JP2003170171A - 循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。 - Google Patents

循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。

Info

Publication number
JP2003170171A
JP2003170171A JP2001372431A JP2001372431A JP2003170171A JP 2003170171 A JP2003170171 A JP 2003170171A JP 2001372431 A JP2001372431 A JP 2001372431A JP 2001372431 A JP2001372431 A JP 2001372431A JP 2003170171 A JP2003170171 A JP 2003170171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
acid
sterilizing
preferable
circulating water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001372431A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Inoue
直史 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001372431A priority Critical patent/JP2003170171A/ja
Publication of JP2003170171A publication Critical patent/JP2003170171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】殺菌効果が十分であり、殺菌・抗菌効果が持続
し、人間の健康への悪影響が少なく、かつ安価な循環水
および貯水の殺菌および抗菌方法を提供することであ
る。簡単な方法により、長期間にわたって循環水および
貯水中の細菌の増殖を抑制し、細菌の増殖による悪臭を
防止することができる循環水および貯水の浄化方法。 【手段】水の循環および/または貯水設備内を有効塩素
濃度が0.2〜1000ppmで、かつpHが酸の添加
により2.0〜8.0に調整された次亜塩素酸含有水溶
液で殺菌する循環水および貯水の殺菌方法。またこれら
の殺菌方法で殺菌される循環水および貯水装置がおよび
その周辺がMn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnか
らなる金属イオンの内の少なくとも1種を含有した無機
系抗菌剤を含有する抗菌方法。 【効果】十分な殺菌、抗菌効果を安価で簡便で安全に達
成することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、循環水および貯水の浄
化方法に関し、さらに詳しくは、ビルのクーリングタワ
ー中の冷却水、プール水、24時間風呂水、室内河川
水、屋外人工河川水などの循環水および貯水、あるい
は、貯水中の細菌、黴や微生物の発生を抑制するための
殺菌および抗菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 貯水および循環水中のバクテリア、細
菌、黴、藻の繁殖は単に清潔感が損なわれるといった以
上に、レジオネラ菌による中毒、在郷軍人病等の大きな
問題になっている。従来は貯水あるいは循環水に対し
て、これらのバクテリア、細菌、黴、藻の繁殖を抑制す
るために塩素系殺菌剤、有機系薬剤や金属イオンが有効
であることは知られており使われてきた。金属イオンの
中でも銀イオンは最も一般に使用されており、また、ゼ
オライトに銀イオンをイオン交換させた抗菌剤が市販さ
れている。従来は、この様な薬剤や抗菌剤を用いてクー
リングタワー中の冷却水等の貯水あるいは循環水などの
殺菌が行われている。
【0003】しかし、これらの薬剤や抗菌剤を浄水剤と
して使用すると、一般に殺菌作用や抗菌作用が不十分な
だけでなく、殺菌効果、抗菌効果が持続せず、短期間に
何度も殺菌を繰り返さなければならず、労力、経費の負
担が多大であった。またこれらの殺菌方法には、塩素臭
が発生するとか、有機剤による人体への安全性の問題、
特にシックハウス症候群の問題があった。また、銀系抗
菌剤には効果が不十分だけでなく高価であるといった問
題と、塩素系の殺菌剤と併用すると銀と塩素の反応によ
り抗菌効果が著しく低下するという問題があった。また
塩素系の殺菌液として電解水が提案されている。電解水
は殺菌力が十分でないこと、十分な殺菌力を得るために
は有効塩素濃度を高くする必要があり、そのため設備の
金属部分が腐食し易くなる欠点があり、また電解水の生
成時に塩素ガスが発生する危険性があり使用し難い欠点
を有していた。
【0004】従来より、濾過循環装置により流路を通し
て湯又は水を環流させる浴槽、プール等の水利用施設に
レジオネラ属菌が発生、増殖することが知られている
が、このレジオネラ属菌は、人体に入ると肺炎等を生じ
させるおそれがあるので、水利用施設にとってのレジオ
ネラ属菌の殺菌は重要である。微生物の1つである藻
や、黴が発生したりまた鉄などの金属部分に錆ができた
りするものである。そしてこれらの藻、黴、錆などがで
きたりすると、不快、不潔であるばかりでなく、水の流
通を悪くしたり、水質を変化させたり、また構成部分の
材質を変化させたりして終にはクーリングタワーの機能
を損うことが多かった。とくに塔上部の水槽例えば、ビ
ル等の施設におけるクーリングタワー(冷却塔)や、噴
水等の水路系を流れる水は、長期間の使用により、微小
な藻類から成る青粉が発生し、緑青色に変色することが
ある。しかし、これらの人工施設における水は、衛生上
の理由から、また、水処理系統の目詰まり等を防止する
観点から、更には、見た目の良さを保持する等の理由か
ら、青粉の発生をほぼ完全に防止し、無色透明で、でき
るだけ純粋な状態に保持される必要がある。クーリング
タワー、噴水、養殖池、水槽、金魚鉢、自然の池、湖
沼、海等の水に接触してその水中に藻やプランクトンが
発生しないように処理することができるので、青粉や赤
潮の発生を防止することができる実益がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 殺菌効果が十分であ
り、殺菌・抗菌効果が持続し、人間の健康への悪影響が
少なく、かつ安価な循環水および貯水の殺菌および抗菌
方法を提供することである。簡単な方法により、長期間
にわたって循環水および貯水中の細菌、黴、藻の増殖を
抑制し、細菌の増殖による悪臭を防止することができる
循環水および貯水の浄化方法を提供する。循環水および
貯水の浄化方法に関し、さらに詳しくは、ビルのクーリ
ングタワー中の冷却水、プール水、24時間風呂水、室
内河川水、屋外人工河川水などの循環水および貯水、あ
るいは、貯水中の細菌や微生物の発生を抑制するための
殺菌および抗菌方法に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、水の循環
および/または貯水設備内を有効塩素濃度が0.2〜1
000ppmで、かつpHが酸の添加により2.0〜
8.0に調整された次亜塩素酸含有水溶液で殺菌する循
環水および貯水の殺菌方法により上記の課題を達成でき
ることを見出した。また、前記殺菌液のpHが塩酸、リ
ン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸の少なくとも1種の酸で
調節される循環水および貯水の殺菌方法でよりよく達成
できる。またこれらの殺菌方法で殺菌される循環水およ
び貯水装置がおよびその周辺がMn、Fe、Co、N
i、CuおよびZnからなる金属イオンの内の少なくと
も1種を含有した無機系抗菌剤を含有する抗菌方法によ
り上記の課題がさらによく達成できた。本発明では抗
菌、殺菌という言葉を、抗菌、抗かび、消毒、殺菌、減
菌、滅菌、消臭という概念を含む言葉として使用する。
【0007】 本発明の殺菌液について述べる。殺菌液
の有効塩素濃度は0.2〜1000ppmが好ましく。
0.5〜300ppmがより好ましく、1〜150pp
mが最も好ましい。またpHは2.0〜8.0が好まし
く、4.0〜7.2がより好ましく、4.5〜6.5が
最も好ましい。有効塩素濃度は殺菌効果を発揮するに最
低必要濃度が望ましい。濃度が高いと塩素臭等の好まし
くない影響があり、濃度が低いと十分な殺菌効果が得ら
れない。殺菌効果は温度でも異なる。室温付近の温度で
は、高い温度の方が殺菌効果が大きい。pHは解離して
いない次亜塩素酸の濃度が決まる重要な要因である。p
H8以上では次亜塩素酸が解離し、殺菌効果が著しく減
少する。また、pHが2以下では塩素が発生し人体に有
害である。
【0008】 次亜塩素酸は次亜塩素酸塩、あるいは次
亜塩素酸水溶液で供給され、次亜塩素酸塩としては特に
限定されないが次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリ
ウムが好ましい。
【0009】 本発明の殺菌液のpH調節は、塩酸、リ
ン酸、硫酸、硝酸等の無機酸、あるいは酢酸、ぎ酸、ク
エン酸、酒石酸等の有機酸を添加することで調節するこ
とが好ましい。通常は必要ないがpHが下がりすぎた場
合は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することもで
きる。酸としては塩酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石
酸がより好ましく、塩酸、酢酸がさらに好ましく、塩酸
が特に好ましい。これらのpHの調節の際には、酸、ア
ルカリ共に水で希釈して用いることが好ましい。特に、
pH5.0〜7.0の間に調節する際は十分希釈した酸
を用いることが好ましい。
【0010】また、酸、アルカリの水溶液と、次亜塩素
酸水溶液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)お
よび水を混合し所定の濃度、pHの該次亜塩素酸水溶液
を調製する。この調製は予め使用のかなり前に行われて
も、使用直前に行われてもどちらでも構わない。ただ
し、該次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸は熱、光、酸化
剤に対し不安定なので、密閉容器に入れ、遮光し、低温
で保存することが好ましい。使用する容器は十分洗浄さ
れたものを用いることが好ましい。また、各組成の濃度
を所定の値に正確に合わせるため、添加量を高精度で調
節できる混合機器を用いることが好ましい。この機器で
は使用直前に該次亜塩素酸水溶液を調製できる。その場
合は、酸あるいはアルカリの水溶液と、次亜塩素酸水溶
液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)および水
の3種の溶液を混合することもできるし、酸あるいはア
ルカリの水溶液および/または次亜塩素酸水溶液(次亜
塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)を予め水で所定の
濃度に希釈して用いることも好ましい。本発明の次亜塩
素酸含有殺菌液を調整する方法としては、特に限定され
るものではないが、多孔質のフィルターで区切られた容
器の片側に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、反対側に水
で希釈した塩酸を添加し、フィルターを通し徐々に両方
の液が混合し所定のpHに調整される連続混合装置が好
ましい。これらの方法としては特許2852461号にある方
法が好ましく用いられる。また、これらの溶液は密閉さ
れた容器に保存されるのが好ましく、着脱が容易なカー
トリッジ形式のもはさらに好ましい。
【0011】本発明の殺菌液のpHをpH緩衝剤で調節
することもできる。また、前記次亜塩素酸水溶液のpH
を調節するために、pH緩衝液を用いることも好まし
い。pH緩衝溶液とは、酸または塩基をその溶液に加え
た場合のpHの(水素イオン濃度)の変化が、純水に酸
または塩基を加えた場合のpHの変化に比べて小さい溶
液である。pH緩衝液は酸、塩基、またそれらの塩を混
合して得ることができる。pH緩衝剤の例としては、化
学便覧の基礎編改訂第4版(1993年9月、株式会社
丸善 出版)の第2分冊−336〜339ページに記載
されているものはいずれも好ましく用いることができ
る。
【0012】 pH緩衝溶液は、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム等のハロゲン化アルカリ、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、シスチン等のア
ミノ酸、塩酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸、乳酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酪酸、酢酸、コハク
酸、ジエチルパルビツール酸、フタル酸水素カリウム、
フタル酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸ナト
リウム、クエン酸カリウム、クエン酸二水素ナトリウ
ム、クエン酸二水素カリウム、四ホウ酸ナトリウム、四
ホウ酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、
乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、ジメチルパルビツール酸ナトリウム、ジメチ
ルパルビツール酸カリウム、(2,4,6−トリメチル
ピリジン)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
(3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−プロパン
スルホン酸])の内の少なくとも2種類以上の化合物を
含有する水溶液であることが好ましい。ただし、これら
に限定されるものではない。
【0013】これらのpH緩衝液の各成分濃度は必要な
pHが得られる濃度ならどの濃度でも好ましい。開封後
短期間で使用する場合はpH緩衝溶液の各成分の濃度は
低い方が好ましく、開封後長期間に渡って使用する、手
の殺菌液等は各成分の濃度が高い方が好ましい。各成分
の混合の方法はいかなる順番でも用いることができる。
次亜塩素酸の混合はpH緩衝溶液の完成後でも、完成前
のどちらでも構わない。次亜塩素酸とpH緩衝液の混合
は使用の前ならいつでも良い。
【0014】次亜塩素酸水溶液が展着剤を含有すること
も好ましい。本発明の次亜塩素酸水溶液には。展着剤と
してはアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン
系のいずれの界面活性剤、水溶性高分子が好ましくもち
いられる。展着剤の濃度は20〜2000ppmが好ま
しい。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキル
サクシスルホネート、リグニンスルホン酸塩、ポリナフ
チルスルホン酸塩、脂肪酸のアルキルエステルのスルホ
ン酸塩(特開平2−167202号等)アルキルスルホ
コハク酸塩系界面活性剤等のアニオン系界面活性剤。ポ
リアクリル酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミンオキ
シド、脱アセチル化度が30%以上のキトサン、4級ア
ンモニウム塩とうのカチオン系界面活性剤等が好ましく
用いられる。中でも、モノアルキル硫酸塩、トリアルキ
ルアミン−N−オキシド、脂肪酸ナトリウム、アルキル
トリメチルアンモニウムが特に好ましい。展着剤の添加
は使用のかなり前でも良いが、使用直前の方が好まし
い。実際の使用の際はpH調節用の酸に混合するか、希
釈水に混合することが好ましい。次亜塩素酸の水溶液に
予め添加することは、次亜塩素酸の分解を促進すること
があるので好ましくない。
【0015】本発明の殺菌液の調製方法は特に限定され
るものではないが、混合後に保管する場合は、光特に紫
外線を遮断し、低温で保管し、かつ蛋白質、アルコール
等の有機物あるいは不純物として混入する金属イオンを
できるだけ少なくすることが好ましい。そのため、容
器、器具等は十分に洗浄したものを使用することが好ま
しい。次亜塩素酸含有水溶液自体も保管する場合は、光
特に紫外線を遮断し、低温で保管することが好ましい。
【0016】本発明で用いられる無機系抗菌剤はMn、
Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる金属イオン
の内の少なくとも1種を含有した無機系抗菌剤が好まし
い。金属イオンはCuおよび/またはZnがより好まし
く、Znが最も好ましい。これらの無機系抗菌剤の該金
属イオンの含有量が2〜82重量%であることが好まし
い。20〜82重量%であることがさらに好ましい。こ
れらの無機系抗菌剤は酸化物および/あるいは水酸化物
であることが好ましい。
【0017】これらの無機系抗菌剤として用いられる酸
化物、水酸化物は下記式(1)〜(6)およびZnOで
表されるものがより好ましく、下記式(1)〜(6)が
より好ましく、下記式(1)、(4)と(5)がさらに
好ましく、下記式(4)と(5)がより好ましく、下記
式(4)が最も好ましい。 Mx1-xO (1) (式中、NはMgおよび/あるいはCaを示し、MはM
n、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から
選ばれた金属イオンの少なくとも一種を示し、xは0.
02<x<0.8である) M1-x(OH)2 (2) (式中、M、N、xは式(1)と同じである) (MO)・(LO) (3) (式中、M、は式(1)と同じで、Lはアルカリ金属イ
オンを表し、yは0.0001<y<0.1である) (MO)・(Al23・(SiO2 (4) (式中、M、は式(1)と同じ。aは0.00≦a<5
0で、bは0.00≦b<80である。ただし、a=0
の場合、bは0.001≦b<80であり、b=0の場
合、aは0.001≦a<50である。) (MO)・(XO (5) (式中、M、は式(1)と同じ。XはTiおよび/また
はZrを表す。cは0.001<c<0.2を表す。) (MO)・(NO)・(Al23 (6) (式中、M、Nは式(1)と同じ。dは0.05≦d<
5で、bは0.01≦b<5ある。) 上記式(1)〜(6)において、MはCuあるいはZn
がより好ましく、Znがさらに好ましい。また、上記式
(1)および(2)式のNはMgがより好ましい。上記
式(3)のLはNa、Kが好ましい。また、上記式
(4)のa,bはより好ましくは、aは0.00≦a<
2で、bは0.00≦b<50である。ただし、a=0
の場合、bは0.001≦b<50であり、b=0の場
合、aは0.001≦a<2である。さらに好ましくは
aは0.00≦a<0.2で、bは0.00≦b<1であ
る。ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<1で
あり、b=0の場合、aは0.001≦a<0.2であ
る。)
【0018】本発明の好ましい無機系抗菌剤の例を以下
に挙げるが、これらに限定されるものではない。 (
)内の数字は順に、BET表面積(m/g)、粒度
D50%(μm)、ZnあるいはCuの含有量(重量%)
を表す。 (1)式 (A−1)Zn0.14Mg0.86O(15、0.5、19.
9) (A−2)Zn0.05Ca0.95O(12、0.6、19.
9) (A−3)Cu0.05Ca0.95O(18、0.2、5.
7) (A−4)Cu0.14Mg0.86O(30、0.3、19.
4) (2)式 (A−5)Zn0.14Mg0.86(OH)(19、0.
4、19.6) (3)式 (A−6)ZnO・(K2O)0.005 (12
0、0.3、80) (A−7)ZnO・(Na2O)0.005 (9
0、0.3、80) (4)式 (A−8)ZnO・(Al230.04 (30、0.
4、76.5) (A−9)A−8の表面をラウリン酸ナトリウムで修飾
した抗菌剤(30、0.4、76.5) (A−10)(CuO)・(Al232.5・(Si
O2)40・12.5H2O(15、0.2、2.3) (A−11)ZnO・(SiO0.05 (2
5、0.2、77.5)(5)式 (A−12)ZnO・(TiO0.05 (1
5、0.4、76.6)(6)式 (A−13)ZnO・(MgO)1.5・(Al23
1.25(60、0.3、24.3) その他 (A−14)ZnO(30、0.3、80.3) (A−15)A−14の表面をラウリン酸ナトリウムで
修飾した抗菌剤(30、0.3、80.3)
【0019】 本発明の無機系抗菌剤は表面処理される
ことがより好ましい。表面処理剤として好ましく用いら
れるものを例示すれば次の通りである。ステアリン酸、
エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の
炭素数10以上の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアル
カリ金属塩;ステアリルアルコール、オレイルコール等
の高級アルコールの硫酸エステル塩;ポリエチレングリ
コールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エス
テル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合ス
ルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合ス
ルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリルスルホン酸
塩、エステル結合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド
結合アルキルアリルスルホン酸塩等のアニオン系界面活
性剤類;オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリ
ルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混
合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩また
はアミン塩等のリン酸エステル類;ビニルエトキシシラ
ン、ビニル−トリス(2−メトキシーエトキシ)シラ
ン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベー
ター(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等のシランカップリング剤類;イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジ
オクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロ
ピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネー
ト、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネ
ート等のチタネート系カップリング剤類;アセトアルコ
キシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム
系カップリング剤類;グリセリンモノステアレート、グ
リセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂肪酸の
エステル類。 この中でも、高級脂肪酸、アニオン系界
面活性剤、リン酸エステル、カップリング剤(シラン
系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコ
ールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面
処理剤の内の少なくとも一種による表面処理が好まし
く、さらにステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラ
ウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸
類および前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩が特に好まし
い。表面処理は特開2001−123071号の実施例
1記載の方法に準じた方法で行うことができる。
【0020】 本発明の無機系抗菌剤の粒度D50%が
0.05〜20μmが好ましく、0.05〜10μmが
より好ましく、0.05〜5μmがさらに好ましい。粒
子サイズは、5分間以上超音波で分散させられた後に、
レーザー散乱法で測定した値である。抗菌剤のBET表
面積は重要な指標である。一般に抗菌効果を迅速に働か
すためには、極めて大きいBET表面積が好ましい。し
かし、一方では抗菌効果を持続させるためにはある程度
以下の値にする必要がある。そのため、BET表面積は
1〜300m/gが好ましく、5〜150m/gが
より好ましく、10〜150m/gがさらに好まし
い。これらの無機系抗菌剤の製造方法としては、特開平
6−72816号、特開平6−65011号、特開平8
−291011号、特開平8−48606号、特開平1
1−123385号、特開平11−180808号、特
開平11−209258号、特開2000−63219
号記載の方法を用いることができる。
【0021】 本発明の無機系抗菌剤は単独で用いても
よく、また多孔質物質に担持されていてよく、多孔質物
質と焼結、接着等の手段で一体となっていてもよい。い
ずれの場合でも0.1〜50mmの顆粒状に成形(あるい
は造粒)されていることが好ましい。顆粒の粒径は0.
5〜30mmがより好ましく、1〜15mmが最も好まし
い。ある程度粒径が大きい方が、風等で飛散し難く好ま
しい。ただし、粒径があまり大きすぎると、抗菌剤が菌
に触れる確率が減り、抗菌効果が減少する。すなわち、
粒径が大きいほど抗菌効果の強さは弱まるが、抗菌効果
の持続性が高まる。抗菌効果を最適に発揮させるため、
この粒径は目的に応じて選ばれるべきである。無機系抗
菌剤を微粒子として、あるいは造粒して、あるいは多孔
質物質に担持させた形で用いてもよい。また焼結等で適
切な形にしてもよい。
【0022】また、本発明の無機系抗菌剤と多孔質の物
質(吸着剤)を併用することは好ましい。これは多孔質
の物質が細菌、有害なガス等を吸着し、そのそばにある
抗菌剤がこれらの細菌、ガスを分解するためと思われ
る。
【0023】本発明で用いられる多孔質の物質として好
ましいものは、活性炭、木炭、カーボンナノチューブ等
の炭素系、シリカゲル、アエロジル、ホワイトカーボ
ン、高シリカ粘土、シリカゾル、多孔質ガラス、シリカ
繊維、けいそう土、ケイ酸カルソウム等のコロイダルシ
リカ系、天然ゼオライト、合成ゼオライト等のゼオライ
ト系、賦活アルミナ、アルミナ等のアルミナ系、骨炭、
天然アパタイト、合成アパタイト等のアパタイト系、フ
ラースアース、活性白土、活性ボーキサイト、活性酸化
マグネシウム、等がある。これらの多孔質物質は「吸着
の科学」(近藤精一著、丸善出版、2001年2月発
行)183〜217頁、「吸着剤・吸着操作の設計」
(柳井弘著、技報堂出版、1982年1月発行)48〜
53頁に記載されている。中でも、多孔質ガラス、天然
ゼオライト、合成ゼオライト等のゼオライト系、鉱滓、
賦活アルミナ、アルミナ等のアルミナ系が好ましい。こ
れらのなかではゼオライト、鉱滓が最も好ましい。ま
た、高温焼成時に変化しないものが好ましい。
【0024】 多孔質物質のBET表面積は10m2/
g以上が好ましく、100m2/g以上がより好まし
く、200m2/g以上がさらに好ましく、600m2
/g以上が最も好ましい。多孔質物質の平均サイズは
0.01〜100μmが好ましく、0.05〜30μm
がより好ましく、0.1〜10μmが最も好ましい。
【0025】 これらの多孔質物質は球状、板状等のい
ずれの形の粒子でもよく、またある大きさの形に焼結で
形成されたものが好ましい。 これらの多孔質物質、特
にゼオライトに抗菌剤を担持させる場合は、特開平11
−246322号の参考例1に準じた方法で行うことが
できる。また、特開平6−72816号、特開平6−6
5011号、特開平8−291011号、特開平8−4
8606号、特開平11−123385号、特開平11
−180808号、特開平11−209258号、特開
2000−63219号記載の抗菌剤の方法において合
成時に担持体を共存させる方法で担持させることも好ま
しい。
【0026】本発明の抗菌剤を含有させるものとして
は、クーリングタワー、噴水、プール水、24時間風呂
水、室内河川水、屋外人工河川、養殖池、水槽、金魚
鉢、自然の池、湖沼、海等の水の循環水、貯水設備の貯
水槽、配管等およびその周辺のものであって特に限定さ
れるものではない。有機系の抗菌剤と異なり高温処理が
可能であり、また銀系抗菌剤とは異なり塩素イオンによ
る失活がなく好ましい。
【0027】熱可塑性樹脂に含有させることもできる。
好ましく用いられる熱可塑性合成樹脂としては、例えば
フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート
樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリメチルペン
テン樹脂、ABS樹脂、酢酸ビニル樹脂およびポリスチ
レン樹脂等がある。また、熱硬化性合成樹脂に含有させ
ることもできる。例えば、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ
樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリパラバン酸樹脂等が挙げられる。天然高分子の
樹脂も好ましい
【0028】塗料に含有させることもできる。抗菌剤を
含有する塗料としては、アミノ・アルキド、ビニル、ア
クリル、エポキシ、ウレタン、不飽和ポリエステル樹脂
系およびエマルジョン系塗料が好ましく、水系、有機系
いずれでもよい。色材を含有しないニス、光沢付与のた
めの塗料でもよい。ただし、本発明の無機系抗菌剤を用
いる時は、有機溶剤で分散する方が好ましい。水系のエ
マルジョンで用いる時は、疎水性成分に分散してから水
に分散するのが好ましい。含有量はバインダーの性質、
分散状態で異なるが、固形分重量比で0.3〜5%が好
ましく、1〜4%がより好ましい。上記の樹脂、塗料に
含有させ、それを金属表面に塗布することも好ましい。
【0029】繊維に含有させ、循環水、貯水設備の貯水
槽、配管等の周辺で用いることも好ましい。本発明の無
機系抗菌剤を繊維に含有させる時は、繊維としては、天
然繊維(綿、羊毛、絹、麻、パルプなど)、半合成繊維
(レーヨン、キュプラ、アセテートなど)、合成繊維
(ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアセター
ル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリフッ素
など)、または、無機繊維(ガラス、セラミックスな
ど)を挙げることができる。これらの繊維に抗菌性を付
与するには、繊維と本発明の抗菌剤を接触させた後、水
洗、乾燥する方法、あるいは、繊維に本発明の抗菌剤を
スプレーする方法など、公知の方法を採用できる。ま
た、本発明の抗菌剤に界面活性剤を含有させれば、繊維
とのなじみ性に優れるから、上記最終繊維製品を洗濯し
た後、すすぎ洗時に該抗菌剤を添加して抗菌性を手軽に
付与することができる。
【0030】 またゴムに含有させることもできる。例
としては、EPDM、SBR、NBR、ブチルゴム、イ
ソプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等があ
る。ジエン系ゴム及びその水添物(例えば、NR、I
R、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及
び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SB
R);オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレン
ゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプ
ロピレンゴム(M−EPM);IIR、イソブチレンと
芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体;アクリル
ゴム(ACM);含ハロゲンゴム(例えば、Br−II
R、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共
重合体の臭素化物(Br−IPMS);CR;ヒドリン
ゴム(CHR・CHC);クロロスルホン化ポリエチレ
ン(CSM);塩素化ポリエチレン(CM);マレイン
酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM));シリコンゴ
ム(例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリ
コンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム);含イ
オウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム);フッ素ゴム
(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビ
ニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピ
レン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスフ
ァゼン系ゴム);熱可塑性エラストマー(例えば、スチ
レン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エス
テル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー)などを挙げることができ、これら
の任意のブレンドであってもよい。特開2000−17
8452号の技術を用いることが好ましい。
【0031】本発明の循環水および貯水の殺菌および抗
菌方法は、貯水および循環水中のバクテリア、細菌、
藻、黴の繁殖防止に用いられる。また、レジオネラ菌に
よる中毒、在郷軍人病等の防止にも効果がある。ムコー
ル、アルタナリア、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、
バチルス属菌、乳酸菌、放線菌、レジオネラ属菌、サル
モネラ菌、黒こうじかび、青かび、クラドスポリウム、
フザリウム、白癖菌、カンディダ、エクソフィアラ、サ
ッカロミセス、アクナンテム、ニッチア、クラドモナ
ス、ヘトマコックス、オシラトリア、フォルミジウム、
リングビア、クロオコックスなどの水濾過で一般対象と
なる微生物やかび、苔、藻、ぬめりなどを抑制若しく
は、減退に用いることができる。
【0032】従来より、濾過循環装置により流路を通し
て湯又は水を環流させる浴槽、プール等の水利用施設に
レジオネラ属菌が発生、増殖することが知られている
が、このレジオネラ属菌は、人体に入ると肺炎等を生じ
させるおそれがあるので、水利用施設にとってのレジオ
ネラ属菌の殺菌は重要であり、本発明の循環水および貯
水の殺菌および抗菌方法が有効に用いられる。微生物の
1つである藻や、黴が発生したりまた鉄などの金属部分
に錆ができたりするものである。そしてこれらの藻、
黴、錆などができたりすると、不快、不潔であるばかり
でなく、水の流通を悪くしたり、水質を変化させたり、
また構成部分の材質を変化させたりして終にはクーリン
グタワーの機能を損うことが多かったが、本発明の循環
水および貯水の殺菌および抗菌方法で防止できる。とく
に塔上部の水槽、例えば、ビル等の施設におけるクーリ
ングタワー(冷却塔)や、噴水等の水路系を流れる水
は、長期間の使用により、微小な藻類から成る青粉が発
生し、緑青色に変色することがある。しかし、これらの
人工施設における水は、衛生上の理由から、また、水処
理系統の目詰まり等を防止する観点から、更には、見た
目の良さを保持する等の理由から、青粉の発生をほぼ完
全に防止し、無色透明で、できるだけ純粋な状態に保持
できる。クーリングタワー、噴水、養殖池、水槽、金魚
鉢、自然の池、湖沼、海等の水に接触してその水中に藻
やプランクトンが発生しないように処理することができ
るので、青粉や赤潮の発生を防止することができる。
【0033】 以下に本発明の具体例を説明する。
【実施例1】多孔質のフィルターで区切られた容器の片
側に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、反対側に水で希釈
した塩酸を添加し、フィルターを通し徐々に両方の液を
混合しpHを5.7に調節し、有効塩素濃度が2ppm
の本発明の次亜塩素酸水溶液を調製した(サンプルH1
−1)。この殺菌液でビルのクーリングタワーを殺菌し
た。毎日水を観察し藻、ヌメリの発生と臭気の発生を観
察した。臭気の発生が最も早く、臭気の発生があったの
20日後であった。
【比較例1】塩化ナトリウムを含有した水を電気分解し
電解水を作成した。製法は特開平8−117757号の
記載と同様の方法を用い、有効塩素濃度は2ppmであ
った(C1−1)。水道水、およびC1−1で実施例1
と同様にクーリングタワーを殺菌し、臭気の発生を観測
した。臭気の発生があったのは、水道水では6日後、電
解水では10日後であった。
【評価】実施例1と比較例1の評価 本発明の殺菌液(H1−1)は比較例の水道水、電解水
(C1−1)に比べ臭気の発生までの期間が長く好まし
かった。
【実施例2】pHを4.8および6.2にした以外は実
施例1の本発明の次亜塩素酸水溶液(H1−1)と同様
にビルのクーリングタワーを殺菌し、臭気発生までの日
数を観測した。約20日間で実施例1のH1−1同様
に、比較例より長く好ましかった。
【0034】
【実施例3】アクリル系塗料に本発明の抗菌剤A−9を
固形分の3重量%を分散混練した。この塗料をクーリン
グタワーの貯水槽と配管の入り口に塗布した。この装置
を用いて実施例1を繰り返した。臭気が発生し始めるま
での日数は、水道水で6日後、電解水(C1−1)で1
2日後、本発明のH1−1の殺菌液で殺菌した場合は3
5日後であった。本発明の抗菌剤と、次亜塩素酸水溶液
の殺菌液の組み合わせは、臭気発生までの日数が長く好
ましかった。また、本発明の抗菌剤との組み合わせで臭
気発生までの日数が延びる効果は、水道水ではみられ
ず、また電解水ではわずか2日間であったが、本発明の
H1−1では15日間延びた。この場合も比較例の水道
水、電解水(C1−1)より本発明の次亜塩素酸含有殺
菌液(H1−1)は臭気の防止効果が大きく好ましかっ
た。また、ヌメリについても同様の結果であった。
【0035】
【実施例4】(レジオネラ属菌の検出試験方法)試料水
400mLを6000rpm、30分間の冷却遠心沈殿処理
により100倍に濃縮し、50℃、20分間の加熱処理
をする。その後、その50μL を表1に示した配合組成
を有するWYOα培地に塗布し、37℃で好気的に培養
する。培養7日目にコロニーの状況からレジオネラ属菌
と判断されたコロニーを数個釣菌して、各コロニー毎に
BCYEα平板培地と5%血液寒天培地の2種類の培地
に植え継ぎ、37℃で好気的に培養する。培養2日目に
BCYEα平板培地に生育し、5%血液寒天培地に生育
しなかったコロニーを、L−システイン要求性からレジ
オネラ属菌と確定し、WYOα培地上の同種のコロニー
数を計数する。この方法による検出限界は、20個/10
0mL である。
【0036】WYOα培地 純水 1000 mL 酵母エキス 10.0 g ACESバッファー 10.0 g L−システイン1塩酸塩 0.4 g 可溶性ピロ燐酸鉄 0.25g αケトグルタル酸 1.0 g グリシン 3.0 g アンホテリシンB 80.0 mg ポリミキシンB 100000 U バンコマイシン 5.0 mg 活性炭粉末 1.5 g 寒天 15.0 g pH 6.9
【0037】(アメーバの検出試験方法)試料水50mL
を、1000rpm で10分間の遠心分離を行い、約1mL
に濃縮する。この濃縮水1 mLを後記の方法で調製した大
腸菌塗布寒天培地上に拡げ、液が流れない程度に風乾し
た後、乾燥を防ぐために非透湿性袋内に入れて密封し、
30℃で培養して2週間観察を続ける。そして、寒天上
のアメーバのコロニー及びプラークの数を計測すると共
に、倒立位相差顕微鏡で形態の観察を行い、アメーバ種
の同定を行う。なお、この方法による検出限界は、2個
/100mL である。
【0038】ビルのクーリングタワーを本発明の次亜塩
素酸水溶液(H1−1)、水道水、電解水(C1−1)
の3種の殺菌液を循環させて殺菌した。ビルのクーリン
グタワーに組み込まれた貯水槽から水を採取し、前記の
アメーバの検出試験方法に従ってアメーバの数を計測す
ると共に、アメーバ種の同定を行った。また同時に採取
した水試料について、前記のレジオネラ属菌の検出試験
方法に従って、レジオネラ属菌の存在を調べた。アメー
バ数はH1−1は0個/100mL、C1−1は1000個
/100mL、水道水は6500個/100mLであった。レジオ
ネラ属菌の存在を調べたところ、生菌数がH1−1は0
/100mL、C1−1は3000 個/100mL、水道水は6
7000 個/100mL であった。アメーバ、レジオネラ
菌ともに、本発明の次亜塩素酸含有の水溶液である殺菌
液(H1−1)による殺菌法は、電解水(C1−1)、
水道水を使用した殺菌法に比べ、殺菌効果が大きく好ま
しかった。
【0039】
【実施例5】アクリル系塗料に本発明の抗菌剤A−9
を。固形分の3重量%を分散混練した。この塗料をクー
リングタワーの貯水槽と配管の入り口に塗布した(H5
−1)。他にA−9の代わりにA−11、A−14、あ
るいはゼオライト包摂銀系抗菌剤を用いた塗料を塗布し
た(H5−2、H5−3、C5−1)。これらの4種の
装置を用い、本発明の殺菌液(H1−1)で殺菌後、2
ヶ月使用した後水を採取し、アメーバとレジオネラ菌の
測定を実施例4の方法に従って行った。アメーバ、レジ
オネラ菌の検出数は、少ない方からH5−1<H5−2
<H5−3<<C5−1であった。本発明の抗菌剤を用
いたH5−1〜3の方が比較例のC5−1よりアメー
バ、レジオネラ菌の発生が少なく好ましかった。また、
本発明の無機系抗菌剤のなかでも、ZnOよりもA−
9,A−11の一般式(4)に含まれる抗菌剤の方が効
果がより大きく好ましかった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 C02F 1/50 520F 520K 520L 531 531D 531F 531M 531S 531U 540 540B 540D 540F 560 560Z A47K 3/00 A47K 3/00 M F28F 19/01 F28F 19/00 501B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水の循環および/または貯水設備内を有効
    塩素濃度が0.2〜1000ppmで、かつpHが酸の
    添加により2.0〜8.0に調整された次亜塩素酸含有
    水溶液で殺菌する特徴とする循環水および貯水の殺菌方
    法。
  2. 【請求項2】前記殺菌液のpHが塩酸、リン酸、酢酸、
    クエン酸、酒石酸の少なくとも1種の酸で調節されるこ
    とを特徴とする循環水および貯水の殺菌方法。
  3. 【請求項3】前記殺菌液のpH調節が、多孔質のフィル
    ターで区切られた容器の片側に次亜塩素酸ナトリウム水
    溶液を、反対側に水で希釈した酢酸あよび/あるいは塩
    酸を添加し、フィルターを通し徐々に両方の液を混合し
    pHを2.0〜8.0に調節することを特徴とする請求
    項1〜2のいずれかに記載の循環水および貯水の殺菌方
    法。
  4. 【請求項4】循環水および貯水装置の貯水槽、配管とそ
    の周辺がMn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから
    なる金属イオンの内の少なくとも1種を含有した無機系
    抗菌剤を含有することを特徴とする循環水および貯水の
    抗菌方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の殺菌方法
    で殺菌される循環水および貯水装置の貯水槽、配管およ
    びその周辺がMn、Fe、Co、Ni、CuおよびZn
    からなる金属イオンの内の少なくとも1種を含有した無
    機系抗菌剤を含有することを特徴とする抗菌方法。
  6. 【請求項6】前記の無機系抗菌剤が酸化物および/ある
    いは水酸化物であることを特徴とする請求項4〜5のい
    ずれかに記載の循環水および貯水の抗菌方法。
JP2001372431A 2001-12-06 2001-12-06 循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。 Pending JP2003170171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001372431A JP2003170171A (ja) 2001-12-06 2001-12-06 循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001372431A JP2003170171A (ja) 2001-12-06 2001-12-06 循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003170171A true JP2003170171A (ja) 2003-06-17

Family

ID=19181332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001372431A Pending JP2003170171A (ja) 2001-12-06 2001-12-06 循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003170171A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005021496A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Nishihara:Kk 循環浄化装置
JP2005288392A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Hsp Hanbai Kk 水質の管理方法
JP2007152264A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置及び処理方法
WO2018212399A1 (ko) * 2017-05-17 2018-11-22 송인환 차아염소산 살균수 조성물

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005021496A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Nishihara:Kk 循環浄化装置
JP2005288392A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Hsp Hanbai Kk 水質の管理方法
JP4729263B2 (ja) * 2004-04-02 2011-07-20 イーエス・テクノロジー株式会社 水質の管理方法
JP2007152264A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置及び処理方法
WO2018212399A1 (ko) * 2017-05-17 2018-11-22 송인환 차아염소산 살균수 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5000037B2 (ja) 殺菌剤
US7422121B2 (en) Process for producing a sterilization system
KIM et al. Inactivation of Listeria monocytogenes biofilms by electrolyzed oxidizing water
WO1995015683A1 (en) Biocidal compositions and methods for treating commercial and recreational water
US20030198689A1 (en) Disinfectant and method of making
WO2007069458A1 (ja) 金属組成物を含有する水性組成物、および、該水性組成物からなる消臭剤、抗菌剤および防カビ剤
US6630106B1 (en) Compositions and methods for controlling microorganism growth in water processing systems
JP2003199812A (ja) 空調システムの殺菌方法
JP2003170171A (ja) 循環水および貯水の殺菌および抗菌方法。
JP2003200173A (ja) 無機系抗菌剤を含有したクーリングタワー等の貯水槽の浄水材および浄水方法
JP4385115B2 (ja) 紫外・可視光活性触媒による滅菌システム
JP3991148B2 (ja) 抗菌剤を用いた洗濯方法。
WO2004092075A1 (en) Anti-biofilm forming structure and method of manufacturing the same
JP2010270080A (ja) 抗菌組成物
JP2003160421A (ja) 歯科治療に用いる次亜塩素酸を含有した殺菌液および無機系抗菌剤を用いた抗菌方法。
EP1025756A1 (en) A porous forming article for eliminating harmful microorganisms and a process of producing it
JP5082034B2 (ja) 複合機能光触媒分散液及び多孔質複合機能光触媒
JP2003055121A (ja) 次亜塩素酸および亜鉛等を含有した消毒液およびそれを用いた消毒方法および農作物の病害防除方法
CN110294519A (zh) 一种适用于高浊度循环水的杀菌剥离剂
EP1031281A1 (en) Antibacterial and mildewproofing solutions containing inorganic silver complex salts and process for producing the same
JPH06154592A (ja) 吸着性組成物およびその製造法
JP7036334B1 (ja) 安定化銀イオン水、安定化銀イオン水製造方法、銀イオンゲルおよび銀イオン洗浄剤
JP2003160419A (ja) 無機系抗菌剤を用いた砂場、土壌の抗菌方法。
JP2002003320A (ja) 殺菌剤および殺菌方法
MXPA00003376A (en) Disinfectant and method of making

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040803

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061019

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061031

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070306

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02