JP4690896B2 - ブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及び太陽電池パネルの製造方法 - Google Patents

ブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及び太陽電池パネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜太陽電池に関し、特に、ブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及び太陽電池パネルの製造方法に関する。
透光性の基板上にシリコン系薄膜を積層して形成された薄膜シリコン系太陽電池(以下、「太陽電池パネル」ともいう)が知られている。図1は、従来の太陽電池パネルの製造方法の一工程に関わる斜視図である。
図1(a)は、太陽電池パネルの製造工程において、太陽電池モジュール150の基板151上に発電膜の薄膜層により形成した複数の発電セル156を集積化させ製造した状態を示している。この段階では、複数の発電セル156は、基板1の全面に設けられている。発電膜の薄膜層、複数の発電セル156の各々は、透明導電層、光電変換層及び裏面電極層を含む(図示されず)。次に、図1(b)に示すように、太陽電池モジュール150の周囲領域164に存在している発電セル156を含む発電膜の薄膜層を研磨により除去する。このように周辺領域164の薄膜を無くすことは、太陽電池モジュール150を封止するシート(例示:EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)と保護シートとなるバックシート、図示されず)と周辺領域164の露出した表面との接着性とシール性を向上させ、シートによる太陽電池モジュール150の外界に対する保護効果を向上するために重要である。周囲領域164の薄膜が充分に除去されずにいて接着強度が不十分だったり、薄膜が部分的に残留して接着部分に空洞が残留したり、薄膜を除去する際に基板151の露出部に基板の周りの辺と交わる方向に研磨による溝が生じていると、シートと基板151との間に毛細管現象を発生させる可能性のあるスジ(数10μm)が残留し、そこから発電セル156へ外部湿分が浸入して発電セル156を劣化させ、長期信頼性を低下させる要因となるからである。また、周囲領域164に透明導電層が残留していると、太陽電池モジュール150周囲に取り付けられたフレーム材との間で残留膜を経由して地絡し絶縁破壊を生じる場合もあり、残膜の無い膜除去技術が望まれる。
そのような周囲領域164の発電セル156の薄膜を研磨する方法として、ブラスト研磨処理で研磨除去する方法がある。その場合、図1(b)に示すように、周辺領域164を除く発電セル156をブラスト研磨用マスク101で保護しながら、周囲領域164に存在している発電セル156の薄膜をブラスト材で研磨して除去する。この場合、回転砥石を用いた研磨加工量の不均一が発生しやすいことと、砥石の寿命が短いことによる高コストの問題を解決できる。ブラスト研磨用マスク101としては、マスキングテープを用いることが多いが、量産処理としては、コストや取り扱いの容易さから板マスクが考えられる。板マスクは、薄い金属板である。脱着が容易で、マスクを複数回使用することができる等の有利な点を有する。ただし、マスクを複数回使用すると図1(c)に示すようにマスク表面に残留応力が発生することによる変形や磨耗が起きる、そのため位置決め精度が低くなり、マスクの密着が不十分な隙間にブラスト材が回込み不必要な部分を研磨することがある、などの問題があり、マスクの寿命が短く、マスク交換コストがかかっていた。これらの問題点を解決する技術が望まれる。
なお、周囲領域164の発電セル156の薄膜を研磨する方法として、回転砥石(例えば、幅3〜20mm、#400〜800の研磨材)で研磨除去する方法がある。回転砥石で研磨除去する方法の場合、発電セル156を含む発電膜の薄膜層の合計膜厚は数μm以下と薄く、回転砥石は加工中に目詰まりすることもあり、研磨量の制御が難しい。また、研磨後に膜膜が残存することを防止するためには基板151(ガラス)まで過剰に研磨を行う必要があり、基板151を傷付けて周辺強度を低下させる懸念があった。また、回転砥石は寿命が短く高価でランニングコストが高くなるという問題がある。
関連する技術として特許第3243227号公報に薄膜太陽電池モジュールが開示されている。この薄膜太陽電池モジュールは、透光性ガラス基板上に形成された、透明電極層、光半導体層および金属層の少なくとも一部を光ビームによる加工によって複数のセルに分離し、相互に電気的に集積化してなる。前記透光性ガラス基板の周端部全域における前記光半導体層および前記金属層、または前記透明電極層、前記光半導体層および前記金属層は、前記周端部の主面周縁から0.5mm以上にわたって機械的または光ビームにより除去されて、前記透明電極または前記透光性ガラス基板が露出し、この露出部に封止充填材が設けられているとともに、この機械的または光ビームにより除去された部分の内側には、光ビームにより、太陽電池活性部と前記周端部とを電気的に分離する絶縁分離線が形成されていることを特徴とする。ここでは、薄膜太陽電池モジュール周囲とEVAとの接着面を100μm以下の微粒子吹付けで除去することが記載されている。
特開2000−312018号公報に太陽電池モジュール及びその製造方法が開示されている。この太陽電池モジュールは、絶縁性を有する基板の一主面上に、第1電極と光電変換機能を有する半導体膜と第2電極とからなる光電変換部を備え、該光電変換部上に接着層によって導電性を有する裏面材が接着されてなる。前記接着層が絶縁性の材料からなり、且つ前記光電変換部の周側面を被覆して設けられていることを特徴とする。ここでは、薄膜太陽電池モジュール周囲とEVAとの接着面をマスク用保護膜(ゴムやエポキシ樹脂)で形成しブラスト研磨を行っている。
特開平11−198042号公報に石碑の可搬式銘文刻印装置が開示されている。この石碑の可搬式銘文刻印装置は、ベースと、該ベースを石碑にクランプして固定するためのクランプ装置と、サンドブラスト機の噴射ホースに連結されるものであって、石碑の銘文面に向けて、研磨粉を噴射する噴射ノズル本体と、前記ベースに取り付けられており、前記噴射ノズル本体を、上下に昇降させるとともに、左右に往復動させる縦横移動機構とからなることを特徴とする。石碑の文字のブラスト研磨用マスクにゴム板を切り抜いたものを使用している。
特開2005−186242号公報にサンドブラスト用マスク装置が開示されている。このサンドブラスト用マスク装置は、平滑な刻印対象面に刻印を施すためのサンドブラスト装置におけるノズルを包囲する外筒の先端に取り付けられるマスク装置である。刻印すべき形状に対応する形状の開口を備えた円盤状金属製のマスク本体と、このマスク本体の外周縁に離脱可能に内周縁部が嵌合しかつ外周縁部が前記サンドブラスト装置の外筒の先端に固定される環状の弾性支持部材とを具備する。前記弾性支持部材は、前記マスク本体が前記ノズルの軸線方向に変位できるように当該マスク本体を弾性的に支持するための環状弾性部と、前記マスク本体の前記刻印対象面に対向する面よりわずかに刻印対象面側に膨出し、前記刻印対象面に押し当てたときに、刻印対象面とマスク本体との間に所要の微小間隔を形成するための環状の当接部とを具備することを特徴とする。サンドブラスト用マスクに弾性材で押し当てるマスク材を使用している。
特許第3243227号公報 特開2000−312018号公報 特開平11−198042号公報、 特開2005−186242号公報
従って、本発明の目的は、ブラスト研磨において複数回使用しても変形が起きることのないブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及びそれらを用いた太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
従って、本発明の目的は、ブラスト研磨において複数回使用しても変形及び磨耗が起きることのないブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及びそれらを用いた太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、位置決め精度が良く、ブラスト材の回込みの発生しないブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及びそれらを用いた太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、長期信頼性を低下させずに、太陽電池パネルの周縁領域の発電セルの薄膜の研磨を適切に行うことが可能なブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及びそれらを用いた太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明のブラスト研磨用マスクは、薄膜で略全面を覆われた基板(51)の外縁をブラスト研磨する際に、研磨域との少なくとも境界部分を覆うために該基板(51)上に密着配置されるブラスト研磨用マスクであって、被覆部材(11c/11e)と、被覆部材(11c/11e)と結合し被覆部材(11c/11e)の強度を高める補強部材(11a、11b/11d)と、被覆部材(11c/11e)の周縁部(64)における基板側(51)の面に密着配置された第2保護部(16)と、ブラスト研磨用マスクを基板(51)上に密着させて被覆部材(11c)の基板(51)上の位置を維持する密着手段と、を具備する。被覆部材(11c/11e)は、基板(51)の周縁部(64)上の薄膜(56)がブラスト研磨処理で削られるとき、基板(51)の周縁部(64)の内側の薄膜(56)上を覆う。
本発明において、ブラスト研磨処理で研磨されない領域を覆う被覆部材(11c/11e)が、補強部材(11a、11b/11d)で補強されているので、ブラスト材の噴射圧による被覆部材(11c/11e)の残留応力発生による変形を抑制することができる。変形が抑制されるので、ブラスト材の回込みを抑えて、精度良くブラスト研磨を行うことができる。
また、ブラスト研磨処理の際のブラスト材の噴射圧による被覆部材(11c)の周縁部(18/11e)への衝撃が薄膜(56)へ達する恐れがあるが、第2保護部(16)を設けることで、衝撃を緩和し、薄膜(56)への損傷を防止することができる。更に、被覆部材(11c)の周縁部(18/11e)直下へのブラスト材の回り込みをより確実に防止することができる。さらに、密着手段によって、ブラスト材の風車の圧力に対しても、ブラスト研磨用マスクの位置を維持することができる。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、被覆部材(11c)は、板状の構造を有する。補強部材(11a、11b)は、リブ構造を有することが好ましい。
本発明において、補強部材(11a、11b)のリブ構造による補強の効果が高いので、ブラスト材の噴射圧による被覆部材(11c)の変形をより確実に抑制することができる。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、被覆部材(11c)における補強部材(11a、11b)のある面と反対の面を覆うように設けられ、被覆部材(11c)による薄膜(56)への損傷を防止する接触保護膜(12)を更に具備することが好ましい。
本発明において、、被覆部材(11c)における補強部材(11a、11b)のある面と反対の面は、薄膜(56)と接触するので、接触保護膜(12)を設けることで、薄膜(56)への接触による損傷を防止することができる。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、被覆部材(11e)は、周縁部(11e)環状で板状の構造を有することが好ましい。補強部材(11d)は、被覆部材(11e)の周縁部の内側に結合された箱型形状の構造を有することが好ましい。
本発明において、箱型形状の構造の補強部材(11d)は、製造が容易でより低コストで製造することができる。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、密着手段は、被覆部材(11e)と補強部材(11d)の自重とすることが好ましい。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、第2保護部(16)は、真空シール部材(16b)を備えることが好ましい。
本発明において、第2周縁部(18/11e)における基板(51)側の面を環状に囲むことで、薄膜(56)と被覆部材(11c)又は補強部材(11d)と真空シール部材(16b)とで囲まれる隙間空間を形成することができ、当該隙間空間を減圧すればブラスト研磨用マスクと基板(51)とをより強固に密着させることができる。
上記の第2保護部(16)として、弾力性用部材(16c)緩衝性用部材(16a)の組み合わせで構成されることが好ましい。
本発明において、弾力性用部材(16c)は永久変形により弾力性が低下する場合があるため、下地に緩衝性用部材(16a)を用いた二層構造とすることで、弾力性とシール性を保持することが可能である
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、密着手段は、被覆部材(11c)又は補強部材(11d)における基板(51)と反対の側に接続され、基板(51)側に開放され、真空排気用の配管に接続可能な配管(22)であることが好ましい。
本発明において、真空排気用の配管に接続可能な配管(22)を介して隙間空間を減圧することができる。それにより、ブラスト研磨用マスクと基板(51)とをより強固に密着させることができる。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)を覆うように設けられ、ブラスト研磨処理の研磨材から被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)を保護する第1保護部(15)を更に具備することが好ましい。
本発明において、第1保護部(15)を設けることで、ブラスト研磨処理の際にブラスト材が直接被覆部材(11c/11e)の被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)へ到達することが無くなる。それにより、被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)の磨耗や減肉を防止することができる。加えて、ブラスト材でダメージを受けた第1保護部(15)を適宜交換することで、被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)の状態を良好に保つことができ、ブラスト研磨用マスクの寿命を延ばすことができる。
上記のブラスト研磨用マスクにおいて、密着手段は、被覆部材(11c)又は補強部材(11d)に結合された磁石(13/35)であることが好ましい。被覆部材(11c/11e)は、薄膜(56)がブラスト研磨処理で削られるとき、基板(51)に対して磁石(13/35)と反対の側に用意された磁性金属板(14/36)と磁石(13/35)とが引き合うことで、基板(51)へ押し付けられることが好ましい。また磁石(13/35)は磁力を強弱させることで、被覆部材(11c/11e)と基板(51)と磁性金属板(14/36)を簡易に脱着できることが好ましい。
本発明において、磁石(13/35)を用いることで、ブラスト研磨用マスクと基板(51)とをより確実に密着させることができる。
本発明の自動ブラスト研磨装置は、上記各段落のいずれかに記載の本発明のブラスト研磨用マスク(1)と、ブラスト研磨用マスク(1)を基板(51)上に装着、及び、基板(51)上のブラスト研磨用マスク(1)を取り外す脱着部(37)と、ブラスト研磨用マスク(1)で覆われていない基板(51)の周縁部(64)上の薄膜(52、53、54)をブラスト研磨処理で削るブラスト研磨部(34)とを具備する。
本発明において、上記のような本発明のブラスト研磨用マスク(1)を用いてブラスト研磨を行うので、位置決め精度が良くブラスト材の回込みが発生しないので、より確実に薄膜の研磨を適切に行うことができる。
本発明の太陽電池パネルの製造方法は、基板(51)上に発電膜の薄膜層(透明導電層、光電変換層及び裏面電極層を含む)により形成した複数の発電セル(56)を備える太陽電池パネルの製造方法である。(a)基板(51)上の略全面を覆うように複数の発電セル(56)を集積して形成する第1工程と、(b)基板(51)の周縁部(64)の内側ブラスト研磨用マスク(1)を置きながら、基板(51)の周縁部(64)上にある複数の発電セル(56)を含む発電膜の薄膜層をブラスト研磨処理で削る第2工程と、(c)基板(51)の周縁部(64)をシール・接着面として、封止用シート材を貼る第3工程とを具備する。ブラスト研磨用マスク(1)は、基板(51)の周縁部の内側の発電膜上を覆う形状とされた被覆部材(11c/11e)と、被覆部材(11c/11e)と結合し被覆部材(11c/11e)の強度を高める補強部材(11a、11b/11d)と、被覆部材(11c/11e)の周縁部(64)における基板(51)側の面に密着配置された第2保護部(16)と、ブラスト研磨用マスクを基板上に密着させて被覆部材を基板上の位置を維持する密着手段とを備える。
上記の太陽電池パネルの製造方法において、ブラスト研磨用マスク(1)は、被覆部材(11c)が、板状の構造を有すると共に補強部材(11a、11b)が、リブ構造を有する、または、被覆部材(11e)が、該被覆部材(11e)の周縁部(11e)に環状で板状の構造を有すると共に、補強部材(11d)が、被覆部材(11e)の周縁部(11e)の内側に結合された箱型形状の構造を有することが好ましい。
上記の太陽電池パネルの製造方法において、ブラスト研磨用マスク(1)は、密着手段として、被覆部材(11c)と補強部材(11d)の自重とする、または、被覆部材(11c)又は補強部材(11d)における基板(51)と反対の側に接続され、基板(51)側に開放され、真空排気用の配管に接続して減圧する手段、または、被覆部材(11c)又は補強部材(11d)に結合された磁石(13/35)を有し、基板(51)に対して磁石(13/35)と反対の側に用意された磁性金属板とが引き合うことで、基板(51)へ押し付ける手段とすることが好ましい。
上記の太陽電池パネルの製造方法において、ブラスト研磨用マスク(1)は、被覆部材(11c)における補強部材(11d)のある面と反対の面を覆うように設けられ、被覆部材(11c)による薄膜への損傷を防止する接触保護膜(12)を更に備えることが好ましい。
上記の太陽電池パネルの製造方法において、ブラスト研磨用マスク(1)は、被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)を覆うように設けられ、ブラスト研磨処理の研磨材から被覆部材(11e)の周縁部(18/11e)を保護する第1保護部(15)を更に備えることが好ましい。
上記の太陽電池パネルの製造方法において、第工程は、ブラスト研磨用マスク(1)を基板(51)上に装着、及び、基板(51)上のブラスト研磨用マスク(1)を取り外す脱着部(37)と、ブラスト研磨用マスク(1)で覆われていない基板(51)の周縁部(61)上の薄膜をブラスト研磨で削るブラスト研磨部(34)とを具備する自動ブラスト研磨装置を用いることが好ましい。
上記の太陽電池パネルの製造方法において、基板(51)上に透明導電膜(73)を形成した後に、光電変換層(53)としてアモルファスシリコン薄膜太陽電池、微結晶シリコン太陽電池、ならびにアモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池を各1〜複数層に積層させたタンデム型太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池、のいずれかを形成する工程とを具備することが好ましい。
本発明により、ブラスト研磨処理において複数回使用しても変形や磨耗が発生せず、位置決め精度が良く、ブラスト材の回込みが発生せず、長期信頼性を低下させずに、太陽電池パネルの周縁領域の発電セルの薄膜の研磨を適切に行うことが可能となる。
以下、本発明のブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及び太陽電池パネルの製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図2は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の構成を示す斜視図及び断面図である。
図2(a)(斜視図)を参照して、ブラスト研磨用マスク1は、太陽電池パネルの製造過程において、太陽電池モジュール50の基板51全面に設けられた発電セル56を含む発電膜の薄膜層のうち、基板51の周縁部64上の発電セル56を含む発電膜の薄膜層をブラスト研磨処理するとき、ブラスト研磨処理の対象とならない領域の発電セル56を覆う。ブラスト研磨用マスク1は、被覆部材11cと、被覆部材11cと結合し被覆部材11cの強度を高める補強部材11a、11bとを具備する。
発電セル56は、例えば、シリコン系薄膜太陽電池である。ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)のようなシリコンを含む材料の総称である。シリコン系薄膜太陽電池とは、アモルファスシリコン系、微結晶シリコン系、アモルファスシリコン系と微結晶シリコン系とを積層させたタンデム型を含む太陽電池を表す。ただし、微結晶シリコン系とは、アモルファスシリコン系(非晶質シリコン系)以外のシリコン系を意味するものであり、多結晶シリコン系や非晶質を含んだ結晶質シリコン系も含まれる。
被覆部材11cは板状の構造を有し、ブラスト研磨処理のとき太陽電池モジュール50と密着してブラスト研磨の対象とならない領域を覆う。被覆部材11cは、周縁である周縁部18と、周縁部18に囲まれて補強部材11a、11bと結合する中央部19部とを含む。周縁部18は、被覆部材11cの外縁から内側に幅d=5mm〜30mmの中央部19を囲む領域である。
補強部材11a、11bは、被覆部材11cにおける周縁部18を除いた中央部19部上に設けられている。補強部材11a、11bは、複数の細板が第1方向へ伸びた補強部材11aと、複数の細板が第1方向と概ね垂直な第2方向へ伸びた補強部材11bとが格子状のリブ構造を形成し、被覆部材11cの強度を高めている。それにより、ブラスト材の噴射に対しても被覆部材11cに残留応力が発生することによる変形を抑えることが出来る。
被覆部材11c及び補強部材11a、11bの材料は、ブラスト研磨で問題が無ければ特に制限はないが、一般環境にて腐食がなく取扱いが容易であることから金属板が好ましい。例えば、Al合金やSUS304である。被覆部材11cと領域補強部材11a、11bとは、ネジ止めで結合しても良いし、溶接で結合しても良いし、一枚の板から削り出して製造してい良い。金属を用いることは、製造が容易である他、ブラスト研磨用マスク1自体が重量物(1.4m×1.1mの基板51用で約20〜40kg)となるため、一旦太陽電池モジュール50の上に位置決めして置くと、その自重のために、ブラスト研磨中にブラスト噴射圧で位置ずれを発生し難くなり好ましい。
図2(b)(断面図)を参照して、ブラスト研磨用マスク1は、接触保護膜12を更に具備する。接触保護膜12は、被覆部材11cにおける補強部材11a、11bのある面と反対の面を覆うように設けられている。ブラスト研磨処理において被覆部材11cと太陽電池モジュール50とが重ねられるとき、発電セル56の薄膜が被覆部材11cで損傷を受けることを防止する。
接触保護膜12は、発電セル56の薄膜を損傷させないものであれば特に制限はないが、取り扱いやすさの面から樹脂フィルムが好ましい。例えば、太陽電池の製造工程に使用される材料を転用してEVAに例示される。
ブラスト研磨処理のとき、ブラスト研磨用マスク1の位置ずれをより確実に防止するために磁石を用いても良い。図3は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の他の構成を示す断面図である。図2の場合と比較すると、ブラスト研磨用マスク1は、リブ構造内部の中央部1の適当な位置に電磁石13を設けている。そして、ブラスト研磨処理のときに、太陽電池モジュール50(基板51)を鉄板のような磁性体板14の上に設置し、ブラスト研磨用マスク1を所定の位置に設置した後に電磁石13をONにする。これにより、電磁石13と磁性体板14との引力でブラスト研磨用マスク1が固定される。電磁石13の電源はバッテリー方式とすれば、給電ラインをつなぐ必要はない。電磁石13の代わりに永久磁石を用いて、その磁力発生位置を移動させて発生磁力を強弱させても良い。また、磁性体板14として鉄板を使用する場合、環境で錆が発生しないようにNiやCrなどでその表面をメッキ処理しておくことが好ましい。
ブラスト研磨用マスク1の周縁部18は、多数回のブラスト研磨処理により徐々に削られて減肉して行く。そのため、ブラスト研磨用マスク1は、この周縁部18を保護する第1保護部15を有していることが好ましい。図4は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の更に他の構成を示す断面図である。図4(a)を参照して、第1保護部15aは、周縁部18の表面に設けられ、減肉したとき取替えが可能な被覆材料である。ブラスト研磨処理のブラスト材の噴射に対抗できるような、ブラストの衝撃吸収性があり、耐磨耗性やある程度の硬さを有していることが好ましい。周縁部18が矩形の環状であるから、第1保護膜15aも矩形の環状である。第1保護膜15aを設置することで、ブラスト研磨処理によるブラスト研磨用マスク1の周縁部18全体の消耗を防ぐことができる。第1保護部15aが減肉したとき、周縁部18に取り付けられた第1保護部15aのみを交換することで、ブラスト研磨用マスク1の耐久性を向上させ、その寿命を延ばすことができる。それにより、マスク交換コストを大幅に抑制することができる。図4(b)を参照して、第1保護部15bは、周縁部18の表面及び側面に設けられている。図4(a)に比較してより耐久性が向上している。
図4(c)を参照して、ブラスト研磨用マスク1は、周縁部18の表面及び側面に設けられた第1保護部15(15a、15b)に加えて、周縁部18の裏面(基板51側の面)を覆うように設けられた第2保護部16(16a)を更に有していることが好ましい。第2保護部16(16a)は、この周縁部18を保護し、かつ、ブラスト研磨用マスク1による太陽電池モジュール50への傷付きを抑制する。すなわち、図4(c)は、周縁部18の表裏面(全面)は、ブラスト研磨用マスク1母材の耐久性の向上と、太陽電池モジュール50の傷付き防止からより好適な構造となる。第2保護部16(16a)は、ブラスト研磨処理のブラスト材の噴射に対抗できるような、ブラストの衝撃吸収性があり、耐磨耗性やある程度の硬さを有していることが好ましい。一方、太陽電池モジュール50を傷つけないようなある程度の緩衝性や軟らかさを有していることが好ましい。更に、第2保護部16(16a)として弾性力のある材料を選択することで、周縁部18と太陽電池モジュール50と形状に対応して弾性変形するので、周縁部18と太陽電池モジュール50との間の隙間の発生を防止することができる。それにより、周縁部18直下へのブラスト材の回りこみを防止することができる。なお、第2保護部16は、第2保護部16aと第2保護部16cとの積層体を用いても良い。例えば第2保護部16cに主に緩衝性を持たせ、第2保護部16aに主に弾力性を持たせる。
図4(d)を参照して、ブラスト研磨用マスク1は、第2保護部16が、真空シール部材16bを有していても良い。真空シール部材16bは、第2保護部16aの内側(被覆部材11cの中央部19側)に、第2保護部16aに沿って、周縁部18の裏面(基板51側の面)上に設けられている。これにより、太陽電池モジュール50上にブラスト研磨用マスク1を載せたとき、真空シール部材16bの内側(被覆部材11cの中央部19側)は密閉されることになる。この密閉された空間の気体を排出し、低圧にすること(真空度を上げること)で、ブラスト研磨用マスク1を太陽電池モジュール50へ密着させることができる。真空シール部材16bは、真空装置のOリングに用いられるような材料を用いることが好ましい。
なお、第2保護部16は、第1保護部15と一体で、第1保護部15に含まれていても良い。
図5は、第1保護部及び第2保護部に用いられる材料を評価した結果を示す表である。評価した材料はクロロプレンフォーム、硬質ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、及びフッ素系樹脂である。
第1保護部15の評価項目は、耐磨耗性及び価格である。各項目において、二重丸印はその項目の評価が高いことを示し、丸印はその項目の評価が中程度であることを示し、三角印はその項目の評価が低いことを示し、バツ印はその項目の評価が悪いことを示している。評価結果を示す「太陽電池用の評価」において、丸印はその材料が適していることを示し、三角印はその材料が場所により使用できることを示し、バツ印はその材料が不適であることを示している。本評価から、第1保護部15として、フッ素系樹脂が最適であるが、硬質ゴムも用いることができる。その他、クロロプレンフォーム、及びシリコンゴムを用いることもできる。更に、これらの材料の有する耐磨耗性や硬さを有していれば、他の材料を用いても良い。
一方、第2保護部16の評価項目は、反発弾性である。各印の意味は上記のとおりである。本評価から、硬質ゴム、シリコンゴム及びウレタンゴムが最適であるが、クロロプレンフォームも用いることができる。更に、これらの材料の有する耐磨耗性や緩衝性や硬さを有していれば、他の材料を用いても良い。
図6は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態における構成の一例を示す断面図である。ブラスト研磨用マスク1は、太陽電池モジュール50の製造過程において、ブラスト研磨処理の対象とならない領域の発電セル56を覆うように太陽電池モジュール50へ載せられる。ブラスト研磨用マスク1の被覆部材11cは、上述のように周縁部上に周縁部を保護する第1保護部15を有している。これにより、周縁部が直接ブラスト研磨処理により削られ減肉されることを防止することができる。被覆部材11cは、上述のように周縁部の裏面(太陽電池モジュール50側の面)を覆うように設けられた第2保護部16を更に有している。これにより、周縁部18を保護し、かつ、ブラスト研磨用マスク1による太陽電池モジュール50への傷付きを抑制することができる。
第2保護部16は、本図において明示されないが、真空シール部材16bを含んでいる。真空シール部材16bを含む第2保護部16により、太陽電池モジュール50と被覆部材11cとの間に真空シール部材16bで囲まれた微小な隙間空間が形成される。その隙間空間は、太陽電池モジュール50と被覆部材11cと真空シール部材16bとで密閉されることになる。ブラスト研磨用マスク1は、被覆部材11cにおいて太陽電池モジュール50と反対の側に接続され、太陽電池モジュール50側の隙間空間に開放され、真空排気用の配管25に接続可能な配管22を更に具備している。したがって、この密閉された隙間空間の気体を、配管22及び配管25を介して排出し、隙間空間を低圧にすること(真空度を上げること)で、ブラスト研磨用マスク1を太陽電池モジュール50へ密着させることができる。配管22と配管25とは、それぞれに接続された逆支弁付カプラ23、24で脱着可能である。
図7は、図6における第1保護部及び第2保護部を拡大した断面図である。被覆部材11cの周縁部上には、第1保護部15として、例えば、磨耗防止用に硬質ゴムを用いることができる。被覆部材11cの周縁部の裏面には、第2保護部16a及び第2保護部16cとして、例えば、弾力性用にシリコンゴム及び緩衝性用にクロロプレンフォーム(独立発泡ゴムスポンジ)の積層体を用いることができる。第2保護部16aの内側には、真空シール部材16bとして、例えば、真空シール用にシリコンゴムを用いることができる。被覆部材11cの裏面には、接触保護膜12として、例えば、EVAを用いることができる。
独立発泡ゴムスポンジ(第2保護部16c)のみを使用していると、永久変形により弾力性が低下し最後には真空シールが出来なくなり、寿命が短い。このため下地にシリコンゴムのようなゴム板(第2保護部16a)を用いた二層構造とすることで、弾力性とシール性を保持することが可能である。ここでは、更に真空シール部材16bを設けることで真空シール性の安定性を高めている。
次に、本発明の自動ブラスト研磨装置の第1の実施の形態の構成について説明する。図8は、本発明の自動ブラスト研磨装置の第1の実施の形態の構成を示す概略図である。自動ブラスト研磨装置30は、ブラスト研磨用マスク1と、制御装置31と、基板位置決定装置32、33と、ブラスト研磨装置34と、ブラスト粉吹払装置36と、マスク脱着装置37と、コンベア38、39とを具備する。
ブラスト研磨用マスク1は、上述の本発明のブラスト研磨用マスク1である。基板位置決定装置32は、コンベア38を移動してきた太陽電池モジュール50(基板51)をセンサで検知して、マスク脱着装置37の直下で位置決めを行って停止させる。又は、コンベア39を移動してきたブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50(基板51)をマスク脱着装置37の直下で停止させる。マスク脱着装置37は、ブラスト研磨用マスク1を太陽電池モジュール50(基板51)上の所定の位置に装着、及び、太陽電池モジュール50(基板51)上のブラスト研磨用マスク1を取り外す。
基板位置決定装置33は、コンベア39を移動してきたブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50(基板51)をセンサで検知して、ブラスト研磨装置34の直下で停止させ、必要に応じて位置決めを行う。ブラスト研磨装置34は、ブラスト研磨用マスク1で覆われていない太陽電池モジュール50(基板51)の周縁部64上の薄膜層(発電セル56を含む発電膜)を、ブラスト研磨処理で削る。すなわち、ブラスト研磨装置34は、ブラスト研磨処理のとき、ブラスト材が噴射されるノズル35をX−Y駆動装置により予めプログラムした位置に所定の移動速度で動かし、太陽電池モジュール50の周縁部64上の薄膜を研磨除去する。ブラスト粉吹払装置36は、ブラスト研磨処理後のブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50(基板51)がコンベア39上を移動するとき、その太陽電池モジュール50(基板51)へ空気を吹き付けて付着しているブラスト材を除去する。
制御装置31は、基板位置決定装置32、33と、ブラスト研磨装置34と、ブラスト粉吹払装置36と、マスク脱着装置37と、コンベア38、39の動作を正しくブラスト研磨処理ができるように制御する。
次に、本発明の自動ブラスト研磨装置の第1の実施の形態の動作について図8を参照して説明する。ここでは、図6及び図7で示したブラスト研磨用マスク1を用いるものとする。
コンベア38は、太陽電池モジュール50を前工程の装置から移動する。基板位置決定装置32は、コンベア38を移動してきた太陽電池モジュール50をセンサで検知して、マスク脱着装置37の直下の所定の位置で停止させる。そして、基板位置決定装置32は、太陽電池モジュール50を必要に応じて位置決めを行って、その位置で保持する。マスク脱着装置37は、太陽電池モジュール50の周縁部18の内側を覆うようにブラスト研磨用マスク1を太陽電池モジュール50上に静置する。そのとき、第2保護部16a、16cにより、太陽電池モジュール50を傷つけることなく、ブラスト研磨用マスク1を太陽電池モジュール50上に静置することができる。続いて、マスク脱着装置37は、被覆部材11cと太陽電池モジュール50と真空シール部材16cで囲まれた隙間空間の空気を配管22に逆支弁付カプラ23を介して、25を接続して排気して、その隙間空間を減圧する。そのとき、真空シール部材16cが真空シール用のOリングのようなシールの働きをするので、隙間空間を容易かつ確実に減圧状態にすることができ、その減圧状態を維持することができる。その後、マスク脱着装置37は、逆支弁付カプラ23、24を切り離す。隙間空間は真空を維持するので、研磨用マスク1は太陽電池モジュール50に真空吸着して固定される。基板位置決定装置32は、太陽電池モジュール50を開放する。コンベア38とコンベア39とは、連携してブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50をブラスト研磨装置34へ向けて移動する。
基板位置決定装置33は、コンベア39を移動してきたブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50をセンサで検知して、ブラスト研磨装置34の直下で停止させる。そして、基板位置決定装置33は、ブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50を必要に応じて位置決めを行ってその位置で保持する。ブラスト研磨装置34は、ブラスト材が噴射されるノズル35をX−Y駆動装置により予めプログラムした位置に所定の移動速度で動かし、太陽電池モジュール50の周縁部64上の薄膜を研磨除去する。ブラスト研磨処理の条件は、研削材:アルミナ#400〜#800、噴射圧:0.1〜0.5MPa、噴射距離:30〜100mm、ノズル送速度:10〜50m/minである。ブラスト研磨装置34は、ブラスト研磨処理のとき、周縁部64上方に沿ってノズル35を移動させながら、ブラスト材を噴射して周縁部64上の薄膜を研磨する。このとき、隙間空間の減圧状態が維持されているので、ブラスト材の噴射の圧力に対しても、ブラスト研磨用マスク1は太陽電池モジュール50上の位置を維持することができる。それにより、ブラスト研磨用マスク1の位置ずれによる不要な研磨を防止して、周縁部64上の薄膜を確実に研磨することができる。また、ブラスト研磨用マスク1は第1保護部15を有しているので、ブラスト材の噴射を受けても被覆部材11cを防護して、その減肉を防止することができる。ブラスト研磨処理の終了後、基板位置決定装置33は、ブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50を開放する。コンベア39は、コンベア38と連携しながら、ブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50をマスク脱着装置37へ向けて移動する。その途中、ブラスト粉吹払装置36は、ブラスト研磨処理後のブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50へ空気を吹き付けて付着しているブラスト材を吹き飛ばして除去する。これによりブラスト材が装置外へキャリアウトされることを抑制できる。
基板位置決定装置32は、コンベア39、38を移動してきたブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50をセンサで検知して、マスク脱着装置37の直下で停止させる。そして、基板位置決定装置32は、ブラスト研磨用マスク1を載せた太陽電池モジュール50をその位置で保持する。マスク脱着装置37は、逆支弁付カプラ23、24を結合し、隙間空間へ空気を導入して、隙間空間を大気圧にする。その後、マスク脱着装置37は、ブラスト研磨用マスク1を太陽電池モジュール50(基板51)から取り外す。基板位置決定装置32は、太陽電池モジュール50を開放する。コンベア38は、太陽電池モジュール50を次の工程へ移動する。
なお、上記動作における基板位置決定装置32、33、ブラスト研磨装置34、ブラスト粉吹払装置36、マスク脱着装置37、コンベア38、39の動作(相互の連携を含む)は、制御装置31の制御により実行される。
上記動作において、本発明のブラスト研磨用マスク1は、第1保護部15や第2保護部16を有していてブラスト材から周縁部を保護していること、及び、補強部材11a、11bを有していて強度向上によりブラスト研磨処理による応力変形を抑えていることから、ブラスト研磨用マスク1をブラスト研磨処理において複数回使用しても変形や磨耗が発生することはない。更に、ブラスト研磨用マスク1の自重又はブラスト研磨用マスク1と太陽電池モジュール50との間の隙間空間の減圧して吸着させることにより、ブラスト研磨処理におけるブラスト材の噴射圧に関わらず、その位置を動かされること無く、位置決め精度を非常に高くすることができる。これらにより、ブラスト材の回込みが発生せず、長期信頼性を低下させずに、太陽電池モジュールの周縁領域の発電セルの薄膜の研磨を適切に行うことが可能となる。
次に、本発明の太陽電池パネルの製造方法の第1の実施の形態について説明する。ここでは、基板51としてのガラス基板上に発電セル56として単層アモルファスシリコン薄膜太陽電池を用いた例について説明する。図9〜図12は、本発明の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態を示す概略図である。
(1)図9(a):
基板51としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)を使用する。基板端面は破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
(2)図9(b):
透明導電層52として酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜を約500〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明導電層52として、透明電極膜に加えて、基板51と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)を50〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
(3)図9(c):
その後、基板51をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から入射する。パルス発振:5〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セル56の直列接続方向に対して垂直な方向へ、溝60を形成するように幅約6〜10mmの短冊状にレーザーエッチングする。
(4)図9(d):
プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30〜150Pa、約200℃にて光電変換層53としてのアモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。光電変換層53は、SiHガスとHガスとを主原料に、透明導電層52の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。光電変換層53は本実施の形態では、p層:BドープしたアモルファスSiCを主とし膜厚10〜30nm、i層:アモルファスSiを主とし膜厚250〜350nm、n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚30〜50nmである。またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
(5)図9(e)
基板51をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層53の膜面側から入射する。パルス発振:10〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層52のレーザーエッチングラインの約100〜150μmの横側を、溝61を形成するようにレーザーエッチングする。
(6)図10(a)
裏面電極層54としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。裏面電極層54は本実施の形態では、Ag膜:200〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。n層と裏面電極層54との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層53と裏面電極層54との間にGZO(GaドープZnO膜)を膜厚:50〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。
(7)図10(b)
基板51をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板51側から入射することで、レーザー光が光電変換層53で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層54が爆裂して除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層52のレーザーエッチングラインの約250μm〜400μmの横側を、溝62を形成するようにレーザーエッチングする。この状態が図10(c)断面図、及び図10(d)平面図である。
(8)図11(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板51をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板51側から入射することで、レーザー光が透明導電層52と光電変換層53で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層54が爆裂して除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板51の端部から5〜20mmの位置を、X方向絶縁溝65を形成するようにレーザーエッチングする。このとき、Y方向絶縁溝は設けない。

(9)図11(b)
後工程のEVA等を介したバックシートとの健在な接着面を確保するために、基板51周辺(周囲領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去する。まず、基板の端から5〜20mmで、前述の図11(a)工程で設けたX方向絶縁溝65よりも基板端側における裏面電極層54/光電変換層53/透明導電層52において、研磨除去処理を行う。具体的には、上述の自動ブラスト研磨装置の実施の形態の動作のとおりであるので、その説明を省略する。基板51に付着した研磨屑や残留ブラスト材は、更に基板51を洗浄処理して除去しても良い。
(10)図11(c)
端子箱取付け部分は、太陽電池モジュール50の発電セル56のある面と反対側のバックシート66に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層を設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の発電セル56と、他方端部の発電セル56とから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール50の全体を覆い、基板51からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート68を設置する。バックシート68は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPTEシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート68までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
(11)図12(a)、図12(b)
太陽電池モジュール50の裏側に端子箱を接着剤で取付ける。その後、銅箔と端子箱の出力ケーブル67とをハンダ等で接続し、端子箱内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネルが完成する。
(12)図12(c)
図12(b)までの工程で形成された太陽電池パネルについて発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行う。
(13)図12(d)
発電検査(図12(c))に前後して、所定の性能試験を行なう。
(i)絶縁検査:
ラミネートされた太陽電池パネルの出力端子と基板端面やバックシートなど導電部分との間にDC:1000V負荷を印加して抵抗値≧100MΩなることを確認する。
(ii)耐電圧検査
ラミネートされた太陽電池パネルの出力端子と基板端面やバックシートなど導電部分との間にDC:3800V(または2200V)を1分間負荷をかけて、絶縁破壊がないことを確認する。
(iii)高温高湿試験
自動ブラスト研磨方法へ製造方法の変更を実施したことによる、構造と製造条件が適切であることの最終確認には、屋外での過酷条件を模擬して、JISC8938に従い、20時間光暴露で予め性能を安定させた後に、高温高湿条件:温度85℃、湿度:85%、評価時間1000時間で性能に変化ないこと(外観変化が無く、初期性能値の95%以上を確保し、性能に変化ないこと)を確認する。
上記製造方法において、本発明のブラスト研磨用マスク及び自動ブラスト研磨装置を用いることで、ブラスト研磨処理後の太陽電池モジュール50の周縁部64の表面粗さが、従来の砥石研磨同等程度のRa≦1.5μm(JIS B 0601)となり、シール・接着面に対して問題ないことを確認した。そして、この本発明のブラスト研磨用マスク及び自動ブラスト研磨装置を用いて製品となる太陽電池パネルが製造され、上記各試験の評価結果からその特性が従来の工程によるものと変わりないことを確認した。また高温高湿試験における長期信頼性確認試験においては、更に評価時間を延長させても外観変化がみられなく、従来の工程より信頼性が向上していることを確認した。
本発明により、ブラスト研磨処理において複数回使用しても変形や磨耗が発生せず、位置決め精度が良く、ブラスト材の回込みが発生せず、長期信頼性を低下させずに、太陽電池パネルの周縁領域の発電セルの薄膜の研磨を適切に行うことが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図13は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の構成を示す斜視図及び断面図である。
図13(a)(斜視図)及び図13(b)(断面図)を参照して、ブラスト研磨用マスク1aは、太陽電池パネルの製造過程において、太陽電池モジュール50の基板51全面に設けられた発電セル56のうち、基板51の周縁部64上の発電セル56を含む発電膜の薄膜層をブラスト研磨処理するとき、ブラスト研磨処理の対象とならない領域の発電セル56を覆う。ブラスト研磨用マスク1aは、被覆部材11eと、被覆部材11eと結合し被覆部材11eの強度を高める補強部材11dとを具備する。ただし、発電セル56は、第1の実施の形態で説明したとおりであるのでその説明を省略する。
被覆部材11eは四角形の環状で板状の構造を有し、ブラスト研磨処理のとき太陽電池モジュール50と密着してブラスト研磨の対象とならない領域を覆う。被覆部材11eは、ブラスト研磨用マスク1aの周縁である周縁部を構成し、その外縁から内側に幅d=5mm〜30mmの領域である。その環の内側は、補強部材11dの外側と結合している。
補強部材11dは、被覆部材11eの内側に結合された箱型形状の構造を有する。ただし、太陽電池モジュール50側の面は有しない。ブラスト研磨用マスク1の中央部を強固な箱型の補強部材11dにすることで、被覆部材11eの強度を高めている。それにより、ブラスト材の噴射に対しても被覆部材11eの変形を抑えることが出来る。
被覆部材11e及び補強部材11dの材料は、ブラスト研磨で問題が無ければ特に制限はないが、一般環境にて腐食がなく取扱いが容易であることから金属板が好ましい。例えば、Al合金やSUS304である。被覆部材11eと領域補強部材11dとは、ネジ止めで結合しても良いし、溶接で結合しても良いし、プレスによる一体成形でも良いし、一枚の板から削り出して製造してい良い。金属を用いることは、製造が容易である他、ブラスト研磨用マスク1a自体が重量物(1.4m×1.1mの基板51用で約20〜40kg)となるため、一旦太陽電池モジュール50の上に位置決めして置くと、その自重のために、ブラスト研磨中にブラスト噴射圧で位置ずれを発生し難くなり好ましい。
ブラスト研磨処理のとき、ブラスト研磨用マスク1aの位置ずれをより確実に防止するために、箱型の補強部材11dに真空吸着機構を設置しても良い。図14は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の他の構成を示す断面図である。図13の場合と比較すると、ブラスト研磨用マスク1aは、補強部材11dの内部の適当な位置に真空吸着機構を設けている。
図14(a)の場合、真空吸着機構は、吸着パット43と、吸着パット43に接続された真空排気用の配管42と、配管42に設けられた逆止弁付カプラ41とを有する。ただし、配管42は、補強部材11dに結合されている。ブラスト研磨用マスク1aを太陽電池モジュール50上に固定するとき、吸着パット43を太陽電池モジュール50上に吸着させた後、配管42で吸着パット43内を減圧して、その後に逆支弁付カプラ41を切り離す。これにより、ブラスト研磨用マスク1aを太陽電池モジュール50へ密着固定させることができる。
図14(b)の場合、真空吸着機構は、補強部材11dに接続された真空排気用の配管42と、配管42に設けられた逆止弁付カプラ41とを有する。ただし、配管42は、補強部材11dに結合され、被覆部材11eの太陽電池モジュール50側には、真空シール用のOリングのようなシール材45が設けられている。ブラスト研磨用マスク1aを太陽電池モジュール50上に固定するとき、配管42で補強部材11d内を減圧して、その後に逆支弁付カプラ41を切り離す。これにより、ブラスト研磨用マスク1aを太陽電池モジュール50へ密着固定させることができる。
ブラスト研磨処理のとき、ブラスト研磨用マスク1aの位置ずれをより確実に防止するために磁石を用いても良い。図15は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の他の構成を示す断面図である。図13の場合と比較すると、ブラスト研磨用マスク1aは、補強部材11eの適当な位置に電磁石35を設けている。そして、ブラスト研磨処理のときに、太陽電池モジュール50(基板51)を鉄板のような磁性体板36の上に設置し、ブラスト研磨用マスク1aを所定の位置に設置した後に電磁石35をONにする。これにより、電磁石35と磁性体板36との引力でブラスト研磨用マスク1aが固定される。電磁石35の電源はバッテリー方式とすれば、給電ラインをつなぐ必要はない。電磁石35の代わりに永久磁石を用いて、その磁力発生位置を移動させて発生磁力を強弱させても良い。また、磁性体板36として鉄板を使用する場合、環境で錆が発生しないようにNiやCrなどでその表面をメッキ処理しておくことが好ましい。
ブラスト研磨用マスク1aの被覆部材11e(周縁部)は、多数回のブラスト研磨処理により徐々に削られて減肉して行く。そのため、ブラスト研磨用マスク1aは、この被覆部材11eを保護する第1保護部15を有していることが好ましい。図16は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の更に他の構成を示す断面図である。ここで、図16(a)〜図16(d)については、取り付け場所が被覆部材11eである他は第1の実施の形態の図4(a)〜図4(d)と同様であるからその説明を省略する。本実施の形態についても第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図5の第1保護部及び第2保護部に用いられる材料を評価及び選定については、第1の実施の形態と同様であるからその説明を省略する。
図8の本発明の自動ブラスト研磨装置の第2の実施の形態の構成及び動作については、ブラスト研磨用マスク1aを用いるほかは、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。本実施の形態についても第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図9〜図12の本発明の太陽電池パネルの製造方法の第2の実施の形態については、ブラスト研磨用マスク1aを用いるほかは、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。本実施の形態についても第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上記第1及び第2の実施の形態では発電セル56としてアモルファスシリコン薄膜太陽電池を用いたものについて説明したが、本発明は、微結晶シリコン太陽電池、ならびにアモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池を各1〜複数層に積層させたタンデム型太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。更に本発明は、金属基板などの上に、裏面電極(光入射と反対という意味で裏面という)を形成し、その上に光電変換層、光入射側透明導電層を形成するタイプの太陽電池にも同様に適用することができる。
図1は、従来の太陽電池パネルの製造方法の一工程に関わる斜視図である。 図2は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の構成を示す斜視図及び断面図である。 図3は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の他の構成を示す断面図である。 図4は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態の更に他の構成を示す断面図である。 図5は、第1保護部及び第2保護部に用いられる材料を評価した結果を示す表である。 図6は、本発明のブラスト研磨用マスクの第1の実施の形態における構成の一例を示す断面図である。 図7は、図6における第1保護部及び第2保護部を拡大した断面図である。 図8は、本発明の自動ブラスト研磨装置の第1の実施の形態の構成を示す概略図である。 図9は、本発明の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態を示す概略図である。 図10は、本発明の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態を示す概略図である。 図11は、本発明の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態を示す概略図である。 図12は、本発明の太陽電池パネルの製造方法の実施の形態を示す概略図である。 図13は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の構成を示す斜視図及び断面図である。 図14は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の他の構成を示す断面図である。 図15は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の他の構成を示す断面図である。 図16は、本発明のブラスト研磨用マスクの第2の実施の形態の更に他の構成を示す断面図である。
符号の説明
1、1a、101 ブラスト研磨用マスク
11a、11b、11d 補強部材
11c、11e 被覆部材
12 接触保護膜
13、35 電磁石
14、36 磁性体板
15、15a、15b 第1保護部
16、16a 第2保護部
16b 真空シール部材
18 周縁部
19 中央部
22、25、42 配管
23、24、41 逆支弁付カプラ
30 自動ブラスト研磨装置
31 制御装置
32、33 基板位置決定装置
34 ブラスト研磨装置
36 ブラスト粉吹払装置
37 マスク脱着装置
38、39 コンベア
43 吸着パット
50、150 太陽電池モジュール
51、151 基板
52 透明導電層
53 光電変換層
54 裏面電極層
56、156 発電セル
61、62 溝
64、164 周縁部
66、68 バックシート
67 出力ケーブル

Claims (17)

  1. 薄膜で略全面を覆われた基板の外縁をブラスト研磨する際に、研磨域との少なくとも境界部分を覆うために該基板上に密着配置されるブラスト研磨用マスクであって、
    該ブラスト研磨用マスクは、
    被覆部材と、
    前記被覆部材と結合し、前記被覆部材の強度を高める補強部材と、
    前記被覆部材の周縁部における前記基板側の面に密着配置された第2保護部と、
    前記ブラスト研磨用マスクを基板上に密着させて前記被覆部材の基板上の位置を維持する密着手段と
    を具備し、
    前記被覆部材は、基板の周縁部上の薄膜がブラスト研磨で削られるとき、前記基板の周縁部の内側の前記薄膜上を覆う形状とされたブラスト研磨用マスク。
  2. 請求項1に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記被覆部材は、板状の構造を有し、
    前記補強部材は、リブ構造を有するブラスト研磨用マスク。
  3. 請求項1に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記被覆部材は、該被覆部材の周縁部に環状で板状の構造を有し、
    前記補強部材は、前記被覆部材の周縁部の内側に結合された箱型形状の構造を有するブラスト研磨用マスク。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記密着手段は、前記被覆部材と前記補強部材の自重であるブラスト研磨用マスク。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記密着手段は、前記被覆部材又は前記補強部材における前記基板と反対の側に接続され、前記基板側に開放され、真空排気用の配管に接続可能な配管であるブラスト研磨用マスク。
  6. 請求項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記第2保護部は、真空シール部材を備えるブラスト研磨用マスク。
  7. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記密着手段は、前記被覆部材又は前記補強部材に結合された磁石であり、
    前記基板に対して前記磁石と反対の側に用意された磁性金属板とが引き合うことで、前記基板を押し付けるブラスト研磨用マスク。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記被覆部材における補強部材のある面と反対の面を覆うように設けられ、前記被覆部材による前記薄膜への損傷を防止する接触保護膜をさらに具備するブラスト研磨用マスク。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記被覆部材の周縁部を覆うように設けられ、前記ブラスト研磨処理の研磨材から前記被覆部材の周縁部を保護する第1保護部を更に具備するブラスト研磨用マスク。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクにおいて、
    前記第2保護部は弾力性用部材と緩衝用部材を組合わせて構成されるブラスト研磨用マスク。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のブラスト研磨用マスクと、
    前記ブラスト研磨用マスクを基板上に装着、及び、前記基板上の前記ブラスト研磨用マスクを取り外す脱着部と、
    前記ブラスト研磨用マスクで覆われていない前記基板の周縁部上の薄膜をブラスト研磨で削るブラスト研磨部と
    を具備する自動ブラスト研磨装置。
  12. 基板上に発電膜を備える太陽電池パネルの製造方法であって、
    (a)前記基板上の略全面を覆うように前記発電膜を形成する第1工程と、
    (b)前記基板の周縁部の内側ブラスト研磨用マスクを置きながら、前記基板の周縁部上にある前記発電膜をブラスト研磨処理で削る第2工程と、
    (c)前記基板の周縁部をシール・接着面として、封止用シート材を貼る第3工程と
    を具備し、
    前記ブラスト研磨用マスクは
    前記基板の周縁部の内側の前記発電膜上を覆う形状とされた被覆部材と、
    前記被覆部材と結合し、前記被覆部材の強度を高める補強部材と、
    前記被覆部材の周縁部における前記基板側の面に密着配置された第2保護部と、
    前記ブラスト研磨用マスクを基板上に密着させて前記被覆部材の基板上の位置を維持する密着手段と
    を備える太陽電池パネルの製造方法。
  13. 請求項12に記載の太陽電池パネルの製造方法において、
    前記ブラスト研磨用マスクは、
    前記被覆部材が、板状の構造を有すると共に前記補強部材が、リブ構造を有する、または、前記被覆部材が、該被覆部材の周縁部に環状で板状の構造を有すると共に、前記補強部材が、前記被覆部材の周縁部の内側に結合された箱型形状の構造を有する太陽電池パネルの製造方法。
  14. 請求項12または請求項13に記載の太陽電池パネルの製造方法において、
    前記ブラスト研磨用マスクは、
    前記密着手段として、
    前記被覆部材と前記補強部材の自重、または、前記被覆部材又は前記補強部材における前記基板と反対の側に接続され、前記基板側に開放され、真空排気用の配管に接続して減圧する手段、または、前記被覆部材又は前記補強部材に結合された磁石を有し、前記基板に対して前記磁石と反対の側に用意された磁性金属板とが引き合うことで、前記基板へ押し付ける手段とする太陽電池パネルの製造方法。
  15. 請求項12乃至14のいずれか一項に記載の太陽電池パネルの製造方法において、
    前記ブラスト研磨用マスクは、前記被覆部材における補強部材のある面と反対の面を覆うように設けられ、前記被覆部材による前記薄膜への損傷を防止する接触保護膜を更に備える太陽電池パネルの製造方法。
  16. 請求項12乃至15のいずれか一項に記載の太陽電池パネルの製造方法において、
    前記ブラスト研磨用マスクは、前記被覆部材の周縁部を覆うように設けられ、前記ブラスト研磨の研磨材から前記被覆部材の周縁部を保護する第1保護部を更に備える太陽電池パネルの製造方法。
  17. 請求項12乃至16のいずれか一項に記載の太陽電池パネルの製造方法において、
    前記第工程は、
    前記ブラスト研磨用マスクを基板上に装着、及び、前記基板上の前記ブラスト研磨用マスクを取り外す脱着部と、
    前記ブラスト研磨用マスクで覆われていない前記基板の周縁部上の薄膜をブラスト研磨で削るブラスト研磨部と
    を具備する自動ブラスト研磨装置を用いる太陽電池パネルの製造方法。
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