JP2009166203A - ブラスト研磨用マスク及び太陽電池パネルの製造方法 - Google Patents

ブラスト研磨用マスク及び太陽電池パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラスト研磨用マスクを吸着させた際に、ブラスト研磨用マスクから受ける押圧によって太陽電池モジュールに損傷が発生することを防止できる、ブラスト研磨用マスク及び太陽電池パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のブラスト研磨用マスク(15)は、膜の形成された基板に対してブラスト研磨を行う際に用いられるブラスト研磨用マスクである。このブラスト研磨用マスク(15)は、前記基板(1)上においてブラスト研磨から保護されるべき保護領域における周縁部を保護する枠状のマスク周縁部(24)と、前記周縁部以外の前記保護領域上を覆って前記基板との間に空間を形成するように前記マスク周縁部から延びる被覆部(21)と、前記基板(1)と前記被覆部(21)と前記マスク周縁部(24)とで囲まれた前記空間を排気するための真空引き用開口(33)と、前記被覆部(21)における前記基板と対向する対向面に設けられた押圧保護体(14)とを具備する。
【選択図】図5B

Description

本発明は薄膜太陽電池に関し、特に、ブラスト研磨用マスク及び太陽電池パネルの製造方法に関する。
基板上に太陽電池モジュールの形成された太陽電池パネルが知られている。図1は、従来の薄膜太陽電池パネルの製造方法の一工程に関わる斜視図である。
図1(a)に示されるように、基板101の主面にはほぼ全面に太陽電池モジュール104が形成される。次に、図1(b)に示されるように、基板の周縁部に設けられた太陽電池モジュール104が研磨により除去され、周囲膜除去領域103が設けられる。周囲膜除去領域103は、太陽電池モジュール104を接着シート(例示;EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体))を介してバックシートにより封止する際の健全な接着・シール面を確保するために設けられる。
研磨により周囲膜除去領域103を形成する方法として、ブラスト研磨処理が知られている。ブラスト研磨処理では、図1(b)に示すように、ブラスト研磨用マスク109が、太陽電池モジュール104を残すべき領域(保護領域)を被覆するように配置される。その後、基板101の周縁部に設けられた太陽電池モジュール104がブラスト材で研磨され除去される。
上記と関連して、特許文献1(特許第3243227号公報)に薄膜太陽電池モジュールが開示されている。この薄膜太陽電池モジュールでは、透光性ガラス基板上に形成された、透明電極層、光半導体層および金属層の少なくとも一部を光ビームによって複数のセルに分離し、相互に電気的に接続することによりセルが集積してなる。その透光性基板の周端部全域における光半導体層及び金属層、または透明電極層、光半導体層及び金属層は、周端部の主面周縁から0.5mm以上にわたって機械的または光ビームにより除去されて、透明電極又は透光性ガラス基板が露出し、この露出部に封止充填材が設けられているとともに、機械的または光ビームにより除去された部分の内側には、光ビームにより太陽電池活性部と周端部とを電気的に分離する絶縁分離線が形成されている。ここでは、薄膜太陽電池モジュール周囲のEVAとの接着面を100μm以下の微粒子吹きつけで除去することが記載されている。
また、特許文献2(特開2000−312018号公報)には、太陽電池モジュール及びその製造方法が開示されている。この太陽電池モジュールは、絶縁性を有する基板の一主面上に、第1電極と、光電変換機能を有する半導体膜と、第2電極とからなる光電変換部を備え、該光電変換部上に接着層によって、導電性を有する裏面材が接着されてなる。その接着層が絶縁性の材料からなり、且つ、光電変換部の周側面を被覆して設けられている。ここでは、薄膜太陽電池モジュール周囲のEVAとの接着面は、マスク用保護膜(ゴムやエポキシ樹脂)で非研磨領域をマスキングして、ブラスト研磨を行って形成している。
また、特許文献3(特開2007−181904号公報)には、ブラスト研磨用マスク、自動ブラスト研磨装置及び太陽電池パネルの製造方法が開示されている。このブラスト研磨用マスクは、被覆部材と、被覆部材と結合し、被覆部材の強度を高める補強部材とを具備し、被覆部材は基板の第1周縁部上の薄膜がブラスト研磨で削られるとき、第1周縁部の内側の薄膜上を覆う。また、被覆部材は、第2周縁部としての環状で板状の構造を有し、補強部材は第2周縁部の内側に結合された箱形形状の構造を有することが記載されている。また、ブラストによって研磨する際に、ブラスト研磨用マスクと太陽電池モジュールとの間の空間を減圧し、ブラスト研磨用マスクを太陽電池モジュールに吸着させることが記載されている。また、そのブラスト研磨用マスクは、被覆部材における補強部材のある面と反対の面を覆うように設けられ、被覆部材による薄膜への損傷を防止する接触保護膜を更に具備することが記載されている。
特許第3243227号 公報 特開2000−312018号 公報 特開2007−181904号 公報
図2Aは、特許文献3に記載されたような、箱型形状のブラスト研磨用マスクを示す斜視図である。また、図2Bは、そのようなブラスト研磨用マスクの断面図である。図2Aに示されるように、ブラスト研磨用マスク109は、太陽電池モジュール104が残存する非研磨領域を被覆するように、配置される。ブラスト研磨用マスク109のつば部分105は、基板101上の太陽電池モジュール104と当接する。一方、つば部分105の内側に結合された被覆部106は、太陽電池モジュール104と接しない。図2Bに示されるように、配管107を介して、ブラスト研磨用マスク109と太陽電池モジュール104との間に形成された隙間空間を真空ポンプPで排気する。これにより、ブラスト研磨用マスク109が太陽電池モジュール104に吸着する。その後、周囲膜除去領域103をブラスト研磨する。このような箱型形状のブラスト研磨用マスク109を用いれば、太陽電池モジュール104とブラスト研磨用マスク109とが当接する部分が最小限となるので、太陽電池モジュール109がブラスト研磨用マスク109によって損傷することを防止することができる。
しかしながら、ブラスト研磨用マスク109と太陽電池モジュール104との空間を減圧した場合、図3に示されるように、基板101が隙間空間側に反ってしまうことがある。この空間が減圧状態に至ると、基板101には大気圧として、約1000kg/mの圧力が加わってしまう。基板101として大型基板を使用する際には大きな反り変形が発生し、基板101の反り量によっては、太陽電池モジュール104がブラスト研磨用マスク109に接触や押圧する状況が発生することで太陽電池モジュール104の性能に影響が生じる場合があることが判明した。
また、基板101が変形することにより、基板101とブラスト研磨用マスク109との相対位置もずれてしまうことがある(図3;位置ずれ部分112参照)。その結果、研磨が不要な領域まで太陽電池モジュール104が研磨されてしまったり、研磨されるべき領域において太陽電池モジュール104が残存してしまったりすることがあり、太陽電池の品質を低下させる要因になることが判明した。
特許文献3には、ブラスト研磨用マスク109の内側の全体に接触保護膜を設けることが記載されている。しかし、発明者らの継続的な研究の結果、単に太陽電池モジュール104とブラスト研磨用マスク104との接触を保護するための膜を設けるだけでは、太陽電池モジュール104の損傷を防止するのに不十分であることが判明した。すなわち、ブラスト研磨用マスクと基板の間の空間が減圧されることにより、太陽電池モジュール104が大気に押されて反り、太陽電池モジュール104の中央付近とブラスト研磨用マスク109とが接触することがある。このとき、太陽電池モジュール104がブラスト研磨用マスク109に強く押し付けられて押圧を受けてしまうことがある。この押圧の影響により、太陽電池モジュールを複数の太陽電池セルに分割して直列接続する溝部分が強い押圧を受けると、この溝部分の構造が変形し、太陽電池セルの短絡や接触不良を発生し易く、発電性能に影響するような損傷が発生することがあることが判った。また、太陽電池モジュール104が押圧を受けている状態で、基板101の変形力などが加わると、太陽電池モジュール104に対して、表面を擦るような力(以下、横ずれによる力)が働いてしまうことがある。このような力が加わると、太陽電池モジュール104が、特に複数の太陽電池セルに分割して直列接続する溝部分において、損傷を更に受け易くなることが判った。
従って、本発明の目的は、ブラスト研磨用マスクを太陽電池モジュールを形成した基板に吸着させた際に、ブラスト研磨用マスクにより受ける押圧によって太陽電池モジュールに損傷が発生することを防止できる、ブラスト研磨用マスク及び太陽電池パネルの製造方法を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する括弧付き符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明のブラスト研磨用マスク(15)は、膜の形成された基板に対してブラスト研磨を行う際に用いられるブラスト研磨用マスクである。このブラスト研磨用マスク(15)は、前記基板(1)上においてブラスト研磨から保護されるべき保護領域における周縁部を保護する枠状のマスク周縁部(24)と、前記周縁部以外の前記保護領域上を覆って前記基板との間に空間を形成するように前記マスク周縁部から延びる被覆部(21)と、前記基板(1)と前記被覆部(21)と前記マスク周縁部(24)とで囲まれた前記空間を排気するための真空引き用開口(33)と、前記被覆部(21)における前記基板と対向する対向面に設けられた押圧保護体(14)とを具備する。
この発明によれば、減圧時に基板(1)が反ったときに、押圧保護体(14)によりブラスト研磨用マスク(15)に押し付けられても、その押圧が押圧保護体(14)により抑制され、保護領域が損傷することを防止できる。こうして基板(1)が排気時にも支持されやすくなる。従って、基板(1)の反り量を抑制することができる。その結果、基板(1)とブラスト研磨用マスク(15)の相対位置がずれてしまい、不必要な領域までもがブラスト研磨されてしまうことも防止できる。
既述の特許文献1には、微粒子の吹きつけを行い透光性ガラス基板の表面を露出させることについては記載されているが、その際にブラスト研磨用マスクを用いることについては記載されていない。ましてや、基板(1)と対向する面に押圧保護体(14)を貼り付けることについては、何らの記載もない。
既述の特許文献2には、ブラスト研磨時のマスクとしてラテックス、ゴムのような材料が例示されているが、保護領域と接触しないように被覆する被覆部(21)を設けることについては、記載されていない。また、ブラスト研磨用マスク(15)と基板(1)との間の空間を減圧し、ブラスト研磨用マスクを基板に吸着させることについても記載されていない。ましてや、基板(1)と対向する面に押圧保護体(14)を貼り付けること、については、何らの記載もない。
既述の特許文献3には、ブラスト研磨用マスクに接触保護膜を設けることが記載されている。しかし、押圧保護体(14)をブラスト研磨用マスク(15)に貼り付けることについては、記載されていない。既述のように、ブラスト研磨用マスクを基板に吸着させる場合、ブラスト研磨用マスクと保護領域の太陽電池モジュール(2)との接触を考慮しただけでは保護領域の損傷防止の観点から不十分である。本実施形態によれば、押圧保護体(14)により、ブラスト研磨用マスク(15)の押圧による保護領域の太陽電池モジュール(2)の損傷を防止することができる。
このような厚みとすることにより、減圧時において、押圧保護体(14)と基板(1)との間には、基板(1)が反らない限り、隙間(35)が形成される。このような隙間(35)が設けられない場合、ブラスト研磨用マスク(15)を基板(1)に吸着させた際に押圧保護体(14)に圧力の加わる時間が長く、圧力も大きくなる。その結果、押圧保護体(14)自体が劣化し、クッション性が低下し易くなる。これに対して、押圧保護体(14)の厚さを上述のような厚さとすることにより、押圧保護体(14)と保護領域とが接するのは、基板(1)がある程度変形したときに限定される。押圧保護体(14)に加わる圧力を小さくできるとともに、圧力の加わる時間を最小限とすることができ、押圧保護体(14)のクッション性を長期間にわたって維持することができる。
被覆部(21)が、空間が排気されたときに基板(1)と平行に伸びるように設けられているとき、押圧保護体(14)の厚み(b)は、前記当接部分を基準とした前記被覆部の前記対向面までの高さの40%以上80%以下であることが好ましい。
厚さ(b)が前記当接部分を基準とした前記被覆部の前記対向面までの高さの80%より大きいと、押圧保護体(14)のクッション性が使用時間に応じて低下し易くなる。一方、40%より小さいと、基板(1)の変形量が大きく許容される。その結果、ブラスト研磨用マスク(15)と基板(1)との相対位置がずれ易くなり、研磨が不要な領域までもがブラスト研磨されてしまう場合がある。
押圧保護体(14)は、複数層のシート材が積層された層体であることが好ましい。複数のシート材が積層された層体とすることにより、単層のシート材を用いた場合よりも高いクッション性を得ることができる。そのため、減圧時に基板(1)が反ってブラスト研磨用マスク(15)に押し付けられても、その押圧が押圧保護体(14)により効果的に抑制される。
そのシート材は、樹脂シートであることが好ましく、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)製であることがより好ましい。
EVAシートは、クッション性を有するとともに、太陽電池モジュール2の性能に有害となる化学反応性が低いので、太陽電池モジュール(2)を損傷させてしまうことを抑制できる。
押圧保護体(14)は、被覆部(21)における基板(1)と対向する面の、少なくとも保護領域の中央部と対向する位置に、貼り付けられていることが好ましい。
基板(1)は、ブラスト研磨用マスク(15)と当接している箇所から最も離れた中央部において、変形量が大きくなる。従って、保護領域の太陽電池モジュール(2)の中央部において、ブラスト研磨用マスク(15)と保護領域とが接触しやすくなる。そのような位置に押圧保護体(14)を貼り付けておくことにより、保護領域の損傷をより効果的に防止することができる。また、基板(1)の変形量を抑制できる位置に押圧保護体(14)を設けるので、基板(1)の反り量を効果的に抑制することができる。その結果、基板(1)とブラスト研磨用マスク(15)の相対位置がずれてしまい、不必要な領域までもがブラスト研磨されてしまうことも防止できる。
押圧保護体(14)は、複数の押圧保護体要素に分割されて、被覆部(21)における基板(1)と対向する面に互いに離れて貼り付けられていることが好ましい。
押圧保護体(14)と太陽電池モジュール(2)の保護領域が接しているときに、押圧保護体と保護領域が横方向(基板面方向)でずれたとき、保護領域に横ずれによる力が加わってしまうことがある。押圧保護体(14)を複数に分割して貼り付けることにより、そのような横ずれの影響を最小限とすることができ、保護領域が損傷することをより効果的に防止できる。
その保護領域には、太陽電池モジュール(2)が形成され、太陽電池モジュール(2)の表面には、太陽電池モジュール(2)を複数の太陽電池セルに対応して分割するための複数の溝(3)が、第1方向に沿って設けられているとき、押圧保護体(14)は、その複数の押圧保護体要素の各々が第1方向に長い短冊状となるように、分割されて、被覆部(21)における基板(1)と対向する面に貼り付けられていることが好ましい。
太陽電池モジュール(2)上に溝(3)が形成されている場合、溝(3)を横切るような方向で横ずれが発生すると、溝(3)に横ずれによる力が集中して加わってしまうことがある。それにより、溝(3)部分に損傷が発生しやすくなる。押圧保護体(14)が、溝方向に沿って分割されていることにより、横ずれによる力が溝(3)部分に集中することを防止できる。その結果、保護領域の太陽電池モジュール(2)の損傷をより効果的に防止することができる。
その保護領域に太陽電池モジュール(2)が形成され、太陽電池モジュール(2)の表面に、太陽電池モジュール(2)を複数の太陽電池セルに対応して分割するための複数の溝(3)が、第1方向に沿って設けられているとき、押圧保護体(14)は、第1方向と、基板面上で第1方向に直交する第2方向との双方に沿って、複数の押圧保護体要素に分割されて、被覆部(21)における基板(1)と対向する面に貼り付けられていることが好ましい。
押圧保護体(14)が、第1方向にも第2方向にも分割されていることにより、保護領域が受ける横ずれによる力を最小限にしたうえ、溝(3)部分に横ずれによる力が集中することも防止できる。
被覆部(21)は、基板(1)と反対側にリブ構造を有していることが好ましい。リブ構造を有していることにより、被覆部(21)が頑丈となる。ブラスト研磨処理時におけるブラスト材の噴射圧により、ブラスト研磨用マスク(15)が変形することが防止される。
一の観点から、マスク周縁部(24)は、板状であるつば部(23)と、つば部(23)と被覆部(21)に結合された立ち上がり部(22)と、つば部(23)の基板(1)側の面に配置された真空シール部材(13)とを備えることが好ましい。
このような構造のブラスト研磨用マスク(15)は、製造が容易で低コストで製造できる。
他の一観点から、被覆部(21)は板状であり、マスク周縁部(24)は、立ち上がり部(22)を設けずに、前記被覆部(21)に結合され、弾性を有する第1保護膜(26)と、前記第1保護膜に接続され、ブラスト研磨時にブラスト材が回り込むことを防止するようにシール性を有する第2保護膜(27)とを備えている。
保護膜を設けておくことにより、ブラスト研磨時にブラスト材がブラスト研磨用マスク(15)の端部から入り込むことが抑制される。
本発明の太陽電池パネル(32)の製造方法は、(a);基板周辺の少なくとも一部を含む基板(1)の主面に、太陽電池モジュール(2)を形成する工程と、(b);(a)工程の後に、上述のブラスト研磨用マスク(15)を、主面の保護領域上に配置する工程と、(c);(b)工程の後に、ブラスト研磨用マスク(15)と基板(1)とで囲まれた空間を排気する工程と、(d);(c)工程の後に、主面のうち保護領域以外の領域に形成された太陽電池モジュール(2)を、ブラスト研磨処理により除去する工程と、を具備する。
このような太陽電池パネルの製造方法によれば、ブラスト研磨時において、太陽電池モジュール(2)がブラスト研磨用マスクに押圧されても、その押圧力が押圧保護体(14)により低減される。その結果、太陽電池モジュール(2)が押圧により損傷してしまうことを防止できる。また、基板(1)の反り変形量を効果的に抑制することができるので、基板(1)とブラスト研磨用マスク(15)の相対位置がずれてしまい、不必要な領域までもがブラスト研磨されてしまうことも防止できる。この結果、太陽電池パネルを高歩留まりで製造することができる。
本発明によれば、ブラスト研磨用マスクを吸着させた際に、ブラスト研磨用マスクから受ける押圧によって太陽電池モジュールに損傷が発生することを防止できる、ブラスト研磨用マスク及び太陽電池パネルの製造方法が提供される。
(第1の実施形態)
図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態について説明する。図4Aは、本実施形態のブラスト研磨用マスクでブラスト処理された太陽電池モジュールを示す平面図であり、図4Bはその断面図である。図4A、Bに示されるように、太陽電池モジュール2は、透光性ガラス基板1(以下、基板1という)上に設けられている。基板1のサイズは1.4m×1.1mで例示される一辺が1mを超える大型サイズのガラス基板である。基板1の周縁部に製膜形成された太陽電池モジュール2が除去されており、基板1の表面もしくは基板1の表面から数μm〜数10μm程削りこまれた面が露出した周囲膜除去領域6となっている。太陽電池モジュール2は、複数の太陽電池セル7に分離されている。複数の太陽電池セル7の各々は、第1方向を長手方向とした短冊状である。各太陽電池セル7は、基板1上に透明電極層8と、光電変換層9と、裏面電極層10が積層されている。隣接する各太陽電池セル7の間で、透明電極層8は溝5により分割され、光電変換層9は溝4により分割され、裏面電極層10は溝3により分割されている。溝4は、裏面電極層3を構成する成分によって埋められており、これによって複数の太陽電池セル7は電気的に直列に接続されている。太陽電池モジュール2の第1方向側両端部の近傍には、絶縁溝11が第2方向に沿って設けられている。
上述のような構造を得るにあたっては、まず、基板1上の全面に太陽電池モジュール2が形成される。次に、基板1の周縁部に製膜形成された太陽電池モジュール2が研磨により除去される。この研磨としては、回転砥石(例えば、幅3〜5mm、#400〜800の炭化珪素系研磨材)で研磨除去が可能であるが、太陽電池モジュール2の膜厚は数μm以下と薄いため、研磨量の制御が難しい。また、研磨残りの防止には、ガラス基板まで研磨を行う必要があり、研磨量が多すぎるとガラス基板の周辺強度が低下する懸念がある。また、回転砥石は高価でランニングコストが高くなってしまう。そのため、ブラスト研磨処理が、基板1の周縁部の太陽電池モジュール2の除去処理として、好適に使用される。ブラスト研磨処理を用いれば、回転砥石における過剰研磨と高コストの課題を解決できる。ブラスト研磨処理を行う場合、ブラスト研磨用マスク15により太陽電池モジュール2を残存させるべき領域(以下、保護領域)が被覆され、ブラスト材が噴射されて研磨処理が行われる。これにより、ブラスト研磨用マスク15で保護されていない領域の太陽電池モジュール2が除去され、周囲膜除去領域6が形成される。このとき、周囲膜除去領域6では、基板1も表面から数μm〜数10μm程削りこまれた状況になるが、基板1の周辺強度低下への影響はほとんど無い。
図5Aは、ブラスト研磨用マスク15の構成を示す斜視図である。図5Bはブラスト研磨用マスク15の断面図である。尚、図5Bは、基板1とブラスト研磨用マスク15とで囲まれた空間34が減圧されたときの状態を示している。図5A及び図5Bに示されるように、ブラスト研磨用マスク15は、つば付きの箱型形状である。具体的には、平板状の被覆部21と、マスク周縁部24と、真空引き用開口33と、押圧保護体14とを備えている。マスク周縁部24は、つば部23と、立ち上がり部22と、真空シール部材13とを備えている。ブラスト研磨用マスク15の強度は、箱型構造を有することにより、高められている。ブラスト研磨時に、ブラスト研磨用マスク15にブラスト材が噴射されると、ブラスト研磨用マスク15が残留応力により変形してしまうことがある。しかし、本形態におけるブラスト研磨用マスク15は、箱型構造により強度が高められているので、残留応力による変形が起こり難い。つば部23は、基板1の保護領域の外周形状に対応した枠状の板である。立ち上がり部22は、一端でつば部23の内側端部に結合され、他端で被覆部21に結合されている。立ち上がり部22は、つば部23の内周全周にわたり設けられている。被覆部21は、立ち上がり部22の他端から、保護領域の太陽電池モジュール2を被覆するように延びている。被覆部21は、つば部23と平行に延びていてもよい。つば部23、立ち上がり部22、及び被覆部21は、例えば金属板により形成され、軽量で取り扱い易いアルミニウム合金などを利用できる。
このような形状のブラスト研磨用マスク15を基板1上に配置すると、マスク周縁部24においてブラスト研磨用マスク15と基板1とが真空シール部材13を介して当接し、被覆部21は基板1と略平行になる。ここで、被覆部21と基板1との間には、立ち上がり部22の高さに対応した空間が生じる。すなわち、被覆部21とマスク周縁部24と基板1とによって、空間34が生じることになる。真空引き用開口33は、空間34から排気するために設けられている。真空引き用開口33には、真空排気用の配管に接続可能な配管12が通されている。配管12の途中には弁が取り付けられている。配管12を用いて空間34から排気した後、その弁を閉じることにより、空間34内を減圧状態に維持することができる。真空排気する配管12と真空ポンプ(図示せず)との間を切り離して、ブラスト研磨処理を行う際にはワンタッチ接続による自動化が可能なように、逆止弁の付いたカプラを設けるとさらに好ましい。空間34内を減圧状態に維持すれば、ブラスト研磨用マスク15が基板1に吸着する。これにより、ブラスト研磨用マスク15を基板1に固定することが可能である。真空シール部材13は、ブラスト研磨用マスク15と基板1とのあいだをシールするためのものであり、つば部23の基板1側の面に取り付けられている。
押圧保護体14は、被覆部21における、基板1と対向する面に貼り付けられている。空間34内を減圧状態とすると、基板1が、大気圧に押されて、特に基板1の中央部がブラスト研磨用マスク15側に反ることがある。反りにより、基板1上の太陽電池モジュール2がブラスト研磨用マスク15と接触すると、太陽電池モジュール2に強い押圧や横ずれ力が加わる可能性がある。押圧保護体14は、このような押圧や横ずれ力から太陽電池モジュール2を保護するために設けられている。押圧保護体14は、被覆部21のほぼ全体にわたり、基板1と対向する面に貼り付けられている。
押圧保護体14は、複数のシート材が積層された層体である。複数のシート材の積層構造となっていることにより、各シート層間の隙間が適度に押圧を吸収できるので単層構造のものを用いた場合よりも、膜のクッション性が高くなる。その結果、空間34の減圧によって保護領域の太陽電池モジュール2がブラスト研磨用マスク15側に押されても、太陽電池モジュール2に発電特性に影響を与えるような損傷が発生することが防止される。
複数のシート材の各々には、弾性を有するシート材を用いるのが好ましい。弾性を有するシート材を用いることにより、太陽電池モジュール2がブラスト研磨用マスク15から押し付けられたときに、押圧を低減させることができる。また、シート材としては、太陽電池モジュール2に接触しても化学反応の発生などにより、太陽電池モジュールの発電特性に影響を与えないものが望ましい。特に裏面電極10は銀を利用することが多く、銀と接触して裏面電極10の劣化とならないよう配慮して、硫黄(S)成分を含有しない材料を用いることが好ましい。硫黄成分(S)が含まれていると、押圧保護体14が太陽電池モジュール2と接触したときに、硫黄(S)成分が太陽電池モジュール2の裏面電極層10中に入り込み、裏面電極層10を劣化させてしまうことがある。たとえば、硫黄(S)成分を含むゴム材などは、この観点から好ましくない。
適切な弾性を有し、硫黄(S)成分が含まれていないシート材として、EVAシートが挙げられる。EVAシートは、太陽電池モジュール2を押圧から保護する観点から適切な弾性を有している。また、EVAシートは、後工程で太陽電池モジュール2を封止する際に、太陽電池モジュール2に接して接着・被覆する材料として用いられる。すなわち、基板1と接触することが予定されている材料であり、太陽電池モジュール2の発電特性に影響を与えないことの確認された材料である。また、押圧保護体用のEVAシートとして、太陽電池モジュール2を封止する工程で端材として排出され廃棄される予定のものを用いることができる。押圧保護体用に特別なシート材を手配する必要がなくなり、コスト的に有利となる。また、押圧保護体14として、ゴム材を用いた場合には、ゴム材中に含まれる硫黄(S)成分が太陽電池モジュール2に付着し、太陽電池モジュール2の発電特性を落とすことがある。これに対し、EVAシートは、太陽電池モジュール2の発電特性に影響を与えるような成分が含まれていない観点からも、好ましい。
本実施形態では、押圧保護体14として、厚み約0.6mmのEVAシートを5枚積層したものを用いるものとする。すなわち、押圧保護体14の厚みbは約3mm〜約4mmとなる。また、空間34を減圧していないときに被覆部21と基板1との間の距離が約8mmであるとする。空間34を減圧した際に真空シール部材13が押圧され、被覆部21の第1高さaが約4mmになるものとする。ここでの第1高さaは、マスク周縁部24と基板1との当接部分を基準とした高さである。尚、減圧時には、基板1中央部が大気圧に押されて反る場合があるので、基板1の中央部における基板1から被覆部21の高さは、必ずしも第1高さaと同じではない。第1高さaが約4mmであり、押圧保護体14の厚みbが約3mm〜4mmであることにより、減圧時には、被覆部21の周縁領域である被覆部21が立ち上がり部22に結合する付近の領域において、押圧保護体14と基板1の隙間間隔が約1〜0mmになる。尚、図5Bでは、第1高さaと押圧保護体14の厚みbの関係を示すために、押圧保護体14と太陽電池モジュール2の間隔が0mm付近(a≒b)となったときの例が示されている。基板1と押圧保護体14との隙間がこのような間隔であれば、基板1が減圧により変形した際に、押圧保護体14が太陽電池モジュール2と接してそれを支持する。このとき、押圧保護体14のクッション性により、太陽電池モジュール2が押圧による損傷を受けてしまうことが防止される。また、基板1の反りによる変形が押圧保護体14により抑制される。基板1が大きく変形すると、ブラスト研磨用マスク15と基板1との相対位置がずれてしまうことがある。基板1の変形が抑制されることにより、ブラスト研磨用マスク15と基板1との相対位置がずれることも抑制される。従って、所望の領域のみをブラスト研磨処理することができる。
押圧保護体14は、図5A及び図5Bで示したように被覆部21の基板1と対向する面にほぼ全面に貼り付けられていてもよいが、基板1の中央部と対向するように、被覆部21の中央部(例えば、保護領域の中心に対向する位置を中心とし、保護領域を縮小した形状であり、保護領域の10%〜50%の面積を占める領域)にのみ貼り付けられていてもよい。図5Cは、押圧保護体14が中央部にのみ貼り付けられたブラスト研磨用マスク15の断面図であり、空間34が減圧された状態を示している。尚、図5Cでは、第1高さaと押圧保護体14の厚みbの関係を示すために、押圧保護体14と太陽電池モジュール2の間隔が0mm付近(a≒b)となったときの例が示されている。空間34が減圧されて基板1が反ったとき、その反り量は基板1の中央部が大きくなる。従って、基板1とブラスト研磨用マスク15とが接触する可能性が高いのは、基板1の中央部である。被覆部21の中央部に押圧保護体14が貼り付けられてさえいれば、太陽電池モジュール2の損傷を防止することができる。
図6A乃至6Cを参照して、本実施形態の他の形態のブラスト研磨用マスク15を説明する。図6Aは、ブラスト研磨用マスク15の他の形態を示す斜視図である。図6Bは、基板1上に配置されたブラスト研磨用マスク15を示す断面図である。図6Cは、図6Bにおいて、押圧保護体14を被覆部21の中央部にのみ貼り付けたブラスト研磨用マスク15を用いたものを示す断面図である。示す断面図である。尚、図6Bと図6Cでは、第1高さaと押圧保護体14の厚みbの関係を示すために、押圧保護体14と太陽電池モジュール2の隙間間隔が0mm付近(a≒b)となったときの例が示されている。
図6Aに示されるように、ブラスト研磨用マスク15において、被覆部21は、概ね平板型である。但し、被覆部21の基板1と反対側には、凹部29と凸部25が設けられている。凸部25は、細板が格子状に延びるように配置されており、これによってリブ構造が形成されている。ブラスト研磨用マスク15の強度は、リブ構造を有することにより、高められている。ブラスト研磨時に、ブラスト研磨用マスク15にブラスト材が噴射されると、ブラスト研磨用マスク15が残留応力により変形してしまうことがある。しかし、本形態におけるブラスト研磨用マスク15は、リブ構造により強度が高められているので、残留応力による変形が起こり難い。
図6Bに示されるように、本形態では、既述の箱型形状のブラスト研磨用マスク15とは異なり、マスク周縁部24につば部及び立ち上がり部が設けられていない。マスク周縁部24は、被覆部21の基板1と対向する側の面に設けられた保護膜(26、27)を備えている。保護膜(26、27)は、保護領域の外周形状に対応した形状であり、空間34を減圧する際にブラスト研磨用マスク15の端部を真空シールする目的で取り付けられている。また、この保護膜(26、27)は、ブラスト研磨時にブラスト材がブラスト研磨用マスク15の端部から内側に入り込んでしまうことを防止する。保護膜(26、27)は、劣化したときに取り替えることができるように取り付けられている。保護膜(26、27)は、弾力・緩衝性用の第1保護膜26と、シール用の第2保護膜27との二層構造となっている。保護膜(26、27)を単層構造とした場合、空間34を減圧したときに、保護膜(26、27)が押しつぶされ、長時間にわたり使用しているうちに永久変形により保護膜(26、27)の弾性が低下してしまうことがある。弾性が低下することで、真空シールができなくなることがある。本形態のように、緩衝性用の第1保護膜と弾力性用の第2保護膜との二層構造とすることで、弾力性とシール性を保持することが可能である。緩衝性用の第1保護膜26としては、たとえば、シリコンゴムを用いることができる。弾力性用の第2保護膜としては、例えば、ネオプレンフォーム(独立発泡ゴムスポンジ)などを用いることができる。
被覆部21の外周部の上面(基板1と反対側の面)には、第3保護膜28が取り付けられている。ブラスト研磨用マスク15の周縁部は、多数回のブラスト研磨処理により徐々に削られ、減肉していく。第3保護膜28は、このような減肉を抑制するために設けられている。第3保護膜28は、減肉したときに取替えが可能なように、取り付けられている。第3保護膜28は、ブラスト研磨処理時のブラスト材の噴射に耐えられるような、ブラストの衝撃吸収性及び耐磨耗性を有し、ある程度の硬さを有していることが好ましい。このような材料として、例えば、クロロプレンフォーム及びシリコンゴムなどが挙げられる。
本形態においても、被覆部21の基板1と対向する面に、押圧保護体14が貼り付けられている。押圧保護体14は、既述の箱型形状のブラスト研磨用マスクと同様に、複数のシート材が積層された膜である。
本形態のブラスト研磨用マスク15(以下、平板型のブラスト研磨用マスク15と記載することがある)においては、空間34を減圧した際に保護膜(26、27)に力が加わることになる。既述の箱型形状のブラスト研磨用マスク15では、空間34を減圧した際に、立ち上がり部22に力が集中するので、長期の使用により変形してしまうことが考えられる。これに対し、本形態では保護膜(26、27)を取り替えることができ、長期にわたって使用することができる。
本形態のブラスト研磨用マスク15においても、空間34が減圧された際に、基板1が大気圧に押されて反ってしまうことが考えられる。また、減圧時には、保護膜(26、27)の厚みも薄くなる。その結果、基板1と被覆部21との距離が短くなり、保護領域の太陽電池モジュール2が押圧保護体14に反り変形で押圧されるが、押圧保護体14のクッション性により太陽電池モジュール2の損傷を抑制する。さらには、押圧保護体14が複数のシート材の積層構造による高いクッション性を有しているので、太陽電池モジュール2が押圧や横ずれ力により損傷することが効果的に防止される。また、押圧保護体14が基板1を中央部で支持するので、保護膜(26、27)が基板1から受ける力が減少する。その結果、太陽電池モジュール2の損傷を防止することにみならず、保護膜(26、27)の経時的な永久変形などによる劣化を遅らせることができ、保護膜(26、27)を長持ちさせることができる。
尚、図6Cに示されるように、本形態においても押圧保護体14は必ずしも被覆部21の全面に設けられている必要はなく、被覆部21の中央部にのみ貼り付けられていてもよい。
次に、本実施形態にかかる太陽電池パネルの製造方法について説明する。ここでは、基板1としてのガラス基板上に太陽電池光電変換層3として単層アモルファスシリコン薄膜太陽電池を用いた例について説明する。図7A〜図7Dは、本実施形態の太陽電池パネル32の製造方法の実施の形態を示す概略図である。
(1)図7A(a)
基板1としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mmを例示)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
(2)図7A(b)
透明電極層8として酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜を約500nm〜800nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層8として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
(3)図7A(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セル7の直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝5を形成するように幅約6mm〜15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
(4)図7A(d)
プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30〜1000Pa、基板温度:約200℃にてアモルファスシリコン薄膜であるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜して光電変換層9を形成する。光電変換層9は、SiHガスとHガスとを主原料に、透明電極層8の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。光電変換層9は本実施形態では、p層:BドープしたアモルファスSiCを主とし膜厚10nm〜30nm、i層:アモルファスSiを主とし膜厚200nm〜350nm、n層:pドープした微結晶Siを主とし膜厚30nm〜50nmである。またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
(5)図7A(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10〜20kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層8のレーザーエッチングラインの約100〜150μmの横側を、溝4を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層9のアモルファスシリコン層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用できるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
(6)図7B(a)
裏面電極層10としてAg膜/Ti膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。裏面電極層10は本実施形態では、Ag膜:200〜500nm、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10〜20nmをこの順に積層する。n層と裏面電極層10との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層9と裏面電極層10との間にGZO(GaドープZnO)膜を膜厚:50〜100nm、スパッタリング装置により製膜して設けても良い。
(7)図7B(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層9で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層10が爆裂して除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層8のレーザーエッチングラインの約250〜400μmの横側を、溝3を形成するようにレーザーエッチングする。
(8)図7B(c)と図7C(a)
発電に寄与する発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層8と光電変換層9で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層10が爆裂して、裏面電極層10/光電変換層9/透明電極層8が除去される。パルス発振:1〜10kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5〜20mmの位置を、図7B(c)に示すように、X方向絶縁溝11を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図7B(c)では、光電変換層9が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝11位置には裏面電極層10/光電変換層9/透明電極層8の膜研磨除去をした周囲膜除去領域6がある状態(図7C(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝11として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1の周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
絶縁溝11は基板1の端より5〜10mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール2内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなど同様に使用できるものがある。
(9)図7C(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート30との健在な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域6)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図7B(c)工程で設けた絶縁溝11よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝5よりも基板端側において、裏面電極層10/光電変換層9/透明電極層8を、ブラスト研磨などを用いて除去する。このとき、図5A〜図6Cで示した既述のブラスト研磨用マスク15を用いて、ブラスト研磨を行う。既述のように、ブラスト研磨用マスク15に押圧保護体14が設けられているので、基板1が減圧時に反ってブラスト研磨用マスク15に押し付けられたとしても、太陽電池モジュール2に損傷が発生することが防止される。そのため、このブラスト研磨処理を、高い歩留まりで実施することができる。尚、ブラスト処理は、研削材:アルミナ#400〜#800、噴射圧:0.1〜0.5MPa、噴射距離:30〜100mm、ノズル送速度:10〜50m/minで加工を実施したとき、従来の砥石研磨同等以下の研磨後ガラス基板表面粗さ(Ra≦1.5μm)を得ることができた。このとき、周囲膜除去領域6では、基板1も表面から数μm〜数10μmを削りこまれた状況になるが、基板1の周辺強度低下への影響はほとんど無い。研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
(10)図7C(a、b)
端子箱取付け部分はバックシート30に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材の複数層を設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セル7と、他方端部の太陽電池発電セル7とから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール2の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート30を設置する。バックシート30は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート30までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
(11)図7D(a)
太陽電池モジュール2の裏側に端子箱31を接着剤で取付ける。
(12)図7D(b)
銅箔と端子箱31の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル32が完成する。
(13)図7D(c)
図7D(b)までの工程で形成された太陽電池パネル32について発電検査ならびに、所定の性能試験を行った。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行った。
(14)図7D(d)
耐電圧検査は、ラミネートされた太陽電池パネルの出力端子と基板端面やバックシートなど導電部分との間にDC:3800V(または2200V)を1分間印加して、絶縁破壊がないことを確認した。
上記実施の形態では太陽電池として、単層アモルファスシリコン太陽電池を用いたものについて説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。
例えば、太陽電池として微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、アモルファスシリコン太陽電池と結晶質シリコン太陽電池やシリコンゲルマニウム太陽電池とを各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。本実施形態のブラスト研磨用マスク15は、第1の実施形態のブラスト研磨用マスクに対して、押圧保護体14の厚みが更に工夫されている。その他の点については第1の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図8Aは、本実施形態のブラスト研磨用マスク15の構成を示す断面図である。図8Aには、空間34が減圧されたときの様子が示されている。図8Aに示されるように、押圧保護体14の厚みbは、空間34が減圧されたときに基板1との間に適切な隙間35が生じるように設定されている。隙間35が設けられていることにより、基板1が反らない状態では、押圧保護体14が基板1と接触しなくなる。実際には、空間34が減圧され、基板1は大気圧に押されて、特に基板中央部が反りで変形して、基板1中央部付近において、押圧保護体14が基板1側から押されることになる。押圧保護体14が複数のシート材の積層構造による高いクッション性を有していることに加えて、空間34が減圧されたときに押圧保護体14と基板1との間に適切な隙間35が生じるように設定されているので、押圧保護体14が基板1側から押される量は少なく、太陽電池モジュール2が押圧や横ずれ力により損傷することが防止される。また、空間34が減圧されたときに押圧保護体14と基板1との間の隙間35が大きすぎると、基板1が大きく反り変形を発生して基板1が破損する場合もある。このため隙間35は大きすぎないことが必要である。
押圧保護体14の厚みbは、第1高さa(減圧時におけるマスク周縁部24と基板1との当接部分から被覆部21までの高さ)に対して、40%以上、80%以下であることが好ましい。厚みbが第1高さaの80%を超えると、押圧保護体14が基板1側から押される時間が長くなり、使用時間とともに弾力性が低下しやすくなる。押圧保護体14の弾力性が低下すると、太陽電池モジュール2の裏面電極層10に強い押圧や横ズレ力が加わることがあるため、押圧保護体14を頻繁に交換する必要がある。一方、厚みbが第1高さaの40%より薄い場合には、基板1が過度に反って変形してしまい、マスク位置に誤差を生じたりすることがある。その結果、保護領域までもがブラスト研磨されるなどして、太陽電池モジュール2の発電特性に支障をきたす場合がある。厚みbが更に薄い場合は、基板1が大きく反り変形を発生して基板1が破損する場合もある。
押圧保護体14の厚みbの例について、具体例を挙げて説明する。空間34を減圧していないときにおける被覆部21と基板1との距離が、例えば約8mmであるとする。空間34を減圧することにより、周囲の真空シール部材13が押圧されて、被覆部21の周縁領域において被覆部21と基板1との距離が約4mmにまで縮むものとする。すなわち、第1高さaが約4mmであるものとする。このような場合に、押圧保護体14として、約0.6mmのEVAシートが4枚積層されたもの(トータルの押圧保護体14の厚みはb=2.4mm)を用いる。空間34の減圧時に、被覆部21の周縁領域において押圧保護体14と基板1との隙間は、約1.6mmになる。このような隙間により、空間34の減圧時において、基板1が大気圧に押され変形したときに、特に基板1中央部付近にのみ、押圧保護体14と太陽電池モジュール2とが接することになる。基板中央領域以外では、押圧保護体14と太陽電池モジュール2とが接しないので、太陽電池モジュール2に押圧や横ずれ力がより加わり難くなり、太陽電池モジュール2の性能低下がより抑制される。
尚、図8Aでは、箱型形状のブラスト研磨用マスク15の例について示したが、第1の実施形態の図6A乃至6Cで説明したような平板型のブラスト研磨用マスク15についても、隙間35を設けることが好ましい。図8Bは、平板型のブラスト研磨用マスク15において、押圧保護体14と基板1との間に隙間35を設けたときの例を示している。第1の実施形態と同様に、被覆部21の基板1と反対側には、凹部29と凸部25によりリブ構造が形成されている。また、マスク周縁部24は、被覆部21の下面(基板1に対向する側の面)の外周部に取り付けられた、第1保護膜26と第2保護膜27とを備えている。押圧保護体14の厚みbは、被覆部21と基板1との第1高さaに対して、40%以上80%以下となるように設定されている。
平板型のブラスト研磨用マスク15においても、空間34を減圧すると、基板1が大気圧に押され変形し、保護膜(26、27)の厚みが薄くなる。押圧保護体14と基板1との間に適切な隙間35が設けられているので、押圧保護体14と基板1とが接触するのは、基板中央部付近のみに縮小される。ただし長期使用により、保護膜(26、27)の厚みが十分に薄くなると、隙間35が狭くなり、押圧保護体14と基板1が接触する領域が増加してくるので、定期的に保護膜(26、27)を交換することが望ましい。押圧保護体14の厚みbは、第1高さaに対して、40%以上、80%以下であるように設定してあるため、基板中央領域以外では、押圧保護体14と基板1とが接触しないので、押圧保護体14の押圧による劣化が抑制され、且つ、太陽電池モジュール2に押圧や横ずれ力がより加わり難くなる。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態に対して、押圧保護体14が複数の押圧保護体要素14a〜cに分割されている点で、工夫されている。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図9は、本実施形態に係るブラスト研磨用マスク15の斜視図である。この図に示されるように、押圧保護体14は、複数の押圧保護体要素14a〜cに分割されている。複数の押圧保護体要素14a〜cに分割されていることにより、押圧保護体14と基板1とが接触する部分の面積を減らすことができる。その結果、空間34を減圧した際に、ブラスト研磨用マスク15と基板1とが相互に変形しても、太陽電池モジュール2の裏面電極層10に強い押圧や横ズレ力が加わることを抑制できる。従って、裏面電極層10をより効果的に保護することができ、太陽電池モジュール2の性能低下がより抑制される。基板1周囲をブラスト研磨処理する工程における歩留まりを高くすることができる。ここで、太陽電池モジュール2を複数の太陽電池セルに分割して直列接続する溝3部分が強い押圧を受けると、この溝3部分の構造が変形し、太陽電池セル7の短絡や接触不良を発生し易く、発電性能に影響するような損傷が発生することがある。第3の実施形態のように、複数の押圧保護体要素14a〜cへ分割することで、溝3部分に押圧保護体14が接触する箇所を低減できるので、さらに太陽電池モジュール2への損傷を低減できる。
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第3の実施形態に対して、複数の押圧保護体要素14a〜cの形状が更に工夫されている。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図10は、本実施形態のブラスト研磨用マスク15の斜視図である。図10に示されるように、押圧保護体14は、複数の押圧保護体要素14a〜cに分割されている。ここで、複数の押圧保護体要素14a〜cの各々は、第1方向に長い短冊状である。第1方向は、複数の太陽電池セル7の各々の長手方向に相当し、太陽電池モジュール2の裏面電極層10を各太陽電池セル7に対応して分割する溝3の延びる方向である。すなわち、各押圧保護体要素14a〜cは、太陽電池モジュール2の表面に設けられた溝3と平行に、配置されている。
太陽電池モジュール2が、複数の太陽電池セル7の集積化された構造を有する場合、その表面(裏面電極層10)には、溝3が形成されることになる。基板1がブラスト研磨用マスク15と接触した場合、溝3部分には押圧や横ずれによる力が集中して加わり易い。特に、押圧保護体14の周囲エッジ部分では、溝3に対して押圧や横ずれによる力が集中し易い。その結果、溝3部分がつぶれて隣接する太陽電池セル7間が短絡しやすくなるなど、太陽電池モジュール2の性能が低下し易くなる。これに対して、本実施形態のように、各押圧保護体要素14a〜cが溝3と平行に配置されていれば、押圧が溝3に集中することが防止される。また、溝3を横切るような方向に横ずれによる力が働くことも防止される。これにより、押圧保護体14の周囲エッジ部分により、溝3に強く押圧や横ズレ力が加わることがさらに抑制できる。第4の実施形態のように、複数の押圧保護体要素14a〜cへ分割することで、やむを得なく溝部分に押圧保護体14が接触する箇所の面圧を低減できるので、さらに太陽電池モジュール2への損傷を低減できる。
(第5の実施形態)
続いて、第5の実施形態について説明する。本実施形態では、第3、4の実施形態に対して、複数の押圧保護体要素14a〜cの形状が更に工夫されている。そのたの点については、第3、4の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図11は、本実施形態のブラスト研磨用マスク15の斜視図である。図11に示されるように、押圧保護体14は、第1方向と第2方向との双方に沿って分割され、複数の押圧保護体要素14a〜iを形成している。第2方向は、基板1面方向において、第1方向に直交する方向である。第1方向と第2方向との双方に沿って分割されることにより、複数の押圧保護体要素14a〜iは、いわゆるチドリ状に配置されている。このように押圧保護体14が配置されていることにより、押圧保護体14そのものによる太陽電池モジュール2の裏面電極層10に押圧や横ズレ力が加わることを抑制でき、加えて、押圧保護体14の周囲エッジ部分において溝3に押圧や横ズレ力が集中して加わることも抑制できる。第5の実施形態のように、複数の押圧保護体要素へ分割することで、やむを得なく溝部分に押圧保護体14が接触する箇所を分散でき、接触部分での押圧を低減できるので、さらに太陽電池モジュール2への損傷を低減できる。
以上、第1〜第5の実施形態について説明したが、これらは必要に応じて矛盾のない範囲内で組み合わせて用いることも可能である。また、第3〜第5の実施形態においては、箱型形状のブラスト研磨用マスク15を図示して説明したが、図6Aで示したような平板型のブラスト研磨用マスク15に置き換えることも可能である。
太陽電池パネルの製造工程の一過程を示す斜視図である。 箱型のブラスト研磨用マスクを示す斜視図である。 箱型のブラスト研磨用マスクを示す断面図である。 箱型のブラスト研磨用マスクを示す断面図である。 第1の実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図である。 第1の実施形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。 第1の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す斜視図である。 第1の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す断面図である。 第1の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す断面図である。 第1の実施形態に係るブラスト研磨用マスクの他の形態を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るブラスト研磨用マスクの他の形態を示す断面図である。 第1の実施形態に係るブラスト研磨用マスクの他の形態を示す拡大断面図である。 第1の実施形態に係る太陽電池パネルの製造工程を示す工程断面図である。 第1の実施形態に係る太陽電池パネルの製造工程を示す工程断面図である。 第1の実施形態に係る太陽電池パネルの製造工程を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る太陽電池パネルの製造工程を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す断面図である。 第2の実施形態に係るブラスト研磨用マスクの他の例を示す断面図である。 第3の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す斜視図である。 第4の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す斜視図である。 第5の実施形態に係るブラスト研磨用マスクを示す斜視図である。
符号の説明
1 基板
2 太陽電池モジュール
3 溝
4 溝
5 溝
6 周囲膜除去領域
7 太陽電池セル(発電セル)
8 透明電極層
9 光電変換層
10 裏面電極層
11 溝
12 配管
13 真空シール部材
14 押圧保護体
15 ブラスト研磨用マスク
21 被覆部
22 立ち上がり部
23 つば部
24 マスク周縁部
25 凸部
26 第1保護膜
27 第2保護膜
28 第3保護膜
29 凹部
30 バックシート
31 端子箱
32 太陽電池パネル
33 真空引き用開口
34 空間
35 隙間
101 基板
103 周囲膜除去領域
104 太陽電池モジュール
105 つば部
106 被覆部
107 配管
109 ブラスト研磨用マスク
111 接触部分

Claims (14)

  1. 太陽電池モジュールの少なくとも一部を構成する膜が形成された基板に対してブラスト研磨を行う際に用いられるブラスト研磨用マスクであって、
    前記基板上においてブラスト研磨から保護されるべき保護領域における周縁部を保護する枠状のマスク周縁部と、
    前記周縁部以外の前記保護領域上を覆って前記基板との間に空間を形成するように前記マスク周縁部から延びる被覆部と、
    前記基板と前記被覆部と前記マスク周縁部とで囲まれた前記空間を排気するための真空引き用開口と、
    前記被覆部における前記基板と対向する対向面に設けられた押圧保護体と
    を具備する
    ブラスト研磨用マスク。
  2. 請求項1に記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記押圧保護体の厚さは、前記空間が排気されたときに、前記マスク周縁部と前記基板との当接部分を基準とした前記被覆部の対向面までの高さより薄い
    ブラスト研磨用マスク。
  3. 請求項2に記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記被覆部は、前記空間が排気されたときに前記基板と平行に伸びるように設けられ、
    前記押圧保護体の厚さは、前記当接部分を基準とした前記被覆部の前記対向面までの高さの40%以上80%以下の厚さである
    ブラスト研磨用マスク。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記押圧保護体は、複数層のシート材が積層された積層体である
    ブラスト研磨用マスク。
  5. 請求項4に記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記シート材は、樹脂シートである
    ブラスト研磨用マスク。
  6. 請求項5に記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記シート材は、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)製である
    ブラスト研磨用マスク。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記押圧保護体は、前記被覆部における前記基板と対向する面の、少なくとも前記保護領域の中央部と対向する位置に、貼り付けられている
    ブラスト研磨用マスク。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記押圧保護体は、複数の押圧保護体要素に分割されて、前記被覆部における前記基板と対向する面に互いに離れて貼り付けられている
    ブラスト研磨用マスク。
  9. 請求項8に記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記保護領域には、太陽電池モジュールが形成され、
    前記太陽電池モジュールの表面には、前記太陽電池モジュールを複数の太陽電池セルに対応して分割するための複数の溝が、第1方向に沿って設けられ、
    前記押圧保護体は、前記複数の押圧保護体要素の各々が前記第1方向に延びる長い短冊状となるように、分割されて、前記被覆部における前記基板と対向する面に貼り付けられている
    ブラスト研磨用マスク。
  10. 請求項8に記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記保護領域には、太陽電池モジュールが形成され、
    前記太陽電池モジュールの表面には、前記太陽電池モジュールを複数の太陽電池セルに対応して分割するための複数の溝が、第1方向に沿って設けられ、
    前記押圧保護体は、前記第1方向と、前記基板面上で前記第1方向に直交する第2方向との双方に沿って、前記複数の押圧保護体要素に分割されて、前記被覆部における前記基板と対向する面に貼り付けられている
    ブラスト研磨用マスク。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記被覆部は、前記基板と反対側にリブ構造を有している
    ブラスト研磨用マスク。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記マスク周縁部は、
    板状であるつば部と、
    前記つば部と前記被覆部に結合された立ち上がり部と、
    前記つば部の基板側の面に配置された真空シール部材とを備える
    ブラスト研磨用マスク。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクであって、
    前記被覆部は板状であり、
    前記マスク周縁部は、
    前記立ち上がり部を設けずに前記被覆部に結合され、弾性を有する第1保護膜と、
    前記第1保護膜に接続され、ブラスト研磨時にブラスト材が回り込むことを防止するようにシール性を有する第2保護膜とを備える
    ブラスト研磨用マスク。
  14. (a)基板周辺の少なくとも一部を含む基板の主面に、太陽電池モジュールを形成する工程と、
    (b)前記(a)工程の後に、請求項1乃至13のいずれかに記載されたブラスト研磨用マスクを、前記主面の前記保護領域上に配置する工程と、
    (c)前記(b)工程の後に、前記ブラスト研磨用マスクと前記基板とで囲まれた空間を排気する工程と、
    (d)前記(c)工程の後に、前記主面のうち前記保護領域以外の領域に形成された前記太陽電池モジュールを、ブラスト研磨処理により除去する工程と
    を具備する
    太陽電池パネルの製造方法。
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