離を短くして、ブラスト処理の効率を向上させることとした。
本発明で対象とする金属板の一例を模式的に示す斜視図である。 その金属板の部分拡大断面図である。 この発明の方法による工程を簡単に示すブロック図である。 遠心式のブラスト装置を概念的に示す模式図である。 実施例1の結果を示す図表である。 実施例2の結果を示す図表である。 実施例3の結果を示す図表である。
符号の説明
1…金属板、 2…合成樹脂被膜、 3…金属板基材、 4…フィルム基材、 5…オーバーコート層、 6…印刷層、 7…接着剤層、 15…ブラスト材、 16…コンベヤー、 S0…加熱処理、 S1…引き剥がし(事前剥離)処理、 S2…ブラスト処理。

Claims (6)

  1. 金属板の表面に設けられている合成樹脂製被膜をブラスト処理によって除去する樹脂被膜除去方法において、
    前記合成樹脂製被膜の一部を引き剥がす処理を行った後にその処理を施した面に向けてブラスト材を投射して前記ブラスト処理を行うことを特徴する樹脂被膜除去方法。
  2. 前記合成樹脂製被膜は、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材層と、そのフィルム基材層の表面に形成された熱硬化性樹脂からなるオーバーコート層と、前記フィルム基材層の裏面側に設けられたインキ層および/または熱硬化性樹脂からなる接着剤層を備えていることを特徴する請求項1に記載の樹脂被膜除去方法。
  3. 前記合成樹脂製被膜を引き剥がす処理は、前記金属板を所定温度に加熱した状態で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂被膜除去方法。
  4. 前記加熱は、150〜230℃の温度に加熱して行うことを特徴とする請求項3に記載の樹脂被膜除去方法。
  5. 前記合成樹脂製被膜を引き剥がす処理は、前記合成樹脂製被膜の表面にシート材を貼着し、前記合成樹脂製被膜の所定の端部側を始点として次第に引き離すことにより行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂被膜除去方法。
  6. 前記金属板を、前記ブラスト材の投射方向に対して垂直な方向に搬送しつつ前記ブラスト材を投射し、かつ前記ブラスト材の前記金属板の表面までの投射距離を、前記搬送速度が速い場合には、遅い場合に比較して短くすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂被膜除去方法。
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