JP5087116B2 - ドラム缶リカール機 - Google Patents
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Description
しかし新缶は高価であるという理由と、ドラム缶は耐久性に優れているという理由で、ドラム缶は一旦使用された後も、更生処理され、再利用されるリユースサイクルが市場として確立されており、市場での再生缶の利用率も高い。再生処理に当たっては、ドラム缶の上下端のいわゆるチャーム部といわれる捲戻部分(折返部分)に過去の収容物の痕跡が残滓として残存することが問題となることがあり、ドラム缶の再生に際してはこのチャーム部の処理が問題となる。
一方、再生缶の出荷本数は年間で約1200万本であり、新缶と同様に数多く市場に出回っている。環境問題とともに、再生缶の利用が進んでいる裏には、新缶の生産にコストがかかるという問題もあった。
再生缶の再生処理に当たって、ドラム缶に天板(上蓋)の設けられたクローズ缶を再生する場合、天板を外して焼き加工をするとドラム缶の長手方向の長さが短くなるという問題があった。ドラム缶を引き伸ばして新缶と同様の長さにする技術はあるが、引き伸ばすとドラム缶の厚みが減るため、強度が弱くなるという問題もあった。
1.ドラム側の壁から折返片を剥離しながら伸展させ、ドラム缶が回動する駆動円盤に押圧固定されて回転することにより、周縁のチャイム部を徐々に一周にわたってドラム缶から切断することなく剥離伸展させ、リカールする事により、新缶と同じ高さの再生缶を容易に生成することが出来る。
2.ダイスローラの刃部の先端を、ドラム缶の蓋体の外周縁とを重ね合わせて折返し溶接または巻き締めしたチャイム部とドラム缶の側壁との間に進入させることにより、チャイム部を徐々に押圧しながら溶接または巻き締めを剥離または巻き戻して伸展させることが出来る。また、駆動円盤の外周縁とドラム缶側壁に常時円錐刃の面取り部が当たるように摺動アームを調整し、ドラム缶の回転により、周縁の折返片を徐々に一周にわたって折返片に凸凹ができないようドラム缶から切断することなく同一周面に立ち上がるまで伸展させることが出来る
3.回動するドラム缶のチャイム部の折返片とドラム缶の側壁との間に伸展ダイスローラの円錐刃の先端を挿入して、堅固に固着されているチャイム部を徐々に緩めることにより、再利用可能なように蓋体をチャイムから分離離脱することができる。
4.伸展ダイスローラの円錐刃は、底面より逃がし角度X分だけ立ち上った位置に設けて周縁を皿状に立ち上げて形成されており、折返片の先端に進入し易いように円錐刃基部の直角からの角度をダイスローラ揺動アームの揺動角度に合わせた角度Qとする面取り加工を施しているので、チャイム部を切断せずに再利用可能な状態に蓋体をドラム缶から分離伸展させることが可能である。
5.回転するドラム缶の側壁と折返片の端部との間に、潤滑剤供給装置が装備されているため、摩擦熱発生による焼付きを防止することが出来る。
本件発明にかかるドラム缶リカール機は、リカール機本体10と、回転駆動部20と、駆動円板22と、回転円板40と、押上装置50と、揺動装置60と、ダイスローラ揺動アーム70と、伸展ダイスローラ80と、円錐刃の先端84と、潤滑剤供給装置90とからなる。
図2乃至図5で示すように、ダイスローラ揺動アーム70に自転可能に装備された伸展ダイスローラ80を揺動装置60により摺動させて、回転駆動部20に押圧固定されて回転することにより、円錐刃82が先端に装備された伸展ダイスローラ80をチャイム部の折返片の端部とドラム缶の側壁との間に侵入させて、ドラム缶周縁のチャイム部を切断することなく剥離伸展させる構造である。
ドラム缶リカール機10の天板の底面にはドラム缶を回転させる回転駆動部20と、回転をドラム缶に伝える駆動円板22が設けられている。また、ドラム缶リカール機10の底板にはドラム缶が搭載された回転円板40を押し上げて回転駆動部20にドラム缶蓋部を回転駆動部20に押圧固定するための押上装置50が設けられている。ドラム缶は、押上装置50により回転駆動部20に強固に押圧固定され回転駆動部20の駆動により回転可能となる。
刃先端84に、逃がし角度Xとダイスローラ揺動アームの揺動角度に合わせた角度Qの角度を付けて面取りすることにより、伸展ダイスローラ80がチャイム部32に向けて揺動(上昇)した時に、刃先端84がドラム缶側壁に接しないように、チャイム部まで摺動可能にし、チャイム部に不必要に大きな力や熱等の負担をかけることなく剥離伸展させる事が実現できるため、チャイム部を切断せずに再利用可能な状態に蓋体をドラム缶から分離させることが可能である。
20 回転駆動部
22 駆動円板
30 ドラム缶
30a ドラム缶側壁
32 チャイム部
34 ドラム缶蓋
40 回転円板
50 押上装置
60 揺動装置
70 ダイスローラ揺動アーム
80 伸展ダイスローラ
82 円錐刃
82a 円錐刃底面
84 円錐刃の先端
90 潤滑剤供給装置
Claims (4)
- 回転駆動部と、前記駆動部により回転する駆動円板と、ドラム缶を搭載する回転円板と、前記回転円板にドラム缶を搭載した状態で上昇させドラム缶の上端を駆動円板に押圧接合させてドラム缶を回転可能にする押上装置と、ドラム缶の上端周縁に設けられたチャイム部のカールを伸延するリカール装置とからなるドラム缶リカール機において、
前記リカール装置が、ドラム缶リカール機のケーシング上部に設置される揺動装置と、前記揺動装置の先端に装着されたダイスローラ揺動アームと、前記ダイスローラ揺動アームの先端に自転可能に装着された円錐刃を先端に装備した伸展ダイスローラと、からなり、前記伸展ダイスローラの円錐刃は、円筒体の先端に円錐台に形成した円錐刃を装備した構成からなり、装備される円錐刃の底面周縁に設けられる刃先端の位置をダイスローラがドラム缶側に遥動した時に刃先端がドラム缶側壁に接しないように円錐刃の底面より逃がし角度X分だけ立ち上った位置に設けて周縁を皿状に立ち上げて形成し、また、円錐刃基部の直角からの角度を折返片の先端に進入し易いようにダイスローラ揺動アームの揺動角度に合わせた角度Qとするとともに、先端を、チャイム部の折返片の端部とドラム缶の側壁との間に進入させ、チャイム部の折返片を下方から上方へと徐々に押圧してドラム缶の側壁(外周側壁)から折返片を剥離しながら伸展させ、ドラム缶が回動する駆動円盤に押圧固定されて回転することにより、周縁のチャイム部を徐々に一周にわたってドラム缶から切断することなく剥離伸展させ、ドラム缶の側壁(外周側壁)と同一周面に立ち上がるまで伸展させることを特徴とするドラム缶リカール機。 - 前記チャイム部は、ドラム缶の側壁上端とドラム缶の蓋体の外周縁とを重ね合わせて折返し溶接または巻き締めした構成からなり、前記伸展ダイスローラの刃部の先端は、蓋体の外周縁と側壁上端とからなるチャイム部の折返片の端部とドラム缶の側壁との間に進入し、チャイム部の折返片を下方から上方へと徐々に押圧しながら溶接または巻き締めを破断または巻き戻して、折返片をドラム缶の側壁から剥離しながら伸展させ、回転するドラム缶の周縁の折返片を徐々に一周にわたってドラム缶から切断することなく剥離させ、同時に(ドラム缶)折返片に凸凹ができないよう押圧される駆動円盤の外周縁とドラム缶側壁に常時円錐刃の面取り部が当たるようにドラム缶の側壁と同一周面に立ち上がるまで伸展させることを特徴とする請求項1記載のドラム缶リカール機。
- 前記ドラム缶の蓋部は、ドラム缶の側壁上端と蓋体の外周縁とを重ね合わせて折返した構成のチャイム部によりドラム缶側壁の上部に堅固に固着されており、再利用可能なように、前記伸展ダイスローラの円錐刃の先端を、回動するドラム缶のチャイム部の折返片とドラム缶の側壁との間に挿入して、周回させながら徐々にチャイム部の結束を緩めて蓋体をチャイムから分離離脱することを特徴とする請求項1記載のドラム缶リカール機。
- 前記ドラム缶リカール機は、伸展ダイスローラの円錐刃の先端が回転するドラム缶の側壁と折返片の端部との間に押圧進入することによる摩擦によって焼付けを生じさせないように、伸展ダイスローラの円錐刃の先端の位置に摩擦熱発生を防止するための潤滑剤を滴下する潤滑剤供給装置が装備されていることを特徴とする請求項1記載のドラム缶リカール機。
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