JP2003127363A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イジェクタを2次元的に配列したマトリクス
配列ヘッドにおいて、ノズル配列密度の高くし、高品位
で高速に記録のできるインクジェット記録ヘッドを提供
する。 【解決手段】 ノズル2が2次元的に配列されたインク
ジェット記録ヘッドにおいて、圧力発生室1と共通流路
4とは、重なり合うように配置され、かつ、共通流路4
は、幅が広い部分と幅が狭い部分を有するくびれ形状と
なっている。共通流路4をくびれ形状とすることによ
り、その幅を部分的に拡大し、共通流路4に十分な音響
容量を確保する。このため、ノズルピッチPcを狭く設
定しても、安定した記録が可能になり、ノズル密度の高
いインクジェット記録ヘッドを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルからインク
滴を吐出して文字や画像の記録を行うインクジェット記
録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電アクチュエータ等の圧力発生手段を
用いて、インクが充填された圧力発生室内に圧力波(音
響波)を発生させ、その圧力波によって圧力発生室に連
通したノズルからインク滴を吐出するドロップオンデマ
ンド型インクジェットは一般によく知られている(特公
昭53−12138号公報、特開平10−193587
号公報)。
【0003】図23は、上記公報などで公知のインクジ
ェット記録装置におけるイジェクタの一例を示してい
る。イジェクタ10は、共通流路4、エアダンパ26、
インク供給路5、振動板8、圧電アクチュエータ3、圧
力発生室1、及びノズル2により構成される。通常1つ
のイジェクタ10は、1つのノズル2を持つ。圧力発生
室1には、インクを吐出するためのノズル2と、共通流
路4を介してインクタンク(図示せず)からインクを導
くためのインク供給路5が連通している。エアダンパ2
6は、共通流路4の上方に設けられ、圧力を吸収する。
また、圧力発生室1の底面には振動板6が設けられ、振
動板6の外部には圧電アクチュエータ7が取り付けられ
ている。
【0004】インク滴8の吐出時には、圧電アクチュエ
ータ7は、振動板6を変位させ、圧力発生室1に体積変
化を生じさせ、圧力波を発生させる。この圧力波によっ
て、圧力発生室1の中に充填されていたインクの一部が
ノズル2を通って外部に噴射され、インク滴8となって
飛翔する。飛翔したインク滴8は記録紙等の記録媒体上
に着弾し、記録ドットを形成する。こうした記録ドット
の形成を、画像データに基づいて繰り返し行うことによ
って、記録媒体上に文字や画像が記録される。
【0005】図24は、インク滴8の吐出前後における
ノズル2のメニスカス動作を模式的に示している。同図
(a)に示すように、初めほぼ平坦な状態であったメニ
スカス9は、圧力発生室1が圧縮されるとノズル2の外
部に向かって移動し、インク滴8を吐出させる(同図
(b))。インク滴8の吐出直後は、ノズル2内部のイ
ンク量が減少するため、凹形状のメニスカス9が形成さ
れる(同図(c))。図中に示すyは、この吐出後のメ
ニスカス9の変位量である。凹形状になったメニスカス
9は、インクの表面張力の作用によって同図(d)、
(e)に示す状態を経て、徐々にノズル2の開口部まで
復帰し、やがて吐出前の状態に回復する(同図
(f))。
【0006】図25は、インク滴8の吐出直後における
メニスカス9の位置変化を示す。吐出直後(t=0)に
大きく後退したメニスカス9(y=−60μm)は、同
図に示すように振動しながら初期位置(y=0)に復帰
する。こうしたインク滴8の吐出後におけるメニスカス
9の復帰動作のことを、リフィルと呼び、インク滴8の
吐出後に、最初にメニスカス9がノズル2の開口面に復
帰するまでの時間をリフィル時間(tr)と呼ぶ。
【0007】インクジェット記録ヘッドでは、記録速度
を左右する最大のパラメーターは、ノズル2の数であ
る。ノズル2の数が多いほど、単位時間当たりに形成で
きるドット数が多く、記録速度を向上することができ
る。そのため、通常のインクジェット記録装置では、イ
ジェクタ10を複数連結したマルチノズル型の記録ヘッ
ドが多く用いられる。図26は、イジェクタ10を1次
元配列した記録ヘッドを示している。記録ヘッドは、イ
ンクタンク20、インク管路18a、18b、フィルタ
19、及びイジェクタ10により構成される。インクタ
ンク20は、インク管路18a、18b及びフィルタ1
9を介して共通流路4と接続されており、この共通流路
4に複数のイジェクタ10が連通している。
【0008】しかし、このようなイジェクタ10を1次
元的に配列する構造では、イジェクタ10の数をそれほ
ど増やすことはできず、通常100個程度が上限といわ
れている。そこで、イジェクタを2次元的にマトリクス
配列させることによってイジェクタの数を増加させたイ
ンクジェット記録ヘッド(以下、マトリクス配列ヘッド
と呼ぶ)がこれまでいくつか提案されている(特開平1
−208146号公報、特表平10−508808号公
報など)。
【0009】図27は、マトリクス配列ヘッドの一例を
示している。図26の記録ヘッドとは、第2共通流路1
6を新たに備え、共通流路4が複数存在する点で相違す
る。それぞれの共通流路4は、第2共通流路16に連通
しており、イジェクタ10は各共通流路4に複数接続さ
れている。こうしたマトリクス配列ヘッド構造は、イジ
ェクタ10の数を増加させるのに非常に有効である。例
えば、共通流路4の数を26とし、各共通流路4に10
個のイジェクタ10を接続することにより、260個の
イジェクタ10を配列させることが可能となる。
【0010】図28は、特表平10−508808号公
報に記載されているインクジェット記録ヘッドを示して
おり、(a)はイジェクタ10の断面を、(b)はイジ
ェクタ10の配置を模式的に示している。同図(a)に
示すように、インクジェット記録ヘッドは、圧力発生室
1、ノズル2、運通路3、インク供給路5、振動板6、
圧電アクチュエータ7、及び流路23から構成される。
このインクジェット記録ヘッドは、ノズルプレート1
1、流路プレート25、及び振動板6を張り合わせるこ
とにより形成される。隔壁27は、圧力発生室1の圧力
が、流路23へ伝わらない厚みを有している。同図
(b)に示すように、流路23は、流路24に連通して
いる。この流路23は、図27の共通流路4に相当し、
流路24は第2共通流路16に相当する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図27、2
8に示したような従来のマトリクス配列ヘッドでは、第
1の課題として、共通流路4を挟んだノズル2の間隔
(ノズルピッチPc)を小さく設定することができず、
結果的にイジェクタ10の配列密度(単位面積当たりの
ノズル数)をあまり高くすることができないという問題
があった。
【0012】図29は、マトリクス配列ヘッドの等価電
気回路を示す。mはイナータンス[kg/m4]、rは
音響抵抗[Ns/m5]、cは音響容量[m5/N]、φ
は圧力[Pa]を表わし、添字のdは駆動部、cは圧力
発生室、iはインク供給路、nはノズル、pは共通流
路、p’は第2共通流路をそれぞれ意味している。イジ
ェクタ10を2次元的に配列したマトリクス配列ヘッド
では、図29に示すように、多数のイジェクタ10が共
通流路4及び第2共通流路16によって連通している。
そのため、同一共通流路4に連通したイジェクタ10の
数が多い場合は、近接するイジェクタ10間のクロスト
ーク(圧力干渉)等を抑制する必要があり、共通流路4
には大きな音響容量を確保する必要がある。
【0013】しかし、後述するように、共通流路4の音
響容量を増加させるためには、共通流路4の幅を大きく
設定する必要がある。そのため、従来のマトリクス配列
ヘッドでは、共通流路4を挟んで対向するノズル2間の
ノズルピッチPcが大きくなり、高いノズル配列密度を
実現することができなかった。
【0014】更に、従来のマトリクス配列ヘッドにおけ
る第2の課題として、大径のインク滴8を複数イジェク
タ10から短い周期で複数のイジェクタ10から同時に
吐出(高周波同時吐出)させた場合に、吐出状態が不安
定化するという問題があった。図30は、従来のマトリ
クス配列ヘッドを用いて、インク滴8の滴体積、吐出周
波数を変化させて、吐出の安定性を調べた結果の一例で
あり、(A)はインク滴体積20pl、(B)はインク
滴体積30plの時の結果を示す。なお、吐出の安定性
はインク滴8の飛翔速度(滴速)の変化として評価し
た。
【0015】グラフ(A)に示すように、滴体積20p
lのインク滴をマトリクス配列された260個のイジェ
クタ10から同時に吐出した場合には、10kHz以上
の吐出周波数で滴速の不安定化が確認され、15kHz
以上で不吐出となった。このときのインク滴8の吐出状
態をストロボ観察した結果、10kHz以上の吐出周波
数では、大径の滴と小径の滴が交互に吐出されるような
吐出状態が多く観察され、滴径や滴速がランダムに変化
する場合も観測された。また、滴体積を30plに増加
した場合には、グラフ(B)に示すように7kHz以上
の吐出周波数で同様の吐出不安定化が観察された。
【0016】実験評価の結果、上記の吐出不安定化現象
は、同時吐出させるイジェクタ10の数が多い場合や、
吐出周波数が高い場合、あるいは吐出させるインク滴8
の径が大きい場合などに発生しやすいことがわかった。
また、吐出不安定化が発生すると、同じ共通流路4に接
続された全てのイジェクタ10がほぼ同様に不安定化す
ることが確認された。こうした観察結果から考えると、
上記吐出不安定化現象は、各イジェクタ10間の音響的
なクロストークに起因したものではなく、従来問題視さ
れたことのない新たな吐出不安定化現象であるといえ
る。
【0017】上記のような吐出不安定化現象が発生する
と、インク滴8の滴体積や滴速が非常に不安定となるた
め、出力画像の品質が大幅に低下してしまう。また、不
安定化の度合いが著しい場合には、ノズル2内部に気泡
を巻き込み、不吐出を生じさせてしまうこともある。こ
うした吐出不安定化現象が発生するため、従来のマトリ
クス配列ヘッドでは、大径のインク滴8を多数のイジェ
クタ10から高周波同時吐出させることができず、高速
記録に有利というマトリクス配列ヘッドの特徴を十分に
発揮させることができなかった。
【0018】本発明は、ノズル配列密度の高いマトリク
ス配列ヘッドを低い製造コストで実現し、更に大径イン
ク滴を複数イジェクタから高周波同時吐出させる際に発
生する吐出不安定化現象を抑制し、安定した高速記録を
可能とするマトリクス配列ヘッドを提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、インクジェ
ット記録ヘッドのイジェクタ間で発生するクロストーク
を防止するために、種々の検討を重ねた結果、以下の知
見に想到し、本発明を成すに至った。ここで、共通流路
4の音響容量と、共通流路4の幅とは密接な関係があ
る。共通流路4の音響容量cvは、共通流路壁の剛性が
高い場合には、下式で表わされる。Vpは共通流路4の
容積[m3]、κはインクの弾性係数[Pa]、K1は共
通流路壁の剛性に依存する補正係数であり、通常は0.
3〜0.7程度の値となる。 cv=Vp/(κ K1) (1) 共通流路4の音響容量は共通流路の容積Vpに比例す
る。共通流路4の高さには上限があるため(通常100
〜200μm程度)、大きな音響容量(容積)を確保す
るためには、共通流路4の幅を大きく設定する必要があ
る。
【0020】また、図23に示すように、共通流路4の
一部に剛性の小さなエアダンパ26を付与することによ
って、共通流路4の音響容量を増加させることもでき
る。この場合、エアダンパ26によって共通流路4に付
与される音響容量cdは、エアダンパ幅をWd[m]、エ
アダンパ厚さをtd[m]、エアダンパ長さをl
d[m]、エアダンパの弾性係数をEd[Pa]、エアダ
ンパのポアソン比をνdとすると次式から算出できる。
【数1】 すなわち、エアダンパ26により付与される音響容量c
dはエアダンパ幅Wdの5乗に比例する。図23に示すイ
ンクジェット記録ヘッドでは、エアダンパ26の幅は、
共通流路4の幅であるので、音響容量cdを大きな値に
設定するためには、共通流路4の幅を大きく設定する必
要がある。共通流路の全体の音響容量cpは、cvとcp
を足した値となる。
【0021】上記のように、共通流路4に大きな音響容
量を確保するためには、共通流路4の幅を大きく設定す
る必要がある。しかし、図28に示したような従来のマ
トリクス配列ヘッドでは、共通流路4に大きな幅を確保
するためには、ノズルピッチPc、を非常に大きく設定
しなければならず、そのためノズルの配列密度が減少し
てしまう。すなわち、共通流路を直線状に形成した図2
8に示したような従来のマトリクス配列ヘッドでは、構
造上の要件から、ノズルピッチPcを次の条件式を満足
するように設定するしかなかった。ここで、WPは流路
23の所要幅、dTは連通路3の径、WW1は連通路3と
流路23の間の隔壁幅である。 Pc≧Wp+dT+2WW1 (3) これは、このマトリクス配列ヘッドでは、流路23の同
一平面内に連通路3が形成されており、両者は隔壁27
によって分離されていなければならないためである。
【0022】連通路3には、ノズル2にインクを低い流
体抵抗で導くと同時に、インク滴8の吐出方向を安定化
させるという機能が求められる。このため、ある程度大
きな径が必要となり、一般的なインクジェット記録ヘッ
ドでは100〜150μm程度である。また、連通路3
と流路23の間の隔壁27は、ノズルプレート等との接
合を実行するために、ある程度の幅が必要になる。例え
ば、流路プレート25とノズルプレート11を接着剤に
よって接合する場合には、隔壁27の幅を100μm以
上に設定しないと接着不良が発生しやすくなる。接着不
良が発生すると、連通路3と流路23の間で圧力波リー
クが発生し、正常な圧力波発生が実行できなくなるとい
った問題が生じる。このように、連通路径dT及び隔壁
幅WW1には一定以上の大きさが必要となるため、直線状
の流路23を有する従来のマトリクス配列ヘッドでは、
ノズルピッチPcを小さく設定し、高いノズル配列密度
を実現することが困難であった。
【0023】上記知見に基づいて、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドは、それぞれが圧力発生室、該圧力発生
室に連通するノズル、及び、圧力発生手段を含み2次元
的に配列された複数個のイジェクタと、イジェクタを複
数個連結する共通流路を含むインク供給系とを有し、共
通流路を通じて圧力発生室にインクが充填され、圧力発
生手段によって圧力発生室内のインクに圧力変化を生じ
させ、ノズルからインク滴を吐出させるインクジェット
記録ヘッドであって、共通流路が圧力発生室と平面的に
重なり合うように配置されており、かつ、幅が広い部分
と幅が狭い部分とを有するくびれ形状であることを特徴
とする。
【0024】くびれ形状の形態としては、共通流路を挟
んで対向する2つのノズルの間で幅が小さく、それ以外
の部分では幅が広くなるように設定されていることが好
適である。本発明のインクジェット記録ヘッドでは、共
通流路をくびれ形状とすることにより、共通流路の幅を
部分的に大きく拡大している。これにより、ノズルピッ
チPcを従来ヘッドより小さく設定しても、十分な音響
容量を確保することが可能となる。本発明のインクジェ
ット記録ヘッドでは、共通流路の幅をW1、共通流路間
での隔壁幅をWW2とした場合(図5参照)、ノズルピッ
チPcを次の範囲に設定することが可能となる。 Pc≧W1+WW2 (4) WW2はWW1とほぼ同程度の値となるが、共通流路間での
圧力波リークは吐出特性に大きな問題を発生させないこ
とから、WW2はWW1よりも小さく設定することも可能で
ある。つまり、本発明のインクジェット記録ヘッドで
は、ノズルピッチP cを従来のマトリクス配列ヘッドに
比べ、少なくとも(dT+WW1)の分だけ減少させるこ
とができ、ノズルの配列密度を大幅に増加することが可
能となる。
【0025】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、ノズルを形成する部材が共通流路のエアダンパを兼
ねることを特徴とする。これにより、少ない部材で共通
流路のエアダンパを構成することができ、ノズル配列密
度の高いインクジェット記録ヘッドを低い製造コストで
実現できるという効果が得られる。
【0026】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、ノズルを形成する部材が樹脂フィルムで構成され
る。これにより、エアダンパに大きな音響容量を確保す
ることができ、幅の狭い共通流路で所要とする音響容量
を得られ、ノズルの配列密度を更に増加させることが可
能となる。
【0027】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、共通流路の音響容量cpが次の条件式を満足するよ
うに設定される。 cp>20cc これにより、各イジェクタ間の音響的クロストークの発
生を防止することができ、吐出特性の均一性及び安定性
が高いインクジェット記録ヘッドを実現できるという効
果が得られる。
【0028】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、共通流路の音響容量cpが次の条件式を満足するよ
うに設定される。 cp>10cn これにより、複数イジェクタを同時吐出させたときのリ
フィル時間増加を防止することができ、吐出特性の均一
性及び安定性を更に向上できるという効果が得られる。
【0029】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、ノズルからインク滴を連続吐出した際のリフィル
時間が、インク供給系内の準定常的インク流れによって
生じる共通流路内の圧力降下によって、意図する吐出周
期よりも大きくならないように、インク供給系の流路抵
抗が設定される。
【0030】更に、ノズルからインク滴を連続吐出した
際の共通流路の圧力降下が800Pa以下となるように
インク供給系の流路抵抗が設定される。
【0031】これにより、大径インク滴を複数イジェク
タから高周波同時吐出した際に発生する吐出不安定化現
象を抑制でき、高速記録に適したインクジェット記録ヘ
ッドを実現することが可能となる。
【0032】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、くびれ形状部分における共通流路の平面形状が滑
らかな曲線によって構成される。これにより、共通流路
内でのインク流れを均一化し、共通流路内での気泡残留
を防止することができるため、信頼性の高いインクジェ
ット記録ヘッドを実現することが可能となる。
【0033】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、インク供給系が、複数の共通流路と、この複数の
共通流路を連結する第2共通流路とを含み構成さる。こ
れにより、多数のイジェクタに対して効率的にインク供
給を行うことができ、ヘッド全体のサイズを減少できる
という効果が得られる。
【0034】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、第2共通流路に、インクを供給するためのインク
供給口が、第2共通流路の中央付近に設けられる。これ
により、第2共通流路の所要幅を低減することができ、
ヘッドサイズを減少できるという効果が得られる。
【0035】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、第2共通流路に、インクを供給するためのインク
供給口が複数設けられる。これにより、第2共通流路の
所要幅を低減することができ、ヘッドサイズを減少でき
ると共に、ゴミ等による流路詰まりの影響を受け難いイ
ンクジェット記録ヘッドを実現することができる。
【0036】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、第2共通流路が複数具備される。これにより、第
2共通流路の所要幅を低減でき、ヘッドサイズを減少で
きると共に、第2共通流路内での気泡残存を防止するこ
とができるという効果が得られる。
【0037】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、共通流路がインクジェット記録ヘッドの主走査方
向にほぼ平行となるように配置され、第2共通流路が主
走査方向にほぼ垂直となるように配置される。これによ
り、副走査方向のヘッド全長を短く設定することができ
るため、記録媒体搬送用のローラ間距離を短く設定し、
記録媒体の搬送を安定化できるという効果が得られる。
【0038】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、共通流路がインクジェット記録ヘッドの主走査方
向にほぼ垂直となるように配置され、第2共通流路が主
走査方向にほぼ平行となるように配置される。これによ
り、主走査方向のヘッド全幅を短く設定することがで
き、高速記録に更に有利なインクジェット記録ヘッドを
実現することができる。
【0039】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、複数の共通流路を二つ以上のグループに分け、各
グループの共通流路をそれぞれ別々の第2共通流路に接
続させる。これにより、共通流路及び/又は第2共通流
路の所要断面積を低減することができ、ノズル配列密度
を更に増加させることができるという効果が得られる。
【0040】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インクジェット記録ヘッドを備えていることを特徴とす
る。このようなインクジェット記録装置によると、極め
て高い記録速度を有するインクジェット記録装置を実現
することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態例に基づいて、本発明について更に詳しく説明す
る。
【0042】第1実施形態例 図1は、第1実施形態例のインクジェット記録ヘッドの
イジェクタ10の断面を示している。イジェクタ10
は、圧力発生室1、ノズル2、運通路3、共通流路4、
インク供給路5、振動板6、及び圧電アクチュエータ7
を含み構成される。
【0043】圧力発生室1はインク供給路5を介して共
通流路4に連通しており、圧力発生室1内にインクが充
填される。圧力発生室1には、インク滴8を吐出するた
めのノズル2が連通している。また、圧力発生室1の底
面は振動板6となっており、振動板6には圧力を発生す
る圧電アクチュエータ(圧電振動子)7が取り付けられ
る。この圧電アクチュエータ7に駆動電圧を印加する
と、圧電アクチュエータ7がたわみ、振動板6を介して
圧力発生室1を膨張又は圧縮させる。圧力発生室1に体
積変化が生じると、圧力発生室内1に圧力波が発生す
る。この圧力波の作用によってインクが力を受け、ノズ
ル2から外部へ排出されることによりインク滴8が形成
される。
【0044】図2は、図1のイジェクタ10を2次元的
に配列したインクジェット記録ヘッドの構成を示してい
る。インクジェット記録ヘッドは、ノズルプレート1
1、共通流路プレート12、供給路プレート13、圧力
発生室プレート15、及び振動板6の計5枚のプレート
で構成される。これらを接着剤によって積層接合するこ
とにより、アレイ状に配列された複数のイジェクタ10
と、インク供給路17を介してインクが供給される第2
共通流路16とが形成される。本実施形態例のインクジ
ェット記録ヘッドでは、共通流路4と圧力発生室1とを
平面的に重なるように配置し、共通流路4がくびれ形状
を持つことで音響容量を確保し、クロストークの発生を
防ぐ。
【0045】図2に示すように、共通流路4は、ヘッド
の主走査方向にほぼ平行となるように配置され、副走査
方向にほぼ平行となるように配置された第2共通流路1
6と連通している。第2共通流路16は、インク供給口
17を介してインクタンク(図示せず)と連通してお
り、各共通流路4にインクを供給する役割をする。共通
流路4には、圧力発生室1が連通している。本実施形態
例では、第2共通流路16に26本の共通流路4を連通
し、それぞれの共通流路4に10個のイジェクタ10を
配設したことで、ノズル数が260個のインクジェット
記録ヘッドとなった。
【0046】図3は、本実施形態例におけるイジェクタ
10の配列方法を模式的に示している。同図(a)に示す
ように、同一共通流路4に連通したイジェクタ10は、
それぞれ副走査方向にPG(=Pc/n ;nは同一共通
流路4に接続されているイジェクタ10の数)だけずら
して配置されており、ヘッドを主走査方向に走査する過
程において、吐出タイミングをずらしながら各列のイジ
ェクタ10からインク滴8を吐出することにより、ピッ
チPGのドット列が形成される。同図(b)は、本実施
形態例における各イジェクタ10列の吐出タイミングを
表わしている。本実施形態例では、列間の距離Pnを6
00μm、ヘッドの走査速度を1m/sに設定してい
る。従って、各列の吐出タイミングを600μsずらし
て吐出させることで、同図(b)のように主走査方向に
対して同じ位置にドットを着弾させることができる。こ
のように、ピッチPGの小さなドット列を一回のヘッド
走査によって形成できることが、マトリクス配列ヘッド
の大きな特長の一つである。
【0047】本実施形態例では、ノズルプレート11に
厚さ25μmのポリイミドフィルムを用い(Ed=2.
0GPa、νd=0.4)、エキシマレーザ加工によっ
て、開口径25μmのノズル2を形成した。後述するよ
うに、このノズルプレートは共通流路のエアダンパ26
としても機能する。供給路プレート13には、厚さ75
μmのステンレス板を用い、プレスによって開口径26
μmのインク供給路5を形成した。共通流路プレート1
2及び圧力発生室プレート15には、厚さ120μmの
ステンレス板を用い、ウェットエッチングによって流路
パターンを形成した。
【0048】圧力発生室1は、一辺の長さが400μ
m、アスペクト比(縦横比)が1の四角形とし、圧力発
生室1の角部には、インク流れの淀みを防止するために
R形状を付与した。共通流路4は、図1に示すように、
圧力発生室1と平面的に重なり合うように配置されてい
る。なお、平面的に重なり合うとは、ヘッドの走査面側
から見て重なり合うことをいう。以下単に重なり合うと
も称する。このように、共通流路4を圧力発生室1と重
なり合うように配置すると、共通流路4と圧力発生室1
とを同一平面内に配置した場合に比べ、小さい面積の中
に共通流路4と圧力発生室1とを効率的に配置できるた
め、ヘッドの小型化(イジェクタ10の高密度配列)に
有利となる。振動板6には、厚さ10μmのステンレス
板を用い、また圧電アクチュエータ7には、厚さ30μ
mの単板状圧電セラミクスを用いた。
【0049】図4は、圧電アクチュエータ7に印加した
駆動電圧波形の一例である。本駆動電圧波形は、圧力発
生室1を圧縮する方向に電圧を変化させる第1電圧変化
(昇圧)プロセス51と、印加電圧を元のバイアス電圧
(Vb)に戻すための第2電圧変化(降圧)プロセス5
2により構成されている。本実施形態例のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、V1を30Vに設定した際に滴体積
20plのインク滴を吐出することが可能であった。ま
た、単ノズル駆動時のリフィル時間(tr)は35μs
であった。
【0050】図5は、イジェクタ10の配列を模式的に
示している。なお、図3に示すピッチPGのノズル位置
ずれは、省略して示している。図5は、図1のA−A矢
視図である。共通流路4の幅は、共通流路4を挟んで対
向するノズルA−B間で最小(W2)となり、共通流路
4に沿って隣接するノズルA−C間で最大(W1)とな
るようなくびれ形状をしている。共通流路4をこのよう
なくびれ形状にしているため、共通流路4には部分的に
大きな幅(W1)を確保することができ、大きな音響容
量を得ることができる。つまり、共通流路を直線状とし
た従来ヘッドと比較すると、小さなノズルピッチPc
共通流路に必要とされる音響容量を確保することが可能
になる。
【0051】本実施形態例のインクジェット記録ヘッド
では、共通流路4の最大幅(W1)を500μm、連通
路3の径(dT)を150μm、連通路3と共通流路4
の間の隔壁40の幅WW1を100μm、共通流路4間の
隔壁41の幅WW2を100μmに設定した。このため、
共通流路4を挟んで隣接するノズル2間のノズルピッチ
cは、600μm(=W1+WW2)となり、共通流路4
の最小幅(W2)は、250μm(=Pc−dT−2
W1)となった。共通流路4に沿って隣接するノズル2
間のノズルピッチPnは600μmに設定した。
【0052】共通流路4の上面は、剛性の低いノズルプ
レート11で構成され、この部分がエアダンパ26とし
て機能する。このインクジェット記録ヘッドでは、1つ
のイジェクタ10当たりの共通流路4(エアダンパ2
6)の音響容量cp(≒cd)は、式(1)及び(2)か
ら、約8.4×10-185/Nとなる。
【0053】ここで、共通流路4に必要とされる音響容
量について、本発明者が明らかにした知見について説明
する。本発明者は、本実施形態例のインクジェット記録
ヘッドについて、図6に示す回路モデルを用いた等価回
路解析を行い、また実際のインク滴吐出実験を行った。
その結果、共通流路4を介した音響的クロストークの発
生率は、共通流路4の音響容量cpと圧力発生室1の音
響容量ccの比率に依存し、 cp>20cc (5) の条件を満たせば、クロストークの発生を防止できるこ
とを見出した。なお、図6の等価回路は、一つの共通流
路4を切り出した回路モデルである。
【0054】圧力発生室1の音響容量ccは、圧力室容
積をVc[m3]、インクの弾性係数をκ[Pa]、圧力
発生室の剛性等に依存する補正係数をK2とすると、次
式で表わされる。 cc=Vc/(κ・K2) (6) また、共通流路4の音響容量cpは、式(1)及び式
(2)によって求められる。なお、音響容量cpはイジ
ェクタ1個当たりの音響容量であり、例えば、共通流路
4全体の音響容量が1×10-175/Nであり、その共
通流路4に10個のイジェクタ10が均等に接続されて
いる場合、cpは0.1×10-175/Nとなる。イジ
ェクタ10が均等配置されていない場合には、配置状態
に対応して共通流路4の音響容量を各イジェクタ10に
配分する。本実施形態例では、600μmのピッチ(P
n)でイジェクタ10が均等配置されているため、式
(2)においてエアダンパ26の長さをld=600μ
mとして計算すれば、イジェクタ1個当たりの音響容量
を求めることができる。
【0055】図7は、cp/ccを変化させてクロストー
クの発生率変化を調べた結果を示している。クロストー
ク発生率は、1個のイジェクタ10を単独吐出させた場
合の滴速v1と、全イジェクタ10を同時吐出させた際
の滴速v2から(v2−v1)/v1として評価した。図7
のグラフから、cp/ccの増加に伴ってクロストーク発
生率が減少し、cp>20ccの条件を満たせば、クロス
トーク発生率を10%以下に抑えることができることが
わかる。また、0.1<cp/cc<10の範囲内では、
クロストークの発生率が非常に大きくなった。これは、
圧力発生室1から伝播した圧力波によって共通流路4内
に圧力波が生じるが、0.1<cp/cc<10の条件で
は、共通流路4内の圧力波と圧力発生室1内の圧力波の
振動周波数が近くなり、一種の共振現象が発生するため
と考えられる。
【0056】実際に、本実施形態例のインクジェット記
録ヘッドにおいて、エアダンパ26の幅及び材質を変化
させ、cp/ccが異なるヘッドを複数試作してクロスト
ークの発生率を調べたところ、図7に示すように、等価
回路解析結果と非常によく一致する結果が得られた。な
お、厳密には、共通流路4のイナータンスmpや音響抵
抗rpもクロストーク発生率に影響を及ぼすが、通常の
インクジェット記録ヘッドではその影響は非常に小さ
く、クロストークの発生率は上記のようにcp/ccによ
って支配されると考えてよい。
【0057】また、本発明者は、図8に示した回路モデ
ルを用いた等価回路解析、及び実際のインク滴吐出実験
を行った結果、複数のイジェクタ10から同時に吐出を
行った場合のリフィル時間trは、共通流路4の音響容
量cpとノズルの音響容量cnの比率に依存し、 cp>10cn (7) の条件を満たせばリフィル時間増加を抑制することが可
能であることを見出した。なお、図8の等価回路は、一
つの共通流路を切り出し、更にリフィル現象を解析する
のに適した形に変更した回路モデルである。meはイジ
ェクタ全体のイナータンス(=m1+m2+m3)を示し
ており、reはイジェクタ全体の音響抵抗(=r1+r2
+r3)を示している。
【0058】ノズルの音響容量cnは、ノズル開口径を
n[m]、インク表面張力をσ[N/m]、メニスカ
スの引き込み量をy[m]とすると、次式のように表わ
される。
【数2】 上式のように、ノズルの音響容量cnはメニスカスの引
き込み量yに依存するが、ここでは代表値としてy≒d
n/4とし、cnを次式のように定義する。
【数3】
【0059】図9は、cp/cnとリフィル時間trの関
係を調べた結果を示している。なお、cn=8.5×1
-195/Nである。この結果から、cp/cnが大きく
なるとtrが小さくなり、cp>10cnの条件を満たせ
ばリフィル時間の増加を防ぐことができ、かつ、イジェ
クタ間のリフィル時間差を無くすことが可能になること
が明らかになった。また、4<cp/cn<10の範囲内
では、リフィル時間の増加が異常に大きくなることが明
らかになった。これは、上記のクロストークの場合と同
じく、圧力発生室内の圧力波と共通流路内の圧力波の間
に干渉が生じるためと考えられる。
【0060】実際の吐出実験によってcp/cnの関係を
調べた結果、図9に示すように、等価回路解析結果と非
常によく一致する結果が得られた。また、リフィル時間
rの増加に対しても、共通流路のイナータンスmp及び
音響抵抗rpの影響は小さく、通常のインクジェット記
録ヘッドでは、cp/cnをもとに共通流路4の特性設定
を行えばよいことが、複数種類のインクジェット記録ヘ
ッドを試作した結果から明らかになった。
【0061】上述のように、各イジェクタ間のクロスト
ーク、及び同時吐出時におけるリフィル時間増加を抑制
するためには、式(5)及び式(7)の条件を満たす必
要がある。本実施形態例のインクジェット記録ヘッドで
は、共通流路4の音響容量c p(≒cd)は8.4×10
-185/N、ノズルの音響容量cnは7.3×10-19
5/N(dn=25μm、σ=35mN/m)、圧力発生
室の音響容量ccは3.9×10-205/Nであるた
め、cpはcnの約12倍、ccの約215倍であり、式
(5)及び式(7)の条件を共に満足できている。
【0062】本実施形態例のインクジェット記録ヘッド
を、吐出周波数及び同時吐出イジェクタ数を変化させな
がら、滴体積、滴速、及びリフィル時間trを調べた結
果、滴体積及び滴速は±2%、リフィル時間trは±2
μs以内の範囲内に収まり、クロストークやリフィル時
間増加が良好に抑制できることが確認された。つまり、
本実施形態例のインクジェット記録ヘッドでは、ノズル
ピッチPcが600μmと小さいにもかかわらず、共通
流路の音響容量は十分確保されていることが確認され
た。
【0063】比較例として図28に示したような直線状
の共通流路を有する従来ヘッド構造において、ノズルピ
ッチPcを本実施形態例と同じ600μmに設定したヘ
ッドを試作し、特性の評価を行った。連通路径(dT
及び連通路3と共通流路4の間の隔壁幅(WW1)は、本
実施形態例と同じくそれぞれ150μm、100μmに
設定したため、式(3)より、共通流路の幅は250μ
mとなった。そのため、エアダンパ26の音響容量は
2.3×10-195/Nと小さく、式(5)及び式
(7)の条件を満たすことができなくなり、大きな音響
的クロストークが発生し、インク滴8の滴体積や滴速に
±10%以上のばらつきが発生した。
【0064】また、複数ノズルを同時吐出した際には、
リフィル時間trが増加し、吐出周波数を12kHzに
低下させないと、安定した吐出を実行することが困難で
あった。つまり、従来のマトリクス配列ヘッドでは、ノ
ズルピッチPcを本実施形態例のように小さな値に設定
すると、共通流路4に十分な音響容量を確保することが
できなくなり、クロストークやリフィル時間tr増加な
どの問題が発生することが確認された。
【0065】前述のように、直線状の共通流路4を有す
る従来ヘッド構造で、共通流路4に十分な音響容量を確
保するためには、ノズルピッチPcを大きく設定せざる
を得ない。上記の比較例では、本実施形態例のノズルピ
ッチが600μmであるのに対し、従来ヘッド構造では
ノズルピッチPcを850μm以上に設定しなければ、
本実施形態例と同等の安定したインクジェット記録がで
きない。つまり、本実施形態例のインクジェット記録ヘ
ッドは、従来ヘッドに比べてノズルピッチPcを約42
%低減することができ、ノズル配列密度を大幅に高める
ことが可能である。
【0066】以上のように、本実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドは、ノズルプレート11を剛性の低い樹
脂材料とし、これを共通流路4のエアダンパ26として
機能させ、かつ、圧力発生室1と重なり合うように配置
した共通流路4をくびれ形状としたことにより、ノズル
ピッチPcを600μmと小さく設定し、ノズル密度を
2.8個/1mm2とすることができた。その結果、2
60個のイジェクタ10を持つインクジェット記録ヘッ
ドを、8mm×16mmという小面積で実現することが
できた。
【0067】第2実施形態例 図10は、本発明の第2実施形態例のインクジェット記
録ヘッドの構成を示している。本実施形態例のインクジ
ェット記録ヘッドは、先の実施形態例とは、供給路プレ
ート13と圧力発生室プレート15との間に連通路プレ
ート14がある点、ノズルプレート11に剛性の高い金
属板(ステンレス板)を使用する点、及び供給路プレー
ト13に剛性の低い樹脂フィルムを使用する点において
相違する。図11(a)は、図10のインクジェット記
録ヘッドのイジェクタ10の1個分の断面を示してい
る。本実施形態例のイジェクタ10は、先の実施形態例
の構造とは異なり、圧力発生室1と共通流路4との間の
連通路プレート14に、凹部22が形成されている。本
実施形態例のインクジェット記録ヘッドは、エアダンパ
26の厚さを小さくすることができ、更にノズルピッチ
を狭くし、共通流路4のくびれ形状部分に緩やかな曲線
を付したことで気泡の残留を防ぐ。
【0068】本実施形態例のインクジェット記録ヘッド
を試作するため、ノズルプレート11に厚さ60μmの
ステンレス板を用い、プレス加工によって開口径25μ
mのノズル2を形成した。供給路プレート13には、厚
さ12.5μmのポリイミドフィルム(Ed=2.0G
Pa、νd=0.4)を用い、エキシマレーザ加工によ
って、開口径20μmのインク供給路5を形成した。こ
の供給路プレート13は、後述するように、共通流路4
のエアダンパ26として機能する。なお、供給路プレー
ト13の厚さは、エアダンパ26に大きな容量を確保す
るために、30μm以下であることが望ましい。
【0069】共通流路プレート12、連通路プレート1
4、及び圧力発生室プレート15には、厚さ120μm
のステンレス板を用い、エッチングによって流路パター
ンを形成した。圧力発生室1は、一辺の長さが400μ
mで、縦横比が1に近い四角形の平面形状とし、気泡排
出性を良くするために、角部にはRを付与した。連通路
プレート14には、共通流路4に対応した部分にハーフ
エッチングによって凹部22を形成した。この凹部22
は、供給路プレート13と連通路プレート14を積層し
た際に、両者の間に空洞部を形成するためのもので、こ
の部分がエアダンパ26として機能する。
【0070】なお、連通路プレート14に凹部22を設
けずに、図11(b)のように、供給路プレート13
と、連通路プレート14との間に別のプレート14’を
貼り合わせ、同様の構造を作ることも可能である。しか
し、本実施形態例のようにハーフエッチングによって凹
部22を形成すると、ヘッドを構成するプレートの数を
減らすことができ、製造コストの低減に有利となる。ま
た、図11では図示していないが、凹部22には外気と
連通させるための通気路が設けられている。これによ
り、凹部22によって形成される空洞内の空気は常に外
気と同一圧力となるため、エアダンパ26の機能を向上
できると共に、密閉空間がなくなるため、ヘッド製造時
におけるプレート積層接合を容易とすることができる。
【0071】図12は、図11のイジェクタの断面を示
し、(a)はA−A断面、(b)はB−B断面を示して
いる。同図(a)に示すように、共通流路4は、第1実
施形態例と同様のくびれ形状を有している。同様に、連
通路プレート14に形成した凹部22の形状も、同図
(b)のB−B断面図に示すように、共通流路4の形状
に対応したくびれ形状となっている。
【0072】上記のように、本実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドでは、共通流路4の底面は剛性の低い供
給路プレート13で構成されており、この部分がエアダ
ンパ26として機能する。このため、供給路プレート1
3の厚さを薄くでき、エアダンパ26の厚さが非常に薄
く設定できる。従って、ノズルピッチPcを狭く設定し
た場合であっても、共通流路4に十分な音響容量を確保
でき、ノズル配列密度を更に増加させることが可能とな
る。
【0073】第1実施形態例のように、ノズルプレート
11をエアダンパとした場合は、エアダンパ厚の減少に
は限界があった。これは、エアダンパ厚の減少はノズル
2の長さの減少を意味し、ノズル2の長さが短くなる
と、インク滴8の吐出方向が悪化したり、気泡の巻き込
みが発生したりし易くなるなどの問題が生じるためであ
る。このため、第1実施形態例のヘッド構造では、20
〜50μm程度がエアダンパ厚の下限である。また、第
1実施形態例のヘッド構造では、エアダンパ26が外部
に露出しているため、ノズルプレート11の破損防止、
ノズル2のワイピング時の気泡巻き込み防止などヘッド
の信頼性向上の観点からも、エアダンパ厚を一定以上大
きく設定する必要がある。
【0074】本実施形態例のヘッド構造では、ノズル2
とエアダンパ26は独立した構造であり、また、エアダ
ンパが外部に露出していないため、エアダンパ厚を非常
に小さく設定することが可能である。本実施形態例で
は、エアダンパ厚である供給路プレート厚を12.5μ
mに設定した。式(2)からわかるように、エアダンパ
26の音響容量は厚さの3乗に反比例するため、エアダ
ンパ厚を減少させると、同じ音響容量を実現するエアダ
ンパ26の幅を低減させることができる。本実施形態例
では、共通流路4の最大幅W1を400μm、ノズルピ
ッチPcを500μmと、第1実施形態例よりもそれぞ
れ減少させているが、共通流路4には第1実施形態例よ
りも大きな音響容量(2.2×10-175/N)が確保
できる。
【0075】また、本実施形態例のインクジェット記録
ヘッドは、図12に示すように、共通流路4のくびれ部
にR部28を付与し、共通流路4の平面形状を滑らかな
曲線により構成している。これは、共通流路4内でのイ
ンク流れを均一化し、気泡の排出性を向上させるためで
ある。共通流路4をくびれ形状とした場合、共通流路4
内の流速には大きな不均一が発生しやすくなる。特に、
第1実施形態例のように、共通流路4の形状に大きな段
差があるような構造では、段差部の近傍に流速の非常に
小さい淀み点が発生しやすい。そのため、共通流路4に
インクを流入させた際に、その淀み点に気泡が残留する
場合がある。
【0076】共通流路4内に気泡が残留しても、気泡が
移動しない限り吐出特性に大きな影響を及ぼすことはな
い。しかし、振動等のなんらかの要因で残留していた気
泡が移動し、インク供給路5を経て圧力発生室1内に流
入すると、そのイジェクタ10からはインク滴8を正確
に吐出することが不可能となってしまう。つまり、共通
流路4内での気泡残留は、インクジェット記録ヘッドの
信頼性を大きく損なう原因となるため、共通流路4内の
気泡残留を防止する必要がある。そこで本実施形態例の
インクジェット記録ヘッドでは、共通流路4のくびれ部
分にR部28を付与することにより、上記淀み点の発生
を防止し、気泡の残存を抑制している。
【0077】R部28における曲率半径(R)の好適範
囲は、共通流路4内での平均インク流速、供給流路4の
壁の材質、インク材料などによって変化するが、本発明
者が多数のヘッドを試作評価した結果によると、R≧G
/4に設定することが好適である。ここで、Gは図12
に示すような段差の大きさである。本実施形態例のイン
クジェット記録ヘッドでは、G=125μmであり、R
を50μmに設定した。
【0078】上記のようなR部28を付与した共通流路
4を持つインクジェット記録ヘッドを用いて、インク充
填評価を実施した結果、共通流路4内での気泡残留が全
く発生しないことが確認された。インク充填評価は、3
00mmHgの吸引圧力でノズルからインクを5秒間吸
引した後で、共通流路4内の状態を顕微鏡観察し、残留
気泡の有無を確認することにより行った。比較対象とし
て、第1実施形態例のインクジェット記録ヘッドについ
ても同様のインク充填評価を実施したところ、約60%
の確率でくびれ部(段差部)に気泡が残留した。
【0079】本実施形態例のインクジェット記録ヘッド
を、吐出周波数及び同時吐出イジェクタ数を変化させな
がら、インク滴8の滴体積、滴速、及びリフィル時間を
調べた結果、その変動は、滴体積及び滴速は±2%以
内、リフィル時間は±1.5μs以内の範囲に収まり、
クロストークやリフィル時間増加が良好に抑制できるこ
とが確認された。
【0080】以上のように、本実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドでは、樹脂フィルムで構成した供給路プ
レート13が、共通流路4のエアダンパとして機能する
ことにより、ノズルピッチPcを500μmと更に小さ
く設定しても、共通流路4に十分な音響容量を確保する
ことができ、良好なインクジェット記録ができた。ま
た、共通流路4のくびれ部分にR部28を付与すること
により、共通流路4内の気泡排出性を大幅に向上するこ
とができ、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを実
現することが可能となった。ノズル配列密度は、第1実
施形態例と比較すると、約20%増加させることがで
き、3.3個/1mm2となった。
【0081】なお、本実施形態例では共通流路4の段差
部(くびれ部)に一定の曲率半径Rを有するR部28を
付与したが、共通流路4の平面形状が滑らかな曲線によ
って構成されていれば、必ずしも一定の曲率半径を有し
ている必要はない。また、上記「滑らかな曲線」は、細
かい直線の集合であってもかまわない。
【0082】第3実施形態例 図13は、本発明の第3実施形態例の基本構造を示して
いる。本実施形態例のインクジェット記録ヘッドは、複
数のイジェクタ10、共通流路4、第2共通流路16、
インク管路18a、18b、フィルタ19、及びインク
タンク20によって構成されている。本実施形態例のイ
ンクジェット記録ヘッドは、共通流路4及び第2共通流
路16を含むインク供給系の流体抵抗(音響抵抗)を一
定値以下に設定している。インク供給系の流体抵抗を一
定値以下に設定することで、大きなインク滴8を多数の
ノズル2から同時に連続吐出することが可能となる。
【0083】本実施形態例のインクジェット記録ヘッド
の基本構造は、第2実施形態例で示したものと同じであ
る。共通流路4にそれぞれイジェクタ10が連通してい
る。それぞれの共通流路4は第2共通流路16に連通し
ており、第2共通流路16は、インク管路18b、フィ
ルタ19、及びインク管路18aを介してインクタンク
20と連通している。1本の共通流路4に10個のイジ
ェクタ10を配設し、第2共通流路16に合わせて26
本の共通流路4を接続することで、260個のイジェク
タ10を有するインクジェット記録ヘッドが形成され
る。
【0084】図14は、本実施形態例のインクジェット
記録ヘッドを模式的に示している。共通流路4の幅は約
400μm(平均幅)、高さは120μm、長さは約6
mmに設定されている。また、第2共通流路16の幅は
2.5mm、高さは約250μm、長さ(lp’)は約
6mmに設定されている。本実施形態例のインクジェッ
ト記録ヘッドでは、各イジェクタが、図14に示すよう
に配置されているため、各イジェクタから見た共通流路
4の平均長さ(lp)は約3mm、第2共通流路16の
平均長さ(lp’)は約3mmとなる。
【0085】一般に、断面が長方形である管路の流体抵
抗(音響抵抗)は、次式を用いて算出することができる
(ηはインク粘度[Pa・s]、Sは管路断面積
[m2]、zは管路断面のアスペクト比)。
【数4】 従って、共通流路4の流路抵抗は1.9×1011Ns/
5、第2共通流路の流路抵抗は2.9×109Ns/m
5となる(η=3mPa・s)となる。なお、本実施形
態例のインクジェット記録ヘッドでは、第2共通流路を
2分割し、それぞれにインク供給口17を設けている
が、これは第2共通流路の長さ(lp’)を小さくし、
流路抵抗を低減するためである。
【0086】また、インク管路18a及びインク管路1
8bは円管状であり、内径は2mmに設定されている。
長さはインク管路18aが3mm、インク管路18bが
20mmに設定されている。円形断面管路の流体抵抗
は、次式から計算することができる(dは管路径
[m]、lは管路長さ[m])。
【数5】 上式より、インク管路18a、18bの流路抵抗はそれ
ぞれ2.3×107Ns/m5、1.5×108Ns/m5
となる。フィルタ19は、約10μmの微細孔を有する
金属メッシュであり、流路抵抗は実測結果から1.0×
109Ns/m5と求められた。インクタンク20は、流
路抵抗が非常に小さくなるように流路断面積が大きく設
定されており、流路抵抗は2.0×108Ns/m5であ
る。
【0087】ここで、インク供給系の流体抵抗の上限値
について、本発明者が明らかにした知見について説明す
る。図15は、同一の共通流路4に接続された複数のイ
ジェクタ10の等価回路を示している。本発明者は、図
15に示した回路モデルを用いた等価回路解析、及び実
際のインク滴吐出実験を行い、その結果、多数のイジェ
クタで高周波連続吐出を行うと、共通流路4内に圧力降
下が発生し、これが個々のイジェクタ10のリフィル速
度trを減少させる原因になることを見出した。以下、
その内容について詳しく説明する。
【0088】ノズル2からインク滴8を連続吐出した場
合、巨視的に見ればインクタンク20からノズル2に向
かって準定常的な流れが生じていることになる。つま
り、共通流路4を介して、インクがイジェクタ10に準
定常的に供給される。こうした準定常的な流れを完全な
定常流と見なした場合、等価回路は図15のように単純
化することができる。
【0089】ここで問題となるのは、インクタンク20
から共通流路4までを含むインク供給系全体の流体抵抗
である。管路の入口と出口との圧力差は、流体抵抗を
r、流量をQとすると、ΔP=r・Qで表される(ハー
ゲン・ポアズイユの法則)。イジェクタによるインク消
費量(インク排出量)が大きい場合、インク供給系には
大きな流量のインクが流れるが、この際、インク供給系
の流体抵抗rが大きいと、インクタンク20と共通流路
4の間に大きな圧力差が発生することになる。つまり、
滴体積の大きなインク滴8を、多数のノズル2から高周
波同時吐出させると、共通流路4内の圧力が低下してし
まう。
【0090】ここで、前述のリフィル動作について考え
ると、リフィル動作時においてインクは、メニスカス9
の表面張力によって発生する圧力によって、共通流路4
から圧力発生室1内へと導かれる。つまり、メニスカス
9の表面張力で生じる圧力によって、ノズル2−共通流
路4間に大きな圧力差が発生しなければ迅速なリフィル
を実行することはできない。ところが、各イジェクタ1
0の同時・連続吐出によって共通流路4内に圧力降下が
発生すると、ノズル2と共通流路4の間の圧力差が低減
し、リフィル速度が低下してしまう。
【0091】図16は、共通流路の圧力変化(ΔPp
とリフィル時間(tr)の関係を、本実施形態例のイン
クジェット記録ヘッドを用いて実験的に調べた結果を示
すグラフである。共通流路4内の圧力降下が800Pa
以下であればリフィル時間はほぼ一定であるのに対し、
800Pa以上になるとリフィル時間が急激に増加する
ことがわかる。こうしたΔPpとtrの関係は、インクの
表面張力、ノズル径などによって多少変化するが、数多
くの解析及び実験評価の結果、一般的なインクジェット
記録装置(表面張力20〜40mN/m、ノズル径15
〜40μm)では、共通流路内の圧力降下を800Pa
以下に保てば、リフィル速度の低下を抑制することが可
能となることが判明した。
【0092】共通流路4内での圧力降下の大きさを求め
るには、インク供給系における各部分で発生する圧力降
下を加算していけばよい。本実施形態例のインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、ノズル数Nを260、滴体積2
0plのインク滴を15kHzの吐出周波数で全てのイ
ジェクタ10から連続吐出させた場合、インクの総流量
は7.8×10-83/sとなる。インクタンク20の
流路抵抗は、3.0×108Ns/m5、インク管路18
aの流路抵抗は、2.3×107Ns/m5、及びフィル
タ19の流路抵抗は、1.0×109Ns/m5であるか
ら、インクタンク20で発生する圧力降下量は、23.
4Pa、インク管路18aで発生する圧力降下量は、
1.8Pa、及びフィルタ19で発生する圧力降下量
は、78Paとなる。
【0093】一方、インク管路18bは2本に分岐して
いるため、インク管路18b内の流量は3.9×10-8
3/sとなる。インク管路18bの流路抵抗は1.5
×108Ns/m5であるため、インク管路18bで発生
する圧力降下量は5.9Paとなる。2本の第2共通流
路16では、それぞれ流量が3.9×10-83/s、
流路抵抗rが2.9×109Ns/m5であるため、圧力
降下量は113Paとなる。共通流路4は各第2共通流
路16に13本接続されているため、各共通流路4での
インク流量は0.3×10-83/sとなる。共通流路
4の流路抵抗rは1.9×1011Ns/m5であるた
め、圧力降下量は570Paとなる。従って、本実施形
態例のインクジェット記録ヘッドで、滴体積20plの
インク滴を15kHzの吐出周波数で全イジェクタから
連続吐出させた場合、インクタンク20と共通流路4と
の間に発生する圧力降下は、上で算出した圧力降下量を
全て加算して、792Paとなる。
【0094】上記のように、本実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドでは、インク供給系の流路抵抗を小さく
設定しているため、滴体積20plのインク滴を15k
Hzで全イジェクタから連続吐出させても、共通流路内
の圧力降下を800Pa以下に抑えることができる。そ
のため、共通流路内の圧力降下に起因するリフィル時間
増加を防ぐことができ、安定した高周波連続吐出を実行
することができる。
【0095】図17は、本実施形態例のインクジェット
記録ヘッドにおいて、吐出周波数及び吐出インク滴体積
を変化させて、吐出の安定性を調べた結果を示してい
る。吐出の安定性は、吐出されるインク滴8の滴速で評
価した。グラフに示されるように、インク滴体積が20
plの場合には(A)、約16kHzまでは安定した吐
出を実現することができた。また、滴体積を30plに
増加した場合にも(B)、約10kHzまでは安定な吐
出が可能であることが確かめられた。
【0096】比較対象として、共通流路4の高さを80
μmに変更した場合の吐出実験結果を図17の破線
(A’)で示す。この場合、共通流路4の流路抵抗は
5.9×1011Ns/m5となるため、滴体積20pl
のインク滴8を15kHzで全イジェクタ10から連続
吐出させると、共通流路4内の圧力降下は約2000P
aに増加する。この場合、共通流路内の圧力降下を80
0Pa以下とするという条件を満たすことができない。
そのため、実験結果においても、吐出周波数6kHz以
上で滴速が不安定となり、滴吐出が不安定化することが
確認された。インク滴8の吐出状態をストロボ観察した
ところ、大径の滴と小径の滴とが交互に吐出されるよう
な吐出状態になっていた。また、滴体積を30plに増
加した場合には(B’)、4kHz以上の吐出周波数で
同様に滴吐出の不安定化が観察された。ただし、このヘ
ッドにおいても、低周波駆動時には、全てのノズル2で
安定した吐出が実現できていることから、共通流路4の
音響容量は十分であるといえる。
【0097】以上の比較実験により、共通流路4の音響
容量を大きく設定するだけでは安定した高周波吐出を実
現することはできず、吐出滴体積、ノズル数、及び最高
吐出周波数に対応してインク供給系の流路抵抗を好適に
設定することにより、はじめて安定した全ノズル同時の
連続吐出が実現できることが確認された。
【0098】本実施形態例の説明では、共通流路4の平
均長さlp、及び第2共通流路16の平均長さlp’を用
いて流路抵抗及び圧力降下量の算出を行ったが、共通流
路内の圧力降下を厳密に求めるためには、図15のよう
な等価回路を用いて計算を行うことが望ましい。
【0099】本実施形態例では、第2共通流路16を上
下に分割しているが、これは第2共通流路16の所要幅
を減少させるためである。すなわち、第2共通流路16
を二分割すると、第2共通流路16の長さlp’が減少
するため、第2共通流路16の幅を小さく設定しても流
体抵抗が増加しにくい。例えば、第1実施形態例のよう
に、第2共通流路16を一本の流路として形成した場
合、第2共通流路16の長さlp’は7mm程度とな
る。そのため、第2共通流路16の流体抵抗を、本実施
形態例と同等(2.9×109Ns/m5)にするために
は、第2共通流路16の幅を5.5mm程度まで拡大す
ることが必要となる(本実施形態例では、第2共通流路
16の幅は2.5mm)。つまり、本実施形態例のよう
に第2共通流路16を複数に分割すると、lp’を減少
することができるため、第2共通流路16の所要幅を大
幅に低減することが可能となる。
【0100】インクジェット記録ヘッドのヘッド全幅を
小さくすることは、印刷速度を向上させる上で極めて重
要である。すなわち、ヘッドの全幅が小さいと、印刷時
のヘッドの走行距離を短くすることができるため、ヘッ
ド走査に要する時間を短縮し、結果的に印刷速度を低減
することが可能となる。また、ヘッド全幅を小さくでき
ると、記録用紙の左右に要するスペースを小さくするこ
とができるため、インクジェット記録装置のサイズも減
少することができるという効果も得ることができる。
【0101】また、本実施形態例のように、第2共通流
路をイジェクタ群の横に配置することは、インクジェッ
ト記録装置における記録媒体(記録用紙など)の搬送精
度を向上するのに有利となる。すなわち、インクジェッ
ト記録装置において、記録媒体はヘッド前後に設置され
たローラ等によって保持・搬送されるが、ヘッドの全長
(LH)が大きいと、ローラ間における記録媒体のたわ
み等によって、記録媒体の搬送精度が悪化しやすい。そ
のため、ヘッド長さLHは最低限に抑えることが重要で
あり、そうした観点からは、本実施形態例のように共通
流路4の支流を主走査方向に対してほぼ平行に配置し、
共通流路4の本流をイジェクタ群の横に配置したヘッド
構造の方が望ましい。
【0102】第4実施形態例 図18は、本発明の第4実施形態例における流路配置を
模式的に示している。本実施形態例のイジェクタ構造
は、共通流路4及び第2共通流路16の配置を除いて、
第3実施形態例と同様である。共通流路4は、ヘッドの
主走査方向に対してほぼ垂直に配置され、第2共通流路
16は、主走査方向に対してほぼ平行となるように配置
されている点に特徴がある。こうした共通流路4の配置
では、第2共通流路16がイジェクタ群の横に配置され
ないため、主走査方向のヘッド幅を小さく設定でき、高
速記録及び装置サイズの低減に更に有利なインクジェッ
ト記録ヘッドを実現することが可能となる。以下詳述す
る。
【0103】本実施形態例のインクジェット記録ヘッド
は、図18に示すように、共通流路4を主走査方向に対
してほぼ垂直となるように配置し、これらの共通流路4
を主走査方向にほぼ平行となるように配置した第2共通
流路16に接続している。共通流路4はヘッド中央を境
として上下に分割されており、上半分の共通流路4は上
部に配置された第2共通流路16に、下半分の共通流路
4は下部に配置された第2共通流路16にそれぞれ接続
されている。
【0104】共通流路4を複数に分割した構造は、共通
流路の所要断面積を小さくするのに有利である。前述の
ように、安定した多ノズル同時高周波吐出を実現するた
めには、インク供給系の流路抵抗を小さく設定する必要
があり、そのためには共通流路4の流路抵抗も小さく設
定する必要がある。しかし、共通流路4の全長が長い場
合、共通流路4の断面積を非常に大きく設定しないと流
路抵抗を小さく設定することができない。図18に示す
ように共通流路を上下に二分割すると、共通流路の全長
(lp)を短くすることができ、共通流路4の断面積が
狭くても流路抵抗を小さくすることができる。
【0105】各共通流路4にはそれぞれイジェクタ10
が接続されており、イジェクタは2次元配列されてい
る。第2共通流路16の中央部にはインク供給口17が
配設されており、このインク供給口を通じてインクタン
ク(図示せず)からインクが供給される。
【0106】以上のように、本実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドでは、第2共通流路をイジェクタ群の上
下に配置しているため、第1〜第3実施形態例のインク
ジェット記録ヘッドに比べて、主走査方向のヘッド幅を
小さく設定できている。本実施形態例では、ノズルピッ
チPcを600μmに設定したため、主走査方向のヘッ
ド幅は約6mmとなった。第1〜第3実施形態例でのヘ
ッド幅は8〜10mmであるため、本実施形態例ではヘ
ッド幅を2〜4mm減少できた。
【0107】実際のインクジェット記録装置では、複数
のインクジェット記録ヘッドが並べて配置されるため、
ヘッド全体の幅としては更に大きく減少することが可能
である。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クの4色に対応た4個のヘッドを並べた場合、第1〜第
3実施形態例よりもヘッドの全幅を約8〜16mm減少
することが可能となる。このように、本実施形態例のイ
ンクジェット記録ヘッドはヘッド全幅を小さくすること
ができるため、印刷速度の向上及び装置サイズの低減に
極めて有利となる。
【0108】第5実施形態例 図19は、本発明のインクジェット記録装置の実施形態
例を示している。本実施形態例のインクジェット記録装
置は、インクジェット記録ヘッドを搭載するキャリッジ
31、キャリッジ31を主走査方向に走査するための主
走査機構33、記録媒体としての記録用紙34を副走査
方向に搬送するための副走査機構35を含み構成されて
いる。
【0109】インクジェット記録ヘッドはノズル面が記
録用紙34と対向するようにキャリッジ31上に搭載さ
れ、主走査方向に搬送されながら記録用紙34に対して
インク滴8を吐出することにより、一定のバンド領域3
8に対して記録を行う。次いで、記録用紙34を副走査
方向に搬送し、再びキャリッジ31を主走査方向に搬送
しながら次のバンド領域を記録する。こうした動作を複
数回繰り返すことにより、記録用紙34の全面にわたっ
て画像記録を行うことができる。
【0110】実際に、本実施形態例のインクジェット記
録装置を用いて画像記録を行い、記録速度及び画像品質
の評価を行った。インクジェット記録ヘッドには、上記
第3実施形態例で述べたヘッド構造のものを使用した。
ノズルピッチPcは500μmであり、1mm2当たりの
ノズル数は3.3個である。イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの4色に対応させて、1色あたり260個
のイジェクタを有するマトリクス状配列ヘッドをキャリ
ッジ31上に並べて配置し、記録用紙34上で4色のド
ットを重ねあわせることにより、フルカラーの画像記録
を行った。
【0111】滴体積20pl、記録解像度600dp
i、吐出周波数18kHzの条件でA4サイズ(210
mm×297mm)の画像を印刷した結果、約5秒間で
印刷を完了することができ、極めて高い記録速度を実現
できることが実証された。また、音響的クロストークや
多ノズル同時吐出時の吐出不安定化現象が抑制できてい
るため、出力画像には非常に高い画品質を得ることがで
きた。
【0112】比較例として、直線状の共通流路4を有す
る従来ヘッドを用いて、同様の画像出力実験を行った。
この場合、共通流路4に十分な音響容量を確保するため
にはノズルピッチPcを850μmに設定する必要があ
り、その結果、同じヘッド面積内に配列できるノズル数
は150個が上限となった(1mm2当たりのノズル数
は2.0個)。そのため、A4サイズ(210mm×2
97mm)の画像を記録するのに約9秒の時間を要し、
記録速度は本実施形態例のインクジェット記録装置に比
べて約1/2であった。
【0113】別の比較例として、直線状の共通流路4を
有する従来ヘッド構造で、本実施形態例と同じくノズル
ピッチPcを500μmに設定したインクジェット記録
ヘッドを用いて同様の画像出力実験を行った。この場
合、本実施形態例と同じ260個/色のノズル数が確保
できたが、共通流路4の幅は150μmと小さいため、
共通流路4の音響容量cpは式(5)及び式(7)の条
件を満たしていない。滴体積20pl、記録解像度60
0dpi、吐出周波数18kHzの条件でA4サイズ
(210mm×297mm)の画像を印刷した結果、約
5秒間で印刷を完了することができたが、インク滴8の
吐出状態が非常に不安定であり、また、画像出力中に不
吐出ノズルが多数発生してしまったため、出力画像の品
質は極めて悪かった。つまり、従来ヘッド構造で無理に
ノズル2の配列密度を増加させると、安定したインク滴
吐出を実行できなくなることが実証された。
【0114】以上のように、本実施形態例のインクジェ
ット記録装置では、共通流路をくびれ形状としているた
め、安定した吐出安定性を維持したままノズル配列密度
(単位面積当たりのノズル数)を増加することができ、
従来のインクジェット記録装置に比べて記録速度を大幅
に増加できる。
【0115】なお、本実施形態例ではヘッドをキャリッ
ジによって搬送しながら記録を行う形態としたが、ノズ
ルを記録媒体の全幅にわたって配置したライン型ヘッド
を用い、ヘッドを固定して、記録媒体のみを搬送しなが
ら記録を行うなど、別の装置形態に本発明を適用するこ
とも可能である。
【0116】以上、本発明の実施形態例について説明し
たが、上記実施形態例は本発明に好適な実施の形態を示
したものであり、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。すなわち、本発明の主旨を逸脱することなく、種
々の変形、改良、修正、簡略化などを上記実施の形態に
加えた他の形態を適用して、本発明を実施することがで
きる。
【0117】例えば、上記実施形態例では、圧力発生手
段として圧電アクチュエータを用いたが、静電力や磁力
を利用した電気機械変換素子や、沸騰現象を利用して圧
力を発生させるための電気熱変換素子など、他の圧力発
生手段を用いてもかまわない。また、圧電アクチュエー
タとしても、本実施形態例で使用した単板型の圧電アク
チュエータの他に、縦振動タイプの積層型圧電アクチュ
エータなど、別の形態のアクチュエータを用いてもかま
わない。
【0118】また、上記実施形態例では、複数のプレー
トの積層によって流路を形成しているが、プレートの構
成、材質などは上記実施形態例に限定されるわけではな
い。例えば、上記実施形態例ではノズルプレート又は供
給路プレートを共通流路のエアダンパとして用いたが、
エアダンパを構成する専用のプレートを挿入するなど、
別のプレート構成のヘッドに対しても、本発明を適用す
ることは可能である。また、セラミックス、ガラス、樹
脂、シリコンなどの材料を用いて、流路を一体成型した
ようなヘッドに対しても、本発明は同様に適用可能であ
る。
【0119】また、共通流路の形状は、図5のように共
通流路の両側壁にくびれ(段差)を有する形状に限定さ
れるわけではなく、図20のように共通流路の片側のみ
にくびれを設けた形状など、他の形状を用いても同様の
効果を得ることが可能である。
【0120】また、共通流路構成は、図14に代わっ
て、図21(a)、(b)、(c)に示す構成とするこ
とも可能である。図21(a)は第2共通流路を上下に
分割せずに、第2共通流路の両端にインク供給口を設け
た例である。この場合にも、第2共通流路の長さlp
図14と同一となる。また、図21(a)の流路構成で
は、第2共通流路に2方向からインクが供給されるた
め、ゴミ等によって第2共通流路の一部に流路詰まりが
発生しても、吐出不良の発生を防止できるという効果が
ある。
【0121】また、図21(b)は、第2共通流路の中
央部にインク供給口を設けた例である。この場合にも、
第2共通流路の長さlp’は図14と同一となる。ま
た、本構造では、インク供給口が一箇所となるため、イ
ンク供給系の構造が簡略化でき、ヘッドコストの低減等
に有利となる。また、図21(c)は第2共通流路の両
側に共通流路を連結した例である。この場合、共通流路
の長さを半分にすることができるため、共通流路の所要
断面積を低減できるという効果が得られる。なお、図2
1に示した共通流路構成は、本発明の好適な実施形態例
を示したものであり、これ以外の共通流路構成とするこ
とも可能である。
【0122】また、共通流路構成は、図18に代わっ
て、図22(a)、(b)、(c)に示す構成とするこ
とも可能である。図22(a)は共通流路4を上下に分
割せずに、共通流路4の両端を第2共通流路16に接続
した例である。この場合、共通流路4には2方向からイ
ンクが供給されるため、ゴミ等によって共通流路の一部
に流路詰まりが発生しても、吐出不良の発生を防止でき
るという効果がある。
【0123】また、図22(b)は、上下に配置した第
2共通流路16の夫々に2個のインク供給口17を設け
た例である。この場合には、第2共通流路の長さlp
を減少できるため、第2共通流路の所要幅を低減でき、
副走査方向のヘッド全長を減少できるという効果が得ら
れる。ヘッド全長の縮小は、前述したように、安定した
用紙搬送を実現する上で有利となる。
【0124】また、図22(c)は共通流路4及び上下
に二分割されている第2共通流路16をそれぞれ二分割
した例である。この場合、図22(b)と同様、第2共
通流路の所要幅を低減でき、副走査方向のヘッド全長を
減少できるという効果と共に、共通流路及び第2共通流
路内におけるインクの淀み点(流速の遅い部分)の発生
を防ぐことができ、共通流路及び第2共通流路内での気
泡残留を抑制する上で有利となる。なお、図22に示し
た共通流路構成は、本発明の好適な実施形態例を示した
ものであり、これ以外の共通流路構成とすることも可能
である。
【0125】また、上記実施形態例では、圧力発生室の
形状を四角形としたが、円形や六角形など、他の形状の
圧力発生室を用いることも可能である。更に、上記実施
形態例では、ノズルの配置をほぼ格子状の配列とした
が、ノズル配列はほぼ格子状のものに限定されるわけで
はなく、その他の2次元的配列方法を用いた場合におい
ても本発明を適用することは可能である。
【0126】また、上記の実施形態例では記録紙上に着
色インクを吐出して文字や画像などの記録を行うインク
ジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置を例に
とったが、本明細書におけるインクジェット記録とは、
記録紙上への文字や画像の記録に限定されるものではな
い。すなわち、記録媒体は紙に限定されるわけではな
く、また、吐出する液体も着色インクに限定されるわけ
ではない。例えば、高分子フィルムやガラス上に着色イ
ンクを吐出してディスプレイ用のカラーフィルターを作
製したり、溶融状態のハンダを基板上に吐出して部品実
装用のバンプを形成したりするなど、工業的に用いられ
る液滴噴射装置一般に対して、本発明を利用することも
可能である。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノズル配列密度の高いマトリクス配列ヘッドを実現する
ことができ、記録速度の極めて高いインクジェット記録
ヘッド及びインクジェット記録装置を実現することがで
きる。
【0128】また、本発明によれば、共通流路を介した
音響的クロストークや、多ノズル同時吐出時に発生する
吐出不安定化現象を防止することができ、吐出特性の均
一性及び安定性に優れたインクジェット記録ヘッド及び
インクジェット記録装置を実現することが可能となる。
【0129】更に、本発明によれば、共通流路内での気
泡残留を防ぐことができ、信頼性の高いマトリクス配列
ヘッド及びインクジェット記録装置を実現することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例のインクジェット記録ヘッドの
断面図である。
【図2】本発明に係わる第1実施形態例のインクジェッ
ト記録ヘッドのプレート構成を示す斜視図である。
【図3】マトリクス配列ヘッドのイジェクタ配列を説明
するための模式図である。
【図4】インク滴吐出実験で用いた駆動電圧波形を示す
グラフである。
【図5】インクジェット記録ヘッドの平面形状を示す模
式図である。
【図6】音響的クロストークの解析に用いた等価電気回
路を示す回路図である。
【図7】共通流路の音響容量と音響的クロストークの発
生率との関係を示すグラフである。
【図8】リフィル時間の解析に用いた等価電気回路を示
す図である。
【図9】共通流路の音響容量とリフィル時間との関係を
示すグラフである。
【図10】本発明に係わる第2実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドのプレート構成を示す斜視図である。
【図11】第2実施形態例のインクジェット記録ヘッド
の断面図である。
【図12】第2実施形態例のインクジェット記録ヘッド
の平面形状を示す図である。
【図13】本発明に係わる第3実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドの共通流路配置を示す図である。
【図14】第3実施形態例におけるインク供給系の構成
を示す図である。
【図15】多ノズル連続吐出時における流路内圧力変化
の解析に用いた等価電気回路を示す図である。
【図16】共通流路内圧力とリフィル時間の関係を示す
グラフである。
【図17】第3実施形態例のインクジェット記録ヘッド
の吐出特性を示すグラフである。
【図18】本発明に係わる第4実施形態例のインクジェ
ット記録ヘッドの共通流路配置を示す図である。
【図19】本発明に係わるインクジェット記録装置の一
実施形態例を示す図である。
【図20】第1実施形態例のインクジェット記録ヘッド
の平面形状を示す図である。
【図21】第3実施形態例におけるインク供給系の構成
を示す図である。
【図22】第4実施形態例のインクジェット記録ヘッド
の共通流路配置を示す図である。
【図23】従来のインクジェット記録ヘッドの基本構造
を示す断面図である。
【図24】インク滴吐出時におけるメニスカスの動きを
説明するための模式図である。
【図25】リフィル時におけるメニスカスの位置変化を
示すグラフである。
【図26】マルチノズル型インクジェット記録ヘッドの
基本構造を示す図である。
【図27】マトリクス配列型のインクジェット記録ヘッ
ドの基本構造を示す図である。
【図28】従来のマトリクス配列ヘッドの基本構造を示
す図である。
【図29】マトリクス配列ヘッドの等価電気回路を示す
図である。
【図30】従来のマトリクス配列ヘッドの吐出特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
1:圧力発生室 2:ノズル 3:運通路 4:共通流路 5:インク供給路 6:振動板 7:圧電アクチュエータ 8:インク滴 9:メニスカス 10:イジェクタ 11:ノズルプレート 12:共通流路プレート 13:供給路プレート 14:運通路プレート 14’:プレート 15:圧力発生室プレート 16:第2共通流路 17:インク供給路 18a、18b:インク管路 19:フィルタ 20:インクタンク 21:インク供給系 22:凹部 23、24:流路 25:流路プレート 26:エアダンパ 28:R部 31:キャリッジ 33:主走査機構 34:記録用紙 35:副走査機構 38:バンド領域 40、41:隔壁

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが圧力発生室、該圧力発生室に
    連通するノズル、及び、圧力発生手段を含み、2次元的
    に配列された複数個のイジェクタと、 前記イジェクタを複数個連結する共通流路を含むインク
    供給系とを有し、 前記共通流路を通じて前記圧力発生室にインクが充填さ
    れ、前記圧力発生手段によって前記圧力発生室内のイン
    クに圧力変化を生じさせ、前記ノズルからインク滴を吐
    出させるインクジェット記録ヘッドであって、 前記共通流路が、前記圧力発生室と平面的に重なり合う
    ように配置されており、かつ、幅が広い部分と幅が狭い
    部分とを有するくびれ形状であることを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記共通流路の形状が、前記共通流路を
    挟んで隣接する前記ノズルの間で幅が小さく、それ以外
    の部分では幅が広くなるように設定されていることを特
    徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記ノズルを形成する部材が前記共通流
    路のエアダンパを兼ねることを特徴とする、請求項1又
    は2の何れかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ノズルを形成する部材が樹脂フィル
    ムで構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3
    の内の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 ccを前記圧力発生室の音響容量とする
    と、前記共通流路の音響容量cpが次の条件式cp>20
    cを満足するように設定されていることを特徴とす
    る、請求項1乃至4の内の何れか1項に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 cnを前記ノズルの音響容量とすると、
    前記共通流路の音響容量cpが次の条件式cp>10cn
    を満足するように設定されていることを特徴とする、請
    求項1乃至5の内の何れか1項に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ノズルからインク滴を連続吐出した
    際のリフィル時間が、前記インク供給系内の準定常的イ
    ンク流れによって生じる前記共通流路内の圧力降下によ
    って、意図する吐出周期よりも大きくならないように、
    前記インク供給系の流路抵抗を設定したことを特徴とす
    る、請求項1乃至6の内の何れか1項に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ノズルからインク滴を連続吐出した
    際の前記共通流路の圧力降下が800Pa以下となるよ
    うに前記インク供給系の流路抵抗が設定されていること
    を特徴とする、請求項7に記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】 前記くびれ形状部分における前記共通流
    路の平面形状が滑らかな曲線によって構成されているこ
    とを特徴とする、請求項1乃至8の内の何れか1項に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記インク供給系が、複数の前記共通
    流路と、複数の前記共通流路を相互に連通する第2共通
    流路とを含むことを特徴とする、請求項1乃至9の内の
    何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記第2共通流路にインクを供給する
    ためのインク供給口が、前記第2共通流路の中央付近に
    設けられていることを特徴とする請求項10に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記第2共通流路にインクを供給する
    ためのインク供給口が、1個の前記第2共通流路に対し
    て複数個設けられていることを特徴とする、請求項10
    又は11の何れかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記第2共通流路を複数有することを
    特徴とする、請求項10乃至12の内の何れか1項に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記複数の共通流路を二つ以上のグル
    ープに分け、各グループの前記共通流路をそれぞれ別々
    の前記第2共通流路に接続したことを特徴とする、請求
    項13に記載のインクジェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記共通流路がインクジェット記録ヘ
    ッドの主走査方向にほぼ平行となるように配置され、前
    記第2共通流路が前記主走査方向にほぼ垂直となるよう
    に配置されていることを特徴とする、請求項10乃至1
    4の内の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  16. 【請求項16】 前記共通流路がインクジェット記録ヘ
    ッドの主走査方向にほぼ垂直となるように配置され、前
    記第2共通流路が前記主走査方向にほぼ平行となるよう
    に配置されていることを特徴とする、請求項10乃至1
    4の内の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16の内の何れか1項に
    記載のインクジェット記録ヘッドを備えていることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
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