JP2003127064A - 立体マスク及びこれを用いた加工方法並びにこの立体マスクの製造方法 - Google Patents
立体マスク及びこれを用いた加工方法並びにこの立体マスクの製造方法Info
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Abstract
ストによって被加工面23を加工する際に被加工面23
上に固定され、被加工面23からのギャップ24の異な
る第一及び第二のマスクパターンが形成されたものであ
る。第一のマスクパターンは複数の金属ワイヤー33か
らなり、第二のマスクパターンは複数の直方体状の感光
性乳剤34からなる。粘性流を用いた研磨加工におい
て、被加工面23とのギャップ24を有する立体マスク
30を用いることにより、ギャップ24領域での粘性流
の速度分布を利用して、工数の増加を伴わず深さの異な
る加工パターンを一括して製作できる。
Description
流を噴射して被加工面を加工する際に、当該被加工面上
に固定されるマスク(本発明では「立体マスク」と呼
ぶ。)、立体マスクを用いた加工方法、及び立体マスク
の製造方法に関する。例えば、本発明は、プラズマディ
スプレイにおける表示パネルの隔壁パターンを加工する
際に用いられる技術である。
は、空気及び研磨剤を用いた固気二相流のサンドブラス
トが一般的である。被加工物上にマスクパターンを形成
後、サンドブラストによりパターン加工を行う代表的な
加工物としては、表示パネルの基板上に形成される放電
セルパターンが知られている。
上に高さの異なる加工パターンを形成する方法として
は、特開2000−123747号公報に開示された、
基板上に低い加工パターン用の被加工材及びマスクパタ
ーンを形成後、更に高い加工パターン用に被加工材及び
マスクパターンを再度形成した後、サンドブラストを行
い、高い加工パターン及び低い加工パターンを形成する
方法がある。また、特開平7−45191号公報に開示
された、基板上に低い加工パターン用の被加工材及びマ
スクパターンを形成後、更に高い加工パターン用に被加
工材を形成し、低いマスクパターンと重ならないように
高いマスクパターンを形成した後、サンドブラストを行
い、低い加工パターン及び高い加工パターンを形成する
方法がある。
ネルの基板上に高さの異なる加工パターンを形成する方
法としては、特開平7−282730号公報に開示され
た、マスクパターン形成、サンドブラスト加工及び乾燥
を交互に繰り返して、低い加工パターン及び高い加工パ
ターンを形成する方法がある。
ネルの基板上に高さの異なる加工パターンを形成する方
法としては、基板上に低い加工パターンを感光性ガラス
ペーストで形成し、次いで被加工材及びマスクパターン
を形成し、サンドブラストを行い、低い加工パターン及
び高い加工パターンを形成するという方法がある。
有する加工パターンを形成する方法としては、特開平1
0−321148号公報に開示された、転写シートを利
用して低い加工パターン及び高い加工パターンを形成す
る方法がある。
ーンを有する加工パターンとしては、特開平11−31
7170号公報に開示された、印刷法を用いて整形した
低い加工パターン及び高い加工パターンを井桁に交差さ
せ放電空間を形成する加工パターンがある。
術では以下のような問題点を有する。
開平7−45191号公報に開示された、低い加工パタ
ーン用の被加工材及びマスクパターン並びに高い加工パ
ターン用の被加工材及びマスクパターンを基板上に積層
する方法では、被加工材の塗布工程とマスクパターンの
形成工程とを二回繰り返す必要があるので、工数が増加
する。これに加え、低い加工パターン用マスクパターン
の剥離時に低い加工パターンのマスクによって、高い加
工パターンが損傷を受け欠陥が発生するという問題点が
ある。このとき、焼成によりマスクパターンを取り除い
たとしても、燃え残りにより欠陥が発生するという別の
問題点がある。
た、マスクパターン形成、サンドブラスト加工及び乾燥
を交互に繰り返して、低い加工パターン及び高い加工パ
ターンを形成する方法では、被加工材の塗布工程、マス
クパターンの形成工程及びサンドブラストによる研磨工
程を複数回繰り返す必要があるので、工数が増加すると
ともに位置調整が困難になるという問題点がある。
ペーストで形成し、次いで被加工材及びマスクパターン
を形成し、サンドブラストを行い低い加工パターン及び
高い加工パターンを形成する方法では、感光性ガラスペ
ーストによるパターン形成工数が新たに増えるととも
に、マスク位置合わせが困難になるという問題点があ
る。
工数が増加し、それによるコストアップが発生するとい
う問題点がある。
れた、転写シートを利用して、低い加工パターンの断面
形状が傾斜を有する加工パターンを形成する転写法で
は、転写シートを作成する金型に、傾斜部を作成するこ
とが困難であるため、複雑な形状に対応できないという
問題点がある。
れた、印刷法を用いて整形した低い加工パターン及び高
い加工パターンを井桁に交差させ放電空間を形成する方
法では、少なくとも二種類以上の印刷用版を使用して十
数回印刷及び乾燥を繰り返す必要があるので、位置精度
を出すのが困難であるとともに、工程数の増加によるコ
ストアップが発生するという問題点がある。
び高い加工パターンを簡単に形成できる立体マスク及び
これを用いた加工方法、並びにこの立体マスクの製造方
法を提供することを目的とする。
は、研磨剤を含む粘性流を噴射して被加工面を加工する
際に当該被加工面上に固定され、前記被加工面からのギ
ャップの異なる少なくとも二つのマスクパターンが形成
されたものである(請求項1)。前記マスクパターンは
前記ギャップの異なる第一及び第二のマスクパターンか
らなり、前記第一のマスクパターンは互いに平行な複数
の直線状であり、前記第二のマスクパターンは前記第一
のマスクパターンに直交するとともに互いに平行な複数
の直線状である、としてもよい(請求項2)。このと
き、前記直線状の全部又は一部が円柱状である、として
もよい(請求項3)
体マスクを被加工面上に固定し、研磨剤を含む粘性流を
噴射して前記被加工面を加工する方法であって、前記被
加工面を加工する時に、前記立体マスクの前記被加工面
側に発生する前記粘性流の渦領域を利用するものである
(請求項4)。このとき、前記被加工面を加工する時
に、前記粘性流を当該被加工面に対して斜めに噴射す
る、としてもよい(請求項5)
の一部又は全部が、被加工面に非接触で、被加工面とマ
スクパターンとの間のギャップ(距離)が異なる空間を
有する立体的なマスクパターンを用いる。そして、立体
的なマスクパターンを被加工面上に設置し、立体的なマ
スクパターン上に粘性流を被加工面に対して垂直又は斜
め方向から噴射して研磨加工を行う。本発明によれば、
高さの異なる加工パターンを少なくとも二つ以上有し、
少なくとも一方の加工パターンの断面形状が三角形であ
るパターン加工物を形成することができる。
ラスト加工に用いれば、高さの異なるパターンを一括し
て作成できるとともに、従来のサンドブラスト加工に必
要であった、被加工物へのドライフィルム・フォトレジ
スト(以下「DFR」という。)の貼り付け、露光、現
像、剥離工程が不要となるので、コスト削減に効果があ
る。
は、進行方向に向かって左右は対称であるが、前後には
対称ではない。円柱の背面で流れが円柱から剥離し、対
称な二つの渦(双子渦)が定在的に形成される。Aは写
真中の一点鎖線a、Bは写真中の一点鎖線b、Cは写真
中の一点鎖線c、におけるそれぞれの流速の分布を示
す。一点鎖線aにおける流速は、円柱背面に双子渦が発
生するため、中心線近傍で逆流し、中心線から離れるに
従って、本来の進行方向に向い、かつ大きくなる。一点
鎖線bにおける流速は、渦の収まった地点であるため中
心線近傍で停滞し、中心線から離れるに従って徐々に大
きくなっている。一点鎖線cにおける流速は、渦が収ま
っているものの円柱による影響(境界層や剥離などによ
る)が残っているため、中心線付近で小さく、中心線か
ら遠ざかるに従って徐々に大きくなる。本発明では、円
柱後部から渦が消えるまでの距離を渦領域長1と定義し
た。
2と被加工物4とのギャップ31,32の違いにより、
形成される隔壁形状81,82の違いを示す。円柱2
は、ワイヤーからなる横隔壁用マスクである。被加工物
4は基板5上に形成されている。ノズルから噴出された
研磨剤及び圧送エアーの固気二相流7は、円柱2の表面
において左右に分かれ、円柱2の側面に沿って進んだ
後、円柱2から離れる。そして、固気二相流7は、離れ
た後、双子渦を形成し、再び一体となって流れる。
に位置する場合である。このとき、被加工物4における
固気二相流7の中心線近傍では、固気二相流7が渦を巻
いているため、被加工物4を研磨できない。そして、そ
の中心線から離れるに従って、固気二相流7の流速が増
加するため、研磨された隔壁形状81は切り立った台形
となる。ギャップ31は、例えば40μmである。
に位置する場合である。このとき、被加工物4における
固気二相流7の中心線近傍では、渦による流れ方向の変
動がないものの、円柱2の影響による流速分布が存在す
る。そして、その中心線から離れるに従って除々に固気
二相流7の流速が増加するので、研磨された隔壁形状8
2は三角形となる。ギャップ32は、渦領域長1よりも
大きく、例えば200μmである。
る隔壁の形成では、マスク背面での流速分布が影響す
る。したがって、加工レートを変化させて高さの異なる
隔壁を形成するには、立体マスクと被加工物とのギャッ
プを調整すればよい。立体マスク背面でのギャップが双
子渦の渦領域長よりも長いければ長いほど、加工レート
が増大するので、隔壁の高さが低くなる。隔壁の高さの
調整は、立体マスクと被加工物面とのギャップの調整、
及び研磨剤の圧送圧の調整により、双子渦の長さを変え
ることで対応可能となる。本発明によれば、異なるギャ
ップを有する立体マスクを用いることで、一度のブラス
ト加工で、加工レートの異なる領域を発生できるため、
高さの異なる隔壁の一括形成が可能となる。
スク)を用いた傾斜加工による加工曲線61(実線)
と、立体マスク12(本発明のマスク)を用いた傾斜加
工による加工曲線62(破線)とを示す。傾斜加工と
は、研磨剤噴射方向13を斜めにして被加工物4を加工
する技術をいう。平面マスク11及び立体マスク12
は、DFRからなる横隔壁用マスクである。平面マスク
11は被加工物4とのギャップが零であるのに対し、立
体マスク12は被加工物4とのギャップ3が零を越えた
値である。立体マスク12を用いることで、加工曲線6
2は研磨剤噴射方向13の水平成分側へのシフトが発生
する。このシフトを利用し、左右から均一な傾斜加工を
行うことで、高さの異なる隔壁の形成が可能となる。
工の概念図を示す。立体マスクの一部である円柱2の左
右両側から研磨剤噴射方向13,14を斜めにして、被
加工物4を加工する。すると、この傾斜加工により加工
曲線6は左右にシフトが発生するので、左右の加工曲線
6の交差部を頂点とする三角形15の断面が形成され
る。三角形6の斜面は、加工曲線6に沿った曲面を示し
ている。
は、マスクを立体化したことにより発生した加工曲線の
シフト効果によるものであり、隔壁の高さは立体マスク
のギャップ長と研磨剤の噴射角度とにより決定される。
断面形状の一部又は全部が円形である、としてもよい。
マスクの断面形状が円又は半円をしていた場合、剥離流
が下方に発生することにより、渦領域が小さくなる。す
なわち、立体マスクのギャップを短くできるため、立体
マスクの作成が容易となる。
は、本発明に係る立体マスクを製造する方法であって、
感光性乳剤の中に高さ及び方向を設定したワイヤーを張
り、前記感光性乳剤を乾燥、露光及び現像して立体的な
マスクパターンを形成する、ものである(請求項6)。
に高さと方向を設定したワイヤーを張り、これを乾燥
後、露光及び現像して立体マスクパターン形成すること
を特徴としている。本発明によれば、ワイヤーの高さと
方向を変えることで立体的な構造を容易に形成できる。
また、感光性乳剤を、ワイヤーの固定材料として使用で
きるとともに、マスクとしても使用できる。更に、感光
性乳剤を用いることで、パターン化が容易となり、量産
性に優れた立体マスクを提供できる。感光性乳剤は弾力
性があるため立体マスクの耐サンドブラスト性を向上さ
せ、ワイヤーは立体マスクの形状及び寸法安定性を高め
る効果がある。
は、本発明に係る立体マスクを製造する方法であって、
フィルムの両面にDFRを貼り付け、それぞれのDFR
に異なるパターンを露光及び現像し、これらのDFRを
マスクとして前記フィルムをエッチングすることにより
立体的なマスクパターンを形成する、ものである(請求
項7)。
にDFRを貼り付け、一面ずつ異なるパターンを露光及
び現像により形成後、エッチングによりフィルムの両面
に片面ずつ異なるパターンを形成するとともに、共通エ
ッチング領域を貫通させることで、所望のパターンを形
成する。本発明によれば、一度のエッチング工程で、両
面に異なるパターンを形成できるとともに、フィルム両
面のパターンの共通パターン領域を貫通させることで、
立体的マスクを形成できる。また、フィルムのエッチン
グ用マスクとして使用したフォトレジストを、耐サンド
ブラスト用のマスクとして使用できる。フィルムは立体
マスクの形状と寸法の安定性に寄与し、フォトレジスト
は耐サンドブラスト性を向上させる複合的な効果が現れ
る。
は、本発明に係る立体マスクを製造する方法であって、
メッシュフィルム上にフォトレジスト膜を形成し、前記
フォトレジスト膜に直線状のマスクパターンを露光及び
現像して立体的なマスクパターンを形成する、ものであ
る(請求項8)。
作成したメッシュフィルム上にフォトレジストを貼り付
け、このフォトレジストを露光及び現像することで、所
望のパターンを形成することを特徴としている。本発明
によれば、メッシュパターンと異なるパターンを有する
フォトレジストパターンを形成することで、立体的構造
を容易に形成できる。また、メッシュフィルムは立体マ
スクの形状と寸法の安定性に寄与し、フォトレジストは
耐サンドブラスト性を向上させる複合的な効果がある。
また、エッチングによるメッシュの作成及びフォトレジ
ストによるパターン形成は、通常の露光現像技術を用い
て寸法精度に優れた立体マスクを容易に提供できるた
め、量産性にも優れる。
体マスク及びこれを用いた加工方法の第一実施形態を示
す斜視図である。以下、この図面に基づき説明する。
ラストによって被加工面23を加工する際に被加工面2
3上に固定され、被加工面23からのギャップ24の異
なる第一及び第二のマスクパターン(後述)が形成され
たものである。第一のマスクパターンは互いに平行な複
数の金属ワイヤー33からなり、第二のマスクパターン
は金属ワイヤー33に直交するとともに互いに平行な複
数の直方体状の感光性乳剤34からなる。金属ワイヤー
33は、断面が円形で直径が150μmである。金属ワ
イヤー33と被加工面23とのギャップ24は、渦領域
長以上の200μmである。
トの研磨剤に炭酸カルシウム、被加工物20にガラスと
フィラーとの混合ペーストを用い、被加工面23に対し
て垂直方向から研磨剤25を噴射して研磨加工を行い、
低い加工パターン26と高い加工パターン27とを形成
した。
塗布し、これを乾燥させる[図4(a)]。続いて、被
加工面23上に立体マスク30を設置する[図4
(b)]。続いて、ガラス基板10上と立体マスク30
とに刻まれている十字マーカで位置合わせを行った後、
真空吸着により立体マスク30を被加工面23上に固定
する[図4(c)]。
らサンドブラストによる研磨加工を行う[図5
(d)]。続いて、真空吸着を解除した後、被加工面2
3と立体マスク30とを切り離す[図5(e)]。これ
により、低い加工パターン26と高い加工パターン27
とが形成され、二段階隔壁が完成する[図5(f)]。
低いパターン26の断面形状は二等辺三角形、高いパタ
ーン27の断面形状は等脚台形となっている。
工物20にガラスとフィラーとの混合ペーストを使用し
たが、研磨剤25と被加工物20との組み合わせは限定
されるものではない。金属ワイヤー33の断面形状は、
半円形状、四角、三角であってもよい。また、サンドブ
ラストの代わりに液体ホーニングを用いてもよい。液体
ホーニングとは、研磨剤と水とを混合した液体をノズル
から圧縮空気と一緒に被加工物に噴射して、被加工物を
加工する技術をいう。低い加工パターン26の断面形状
は、立体マスク30の隣り合う金属ワイヤー33の間隔
を狭めることで、M字形又は台形とすることもできる。
金属ワイヤー33の素材は、SUS、ステンレス、銅、
真鍮などの金属材料に限定されるものではなく、ケプラ
ー(アラミド繊維)、カーボン等の非金属材料であって
もよい。また、加工の深さを二種類としたが、三種類以
上としてもよい。
及びこれを用いた加工方法の第二実施形態を示す断面図
である。以下、この図面に基づき説明する。ただし、図
4及び図5と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明
を省略する。
イヤー33と被加工面23とのギャップ24を渦領域長
以下の40μmとしている。本実施形態の加工方法で
は、被加工面23に対して垂直方向から±15度傾けた
左右二方向から、時間をずらして研磨剤25を噴射する
ことにより研磨加工を行い、高い加工パターン21と低
い加工パターン22とを形成する。
塗布し、これを乾燥させる[図6(a)]。続いて、被
加工面23上に立体マスク30を設置する[図6
(b)]。続いて、ガラス基板10上と立体マスク30
とに刻まれている十字マーカで位置合わせを行った後、
真空吸着により立体マスク30を被加工面23上に固定
する[図6(c)]。
方向からサンドブラストによる研磨加工を各々一回ずつ
行う[図7(d)]。続いて、真空吸着を解除した後、
被加工面23と立体マスク30とを切り離す[図7
(e)]。これにより、高い加工パターン21と低い加
工パターン22とが形成され、二段階隔壁が完成する
[図7(f)]。このとき、低い加工パターン22の断
面形状は二等辺三角形状となっており、その斜面は曲線
を示す。
の製造方法の第一実施形態を示す斜視図である。以下、
この図面に基づき説明する。
固定用に、V字溝110を有する底の無いの型枠100
と可動式の底板101とを用意する[図8(a)]。続
いて、型枠100のV字溝110に金属ワイヤー120
を張り巡らす[図8(b)]。続いて、感光性乳剤13
0を型枠100に流し込んだ後、これを乾燥及び硬化さ
せる[図8(c)]。
に感光性乳剤130を取り出す[図9(d)]。続い
て、露光マスク140を感光性乳剤130上に設置後、
露光マスク140を通して感光性乳剤130に紫外線1
41を照射し、感光性乳剤130に潜像を形成する[図
9(e)]。最後に、過酸化水素水(オキシフル)によ
って感光性乳剤130を現像することで、立体マスク1
42を得る[図9(f)]。立体マスク142は、互い
に平行な複数の金属ワイヤー120からなるマスクパタ
ーン143と、金属ワイヤー120に直交するとともに
互いに平行な複数の直方体状の感光性乳剤130からな
るマスクパターン144とを備えている。
板101にガラス基板、感光性乳剤130にジアゾ系乳
剤、金属ワイヤー120に直径150μmの銅線をそれ
ぞれ用いた。露光用マスク140は、ストライプパター
ンのエマルジョンマスクを用いた。なお、本実施形態で
は露光を片面からのみ行ったが、露光用マスク140を
感光性乳剤130の上下両面に設置後、紫外線141を
照射して感光性乳剤130に潜像を形成してもよい。
おける立体マスクの他の例を示す斜視図である。以下、
この図面に基づき説明する。
ワイヤー120を立体的に直交させて作成したものであ
る。図10(b)の立体マスク146は、金属ワイヤー
120を平面上で直交させて作成したものである。いず
れも、金属ワイヤー120を直交させることで機械的強
度が増すので、立体マスクの寿命が増すとともに、寸法
精度が向上する。
スクの製造方法の第二実施形態を示す概略図である。以
下、この図面に基づき説明する。
ムのエッチングにより形成する製造方法を示す。まず、
SUS304(厚さ0.3mm)からなる金属フィルム
210の両面に、アルカリ現像が可能で耐酸性を有する
レジストとして、日本合成化学(株)製NIT625の
DFR211,212をラミネートする[図11
(a)]。続いて、メッシュの縦ストライプのピッチを
0.27mm、縦ストライプの幅を0.07mm、横ス
トライプのピッチを0.54mm、横ストライプの幅を
0.15mmに設定した露光用エマルジョンマスク22
1と、縦ストライプのピッチを0.27mm、縦ストラ
イプの幅を0.07mmに設定した露光用エマルジョン
マスク222とを用意した。続いて、露光用エマルジョ
ンマスク220,221を通してDFR211,212
に紫外線230を照射することにより、DFR211,
212を露光する[図11(b)]。
炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液をDFR211,
212に噴射する。これにより、金属フィルム210の
両面に、メッシュパターンを有するDFR211とスト
ライプパターンを有するDFR212とを形成する[図
12(c)]。続いて、スプレー式エッチング装置25
0を用い、塩酸水溶液からなるエッチング液をDFR2
11,212を通して金属フィルム210の両面に噴射
する。このエッチングにより、一方の面のメッシュの網
目部分と他方の面の横ストライプ部分とが除去され、網
目部分を貫通孔とし、横ストライプ部分をハーフエッチ
ングとすることで、厚みの異なる縦ストライプパターン
と横ストライプパターンとが形成される。これにより、
立体マスク260が得られる[図12(d)]。このと
き、残ったDFRパターンは剥離液で除去してもよい
が、そのまま残して耐サンドブラスト用の保護フィルム
としてもよい。
縦ストライプパターンの厚みが0.3mm、横ストライ
プパターンの厚みが0.1mmで、被加工面からのギャ
ップが0.2mmの立体マスク260を作成した。本実
施形態による立体マスクの製造方法を用いると、縦スト
ライプパターンと横ストライプパターンとの厚みの違い
は、金属フィルム210の厚さとエッチング量によって
調整可能である。
両面を同時に行ったが、片面ずつでも、又は両面を同時
にエチングを始めて、片面のエッチング深さが設定量に
達した後、一方を停止して、他方の面だけエッチングを
行なってもよい。金属フィルム210は、ステンレス、
42アロイ、426アロイ、銅、銅合金、鉄、鉄ニッケ
ル合金、アルミニウム等の単層フィルム又は各種の金属
を積層した多層フィルムであってもよい。また、金属フ
ィルム210に代えて、エッチング可能な素材であれば
有機物材料であってもよい。DFR211,212に代
えて、液体レジストであってもよい。
スクの製造方法の第三実施形態を示す平面図及び右側面
図である。以下、この図面に基づき説明する。
ルムにレジスト層を形成し、露光・現像によりストライ
プパターンを形成することで、立体的マスクを製造する
方法である。まず、メッシュパターンのDFRをフィル
ム両面に形成し、エッチングを行うことにより、メッシ
ュフィルム301を準備する[図13(a)]。続い
て、メッシュフィルム301の片面に、被加工面からの
ギャップに相当する厚みのDFR302を貼り付ける
[図13(b)]。
を通してDFR302に紫外線305を照射することに
より、DFR302を露光する。これにより、DFR3
02にストライプ状の潜像を形成する[図14
(c)]。最後に、DFR302を現像することによ
り、立体マスク304が完成する[図14(d)]。本
実施形態によれば、DFR302の厚みを変えるだけ
で、簡単に被加工面からのギャップを調整できる。
mmのSUS304を用い、メッシュの縦ストライプの
ピッチを0.27mm、縦ストライプの幅を0.07m
m、横ストライプのピッチを0.54mm、横ストライ
プの幅を0.15mmに設定した露光用エマルジョンマ
スクを用いて、メッシュフィルム301を準備した。ま
た、DFR302の厚さは、旭化成工業(株)製APD
−401のDFRを1枚のみとした40μmのものと、
これを5枚積層して200μmとしたものの二種類を用
意した。露光用エマルジョンマスク303には、縦スト
ライプのピッチを0.27mm、縦ストライプの幅を
0.07mmに設定したものを用いた。現像工程では、
炭酸ナトリウム水溶液を噴射するスプレー式現像機を用
いた。
工面からのギャップの異なる少なくとも二つのマスクパ
ターンが形成されていることにより、研磨剤を含む粘性
流の流れが前記ギャップの大きさに応じて変わるので、
異なる高さの加工パターンを同時に形成できる。
係る立体マスクを用いるとともに研磨剤を含む粘性流の
渦領域を利用することにより、粘性流の速度が渦領域の
内外で顕著に変化することから、異なる高さの加工パタ
ーンを同時にかつ容易に形成できる。
によれば、感光性乳剤の中に高さ及び方向を設定したワ
イヤーを張り、感光性乳剤を乾燥、露光及び現像するこ
とにより、ワイヤーの高さと方向を変えることで立体的
な構造を容易に形成できる。また、感光性乳剤を、ワイ
ヤーの固定材料として使用できるとともに、マスクとし
ても使用できる。更に、感光性乳剤を用いることで、パ
ターン化が容易となり、量産性に優れた立体マスクを提
供できる。
によれば、本フィルムの両面にDFRを貼り付け、それ
ぞれのDFRに異なるパターンを露光及び現像し、これ
らのDFRをマスクとして前記フィルムをエッチングす
ることにより、一度のエッチング工程で、両面に異なる
パターンを形成できるとともに、フィルム両面のパター
ンの共通パターン領域を貫通させることで、立体的マス
クを形成できる。また、フィルムのエッチング用マスク
として使用したフォトレジストを、耐サンドブラスト用
のマスクとして使用できる。
によれば、メッシュフィルム上にフォトレジスト膜を形
成し、前記フォトレジスト膜に直線状のマスクパターン
を露光及び現像して立体的なマスクパターンを形成する
ことにより、メッシュパターンと異なるパターンを有す
るフォトレジストパターンを形成することで、立体的構
造を容易に形成できる。また、メッシュフィルムは立体
マスクの形状と寸法の安定性に寄与し、フォトレジスト
は耐サンドブラスト性を向上させる複合的な効果があ
る。また、エッチングによるメッシュの作成及びフォト
レジストによるパターン形成は、通常の露光現像技術を
用いて寸法精度に優れた立体マスクを容易に提供できる
ため、量産性にも優れる。
いた加工方法によれば、粘性流を用いた研磨加工におい
て、被加工面とのギャップを有する立体マスクを使用す
ることで、ギャップ領域での粘性流の速度分布を利用し
て、工数の増加を伴わず深さの異なる加工パターンを一
括して製作できる。本発明に係る立体マスクの製造方法
によれば、金属ワイヤーと感光性乳剤を用いることで、
被加工面とのギャップを有する立体マスクを安価にかつ
大量に供給できる。また、本発明にに係る立体マスクの
製造方法によれば、フィルムを両面から異なるパターン
でエッチングすることにより、被加工面とのギャップを
有する立体マスクを安価にかつ大量に供給できる。
あり、図2[1]はギャップが小さい場合、図2[2]
はギャップの大きい場合である。
[1]は一方向から研磨剤を噴射した場合、図3[2]
は二方向から研磨剤を噴射した場合である。
方法の第一実施形態を示す斜視図であり、図4(a)〜
図4(c)の順に工程が進行する。
方法の第一実施形態を示す斜視図であり、図5(d)〜
図5(f)の順に工程が進行する。
方法の第二実施形態を示す断面図であり、図6(a)〜
図6(c)の順に工程が進行する。
方法の第二実施形態を示す断面図であり、図7(d)〜
図7(f)の順に工程が進行する。
形態を示す斜視図であり、図8(a)〜図8(c)の順
に工程が進行する。
形態を示す斜視図であり、図9(d)〜図9(f)の順
に工程が進行する。
スクの他の例を示す斜視図であり、図10[1]は第一
例、図10[2]は第二例である。
施形態を示す説明図であり、図11(a)〜図11
(b)の順に工程が進行する。
施形態を示す説明図であり、図12(c)〜図12
(d)の順に工程が進行する。
施形態を示す平面図及び右側面図であり、図13(a)
〜図13(b)の順に工程が進行する。
施形態を示す平面図及び右側面図であり、図14(c)
〜図14(d)の順に工程が進行する。
立体マスク 20 被加工物 21,27 高い加工パターン 22,26 低い加工パターン 23 被加工面 33,120 金属ワイヤー 100 型枠 110 V字溝 130 感光性乳剤 140 露光用マスク 210 金属フィルム 211,212,302 DFR 221,222,303 露光用エマルジョンマスク 240 スプレー式現像機 250 スプレー式エッチング装置 301 メッシュフィルム
Claims (8)
- 【請求項1】 研磨剤を含む粘性流を噴射して被加工面
を加工する際に、当該被加工面上に固定され、 前記被加工面からのギャップの異なる少なくとも二つの
マスクパターンが形成された、 立体マスク。 - 【請求項2】 前記マスクパターンは前記ギャップの異
なる第一及び第二のマスクパターンからなり、 前記第一のマスクパターンは互いに平行な複数の直線状
であり、 前記第二のマスクパターンは前記第一のマスクパターン
に直交するとともに互いに平行な複数の直線状である、 請求項1記載の立体マスク。 - 【請求項3】 前記直線状の全部又は一部が円柱状であ
る、 請求項2記載の立体マスク。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の立体マスクを
被加工面上に固定し、研磨剤を含む粘性流を噴射して前
記被加工面を加工する方法であって、 前記被加工面を加工する時に、前記立体マスクの前記被
加工面側に発生する前記粘性流の渦領域を利用する、 加工方法。 - 【請求項5】 前記被加工面を加工する時に、前記粘性
流を当該被加工面に対して斜めに噴射する、 請求項4記載の加工方法。 - 【請求項6】 請求項1、2又は3記載の立体マスクを
製造する方法であって、 感光性乳剤の中に高さ及び方向を設定したワイヤーを張
り、 前記感光性乳剤を乾燥、露光及び現像して立体的なマス
クパターンを形成する、 立体マスクの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1、2又は3記載の立体マスクを
製造する方法であって、 フィルムの両面にドライフィルム・フォトレジストを貼
り付け、 それぞれのドライフィルム・フォトレジストに異なるパ
ターンを露光及び現像し、 これらのドライフィルム・フォトレジストをマスクとし
て前記フィルムをエッチングすることにより立体的なマ
スクパターンを形成する、立体マスクの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1、2又は3記載の立体マスクを
製造する方法であって、 メッシュフィルム上にフォトレジスト膜を形成し、 前記フォトレジスト膜に直線状のマスクパターンを露光
及び現像して立体的なマスクパターンを形成する立体マ
スクの製造方法。
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