JP2011066292A - 太陽電池パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの低減を図るとともに、軽量化を図ることにより製造時や施工時の取扱を容易にすることができる太陽電池パネルを提供する。
【解決手段】入射光が入射する側から順に透光性基板11A、透光性基板11A上に配置される光電変換層、および、透光性基板11Aとの間で光電変換層を密封する裏面基板11Bが積層された太陽電池モジュール2と、裏面基板11Bに固定されて、太陽電池モジュール2を支持するリブ部3L,3Sと、が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】入射光が入射する側から順に透光性基板11A、透光性基板11A上に配置される光電変換層、および、透光性基板11Aとの間で光電変換層を密封する裏面基板11Bが積層された太陽電池モジュール2と、裏面基板11Bに固定されて、太陽電池モジュール2を支持するリブ部3L,3Sと、が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池パネルに関し、特に発電層を製膜で製作する薄膜系太陽電池パネルに関する。
従来、太陽電池パネルとして板厚が約4mm、縦横が約1.4m×約1.1mのガラス基板に薄膜シリコン系太陽電池を形成し、封止材(EVA)とバックシート(PET/AL/PET構造)で密閉処理を施し、アルミフレーム枠を取付けたものが知られている。
上述のアルミフレーム枠の材料費は太陽電池パネルにおける材料費全体に対して約10%から約20%を占めることから、アルミフレーム枠は太陽電池パネルの製造に用いられる材料の中でも高価なものであった。
上述のアルミフレーム枠の材料費は太陽電池パネルにおける材料費全体に対して約10%から約20%を占めることから、アルミフレーム枠は太陽電池パネルの製造に用いられる材料の中でも高価なものであった。
そのため、上述の構成を有する太陽電池パネルの製造コストを低減させるためには、アルミフレーム枠を省略または簡略化することが有効と考えられる。
具体的には、太陽電池パネルの裏面に配置されていたバックシートをガラス基板に置き換え、アルミフレーム枠が負担していた強度の少なくとも一部を当該ガラス基板に負担させることにより、アルミフレーム枠を省略または簡略化することができる(例えば、特許文献1参照。)。
このように、太陽電池パネルの表面および裏面にガラス板を配置する構成を以下ではダブルガラス構造と表記する。
具体的には、太陽電池パネルの裏面に配置されていたバックシートをガラス基板に置き換え、アルミフレーム枠が負担していた強度の少なくとも一部を当該ガラス基板に負担させることにより、アルミフレーム枠を省略または簡略化することができる(例えば、特許文献1参照。)。
このように、太陽電池パネルの表面および裏面にガラス板を配置する構成を以下ではダブルガラス構造と表記する。
その一方で、裏面にバックシート等を配置した太陽電池パネルは、アルミフレーム枠におけるコの字状の端部に太陽電池モジュールの縁部を差し込むことにより、アルミフレーム枠に太陽電池モジュールが固定される場合がある。
この場合において太陽電池パネルが傾斜面に設置されると、太陽電池パネルにおける発電面積が減少するという問題があった。
つまり、太陽光入射側の太陽電池モジュール表面とアルミフレーム枠との固定部分には段差が形成され、太陽電池パネルにおける傾斜面の下側では、当該段差に水分や埃が溜まりやすい。この水分や埃は太陽電池パネルに入射する入射光を遮るため、この部分が発電面積の減少部分となっていた。
つまり、太陽光入射側の太陽電池モジュール表面とアルミフレーム枠との固定部分には段差が形成され、太陽電池パネルにおける傾斜面の下側では、当該段差に水分や埃が溜まりやすい。この水分や埃は太陽電池パネルに入射する入射光を遮るため、この部分が発電面積の減少部分となっていた。
上述のダブルガラス構造を有する太陽電池パネルの場合には、太陽電池モジュールを支持するアルミフレーム枠が省略または簡略化されているため、太陽電池モジュール表面における入射光が入射する面にアルミフレーム枠の一部が配置されることがない。そのため、上述のように入射光が入射する面に水分や埃が溜まることがなく、発電面積が減少することがない。
一般にダブルガラス構造を有する太陽電池モジュールは、透光性ガラス基板に太陽電池発電層を形成し、封止材(EVA)を介して裏面ガラス基板をラミネート工程にて接着して密封することで、外部からの水分などの侵入を抑制している。
ここで、ラミネート工程までが終了したものを太陽電池モジュール、全ての製造工程が終了したものを太陽電池パネルと表記することとする。
ここで、ラミネート工程までが終了したものを太陽電池モジュール、全ての製造工程が終了したものを太陽電池パネルと表記することとする。
市場に供給され始めた1辺が1m以上の大型強化ガラス基板を用いると、入射光が入射する表面および裏面に板厚が約3.2mm(表面:3.2mm(強化ガラス)+裏面:3.2mm(強化ガラス))の強化ガラス基板を用いた太陽電池パネルを構成することができる。
しかしながら、強化ガラス基板に対して高温製膜処理を施すと、強化ガラスの表面残留応力が鈍化し強度を維持できなくなるという問題がある。そのため、上述の構成が適用できる太陽電池は、基板を高温製膜する必要がないCIGS系やCdTe系薄膜太陽電池など一部に限定されるという問題があった。
しかしながら、強化ガラス基板に対して高温製膜処理を施すと、強化ガラスの表面残留応力が鈍化し強度を維持できなくなるという問題がある。そのため、上述の構成が適用できる太陽電池は、基板を高温製膜する必要がないCIGS系やCdTe系薄膜太陽電池など一部に限定されるという問題があった。
また、強化ガラス基板を切断しようとすると基板表面の残留応力が解除されてガラス基板が破損するために、強化ガラス基板の切断が出来ない。このために、実際に利用する太陽電池パネルの大きさに合わせた強化ガラス基板に薄膜太陽電池を形成する必要があり、製造工場での基板サイズは限定されたサイズしか対応できないという問題があった。
その一方で、TCO膜(透明導電膜)を熱CVD(化学気相成長)法で製膜するシリコン系薄膜太陽電池では、TCO膜の製膜時温度が約500℃に達する。そのため、強化ガラス基板の表面残留応力が鈍化し強度を維持できなくなることから、高価な強化ガラスを使用せずに、非強化の生板ガラス基板が利用されている。
また、非強化の生板ガラス基板は、ガラス切断や研磨処理が出来るので、製造工場で薄膜太陽電池を形成した後に、実際に利用する太陽電池パネルの大きさに合わせて切り出すことができ、基板サイズの制約条件がなく好適に用いられる。
また、非強化の生板ガラス基板は、ガラス切断や研磨処理が出来るので、製造工場で薄膜太陽電池を形成した後に、実際に利用する太陽電池パネルの大きさに合わせて切り出すことができ、基板サイズの制約条件がなく好適に用いられる。
具体的には、1辺が1m以上の大型太陽電池として、表面の透光性ガラス基板に板厚が約4.0mmの生板ガラスと、裏面ガラス基板に板厚が約4.0mmの生板ガラスとの組み合わせ(4.0mm(生板ガラス)+4.0mm(生板ガラス))、または、表面に板厚が約3.2mm生板ガラスと、裏面に板厚が約4.0mm強化ガラスとの組み合わせ(3.2mm(生板ガラス)+4.0mm(強化ガラス))を利用することが知られている。
そのため、シリコン系薄膜太陽電池にダブルガラス構造を適用すると質量が重くなる。特に面積が1m2を超える大型サイズの太陽電池パネルにおいて、例えば、上記の表面の透光性ガラス基板に板厚が約4.0mmの生板ガラスと、裏面ガラス基板に板厚が約4.0mmの生板ガラスとの組み合わせでは、ガラス基板だけでも、約20kg/m2となる。このため、太陽電池パネルの製造時や施工時の取扱に支障が生じるという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、製造コストの低減を図るとともに、軽量化を図ることにより製造時や施工時の取扱を容易にすることができる太陽電池パネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の太陽電池パネルは、入射光が入射する側から順に透光性基板、該透光性基板上に配置される光電変換層、および、前記透光性基板との間で前記光電変換層を密封する裏面基板が積層された太陽電池モジュールと、前記裏面基板に固定されて、前記太陽電池モジュールを支持するリブ部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の太陽電池パネルは、入射光が入射する側から順に透光性基板、該透光性基板上に配置される光電変換層、および、前記透光性基板との間で前記光電変換層を密封する裏面基板が積層された太陽電池モジュールと、前記裏面基板に固定されて、前記太陽電池モジュールを支持するリブ部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リブ部が裏面基板に接着され固定されているため、リブ部が用いられていない場合と比較して裏面基板自体の強度が低くてもよいことから、裏面基板を薄くすることができ、軽量化となる。
上記発明においては、前記透光性基板は、前記裏面基板が貼り合わされる前の前記太陽電池モジュールの製造工程における前記透光性基板の安定製造が可能な厚さを有し、前記裏面基板は前記透光性基板よりも板厚が薄いことが望ましい。
本発明によれば、透光性基板の厚さを確保することにより、透光性基板の自重によるたわみを抑制することができる。そのため、太陽電池モジュールの製造工程における透光性基板のたわみに起因する透光性基板の損傷を抑制し、安定して製膜処理を可能とすることができる。
例えば、面積が1m2を超える生板ガラス基板の場合、厚さが約2.8mm以上であることが好ましい。このようにすることで、ガラス基板における支持端の間隔が約1.4mの場合であっても、ガラス基板の水平たわみ(鉛直下方への自重たわみ)を搬送や保管を行う際の制限値以内にして、透光性基板の損傷を抑制することができる。
例えば、面積が1m2を超える生板ガラス基板の場合、厚さが約2.8mm以上であることが好ましい。このようにすることで、ガラス基板における支持端の間隔が約1.4mの場合であっても、ガラス基板の水平たわみ(鉛直下方への自重たわみ)を搬送や保管を行う際の制限値以内にして、透光性基板の損傷を抑制することができる。
その一方で、裏面基板は、透光性基板と比較して、太陽電池モジュールの製造工程における裏面基板のたわみを抑制する必要が少ない。さらに、太陽電池パネルの状態では裏面基板はリブ部により補強されるため、透光性基板と比較して求められる強度が低くなる。そのため、透光性基板よりも裏面基板の板厚を薄くすることができ、軽量化となる。
上記発明においては、前記太陽電池モジュールには、前記光電変換層において発電された電力を集める集電部と、前記裏面基板に配置され、前記太陽電池モジュールにおいて発電された電力を外部に導く配線および前記集電部を電気的に接続する端子箱と、が設けられ、前記集電部は無酸素銅から形成されていることが望ましい。
本発明によれば、無酸素銅はタフピッチ銅よりも自己保有酸素が少ないため、集電部がタフピッチ銅から形成されている場合と比較して、密閉され封止された太陽電池モジュール内での酸化が抑制されるとともに耐久性を維持することができる。さらに、集電部の表面をハンダメッキなどの保護することが不要となり、太陽電池パネルの製造コスト低減を図ることができる。
上記発明においては、前記集電部は箔状に形成されるとともに一方の面には粘着材層が設けられ、前記集電部における前記配線と電気的に接続される部分は、前記集電部の端部が折り返されて前記粘着材層同士が貼り合わされていることが望ましい。
本発明によれば、集電部を配置する面と粘着材層とを対向させ、集電部を配置面に押しつけるだけで集電部が配置面に固定される。そのため集電部を、銀ペーストなどを用いて設置面に固定する場合と比較して、集電部の設置施工が容易となる。
その一方で、集電部の端部を折り返して粘着材層同士を貼り合わせているため、配線と電気的に接続される部分では粘着材層は外部に露出していない。そのため、配線と集電部を電気的に接続する際に、粘着材層の除去処理を行う必要がなく、容易に電気的に接続することができる。
集電部と配線との電気的な接続方法としては、ハンダ接合などを例示することができる。
集電部と配線との電気的な接続方法としては、ハンダ接合などを例示することができる。
上記発明においては、前記リブ部は、前記太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された一対の長辺リブと、短辺に沿って配置された一対の短辺リブと、を有し、前記裏面基板には、前記透光性基板と前記裏面基板との間に配置された前記集電部が取り出される取出し孔が形成され、該取出し孔は、前記長辺リブおよび前記短辺リブからなる矩形領域の対角線上の領域近傍であって、前記矩形領域の中央と、前記長辺リブおよび前記短辺リブと、から離れた位置に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、取出し孔を起点として裏面基板の破損が発生することを抑制することができる。
つまり、裏面基板に形成された取出し孔の周辺は応力が集中することが一般的に知られている。さらに、長辺リブおよび短辺リブからなる矩形領域では、太陽電池モジュールが重力や太陽電池パネルへ印加される荷重により下方にたわむため、矩形領域の中央で圧縮応力が高くなり、長辺リブや短辺リブにより支持されている矩形領域の周縁で引張り応力が高くなる。
つまり、裏面基板に形成された取出し孔の周辺は応力が集中することが一般的に知られている。さらに、長辺リブおよび短辺リブからなる矩形領域では、太陽電池モジュールが重力や太陽電池パネルへ印加される荷重により下方にたわむため、矩形領域の中央で圧縮応力が高くなり、長辺リブや短辺リブにより支持されている矩形領域の周縁で引張り応力が高くなる。
取出し孔を矩形領域の対角線上の領域近傍に配置することで、取出し孔を長辺リブおよび短辺リブから均等に遠ざけることができ、引張り応力が高い領域に取出し孔を配置することが避けられる。さらに取出し孔を矩形領域の中央と、長辺リブおよび短辺リブとから離れた位置に配置することで、圧縮応力および引張り応力がともに低い領域に取出し孔を配置することができる。そのため、取出し孔の周辺における応力を低減させて、裏面基板の破損が発生することを抑制することができる。
本発明の太陽電池パネルによれば、裏面基板に固定されて前記裏面基板を補強するとともに、太陽電池モジュールを支持するリブ部を設けたことにより、製造コストの低減を図るとともに、軽量化を図ることにより製造時や施工時の取扱を容易にすることができるという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る太陽電池パネルついて図1から図16を参照して説明する。
図1は、本実施形態の太陽電池パネルの構成を説明する模式図である。
本実施形態で説明する太陽電池パネル1は太陽電池モジュール2が設けられたシリコン系太陽電池パネルであり、太陽電池パネル1には図1に示すように、一対の長辺リブ(リブ部)3L,3L、および、一対の短辺リブ(リブ部)3S,3Sが設けられている。
以下、本発明の第1の実施形態に係る太陽電池パネルついて図1から図16を参照して説明する。
図1は、本実施形態の太陽電池パネルの構成を説明する模式図である。
本実施形態で説明する太陽電池パネル1は太陽電池モジュール2が設けられたシリコン系太陽電池パネルであり、太陽電池パネル1には図1に示すように、一対の長辺リブ(リブ部)3L,3L、および、一対の短辺リブ(リブ部)3S,3Sが設けられている。
図2は、図1の太陽電池モジュールの構成を説明する模式図である。
太陽電池モジュール2には、図2に示すように、透光性基板11Aと、透明電極層12と、光電変換層13と、裏面電極層14と、接着充填材シート25と、裏面基板11Bと、が主に設けられている。
太陽電池モジュール2には、図2に示すように、透光性基板11Aと、透明電極層12と、光電変換層13と、裏面電極層14と、接着充填材シート25と、裏面基板11Bと、が主に設けられている。
透光性基板11Aはガラス基板であり、ソーダフロートガラスや型押しガラスなどが利用できる。また、ガラスの材質として、一般に青板ガラスと白板ガラスと呼ばれるものがあり、いずれも当該基板として利用可能である。
光吸収波長である350nmから800nmの透過性を考慮すると、透光性基板11Aは、青板ガラスよりも鉄分が少なく透過率が高い白板ガラスがより好ましく、また、面積が1m2を超えるサイズで太陽電池モジュール2に必要とされる強度を確保できるように、ガラス基板の板厚は約2.8mmから約4.5mmであり、約3.0mmから約3.2mmの範囲の板厚であることが更に好ましい。
光吸収波長である350nmから800nmの透過性を考慮すると、透光性基板11Aは、青板ガラスよりも鉄分が少なく透過率が高い白板ガラスがより好ましく、また、面積が1m2を超えるサイズで太陽電池モジュール2に必要とされる強度を確保できるように、ガラス基板の板厚は約2.8mmから約4.5mmであり、約3.0mmから約3.2mmの範囲の板厚であることが更に好ましい。
透光性基板11Aは、白板ガラスを用いた場合は、波長が500nmにおいて透過率が91%以上、1000nmにおいて透過率が約89%以上となっている。一方、青板ガラスを用いた場合は、波長が500nmにおいて透過率が89%程度、1000nmにおいて透過率が約75%から80%程度と、白板ガラスより該光波長での透過性が少し低くなっている。
裏面基板11Bは透過性を必要としないため、白板ガラスよりも安価な青板ガラスのガラス基板であって、透光性基板11Aよりも薄い約1.8mmから約3.2mmであり、約2.0mmから約2.2mmの範囲の板厚であることが更に好ましい。裏面基板11Bは、透光性基板11Aより板厚を薄く軽くすることで、製造工程を容易にしている。
本実施形態では、透光性基板11Aおよび裏面基板11Bともに面積が1m2を超えるサイズ(例えば、縦横が1.4m×1.1m)である場合に適用して説明する。なお、両基板におけるコーナ面取り等は行ってもよいし、行わなくてもよく、特に限定するものではない。
一対の長辺リブ3L,3Lおよび一対の短辺リブ3S,3Sは、図1に示すように、太陽電池モジュール2の裏面基板11Bに固定され、太陽電池モジュール2を支持するものである。さらに、一対の長辺リブ3L,3Lおよび一対の短辺リブ3S,3Sは裏面基板11Bの強度を補強するものでもある。
本実施形態では、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sは各一対とした例に適用して説明するが、太陽電池パネル1の必要強度を確保するに当たり、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sの設置数量は、一対の数量に限定するものではない。
本実施形態では、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sは各一対とした例に適用して説明するが、太陽電池パネル1の必要強度を確保するに当たり、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sの設置数量は、一対の数量に限定するものではない。
本実施形態では、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sともに、断面形状がI字状に形成された例に適用して説明するが、太陽電池パネル1の必要強度を確保するに当たり、I字状断面を有するものに限定するものではない。
長辺リブ3Lは、裏面基板11Bにおける長辺端部に沿って延びるように配置された一対のリブである。短辺リブ3Sは一対の長辺リブ3Lの間にわたって配置されるものであって、裏面基板11Bにおける短辺端部と略平行に延びるように配置された一対のリブである。短辺リブ3Sは裏面基板11Bの短辺端部から中心側に離れた位置に配置されている。
言い換えると、一対の長辺リブ3L,3Lおよび一対の短辺リブ3S,3Sにより矩形状の枠構造物が構成されている。長辺リブ3Lと短辺リブ3Sとはボルト3Bなどの締結部材により固定されている。
言い換えると、一対の長辺リブ3L,3Lおよび一対の短辺リブ3S,3Sにより矩形状の枠構造物が構成されている。長辺リブ3Lと短辺リブ3Sとはボルト3Bなどの締結部材により固定されている。
次に、上述の構成を有する太陽電池パネル1の製造工程について説明する。
本実施形態では、透光性基板11Aであるガラス基板の上に、光電変換層13として単層アモルファスシリコン薄膜が製膜された太陽電池パネル1の例について説明する。
本実施形態では、透光性基板11Aであるガラス基板の上に、光電変換層13として単層アモルファスシリコン薄膜が製膜された太陽電池パネル1の例について説明する。
光電変換層13は、この単層アモルファスシリコン太陽電池を用いた例に限定されるものではない。例えば、太陽電池として微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、アモルファスシリコン太陽電池と結晶質シリコン太陽電池やシリコンゲルマニウム太陽電池とを各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。さらに複数層に積層させた各薄膜太陽電池の間には、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる、中間コンタクト層を設けてもよい。中間コンタクト層はGZO(GaドープZnO)膜などの透明導電膜を利用してもよい。
さらには、光電変換層13は、シリコン系薄膜太陽電池に限定する必要がなく、例えば化合物半導体系(CIS型、CIGS型やCdTe型など)太陽電池においても同様に利用することが可能である。
さらには、光電変換層13は、シリコン系薄膜太陽電池に限定する必要がなく、例えば化合物半導体系(CIS型、CIGS型やCdTe型など)太陽電池においても同様に利用することが可能である。
なお、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
また、結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコン系も含まれる。
また、結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコン系も含まれる。
本実施形態では光電変換層13を、アモルファスp層22A、アモルファスi層23A、およびアモルファスn層24Aを積層させたものに適用して説明する。
さらに、裏面電極層14を、第1裏面電極層14A、および第2裏面電極層14Bを積層させたものに適用して説明する。
さらに、裏面電極層14を、第1裏面電極層14A、および第2裏面電極層14Bを積層させたものに適用して説明する。
図3は、図2の太陽電池モジュールの製造工程を説明する模式図である。
まず、図3に示すように、透光性基板11Aとしてガラス基板、好ましくは光吸収波長である350nmから800nmの透過性に優れた白板ガラス基板が用意される。透光性基板11Aの端面には、コーナ面取りやR面取り加工が施されていることが望ましい。
まず、図3に示すように、透光性基板11Aとしてガラス基板、好ましくは光吸収波長である350nmから800nmの透過性に優れた白板ガラス基板が用意される。透光性基板11Aの端面には、コーナ面取りやR面取り加工が施されていることが望ましい。
図4は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における透明導電層を形成する工程を説明する模式図である。
そして、図4に示すように、透光性基板11Aに透明電極層12が熱CVD装置を用いて約500℃の温度条件下で製膜される。
そして、図4に示すように、透光性基板11Aに透明電極層12が熱CVD装置を用いて約500℃の温度条件下で製膜される。
透明電極層12は、酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜であって、約500nmから約800nmまでの膜厚を有するものである。この製膜処理の際、酸化錫膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。
透明電極層12は熱CVD装置を用いずに、酸化亜鉛膜(ZnO2)を主成分とする透明電極膜をスパッタなどで形成してもよい。
透明電極層12は熱CVD装置を用いずに、酸化亜鉛膜(ZnO2)を主成分とする透明電極膜をスパッタなどで形成してもよい。
なお、透光性基板11Aと透明電極層12との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成してもよいし、形成しなくてもよく、特に限定するものではない。
アルカリバリア膜は、例えば、熱CVD装置にて酸化シリコン膜(SiO2)を約500℃の温度条件下で製膜することにより形成される。酸化シリコン膜の膜厚は、約50nmから約150nmを例示することができる。
アルカリバリア膜は、例えば、熱CVD装置にて酸化シリコン膜(SiO2)を約500℃の温度条件下で製膜することにより形成される。酸化シリコン膜の膜厚は、約50nmから約150nmを例示することができる。
図5は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における透明導電層溝を形成する工程を説明する模式図である。
透明電極層12が製膜されると、図5に示すように、透明電極層溝15が形成される。
具体的には、透光性基板11AがX−Yテーブルに設置され、YAGレーザの第1高調波(1064nm)が、図の矢印に示すように、透明電極層12の膜面側から照射される。透明電極層12はレーザ光によりレーザエッチングされ、約6mmから15mmまでの範囲の間隔をあけて透明電極層溝15が形成される。この透明電極層溝15により、透明電極層12は短冊状に区切られる。
透明電極層12が製膜されると、図5に示すように、透明電極層溝15が形成される。
具体的には、透光性基板11AがX−Yテーブルに設置され、YAGレーザの第1高調波(1064nm)が、図の矢印に示すように、透明電極層12の膜面側から照射される。透明電極層12はレーザ光によりレーザエッチングされ、約6mmから15mmまでの範囲の間隔をあけて透明電極層溝15が形成される。この透明電極層溝15により、透明電極層12は短冊状に区切られる。
入射されるYAGレーザのレーザパワーは、透明電極層溝15の加工速度が適切な速度になるように調節される。透明電極層12に対して照射されるレーザ光は、透光性基板11Aに対して、発電セル2S(図12など参照。)の直列接続方向と略直交する方向に相対移動される。
図6は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における光電変換層を積層する工程を説明する模式図である。
透明電極層溝15が形成されると、図6に示すように、光電変換層13が透明電極層12に積層される。
具体的には、光電変換層13はSiH4ガスとH2ガスとを主原料に、プラズマCVD装置を用いて、約30Paから約1000Paまでの範囲の減圧雰囲気下で、透光性基板11Aの温度を約200℃に保った条件の下で製膜される。光電変換層13は、図2に示すように、光、例えば太陽光が入射する側から、アモルファスp層22A、アモルファスi層23A、アモルファスn層24Aが、この順に並ぶように積層される。
透明電極層溝15が形成されると、図6に示すように、光電変換層13が透明電極層12に積層される。
具体的には、光電変換層13はSiH4ガスとH2ガスとを主原料に、プラズマCVD装置を用いて、約30Paから約1000Paまでの範囲の減圧雰囲気下で、透光性基板11Aの温度を約200℃に保った条件の下で製膜される。光電変換層13は、図2に示すように、光、例えば太陽光が入射する側から、アモルファスp層22A、アモルファスi層23A、アモルファスn層24Aが、この順に並ぶように積層される。
本実施形態では、アモルファスp層22Aは、BドープしたアモルファスSiCを主とした膜厚が約10nmから約30nmの層であり、アモルファスi層23Aは、アモルファスSiを主とした膜厚が約200nmから約350nmの層であり、アモルファスn層24Aは、微結晶Siを含有するアモルファスSiにpドープしたSi層を主とした膜厚が約30nmから約50nmの層である場合に適用して説明する。
またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
またp層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
図7は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における接続溝を形成する工程を説明する模式図である。
光電変換層13が積層されると、図7に示すように、接続溝17が形成される。
具体的には、透光性基板11AがX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、光電変換層13の膜面側から照射される。光電変換層13は、レーザ光によりレーザエッチングされ、接続溝17が形成される。
光電変換層13が積層されると、図7に示すように、接続溝17が形成される。
具体的には、透光性基板11AがX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、光電変換層13の膜面側から照射される。光電変換層13は、レーザ光によりレーザエッチングされ、接続溝17が形成される。
また、レーザ光は光電変換層13の膜面側から照射してもよいし、反対側の透光性基板11A側から照射しても良く、特に限定するものではない。
透光性基板11A側から照射した場合、レーザ光のエネルギーは、光電変換層13のアモルファスシリコン層で吸収されて高い蒸気圧が発生する。この高い蒸気圧を利用して光電変換層13がエッチングされるため、更に安定したレーザエッチング加工を行うことが可能となる。
透光性基板11A側から照射した場合、レーザ光のエネルギーは、光電変換層13のアモルファスシリコン層で吸収されて高い蒸気圧が発生する。この高い蒸気圧を利用して光電変換層13がエッチングされるため、更に安定したレーザエッチング加工を行うことが可能となる。
レーザ光は、約10kHzから約20kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
さらに、接続溝17の位置は、前工程で加工された透明電極層溝15と交差しないように位置決め公差を考慮した上で選定される。
さらに、接続溝17の位置は、前工程で加工された透明電極層溝15と交差しないように位置決め公差を考慮した上で選定される。
図8および図9は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における裏面電極層を積層する工程を説明する模式図である。
接続溝17が形成されると、図8に示すように、裏面電極層14が光電変換層13に積層される。具体的には、GZO膜である第1裏面電極層14A、および、Ag膜とTi膜、または、Ag膜とAl膜からなる第2裏面電極層14Bが積層される。
このとき、接続溝17の中にも裏面電極層14が積層され、透明電極層12と裏面電極層14とを接続する接続部18が形成される。
接続溝17が形成されると、図8に示すように、裏面電極層14が光電変換層13に積層される。具体的には、GZO膜である第1裏面電極層14A、および、Ag膜とTi膜、または、Ag膜とAl膜からなる第2裏面電極層14Bが積層される。
このとき、接続溝17の中にも裏面電極層14が積層され、透明電極層12と裏面電極層14とを接続する接続部18が形成される。
第1裏面電極層14Aは、膜厚が約50nmから約100nmまでのGaをドープしたZnO膜であり、スパッタリング装置により製膜される層である。
第2裏面電極層14Bは、スパッタリング装置を用いて、減圧雰囲気下で、約150℃から約200℃までの範囲の温度条件下で製膜される。
具体的には、約150nmから約500nmまでの範囲の膜厚を有するAg膜を積層し、その後に、約10nmから約20nmまでの範囲の膜厚を有するTi膜が積層される。あるいは、約25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、約15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としてもよい。
具体的には、約150nmから約500nmまでの範囲の膜厚を有するAg膜を積層し、その後に、約10nmから約20nmまでの範囲の膜厚を有するTi膜が積層される。あるいは、約25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、約15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としてもよい。
上述のように、光電変換層13(図2参照)と第2裏面電極層14BのAg膜との間に第1裏面電極層14Aが製膜されると、光電変換層13と第2裏面電極層14Bとの間の接触抵抗が低減されるとともに、光の反射が向上される。
図10は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における分離溝を加工する工程を説明する模式図である。
裏面電極層14が積層されると、図10に示すように、分離溝16が形成される。
裏面電極層14が積層されると、図10に示すように、分離溝16が形成される。
具体的には、透光性基板11AがX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、透光性基板11A側から照射される。入射されたレーザ光は光電変換層13で吸収され、光電変換層13内で高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により第1裏面電極層14Aおよび第2裏面電極層14Bは爆裂して除去される。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
図11は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における絶縁溝を加工する工程を説明する模式図である。図12は、図11の絶縁溝の構成を説明する太陽電池モジュールを裏面電極層側から見た図である。
分離溝16が形成されると、図11および図12に示すように、絶縁溝19が形成される。絶縁溝19は、発電領域を区分することにより、透光性基板11Aの端周辺の膜端部において直列接続部分が短絡し易い部分を切り離して、その影響を除去するものである。
分離溝16が形成されると、図11および図12に示すように、絶縁溝19が形成される。絶縁溝19は、発電領域を区分することにより、透光性基板11Aの端周辺の膜端部において直列接続部分が短絡し易い部分を切り離して、その影響を除去するものである。
なお、図11では、光電変換層13が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝19位置には裏面電極層14(第1裏面電極層14Aおよび第2裏面電極層14B)/光電変換層13/透明電極層12の膜研磨除去をした周囲膜除去領域20相当部分がある状態(図12参照。)が表れるべきであるが、透光性基板11Aの端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝19として説明する。
絶縁溝19を形成する際には、透光性基板11AがX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、透光性基板11A側から入射される。入射されたレーザ光は透明電極層12と光電変換層13において吸収され、高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により第1裏面電極層14Aおよび第2裏面電極層14Bが爆裂して、裏面電極層14(第1裏面電極層14Aおよび第2裏面電極層14B)、光電変換層13および透明電極層12が除去される。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。照射されるレーザ光は、透光性基板11Aの端部から5mmから20mmまで範囲内の位置をX方向(図12参照。)に移動される。
このとき、Y方向絶縁溝は後工程で透光性基板11Aの周囲膜除去領域20の膜面研磨除去処理を行うので設ける必要がない。
このとき、Y方向絶縁溝は後工程で透光性基板11Aの周囲膜除去領域20の膜面研磨除去処理を行うので設ける必要がない。
絶縁溝19は、透光性基板11Aの端より5mmから15mmまでの範囲内の位置まで形成されていることが好ましい。このようにすることで、太陽電池パネル端部から太陽電池モジュール2内部への外部水分の侵入を抑制することができる。
なお、ここまでに説明した工程においてYAGレーザをレーザ光として用いているが、YAGレーザに限られることなく、YVO4レーザや、ファイバーレーザなども同様にレーザ光として使用してもよい。
なお、ここまでに説明した工程においてYAGレーザをレーザ光として用いているが、YAGレーザに限られることなく、YVO4レーザや、ファイバーレーザなども同様にレーザ光として使用してもよい。
図13は、図12の透光性基板等への裏面基板等の積層を説明する模式図である。
絶縁溝19が形成されると、透光性基板11A周辺(周囲膜除去領域20)の積層膜、つまり第1裏面電極層14Aおよび第2裏面電極層14B、光電変換層13および透明電極層12が除去されて周囲膜除去領域20が形成される。この積層膜は段差を有するとともに剥離しやすいため、当該積層膜を除去することにより、後工程において行われる接着充填材シート25を介した裏面基板11Bの接着が健全に行われ、シール面を確保することができる。
上述の積層膜は、透光性基板11Aの端から5mmから20mmまでの範囲内で、基透光性基板11Aの全周囲にわたり除去され周囲膜除去領域20を形成する。
絶縁溝19が形成されると、透光性基板11A周辺(周囲膜除去領域20)の積層膜、つまり第1裏面電極層14Aおよび第2裏面電極層14B、光電変換層13および透明電極層12が除去されて周囲膜除去領域20が形成される。この積層膜は段差を有するとともに剥離しやすいため、当該積層膜を除去することにより、後工程において行われる接着充填材シート25を介した裏面基板11Bの接着が健全に行われ、シール面を確保することができる。
上述の積層膜は、透光性基板11Aの端から5mmから20mmまでの範囲内で、基透光性基板11Aの全周囲にわたり除去され周囲膜除去領域20を形成する。
X方向については、上述の絶縁溝19から基板端側の積層膜が砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去される。一方、Y方向については、透明電極層溝15よりも基板端側の積層膜が砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去される。
積層膜を除去する際に発生した研磨屑や砥粒は、透光性基板11Aを洗浄処理することにより除去される。
積層膜を除去する際に発生した研磨屑や砥粒は、透光性基板11Aを洗浄処理することにより除去される。
端子箱31の取付け部分では裏面基板11Bに端子取出し孔11Hが設けられ、集電板22B,23Bが取出される。この端子取出し孔11Hには、さらに防水材21が設置される場合がある。これにより、後述の端子箱31とのハンダ等の接合時の熱影響抑制が容易になり、外部からの水分などの浸入抑制効果が向上されるので好ましい。
なお、防水材21として、粘着材付耐熱性フィルム(例えばカプトンテープ)を用いることで、後述の端子箱31と銅箔端子22B,23Bとのハンダ等による接合時に絶縁シート24への熱影響を抑制する効果がある。また、防水材21として、粘着材付PETシートに粘着材付アルミニウム箔と粘着材付PETシートを重ねたものを用いると、端子取出し孔11H部分で外部からの水分などの侵入防止効果が更に向上される。
端子取出し孔11Hで外部からの水分などの侵入防止に問題がない場合や、端子箱31と銅箔端子22B,23Bとのハンダ等による接合時に絶縁シート24への熱影響に問題がない場合には、防水材21を省略しても良い。
直列に接続された複数の発電セル2Sのうち、一方端の太陽電池発電セル2Sの裏面電極層14と、他方端側で発電セル2Sの透明電極層12に接続した集電用セルの裏面電極層14に、粘着材を裏面電極14側に設けた銅箔端子22A,23Aを貼り付ける。銅箔端子22A,23Aは、粘着材付側の面にエンボスなどの凹凸加工がされており、粘着材で簡易に貼り付け固定が出来るとともに、粘着材を貫通して裏面電極層14と良好な電気接続ができるものである。
一方端の発電セル2Sから延びる銅箔端子22A,22Bおよび他方端側の発電セル2Sに接続する集電セルから延びる銅箔端子23A,23Bを用いて発電された電力が裏面基板11Bに配置された端子箱31に集電されている。
銅箔端子22B,23Bは粘着材を裏面電極14側に設けてあるが、裏面電極層14との電気接続は不要であるため、粘着材付側の面にエンボスなどの凹凸加工は行われていない。銅箔端子22B,23Bと裏面電極14との間には、電気的短絡を防止するために絶縁シート24が配置されている。例えば絶縁シート24は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの絶縁性を有する樹脂を用いて銅箔端子22B,23Bより幅が広いシート状に形成され、粘着材を裏面電極14側に設けて固定されている。
銅箔端子22B,23Bは粘着材を裏面電極14側に設けてあるが、裏面電極層14との電気接続は不要であるため、粘着材付側の面にエンボスなどの凹凸加工は行われていない。銅箔端子22B,23Bと裏面電極14との間には、電気的短絡を防止するために絶縁シート24が配置されている。例えば絶縁シート24は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの絶縁性を有する樹脂を用いて銅箔端子22B,23Bより幅が広いシート状に形成され、粘着材を裏面電極14側に設けて固定されている。
また、銅箔端子22Bと銅箔端子22Aと電気接続する部分、銅箔端子23Bと銅箔端子23Aと電気接続する部分は、銅箔端子22B,23Bが各銅箔端子22A,23Aと裏面電極14の間に配置されることで、お互いの良好な電気接続ができる。
端子箱31の出力ケーブル32は、銅箔端子22B,23Bとハンダ等で電気接続されて、集電された電力が取り出されるように構成されている。
端子箱31の出力ケーブル32は、銅箔端子22B,23Bとハンダ等で電気接続されて、集電された電力が取り出されるように構成されている。
銅箔端子22A,22B,23A,23Bは無酸素銅あるいはタフピッチ銅を用いて約20μmから約50μmの厚さの箔状に形成されたものである。無酸素銅は自己保有酸素が少なく、酸化が抑制されて耐久性を維持することができるので更に好ましい。
粘着材はラミネート処理時の約150℃から約160℃の温度に耐えるように、例えば耐熱性アクリル系粘着材や耐熱性シリコン系粘着材を用いる。このように、粘着材を用いて銅箔端子22A,22B,23A,23Bや絶縁シート24を簡易に固定することで、作業性が向上するとともに、隙間なく固定が出来るので、太陽電池モジュール2内部への水分の浸入経路を遮断するために、より優れた効果がある。
また、粘着材で固定する代りに、接着部はEVAを、電気接合部分は銀ペーストなどを用いて固定されていても良い。
粘着材はラミネート処理時の約150℃から約160℃の温度に耐えるように、例えば耐熱性アクリル系粘着材や耐熱性シリコン系粘着材を用いる。このように、粘着材を用いて銅箔端子22A,22B,23A,23Bや絶縁シート24を簡易に固定することで、作業性が向上するとともに、隙間なく固定が出来るので、太陽電池モジュール2内部への水分の浸入経路を遮断するために、より優れた効果がある。
また、粘着材で固定する代りに、接着部はEVAを、電気接合部分は銀ペーストなどを用いて固定されていても良い。
集電に用いられる銅箔端子22A,22B,23A,23Bなどが設けられると、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シート25および周囲シール材26が配置される。
接着充填材シート25は、太陽電池モジュール2の全体を覆うものであって、周囲シール材26に囲まれた範囲内に配置されている。上述のように、透光性基板11Aに形成された光電変換層13、裏面電極層14の上に順に銅箔端子22A,22B,23A,23B等の各部材が配置される。周囲シール材26は透光性基板11Aおよび裏面基板11Bの縁部、例えば周囲膜除去領域20に配置され、内部に光電変換層13などを囲うように配置されている。周囲シール材26としては、ブチルゴムなどの弾性材料を用いたシール材を用いることができる。
接着充填材シート25は、太陽電池モジュール2の全体を覆うものであって、周囲シール材26に囲まれた範囲内に配置されている。上述のように、透光性基板11Aに形成された光電変換層13、裏面電極層14の上に順に銅箔端子22A,22B,23A,23B等の各部材が配置される。周囲シール材26は透光性基板11Aおよび裏面基板11Bの縁部、例えば周囲膜除去領域20に配置され、内部に光電変換層13などを囲うように配置されている。周囲シール材26としては、ブチルゴムなどの弾性材料を用いたシール材を用いることができる。
接着充填材シート25の上には、裏面基板11Bが設置される。
周囲シール材26は、接着充填材シート25が透光性基板11Aおよび裏面基板11Bの間から外部にはみ出すことを防止するとともに太陽電池モジュール2の周囲から内部への湿分の侵入を抑制するものである。
周囲シール材26は、接着充填材シート25が透光性基板11Aおよび裏面基板11Bの間から外部にはみ出すことを防止するとともに太陽電池モジュール2の周囲から内部への湿分の侵入を抑制するものである。
接着充填材シート25、周囲シール材26および裏面基板11Bを所定の位置に配置した後、ラミネータを用いて透光性基板11Aおよび裏面基板11Bの間の脱気を行い、約150℃から約160℃までの範囲の温度を加えながらプレスを行う。これにより、裏面基板11Bが透光性基板11Aに密着され、接着充填材シート25のEVAが架橋されることにより、裏面基板11Bが透光性基板11Aに接着される。
なお、接着充填材シート25はEVAに限定されるものではなく、PVB(ポリビニルブチラール)など類似の機能を保有する接着充填材を利用することが可能である。この場合は、圧着する手順、温度や時間など条件を適正化して処理を行う。
図14は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における端子箱を取り付ける工程を説明する模式図である。図15は、図2の太陽電池モジュールの製造工程における密封工程を説明する模式図である。
裏面基板11Bの接着が行われると、図14に示すように、太陽電池モジュール2の裏側に端子箱31が接着剤を用いて取付けられる。
その後、端子箱31の出力ケーブル32に銅箔端子22B,23Bがハンダ等を用いて電気的に接続され、端子箱31の内部が封止剤(ポッティング剤)で充填されて密封される。
裏面基板11Bの接着が行われると、図14に示すように、太陽電池モジュール2の裏側に端子箱31が接着剤を用いて取付けられる。
その後、端子箱31の出力ケーブル32に銅箔端子22B,23Bがハンダ等を用いて電気的に接続され、端子箱31の内部が封止剤(ポッティング剤)で充填されて密封される。
図16は、太陽電池モジュールに長辺リブおよび短辺リブを取り付ける工程を説明する模式図である。
端子箱31の取り付けが終わると、図16に示すように、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sが太陽電池モジュール2に取り付けられる。
端子箱31の取り付けが終わると、図16に示すように、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sが太陽電池モジュール2に取り付けられる。
一対の長辺リブ3Lおよび一対の短辺リブ3Sはボルト3Bを用いて締結されて、矩形状の構造物とされる。太陽電池モジュール2の裏面基板11Bにおける長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sと接触する部分には、少なくとも両面テープ3Tまたは接着剤(図示せず。)のいずれかが貼り付けられ、さらに好ましくはこの両面テープ3Tおよび接着剤(図示せず。)により長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sは太陽電池モジュール2の裏面基板11Bに固定される。
長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sは、接着剤のみで固定してもよいが、更に両面テープ3Tを用いることで、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sの接着位置の固定を容易にすることができる。
このようにして太陽電池パネル1が完成される。
このようにして太陽電池パネル1が完成される。
なお、上述のように両面テープ3Tを裏面基板11Bに貼り付けた後に長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sを裏面基板11Bに貼り付けてもよいし、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sに両面テープ3Tを貼り付けた後に、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sを裏面基板11Bに貼り付けてもよく、特に限定するものではない。
上記の構成によれば、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sにより裏面基板11Bに接着することで太陽電池パネル1を補強するため、太陽電池パネル1の受光面正面側からの風圧や積雪荷重などによる正圧と、太陽電池パネル1の受光面反対側からの風圧などによる負圧の、両方の荷重に対して太陽電池モジュールの強度を保持する部材として作用する。
このため、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sが用いられていない場合と比較して裏面基板11B自体の強度が低くてもよいことから、裏面基板11Bを薄くすることができる。具体的には、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sは、太陽電池パネル1に働く正圧や負圧に基づく力に対して強度メンバとして作用することから、裏面基板11Bを薄くすることができる。そのため裏面基板11Bの材料費、つまり太陽電池パネル1の製造コストの低減を図ることができる。
さらに裏面基板11Bを薄く軽量化することにより、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sの質量増加分を見込んでも、太陽電池パネル1の質量が軽減・軽量化することができる。つまり太陽電池パネル1の軽量化を図ることにより、製造時や設置施工時における太陽電池パネル1の取り扱いを容易にすることができる。本実施形態の太陽電池パネル1の場合には、約25kg以下の質量に軽量化することができる。
本実施形態のように、面積が1m2を超える大型サイズの太陽電池パネルにおいて、透光性基板11Aと、裏面基板11Bの板厚を薄くする組み合わせで、太陽電池パネルを人手で扱える質量へと軽量化することができる。このため、太陽電池パネルの製造時や施工時の取扱が容易になる。
裏面基板11Bを薄くする一方で、透光性基板11Aの厚さを確保することにより、透光性基板11Aのたわみを抑制することができる。そのため、太陽電池モジュール2の製造工程における透光性基板11Aのたわみに起因する透光性基板11Aの損傷を抑制することができる。
例えば、面積が1m2を超える生板ガラス基板を透光性基板11Aとして用いる場合、厚さが約2.8mm以上であることが好ましい。このようにすることで、透光性基板11Aを支持する支持端の間隔が約1.4mの場合であっても、透光性基板11Aの水平たわみ(鉛直下方へのたわみ)を搬送や保管を行う際の制限値、例えば約20mm以内に抑制することができる。一方、質量低減・軽量化のためには4.5mmより薄くすることが好ましい。
その一方で、裏面基板11Bは、透光性基板11Aと比較して、太陽電池モジュール2の製造工程における裏面基板11Bのたわみを抑制する必要性が少ない。さらに太陽電池パネル1の状態では、裏面基板11Bは長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sが接着することにより補強されるため、透光性基板11Aと比較して求められる強度が低くなる。そのため、透光性基板11Aよりも裏面基板11Bの板厚を薄くすることができ、軽量で製造時の作業が容易となる。
ただし、面積が1m2を超えるガラス基板では板厚が約1.8mmより薄くなると、製造作業時に取り扱いを注意しないと破損しやすくなり、専用のフォーク状のハンドなどの治具が必要となるため、裏面基板11Bの板厚は1.8mmより厚いことが好ましい。一方、質量低減・軽量化のためには3.2mmより薄くすることが好ましい。
なお、上述の実施形態のように、一対の長辺リブ3L,3L、および、一対の短辺リブ3S,3Sのみで太陽電池モジュール2を支持してもよいが、太陽電池パネル1の必要強度を確保するに当たり、一対の短辺リブ3S,3Sの間に、さらに短辺リブ3Sを追加して合計3つの短辺リブ3Sと、一対の長辺リブ3L,3Lで太陽電池モジュール2を支持してもよく、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sの設置数量は、特に限定するものではない。
このようにすることで、積雪などのように太陽電池パネル1に高荷重がかかる設置形態の場合でも、透光性基板11Aおよび裏面基板11Bの板厚を変更することなく、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sの設置数量を調整することで、確実に太陽電池モジュール2を支持することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図17および図18を参照して説明する。
本実施形態の太陽電池パネルの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、銅箔端子の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図17および図18を用いて銅箔端子の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図17は、本実施形態に係る太陽電池パネルの銅箔端子の構成を説明する模式図である。図18は、図17の銅箔端子と端子箱の出力ケーブルとの接続を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態について図17および図18を参照して説明する。
本実施形態の太陽電池パネルの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、銅箔端子の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図17および図18を用いて銅箔端子の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図17は、本実施形態に係る太陽電池パネルの銅箔端子の構成を説明する模式図である。図18は、図17の銅箔端子と端子箱の出力ケーブルとの接続を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の太陽電池パネル101の太陽電池モジュール102には、図17に示すように、無酸素銅から形成された箔状の銅箔端子(集電部)122A,122B,123A,123Bが設けられている。
銅箔端子122A,122Bは、直列に接続された複数の発電セル2Sのうち、一方端の発電セル2Sの裏面電極層14と電気的に接続され、銅箔端子123A,123Bは他方端側の発電セル2Sの透明電極層12に接続した集電用セルの裏面電極層14と電気的に接続されている。図18に示すように、端子箱31を裏面基板11Bの所定位置に接着剤で接着し、銅箔端子122B,123Bは、端子箱31の出力ケーブル(配線)32にハンダ等を用いて電気的に接続される。その後、端子箱31の内部は封止剤(ポッティング剤)で充填されて密封される。
上記の構成によれば、密閉され封止された太陽電池モジュール102内において、無酸素銅はタフピッチ銅よりも自己保有酸素が少ないため、銅箔端子122A,122B,123A,123Bがタフピッチ銅から形成されている場合と比較して、銅箔端子122A,122B,123A,123Bの酸化が抑制されるとともに、その耐久性を維持することができる。このため、銅箔端子(集電部)の表面に保護用層としてハンダメッキ処理を行う必要がなく、太陽電池パネル101の製造コスト低減を図ることができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図19および図20を参照して説明する。
本実施形態の太陽電池パネルの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、銅箔端子の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図19および図20を用いて銅箔端子の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図19は、本実施形態に係る太陽電池パネルの銅箔端子の構成を説明する模式図である。図20は、図19の銅箔端子と端子箱の出力ケーブルとの接続を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について図19および図20を参照して説明する。
本実施形態の太陽電池パネルの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、銅箔端子の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図19および図20を用いて銅箔端子の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図19は、本実施形態に係る太陽電池パネルの銅箔端子の構成を説明する模式図である。図20は、図19の銅箔端子と端子箱の出力ケーブルとの接続を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の太陽電池パネル201の太陽電池モジュール202には、図19に示すように、無酸素銅から形成された箔状の銅箔端子(集電部)222A,222B,223A,223B(以下、「銅箔端子222A等」と表記する。)が設けられている。箔状に形成された銅箔端子222A等の一方の面には粘着材層(図示せず。)が設けられている。そのため、銅箔端子222A等における粘着材層が設けられた面を配置面に押し付けるだけで、銅箔端子222A等の固定が完了する。
粘着材層はラミネート処理時の約150℃から約160℃の温度に耐えるように、例えば耐熱性アクリル系粘着材や耐熱性シリコン系粘着材を用いる。また、銅箔端子222A,223Aは、粘着材層を設ける側にはエンボスなどの凹凸があり、粘着材層を貫通して裏面電極層14と良好な電気接続ができるものである。
銅箔端子222A,222Bは、直列に接続された複数の発電セル2Sのうち、一方端の発電セル2Sに接続した集電用セルと電気的に接続され、銅箔端子223A,223Bは他方端の発電セル2Sと電気的に接続されている。
図20に示すように、端子箱31を裏面基板11Bの所定位置に接着剤で接着し、銅箔端子222B,223Bは、端子箱31の出力ケーブル32にハンダ等を用いて電気的に接続されている。具体的には、銅箔端子222B,223Bの端部が折り返されて粘着材層同士が貼り合わされた部分を形成し、当該折り返して粘着材が設けられていない部分において出力ケーブル32とのハンダ付けが行われる。
その後、端子箱31の内部は封止剤(ポッティング剤)で充填されて密封される。
図20に示すように、端子箱31を裏面基板11Bの所定位置に接着剤で接着し、銅箔端子222B,223Bは、端子箱31の出力ケーブル32にハンダ等を用いて電気的に接続されている。具体的には、銅箔端子222B,223Bの端部が折り返されて粘着材層同士が貼り合わされた部分を形成し、当該折り返して粘着材が設けられていない部分において出力ケーブル32とのハンダ付けが行われる。
その後、端子箱31の内部は封止剤(ポッティング剤)で充填されて密封される。
上記の構成によれば、銅箔端子222A等を配置する面と銅箔端子222A等の粘着材層とを対向させ、銅箔端子222A等を配置面に押しつけるだけで銅箔端子222A等が配置面に固定される。そのため銀ペーストなどを用いて銅箔端子222A等を設置面に固定する場合と比較して、銅箔端子222A等の設置施工が容易となる。
その一方で、銅箔端子222B,223Bの端部を折り返して粘着材層同士を貼り合わせているため、出力ケーブル32と電気的に接続される部分では粘着材層は外部に露出していない。そのため、出力ケーブル32と銅箔端子222B,223Bを電気的に接続する際に、粘着材層の除去処理を行う必要がなく、容易に電気的に接続することができる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図21から図23を参照して説明する。
本実施形態の太陽電池パネルの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、端子取出し孔の形成位置が異なっている。よって、本実施形態においては、図21から図23を用いて端子取出し孔の形成位置のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図21は、本実施形態に係る太陽電池パネルにおける取出し孔の配置を説明する模式図である。図22は、図21の裏面基板における長辺方向の応力分布を説明する応力分布図である。図23は、図21の裏面基板における短辺方向の応力分布を説明する応力分布図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施形態について図21から図23を参照して説明する。
本実施形態の太陽電池パネルの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、端子取出し孔の形成位置が異なっている。よって、本実施形態においては、図21から図23を用いて端子取出し孔の形成位置のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図21は、本実施形態に係る太陽電池パネルにおける取出し孔の配置を説明する模式図である。図22は、図21の裏面基板における長辺方向の応力分布を説明する応力分布図である。図23は、図21の裏面基板における短辺方向の応力分布を説明する応力分布図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態に係る太陽電池パネル301の太陽電池モジュール302に係る裏面基板311Bには、図21から図23に示すように、銅箔端子22B,23Bを取り出す端子取出し孔311Hが設けられている。
端子取出し孔311Hは、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sにより形成される矩形領域RAにおける対角線DL上の近傍であって、矩形領域RAの中央、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sから離れた位置に形成されている。
端子取出し孔311Hは、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sにより形成される矩形領域RAにおける対角線DL上の近傍であって、矩形領域RAの中央、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sから離れた位置に形成されている。
例えば、裏面基板311Bの長辺(図21の左右方向に延びる辺)が約1400mm、短辺(図21の上下方向に延びる辺)が約1100mmであり、裏面基板311Bの長辺端部に沿って長辺リブ3Lが配置され、裏面基板311Bの短辺端部から約200mmだけ中心側の位置(図21では白抜き矢印⇒で表示)に短辺リブ3Sが配置され、短辺リブ3Sの端部(図22では▽,△で表示)の位置で太陽電池パネル301を支持する形態を設定する。
端子取出し孔311Hの直径が約30mmの場合には、端子取出し孔311Hが対角線DL上の近傍であって、長辺リブ3Lから約150mmから約250mmの範囲または短辺リブ3Sから約200mmから約300mmの範囲に配置されていることが望ましい。
太陽電池パネル301が水平状態で設置された場合における裏面基板311Bに働く応力分布を数値解析により求めた結果が図22および図23に示されている。長辺方向に働く応力分布、および、短辺方向に働く応力分布ともに、裏面基板311Bにおける矩形領域RAの中央では圧縮応力σ(+)が高くなり、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sにより支持されている矩形領域RAの周縁で引張り応力σ(−)が高くなっている。
端子取出し孔311Hは、長辺方向に働く応力においても、短辺方向に働く応力においても、圧縮応力σ(+)が高い領域、および、引張り応力σ(−)が高い領域から外れた位置に形成されていることが分かる。
端子取出し孔311Hは、長辺方向に働く応力においても、短辺方向に働く応力においても、圧縮応力σ(+)が高い領域、および、引張り応力σ(−)が高い領域から外れた位置に形成されていることが分かる。
端子取出し孔311Hは、端子箱31と長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sとが干渉しない位置とする必要がある。このため、矩形領域RAにおける対角線DL上で、上記応力の絶対値が最も低く最適とされる位置から、±50mm以内の領域に端子取出し孔311Hの中心位置を設定することが、更に好ましい。
上記の構成によれば、端子取出し孔311Hを起点として裏面基板311Bの破損が発生することを抑制することができる。
つまり、裏面基板311Bに形成された端子取出し孔311Hの周辺は応力が集中することが一般的に知られている。さらに、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sからなる矩形領域RAでは、太陽電池モジュール302が重力により下方にたわむため、矩形領域RAの中央で圧縮応力σ(+)が高くなり、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sにより支持されている矩形領域RAの周縁で引張り応力σ(−)が高くなる。
つまり、裏面基板311Bに形成された端子取出し孔311Hの周辺は応力が集中することが一般的に知られている。さらに、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sからなる矩形領域RAでは、太陽電池モジュール302が重力により下方にたわむため、矩形領域RAの中央で圧縮応力σ(+)が高くなり、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sにより支持されている矩形領域RAの周縁で引張り応力σ(−)が高くなる。
そのため、端子取出し孔311Hを矩形領域RAの対角線DL上の領域近傍に配置することで、端子取出し孔311Hを長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sから均等に遠ざけることができ、引張り応力σ(−)が高い領域に端子取出し孔311Hを配置することが避けられる。さらに端子取出し孔311Hを矩形領域RAの中央と、長辺リブ3Lおよび短辺リブ3Sとから離れた位置に配置することで、圧縮応力σ(+)および引張り応力σ(−)がともに低い領域に端子取出し孔311Hを配置することができる。そのため、端子取出し孔311Hの周辺における応力を低減させ、端子取出し孔311Hを起点とした裏面基板311Bの破損を抑制することができる。
1,101,201,301 太陽電池パネル
2,102,202,302 太陽電池モジュール
3L 長辺リブ(リブ部)
3S 短辺リブ(リブ部)
11A 透光性基板
13 光電変換層
11B,311B 裏面基板
31 端子箱
32 出力ケーブル(配線)
122A,122B,123A,123B,222A,222B,223A,223B 銅箔端子(集電部)
11H,311H 端子取出し孔
RA 矩形領域
DL 対角線
2,102,202,302 太陽電池モジュール
3L 長辺リブ(リブ部)
3S 短辺リブ(リブ部)
11A 透光性基板
13 光電変換層
11B,311B 裏面基板
31 端子箱
32 出力ケーブル(配線)
122A,122B,123A,123B,222A,222B,223A,223B 銅箔端子(集電部)
11H,311H 端子取出し孔
RA 矩形領域
DL 対角線
Claims (5)
- 入射光が入射する側から順に透光性基板、該透光性基板上に配置される光電変換層、および、前記透光性基板との間で前記光電変換層を密封する裏面基板が積層された太陽電池モジュールと、
前記裏面基板に固定されて、前記太陽電池モジュールを支持するリブ部と、
が設けられていることを特徴とする太陽電池パネル。 - 前記透光性基板は、前記裏面基板が貼り合わされる前の前記太陽電池モジュールの製造工程における前記透光性基板の安定製造が可能な厚さを有し、
前記裏面基板は前記透光性基板よりも板厚が薄いことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネル。 - 前記太陽電池モジュールには、前記光電変換層において発電された電力を集める集電部と、
前記裏面基板に配置され、前記太陽電池モジュールにおいて発電された電力を外部に導く配線および前記集電部を電気的に接続する端子箱と、
が設けられ、
前記集電部は無酸素銅から形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池パネル。 - 前記集電部は箔状に形成されるとともに一方の面には粘着材層が設けられ、
前記集電部における前記配線と電気的に接続される部分は、前記集電部の端部が折り返されて前記粘着材層同士が貼り合わされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。 - 前記リブ部は、前記太陽電池モジュールの長辺に沿って配置された一対の長辺リブと、短辺に沿って配置された一対の短辺リブと、を有し、
前記裏面基板には、前記透光性基板と前記裏面基板との間に配置された前記集電部が取り出される取出し孔が形成され、
該取出し孔は、前記長辺リブおよび前記短辺リブからなる矩形領域の対角線上の領域近傍であって、
前記矩形領域の中央と、前記長辺リブおよび前記短辺リブと、から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009217107A JP2011066292A (ja) | 2009-09-18 | 2009-09-18 | 太陽電池パネル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009217107A JP2011066292A (ja) | 2009-09-18 | 2009-09-18 | 太陽電池パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011066292A true JP2011066292A (ja) | 2011-03-31 |
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Family Applications (1)
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JP2009217107A Withdrawn JP2011066292A (ja) | 2009-09-18 | 2009-09-18 | 太陽電池パネル |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011066292A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013047468A1 (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-04 | 三洋電機株式会社 | 光起電力装置 |
WO2013094299A1 (ja) * | 2011-12-21 | 2013-06-27 | 三洋電機株式会社 | 光起電力装置 |
JP2013229609A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Changzhou Almaden Co Ltd | 太陽光発電発熱システム |
JP2013247238A (ja) * | 2012-05-25 | 2013-12-09 | Mitsubishi Electric Corp | 太陽電池モジュール |
-
2009
- 2009-09-18 JP JP2009217107A patent/JP2011066292A/ja not_active Withdrawn
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WO2013047468A1 (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-04 | 三洋電機株式会社 | 光起電力装置 |
WO2013094299A1 (ja) * | 2011-12-21 | 2013-06-27 | 三洋電機株式会社 | 光起電力装置 |
JP2013229609A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Changzhou Almaden Co Ltd | 太陽光発電発熱システム |
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A621 | Written request for application examination |
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