JP7036334B1 - 安定化銀イオン水、安定化銀イオン水製造方法、銀イオンゲルおよび銀イオン洗浄剤 - Google Patents

安定化銀イオン水、安定化銀イオン水製造方法、銀イオンゲルおよび銀イオン洗浄剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高い銀イオン濃度であっても、黄変又は白濁させないで、銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期間保存することができる安定化銀イオン水及び安定化銀イオン水の製造方法を提供する。【解決手段】連続イオン交換と活性炭と繊維フィルターにより精製させた前処理水に、硝酸銀と紫外線吸収剤とを溶解させ、pH5.5以上7.0以下の安定化銀イオン水とした。前処理水は、銀イオンと反応しやすい塩化物イオン等の電解質と、有機物のいずれもが少なく、かつpHが中性であるため、銀イオンが単独遊離された状態を維持させることができる。これにより、銀イオン濃度が高濃度であっても、黄変又は白濁されないで、銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期保存に適した安定化銀イオン水とすることができる。銀イオン濃度が5,000ppm以上の場合には、硝酸亜鉛六水和物を添加すると好適である。【選択図】図3

Description

本発明は、長期間保存しても無色透明であり、態様が変化せず、希釈することにより多様な態様で使用することができる高い銀イオン濃度の安定化銀イオン水、安定化銀イオン水の製造方法、銀イオンゲル及び銀イオン洗浄剤に関する。
古くから銀は抗菌作用があることが知られている。金属イオン説によれば、銀イオンは硫黄、窒素、酸素等を持つ官能基との反応性が高く、SH基(チオール基)をもつアミノ酸、システインと強く反応する性質があるとされている。銀イオンの直径は銀原子と略同一の0.0002μmであり、ウイルスの平均的な大きさである0.08μmから0.2μmと比べて、数百分の一から千分の一の大きさであり極めて小さい。
そのため、正に帯電している銀イオンは、負に帯電しているウイルスに近接すると、ウイルスの細胞内に浸透し、ウイルスのタンパク質中のSH基と結合し、ウイルスの細胞膜を破壊して不活化させるとされている。
活性酸素説によれば、水中の溶存酸素が銀イオンの触媒作用により活性酸素となり、細菌の細胞膜を破壊してウイルスを不活化させるとされている。いずれの説であっても、金属銀ではなく単独遊離された銀イオンであることにより、ウイルスを不活化させる効果があるとされている。
しかし、銀イオンは極めて反応性が高く、銀イオンを含む水溶液のpHがアルカリ性に偏ると、銀イオンが水酸化物イオンと反応して酸化銀となり、水溶液が茶褐色に変色される。一方、水溶液に塩化物イオンが含まれると、銀イオンと塩化物イオンとが反応して塩化銀となり、水溶液が灰白色に白濁される。
また、水溶液に有機物が含まれる場合には白色に懸濁され、時間経過と共に白色の沈殿物も析出される。更に、銀イオンの質量分率(以下、濃度という。)が5,000ppmといった高濃度の場合には、紫外線に晒されることにより、時間の経過とともに徐々に水溶液が黄色に変色される。そのため、銀イオンによる抗菌・消臭剤の開発においては、銀イオンの変色をいかに抑えるかが最大の課題となっている。
銀イオンを使った抗菌・消臭剤の技術の一つとして、硝酸銀水溶液等からイオン交換作用により銀イオンをゼオライト等の無機物粒子に担持させ、そのゼオライトを抗菌・消臭剤として添加させる技術が知られている。ゼオライトに担持された銀イオンは、単独遊離された銀イオンに比べて変色が起こりにくいとされている。
しかし、銀イオンを担持させた無機物粒子は、比較的粒径の大きいコロイド状となって沈殿しやすく、液体状のまま保存しにくいという課題があった。また、ゼオライト等の無機物粒子はウイルスよりも大きいため、銀をウイルスの体内に浸透させることができず、十分な抗菌・消臭効果が得られるか疑問であった。
COVID-19感染症の世界的蔓延により、マスク着用やソーシャルディスタンスと共に、人の接する機器の消毒・抗ウイルス対策のために、抗菌性塗料により日常接する機器の表面に、抗菌性を有する塗膜を備えさせることの重要性も増している。しかし、塗料を調合して表現する色が、意図した色となるように、無色透明であると共に高い濃度の抗菌組成物の提供が喫緊の課題となっていた。
本願の発明者は、単独遊離された銀イオン濃度が5,000ppm以上の高い濃度であっても、色の三要素に影響を及ぼさないように高い無色透明性が維持され、塗料に少量添加させるだけでも抗菌効果を付与できる安定化銀イオン水、安定化銀イオン水製造方法を提供することを課題とした。
更に、高い濃度の安定化銀イオン水を希釈させて、所望の低い濃度の銀イオン水とさせやすく、無色透明のままであると共に消臭効果、抗菌効果が得られやすく、低濃度で銀イオンゲル、発泡洗浄剤とすることができる安定化銀イオン水、安定化銀イオン水製造方法を提供することを課題とした。
特許文献1には、安価に製造でき、スプレーしても使用することができる抗菌・消臭組成物の技術が開示されている。この技術によれば水に硝酸銀が溶解状態で含まれ、更に硫酸亜鉛等が含まれているとよいとされている。その組成物に含まれる硝酸銀は1ppm~300ppmが好ましいとされている。
しかし、この技術による抗菌・消臭組成物には、硫酸亜鉛が含まれているため、抗菌・消臭組成物を高濃度とした場合には、硝酸銀が溶融して発生された銀イオンが硫酸イオンと反応して黒色に変色する。また、硫酸銀が常温の水には溶けにくく沈殿しやすいため、無色透明な抗菌・消臭溶液とすることができないという課題があった。
特許文献2には、抗ウイルス用組成物等に係る技術が開示されている。この技術によれば抗ウイルス用組成物は、pHが9.0から13.5であり、銅、銀、亜鉛等の金属の中から2種類の金属が選択されて、その無機粒子を含んだ抗ウイルス用組成物とされている。金属の無機粒子の直径は、0.1μmであるウイルスと略同じ粒径の0.1~0.2μmが好適とされているが、液体の中ではコロイド状となって沈殿しやすいため、十分な抗菌効果が得られにくいという課題があった。
しかも、この微小な粒径の無機粒子は、粉砕法等の方法による形成させる必要があり、大変手間がかかるという課題があった。2種類の金属粒子に代えて、抗ウイルス性が高いとされている単独遊離した直径が0.0002μmの銀イオンを抗ウイルス体としてこの技術に適用しようとしても、pHがアルカリ性であるため、銀イオンが反応して茶褐色に変色し、無色透明性を維持することができないという課題があった。
特許文献3には、銀イオンと還元性アミノ酸とが含まれた抗菌消臭性組成物の技術が開示されている。この技術によれば、抗菌性金属イオンに対して少量の還元性アミノ酸を添加することにより、酸化しにくくなるとされている。それとともに、アミノ酸と抗菌性金属イオンとの化合物の沈殿が抑制され、抗菌性金属イオンをゼオライト等の無機物粒子に担持させなくても、液体がコロイド状になりにくいとされている。
しかし、還元性アミノ酸をなすL-システインが含まれていると、銀イオン濃度を100ppm以上とすると白濁しやすいため、銀イオンが高濃度の場合には、長期にわたり銀イオン水を無色透明な状態に保持することができなかった。
特許文献4には、pH5以下に調整された低濃度の銀イオン水を含んだ消毒水の技術が開示されている。病原菌の体内に銀イオンを送り込む際に、殺菌対象に混在しているタンパク質と銀イオンとの錯体結合を抑制するために、銀イオン水のpHが5以下とされている。更に、最も望ましくはpHが3以下とされている。しかし、pHをそのような酸性にすると、皮膚に付着すると肌荒れが発生しやすく、濃度の高い銀イオン水を希釈する際に取り扱いにくくなるという課題があった。
本発明者は、塗料の調合段階で色に影響がないように、少量混和させて塗膜に抗菌性を付与する高濃度の無色透明な銀イオン水の製造に鋭意努めた。しかし銀イオン水を高濃度とさせると、無色透明な銀イオン水を水道水で希釈するだけでも、水道水に残留した塩化物イオンと反応して白濁しやすく、銀イオン自体が紫外線により黄変しやすくなるという課題が発生した。
特開2016-002384号公報 国際公開2020-045413号公報 国際公開2018-139617号公報 特開昭63-96104号公報
本発明が解決しようとする課題は、長期間保存しても無色透明であり、態様が変化せず、希釈することにより多様な態様で使用することができる高い銀イオン濃度の安定化銀イオン水、安定化銀イオン水の製造方法、銀イオンゲル及び銀イオン洗浄剤を提供することである。
本発明の第1の発明は、液体に、硝酸銀と紫外線吸収剤とを溶解させた安定化銀イオン水において、前記液体が、水を連続イオン交換させ、活性炭と繊維フィルターとを透過させて、水を精製させた前処理水とされ、前記紫外線吸収剤が水溶性とされ、その濃度が100ppm以上1,000ppm以下とされ、前記硝酸銀を溶解して得られる全ての単独遊離された銀イオン濃度が1,000ppm以上50,000ppm以下であると共に、pHが5.5以上7.0以下であることを特徴としている。
第1の発明では、処理前の液体、例えば水道水から、イオン交換で除去できない有機物、鉄・マンガン等の色度成分を活性炭に吸着させて少なくさせると共に、イオン交換樹脂による連続イオン交換により塩化物イオン等の電解質を少なくさせている。更に、繊維フィルターによりイオン交換樹脂の微細な破片、濁質、鉄さび等を少なくさせて前処理水として精製させている。この前処理水に水溶性の紫外線吸収剤と硝酸銀を溶解させている。これにより、単独遊離された銀イオンが塩化物イオン、有機物等と反応しにくく、紫外線によっても変色しにくく、安定化銀イオン水の無色透明性が保たれる。
百万分の1の濃度レベルの低濃度の安定化銀イオン水を作成しようとすると、硝酸銀の粉末を極めて高い精度で計量する必要があり手間がかかる。一方、全体の容量を増やすと、計量誤差は低減できるが、硝酸銀だけでなく紫外線吸収剤の分散状態にむらができる可能性がある。そこで、予め高濃度の安定化銀イオン水を製造し、使用態様に合わせて所望の濃度に希釈させることができる品質誤差の少ない安定化銀イオン水を提供できるようにした。
銀イオンの直径は0.0002μmであり、これが均一に銀イオン水に分散して単独遊離されている。ウイルスの直径は0.080μmから0.2μmとされ、例えばCOVID-19のウイルスは直径が0.1μmとされている。銀イオンの直径は数百分の一の粒径であるため、負に帯電したウイルスに吸着されやすく、各種のウイルスに作用して感染価を不活化させる効果が期待できる。
紫外線吸収剤が水溶性であるため、前処理水に均一に分散溶解しやすく、銀イオンが高濃度であっても、銀イオンに紫外線が照射されにくく、銀イオンの変色が抑制され、安定した状態で長期間、無色透明状態で保存することができる。
pHが5.5以上7.0以下の範囲の略中性の範囲であり、時間の経過とともに銀イオン水が白濁することが抑制されると共に、後工程として希釈された濃度の低い銀イオン水を製造する場合であっても安全且つ希釈が容易である。紫外線吸収剤と銀イオン濃度比は限定されない。
第1の発明によれば、銀イオン濃度を50,000ppm以下の濃度としているため、前処理水に溶解させた硝酸銀が結晶のまま残存せず、銀イオンが単独遊離した状態とされる。また、銀イオン濃度を1,000ppm以上としているため、粉末剤である硝酸銀と紫外線吸収剤を前処理水に溶解させたときに、品質誤差が少なくなる。
これにより、品質管理が容易であると共に、黄変又は白濁させないで、安定化銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期間保存することができるという従来にない有利な効果を奏する。また、銀イオン濃度が1,000ppm以上であるため、塗料に混和させたときにも色相を変化させにくい。
本発明の第2の発明は、第1の発明の安定化銀イオン水において、前記前処理水が、電気抵抗率が15MΩ・cm以上であると共に、TOC値が1ppm以下とされていることを特徴としている。ここでいう電気抵抗率は、水温25℃以下の前処理水における値であればよい。TOC値とは全有機体炭素を示す指標であり有機不純物の残存の目安をいう。TOC値が1ppm以下であれば、一般的な飲料水に含まれる有機不純物量よりも少なく、銀イオンが有機物と反応しにくい。
第2の発明によれば、前記前処理水の電気抵抗率が15MΩ・cm以上であると共に、TOC値が1ppm以下とされている。そのため、銀イオンが塩化物イオン等の電解質や有機不純物と反応しにくいため、黄変も白濁もされにくい。これにより、銀イオンが単独遊離された状態、すなわち無色透明性を維持しやすいという有利な効果を奏する。
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明の安定化銀イオン水において、前記液体に、前記硝酸銀と前記紫外線吸収剤とに加えて、更に硝酸亜鉛六水和物とを溶解させた安定化銀イオン水において、単独遊離された銀イオン濃度が5,000ppm以上50,000ppm以下であり、亜鉛イオンの濃度が20ppm以上200ppm以下であることを特徴としている。
第3の発明では、前処理水に硝酸銀と紫外線吸収剤に加えて、硝酸亜鉛六水和物を溶解させている。銀イオン濃度を5000ppm以上の高濃度としている場合には、硝酸亜鉛六水和物を含む方が安定化銀イオン水の変色をより長期間に亘って抑制させることができる。これにより、銀イオン濃度が5,000ppm以上であっても、黄変又は白濁させないで、銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期間保存することができる。5,000ppm以上の高濃度としているため、抗菌性塗料を調合する場合でも、少量混和するだけでも抗菌性が発揮され、発色性に影響を及ぼさないという従来にない効果を奏する。
硝酸亜鉛六水和物は水に溶けやすく、弱酸性であり、前処理水の物性に影響を与えにくい。また、亜鉛イオンと対となるイオンが硝酸イオンであり、前処理水における銀イオンと対のイオンである硝酸イオンと同一である。前処理水の負の分子イオンが硝酸イオンだけであるため、銀イオンと反応して黒変する硫酸イオンとは異なり、安定化銀イオン水の保存に影響を与えにくい。硝酸亜鉛六水和物の混和により、抗菌・防カビ作用と共に、消臭効果が向上される。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明の安定化銀イオン水を、第2の発明の前記前処理水により希釈し、銀イオン濃度が0.1ppm以上100ppm以下の範囲の濃度とされていることを特徴とする安定化銀イオン水である。
第4の発明の安定化銀イオン水は、希釈させる水を、電気抵抗率が15MΩ・cm以上であると共に、TOC値が1ppm以下の前処理水としている。これにより、希釈の際に白濁・変色することがなく、品質管理が容易であるという効果を奏する。
また、銀イオン濃度が人体に影響がない低い濃度とされているため、直接什器に塗布させ又は手指の殺菌・消毒用として使用することができるほか、除菌スプレー、発泡洗浄剤、ゲル等の用途に応じた濃度で使用することができる。銀イオン濃度を0.01ppm以上1ppm以下とすれば、植物に噴霧しても植物が枯れることがなく、糸状菌、細菌、ウイルスを原因とする病気の発生を予防することもできる。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明の安定化銀イオン水において、前記紫外線吸収剤が、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウムの中から選択されたいずれかであることを特徴としている。
第5の発明によれば、紫外線吸収剤が水に溶けやすく、銀イオン水に均一に分散させやすく、銀イオン水の色を変化させにくいだけでなく、化粧品にも使用されている刺激がない化合物であるため、人体にも影響を与えにくい。安定化銀イオン水を希釈して手洗い用の抗ウイルス用組成物として使用してもよく、手指洗浄用の発泡洗浄剤としての使用にも好適である。
本発明の第6の発明は、前記銀イオン濃度が、5ppm以上60ppm以下とされた第4の発明の安定化銀イオン水と、吸水性ポリマーとからなる銀イオンゲルにおいて、前記吸水性ポリマーが、アクリル酸重合体部分中和塩重合体であって、吸水性能が400g/g以上であることを特徴としている。
第6の発明では、吸水性ポリマーの吸水量が400g/g以上であり、例えば安定化銀イオン水に吸水性ポリマーを1重量%の割合で含ませれば、安定化銀イオン水がゲル状で長期間維持される。これにより、銀イオンゲルを設置した空間の気体が長期間に亘って銀イオンゲルと接するため、長期間の殺菌消毒効果を維持できる。また、容器を横倒しさせてもゲル状として固化されたままであり、容器からこぼれない粘度となるため、取り扱いが容易である
本発明の第7の発明は、前記銀イオン濃度が、1ppm以上20ppm以下の第4の発明の銀イオン水と、界面活性剤とL-システインとからなる銀イオン洗浄剤において、前記界面活性剤が植物系の界面活性剤とされ、前記L-システインの混和量が1ppm以上10ppm以下であることを特徴としている。
銀イオン水と界面活性剤だけを混和させた場合、又は、銀イオン水とL-システインだけを混和させた場合には、いずれも茶褐色に変色する。しかし第7の発明では、界面活性剤と所定量のL-システインとの双方を混和させているため、洗浄剤として使用しても変色せず、pHが中性に維持されるため銀イオンが茶色に変色しない。
本発明の第8の発明は、安定化銀イオン水製造方法であって、イオン交換水製造工程により、電気抵抗率が15MΩ・cm以上であると共に、TOC値が1ppm以下である前処理水を製造する工程と、前処理水に水溶性の紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物を混和して攪拌する工程とを経てから、硝酸銀を混和して攪拌して安定化銀イオン水を製造することを特徴としている。
前処理水に、紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物と硝酸銀を混和する工程によっては、例えば、粉末状の紫外線吸収剤を後から添加すると、希釈過程で添加した紫外線吸収剤と先に添加した銀が反応して、全体が白濁しやすい。しかし、第8の発明では、硝酸銀を最後に混和させるようにしているため、銀イオンが高濃度であっても変色しにくいという有利な効果を奏する。
・第1の発明によれば、品質管理が容易であると共に、黄変又は白濁させないで、安定化銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期間保存することができるという従来にない有利な効果を奏する。
・第2の発明によれば、銀イオンが単独遊離された状態、すなわち無色透明性を維持しやすいという有利な効果を奏する。
・第3の発明によれば、銀イオン濃度が5,000ppm以上であっても、黄変又は白濁させないで、銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期間保存することができる。5,000ppm以上の高濃度としているため、抗菌性塗料を調合する場合でも、少量混和するだけでも抗菌性が発揮され、発色性に影響を及ぼさないという従来にない効果を奏する。
・第4の発明によれば、希釈の際に白濁・変色することがなく、品質管理が容易であるという効果を奏する。
・第5の発明によれば、紫外線吸収剤が水に溶けやすく、銀イオン水に均一に分散させやすく、銀イオン水の色を変化させにくいだけでなく、化粧品にも使用されている刺激がない化合物であるため、人体にも影響を与えにくい。
・第6の発明によれば、銀イオンゲルを設置した空間の気体が長期間に亘って銀イオンゲルと接するため、長期間の殺菌消毒効果を維持できる。
・第7の発明によれば、界面活性剤とL-システインの双方を混和させているため、洗浄剤として使用しても変色せず、pHが中性に維持されるため銀イオンが茶色に変色しない。
・第8の発明によれば、硝酸銀を最後に混和させるようにしているため、銀イオンが高濃度であっても変色しにくいという有利な効果を奏する。
安定化銀イオン水の製造方法のフロー(実施例1) 銀イオンゲルの容器(実施例2) 安定化銀イオン水の無色透明性と、黄変した比較例を示す写真(実施例1) 黄変すると共に懸濁した比較例を示す写真(実施例1)
連続イオン交換と活性炭と繊維フィルターにより精製させた前処理水に、硝酸銀と紫外線吸収剤とを溶解させ、pH5.5以上7.0以下の安定化銀イオン水とした。前処理水は、銀イオンと反応しやすい塩化物イオン等の電解質と、有機物のいずれもが少なく、かつpHが中性であり、紫外線の影響が抑制されるため、銀イオンが単独遊離された状態を無色透明で維持させることができる。
これにより、銀イオン濃度が高濃度であっても、黄変又は白濁させないで、銀イオン水の色が無色透明な状態のまま、長期保存に適した安定化銀イオン水とすることができる。銀イオン濃度が5,000ppm以上の場合には、硝酸亜鉛六水和物を添加すると、より無色透明性を維持させやすく好適である。
実施例1においては、安定化銀イオン水の性状と、その製造方法を、図1と図3を参照して説明する。図1は安定化銀イオン水の製造方法のフローを示している。図3は、実施例1で生成した安定化銀イオン水の無色透明性をしめす写真を示している。図3(A)は、約10か月間経過した状態の銀イオン濃度が1,000ppmの安定化銀イオン水の写真を示している。図3(B)は、10か月間経過した状態の銀イオン濃度が50,000ppmの安定化銀イオン水の写真を示している。図3(C)は、比較例であり、硝酸銀水溶液が黄変した状態を示している。図4も比較例であり、硝酸銀水溶液が黄変すると共に懸濁した状態を示している。
安定化銀イオン水は、水を連続イオン交換させると共に活性炭と繊維フィルターとを透過させて精製させた前処理水に、硝酸銀と水溶性の紫外線吸収剤とを溶解させてなる。単独遊離された銀イオン濃度が1,000ppm以上50,000ppm以下であり、水溶性の紫外線吸収剤の濃度が100ppm以上1,000ppm以下とされる。また安定化銀イオン水のpHが5.5以上7.0以下とされる。
硝酸銀とは、AgNOの分子量が約170(1モルに銀が約108g含有)の硝酸塩であり、外観が無色の結晶である。水に溶存された銀イオンが塩化物イオン等と反応していない状態においては、水溶液が無色透明性を有している。硝酸銀は水に極めて溶解されやすく、20℃の水100mlあたり約220g溶解可能である。そのため、銀イオン濃度が50,000ppm(5%)といった高濃度であっても、全ての銀イオンが単独遊離されている。また、硝酸銀水溶液は10%水溶液(100,000ppm)であっても、pHが約6.0の中性とされている。
前処理水とは、イオン交換樹脂によるイオン交換と活性炭と繊維フィルターにより精製される水とされる。イオン交換樹脂は、水に溶解されている塩化物イオン等の陽イオンを水素イオン(H+)と交換させ、ナトリウムイオン等の陰イオンを水酸化物イオン(OH-)と交換させ、水中の無機不純物を除去させている。
活性炭は、イオン交換では除去できない有機不純物、色度成分となる鉄、マンガン等を吸着・除去させている。繊維フィルターは、イオン交換樹脂の微細な破片、濁質、鉄さびを、ろ過させて除去させている。前処理水は、銀イオンの変色の原因となる塩化物イオンも、懸濁の原因となる有機不純物も殆ど含まないため、硝酸銀を溶解させたときに変色も懸濁も発生させることがない。
紫外線吸収剤は、水溶性のため前処理水に均一に分散溶解させやすく、銀イオンに紫外線が照射されることを効果的に抑制できる。また紫外線吸収剤は、紫外線を熱エネルギー等に変換して放出させる化合物であり、酸化チタン等の紫外線を反射させるにすぎない紫外線散乱剤よりも銀イオンを変色させにくい。
紫外線吸収剤は水溶性であればよいが、肌に刺激がなく、化粧品の添加剤として使用されるヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウムの中から選択されたいずれかとすると、希釈して手洗い剤等として使用する場合にも刺激が少なく好適である。
前処理水に混和させる銀イオン濃度と紫外線吸収剤の濃度の比率は限定されないが、紫外線吸収剤が銀イオンに対して10分の1から5分の1の割合で混和されればよい。なお、濃度比率に拘わらず、紫外線吸収剤が安定化銀イオン水に1,000ppm混和されれば、十分に紫外線を吸収することができ、銀イオンの変色を防ぐことができる。
安定化銀イオン水には、硝酸銀と紫外線吸収剤とに加えて、更に亜鉛イオン濃度が20ppm以上200ppm以下となるように硝酸亜鉛六水和物を混和させてもよい。銀イオン濃度が5,000ppm以上の高濃度とされる場合には、硝酸亜鉛六水和物を含む方が安定化銀イオン水の変色を、より長期間に亘って抑制させることができる。硝酸亜鉛六水和物は、分子式がZn(NO)2・6HO、分子量が297.48の硝酸塩であり、外観が白色の結晶であるが、水に少量溶解されただけでは、水溶液は無色透明である。硝酸亜鉛六水和物1モルには亜鉛が約20%の割合で含まれている。硝酸亜鉛六水和物の粉末剤を前処理水1リットルあたり0.1g混和させると亜鉛イオン濃度は20ppmであり、1g混和させると亜鉛イオン濃度は200ppmとなる。
硝酸亜鉛六水和物は水に溶解されやすく、20℃の水100mlあたり約184g溶解される。硝酸亜鉛六水和物が水に溶解されたときに、亜鉛イオンと対となるイオンは、硝酸銀と同一の硝酸イオンであり、銀イオンが変色されることがなく、安定化銀イオン水の保存に影響を与えにくい。また硝酸亜鉛六水和物の水溶液は、亜鉛イオンの濃度が約2%の水溶液でpHが約5.4であるため、硝酸亜鉛六水和物を混和させたときに亜鉛イオンの濃度が200ppm以下であれば、安定化銀イオン水はpH5.5以上7.0以下が維持される。
(安定化銀イオン水の製造方法)
安定化銀イオン水の製造方法は、前処理水製造工程(S100)と、前処理水に水溶性の紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物とを混和して撹拌する工程(S200)とを経てから、硝酸銀を混和して撹拌する工程(S300)により製造される(図1参照)。紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物とは、いずれを先に混和と攪拌させてもよく、同時に混和と攪拌させてもよい。最後に硝酸銀を混和させるため、銀イオン濃度が高くても変色されにくい。なお、ステップ200において硝酸亜鉛六水和物の混和を省略させてもよい。安定化銀イオン水を希釈して使用する場合には、後工程として前処理水による希釈工程を含んでもよい。
前処理水製造工程では、一般水道水を原水とし、「栗田工業株式会社」のカートリッジ式純水製造器により精製させた。具体的には、まず活性炭により水道水から塩化物イオンの一部と、有機不純物、色度成分となる鉄、マンガン等を除去させた。次に、イオン交換樹脂により、ナトリウムイオン等の陽イオンを水素イオンと交換させ、塩化物イオン等の陰イオンを水酸化物イオンと連続イオン交換させて、陽イオン及び陰イオンを除去させた。更に、繊維フィルターにより連続イオン交換後の純水から、イオン交換樹脂の微細な破片、濁質、鉄さびを除去し、前処理水を精製した。
カートリッジ式純水製造器に付設された電気抵抗率計測器によれば、水温25℃以下において、前処理水の電気抵抗率は15MΩ・cm以上を示していた。前処理水の電気抵抗率が、半導体工場等で使用される18MΩ・cm以上の超純水に近い値であることから、前処理水には塩化物イオンも有機不純物も殆ど含まれていないことが確認された。
(高濃度の銀イオン水の変色確認試験)
1,000ppmの銀イオン濃度の銀イオン水の試薬1と、50,000ppmの銀イオン濃度の銀イオン水の試薬2により、高濃度の銀イオン水の変色確認試験をした。比較例として、従来技術において、硝酸銀水溶液の変色・白濁を防ぐとされていた酸化防止剤、還元性アミノ酸を、1,000ppmの濃度の銀イオン水に混和させて比較試験を行った。いずれの試薬も比較試薬も、無色透明のガラス瓶に密封し、採光窓のある室内において、常温で直射日光を避けて保存した。
銀イオン水の無色透明性は、無色透明のガラス瓶に試薬を入れ、白紙に示した平行な黒色の細線の視認のしやすさで確認した(図3,図4参照)。細線は幅1mmから0.1mmまで、各0.1mmずつ細くした10本の線とした。
(試薬と比較試薬の生成)
紫外線吸収剤だけを混和した銀イオン濃度が約1,000ppmの試薬を、試薬1とした。試薬1は、前処理水1リットルに対して、水溶性の紫外線吸収剤として「ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸の粉体」を1,000ppm相当分混和させ、磁力により回転される撹拌子により、十分に撹拌してから、最後に、硝酸銀の粉体を約8.5g混和・撹拌して生成した。試薬1のpHは、5.5から6.0であった。
紫外線吸収剤に加えて、「硝酸亜鉛六水和物」を混和した、銀イオン濃度が約50,000ppmの試薬を、試薬2とした。試薬2は、前処理水1リットルに対して、紫外線吸収剤としてヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸の粉体を1000ppm相当分混和させると共に、硝酸亜鉛六水和物の粉体を亜鉛イオン濃度が200ppm相当分となる量を混和し、前記同様に十分に撹拌を行ってから、最後に、硝酸銀の粉体を約85g混和・撹拌して生成した。試薬2のpHも、5.5から6.0であった。
変色を確認する比較試薬は3種類とした。
酸化防止剤としての「ビタミンC誘導体の粉体」だけを混和した銀イオン濃度が1,000ppmの比較試薬を、比較試薬1とした。比較試薬1は、前処理水1リットルに硝酸銀を約1.7g混和・撹拌させ、1,000ppmの銀イオン水としてから、ビタミンC誘導体を100ppm相当分混和・撹拌して生成した。
還元性アミノ酸として「L-システインの粉体」が混和された試薬を、比較試薬2,3とした。L-システインと硝酸銀を混和させる順序によって、懸濁・黄変の状態が異なるため、混和の順序を変えた2種類の比較試薬とした。先にL-システインの粉体を混和した試薬を比較試薬2とした。比較試薬2は、前処理水1リットルにL-システインを100ppm相当量混和させてから、硝酸銀の粉末を混和させ、銀イオン濃度が1,000ppmの銀イオン水とした。
先に硝酸銀の粉末を混和した試薬を比較試薬3とした。比較試薬3は、前処理水1リットルに硝酸銀の粉末を混和させ、1,000ppmの銀イオン水としてから、L-システインの粉末を100ppm相当量混和・撹拌させた。
(変色試験結果)
試薬1は、2020年11月1日から2021年8月30日までの約10か月間に亘って保存していた。銀イオン濃度が1,000ppmの試薬1は、0.1mmの細線が僅かににじむ程度で、色は無色で略透明性が維持されていた(図3(A))。試薬2も前記と同期間に亘って保存していた。銀イオン濃度が50,000ppmの試薬2は、銀イオン濃度が高濃度であるにも拘わらず、紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物を混和させていたため、すべての細線が鮮明に視認でき、試薬1よりも高い水準で無色透明性が維持されていた(図3(B))。
一方、比較試薬1は、生成時点で懸濁のない透明な状態ではあったが、色が黄変していた。黄変の程度は、カラーチャートで「9f8d37」に示される色と同等であった(写真省略)。比較試薬2は2021年8月19日から僅か10日が経過した時点で、黄変が生じて透明度が低くなり、どの細線も滲んだ状態で鮮明には視認できなかった(図3(C))。比較試薬3も前記と同じ、僅か10日が経過しただけで、水溶液の懸濁と黄変により細線が殆ど視認できなくなっていた(図4)。
この変色確認試験により、前処理水を使った銀イオン水の銀イオン濃度が高くても、紫外線吸収剤を混和させるだけで無色透明性が維持され、更に硝酸亜鉛六水和物を混和させると、より高濃度でも無色透明性が維持され、安定化銀イオン水と称するにふさわしいものであることが確認された。一方、銀イオン濃度が1,000ppmの銀イオン水には、酸化防止剤を混和させると、透明ではあるが黄色に変色し、還元性アミノ酸としてL-システインの粉体を混和させると、透明性も維持できないため、高濃度の銀イオン水には酸化防止剤又は還元性アミノ酸の粉体は混和できないことが確認された。
(新型コロナウイルス不活化試験1)
新型コロナウイルス(COVID-19)が、安定化銀イオン水で不活化されるかの抗ウイルス評価試験を実施した。1000ppmの試薬1を前処理水により20倍に希釈させて、人体に影響がなく空中に噴霧可能とされている銀イオン濃度が50ppmの試薬3とした。
使用ウイルスは、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2):COVID-19」とした。試験方法は「ISO 21702」に準拠し、試薬3と新型コロナウイルス溶液を混合し、10分後、60分後、6時間後のウイルス感染価を測定した。詳細には、試験ウイルス懸濁液濃度を1×10PFU/mlとして、180μLの試薬3の安定化銀イオン水に20μLの試験ウイルスを混合し室温にて培養し、前記各時間のプラーク数を数えて、ウイルス感染価を測定した。比較例として滅菌した精製水でも同様に試験ウイルスを培養した。表1には、精製水に対する安定化銀イオン水のウイルス感染価の増減率を示している。
[表1]
Figure 0007036334000002
このウイルス不活化試験によれば、60分後において、精製水のウイルス感染価が9,500,000であったのに対して、銀イオン濃度が50ppmの試薬3のウイルス感染価は600,000であり、ウイルス感染価が93.7%減少していた。10分後であっても、精製水に対して試薬3のウイルス感染価は27.6%減少し、更に6時間が経過した時点では新型コロナウイルスが検出感度以下となる良好な結果となった。
(塗料混和試験)
塗料混和試験においては、銀イオン濃度が約50,000ppmの試薬2を10倍に希釈させて、銀イオン濃度を5,000ppmの安定化銀イオン水とし、水性塗料に混和させ抗菌性塗料を作成し、塗料で表現する色相に影響があるか否かを確認した。5000ppmの安定化銀イオン水の混和量は、水性塗料18リットルに対して、10mlとした。抗菌性塗料をステンレス板に塗装し、複数人により塗料の色相を目視で検査したが、混和前後の差を識別することはできず、塗料で表現する色相への影響はなかった。
(塗膜による新型コロナウイルス不活化試験2)
新型コロナウイルス(COVID-19)が安定化銀イオン水を混和させた抗菌性塗料を塗装した塗膜によって不活化されるかの試験を実施した。抗菌性塗料の試験は、前記新型コロナウイルス不活化試験1と同様に、試験方法は「ISO 21702」に準拠して実施し、同一の試験ウイルスを使用した。安定化銀イオン水を混和させる前の水性塗料を塗装した塗膜を比較対象とした。ウイルス感染価の増減率は、水性塗料に対する抗菌性塗料の増減率を示している。24時間経過後のウイルス感染価を表2に示している。
[表2]
Figure 0007036334000003
この抗菌性試験によれば、水性塗料においては24時間経過後であっても新型コロナウイルスは活性を失っていない結果となった。一方、安定化銀イオン水を混和させた抗菌性塗料の場合には24時間後には新型コロナウイルスが検出感度以下まで不活化されており、ウイルス感染価も水性塗料に対して99.99%減少する良好な結果が得られた。安定化銀イオン水を混和させた抗菌性塗料で什器を塗装すれば、生活空間においてウイルスの感染価を低くする効果が期待できた。
(ATPふき取り試験)
生活空間にある什器表面に、銀イオン濃度が50ppmの試薬3を噴霧し、キッコーマン株式会社製のATP測定器により什器表面に付着した生物細胞内にあるATP(アデノシン三リン酸)の発光量から雑菌の増減量を推定するATPふき取り試験を実施した。什器は生活空間にある事務机とした。比較例の試薬としてアルコールと、次亜塩素酸濃度が50ppmの微酸性次亜塩素酸水を使用した。
夫々の試薬で4回ずつATP値を測定した。1回目のATP値測定は、試薬の噴霧前に実施した。具体的には、事務机をマスキングテープで区画し、ちり紙で区画内を9往復7秒間、払拭して実施した。2回目のATP値測定は、試薬を区画内に噴霧した直後に実施した。3回目のATP値測定は、噴霧した場所をちり紙で10往復7秒間、払拭して実施した。4回目のATP値測定は、3回目の測定から15時間後に実施した。ATP値の増減率は、同一の薬剤における1つ前の測定値に対する増減率を示している。
[表3]
Figure 0007036334000004
ATPふき取り試験の結果によれば、試薬の噴霧前後(1回目と2回目)におけるATP値の増減率は、安定化銀イオン水が約61%減、アルコールが約73%減、微酸性次亜塩素酸水が22%減となった。短時間の除菌性能においては、アルコールが最も即効性のある結果となったが、アルコールと並んで利用の多い次亜塩素酸水よりも安定化銀イオン水の方が顕著に良好な結果が得られた。
3回目のATP値測定においては、全ての薬品についてATP値の減少がみられた。これは噴霧した薬品の払拭に伴い雑菌が除去されたためと考えられる。4回目のATP値測定においては、いずれも3回目の測定からATP値が増加し、雑菌が増殖していることが確認された。
しかし、ATP値の増減率は、安定化銀イオン水が約43%増に留まったのに対し、アルコールが約220%増、微酸性次亜塩素酸水が約160%増となり、安定化銀イオン水がアルコール等と比べて顕著に良好な結果が得られた。このことから、安定化銀イオン水はアルコール等と比べて長時間の抗菌性能を奏することが実証された。
(白癬菌繁殖抑制試験)
白癬菌繁殖抑制試験においては、白癬菌の繁殖を抑制できるかを確認する試験を実施した。白癬菌とは、人体に感染して様々な感染症を惹き起こす真菌類である。使用した試薬は、銀イオン濃度50ppmの安定化銀イオン水である(試薬3)。
白癬菌をポテトデキストロース寒天培地で25℃±1℃の環境下で10日間培養し、白癬菌の胞子を0.005%濃度のスルホこはく酸ジオクチルナトリウム溶液に浮遊させ、不織布フィルターでろ過し、生菌数を10個/mlから10個/mlに調整して試験菌液を得た。10mlの試薬3に対して、前記試験菌液0.1mlを接種し試験液とした。その後、30分後、2時間後、24時間後が経過した時点で、試験液の生菌数を測定した。比較例として、滅菌した精製水における生菌数を測定した。生菌数の増減率は、同一の処理時間において、精製水に対する安定化銀イオン水の増減率を示している。
[表4]
Figure 0007036334000005
白癬菌繁殖抑制試験の結果によれば、30分後には白癬菌が検出感度以下となる良好な結果が得られた。これにより、銀イオンの白癬菌の繁殖を抑制する作用が極めて高いことが実証された。なお、安定化銀イオン水についての0分時点の白癬菌数と、精製水についての30分後の白癬菌数の測定を省略した。
(ネコカリシウイルス不活化試験)
ノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルスに対し、銀イオン濃度50ppmの安定化銀イオン水である試薬3を使用し不活化試験を実施した。
1mlの試薬3に、ネコカリシウイルスのウイルス浮遊液を0.1ml添加、混合し、作用液とした。作用液を室温で作用させ、2時間後と24時間後に細胞維持培地を用いて1万倍に希釈し、ウイルス感染価を測定した。また、1mlあたりのウイルス感染価は、Reed-Muench法に準拠して、50%組織培養感染量(logTCID50:median tissue culture infectious dose,50%)を算出している。比較例として滅菌した精製水におけるウイルス感染価を測定した。ウイルス感染価の増減率は、精製水に対する安定化銀イオン水の増減率を示している。
[表5]
Figure 0007036334000006
ネコカリシウイルス不活化試験の結果によれば、2時間後にはネコカリシウイルスのウイルス感染価が検出感度以下となる良好な結果が得られた。これにより、銀イオンのネコカリシウイルスに対する不活化作用が極めて高いことが実証された。
実施例2においては、銀イオンゲルと、その製造方法を説明する。銀イオンゲルは、銀イオン濃度を5ppmから60ppmに希釈させた安定化銀イオン水と吸水性ポリマーとからなる。希釈させる安定化銀イオン水は、前処理水に硝酸銀と水溶性の紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物を混和させた前記試薬2を使用した。吸水性ポリマーはアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物の粉末を使用した。この吸収性ポリマーの中心粒度は150μmから710μmとされ、水の吸収量は400g/gとされている。
銀イオンゲルは、樹脂製容器に吸水性ポリマー4gを投入し、銀イオン濃度を50ppmに希釈させた安定化銀イオン水を約400g注水して作成した。吸収量が400g/gの吸水性ポリマーが、銀イオンゲルに約1重量%含有されるため、樹脂製容器を横転させてもこぼれることのない、やや硬めの銀イオンゲルが得られた。吸水性ポリマーは、注水時の水勢により安定化銀イオン水の中で分散させた。
また銀イオンゲルは消臭させたい場所に載置するだけでもよいが、上方に通気孔1を有する樹脂製容器10の中間枠2に送風手段3を備えさせてもよい。詳細には、中間枠の通気孔4から銀イオンゲル容器5の天面の通気孔6に向けて送風し、空気中の浮遊ウイルス、悪臭の原因物質等を銀イオンゲル7に接触させやすくすると、より好適である(図2参照)。銀イオンゲルの消臭効果を裏付けするため、銀イオンゲルを入れた銀イオンゲル容器5を、10か所の住宅に設置し、体感試験を実施したところ、住民全員からトイレの排泄物の臭いが軽減されるとの回答が得られた。
特に、体験者のうち1家族は猫7匹を約20畳の離れ部屋で飼育していたため、猫用のトイレの近傍にも銀イオンゲルを設置して悪臭が軽減されるかを試験した。猫の排泄物の臭いは人に比べて何倍も強烈であり、抗菌・消臭剤が配合された排泄砂を使用しても、夏季の雨天には、むせるような悪臭が避けられない。しかし、本発明の銀イオンゲルを設置したところ、雨天で30℃を超える日であっても、悪臭が軽減され、むせることもなく、それまで使用していた消臭剤等と比べて顕著な効果があったとの回答が得られた。
併せて動物病院を経営する獣医1名と、獣医療補助者3名に協力を得て、動物病院内に銀イオンゲルを設置して、動物の排泄物の臭いが軽減されるかを試験した。動物病院の協力者全員からも臭いが軽減されたとの回答が得られ、人の排泄物だけでなく、動物の排泄物にも効果的であることが確認できた。
実施例3においては、銀イオン洗浄剤について説明する。銀イオン洗浄剤は、銀イオン濃度を1ppmから20ppmに希釈させた安定化銀イオン水と、L-システインと、発泡促進剤と泡安定剤をなす界面活性剤とからなる。銀イオン洗浄剤のpHが5.5以上7.0以下を維持していれば、酸性を示すL-システインと、アルカリ性を示す界面活性剤の混和量は限定されないが、混和量は少量であることが好適である。例えば、L-システインの混和量は、前処理水1リットルあたり1ppmから10ppmとされると、銀イオン洗浄剤に濁り・変色が生じにくく好適である。
界面活性剤の種類は限定されないが、植物性の界面活性剤とすると手洗い用の発泡洗浄剤として好適である。発泡促進剤の例としては、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸物モノエタノールアミドが好適である。泡安定剤の例としては、ヤシ油脂肪酸物ジェタノールアミドが好適である。
前記の2種類の界面活性剤を混和させる場合には、例えば、前処理水1リットルあたり、発泡促進剤は5,000ppmから10,000ppm、泡安定剤は1,000ppmから5,000ppmが混和されるとよい。発泡促進剤の混和量を約7,000ppm、泡安定剤の混和量を約3,000ppmとすると、泡の発泡性が良好であると共に、発泡が収まったあとに手がべたつきにくく、より好適である。
銀イオン洗浄剤の製造は、以下の工程による。前処理水1リットルに対してL-システインの粉末を5ppm混和させ、均一に分散されるまで十分に撹拌させる。次いで、液状の発泡促進剤を7,000ppm、泡安定剤3,000ppmを混和し撹拌させる。最後に、前処理水1リットルに対して1000ppmの安定化銀イオン水の試薬1を10ml混和し撹拌させ、銀イオン濃度が約10ppmの銀イオン洗浄剤の試薬4とした。L-システインと共にコラーゲンの液剤を混和させると、銀イオン洗浄剤の保湿効果が高くなり好適である。なお、コラーゲンの粉末剤を混和させたときには銀イオン洗浄剤に白濁が発生したため、粉末剤のコラーゲンは混和に適さない。
(銀イオン洗浄剤による新型コロナウイルス不活化試験3)
新型コロナウイルス失活試験3においては、銀イオン洗浄剤の試薬4により発生させたフォームを塗布した上に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)溶液を所定量滴下し、ウイルス感染価を測定する試験体とした。詳細には、10cmの培養ディッシュ内にて、5cm角のアクリル樹脂板上に前記フォームを塗布させ、1×10PFU/mlのSARS-CoV-2を含むウイルス溶液を0.4ml滴下させた。4cm角パラフィルムによりウイルスがアクリル樹脂板全体に行き渡るように被覆し、前記培養ディッシュの蓋を閉じ、樹脂フィルムにて密閉し、25℃の恒温器で24時間培養した。
試験体は、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2):COVID-19」とした。試験方法は「ISO 21702」に準拠し、前記試験体の6時間後と24時間後のウイルス感染価を測定した。比較例は滅菌した精製水とした。ウイルス感染価の増減率は、24時間後の精製水のウイルス感染価に対する、安定化銀イオン水の6時間後と24時間後の増減率を下記の表6に示している。
[表6]
Figure 0007036334000007
新型コロナウイルス不活化試験3の結果によれば、6時間後には99.86%の新型コロナウイルスが不活化し、24時間経過後には検出感度以下となる良好な結果が得られた。これにより銀イオン洗浄剤を手洗い用の発泡洗浄剤とすれば、新型コロナウイルスの感染予防対策として好適であることが実証された。
(その他)
・実施例に示した新型コロナウイルスの不活化試験1,3においては、硝酸亜鉛六水和物を含まない安定化銀イオン水についてだけ試験を実施した。新型コロナウイルスの不活化試験2においては、硝酸亜鉛六水和物を含む安定化銀イオン水についてだけ試験を実施した。いずれの場合も新型コロナウイルスに対する不活化効果が確認されていることから、硝酸亜鉛六水和物の有無に拘わらず、本発明の安定化銀イオン水は、スプレー、ゲル、洗浄剤、塗料のいずれの態様で使用されても、新型コロナウイルスを不活化させる効果が期待される。
・複数の態様の新型コロナウイルス不活化、白癬菌繁殖抑制、ネコカリシウイルス不活化等の試験結果を示しているが、これらの作用に限定されず、殺菌、消臭等の日常的な用途にも効果があることは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,4,6…通気孔,2…中間枠,3…送風手段,5…銀イオンゲル容器,
7…銀イオンゲル,10…樹脂製容器

Claims (8)

  1. 液体に、硝酸銀と紫外線吸収剤とを溶解させた安定化銀イオン水において、
    前記液体が、水を連続イオン交換させ、活性炭と繊維フィルターとを透過させて精製させた前処理水とされ、
    前記紫外線吸収剤が水溶性とされ、その濃度が100ppm以上1,000ppm以下とされ、
    前記硝酸銀を溶解して得られる全ての単独遊離された銀イオン濃度が1,000ppm以上50,000ppm以下であると共に、pHが5.5以上7.0以下である、
    ことを特徴とする安定化銀イオン水。
  2. 前記前処理水が、電気抵抗率が15MΩ・cm以上であると共に、TOC値が1ppm以下とされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の安定化銀イオン水。
  3. 前記液体に、前記硝酸銀と前記紫外線吸収剤とに加えて、更に硝酸亜鉛六水和物とを溶解させた安定化銀イオン水において、
    前記単独遊離された銀イオン濃度が5,000ppm以上50,000ppm以下であり、
    亜鉛イオンの濃度が20ppm以上200ppm以下である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の安定化銀イオン水。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の前記安定化銀イオン水を、請求項2に記載の前記前処理水により希釈し、前記銀イオン濃度が0.1ppm以上100ppm以下の範囲の濃度とされている、
    ことを特徴とする安定化銀イオン水。
  5. 前記紫外線吸収剤が、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウムの中から選択されたいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の安定化銀イオン水。
  6. 前記銀イオン濃度が、5ppm以上60ppm以下の請求項4に記載の安定化銀イオン水と、吸水性ポリマーとからなる銀イオンゲルにおいて、
    前記吸水性ポリマーが、アクリル酸重合体部分中和塩重合体であって、吸水性能が400g/g以上である、
    ことを特徴とする銀イオンゲル。
  7. 前記銀イオン濃度が、1ppm以上20ppm以下の請求項4に記載の銀イオン水と、界面活性剤とL-システインとからなる銀イオン洗浄剤において、
    前記界面活性剤が植物系の界面活性剤とされ、前記L-システインの混和量が1ppm以上10ppm以下である、
    ことを特徴とする銀イオン洗浄剤。
  8. 安定化銀イオン水製造方法であって、
    イオン交換水製造工程により、電気抵抗率が15MΩ・cm以上であると共に、TOC値が1ppm以下である前処理水を製造する工程と、
    前処理水に水溶性の紫外線吸収剤と硝酸亜鉛六水和物を混和して攪拌する工程とを経てから、
    硝酸銀を混和して攪拌して安定化銀イオン水を製造する、
    ことを特徴とする安定化銀イオン水製造方法。
JP2021566446A 2021-09-02 2021-09-02 安定化銀イオン水、安定化銀イオン水製造方法、銀イオンゲルおよび銀イオン洗浄剤 Active JP7036334B1 (ja)

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