JP2003127222A - 微細気泡含有ポリエステルフィルム - Google Patents

微細気泡含有ポリエステルフィルム

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JP2003127222A
JP2003127222A JP2001330218A JP2001330218A JP2003127222A JP 2003127222 A JP2003127222 A JP 2003127222A JP 2001330218 A JP2001330218 A JP 2001330218A JP 2001330218 A JP2001330218 A JP 2001330218A JP 2003127222 A JP2003127222 A JP 2003127222A
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Toshiharu Watanabe
俊治 渡辺
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字や印刷が鮮明であり、表面外観、表面剥
離強度や光沢性、白色性などが改良され、ラベル、ポス
ター、記録紙、包装材料、薬用貼り付剤基材、人工皮革
基材などに適した微細気泡含有フィルムおよび粘着層を
有する微細気泡含有ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を
実質的に含有しない少なくとも1軸に延伸された微細気
泡含有フィルムであり、見かけ密度が0.3〜1.3g
/cm以下であり、フィルム表面から深さ3μmまで
の気泡含有割合が10%以下であり、破断強度が25M
Pa以上であることを特徴とする微細気泡含有ポリエス
テルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面外観、表面剥
離強度や光沢性、白色性などが改良された微細気泡含有
ポリエステルフィルムおよび当該フィルムに粘着層を設
けたフィルムに関するものであり、特にラベル、ポスタ
ー、記録紙、包装材料、薬用貼り付剤基材、人工皮革基
材などに好適に使用されるフィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、優れた機械的
特性、電気的特性、耐薬品性、耐熱性等を有することか
ら、各種産業において広く利用されている。とりわけ二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、他のフ
ィルムに比べ、平面性および寸法安定性に優れ、また比
較的安価で市場に提供されることから、包装用および工
業用材料として欠くことのできない素材である。一方、
微細気泡を含有させたフィルムは、天然紙と比較して耐
水性、機械強度、吸湿寸法安定性、光沢性と鮮明性に優
れていることから、通常のポリエステルフィルムでは対
応できない用途への応用が期待されている。
【0003】微細気泡含有フィルムは、ポリエステルに
非相溶のポリオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン
(特開平1−319543号公報等)、ポリメチルペン
テン(特開平2−147641号公報等)、ポリスチレ
ン(特開平3−292338号公報等)をポリエステル
に含有させ、延伸することにより得ることができること
が良く知られている。しかし、上記フィルム中の微細気
泡は、製膜時における延伸工程で非相溶樹脂の周りに生
じるため、気泡含有量の大きな低密度の柔軟性の高い発
泡延伸フィルムを得るためには延伸倍率を上げる、また
は非相溶樹脂の含有量を上げる必要があるが、このよう
なフィルムは製膜時に破断しやすく、安定した気泡含有
量の大きなフィルムを作ることは困難であり、フィルム
自身の見かけ密度も、0.8以下に下げることは事実上
困難であり、紙のような風合いを持った低密度のフィル
ムを得ることができなかった。
【0004】また、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹
脂はポリエステルよりも熱分解しやすいため、当該樹脂
を含有するフィルムはやや黄色みを帯びてしまい、白色
性を必要とする用途では、白色顔料や蛍光増白剤の添加
が必要になる。一般的に良く用いられる酸化チタン白色
顔料の添加により、フィルムの白色性は向上するもの
の、例えば特開平5−138781号公報、特開平5−
329969号公報、特開平8−160566号公報等
に示されているように、通常1重量%以上という大量に
白色顔料を含有させないと受像紙等の印刷用途には適さ
ない。一方、白色顔料の添加によりフィルムの光沢度は
低下し、現在の精緻な画像を要求される用途には適用で
きなくなってしまった。さらにフィルム表面に粘着層を
設けた場合、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含
有するため、粘着層との界面における接着性が低下し、
貼りつけた後に再び剥がす際に、粘着剤層がフィルム表
面に残ってしまったり、またフィルムの表面強度が適正
でないためにフィルム表層部が剥離してしまったりする
問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、印字や印刷が鮮明であり、
表面外観、表面剥離強度や光沢性、白色性などが改良さ
れ、ラベル、ポスター、記録紙、包装材料、薬用貼り付
剤基材、人工皮革基材などに適した微細気泡含有フィル
ムおよび粘着層を有する微細気泡含有ポリエステルフィ
ルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによ
れば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、
ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を実質的に含有し
ない少なくとも1軸に延伸された微細気泡含有フィルム
であり、見かけ密度が0.3〜1.3g/cm以下で
あり、フィルム表面から深さ3μmまでの気泡含有割合
が10%以下であり、破断強度が25MPa以上である
ことを特徴とする微細気泡含有ポリエステルフィルムに
存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の微細気泡含有フィルムは、実質的にポリエステ
ルに非相溶の熱可塑性樹脂を含有しないものである。ポ
リエステルに非相溶の熱可塑性樹脂とは、例えば、ポリ
プロピレン(特開平1−319543号公報)、ポリメ
チルペンテン(特開平2−147641号公報)、ポリ
スチレン(特開平3−292338号公報)等である。
これら樹脂を微細気泡の発現剤として含有させると、フ
ィルムの白色性の悪化や粘着層との界面の接着性が落ち
る問題が生じる。また、本発明のフィルムの見かけ密度
は、0.3〜1.3g/cmであり、好ましくは0.
35〜1.2g/cm、さらに好ましくは0.4〜
1.1g/cmである。フィルムの見かけ密度が0.
3g/cm未満では、フィルム自身の強度が弱くなる
ため、貼りつけたフィルムを剥がすときにフィルム自身
が破ける。また、1.3g/cmを超えると、フィル
ムの柔軟性が劣り、合成紙や人工皮革のような風合いが
なくなる。
【0008】本発明の微細気泡含有フィルムは、ポリエ
ステルフィルム表面から深さ3μmまでの気泡含有割合
が10%以下であり、好ましくは8%以下で、さらに好
ましくは5%以下である。気泡含有割合が10%を超え
ると、表面外観や表面強度が劣り好ましくない。また、
特に限定しないが、フィルム表面の中心線平均粗さRa
は、10nm以上、さらに15nm以上が好ましい。R
aが10nm未満では、製膜時におけるフィルムの走行
性が悪化し、フィルムに傷が発生したり、巻取性が悪く
なったりし、生産性が悪化する傾向がある。
【0009】フィルム表面の中心線平均粗さを10nm
以上にするためには、例えば、不活性粒子をフィルム全
体またはフィルム表面に近いところに多く分布させれば
よい。この場合、用いる不活性粒子の種類は特に限定し
ないが、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機粒子、ま
た、シリコ−ン樹脂粒子や架橋高分子粒子などの有機粒
子が例として挙げられる。また、不活性粒子の平均粒径
は特に限定しないが、通常0.1〜20μmである。平
均粒径が0.1μm未満では、フィルム走行性に有効な
高さの表面突起を生成できない場合がある。一方、平均
粒径が20μmを超えると、フィルム破断が起こりやす
くなる傾向がある。本発明の微細気泡含有フィルムに用
いられるポリエステル樹脂としては、種々のポリエステ
ルを使用することができ、代表的なポリエステルとして
は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が挙げられる。
【0010】ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹
脂とは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸単位
とエチレングリコールを主成分とするジオール単位との
重縮合体からなるポリエステルであって、ジカルボン酸
成分中におけるテレフタル酸以外のジカルボン酸含有量
およびジオール成分中におけるエチレングリコール以外
のジオール含有量の合計量が通常50モル%以下、好ま
しくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以
下のものである。
【0011】テレフタル酸以外のジカルボン酸成分また
はエチレングリコール以外のジオール成分が共重合され
ることによって発泡成形性が改良される場合があるが、
50モル%を超えて共重合されている場合は、フィルム
の耐熱性が劣る傾向がある。なお、テレフタル酸以外の
ジカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸な
どが挙げられ、エチレングリコール以外のグリコール成
分としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、ポリエーテルグリコール等の脂肪族グリ
コール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコ
ール、芳香族グリコールなどが挙げられる。さらに、例
えば、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン
酸等が共重合されていてもよい。これら共重合成分の中
では、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジエチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノールが好適である。
【0012】さらに、本発明のポリエステル樹脂には、
分子中に3個以上のカルボキシル基または水酸基を含有
する化合物が、全ジカルボン酸成分および全ジオール成
分の合計量に対し、通常6モル%以下、好ましくは4モ
ル%以下、さらに好ましくは2モル%以下で共重合され
ていてもよい。分子中に3個以上のカルボキシル基また
は水酸基を含有する化合物としては、例えば、トリメリ
ト酸、ピロメリト酸、ナフタレンテトラカルボン酸およ
びそれらの無水物、グリセロール、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ポリグリセロール(グリ
セロールが2〜20程度縮合した化合物およびこれらの
混合物)、ポリオール(炭素数2〜4程度のアルキレン
オキシドが縮合した化合物)等が挙げられ、これらの中
でも、トリメリト酸、ピロメリト酸、およびそれらの無
水物、グリセロール、ペンタエリスリトール、ポリオー
ル等が好適である。なお、これら化合物は、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0013】また、本発明の微細気泡含有積層フィルム
には、本発明の要旨を損なわない範囲で、ヒンダードフ
ェノール系、亜燐酸エステル系、チオエーテル系等の酸
化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、
ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレ
ート系等の光安定剤、ポリオレフィン系、変成ポリオレ
フィン系、有機低分子塩類、タルクなどの結晶核剤、分
子量調整剤、可塑剤、耐加水分解剤、帯電防止剤、潤滑
剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、着色剤、分散
助剤等の添加剤、および、ガラス繊維、マイカ、カーボ
ンファイバー、チタン酸カリファイバー等の強化材が含
有されていてもよい。本発明の微細気泡含有フィルム
は、少なくとも1軸に延伸されたフィルムである。この
ように延伸されたフィルムは、光沢性と引っ張り強度が
向上しフィルムが破れにくくなり、しなやかさを生じ
る。
【0014】本発明の微細気泡含有フィルムの引っ張り
破断強度は25MPa以上、好ましくは40MPa以
上、さらに好ましくは50MPa以上である。引っ張り
破断強度が25MPa未満のフィルムは、フィルム強度
が不足し、フィルムを貼りつけた後、剥がすときにフィ
ルム自身が破けやすくなる。本発明の微細気泡含有フィ
ルムの光沢度は、50%以上、さらには70%以上、特
に80%以上であることが好ましい。フィルムの光沢度
が50%未満では、フィルムの外観の艶が劣る傾向があ
り、また精緻な印刷画像を得ることができないことがあ
る。本発明の微細気泡含有フィルムのクッション率は、
特に限定しないが、通常12%以上、好ましくは15%
以上、さらに好ましくは18%以上である。クッション
率が12%未満では、印字、印画における印刷や筆記の
鮮明性が劣ることがある。
【0015】本発明の微細気泡含有フィルムにおけるフ
ィルム同士の摩擦係数は特に限定しないが、通常1.0
以下であり、好ましくは0.8以下である。摩擦係数が
0.8を超えるフィルムでは、フィルム製造時のフィル
ム巻き上げ時やスリット時に、いわゆるツブ跡やシワが
発生し、歩留まりが低下してコストアップとなってしま
うことや、各種用途での加工時に傷や蛇行を発生してし
まうおそれがある。
【0016】本発明のフィルムに粘着層を設ける場合、
用いられる粘着層は、公知の粘着剤、例えば、アクリル
酸およびその共重合体からなるアクリル系粘着剤、天然
ゴムやウレタンゴムなどのゴム系粘着剤、酢酸ビニルお
よびその共重合体やスチレン−ブタジエン共重合体など
からなるブロックコポリマー系粘着剤、ポリブタジエン
やポリイソブチレン系粘着剤、シリコーン系粘着剤など
から構成される。一般に、かかる粘着剤は、エラストマ
ー、粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、劣化防止剤、充填
剤、架橋剤などの組成物として構成される。また、必要
に応じ、粘着層を設けたフィルム面の反対面に、易滑
性、離型性、帯電防止性、易接着性等を付与する目的の
コーティング処理を行うこともできる。
【0017】次に本発明のフィルムの製造方法を具体的
に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下
の例示に限定されるものではない。本発明の微細気泡含
有フィルムは、乾燥したポリエステルを押出機Aに投入
し溶融させる、一方、必要に応じ、不活性粒子を所定濃
度に調整した乾燥したポリエステルを押出機Bに投入し
溶融させる。押出機Aの溶融状態のポリエステルに発泡
剤を発泡剤注入孔から溶融樹脂中に導入する。発泡剤は
溶融樹脂中に溶解し、ダイの口金部で発泡する。この発
泡樹脂層は、押出口金内において、押出機Bの溶融樹脂
と層流状で接合積層させて押出口金から吐出される。な
お、口金部は樹脂の固化する温度以上の範囲において極
力冷却しておくことが、微細気泡を発生させるために好
ましい。
【0018】キャストドラム上で冷却した未延伸微細気
泡含シートは、1軸または2軸方向に延伸され、熱処理
を施し、微細気泡含有フィルムを得る。使用する押出機
には特に制約はないが、通常、一軸押出機または二軸押
出機、あるいはこれらを直列に組み合わせたタンデム型
押出機等の連続押出機が好適に使用される。
【0019】また、発泡剤としては、各種の発泡剤を用
いることができる、例えば、窒素、炭酸ガス、ヘリウム
等の不活性ガス、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン等の飽和炭化水素、テトラフロロエタン、フレオン
(商品名)等のハロゲン化炭化水素などの物理発泡剤を
例示することができる。発泡剤の注入場所は、押出機か
らダイまでの溶融樹脂流路の任意の場所でよいが、押出
機の樹脂滞留部分またはできるだけ押出機に近い場所で
あること、また溶融樹脂の圧力は、使用する発泡剤の臨
界圧力以上であることが発泡剤を溶融樹脂中に完全溶解
させるために好ましい。溶融樹脂の圧力を臨界圧力以上
にするためには、押出機やギヤポンプの回転数を制御
し、口金のリップギャップの幅を調整することで可能と
なる。なお、発泡剤が完全に溶解しないでダイより押し
出された場合は、シート中に大きな気泡を発生させ延伸
工程での破断の原因となる。
【0020】また、安定した微細な発泡を行うために発
泡助剤や発泡核剤を添加することができる。これら発泡
助剤や発泡核剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩
化カリウムなどの塩化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、炭酸アルミニウムなどの炭酸塩、酸化マグネシ
ウム、酸化アルミニウムなどの酸化物などに代表される
無機化合物や、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
カリウム、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸ナト
リウム、モンタン酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸
亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、カプリル酸
ナトリウム、ミスチリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリ
ウム、テレフタル酸ナトリウム、イソフタル酸ナトリウ
ム、フタル酸ナトリウムなどに代表される有機化合物な
どが例示される。これらは複数を併用することもでき
る。これら発泡助剤や発泡核剤は、通常、ポリエステル
樹脂とともに発泡成形機に導入するが、予めポリエステ
ル樹脂中に含有されていてもよい。
【0021】本発明において、口金より吐出されたシー
トは、速やかに冷却ドラム上で急冷固化させることが重
要である。急冷固化が遅いと気泡が成長し、大きな気泡
となるともに気泡密度が下がる。延伸工程において、冷
却固化シートをTg−10℃からTc−10℃の温度範
囲で面積倍率にして通常1.1倍から50倍、好ましく
は6倍から30倍の範囲で長手方向(縦方向)および/
または幅方向(横方向)に延伸する。延伸方法として
は、用途に応じて一軸延伸でもよいし、二軸延伸でもよ
い。二軸延伸を行う場合には、逐次二軸配向延伸、同時
二軸配向延伸、それらを組み合わせた延伸、いずれであ
ってもよい。なお、逐次二軸延伸の場合は、一般には縦
方向に延伸した後、横方向に延伸する方法が好ましく採
用される。縦および横方向に延伸する際、各々一段延伸
でもよいが、多段延伸であってもよい。
【0022】本発明において、延伸した後、通常150
〜230℃の温度で熱固定処理を施す。熱固定処理を施
さない場合、熱収縮率が大きくなる。熱固定処理を行っ
ている間は延伸が緩和しない状態であることが好まし
く、通常はロールやテンター等によって端部を把持しつ
つ熱固定処理を行うことが望ましい。ただし、延伸した
後に若干の弛緩を伴って熱固定処理を行ってもよい。得
られたフィルムは連続して、または一旦ロール上に巻き
取った後、必要に応じ、次の粘着層の塗布工程に移され
る。粘着層を設ける塗布方法としては、リバースロール
コート法、グラビアロールコート法、ロッドコート法な
ど用いることができる。粘着層の厚みは目的にもよる
が、一般的に0.5以上20μm以下である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。本発明で用いた測定法
および用語の定義は次のとおりである。
【0024】(1)気泡含有割合 フィルムの断面の表層付近を走査型電子顕微鏡で写真撮
影した後、表層から深さ3μmまでの厚み方向3μmフ
ィルム延伸方向10μmの領域について画像解析装置で
画像処理を行い、気泡の占める面積の割合を求め50個
の領域について平均した。
【0025】(2)見かけ密度 フィルムの任意の部分から10cm×10cmサイズの
正方形のサンプルを切出し、マイクロメータで任意の点
9点の平均厚みを測定して体積を求めた後、当該フィル
ムサンプルの重量を計量して、1cm当たりの重量を
見かけ密度とした。測定は5つのサンプルについて行
い、その平均値を測定値とした。それぞれの層厚み測定
後、フィルム表面の層Bをミクロトームにて切削し、密
度勾配管を用いてB層の密度を測定し、それぞれの層の
密度値を算出した。
【0026】(3)引張破断強度 (株)インテスコ製引張試験機インテスコモデル200
1型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節され
た室内において、チャック間距離50mm、幅15mm
の試料フィルムを200mm/分の速度で引張り、応力
−ひずみ曲線より破断点の応力を求め、試料フィルムの
断面積で除して引張破断強度とした。試料フィルムは縦
方向と幅方向で採取し測定し、得られた値を平均して引
張破断強度とした。
【0027】(4)光沢度 JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢
度)によって、B層表面のMD方向に光を入射して測定
した。なお測定面はキャスト面(キャストロール接触面
側)に相当した。測定数nは3とし、その平均値を算出
した。)
【0028】(5)表面外観 フィルム表面が目視観察で一様で均一な場合でかつフィ
ルム断面の観察で表層部分の厚み3μmの範囲が発泡層
と連続して一体化している場合を○、それ以外の表面に
模様が観察されたもの、あるいは気泡含有割合の測定で
気泡含有率が20%以上の領域が1箇所以上観察された
場合を×とした。
【0029】(6)表面剥離性 粘着テープ(18mm幅、ニチバン製セロテープ(登録
商標))を用い、剥離テストにより表面剥離性を評価し
た。長さ5cmの粘着テープをフィルム表面に貼り、そ
の後ゆっくりと粘着テープを剥がし、粘着テープの粘着
剤に移行しフィルムィルムの剥離物を観察し、以下の基
準で評価した。 ○:フィルム剥離物が観察されない △:剥離物が僅かに認められる(テープ面積の10%以
下) ×:剥離物が、多く認められる(テープ面積の10%を
超える)
【0030】実施例および比較例で使用したポリエステ
ル樹脂原料の内容は、以下に示すとおりである。 ・ポリエステル樹脂原料a:ジカルボン酸単位がテレフ
タル酸99.5モル%、ピロメリット酸0.5モル%か
らなり、ジオール単位がエチレングリコール97.3モ
ル%、ジエチレングリコール2.7モル%からなる、極
限粘度1.5dl/gである熱可塑性ポリエステル樹
脂。 ・ポリエステル樹脂原料b:平均粒径2μmの無定型シ
リカ粒子を0.1重量%含有するポリエチレンテレフタ
レート樹脂。 ・ポリエステル樹脂原料c:平均粒径0.3μmの酸化
チタン粒子を2重量%含有するポリエチレンテレフタレ
ート樹脂
【0031】実施例1 ポリエステル樹脂原料aを170℃3時間乾燥した後、
これを290℃に設定したメイン押出機に投入し、途
中、押出機バレルの後半1/3の部分より、発泡剤とし
てブタンを0.4重量%となるように注入し、ダイから
吐出される迄に260℃まで冷却した。一方、ポリエス
テル樹脂原料cを170℃3時間乾燥した後、これを2
90℃に設定したサブ押出機に投入し、溶融した樹脂を
押出口金内においてメイン押出機の溶融樹脂を層流状で
発泡接合積層させて押出口金から吐出した。ダイから押
出された発泡体を、ダイリップから5cm下に位置する
表面温度20℃に設定した冷却ロールに密着させて冷却
固化した。かくして得られた未延伸積層発泡フィルムを
縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃(I
Rヒーター付与)で2.5倍延伸した後、さらに97℃
(IRヒーター付与)で1.2倍延伸し、テンターに導
き120℃で横方向に3.0倍延伸して二軸配向フィル
ムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定
ゾーンに導き、200℃で5秒間幅方向に3%弛緩させ
ながら熱固定した。厚み100μmのフィルムを得た。
【0032】実施例2 実施例1のフィルムの片面に下記組成のアクリル系粘着
剤を塗工した。 粘着剤層組成 アクリル系粘着剤(n−ブチルアクリレートとアクリル
酸との共重合体)100部、ウレタンアクリレート系オ
リゴマー(分子量3000〜10000)100部、ジ
イソシアネート硬化剤25部、p−クロロベンゾフェノ
ン10部
【0033】実施例3 ポリエステル原料cのかわりにポリエステル原料bをサ
ブ押出機に投入したほかは、実施例2と同様にして厚み
100μmのフィルムを得た。
【0034】比較例1 メイン押出機には、ポリエステルと非相溶のメルトフロ
ーインデックスが5の結晶性ポリプロピレンホモポリマ
ーを8.0重量%とポリエステル樹脂原料bを92重量
%を混合した原料を投入し、発泡剤を使用せず、またダ
イから吐出されるまでの温度は290℃に保ったこと以
外は実施例1と同様にして、厚み80μmのフィルムを
得た。
【0035】比較例2 発泡剤を注入しなかったほかは実施例1と同様にし、厚
み50μmのフィルムを得た。 比較例3 サブ押出機を用いず、メイン押出機のみでフィルムを製
膜したほか実施例1と同様にし、厚さ80μmのフィル
ムを得た。
【0036】比較例4 ブタン注入量を1.6重量%としたほかは比較例3と同
様にし、厚さ150μmのフィルムを得た。 比較例5 実施例1で、冷却固定した未延伸フィルムを比較例5の
フィルムとした。フィルムにしなやかさがなかった。得
られた実施例のフィルムの物性、性能を下記表1に、比
較例のフィルムの物性、性能を下記表2に示す。
【0037】
【表1】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の粘着層を設けた微細気泡含有ポ
リエステルフィルムは、表面外観、表面剥離強度や光沢
性、白色性に優れており、特にラベル、ポスター、記録
紙、包装材料、薬用貼り付剤基材、人工皮革基材などに
好適に使用することができ、その工業的価値は高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F074 AA65 BA32 BA33 BA36 BA37 BA39 BA40 BA53 CA01 CA22 CB52 CC02Z DA02 DA19 DA33 DA38 4F100 AK25G AK41A BA02 BA07 DJ01A EJ37A GB15 GB90 JA13A JK01A JL13B JN21A YY00A 4F210 AA24 AB02 AF14 AG01 AH54 AH81 QA02 QA03 QC06 QG01 QG12 QG15 QG18 QW12 4J004 AA05 AA06 AA07 AA09 AA10 AA14 AB01 CA06 CB04 CC02 CE01 FA06 GA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を
    実質的に含有しない少なくとも1軸に延伸された微細気
    泡含有フィルムであり、見かけ密度が0.3〜1.3g
    /cm以下であり、フィルム表面から深さ3μmまで
    の気泡含有割合が10%以下であり、破断強度が25M
    Pa以上であることを特徴とする微細気泡含有ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムの光沢度が50%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の微細気泡含有ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも片面に粘着層を有することを
    特徴とする請求項1または2記載の微細気泡含有ポリエ
    ステルフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008942A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Mitsubishi Chemicals Corp 多孔性延伸樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2014058688A (ja) * 2013-11-29 2014-04-03 Nitto Denko Corp 発泡部材
US20160053434A1 (en) * 2014-08-22 2016-02-25 San Fang Chemical Industry Co., Ltd. Composite filament textile and environment-friendly composite filament artificial leather manufactured using the same

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