JP2003125746A - 次亜塩素酸を含有した殺菌液で殺菌し、抗菌剤を含有した包装材で保管する食品、調理器具、及び医療器具の殺菌と保管方法 - Google Patents

次亜塩素酸を含有した殺菌液で殺菌し、抗菌剤を含有した包装材で保管する食品、調理器具、及び医療器具の殺菌と保管方法

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JP2003125746A
JP2003125746A JP2001325868A JP2001325868A JP2003125746A JP 2003125746 A JP2003125746 A JP 2003125746A JP 2001325868 A JP2001325868 A JP 2001325868A JP 2001325868 A JP2001325868 A JP 2001325868A JP 2003125746 A JP2003125746 A JP 2003125746A
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sterilizing
acid
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antibacterial agent
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Tadashi Inoue
直史 井上
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】医療器具、食品、特に野菜、鮮魚、精肉の殺菌
を十分行え、殺菌効果が持続し、しかも食感を損なわ
ず、人間の健康への悪影響が少なく、かつ安価な殺菌方
法(殺菌、保管、輸送を含む)を提供することである。 【手段】次亜塩素酸を有効塩素濃度として10ppm以
上含有した水溶液である殺菌液で殺菌した後に、Mn、
Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる金属イオン
の内の少なくとも1種を含有した無機系抗菌剤を0.1
〜20重量%含有した包装材で包装し、保管および/あ
るいは輸送することを特徴とする殺菌方法。 【効果】医療器具、食品、特に野菜、鮮魚、精肉の殺菌
を十分行え、殺菌効果が持続し、しかも食感を損なわ
ず、人間の健康への悪影響が少なく、かつ安価な殺菌方
法(殺菌、保管、輸送を含む)を提供することができ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、次亜塩素酸を含有した
殺菌液と抗菌剤、及び吸着剤を含有した包装材料を用い
た、食品、食品加工具、調理器具、及び医療器具等の殺
菌と保管、及び輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、食中毒、感染症の発生等が深刻
な問題になっている。外食産業では食中毒の発生が営業
に致命的な打撃を与えるので、作業現場では詳細なマニ
ュアルを作成し、食中毒の発生防止に努めている。最近
多量に使われているカット野菜の殺菌は大きな問題であ
る。殺菌には塩素系の殺菌剤、特に次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液が使われることが多いが、殺菌力の点で問題が
あるだけでなく、食感を損なう欠点があった。また、殺
菌がかなり十分に行われても、その後の保管時に菌が繁
殖する問題もある。食品だけでなく、医療器具等でも殺
菌力が従来の方法では不十分であり、またたとえ十分な
殺菌を行っても、その後の保管時に菌が繁殖するといっ
た問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 医療器具、食品加工
器具、調理器具、食品、特に青果物、鮮魚、精肉の殺菌
を十分行え、殺菌効果が持続し、しかも食感を損なわ
ず、人間の健康への悪影響が少なく、かつ安価な殺菌方
法(殺菌、保管、輸送を含む)を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、次亜塩素
酸を含んだ水溶液である殺菌液で殺菌した後および/ま
たは前に、抗菌剤を含有した包装材で包装するか、およ
び/または包装材の内側あるいはおよび外側に抗菌剤を
存在させた状態で保管および/あるいは輸送することを
特徴とする殺菌、保管方法を用いることで、上記の課題
を解決できることを見出した。すなわち、該抗菌剤を包
装材に含有させてもよいし、包装容器の内部、あるいは
外側に抗菌剤を存在させてもよい。これらの方法を2種
以上を併用しても構わない。すなわち、該抗菌剤を包装
材に含有させた上に、さらに包装容器の内部に該抗菌剤
を存在させることもできる。あるいは、包装材、容器の
内部、容器の外部に全て存在させることもできる。これ
らは、殺菌対象物の種類、性質によって適切な方法が選
ばれる。該殺菌液で殺菌した後および/あるいは前に、
該抗菌剤を含む包装材で包装し、保管および/あるいは
輸送することが好ましい。特に、該殺菌液で殺菌した後
に、該抗菌剤を含む包装材で包装し、保管および/ある
いは輸送することが好ましい。包装材に本発明の抗菌剤
を含有させる方法はいかなる方法でもよい。包装材のな
かに練り込む、溶解する、梳き込むといった方法で、包
装材の内部に存在させることができる。たとえばオレフ
ィン樹脂シートの中に練り込む場合である。その場合は
できるだけ表面近傍の抗菌剤量を増すことが好ましい。
また包装材の表面に抗菌剤の含有物を塗布する、印刷す
る、あるいは粘着剤、接着剤で貼り付ける、あるいは粘
着剤、接着剤に抗菌剤を混合し、包装材のどこかの部分
に存在させることができる。その場合、青果物、鮮魚、
精肉等の殺菌対象物と接する側でも、その反対に対象物
に接しない側のどちらに存在しても良いが、通常は接す
る側の方が効果が大きい。
【0005】 本発明の殺菌液の有効塩素濃度は10〜
1000ppmが好ましく。20〜800ppmがより
好ましく、30〜300ppmが最も好ましい。またp
Hは2.0〜8.0が好ましく、4.0〜7.2がより
好ましく、4.5〜6.5が最も好ましい。有効塩素濃
度は殺菌効果を発揮するに最低必要濃度が望ましい。濃
度が高いと塩素臭等の好ましくない影響があり、濃度が
低いと十分な殺菌効果が得られない。殺菌効果は温度で
も異なる。室温付近の温度では、高い温度の方が殺菌効
果が大きい。pHは解離していない次亜塩素酸の濃度が
決まる重要な要因である。pH8以上では次亜塩素酸が
解離し、殺菌効果が著しく減少する。また、pHが2以
下では塩素が発生し人体に有害である。
【0006】 次亜塩素酸は次亜塩素酸塩、あるいは次
亜塩素酸水溶液で供給されてもよく、また塩素イオン含
有水溶液の電気分解により生成されてもよい。次亜塩素
酸塩としては特に限定されないが次亜塩素酸ナトリウ
ム、次亜塩素酸カリウムが好ましい。
【0007】 本発明の殺菌液のpH調節は、塩酸、リ
ン酸、硫酸、硝酸等の無機酸、あるいは酢酸、ぎ酸、ク
エン酸、酒石酸等の有機酸を添加することで調節するこ
とが好ましい。また水酸化ナトリウム等のアルカリを添
加することもできる。酸としては塩酸、リン酸、酢酸、
クエン酸、酒石酸がより好ましく、塩酸、酢酸がさらに
好ましく、塩酸が特に好ましい。これらのpHの調節の
際には、酸、アルカリ共に水で希釈して用いることが好
ましい。特に、pH5.0〜7.0の間に調節する際は
十分希釈した酸を用いることが好ましい。
【0008】また、酸、アルカリの水溶液と、次亜塩素
酸水溶液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)お
よび水を混合し所定の濃度、pHの該次亜塩素酸水溶液
を調製する。この調製は予め使用のかなり前に行われて
も、使用直前に行われてもどちらでも構わない。ただ
し、該次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸は熱、光、酸化
剤に対し不安定なので、密閉容器に入れ、遮光し、低温
で保存することが好ましい。使用する容器は十分洗浄さ
れたものを用いることが好ましい。また、各組成の濃度
を所定の値に正確に合わせるため、添加量を高精度で調
節できる、混合機器を用いることが好ましい。この機器
では使用直前に該次亜塩素酸水溶液を調製できる。その
場合は、酸あるいはアルカリの水溶液と、次亜塩素酸水
溶液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)および
水の3種の溶液を混合することもできるし、酸あるいは
アルカリの水溶液および/または次亜塩素酸水溶液(次
亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)を予め水で所定
の濃度に希釈して用いることも好ましい。これらの溶液
は密閉された容器に保存されるのが好ましく、着脱が容
易なカートリッジ形式のもはさらに好ましい。
【0009】 本発明の殺菌液は塩素イオンを含有した
水を電気分解することで次亜塩素酸水溶液を作成しても
良い。また塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウム
を添加した水を電気分解することが好ましい。また、電
気分解は有隔膜電解槽でも、無隔膜電解槽でも行うこと
ができる。有隔膜電解槽の場合は特許種出願番号63−
300998号記載の技術が好ましく用いられる。ま
た、無隔膜電解槽の場合は特許登録2619756号記
載の技術が好ましく用いられる。これらの電気分解法に
ついては「電解水の基礎と利用技術」(松尾昌樹著 技
報堂出版株式会社 2000年1月25日発行)記載の
方法を好ましく用いることができる。
【0010】 本発明の殺菌液のpHをpH緩衝剤で調
節することもできる。また、前記次亜塩素酸水溶液のp
Hを調節するために、pH緩衝液を用いることも好まし
い。pH緩衝溶液とは、酸または塩基をその溶液に加え
た場合のpHの(水素イオン濃度)の変化が、純水に酸
または塩基を加えた場合のpHの変化に比べて小さい溶
液である。pH緩衝液は酸、塩基、またそれらの塩を混
合して得ることができる。pH緩衝剤の例としては、化
学便覧の基礎編改訂第4版(1993年9月、株式会社
丸善 出版)の第2分冊−336〜339ページに記載
されているものはいずれも好ましく用いることができ
る。
【0011】 pH緩衝溶液は、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム等のハロゲン化アルカリ、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、シスチン等のア
ミノ酸、塩酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸、乳酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酪酸、酢酸、コハク
酸、ジエチルパルビツール酸、フタル酸水素カリウム、
フタル酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸ナト
リウム、クエン酸カリウム、クエン酸二水素ナトリウ
ム、クエン酸二水素カリウム、四ホウ酸ナトリウム、四
ホウ酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、
乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、ジメチルパルビツール酸ナトリウム、ジメチ
ルパルビツール酸カリウム、(2,4,6−トリメチル
ピリジン)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
(3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−プロパン
スルホン酸])の内の少なくとも2種類以上の化合物を
含有する水溶液であることが好ましい。ただし、これら
に限定されるものではない。
【0012】これらのpH緩衝液の各成分濃度は必要な
pHが得られる濃度ならどの濃度でも好ましい。開封後
短期間で使用する場合はpH緩衝溶液の各成分の濃度は
低い方が好ましく、開封後長期間に渡って使用する、手
の殺菌液等は各成分の濃度が高い方が好ましい。各成分
の混合の方法はいかなる順番でも用いることができる。
次亜塩素酸の混合はpH緩衝溶液の完成後でも、完成前
のどちらでも構わない。次亜塩素酸とpH緩衝液の混合
は使用の前ならいつでも良い。
【0013】次亜塩素酸水溶液が展着剤を含有すること
も好ましい。本発明の次亜塩素酸水溶液には。展着剤と
してはアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン
系のいずれの界面活性剤、水溶性高分子が好ましくもち
いられる。展着剤の濃度は20〜2000ppmが好ま
しい。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキル
サクシスルホネート、リグニンスルホン酸塩、ポリナフ
チルスルホン酸塩、脂肪酸のアルキルエステルのスルホ
ン酸塩(特開平2−167202号等)アルキルスルホ
コハク酸塩系界面活性剤等のアニオン系界面活性剤。ポ
リアクリル酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミンオキ
シド、脱アセチル化度が30%以上のキトサン、4級ア
ンモニウム塩とうのカチオン系界面活性剤等が好ましく
用いられる。中でも、モノアルキル硫酸塩、トリアルキ
ルアミン−N−オキシド、脂肪酸ナトリウム、アルキル
トリメチルアンモニウムが特に好ましい。展着剤の添加
は使用のかなり前でも良いが、使用直前の方が好まし
い。実際の使用の際はpH調節用の酸に混合するか、希
釈水に混合することが好ましい。次亜塩素酸の水溶液に
予め添加することは、次亜塩素酸の分解を促進すること
があるので好ましくない。
【0014】本発明の殺菌液の調製方法は特に限定され
るものではないが、混合後に保管する場合は、光特に紫
外線を遮断し、低温で保管し、かつ蛋白質、アルコール
等の有機物あるいは不純物として混入する金属イオンを
できるだけ少なくすることが好ましい。そのため、容
器、器具等は十分に洗浄したものを使用することが好ま
しい。次亜塩素酸含有水溶液自体も保管する場合は、光
特に紫外線を遮断し、低温で保管することが好ましい。
【0015】本発明の殺菌液、殺菌方法は、食品の加
工、調理器具、医療器具の殺菌等に用いることができ
る。本発明では殺菌をいわゆる消毒、殺菌、減菌、抗菌
性付与等全般を指す言葉として使用した。
【0016】 本発明の殺菌方法として好ましいものに
下記のものがある。殺菌液の流れの方向と、殺菌の対象
物(青果物等)の移動の方向を逆にする殺菌方法であ
る。殺菌槽は1槽でも良いが、殺菌液の槽が2槽以上に
分かれている方が好ましい。該第1槽に殺菌液の新液が
供給され、オーバーフローした殺菌液が該第2槽以降の
槽に順次流れ込む構成の殺菌槽に、オーバーフロー液が
流れ込む槽に殺菌対象物を殺菌液に浸け、順次オーバー
フローの順序と逆の方向に向かって殺菌対象物を移動さ
せる殺菌方法である。最も使用され疲労した殺菌液に未
殺菌の対象物(青果物等)をまず浸け、順次より疲労し
ていない新鮮に近い殺菌液に浸けることで、少量の殺菌
液で大きな殺菌効果を発揮する方法である。いわゆる向
流方式の殺菌方法である。
【0017】殺菌槽が1槽の場合は殺菌液を槽の片方か
ら流入させ、反対側から流出させるようにし、殺菌対象
物(青果物、鮮魚、精肉、食品加工器具、医療器具等)
を流出側から流入側に移動させる。移動方法は様々な方
法があり得るが、例えばコンベアーにのせるか、あるい
は籠に入れ移動させてもよい。この場合は殺菌槽の形は
殺菌液の流入口と流出口(オーバーフロー口)が離れる
ような、上から見た場合に長い長方形であることが好ま
しい。
【0018】殺菌槽は2槽以上が好ましく、3槽以上が
より好ましい。槽の数がある数までは多くなるほど殺菌
効果が増大するが、ある数以上になると殺菌効果はほと
んど変化しなくなる。実際に装置を作成し殺菌する場合
は、殺菌の効果と装置の設置に要するスペースと装置の
価格等を考え、最適な槽の数を決める。この最適な槽の
数は殺菌の対象物の種類、量等でも変化しうるが、3〜
5槽が適正と思われる。通常用途では3槽構成がバラン
スがとれ好ましいことが多い。オーバーフローの量は槽
の大きさ、殺菌対象物(青果物、鮮魚、精肉、食品加工
器具、医療器具等)の量から最適な量が決まるが、1分
間当たりのオーバーフロー量は槽の容積の1/100〜
5倍が好ましく、1/30〜2倍がさらに好ましく1/
10〜1倍が最も好ましい。殺菌槽に浸ける前に殺菌対
象物(青果物、鮮魚、精肉、食品加工器具、医療器具
等)を水洗いすることが好ましい。
【0019】殺菌槽内で殺菌液は撹拌あるいは循環され
るのが好ましい。撹拌の方法は撹拌棒、羽根等をもちい
ても行うことができ、また殺菌対象物の入った容器を動
かすことでもできる。殺菌液は殺菌槽の上から入って、
下から抜いてもよい。逆に下から入れて上から抜く、あ
るいは上から入れて上から抜く、下から入れて下から抜
くと言った如何なる組み合わせでもよい。本発明では殺
菌槽から槽の容積を超えた殺菌液が出ることをオーバー
フローと称する。槽の上部、下部、その他液が出る場所
がどこであっても本発明ではオーバーフローと呼ぶ。液
の排出にポンプをもちいても構わない。いわゆるカスケ
ード方式は最も好ましい。殺菌槽の温度は殺菌液の保管
時は低い方が好ましい。30℃以下が好ましく、20℃
以下がさらに好ましく、10℃以下が特に好ましい。殺
菌作業時はこれより高い方が好ましい。勿論殺菌対象物
の種類により殺菌液の好ましい温度は異なるが、食品加
工器具、医療器具等の場合は、20〜100℃が好まし
く、30〜100℃がより好ましく、40〜100℃が
さらに好ましい。青果物等の食品の場合はそれぞれの種
類により好ましい温度は異なるが、通常は上記器具より
は低温が好ましく、13〜40℃が好ましく、17〜3
0℃がより好ましい。
【0020】 殺菌工程の前および/または後に水洗す
ることができる。この場合、これらの水洗工程も、本発
明で記載した向流方式を用いることが好ましい。殺菌槽
の向流方式同様に少量の水洗水で十分な水洗が行える。
水洗水は水のみでもよいが、界面活性剤等を添加した水
溶液でもよい
【0021】 本発明の抗菌剤は、有機系、無機系いか
なるものでも良いが、無機系が好ましい。無機系抗菌剤
の中では、Ag、Mn、Fe、Co、Ni、Cuおよび
Znイオンを含有したものが好ましく、さらにMn、F
e、Co、Ni、CuおよびZnからなる金属イオンの
内の少なくとも1種を含有した無機系抗菌剤であること
が好ましい。これらの金属イオンの化合物が酸化物およ
び/あるいは水酸化物であることが好ましい。特に金属
イオンがZnおよび/またはCuイオンであることが好
ましく、亜鉛イオンであることが最も好ましい。これら
の酸化物、水酸化物中の該金属イオンの含有量が2〜8
2重量%であることが好ましい。20〜82重量%であ
ることがさらに好ましい。
【0022】これらの酸化物、水酸化物は下記式(1)
〜(4)で表されるものを好ましく用いることができ
る。 Mx1-xO (1) (式中、NはMgおよび/あるいはCaを示し、MはM
n、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から
選ばれた金属イオンの少なくとも一種を示し、xは0.
02<x<0.8である) M1-x(OH)2 (2) (式中、M、N、xは式(1)と同じである) (MO)・(LO) (3) (式中、M、は式(1)と同じで、Lはアルカリ金属イ
オンを表し、yは0.0001<y<0.1である)
【0023】 (MO)・(Al23・(SiO2 (4) (式中、M、は式(1)と同じ。aは0.00≦a<5
0で、bは0.00≦b<80である。ただし、a=0
の場合、bは0.001≦b<80であり、b=0の場
合、aは0.001≦a<50である。) (上記式(1)〜(4)において、MはCuあるいはZ
nがより好ましく、Znがさらに好ましい。また、上記
式(1)および(2)式のNはMgがより好ましい。上
記式(3)のLはNa、Kが好ましい。また。上記式
(4)のa,bはより好ましくは、aは0.00≦a<
2で、bは0.00≦b<20である。ただし、a=0
の場合、bは0.001≦b<20であり、b=0の場
合、aは0.001≦a<2である。さらに好ましくは
aは0.00≦a<0.2で、bは0.00≦b<1であ
る。ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<1で
あり、b=0の場合、aは0.001≦a<0.2であ
る。)
【0024】 本発明の好ましい酸化物の例を以下に挙
げるが、これらに限定されるものではない。 (
)内の数字は順に、BET表面積 (m/g)、粒度
D50%(μm)、ZnあるいはCuの含有量(重量%)
を表す。 (A− 1)Zn0.14Mg0.86O(15、0.5、1
9.9) (A− 2)Zn0.05Ca0.95O(12、0.6、1
9.9) (A− 3)Zn0.40Mg0.60O・(Al230.50
(60、0.3、24.3) (A− 4)ZnO・(Al230.04 (30、0.
4、76.5) (A− 5)Cu0.05Ca0.95O(18、0.2、5.
7) (A− 6)Cu0.14Mg0.86O(30、0.3、1
9.4) (A− 7)(CuO)0.4・Al23・(SiO2)16
・5H2O(15、0.2、2.3) (A− 8)ZnO・(K2O)0.005 (12
0、0.3、80) (A− 9)ZnO・(Na2O)0.005 (9
0、0.3、80) (A−10)ZnO・(SiO0.05 (2
5、0.2、77.5) (A−11)ZnO(30、0.3、80.3)
【0025】 さらに例えば高級脂肪酸、アニオン系界
面活性剤、リン酸エステル、カップリング剤(シラン
系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコ
ールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面
処理剤の少なくとも一種により表面処理して用いてもよ
い。表面処理剤として好ましく用いられるものを例示す
れば次の通りである。ステアリン酸、エルカ酸、パルミ
チン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の
高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ステ
アリルアルコール、オレイルコール等の高級アルコール
の硫酸エステル塩;ポリエチレングリコールエーテルの
硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル
結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミ
ド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エー
テル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合ア
ルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリル
スルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン
酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモ
ノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それ
らの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン
酸エステル類;ビニルエトキシシラン、ビニル−トリス
(2−メトキシーエトキシ)シラン、ガンマ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ベーター(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカッ
プリング剤類;イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォス
フェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノ
エチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリ
デシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系
カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイ
ソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類;
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエー
ト等の多価アルコールと脂肪酸のエステル類。
【0026】また、本発明で用いられる銀系の抗菌剤の
例としては、「多様化する無機系抗菌剤と高度利用技
術」大谷朝男編著(1998年株式会社アイピーシー出
版)に記載のあるものが好ましい。中でもゼオライト、
シリカゲル、ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコ
ニウム、ケイ酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛ウィスカー、
チタン酸カリウムウィスカー、アルミナ、釉薬等に担持
した銀抗菌剤、銀/ケイ酸アルミン酸マグネシウム抗菌
剤、銀超微粒子抗菌剤、錯体化銀/シリカゲル抗菌剤、
銀/難溶性リン酸塩抗菌剤が好ましい。
【0027】 また、本発明で用いられる有機系抗菌剤
としては、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
などイミダゾール誘導体、シクロフルアニドなどN−ハ
ロアルキルチオ系化合物、10、10’−オキシビスフ
ェノキサアルシンなどフェニルエーテル誘導体、セシル
ジメチルエチルアンモニウムブロミドなど第4級アンモ
ニウム塩および2、3、5、6テトラコロル−4−(メ
チルスルホニル)ピリジンなどスルホン誘導体、アミド
類、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、メチロー
ル基含有化合物、活性ハロゲン含有化合物、活性化され
たN−S結合含有化合物、イソチアゾロン系、有機ヨウ
素系、ベンズイソチアゾロン系、およびピリチオン系等
が挙げられるが、これに限定するものではない。また、
「防菌防黴剤の技術」井上嘉幸編著(2000年普及版
第1刷発行、株式会社シーエムシー出版)、および「誰
でもわかる抗菌の基礎知識」(西村民男監修、株式会社
テクノシステム 1999年8月出版)の121〜13
0頁に記載のあるものはいずれも好ましく用いることが
できる。
【0028】 本発明の無機系抗菌剤の粒度D50%が
0.05〜10μmが好ましく、0.05〜6μmがよ
り好ましく、0.05〜2μmがさらに好ましい。粒子
サイズは、5分間以上超音波で分散させられた後に、レ
ーザー散乱法で測定した値である。抗菌剤のBET表面
積は重要な指標である。一般に抗菌効果を迅速に働かす
ためには、極めて大きいBET表面積が好ましい。しか
し、一方では抗菌効果を持続させるためにはある程度以
下の値にする必要がある。そのため、BET表面積は1
〜300m/gが好ましく、5〜150m/gがよ
り好ましく、10〜150m/gがさらに好ましい。
本発明の無機系抗菌剤の包装材中の含有量は、0.01
〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好
ましく、0.5〜5重量%が最も好ましい。
【0029】本発明の好ましい吸着剤は、活性炭、木
炭、カーボンナノチューブ等の炭素系、シリカゲル、ア
エロジル、ホワイトカーボン、高シリカ粘土、シリカゾ
ル、多孔質ガラス、シリカ繊維、けいそう土、ケイ酸カ
ルソウム等のコロイダルシリカ系、天然ゼオライト、合
成ゼオライト等のゼオライト系、賦活アルミナ、アルミ
ナ等のアルミナ系、骨炭、天然アパタイト、合成アパタ
イト等のアパタイト系、フラースアース、活性白土、活
性ボーキサイト、活性酸化マグネシウム、等がある。こ
れらの吸着剤は「吸着の科学」(近藤精一著、丸善出
版、2001年2月発行)183〜217頁、「吸着剤
・吸着操作の設計」(柳井弘著、技報堂出版、1982
年1月発行)48〜53頁に記載されている。中でも上
記の、炭素系、コロイダルシリカ系、ゼオライト系、ア
ルミナ系、アパタイト系が好ましい。
【0030】 炭素系では活性炭、木炭が好ましく、活
性炭が特に好ましい。コロイダルシリカ系では、シリカ
ゲル、アエロジル、多孔質ガラス、シリカ繊維が好まし
く、シリカゲル、アエロジルより好ましく、シリカゲル
が特に好ましい。天然ゼオライト、合成ゼオライト等の
ゼオライト系では合成ゼオライトが特に好ましい。吸着
剤のBET表面積は10m/g以上が好ましく、10
0m/g以上がより好ましく、200m/g以上が
さらに好ましく、600m/g以上が最も好ましい。
吸着剤の平均サイズは0.01〜100μmが好まし
く、0.05〜30μmがより好ましく、0.1〜10
μmが最も好ましい。吸着剤の含有量は包装材の重量に
たいし、0.05〜10重量%が好ましく、0.2〜5
重量%より好ましく、0.5〜3重量%が最も好まし
い。
【0031】本発明の包装材に好ましく用いられる熱可
塑性合成樹脂としては、例えばフッ素樹脂、アクリル樹
脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンナフタ
レート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ABS樹脂、酢
酸ビニル樹脂およびポリスチレン樹脂等がある。
【0032】複合樹脂組成物を組成する熱可塑性樹脂と
しては、ポリカ−ボネ−ト樹脂(PC)アクリロニトリ
ルブタジエンポリスチレン共重合体樹脂(ABS)、ポ
リプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(P
E)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタ
レ−ト樹脂(PT)、ポリエチレンナフタレ−ト樹脂、
などがあるがこれらに限定されるものではない。
【0033】また、熱硬化性合成樹脂としては、例え
ば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フラ
ン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラバン酸樹脂
等が挙げられる。天然高分子の樹脂も好ましい 本発明の包装材が繊維からなる場合は、以下の方法で無
機系抗菌剤を繊維に含有させることができる。繊維とし
ては、天然繊維(綿、羊毛、絹、麻、パルプなど)、半
合成繊維(レーヨン、キュプラ、アセテートなど)、合
成繊維(ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアセ
タール、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリ
フッ素など)、または、無機繊維(ガラス、セラミック
スなど)を挙げることができる。これらの繊維に抗菌性
を付与するには、繊維と本発明の抗菌剤を接触させた
後、水洗、乾燥する方法、あるいは、繊維に本発明の抗
菌剤をスプレーする方法など、公知の方法を採用でき
る。
【0034】例えば、吸水性に富んだ不織布として、セ
ルロースパルプ繊維を嵩高に集積した後、合成高分子の
樹脂の水溶性エマルジョンを接着剤として塗布或いは含
浸させて含有せしめて乾燥させた乾式パルプシートがあ
る。親水性繊維であるレーヨン繊維を集積してウェブと
した後、高圧水柱流(高圧水ジェット流)の噴射処理を
施してレーヨン繊維相互を絡合した不織布も用いられ
る。ポリプロピレン長繊維をもちいても良い。不織布に
関しては特開2000−234266号に記載の技術を
用いることが好ましい。
【0035】本発明の包装材はプラスチックシート、プ
ラスチック成型品、不織布、紙、金属シート、あるいは
それらの複合(貼り合わせ等)シートが用いられる。特
に、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)
シート、あるいはポリオレフィンシートと不織布の接合
材が好ましい。これらの包装材には内部の雰囲気(気体
成分)を調製する目的で孔を開けるもとも好ましい。孔
のサイズは0.05〜5mmが好ましく、0.1〜3m
mがより好ましく、0.5〜1mmがさらに好ましい。
孔の面積の合計は、包装材面積の合計の1〜30%が好
ましく、1〜10%がより好ましく、1〜5%がさらに
好ましい。
【0036】 包装材に本発明の抗菌剤を含有させる方
法はいかなる方法でもよい。包装材のなかに練り込む、
溶解する、梳き込むといった方法で、包装材の内部に存
在させることができる。その場合はできるだけ表面近傍
の抗菌剤量を増すことが好ましい。また包装材の表面に
塗布する、印刷する、粘着剤、接着剤で貼り付ける、あ
るいは粘着剤、接着剤に混合し、包装材のどこかの部分
に存在させることができる。その場合、野菜等の殺菌対
象物と接する側でも、その反対に対象物に接しない側の
どちらに存在しても良いが、通常は接する側の方が効果
が大きい。
【0037】
【実施例1】次亜塩素酸ナトリウム水溶液に水で希釈し
た塩酸を添加し、pHを5.7に調節し、有効塩素濃度
が100ppmの本発明の次亜塩素酸水溶液を調製し
た。この水溶液でカット野菜を18℃で3分間殺菌し
た。殺菌後のカット野菜を抗菌剤A−1を3重量%含有
したポリエチレンシートで作った袋に入れた(サンプル
H1−1)。抗菌剤をそれぞれA−4、11にした以外
はH1−1と同様にして、サンプルH1−2、3を作製
した。
【実施例2】有効塩素濃度が100ppmの次亜塩素酸
ナトリウム水溶液(pHを8.4)を調製し、この水溶
液でカット野菜を20℃で7分間殺菌した。殺菌後のカ
ット野菜を抗菌剤A−4を3重量%含有したポリエチレ
ンシートで作った袋に入れた(サンプルH2−1)。
【比較例1】抗菌剤を含有していないポリエチレンシー
ト、また銀系抗菌剤を含有したポリエチレンシートを用
いた以外は、H1−1を繰り返したサンプルC1−1、
2を作った。また殺菌液の代わりに水道水を用いた以外
はH1−1を繰り返し、C1−3を作製した。
【0038】
【実施例3】 次亜塩素酸ナトリウム水溶液に水で希釈
した塩酸を添加し、pHを5.7に調節し、有効塩素濃
度が80ppmの本発明の次亜塩素酸水溶液を調製し
た。この次亜塩素酸水溶液を3つに区分された殺菌槽に
入れた。第1の槽に新たな殺菌液を入れ、そのオーバー
フロー液を第2の槽に入れ(カスケード方式)、第2の
槽のオーバーフロー液を第3の槽に入れ(同じくカスケ
ーソ方式)、第3の槽のオーバーフロー液を外部に排水
した。各槽の大きさは18Lで、オーバーフロー量は約
3L/分であった。なお、殺菌槽は紫外線が当たらぬよ
うに配置された。カット野菜をステンレスの網でできた
容積約15Lの箱に一杯に入れ、第3の槽に1分間浸
け、ついで取り出して約10秒間で水を切った後、第2
の槽に1分間浸け、また取り出して10秒間で水を切っ
た後、第1の槽に1分間浸けた。別のカット野菜をやは
り前記の箱に一杯に入れ、前記の箱の1分10秒遅れ
で、同じように第3槽から各槽で1分間の殺菌を行っ
た。殺菌液の温度は18℃であった。これらの殺菌済み
のカット野菜を抗菌剤A−4を3重量%含有したポリエ
チレンシートで作った袋に詰めた(H3−1)。抗菌剤
をそれぞれA−1,7,11にした以外は、H3−1と
同様に、サンプルH3−2,3,4を作製した。
【比較例2】本発明の抗菌剤の代わりに、銀系抗菌剤を
3重量%含有したポリエチレンシートを用いた以外は、
H3−1を繰り返しサンプルC2−1を作製した。(効
果)サンプルH1−1〜3、H2−1、H3−1、C1
−1〜2を3日間保存後、サラダにし、5人の人が試食
し、食感を評価した。食感の順序は良好な方から、H3
−1,2>H3−4>H1−1、2>H1−3>>H2
−1>>C1−1、2、C2−1の順であり。本発明の
サンプルは、いずれも比較例よりかなり良好であった。
H3−1,2,4、H1−1、2、3の保管後の食感
は、H2−1よりかなり良好であった。4日間保存後の
サラダの食感は、H3−1、2>H3−4>H3−3>
>C1−1、2、C2−1の順であった。本発明の抗菌
剤の中では、亜鉛イオン含有のものの方が、銅オン含有
のものより良好であった。また、6日間30℃保管後に
観察したところ、C1−3は一部が腐り始めていた。変
色の程度は多い方からC1−1、2,C2−1>>H2
−1>H1−1,2>H3−1,2,3,4であり、本
発明のサンプルはいずれも比較例より変色が少なく良好
であった。
【0039】
【実施例4】ポリエチレンの袋に0.5mmの孔を開け
た。孔の総面積は袋の総面積の10%であった。これ以
外はサンプルH3−2を繰り返した(H4−1)。5日
間保管後のサラダにした場合の食感は、H4−1>H3
−2であった。
【実施例5】pHを4.5、5.5,6.0,6.5と
変え、殺菌液の温度を25℃にした以外はサンプルH3
−2を繰り返し、それぞれサンプルH5−1〜4を作製
した。今回の実験では塩素ガスの発生はなかったが、塩
酸の混合量を間違えてpHが低くなり過ぎると塩素ガス
が発生し易いので、このpH範囲ではpHが5.5以上
がより安全である。6日間保管後のサラダにした場合の
食感は、H5−1〜4はH3−2と同じであった。
【実施例6】有効塩素濃度を50、200、300pp
mとし、殺菌液の温度を30℃にした以外は、サンプル
H3−2を繰り返し、それぞれサンプルH6−1〜3を
作製した。6日間保管後のサラダにした場合の食感は、
H6−1〜3はH3−2と同じであった。
【実施例7】NaClとHClを含有した水を電気分解
し強酸性電解水を得た。pHは約2.5であった。有効
塩素濃度は100ppmであった。この水溶液を用いた
以外はH3−2と同様にして、サンプルH7−1を作製
した。6日間保管後のサラダにした場合の食感は、H7
−1はH3−2よりやや劣った。しかし、C1−1より
は良好であった。
【0040】
【実施例8】吸着剤としてBET表面積が200m
gの合成ゼオライトを2重量%と、抗菌剤A−4を重量
%含有したポリエチレンシートを用いた以外は、サンプ
ルH3−2と同様にしてサンプルH8−1を作製した。
10日間保管後のサラダにした場合の食感は、H8−1
はH3−2よりやや良好であった。
【実施例9】吸着剤をBET表面積が800m/gの
合成ヒドロキシアパタイトにした以外はサンプルH8−
1と同様にしてサンプルH9−1を作製した。10日間
保管後のサラダにした場合の食感は、H9−1はH8−
1と同じであった。
【実施例10】内視鏡、カテーテルとうの医療器具の殺
菌、保管でも実施例1,2と同様の殺菌、保管方法は有
効であった。
【実施例11】魚、肉類の殺菌、保管、輸送にも実施例
1から10に記載の方法は有効であった。特に赤み維持
等の鮮度保持、また食感維持においても効果があった。
この場合はポリエチレンシートも使用したが、いわゆる
保鮮紙が有効であった。この保鮮紙はポリエチレンシー
トと不織布を貼り合わせたものも使用し良好な結果を得
た。この場合はプラスチックフイルムに抗菌剤を含有さ
せても良いし、不織布に含有させてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 81/28 B65D 81/28 A Fターム(参考) 3E067 AA11 AB02 AB04 AB08 AB09 AB83 BA12A BA17A BB14A FA01 FB12 FC01 GC05 GD01 GD02 4B021 LA17 LW02 LW03 LW04 MC01 MK08 MK09 MK14 MP02 4C058 AA06 AA12 AA21 BB07 BB09 CC01 CC02 CC03 CC04 CC09 DD07 DD11 EE13 EE15 EE16 EE23 EE24 JJ03 JJ07 JJ21 JJ28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次亜塩素酸を含有した水溶液である殺菌液
    で殺菌した後および/または前に、抗菌剤を含有した包
    装材で包装するか、および/または包装材の内側あるい
    はおよび外側に該菌剤を存在させた状態で保管および/
    あるいは輸送することを特徴とする殺菌、保管方法。
  2. 【請求項2】次亜塩素酸を含有した水溶液である殺菌液
    で殺菌した後および/または前に、抗菌剤を含有した包
    装材で包装し、保管および/あるいは輸送することを特
    徴とする殺菌、保管方法。
  3. 【請求項3】前記の系抗菌剤が、Ag、Mn、Fe、C
    o、Ni、CuおよびZnからなる金属イオンの内の少
    なくとも1種を含有した無機系抗菌剤であることを特徴
    とする請求項1〜2のいずれかに記載の殺菌、保管方
    法。
  4. 【請求項4】前記の無機系抗菌剤が、Mn、Fe、C
    o、Ni、CuおよびZnからなる金属イオンの内の少
    なくとも1種を含有した無機系抗菌剤であることを特徴
    とする請求項3に記載の殺菌、保管方法。
  5. 【請求項5】前記の無機系抗菌剤が酸化物および/ある
    いは水酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の
    殺菌、保管方法。
  6. 【請求項6】前記の金属イオンがZnおよび/またはC
    uイオンであることを特徴とする請求項4,5のいずれ
    かに記載の殺菌、保管方法。
  7. 【請求項7】前記殺菌液の有効塩素濃度が10〜100
    0ppmで、かつpHが2.0〜8.0の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の殺菌、
    保管方法。
  8. 【請求項8】前記殺菌液のpHが塩酸、リン酸、酢酸、
    クエン酸、酒石酸の少なくとも1種の酸で調節されるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の殺菌、
    保管方法。
  9. 【請求項9】前記殺菌液のpHが塩酸で調節されること
    を特徴とする請求項8に記載の殺菌、保管方法。
  10. 【請求項10】前記包装材にBET表面積が30m
    g以上の吸着剤が含まれていることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれかに記載の殺菌、保管方法。
  11. 【請求項11】前記殺菌液が2槽以上の続いた殺菌槽に
    入れられ、第1槽に殺菌液の新液が供給され、オーバー
    フローした殺菌液が第2槽以降の槽に順次流れ込む構成
    の殺菌槽に、オーバーフロー液が流れ込む槽に殺菌対象
    物を殺菌液に浸け、順次オーバーフローの順序と逆の方
    向に向かって殺菌対象物を移動させることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれかに記載の殺菌、保管方法。
  12. 【請求項12】前記包装材に50μm以上の孔が空けら
    れていて、孔の総面積が包装材の面積の1〜30%を占
    めることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
    の殺菌、保管方法。
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