JP2003171203A - 抗菌剤を含有した抗菌製品およびそれらに関する抗菌方法。 - Google Patents

抗菌剤を含有した抗菌製品およびそれらに関する抗菌方法。

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JP2003171203A
JP2003171203A JP2001372433A JP2001372433A JP2003171203A JP 2003171203 A JP2003171203 A JP 2003171203A JP 2001372433 A JP2001372433 A JP 2001372433A JP 2001372433 A JP2001372433 A JP 2001372433A JP 2003171203 A JP2003171203 A JP 2003171203A
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直史 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌剤により抗菌され、感染症等の虞がな
く、安心して用いられる抗菌製品、およびそれらを取り
扱う場所の殺菌を十分行え、かつ殺菌効果が持続する方
法を、安全性を損なわずに、かつ安価な方法で行える抗
菌方法を提供することである。 【手段】 本発明者は抗菌剤を含有した抗菌製品および
/または、それを取り扱う場所を、次亜塩素酸を含有し
た水溶液である殺菌液で殺菌することにより上記の課題
が達成できた。また、抗菌剤を少なくとも1種含有した
便物、郵便用の材料を用いるkとで上記の課題が達成で
きた。 【効果】 感染症等の虞がなく、安心して用いられる抗
菌製品、特に郵便物および郵便材料を提供し、それらの
郵便物および郵便材料、およびそれらを取り扱う場所の
殺菌を十分行え、かつ殺菌効果が持続する方法を、安全
性を損なわずに、かつ安価な方法で行える抗菌方法を得
ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、抗菌剤を含有した抗
菌製品およびそれらと、それらを取り扱う場所の抗菌方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】 抗菌性は種々の製品で要求されている
が、不特定多数の人の手に渡る郵便物の抗菌性は特に注
目されている。感染症を病院等の現場で抑えるだけでな
く、周辺に蔓延することも防止する必要がある。炭そ菌
のような人体に極めて有害なものが封入されたこともあ
るので、郵便物の集配の作業者の安全を守る意味で抗菌
性を郵便物、郵便の材料に付与することは重要である
が、適切な抗菌方法がなかった。従来の抗菌剤は即効性
のものは効果が持続せず、効果が持続すると称している
ものは殺菌効果が不足で、十分な殺菌効果を有し、かつ
持続し、人体に害がないものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 抗菌剤により抗菌さ
れ、感染症等の虞がなく、安心して用いられる抗菌製
品、およびそれらを取り扱う場所の殺菌を十分行え、か
つ殺菌効果が持続する方法を、安全性を損なわずに、か
つ安価な方法で行える抗菌方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者は抗菌剤を含
有した抗菌製品および/または、それを取り扱う場所
を、次亜塩素酸を含有した水溶液である殺菌液で殺菌す
ることにより上記の課題が達成できることを見出した。
この殺菌液で殺菌する際は噴霧法を用いることで、より
よく上記の課題が達成できる。また、抗菌剤を少なくと
も1種含有した便物、郵便用の材料を用いることで上記
の課題が達成できることを見出した。本発明では抗菌と
いう言葉を、消毒、殺菌、減菌、滅菌、消臭という概念
を含む言葉として使用する。
【0005】本発明では有機系抗菌剤、あるいは無機系
抗菌剤が用いられるが、抗菌作用の持続性の観点から無
機系抗菌剤の方が好ましい。また、無機系抗菌剤の中で
は、Ag、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnか
らなる金属イオンの内の少なくとも1種を含有した無機
系抗菌剤が好ましく、さらに好ましいものはMn、F
e、Co、Ni、CuおよびZnからなる金属イオンの
内の少なくとも1種を含有した無機系抗菌剤である。さ
らに好ましいものは、Znおよび/またはCuイオンを
含有した無機系抗菌剤であり、最も好ましいものはZn
イオンを含有した無機系抗菌剤である。これらの無機系
抗菌剤が酸化物および/あるいは水酸化物であることが
より好ましい。これらの酸化物、水酸化物中の該金属イ
オンの含有量が2〜82重量%であることが好ましい。
20〜82重量%であることがさらに好ましい。
【0006】これらの酸化物、水酸化物は下記式(1)
〜(5)で表されるものがより好ましい。 Mx1-xO (1) (式中、NはMgおよび/あるいはCaを示し、MはM
n、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から
選ばれた金属イオンの少なくとも一種を示し、xは0.
02<x<0.8である) M1-x(OH)2 (2) (式中、M、N、xは式(1)と同じである) (MO)・(LO) (3) (式中、M、は式(1)と同じで、Lはアルカリ金属イ
オンを表し、yは0.0001<y<0.1である) (MO)・(Al23・(SiO2 (4) (式中、M、は式(1)と同じ。aは0.00≦a<5
0で、bは0.00≦b<80である。ただし、a=0
の場合、bは0.001≦b<80であり、b=0の場
合、aは0.001≦a<50である。) (MO)・(XO (5) (式中、M、は式(1)と同じ。XはTiおよび/また
はZrを表す。cは0.001<c<0.2を表す。)
(上記式(1)〜(5)において、MはCuあるいはZ
nがより好ましく、Znがさらに好ましい。また、上記
式(1)および(2)式のNはMgがより好ましい。上
記式(3)のLはNa、Kが好ましい。また、上記式
(4)のa,bはより好ましくは、aは0.00≦a<
2で、bは0.00≦b<20である。ただし、a=0
の場合、bは0.001≦b<20であり、b=0の場
合、aは0.001≦a<2である。さらに好ましくは
aは0.00≦a<0.2で、bは0.00≦b<1であ
る。ただし、a=0の場合、bは0.001≦b<1で
あり、b=0の場合、aは0.001≦a<0.2であ
る。)
【0007】本発明の好ましい無機系抗菌剤の例を以下
に挙げるが、これらに限定されるものではない。 (
)内の数字は順に、BET表面積(m/g)、粒度
D50%(μm)、ZnあるいはCuの含有量(重量%)
を表す。 (A− 1)Zn0.14Mg0.86O(15、0.5、1
9.9) (A− 2)Zn0.05Ca0.95O(12、0.6、1
9.9) (A− 3)Zn0.40Mg0.60O・(Al230.50
(60、0.3、24.3) (A− 4)ZnO・(Al230.04 (30、0.
4、76.5) (A− 5)Cu0.05Ca0.95O(18、0.2、5.
7) (A− 6)Cu0.14Mg0.86O(30、0.3、1
9.4) (A− 7)(CuO)0.4・Al23・(SiO2)16
・5H2O(15、0.2、2.3) (A− 8)ZnO・(K2O)0.005 (12
0、0.3、80) (A− 9)ZnO・(Na2O)0.005 (9
0、0.3、80) (A−10)ZnO・(SiO0.05 (2
5、0.2、77.5) (A−11)ZnO(30、0.3、80.3)
【0008】 さらに例えば高級脂肪酸、アニオン系界
面活性剤、リン酸エステル、カップリング剤(シラン
系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコ
ールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面
処理剤の少なくとも一種により表面処理して用いてもよ
い。表面処理剤として好ましく用いられるものを例示す
れば次の通りである。ステアリン酸、エルカ酸、パルミ
チン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の
高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ステ
アリルアルコール、オレイルコール等の高級アルコール
の硫酸エステル塩;ポリエチレングリコールエーテルの
硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル
結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミ
ド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エー
テル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合ア
ルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリル
スルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン
酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモ
ノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それ
らの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン
酸エステル類;ビニルエトキシシラン、ビニル−トリス
(2−メトキシーエトキシ)シラン、ガンマ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ベーター(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカッ
プリング剤類;イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォス
フェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノ
エチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリ
デシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系
カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイ
ソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類;
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエー
ト等の多価アルコールと脂肪酸のエステル類。
【0009】 本発明の無機系抗菌剤の粒度D50%が
0.05〜20μmが好ましく、0.05〜10μmが
より好ましく、0.05〜5μmがさらに好ましい。粒
子サイズは、5分間以上超音波で分散させられた後に、
レーザー散乱法で測定した値である。抗菌剤のBET表
面積は重要な指標である。一般に抗菌効果を迅速に働か
すためには、極めて大きいBET表面積が好ましい。し
かし、一方では抗菌効果を持続させるためにはある程度
以下の値にする必要がある。そのため、BET表面積は
1〜300m/gが好ましく、5〜150m/gが
より好ましく、10〜150m/gがさらに好まし
い。無機系抗菌剤の含有量は本発明の抗菌剤の層内の含
有量は、0.1〜50重量%が好ましく、0.5〜20
重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が最も好ま
しい。これらの無機系抗菌剤の製造方法としては、特開
平6−72816号、特開平6−65011号、特開平
8−291011号、特開平8−48606号、特開平
11−123385号、特開平11−180808号、
特開平11−209258号、特開2000−6321
9号記載の方法を用いることができる。
【0010】 また、本発明で用いられる銀系の抗菌剤
の例としては、「多様化する無機系抗菌剤と高度利用技
術」大谷朝男編著(1998年株式会社アイピーシー出
版)に記載のあるものが好ましい。中でもゼオライト、
シリカゲル、ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコ
ニウム、ケイ酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛ウィスカー、
チタン酸カリウムウィスカー、アルミナ、釉薬等に担持
した銀抗菌剤、銀/ケイ酸アルミン酸マグネシウム抗菌
剤、銀超微粒子抗菌剤、錯体化銀/シリカゲル抗菌剤、
銀/難溶性リン酸塩抗菌剤が好ましい。
【0011】 また、本発明で用いられる有機系抗菌剤
としては、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
などイミダゾール誘導体、シクロフルアニドなどN−ハ
ロアルキルチオ系化合物、10、10’−オキシビスフ
ェノキサアルシンなどフェニルエーテル誘導体、セシル
ジメチルエチルアンモニウムブロミドなど第4級アンモ
ニウム塩および2、3、5、6テトラコロル−4−(メ
チルスルホニル)ピリジンなどスルホン誘導体、アミド
類、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、メチロー
ル基含有化合物、活性ハロゲン含有化合物、活性化され
たN−S結合含有化合物、イソチアゾロン系、有機ヨウ
素系、ベンズイソチアゾロン系、およびピリチオン系等
が挙げられるが、これに限定するものではない。また、
「防菌防黴剤の技術」井上嘉幸編著(2000年普及版
第1刷発行、株式会社シーエムシー出版)、および「誰
でもわかる抗菌の基礎知識」(西村民男監修、株式会社
テクノシステム 1999年8月出版)の121〜13
0頁に記載のあるものはいずれも好ましく用いることが
できる。
【0012】 接着剤としては、上記の無機系抗菌剤を
含有し得るものならばいかなる組成のものでも用いるこ
とができる。本発明では、好ましい接着剤は特に限定さ
れるものでなく、多くの接着剤が好ましく用いられる。
たとえば、デンプン、ゼラチン、キトサン、アラビアゴ
ム等の天然の高分子、エポキシ樹脂系、シアノアクリレ
ート系、ポリウレタン系、アクリル樹脂系、酢酸ビニル
樹脂系エマルション形、酢ビ共重合樹脂系エマルション
形、EVA樹脂系エマルション形、アクリル樹脂系エマ
ルション形、水性高分子−イソシアネート系、合成ゴム
系ラテックス形、EVA樹脂系ホットメルト形、合成ゴ
ム系ホットメルト形、アクリル樹脂系感圧形、ゴム系感
圧形、酢酸ビニル樹脂系溶剤形、CR系溶剤形、合成ゴ
ム系溶剤形、天然ゴム系溶剤形、ユリア樹脂系、メラミ
ン樹脂系、フェノール樹脂系接着剤がある。これらの中
では特に好ましいものは、エポキシ樹脂系、シアノアク
リレート系、ポリウレタン系、アクリル樹脂系、酢酸ビ
ニル樹脂系エマルション形、酢ビ共重合樹脂系エマルシ
ョン形、EVA樹脂系エマルション形、アクリル樹脂系
エマルション形、アクリル樹脂系感圧形、酢酸ビニル樹
脂系溶剤形接着剤であり、さらに好ましいものは、ポリ
ウレタン系、アクリル樹脂系、アクリル樹脂系エマルシ
ョン形、アクリル樹脂系感圧形接着剤である。
【0013】抗菌剤を郵便物、郵便材料に付与する手段
はいかなる方法でも良い。たとえば、通常人が接着剤を
付けるようにヘラのようなもの、ローラーのようなもの
で塗りつける方法でもよく、またスクリーン印刷、グラ
ビア印刷等の印刷方式でも良く、また何らかの基材に付
着あせた抗菌剤含有層を郵便物、郵便材料にそのまま密
着させるか、抗菌剤含有層を転写させてもよい。抗菌組
成物を郵便物、郵便材料にに密着させ、抗菌剤を含有す
る層を密着固定化することによる場合は、密着固定化は
抗菌剤含有層を含む層単独あるいは抗菌剤含有層に接着
層、保護層を含む2層以上の層を転写することでなされ
る。あるいは、抗菌剤含有層を固定化後に、密着をより
強固にする、汚れの付着を防止する、耐水性を付与する
といった目的で、保護層等をさらに転写、付着すること
も好ましい。剥離層を設けることもできる。剥離層とし
ては、支持体への密着性が弱い高分子化合物の層、ある
いは、高分子化合物に無機物、有機物のフィラー等を添
加し凝集力を弱めた層、オリゴマー、モノマー等の低分
子化合物の割合を多くし凝集力を弱めた層であっても良
い。
【0014】 本発明では、吸着剤を抗菌剤と併用する
ことが好ましい。好ましい吸着剤は、活性炭、木炭、カ
ーボンナノチューブ等の炭素系、シリカゲル、アエロジ
ル、ホワイトカーボン、高シリカ粘土、シリカゾル、多
孔質ガラス、シリカ繊維、けいそう土、ケイ酸カルソウ
ム等のコロイダルシリカ系、天然ゼオライト、合成ゼオ
ライト等のゼオライト系、賦活アルミナ、アルミナ等の
アルミナ系、骨炭、天然アパタイト、合成アパタイト等
のアパタイト系、フラースアース、活性白土、活性ボー
キサイト、活性酸化マグネシウム、等がある。これらの
吸着剤は「吸着の科学」(近藤精一著、丸善出版、20
01年2月発行)183〜217頁、「吸着剤・吸着操
作の設計」(柳井弘著、技報堂出版、1982年1月発
行)48〜53頁に記載されている。中でも上記の、炭
素系、コロイダルシリカ系、ゼオライト系、アルミナ
系、アパタイト系が好ましい。
【0015】 炭素系では活性炭、木炭が好ましく、活
性炭が特に好ましい。コロイダルシリカ系では、シリカ
ゲル、アエロジル、多孔質ガラス、シリカ繊維が好まし
く、シリカゲル、アエロジルより好ましく、シリカゲル
が特に好ましい。天然ゼオライト、合成ゼオライト等の
ゼオライト系では合成ゼオライトが特に好ましい。吸着
剤のBET表面積は10m2/g以上が好ましく、10
0m2/g以上がより好ましく、200m2/g以上が
さらに好ましく、600m2/g以上が最も好ましい。
吸着剤の平均サイズは0.01〜100μmが好まし
く、0.05〜30μmがより好ましく、0.1〜10
μmが最も好ましい。吸着剤の含有量は包装材の重量に
たいし、0.05〜10重量%が好ましく、0.2〜5
重量%より好ましく、0.5〜3重量%が最も好まし
い。
【0016】 本発明の殺菌液の有効塩素濃度は10〜
1000ppmが好ましく。20〜800ppmがより
好ましく、30〜300ppmが最も好ましい。またp
Hは2.0〜8.0が好ましく、4.0〜7.2がより
好ましく、4.5〜6.5が最も好ましい。有効塩素濃
度は殺菌効果を発揮するに最低必要濃度が望ましい。濃
度が高いと塩素臭等の好ましくない影響があり、濃度が
低いと十分な殺菌効果が得られない。殺菌効果は温度で
も異なる。室温付近の温度では、高い温度の方が殺菌効
果が大きい。pHは解離していない次亜塩素酸の濃度が
決まる重要な要因である。pH8以上では次亜塩素酸が
解離し、殺菌効果が著しく減少する。また、pHが2以
下では塩素が発生し人体に有害である。
【0017】 次亜塩素酸は次亜塩素酸塩、あるいは次
亜塩素酸水溶液で供給されてもよく、また塩素イオン含
有水溶液の電気分解により生成されてもよい。次亜塩素
酸塩としては特に限定されないが次亜塩素酸ナトリウ
ム、次亜塩素酸カリウムが好ましい。
【0018】 本発明の殺菌液のpH調節は、塩酸、リ
ン酸、硫酸、硝酸等の無機酸、あるいは酢酸、ぎ酸、ク
エン酸、酒石酸等の有機酸を添加することで調節するこ
とが好ましい。また水酸化ナトリウム等のアルカリを添
加することもできる。酸としては塩酸、リン酸、酢酸、
クエン酸、酒石酸がより好ましく、塩酸、酢酸がさらに
好ましく、塩酸が特に好ましい。これらのpHの調節の
際には、酸、アルカリ共に水で希釈して用いることが好
ましい。特に、pH5.0〜7.0の間に調節する際は
十分希釈した酸を用いることが好ましい。
【0019】また、酸、アルカリの水溶液と、次亜塩素
酸水溶液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)お
よび水を混合し所定の濃度、pHの該次亜塩素酸水溶液
を調製する。この調製は予め使用のかなり前に行われて
も、使用直前に行われてもどちらでも構わない。ただ
し、該次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸は熱、光、酸化
剤に対し不安定なので、密閉容器に入れ、遮光し、低温
で保存することが好ましい。使用する容器は十分洗浄さ
れたものを用いることが好ましい。また、各組成の濃度
を所定の値に正確に合わせるため、添加量を高精度で調
節できる、混合機器を用いることが好ましい。この機器
では使用直前に該次亜塩素酸水溶液を調製できる。その
場合は、酸あるいはアルカリの水溶液と、次亜塩素酸水
溶液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)および
水の3種の溶液を混合することもできるし、酸あるいは
アルカリの水溶液および/または次亜塩素酸水溶液(次
亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)を予め水で所定
の濃度に希釈して用いることも好ましい。これらの溶液
は密閉された容器に保存されるのが好ましく、着脱が容
易なカートリッジ形式のもはさらに好ましい。
【0020】 本発明の殺菌液は塩素イオンを含有した
水を電気分解することで次亜塩素酸水溶液を作成しても
良い。また塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウム
を添加した水を電気分解することが好ましい。また、電
気分解は有隔膜電解槽でも、無隔膜電解槽でも行うこと
ができる。有隔膜電解槽の場合は特許種出願番号63−
300998号記載の技術が好ましく用いられる。ま
た、無隔膜電解槽の場合は特許登録2619756号記
載の技術が好ましく用いられる。これらの電気分解法に
ついては「電解水の基礎と利用技術」(松尾昌樹著 技
報堂出版株式会社 2000年1月25日発行)記載の
方法を好ましく用いることができる。
【0021】 本発明の殺菌液のpHをpH緩衝剤で調
節することもできる。また、前記次亜塩素酸水溶液のp
Hを調節するために、pH緩衝液を用いることも好まし
い。pH緩衝溶液とは、酸または塩基をその溶液に加え
た場合のpHの(水素イオン濃度)の変化が、純水に酸
または塩基を加えた場合のpHの変化に比べて小さい溶
液である。pH緩衝液は酸、塩基、またそれらの塩を混
合して得ることができる。pH緩衝剤の例としては、化
学便覧の基礎編改訂第4版(1993年9月、株式会社
丸善 出版)の第2分冊−336〜339ページに記載
されているものはいずれも好ましく用いることができ
る。
【0022】 pH緩衝溶液は、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム等のハロゲン化アルカリ、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、シスチン等のア
ミノ酸、塩酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸、乳酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酪酸、酢酸、コハク
酸、ジエチルパルビツール酸、フタル酸水素カリウム、
フタル酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸ナト
リウム、クエン酸カリウム、クエン酸二水素ナトリウ
ム、クエン酸二水素カリウム、四ホウ酸ナトリウム、四
ホウ酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、
乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、ジメチルパルビツール酸ナトリウム、ジメチ
ルパルビツール酸カリウム、(2,4,6−トリメチル
ピリジン)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
(3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−プロパン
スルホン酸])の内の少なくとも2種類以上の化合物を
含有する水溶液であることが好ましい。ただし、これら
に限定されるものではない。
【0023】これらのpH緩衝液の各成分濃度は必要な
pHが得られる濃度ならどの濃度でも好ましい。開封後
短期間で使用する場合はpH緩衝溶液の各成分の濃度は
低い方が好ましく、開封後長期間に渡って使用する、手
の殺菌液等は各成分の濃度が高い方が好ましい。各成分
の混合の方法はいかなる順番でも用いることができる。
次亜塩素酸の混合はpH緩衝溶液の完成後でも、完成前
のどちらでも構わない。次亜塩素酸とpH緩衝液の混合
は使用の前ならいつでも良い。
【0024】次亜塩素酸水溶液が展着剤を含有すること
も好ましい。本発明の次亜塩素酸水溶液には。展着剤と
してはアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン
系のいずれの界面活性剤、水溶性高分子が好ましくもち
いられる。展着剤の濃度は20〜2000ppmが好ま
しい。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキル
サクシスルホネート、リグニンスルホン酸塩、ポリナフ
チルスルホン酸塩、脂肪酸のアルキルエステルのスルホ
ン酸塩(特開平2−167202号等)アルキルスルホ
コハク酸塩系界面活性剤等のアニオン系界面活性剤。ポ
リアクリル酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミンオキ
シド、脱アセチル化度が30%以上のキトサン、4級ア
ンモニウム塩とうのカチオン系界面活性剤等が好ましく
用いられる。中でも、モノアルキル硫酸塩、トリアルキ
ルアミン−N−オキシド、脂肪酸ナトリウム、アルキル
トリメチルアンモニウムが特に好ましい。展着剤の添加
は使用のかなり前でも良いが、使用直前の方が好まし
い。実際の使用の際はpH調節用の酸に混合するか、希
釈水に混合することが好ましい。次亜塩素酸の水溶液に
予め添加することは、次亜塩素酸の分解を促進すること
があるので好ましくない。
【0025】本発明の殺菌液の調製方法は特に限定され
るものではないが、混合後に保管する場合は、光特に紫
外線を遮断し、低温で保管し、かつ蛋白質、アルコール
等の有機物あるいは不純物として混入する金属イオンを
できるだけ少なくすることが好ましい。そのため、容
器、器具等は十分に洗浄したものを使用することが好ま
しい。次亜塩素酸含有水溶液自体も保管する場合は、光
特に紫外線を遮断し、低温で保管することが好ましい。
【0026】次亜塩素酸水溶液を噴霧時の液滴のサイズ
が1〜500μmで噴霧することが好ましい。液滴のサ
イズは1〜100μmがより好ましく、1〜20μmが
特に好ましい。
【0027】集めた郵便物に抗菌剤含有物を塗布、転
写、密着等の手段で付着させる有害な菌による事故を防
止することができる。また、次亜塩素酸を含有した水溶
液で殺菌することでより完全な抗菌ができる。
【0028】
【実施例1】 郵便用の封筒に、本発明の抗菌剤A−4
を5重量%含有したアクリル樹脂接着剤を塗布した(サ
ンプルH1−1)。
【比較例1】 抗菌剤A−4を用いない以外は、サンプ
ルH1−1と同様にして比較例C1−1を作成した。
【実施例2】 抗菌剤A−4の代わりに、A−10、
1、3、6、11を用いた以外はH1−1を繰り返し、
サンプルH2−1〜5を作成した。
【実施例3】 抗菌剤としてゼオライトに銀微粒子を担
時したものを用いた以外は、H1−1と同様にしてサン
プルH3−1を作成した。
【実施例4】サンプルH1−1、H2−1〜5、H3−
1、C1−1に大腸菌を付着させ室温で放置し、48時
間後に大腸菌数を測定した。結果は大腸菌が少なく好ま
しかった順から、 H1−1、H2−1、2、3<H2
−5<H2−4<H3−1<<C1−1 であった。本
発明の抗菌剤の中でも、酸化亜鉛自体(H2−5)はや
や効果が劣り、Cu系のもの(H2−4)はZn系より
効果が劣り、さらに銀系(H3−1)は効果がやや劣っ
たが、いずれも抗菌剤を使用しなかった比較例C1−1
よりは大腸菌数が少なく好ましかった。
【実施例5】 次亜塩素酸ナトリウム水溶液に水で希釈
した塩酸を添加し、pHを5.7に調節し、有効塩素濃
度が100ppmの本発明の次亜塩素酸水溶液を調製し
た。サンプルH1−1、H2−1〜5、H3−1、C1
−1に大腸菌を付着させた後、これらのサンプルに前記
の本発明の次亜塩素酸水溶液を噴霧し殺菌処理した。そ
の48時間後に大腸菌数を測定した。大腸菌の数は少な
い方からH1−1、H2−1、2、3<H2−5<H2
−4<<H3−1<C1−1であった。本発明の抗菌剤
の中でも、酸化亜鉛単独のものはやや効果が劣り、さら
にAg系のものはZn系より効果が劣ったが、いずれも
抗菌剤を使用しなかった比較例C1−1よりは大腸菌数
が少なく好ましかった。Ag系は亜鉛系より効果が劣っ
たが、この効果の差異は次亜塩素酸含有の殺菌液を用い
なかった、実施例4より大きかった。このことは、Ag
系抗菌剤が次亜塩素酸含有の殺菌液と併用した場合はよ
り大きく亜鉛、銅系の抗菌剤より劣ることを示してい
る。実施例4の各サンプルの大腸菌数は、対応する同じ
サンプルの実施例2のサンプルの大腸菌数の1/100
以下であり、次亜塩素酸を含有した殺菌液で処理した方
がより殺菌・抗菌効果が大きく好ましかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 59/20 A01N 59/20 Z B65B 55/02 B65B 55/02 Z B65D 27/00 B65D 27/00 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌剤を含有した抗菌製品および/また
    は、それを取り扱う場所を、次亜塩素酸を含有した水溶
    液である殺菌液で殺菌することを特徴とする抗菌方法。
  2. 【請求項2】抗菌剤を少なくとも1種含有したことを特
    徴とする郵便物、郵便用の材料。
  3. 【請求項3】前記抗菌剤が無機系抗菌剤であることを特
    徴とする請求項1〜2のいずれかに記載された郵便物、
    郵便用の材料および抗菌方法。
  4. 【請求項4】前記抗菌剤がMn、Fe、Co、Ni、C
    uおよびZnからなる金属イオンの内の少なくとも1種
    を含有した無機系抗菌剤であることを特徴とする請求項
    3に記載された郵便物、郵便用の材料および抗菌方法。
  5. 【請求項5】前記の金属イオンがZnおよび/またはC
    uイオンであることを特徴とする請求項4に記載された
    郵便物、郵便用の材料および抗菌方法。
  6. 【請求項6】前記の無機系抗菌剤が酸化物および/ある
    いは水酸化物であることを特徴とする請求項3〜5のい
    ずれかに記載された郵便物、郵便用の材料および抗菌方
    法。
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