JP3178266B2 - フラット型シャドウマスクの製造方法及びフラット型シャドウマスク用枚葉状金属板 - Google Patents

フラット型シャドウマスクの製造方法及びフラット型シャドウマスク用枚葉状金属板

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JP3178266B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー受像管に用いら
れるシャドウマスクに係わり、特に、金属の薄板上に形
成されるフラット型シャドウマスクのバリ取りの工夫に
関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管に用いられるフラット型シ
ャドウマスクの製造方法としてフォトエッチング法が知
られており、その一例を図3の工程フロー図を用い簡単
に説明する。まず、シャドウマスクの基板となる金属の
薄板をアルカリ脱脂液に接触することにより、金属板の
表面に付着している油分や有機系のゴミ等を除去する脱
脂処理を行う。次いで、次工程の感光性樹脂の塗布の際
に、金属板の表面に感光性樹脂を付き易くするために、
金属板を酸処理液に接触することにより、金属板の表面
の整面処理を行う。
【0003】次いで、金属板の両面にネガ型感光性樹脂
を塗布する。次いで、孔形パターン部が遮光部となった
大孔小孔二種類のパターンマスクを用い、金属板の片面
に大孔パターンマスクを密着して当て、金属板の他方の
片面に小孔パターンマスクを対応する位置に密着して当
て、同時に両面に紫外線を照射することによりパターン
露光を行い、孔形パターン部以外の領域の感光性樹脂の
光硬化を行う。
【0004】次いで、例えば温水スプレーにて現像を行
い未露光部の感光性樹脂を除去後、残った感光性樹脂の
硬膜処理およびバーニングを行う。次いで、金属板両面
に一次エッチングを行い、金属板両面に一定のエッチン
グを行う。次いで、小孔側にニスを塗布してエッチング
防止層を形成する。次いで、大孔側に二次エッチングを
行い、小孔と貫通させる。次いで、アルカリ液を用いエ
ッチング防止層および感光性樹脂を除去する。
【0005】次いで、通常、上記の製造工程にて使用さ
れる金属板は長尺の帯状になっており、帯状の金属板上
に一定の間隔を置き連続してシャドウマスクが形成され
ているため、帯状の金属板から一つ毎に断裁し図6に示
す一枚毎の金属板4を得る。次いで、図6の金属板4か
ら不要なバリ部7等を除去し、外形輪郭線8以内を取り
出しフラット型シャドウマスクとする。
【0006】ここで、図6中の画像面エリア5は多数の
孔パターンが穿設されたシャドウマスクの画面部を示
し、スカート成形エリア6は外形部を示し、カラー受像
管に組み込む際に、プレスにより成形される部位であ
る。また、外形輪郭線8は最終的に必要とされるシャド
ウマスクの外形輪郭を示している。
【0007】ここで、図6の金属板4から不要なバリ部
7を除去し、シャドウマスクを外形輪郭線8の形に取り
出す方法として以下の方法があげられる。例えば、外形
輪郭線の形の金型を作成し、金型を用い機械的に金属板
からシャドウマスクを打ち抜く方法である。しかし、こ
の機械的方法では金属板に無理な力が掛かり、シャドウ
マスクが歪み形状不良となり、また、金型の作成に手間
がかかるという問題がある。
【0008】そのため、現在では、あらかじめ金属板4
上に外形輪郭線8を形成しておく方法が主流となりつつ
ある。すなわち、前述した製造工程においてパターンマ
スク上に外形輪郭線8をパターンとして設けておくこと
により、エッチングの段階において金属板4上に外形輪
郭線8を形成しておく。その際、金属板4上に形成され
た外形輪郭線8は、例えば、シャドウマスクのコーナー
部における凸凹部および複雑な形状の部位等は貫通線と
し、その他の直線部は貫通した破線または易破断性のハ
ーフエッチング線により構成しておく。次いで、人手に
より鋏を用いることで、金属板4の外周から外形輪郭線
8まで、例えば、図6中に示すように切り込み線9を入
れた後、バリ部7を人手により金属板4からムシリ取る
方法である。
【0009】しかし、上記のムシリ取りの方法では以下
のような問題が生じている。すなわち、人手により鋏を
用いることで金属板4の外周から外形輪郭線8まで切り
込み線9を入れる作業は、手作業によるため時間が掛か
り非能率的で生産性が悪いという問題である。さらに、
鋏で切り込みを入れる際、誤って外形輪郭線8の一部に
まで切り込みをいれる等で、シャドウマスクの形状不良
を生じるという問題等もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カラ
ー受像管に用いられるシャドウマスクに係わり、特に、
金属板から外形輪郭線以内のシャドウマスクを取り出す
際、上記したような問題点を有しないシャドウマスクを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は係る課題を解決
するものであり、本発明の請求項1の発明は、少なくと
も長尺帯状の金属板の表面に感光性樹脂層を形成する工
程と、長手方向に搬送される金属板に略密着させたシャ
ドウマスク用パターンマスクを介してパターン露光する
工程と、感光性樹脂膜を現像し所定の金属板部位を露出
したレジスト膜とする工程と、金属板にエッチングを行
う工程と、レジスト膜を剥膜する工程とを行うことで、
金属板の長手方向に所定の間隔をもって連続した複数の
フラット型シャドウマスクを形成した後、前記フラット
型シャドウマスク間を金属板の長手方向と略直角方向に
裁断し枚葉状とした後に不要部の除去を行うフラット型
シャドウマスクの製造方法において、前記シャドウマス
ク用パターンマスクに、中央部に画像面エリアが配置さ
れ、画像面エリアの周囲はスカート成形エリアで囲まれ
ており、長手方向の前後端部に少なくとも一対のバリ取
り開始線パターンがスカート成形エリアの外形輪郭線よ
り伸び、途中から長手方向に平行にかつ同一直線上に伸
びて配置され、一方のバリとり開始線の端部に重ね焼き
ブロックが接続されてパターンが形成され、該シャドウ
マスク用パターンマスクを用い連続露光するにあたり、
所定距離ずらし露光した際に、他方のバリ取り開始線用
パターンの端部が、前回露光の重ね焼きブロックの露光
部位に重なるよう露光を行うことを特徴とするフラット
型シャドウマスクの製造方法としたものである。本発明
の請求項2の発明は、少なくとも長尺帯状の金属板の表
面に感光性樹脂層を形成する工程と、長手方向に搬送さ
れる金属板に略密着させたシャドウマスク用パターンマ
スクを介してパターン露光する工程と、感光性樹脂膜を
現像し所定の金属板部位を露出したレジスト膜とする工
程と、金属板にエッチングを行う工程と、レジスト膜を
剥膜する工程とを行うことで、金属板の長手方向に所定
の間隔をもって連続した複数のフラット型シャドウマス
クを形成した後、前記フラット型シャドウマスク間を金
属板の長手方向と略直角方向に裁断し枚葉状として作成
されたフラット型シャドウマスク用枚葉状金属板におい
て、前記フラット型シャドウマスク用枚葉状金属板は、
前記シャドウマスク用パターンマスクに、中央部に画像
面エリアが配置され、画像面エリアの周囲はスカート成
形エリアで囲 まれており、長手方向の前後端部に少なく
とも一対のバリ取り開始線パターンがスカート成形エリ
アの外形輪郭線より伸び、途中から長手方向に平行にか
つ同一直線上に伸びて配置され、一方のバリとり開始線
の端部に重ね焼きブロックが接続されてパターンが形成
され、該シャドウマスク用パターンマスクを用い連続露
光するにあたり、所定距離ずらし露光した際に、他方の
バリ取り開始線用パターンの端部が、前回露光の重ね焼
きブロックの露光部位に重なるよう露光を行うことによ
り作成され、貫通孔よりなる重ね焼きブロック及び貫通
線よりなるバリ取り開始線で構成されるバリ取り開始端
を有し、スカート成形エリアの外形輪郭線に連結するバ
リ取り開始線はスカート成形エリアの両側に少なくとも
1対ずつ形成されており、かつ、重ね焼きブロックまた
はバリ取り開始線の少なくとも一方が、前記断裁部にま
で届いていることを特徴とするフラット型シャドウマス
用枚葉状金属板としたものである。本発明の請求項3
の発明は、前記バリ取り開始線を、貫通線に変えて易破
断性を持つ線で形成したことを特徴とする請求項2に記
載のフラット型シャドウマスク用枚葉状金属板としたも
のである。本発明の請求項4の発明は、前記バリ取り開
始線を、貫通線に変えて貫通線及び易破断性を持つ線で
形成したことを特徴とする請求項2に記載のフラット型
シャドウマスク用枚葉状金属板としたものである。
【0012】本発明を、図を用い具体的に説明を行う。
本発明においては、不要なバリ部を金属板から除去する
ための切り込み線(以下、バリ取り開始端と記す)を形
成したシャドウマスクを得るものである。なお、本発明
におけるバリ取り開始端は、バリ取り開始線およびバリ
取り開始線の端部にある重ね焼きブロックより成り立っ
ている。そのため、シャドウマスク製造におけるパター
ン露光の際に使用するパターンマスクにおいては、従来
通りの貫通孔および易破断性を持つ線よりなる外形輪郭
線を含むパターンの他に、例えば、図2に示すように従
来の外形輪郭線8用パターンと連結するバリ取り開始線
1および重ね焼きブロック2用パターンを設けたパター
ンマスク10を用いる。
【0013】次いで、該パターンマスク10を用い、公
知の製造工程、例えば図3の工程フローに従い従来通り
に長尺帯状金属板にパターン露光、現像、エッチング等
の処理を行う。しかるのち、長尺帯状金属板を一つ毎に
断裁し、図1に示す本発明によるフラット型シャドウマ
スクを得るものである。
【0014】ここで、図1中のバリ取り開始線1は画像
面エリア5を囲むスカート成形エリア6の外形輪郭線8
に連結し、貫通線で構成されている。なお、このバリ取
り開始線1は易破断性を持つ線で構成される、または、
貫通線および易破断性を持つ線で構成されていても構わ
ない。また、貫通孔よりなる重ね焼きブロック2または
バリ取り開始線1の少なくとも一方が、フラット型シャ
ドウマスクの断裁された金属板4の端部Aにまで届いて
いる。なお、外形輪郭線8は従来通り貫通孔および易破
断性の線より構成され、人手によるムシリ取りが可能と
なっている。
【0015】次いで、重ね焼きブロック2を貫通孔とす
る理由および、パターンマスク10上にバリ取り開始線
1および重ね焼きブロック2を設ける位置を以下に述べ
る。長尺帯状金属板にシャドウマスクを製造する場合、
パターン露光の際、図2のバリ取り開始線1および重ね
焼きブロック2を設けたパターンマスク10を用い、図
4に示すように長尺帯状金属板4上に連続してパターン
露光を行っている。次いで、長尺帯状金属板4は現像、
エッチング等の工程の後、例えば、図4中の点線で示す
断裁線3部で一つ毎に切り離され図1のフラット型シャ
ドウマスクを得ている。
【0016】ここで、パターン露光の際に、図4に示す
ように長尺帯状金属板4上に連続してパターン露光を行
うため、シャドウマスクは両端部分で各々隣接するシャ
ドウマスクと一部分オーバーラップをし、重ね露光が行
われている。
【0017】以下に図5を用い、長尺帯状金属板4上に
形成される、シャドウマスクの両端に位置するバリ取り
開始線1および重ね焼きブロック2のオーバーラップの
例を示す。まず、図5(a)に示すように、図2のパタ
ーンマスク10を、例えば、マスクホルダー12に入れ
た上でネガ型感光性樹脂を塗布した長尺帯状金属板4に
密着させ光源11により一枚目のパターン露光を行う。
これにより、金属板へのパターン露光は、マスクホルダ
ー12内のパターン領域に行われる。
【0018】ここで、エッチング後の重ね焼きブロック
2を貫通孔とするためパターンマスク10上においては
バリ取り開始線1および重ね焼きブロック2は遮光パタ
ーンとなっている。このため一枚目のパターン露光にお
いては、金属板4上の感光性樹脂は図5(b)中の斜線
で示すようにバリ取り開始線1および重ね焼きブロック
2の部分以外の領域が露光され光硬化する。なお、図5
(b)〜図5(d)は、図5(a)の開始端2付近を拡
大した平面説明図であり、図5(b)のパターンは一枚
目のシャドウマスクの先端部Bに位置するバリ取り開始
線1および重ね焼きブロック2を示している。
【0019】次いで、金属板4が図5(a)中に示す矢
印の方向に搬送されることで、図5(c)の点線に示す
位置に遮光パターンが移り、図5(a)と同様に二枚目
のパターン露光が行われる。ここで、図5(c)に示す
点線パターンは、二枚目のシャドウマスクにおける後端
部Cに位置するバリ取り開始線1’および二枚目のシャ
ドウマスク先端部の重ね焼きブロック2’を表し、バリ
取り開始線1’は一枚目のシャドウマスクの重ね焼きブ
ロック2とオーバーラップする部分を持っている。
【0020】上記に示すように、二枚のシャドウマスク
の先端部と後端部が一部分オーバーラップした状態で露
光が行われ図5(d)の斜線部の感光性樹脂が光硬化す
る。次いで、上記のパターン露光工程が三枚目以降も連
続して行われる。その後、図4に示すように連続してパ
ターン露光を行った金属板4に現像、エッチング等の工
程を行うことで図5(d)の感光性樹脂が光硬化しなか
った部位であるバリ取り開始線1、1’および重ね焼き
ブロック2が貫通孔となり、かつ、シャドウマスクの一
枚目と二枚目でバリ取り開始線が切れ目なく連続して得
られる。
【0021】シャドウマスクの一枚目と二枚目でバリ取
り開始線が切れ目なく連続して得られることにより、シ
ャドウマスクを一枚毎にする金属板の断裁は、図4中の
外形輪郭線8および隣接した外形輪郭線8’の間の領域
D内であればどこで行っても問題ないことになる。
【0022】また仮に、図5(c)において二枚目のパ
ターンマスクが例えば下にズレることで遮光パターンの
オーバーラップがうまくいかず、バリ取り開始線1’と
重ね焼きブロック2が重ならなかった場合、二回目の露
光により図5(c)のBとCの間のオーバーラップ部分
は光硬化部となり、エッチング工程を行うと、オーバー
ラップ部分とすべきBとCの間の金属部が残った不連続
のバリ取り開始線となり、その場合、この残った金属部
の断裁に鋏が必要となってしまう。そのため、仮にパタ
ーンマスク上にある程度の大きさを持つ重ね焼きブロッ
ク2を設けずバリ取り開始線1だけとした場合、二枚目
のパターン露光の際、一枚目のバリ取り開始線1に二枚
目のバリ取り開始線1’を重ね合わせる必要がある。し
かし、パターン露光の位置は微妙に上下左右にズレるこ
とが多く、一枚目のバリ取り開始線1に二枚目のバリ取
り開始線1’を重ね合わせることは至難といえる。
【0023】しかし本発明では、パターンマスク上に大
きさを持つ重ね焼きブロック2を設けたことにより、二
枚目のパターン露光の位置が上下左右にズレたとして
も、二枚目のバリ取り開始線1’は一枚目の重ね焼きブ
ロック2の領域内に収まり、結果として一枚目と二枚目
を結ぶ切れ目の無い連続したバリ取り開始線が得られ
る。また、重ね焼きブロック2の形状は、ある程度の大
きさを持てば上記の目的を達成できるため、四角形、円
形等が上げられる。しかし、オーバーラップさせる際に
二枚目のパターンのズレを考慮した場合、四角形の方が
より効率良く二枚目のバリ取り開始線1’との重ね合わ
せを持てるため、重ね焼きブロック2の形状は四角形が
望ましいといえる。
【0024】上述したオーバラップさせ重ね露光を行
い、切れ目の無い連続したバリ取り開始線を得るという
理由により、重ね焼きブロック2は貫通孔である必要が
ある。次いで、パターンマスク上に設ける位置は、連続
したパターン露光の際に、隣接するシャドウマスク上の
重ね焼きブロックおよびバリ取り開始線が互いにオーバ
ーラップでき、かつ、パターン露光時のパターン露光領
域内の端、例えば、図5(a)の例ではマスクホルダー
12の開口部の端等に設けることが望ましいといえる。
【0025】また、重ね焼きブロック2は前述したよう
に四角形等の面積をもつ領域で構成されており、エッチ
ング時にこの領域が金属板から遊離し、金属板の画像部
等に再付着することで、シャドウマスクの不良を生じる
恐れがある。そのため、図4中に示すように、重ね焼き
ブロック2の位置は画像部エリア5から離すよう、画像
部エリア5の端から金属板4の端の間の領域Eに設ける
ことが望ましいともいえる。
【0026】次いで、バリ取り開始線について述べる。
上記の重ね焼きブロックと連なるバリ取り開始線1は貫
通線で構成されており、シャドウマスクの外形輪郭線と
接続している。なお、バリ取り開始線1は前述したよう
に貫通線に代わり、易破断性を持つ線で構成、または、
貫通線および易破断性を持つ線で構成しても構わない。
なお、このバリ取り開始線の貫通線および、易破断性を
持つ線は、公知の方法により外形輪郭線と同様にして金
属板上に形成する。
【0027】このバリ取り開始線1と外形輪郭線8との
接続は以下の理由により、外形輪郭線8が貫通孔である
部分で行われることが望ましい。すなわち、例えば、外
形輪郭線8が易破断性の線である部分でバリ取り開始線
1との接続が丁字状に行われた場合、バリ部をムシリ取
る際、ムシリの力の方向が二方向に分かれるため、その
接続部位で金属板にシワが発生し易いという理由等によ
る。
【0028】また、バリ取り開始線1が、例えば、曲線
または金属板の搬送方向と直角方向の線等で構成された
場合、長尺帯状金属板の搬送時に搬送方向に働く引っ張
り張力、搬送ローラーを通る際の曲げ応力等によりバリ
取り開始線1付近の金属板が暴れることでめくれを生
じ、ローラーに巻き込まれる等によりシャドウマスクの
形状不良を生じ易い。このため、バリ取り開始線1は出
来るだけ長尺帯状金属板の搬送方向と同じ向きの直線で
構成し、必要により外形輪郭線8の近傍で、例えば、搬
送方向と直角に曲げる等の角度を持たせた上で外形輪郭
線8との接続を行うことが望ましいといえる。
【0029】また、バリ取り開始線1が折れ曲がり部等
で角度を持つ場合、その角部の金属板は金属板の搬送時
に搬送方向に働く引っ張り張力、搬送ローラーを通る際
の曲げ応力等により暴れやめくれを生じ易いため、バリ
取り開始線の角部付近に適宜易破断性の、例えば、ハー
フエッチング部を付加することで、金属板の強化を行う
ことが望ましいといえる。
【0030】次いで、バリ取り開始線1の本数は図1の
例では外形輪郭線の両側に各々2本ずつ設けているが、
シャドウマスクの大きさ、外形輪郭線の形状、金属板の
厚み等の条件によっては外形輪郭線の両側に各々1本設
ければ良い場合もある。そのため、製造条件等により適
宜バリ取り開始線1の本数の設定を行い、外形輪郭線8
の両側に各々少なくとも1本以上のバリ取り開始線1を
設けることが望ましいといえる。
【0031】また、バリ取り開始線1の巾の設定、およ
び、バリ取り開始線1を貫通線および易破断性を持つ線
のいずれで構成するかの設定においてもシャドウマスク
の大きさ、外形輪郭線の形状、金属板の厚み等により条
件が異なるため、条件により適宜設定を行うことが望ま
しい。
【0032】
【作用】本発明により製造されるバリ取り開始端を設け
たフラット型シャドウマスクにおいては、金属板端から
外形輪郭線まで切れ込みがあることで、金属板からのシ
ャドウマスク部の抜き出しは、鋏等の器具を用いず人手
による金属板のバリ部のムシリ取りにより容易に行える
ようになり、かつ、金属板を数枚重ねた状態でも、まと
めて金属板のバリ部のムシリ取りを人手にて行うことも
可能である等、生産効率の向上につながる。また、本発
明のバリ取り開始端を設けても、バリ取り開始線の折れ
曲がり部等の角部に易破断性を持つハーフエッチング部
を適宜設けることで一定の強度を持たせており、製造工
程中の外圧等による金属板の変形は皆無となる。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を、以下に示す。 <実施例>シャドウマスク用金属板として、厚さ130
μmの鉄とニッケルを主成分とする長尺帯状の合金材
(アンバー材)を用い、例えば、図3のニス法を用いた
工程フローに従いシャドウマスクの製造を行い、一つ毎
に断裁したフラット型シャドウマスクとして金属板の大
きさ約31.6×40cm、外形輪郭の大きさ約30.0
×37.6cmのものを得た。
【0034】ここで、パターン露光の際、パターン露光
に用いるパターンマスクとして、従来通りの画像部パタ
ーンと、貫通孔および易破断性を持つ線よりなる外形輪
郭線パターンの他に、本発明によるバリ取り開始端とし
て、図2に示すようにバリ取り開始線を外形輪郭線パタ
ーンの両側に金属板の搬送方向と平行に各々2本設けた
パターンマスクを用いた。大孔パターンマスク上に、バ
リ取り開始線を貫通線とすべく遮光パターンで構成し、
貫通線とするバリ取り開始線用パターンとして0.2mm
巾の線を設けた。また、重ね焼きブロックは3×7mmの
四角形状の遮光パターン領域とし、四角形の長辺を金属
板の搬送方向と平行とし、金属板端から3cm内側の位置
になるよう重ね焼きブロックを設けた。なお、バリ取り
開始線は重ね焼きブロックの中心を通るよう設定した。
【0035】ただし、本実施例においては、重ね焼きブ
ロックを出てから2.8cmのところでバリ取り開始線を
直角に曲げ外形輪郭線の貫通孔部との接続を行った。そ
のため、角部の外力に対する金属板の強度向上を目的と
して、直角に曲げた角部より2mmおいた部分から長さ3
mmの間は貫通線ではなく易破断性を持つハーフエッチン
グ部とした。そのため、大孔パターンマスク上ではバリ
取り開始線のハーフエッチング部として長さ400μm
および巾30μm の長方形の遮光部を、ピッチ500μ
m の破線状に形成した。また、同様に、対応する部位の
小孔パターンマスク上にバリ取り開始線のハーフエッチ
ング部として長さ100μm および巾50μm の長方形
の遮光部を、ピッチ500μm の破線状にし、大孔側と
小孔側で遮光部が交互になるように形成した。
【0036】上記のパターンマスクを用い、図3の工程
フローに従ってシャドウマスクを製造し、長尺帯状金属
板を一つ毎に断裁を行い図1に示すフラット型シャドウ
マスクを得た。その結果、エッチング後のシャドウマス
ク上では、バリ取り開始線のハーフエッチング部の破線
部として、大孔パターン側に長さ477μm 、巾147
μm 、深さ102μm 、ピッチ500μm の長円形の凹
部を、また、小孔パターン側に長さ131μm 、巾84
μm 、深さ32μm 、ピッチ500μm の長円形の凹部
を各々破線状に得た。また、他のバリ取り開始線部は巾
約0.3mmの貫通線となり、かつ、重ね焼きブロックは
貫通孔となった。
【0037】上記実施例で製造されたフラット型シャド
ウマスクにおいては、一つ毎の断裁後の金属板からのシ
ャドウマスクの抜き出しは、鋏等を使わず人手による金
属板のバリ部のムシリ取りによりに容易に行え、かつ、
金属板を数枚重ねた状態でも、まとめて金属板のバリ部
のムシリ取りを人手にて行うことも可能であった。しか
も、バリ取り開始線の角部は、一定の強度を持ってお
り、製造工程中の金属板への外圧による金属板の変形は
皆無であった。
【0038】
【発明の効果】本発明により製造されるバリ取り開始端
を設けたフラット型シャドウマスクにおいては、金属板
端から外形輪郭線まで事前に切れ込みがあることで、金
属板からのシャドウマスク部の抜き出しは、鋏等の器具
を用いず人手による金属板のバリ部のムシリ取りにより
容易に行えるようになり、かつ、金属板を数枚重ねた状
態でも、まとめて金属板のバリ部のムシリ取りを人手に
て行うことも可能である等、生産効率の向上につなが
る。また、バリ取り開始端を設けても、バリ取り開始線
の折れ曲がり部等の角部に易破断性を持つハーフエッチ
ング部を設けることで一定の強度を持たせており、製造
工程中の外圧等による金属板の変形は皆無である等、本
発明は実用上優れているといえる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリ取り開始端を付けたフラット型シ
ャドウマスクの一実施例を示す平面図。
【図2】本発明に用いるシャドウマスク用パターンマス
ク上の、バリ取り開始端の一例を示す説明図。
【図3】シャドウマスクの製造工程の一例を示す工程フ
ロー図。
【図4】本発明を用い長尺帯状金属板上に連続して製造
したフラット型シャドウマスクの一例を示す平面図。
【図5】(a)〜(d)は長尺帯状金属板への連続した
パターン露光の例を示す説明図。
【図6】従来のフラット型シャドウマスクの一例を示す
平面図。
【符号の説明】
1 バリ取り開始線 2 重ね焼きブロック 3 断裁線 4 金属板 5 画像面エリア 6 スカート成形エリア 7 バリ部 8 外形輪郭線 9 切り込み線 10 マスク 11 光源 12 マスクホルダー A 断裁された端部 B 先端部 C 後端部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも長尺帯状の金属板の表面に感光
    性樹脂層を形成する工程と、長手方向に搬送される金属
    板に略密着させたシャドウマスク用パターンマスクを介
    してパターン露光する工程と、感光性樹脂膜を現像し所
    定の金属板部位を露出したレジスト膜とする工程と、金
    属板にエッチングを行う工程と、レジスト膜を剥膜する
    工程とを行うことで、金属板の長手方向に所定の間隔を
    もって連続した複数のフラット型シャドウマスクを形成
    した後、前記フラット型シャドウマスク間を金属板の長
    手方向と略直角方向に裁断し枚葉状とした後に不要部の
    除去を行うフラット型シャドウマスクの製造方法におい
    て、 前記シャドウマスク用パターンマスクに、中央部に画像
    面エリアが配置され、画像面エリアの周囲はスカート成
    形エリアで囲まれており、長手方向の前後端部に少なく
    とも一対のバリ取り開始線パターンがスカート成形エリ
    アの外形輪郭線より伸び、途中から長手方向に平行にか
    つ同一直線上に伸びて配置され、一方のバリとり開始線
    の端部に重ね焼きブロックが接続されてパターンが形成
    され、該シャドウマスク用パターンマスクを用い連続露
    光するにあたり、所定距離ずらし露光した際に、他方の
    バリ取り開始線用パターンの端部が、前回露光の重ね焼
    きブロックの露光部位に重なるよう露光を行うことを特
    徴とするフラット型シャドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも長尺帯状の金属板の表面に感光
    性樹脂層を形成する工程と、長手方向に搬送される金属
    板に略密着させたシャドウマスク用パターンマスクを介
    してパターン露光する工程と、感光性樹脂膜を現像し所
    定の金属板部位を露出したレジスト膜とする工程と、金
    属板にエッチングを行う工程と、レジスト膜を剥膜する
    工程とを行うことで、金属板の長手方向に所定の間隔を
    もって連続した複数のフラット型シャドウマスクを形成
    した後、前記フラット型シャドウマスク間を金属板の長
    手方向と略直角方向に裁断し枚葉状として作成されたフ
    ラット型シャドウマスク用枚葉状金属板において、 前記フラット型シャドウマスク用枚葉状金属板は、前記
    シャドウマスク用パタ ーンマスクに、中央部に画像面エ
    リアが配置され、画像面エリアの周囲はスカート成形エ
    リアで囲まれており、長手方向の前後端部に少なくとも
    一対のバリ取り開始線パターンがスカート成形エリアの
    外形輪郭線より伸び、途中から長手方向に平行にかつ同
    一直線上に伸びて配置され、一方のバリとり開始線の端
    部に重ね焼きブロックが接続されてパターンが形成さ
    れ、該シャドウマスク用パターンマスクを用い連続露光
    するにあたり、所定距離ずらし露光した際に、他方のバ
    リ取り開始線用パターンの端部が、前回露光の重ね焼き
    ブロックの露光部位に重なるよう露光を行うことにより
    作成され、 貫通孔よりなる重ね焼きブロック及び貫通線よりなるバ
    リ取り開始線で構成されるバリ取り開始端を有し、スカ
    ート成形エリアの外形輪郭線に連結するバリ取り開始線
    はスカート成形エリアの両側に少なくとも1対ずつ形成
    されており、かつ、重ね焼きブロックまたはバリ取り開
    始線の少なくとも一方が、前記断裁部にまで届いている
    ことを特徴とするフラット型シャドウマスク用枚葉状金
    属板
  3. 【請求項3】前記バリ取り開始線を、貫通線に代えて易
    破断性を持つ線で形成したことを特徴とする請求項2に
    記載のフラット型シャドウマスク用枚葉状金属板
  4. 【請求項4】前記バリ取り開始線を、貫通線に代えて貫
    通線及び易破断性を持つ線で形成したことを特徴とする
    請求項2に記載のフラット型シャドウマスク用枚葉状金
    属板
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