JP2003125617A - 乗用型作業機 - Google Patents

乗用型作業機

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JP2003125617A
JP2003125617A JP2001329440A JP2001329440A JP2003125617A JP 2003125617 A JP2003125617 A JP 2003125617A JP 2001329440 A JP2001329440 A JP 2001329440A JP 2001329440 A JP2001329440 A JP 2001329440A JP 2003125617 A JP2003125617 A JP 2003125617A
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JP
Japan
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steering lever
lever
turning
working machine
steering
Prior art date
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Application number
JP2001329440A
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English (en)
Inventor
Toshio Tamai
玉井  利男
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングレバーの操作にて、機体旋回時
の各種操作が行なえるようにして、機体の旋回作業の作
業性を向上し、また、耕盤を荒らすことなく、圃場にお
ける旋回条件に適応した適切な旋回ができるようにする
ことを課題とする。 【解決手段】 左右走行装置6を装備した走行車両1に
作業装置3を上下動自在に装着すると共に、左右方向に
操作することにより機体を操向操作するステアリングレ
バー16を操縦席20の前方に設けた乗用型作業機にお
いて、該ステアリングレバー16に作業装置3を上下動
させる手段と作業装置3への動力伝動及び切断を切替え
る手段とを設けた乗用型作業機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右走行装置を
装備した走行車両に作業装置を上下動自在に装着すると
共に、左右方向に操作することにより機体を操向操作す
るステアリングレバーを設けた乗用型作業機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術としては、例えばコン
バインのように刈取作業装置を上下動自在に装着すると
共に、左右方向に操作することにより機体を操向操作す
るステッキ状のステアリングレバーを設けたものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ステアリ
ングレバーの操作にて、機体旋回時の各種操作が行なえ
るようにして、機体の旋回作業の作業性を向上し、ま
た、耕盤を荒らすことなく、圃場における旋回条件に適
応した適切な旋回ができるようにすることを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決すべ
く、請求項1記載の発明は、左右走行装置6を装備した
走行車両1に作業装置3を上下動自在に装着すると共
に、左右方向に操作することにより機体を操向操作する
ステアリングレバー16を操縦席20の前方に設けた乗
用型作業機において、該ステアリングレバー16に作業
装置3を上下動させる手段と作業装置3への動力伝動及
び切断を切替える手段とを設けた乗用型作業機としたも
のである。従って、機体旋回時に、ステアリングレバー
16を左右方向に操作することにより機体を操向操作で
きて、且つ、ステアリングレバー16の作業装置3を上
下動させる手段にて作業装置3を上昇させると共に作業
装置3への動力伝動及び切断を切替える手段にて作業装
置3への動力を切断して、良好に旋回できる。そして、
旋回後に再びステアリングレバー16の作業装置3を上
下動させる手段にて作業装置3を下降させて作業装置3
への動力伝動及び切断を切替える手段にて作業装置3へ
動力を伝動して、作業を再開できる。この時、ステアリ
ングレバー16の操作にて機体旋回及び作業装置3の上
下動及び作業装置3への動力切断及び伝動が行なえるの
で、快適な旋回作業が行なえて非常に効率的である。
【0005】請求項2記載の発明は、左右走行装置6が
左右前輪であり、ステアリングレバー16を機体旋回の
為に所定量以上に操作すると、旋回中心側の後輪7のサ
イドクラッチIが自動的に切れて駆動が停止するように
構成した請求項1記載の乗用型作業機としたものであ
る。従って、請求項1記載の発明の作用に加えて、機体
旋回の為にステアリングレバー16により左右前輪6を
所定量以上に操向操作すると、旋回中心側の後輪7のサ
イドクラッチIが自動的に切れて駆動が停止するので、
自動的に旋回半径が小さくなり作業効率が向上すると共
に、旋回中心側の後輪7が遊転状態となるので、耕盤を
傷めることを防止して然も泥土の持ち上げも少なくなり
良好な旋回が行なえる。
【0006】請求項3記載の発明は、左右走行装置6が
左右前輪であり、ステアリングレバー16を機体旋回の
為に所定量以上に操作すると、旋回中心側の後輪7のサ
イドブレーキJが自動的に制動作動されるように構成し
た請求項1記載の乗用型作業機としたものである。従っ
て、請求項1記載の発明の作用に加えて、機体旋回の為
にステアリングレバー16により左右前輪6を所定量以
上に操向操作すると、旋回中心側の後輪7のサイドブレ
ーキJが自動的に制動作動されるので、自動的に旋回半
径が小さくなり作業効率が向上する。
【0007】請求項4記載の発明は、ステアリングレバ
ー16の操縦席20側に操縦者の手を支える支持体20
3を設けた請求項1乃至請求項3記載の乗用型作業機と
したものである。従って、請求項1乃至請求項3記載の
夫々の発明の作用に加えて、操縦者が片方の手でステア
リングレバー16を操作する時に、操縦者のその操作す
る手を支えることができて、操縦者は楽な機体の操縦操
作が行なえる。また、他方の手で支持体203を握るこ
とにより、身体を安定させることができ、操縦も楽な姿
勢で行なえて作業性がよい。
【0008】請求項5記載の発明は、ステアリングレバ
ー16のグリップ部16aの作動範囲を囲むようにガイ
ド枠204を設けた請求項1乃至請求項4記載の乗用型
作業機としたものである。従って、請求項1乃至請求項
4記載の夫々の発明の作用に加えて、操縦者若しくは機
体上の作業者の身体が誤ってステアリングレバー16の
グリップ部16aに触れて、機体が不用意に作動してし
まうようなことが防止できて安全である。
【0009】請求項6記載の発明は、機体前部に設けた
前部カバー14の左右両側にステップ19を設け、支持
体203の左右幅を前部カバー14の左右幅と略同じか
若しくは多少幅狭にした請求項1乃至請求項5記載の乗
用型作業機としたものである。従って、請求項1乃至請
求項5記載の夫々の発明の作用に加えて、前部カバー1
4の左右両側のステップ19が広く利用でき、作業者が
ステップ19上を動き易くて作業性が良い。
【0010】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、左右走行装置6
を装備した走行車両1に作業装置3を上下動自在に装着
すると共に、左右方向に操作することにより機体を操向
操作するステアリングレバー16を操縦席20の前方に
設けた乗用型作業機において、該ステアリングレバー1
6に作業装置3を上下動させる手段と作業装置3への動
力伝動及び切断を切替える手段とを設けた乗用型作業機
としたものであるから、ステアリングレバー16の操作
にて機体旋回及び作業装置3の上下動及び作業装置3へ
の動力切断及び伝動が行なえるので、快適な旋回作業が
行なえて非常に効率的である。
【0011】請求項2記載の発明は、左右走行装置6が
左右前輪であり、ステアリングレバー16を機体旋回の
為に所定量以上に操作すると、旋回中心側の後輪7のサ
イドクラッチIが自動的に切れて駆動が停止するように
構成した請求項1記載の乗用型作業機としたものである
から、請求項1記載の発明の効果に加えて、機体旋回の
為にステアリングレバー16により左右前輪6を所定量
以上に操向操作すると、旋回中心側の後輪7のサイドク
ラッチIが自動的に切れて駆動が停止するので、自動的
に旋回半径が小さくなり作業効率が向上すると共に、旋
回中心側の後輪7が遊転状態となるので、耕盤を傷める
ことを防止して然も泥土の持ち上げも少なくなり良好な
旋回が行なえる。
【0012】請求項3記載の発明は、左右走行装置6が
左右前輪であり、ステアリングレバー16を機体旋回の
為に所定量以上に操作すると、旋回中心側の後輪7のサ
イドブレーキJが自動的に制動作動されるように構成し
た請求項1記載の乗用型作業機としたものであるから、
請求項1記載の発明の効果に加えて、機体旋回の為にス
テアリングレバー16により左右前輪6を所定量以上に
操向操作すると、旋回中心側の後輪7のサイドブレーキ
Jが自動的に制動作動されるので、自動的に旋回半径が
小さくなり作業効率が向上する。
【0013】請求項4記載の発明は、ステアリングレバ
ー16の操縦席20側に操縦者の手を支える支持体20
3を設けた請求項1乃至請求項3記載の乗用型作業機と
したものであるから、請求項1乃至請求項3記載の夫々
の発明の効果に加えて、操縦者が片方の手でステアリン
グレバー16を操作する時に、操縦者のその操作する手
を支えることができて、操縦者は楽な機体の操縦操作が
行なえる。また、他方の手で支持体203を握ることに
より、身体を安定させることができ、操縦も楽な姿勢で
行なえて作業性がよい。
【0014】請求項5記載の発明は、ステアリングレバ
ー16のグリップ部16aの作動範囲を囲むようにガイ
ド枠204を設けた請求項1乃至請求項4記載の乗用型
作業機としたものであるから、請求項1乃至請求項4記
載の夫々の発明の効果に加えて、操縦者若しくは機体上
の作業者の身体が誤ってステアリングレバー16のグリ
ップ部16aに触れて、機体が不用意に作動してしまう
ようなことが防止できて安全である。
【0015】請求項6記載の発明は、機体前部に設けた
前部カバー14の左右両側にステップ19を設け、支持
体203の左右幅を前部カバー14の左右幅と略同じか
若しくは多少幅狭にした請求項1乃至請求項5記載の乗
用型作業機としたものであるから、請求項1乃至請求項
5記載の夫々の発明の効果に加えて、前部カバー14の
左右両側のステップ19が広く利用でき、作業者がステ
ップ19上を動き易くて作業性が良い。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の一実施例である8条植
え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。走行車
両1に昇降用リンク装置2で田植装置3を装着すると共
に施肥装置4を設け、全体で乗用施肥田植機として構成
されている。走行車両1は、駆動輪である左右各一対の
前輪6,6および後輪7,7を有する四輪駆動車両であ
る。
【0017】メインフレーム10の上にミッションケー
ス11とエンジン12が前後に配設されており、該ミッ
ションケース11の後部上面に油圧ポンプ13が一体に
組み付けられ、またミッションケース11前部の上方に
は前部カバー14が設けられられている。
【0018】そして、前部カバー14の上端部に前後方
向及び左右方向の何れにも操作できる(中立位置から3
60度何れの方向にでも操作可能)ステッキ状のステア
リングレバー16と操作パネル17が設けられている。
機体の上部には操縦用のフロアとなるステップ19が取
り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置
されている。前輪6,6は、ミッションケース11の側
方に変向可能に設けた前輪支持ケース22,22に軸支
されている。また、後輪7,7は、ローリング杆23の
左右両端部に一体に取り付けた後輪支持ケース24,2
4に軸支されている。ローリング杆23はメインフレー
ム10の後端部に突設したローリング軸25で進行方向
と垂直な面内で回動自在に支持されている。
【0019】エンジン12の回転動力は、ベルト31を
介して油圧ポンプ13の駆動軸であるカウンタ軸32に
伝えられ、さらに該カウンタ軸からベルト33を介して
油圧式変速装置HSTの入力軸35に伝えられ、油圧式
変速装置HSTの出力軸36からベルトを介してミッシ
ョン入力軸34に伝えられる。尚、ミッション入力軸3
4上には、メインクラッチ43が設けられており、油圧
式変速装置HSTの駆動力はメインクラッチ43を介し
てミッション入力軸34に伝動される。メインクラッチ
43は周知の多板クラッチであり、図中の44はメイン
クラッチ軸側の摩擦板、45はミッション入力軸側の摩
擦板、46は両摩擦板を押し付けるスプリング、47,
48は切替操作用の固定部材と摺動部材である。
【0020】ミッションケース11のケーシング40の
前部には、ミッション入力軸34、カウンタ軸50、走
行一次軸51、走行二次軸52、植付一次軸53、植付
二次軸54がそれぞれ平行に支承されている。ミッショ
ン入力軸34のギヤG1とカウンタ軸50のギヤG2、
およびギヤG2と走行一次軸51のギヤG3がそれぞれ
互いに噛合しており、ミッション入力軸34の回転が走
行一次軸51に順方向に伝えられる。
【0021】主変速装置Bとして、走行一次軸51に前
記ギヤG3とギヤG4がそれぞれ定位置に嵌着され、走
行二次軸52に互いに一体に成形されたギヤG5,G6
が軸方向に摺動自在に嵌合している。シフタ56でギヤ
G5,G6を移動させ、ギヤG4,G5が噛合すると低
速の作業速、ギヤG3とギヤG4が噛合すると高速の路
上走行速になる。また、植付一次軸53にはギヤG4に
常時噛合するギヤG7とバックギヤG8が嵌着されてお
り、ギヤG6をバックギヤG8に噛合させると後進速に
なる。ギヤG5,G6がいずれのギヤとも噛合しない位
置がニュートラルになる。この主変速装置Bの操作する
チェンジレバー90は操作パネル17に設けられてい
る。
【0022】また、株間変速装置Cとして、植付一次軸
53に互いに一体に成形されたギヤG9,G10が軸方
向に摺動自在に嵌合しているとともに、植付二次軸54
にギヤG11,G12がそれぞれ取り付けられている。
シフタ57でギヤG9,G11を適宜に移動させること
により、ギヤG9とギヤG10、ギヤG10とギヤ1
1、およびギヤG10とギヤG12の3通りの組み合わ
せが得られ、3段階の株間切替を行える。植付二次軸5
4からベベルギヤG13,G14を介して植付部伝動軸
58に伝動される。
【0023】ケーシング40の後部には、リヤアクスル
60,60とフロントアクスル61,61が支承され、
前記走行二次軸52からリヤデフ装置Dを介してリヤア
クスル60,60に伝動されるとともに、リヤデフ装置
Dからフロントデフ装置Eを介して左右フロントアクス
ル61,61に伝動される。そして、左右フロントアク
スル61,61により各々左右前輪6,6が駆動回転さ
れる構成となっている。
【0024】リヤデフ装置Dは、走行二次軸52のギヤ
G15に噛合するギヤG16が外周部に形成された容器
63を備え、該容器内の縦軸64に取り付けた一次ベベ
ルギヤG17と左右のリヤアクスル60,60に各別に
取り付けた二次ベベルギヤG18,G18とが互いに噛
合する状態で収納されており、各アクスルに伝動される
駆動力が適宜変動するようになっている。
【0025】フロントデフ装置Eもリヤデフ装置Dと同
様の構成で、図中の65は容器、66は縦軸、G19は
リヤデフ装置側のギヤ、G20はフロントデフ装置側の
ギヤ、G21は縦軸66に取り付けたベベルギヤ、G2
2はフロントアクスル61に取り付けたベベルギヤであ
る。上記リヤデフ装置Dおよびフロントデフ装置Eには
デフ機能を停止し、左右両アクスルに駆動力が均等に伝
動されるようにするデフロック装置F,Hが設けられて
いる。このデフロック装置F(H)は、容器63(6
4)に形成された爪69(70)とアクスルの角棒部に
嵌合するデフロック部材71(72)の爪73(74)
とアクスル50(51)を互いに固定するようになって
いる。この後輪のデフロック装置Fを操作するデフロッ
クレバー91は操作パネル17に設けられている。尚、
前輪のデフロック装置Hは、ステップ19に設けたデフ
ロックペダル91’を踏み込むとデフ機能が停止される
構成となっている。このデフロックレバー91及びデフ
ロックペダル91’は、共に機体の前部に配置されてお
り、例えば圃場の畦を乗り越えて機体を圃場から出す時
等に、操縦者は機体から降りて機体の前方に立って(自
分の身体をウエイト代わりにする為に機体の前端部に乗
って)機体を前進若しくは後進させてこの畦越えを安全
に行うが、この時、左右前輪6,6の何れか又は左右後
輪7,7の何れかが空回りした場合に即座に操縦者は機
体前部にあるデフロックレバー91及びデフロックペダ
ル91’を容易な姿勢で操作できてデフロック状態にし
て安全に畦越えを行うことができる。
【0026】リヤアクスル60,60はベベルギヤG2
3,G24,…によってサイドクラッチ軸76,76に
伝動連結され、さらに該サイドクラッチ軸からリヤ出力
軸77,77にサイドクラッチI,Iを介して伝動され
る。サイドクラッチIは多板クラッチであり、80はサ
イドクラッチ軸側の摩擦板、81はリヤ出力軸側の摩擦
板である。82はリヤ出力軸77に摺動自在に嵌合する
作動筒で、板ばね83によって両摩擦板を押し付ける方
向に付勢されており、常時はサイドクラッチIが入った
状態となっている。シフタ85で作動筒82を付勢方向
と逆向きに移動させると、サイドクラッチIが切れる。
【0027】更に、リヤ出力軸77,77には後輪ブレ
ーキ装置J,Jが設けられている。後輪ブレーキ装置J
は、リヤ出力軸77に取り付けたディスク87,…にプ
レッシャプレート88,…を押し付けて制動するもので
あり、このプレッシャプレート88,…の駆動も前記作
動筒82で行う。すなわち、常時はサイドクラッチIが
入で、後輪ブレーキ装置Jが掛かっていない状態であ
り、シフタ85を操作して作動筒82を付勢方向と逆向
きに移動させると、サイドクラッチIが切れるととも
に、後輪ブレーキ装置Jが掛かるのである。これらサイ
ドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jの操作(左右シ
フタ85・85の操作)は、後述のステップ19上に設
けたペダル140又はステアリングレバー16の操作に
連繋して行われる。
【0028】リヤ出力軸77,77の後端部はケーシン
グ40外に突出し、この突出端部に前記後輪支持ケース
24,24に伝動する左右後輪伝動軸89,89が接続
されている。そして、この左右後輪伝動軸89,89に
より各々左右後輪7,7が駆動回転される構成となって
いる。
【0029】チェンジレバー90の操作位置は、後から
前方に操作する順に後進速、ニュートラル、作業速、路
上走行速となっている。また、デフロックレバー91を
前方に操作するとデフロック、後方に操作するとデフオ
ンとなる。従って、圃場内で田植作業を行なう場合に
は、デフロックレバー91をデフロックにし、チェンジ
レバーを作業速にシフトし、田植装置3の苗載台に苗を
載置し施肥装置4の肥料タンクに粒状肥料入れて、各部
を駆動させて前進すると、左右後輪7,7のデフロック
装置Fはデフロックされてデフ機能が停止した状態であ
るので、機体の直進性が良くて良好な田植作業と施肥作
業が同時に行なえる。また、路上走行の場合には、リヤ
デフ装置D及びフロントデフ装置E共にデフ機能が働く
状態に操作すれば、安全に走行できる。
【0030】油圧式変速装置HSTは、操縦席20の前
方右側に設けられた前記ステアリングレバー16の前後
方向の操作にて前進・後進・増減速・中立の各操作が行
なわれる。機体斜め前方から見た作動説明用斜視図であ
る図5に示すように、ステアリングレバー16は、機体
に前後方向に軸111にて回動自在に支持された操作レ
バー基部112に軸113にて左右方向に回動自在に支
持されており、前後方向及び左右方向何れの方向にも自
由に操作される構成になっている。尚、112aは、機
体側に設けられた操作レバー基部112を前後方向操作
位置で止める為の一般的な皿バネよりなる付勢機構であ
る。113aは、ステアリングレバー16を左右方向中
央位置に自動復帰させるトルクスプリングで一般的な中
立自動復帰機構を構成している。
【0031】そして、操作レバー基部112は、ロッド
114にて機体に回動自在に支持された位置決め軸11
5のアーム116に連結されている。位置決め軸115
には、扇型のカム板117が固定されており、このカム
板117には、ステアリングレバー16がニュートラル
位置Nの時にバネ118にて付勢されているポジション
ローラ119が嵌入する円弧溝117Nと、ステアリン
グレバー16が前進最大速位置Fの時にバネ118にて
付勢されているポジションローラ119が嵌入する円弧
溝117Fと、ステアリングレバー16が後進最大速位
置Rの時にバネ118にて付勢されているポジションロ
ーラ119が嵌入する円弧溝117Rとが形成されてい
る。
【0032】また、位置決め軸115には、HST操作
アーム120が設けられており、このHST操作アーム
120が油圧式変速装置HSTのトラニオン軸121に
固定されたトラニオン操作アーム122にロッド123
にて連結されている。従って、ステアリングレバー16
をニュートラル位置Nにしている時には、カム板117
の円弧溝117Nにポジションローラ119が嵌入し
て、油圧式変速装置HSTはニュートラルに保持されて
機体は停止状態である。そして、ステアリングレバー1
6をニュートラル位置Nから前進最大速位置Fに向けて
操作するほど、ロッド114・アーム116・位置決め
軸115・HST操作アーム120・ロッド123・ト
ラニオン操作アーム122・トラニオン軸121と連携
して作動し、トラニオン軸121が前進方向に徐々に操
作されて、機体は徐々に前進速度が速くなる。逆に、ス
テアリングレバー16をニュートラル位置Nから後進最
大速位置Rに向けて操作するほど、ロッド114・アー
ム116・位置決め軸115・HST操作アーム120
・ロッド123・トラニオン操作アーム122・トラニ
オン軸121と連携して作動し、トラニオン軸121が
後進方向に徐々に操作されて、機体は徐々に後進速度が
速くなる。
【0033】一方、機体に前後方向に回動自在に支持さ
れたスロットルレバー130に連結された操作ワイヤー
131がエンジン12のアクセル作動機構に連携してお
り、スロットルレバー130を増速方向に操作すると操
作ワイヤー131はイ方向に作動してアクセル作動機構
を全開方向に向けて作動させてエンジン12の回転を上
げる。そして、この操作ワイヤー131の中途部に係合
部材132が固定されており、前記位置決め軸115に
上下方向に設けられた2つの上アーム133Rと下アー
ム133Fに各々連結された操作ワイヤ134R・13
4Fが共にアクセル連動アーム135の下端に連結さ
れ、このアクセル連動アーム135は機体に回動自在に
支持され、その上部はフック状部135aになっており
係合部材132のエンジン側の操作ワイヤー131を抱
き込むように構成されている(フック状部135aは、
操作ワイヤー131の外側を自由に移動できるようにな
っている。換言すると、操作ワイヤー131は、フック
状部135aの内側を自由にイ方向及び反イ方向に移動
できる構成となっている)。
【0034】従って、スロットルレバー130を増速及
び減速方向に操作すると、操作ワイヤー131を介して
エンジン12の回転数を調節できる。一方、ステアリン
グレバー16をニュートラル位置Nから前進最大速位置
F又は後進最大速位置Rに向けて操作するほど、下アー
ム133F又は上アーム133Rの回動により操作ワイ
ヤ134F・134Rを引いてアクセル連動アーム13
5のフック状部135aをロ方向に移動させるので、フ
ック状部135aが係合部材132に接当して操作ワイ
ヤー131をイ方向に作動してアクセル作動機構を全開
方向に向けて作動させてエンジン12の回転を上げる。
即ち、ステアリングレバー16にて車速を速くするほど
連動して、エンジン12の回転数も上がるように構成さ
れている。従って、ステアリングレバー16にて変速操
作とエンジン12の回転数の操作が同時に行えるので、
操作性が良くて作業効率が良い(スロットルレバー13
0を操作する必要がない)。また、ステアリングレバー
16がニュートラル位置Nでスロットルレバー130を
最低速に減速した時に、フック状部135aが係合部材
132に接当し始める構成となっているので、ステアリ
ングレバー16がニュートラル位置Nではスロットルレ
バー130にて自由にエンジン12の回転数を上下調節
でき、ステアリングレバー16をニュートラル位置Nか
ら前進最大速位置F又は後進最大速位置Rに向けて途中
まで操作しているときには、自動的に連動して上げられ
たスロットル位置からスロットルレバー130にて自由
にエンジン12の回転数を上げることができる。
【0035】ここで、ステアリングレバー16の左右方
向の操作について、説明しておく。ステアリングレバー
16を左右方向に回動自在に支持する為の軸113の一
端部には、作動アーム113bがステアリングレバー1
6の左右方向への回動と一体に回動するように溶接され
ている。そして、操作レバー基部112より延出した支
持アーム113cに設けたポテンショメータP1にロッ
ド113dを介して連繋している。従って、ステアリン
グレバー16を左右方向に回動操作すると、ポテンショ
メータP1がその位置を検出できる構成となっている。
【0036】一方、ミッションケース11底面に支持さ
れた回動軸174にピットマンアーム175が固定され
ており、ピットマンアーム175の前部左右側と左右前
輪支持ケース22,22とは左右ロッド176,176
にて連結されている。また、回動軸174には、パワス
テアリング油圧シリンダー174aにて回動操作される
作動アーム174bの基部が固定されている。尚、作動
アーム174bのパワステアリング油圧シリンダー17
4aと連繋した反対側は、ピットマンアーム175の回
動角度を検出するポテンショメータP2にロッド174
cにて連繋されており、油圧シリンダー174aにて回
動操作されるピットマンアーム175の回動角度をポテ
ンショメータP2が常に検出する構成となっている。
【0037】そして、ステアリングレバー16を左右方
向中央位置から左右方向何れかに回動操作すると、ポテ
ンショメータP1がその位置を検出し、パワステアリン
グ電磁バルブ174dが制御装置170の左右前輪操向
手段の指令により切替えられて、ステアリングレバー1
6を左右方向中央位置から回動操作した位置に相当する
位置までパワステアリング油圧シリンダー174aにて
ピットマンアーム175が回動され、その位置をポテン
ショメータP2が検出するとパワステアリング電磁バル
ブ174dが左右前輪操向手段の指令によりニュウトラ
ル位置に切替えられて、油圧シリンダー174aの作動
は停止する。このように、ステアリングレバー16を左
右方向中央位置から左右方向何れかに回動操作すること
により、左右前輪6,6が操縦者の意思により自由に左
右操向操作される。
【0038】また、例えば、ステアリングレバー16を
左に最大位置まで回動させるとポテンショメータP1が
それを検出して、制御装置170の左右ブレーキ作動手
段により左比例電磁バルブ155Lが切替えられて、後
述の左油圧シリンダー144Lに油圧が供給され左油圧
ロッド144Laが進出して左カウンターアーム145
Lを回動させ、左後輪7のサイドクラッチIおよび後輪
ブレーキ装置Jを操作する左シフタ85を操作する左操
作アーム147Lを作動させて、左後輪7のサイドクラ
ッチが切れてブレーキが作動する。逆に、ステアリング
レバー16を右に最大位置まで回動させるとポテンショ
メータP1がそれを検出して、制御装置170の左右ブ
レーキ作動手段により右比例電磁バルブ155Rが切替
えられて、右油圧シリンダー144Rに油圧が供給され
右後輪7のサイドクラッチが切れてブレーキが作動す
る。従って、畦際で機体を旋回させる為に、ステアリン
グレバー16を左右何れかに最大位置まで回動すると、
自動的に旋回する方向の後輪7のサイドクラッチが切れ
てブレーキが作動し、急旋回(小回り)できて、作業性
が良い(従来のように、別途、サイドブレーキを踏まな
くてもよい)。尚、直進植付け作業時に、進路補正でス
テアリングレバー16を操作することがあるが、この直
進進路補正ではステアリングレバー16を最大位置まで
回動することはないので、直進植付け作業時に後輪片ブ
レーキが利いてしまうようなことはなく、良好な直進植
付け作業が行える。
【0039】更に、ステアリングレバー16のグリップ
部16aには、田植装置3の昇降及び植付伝動の入り切
りを行う上昇スイッチ16Uと下降スイッチ16Dとを
設けており、機体操向操作・車速変速から田植装置3の
昇降乃至作業伝動にわたる一連の操作を、グリップ部1
6aを把持したままで、昇降操作や植付伝動操作を行っ
て、速かな操作を行い操作性を高めることができる構成
となっている。
【0040】更に詳述すると、操縦者は、このステアリ
ングレバー16のグリップ部16aを把持した状態で、
上昇スイッチ16Uまたは下降スイッチ16Dを操作す
ることにより、制御装置170の田植装置昇降手段にて
ソレノイド油圧バルブ161を切り換えて油圧シリンダ
ー160を伸縮し、田植装置3を走行車両1に対して昇
降させることができる。更に、下降スイッチ16Dが一
度押し操作される毎に、制御装置170のPTOクラッ
チ作動手段によりPTOクラッチ作動SOL173を操
作して、施肥駆動ケース168内に設けられた動力を断
接するPTOクラッチを操作して施肥装置4及び田植装
置3への動力を入り切り交互に作動して、この施肥装置
4及び田植装置3の伝動を入り切り操作することができ
る。
【0041】一方、上昇スイッチ16Uは、押し操作毎
にソレノイド油圧バルブ161を切り換えて上昇と上昇
停止とに切り換えられ、下降スイッチ16Dは、一度押
し操作するとソレノイド油圧バルブ161を下降に切り
換えられるので、上昇スイッチ16Uと下降スイッチ1
6Dの押し操作毎に各々上昇とこの上昇停止、下降に切
り換えでき、これらの操作を的確にして容易化できる。
【0042】また、上昇スイッチ16Uは、押し操作す
ると田植装置3を上昇させることができるが、同時に、
田植装置3への作業伝動を切りに切り換えて作業を停止
させることができる。下降スイッチ16Dは、作業伝動
の入り切りを切り換えることもでき、前記のように下降
スイッチ16Dは、一度押し操作すると田植装置3を下
降させることができるが、再度押し操作すると田植装置
3への作業伝動が入りに切り換えられる。そして、その
後下降スイッチ16Dの押し操作毎に田植装置3への作
業伝動が入りと切りとに切り換えられて、作業を行わせ
たり停止させることができる。田植装置3を下降させる
同一下降スイッチ16Dで作業伝動とこの伝動停止とに
切り換えできて、操作性を高めることができる。
【0043】前記上昇スイッチ16Uと下降スイッチ1
6Dとの突出量を異ならせると、上昇スイッチ16Uと
下降スイッチ16Dとのグリップ部16aにおける突出
量が異なるのでスイッチ相互間の操作感覚が違い、上昇
スイッチ16Uと下降スイッチ16Dとの区別性が良く
なり誤操作を少くすることができる。
【0044】また、前記上昇スイッチ16Uはグリップ
部16aの先端側に位置させ、下降スイッチ16Dはこ
の上昇スイッチ16Uよりも下位に配置しているので、
ステアリングレバー16のグリップ部16aの先端側に
上昇スイッチ16Uが設けられ、この下側に下降スイッ
チ16Dが配置されるため、田植装置3の昇降方向と同
側に対応させて、操作の選択が正確に行われて、誤操作
を少くすることができる。
【0045】また、グリップ部16aには、押し操作に
よって田植装置3が下降し、押し操作解除で下降を停止
する下げ専用スイッチ16bを設けたので、ステアリン
グレバー16のグリップ部16aには、前記下降スイッ
チ16Dとは別に下降専用の下げ専用スイッチ16bを
有することとなり、畦際での作業開始の位置合せ等で
は、この下げ専用スイッチ16bの押し操作とその押し
操作解除とによって田植装置3の下降、停止の切り換え
を行わせることができ、微妙な位置合せが容易に行な
え、操作性を高めることができる。この下げ専用スイッ
チ16bは、上昇スイッチ16U及び下降スイッチ16
Dよりも後位に配置したので、使用頻度の少い下げ専用
スイッチ16bの誤操作を少くすることができる。
【0046】また、ステアリングレバー16をニュート
ラル位置Nから後進方向へ操作することを阻止する後進
阻止電磁ソレノイド200を通電していない時に突出し
ているそのソレノイドピン201の先端に設けた阻止体
202が、ステアリングレバー16をニュートラル位置
Nにした時に位置決め軸115のアーム116の後側に
接当するように設けて、通常では後進操作できないよう
にして安全性を上げている。そして、グリップ部16a
には、押し操作すると、制御装置170の後進阻止作動
手段の指令によりこの後進阻止電磁ソレノイド200に
通電しソレノイドピン201を退入させて、阻止体20
2がアーム116の作動位置から外れてステアリングレ
バー16をニュートラル位置Nから後進方向へ操作でき
るようにする後進阻止解除スイッチ16cが設けられて
いる。尚、操縦者は、後進阻止解除スイッチ16cを押
したままで(後進阻止電磁ソレノイド200に通電しソ
レノイドピン201を退入させた状態)、ステアリング
レバー16をニュートラル位置Nから後進方向へ操作す
る。ステアリングレバー16が後進域に入ると、後進阻
止解除スイッチ16cの押し操作を止めて後進阻止電磁
ソレノイド200に通電されても、阻止体202のガイ
ド面202aがアーム116に接当した状態となり、ア
ーム116はガイド面202aに沿って自由に移動でき
る。そして、ステアリングレバー16をニュートラル位
置N若しくは前進方向に操作すると、阻止体202は完
全に突出して、ステアリングレバー16をニュートラル
位置Nから後進方向へ操作することを阻止する状態とな
る。
【0047】203は、操作パネル17の後端部でステ
アリングレバー16の後方に配置して設けられたパイプ
材よりなる支持体であって、操縦者が片方の手でステア
リングレバー16のグリップ部16aを握った時に、操
縦者のその手を支えるものであると共に、他方の手で支
持体203を握って、身体を安定させる為のものであ
る。また、支持体203の上部には、ステアリングレバ
ー16のグリップ部16aの作動範囲を囲むようにガイ
ド枠204が設けられている。
【0048】この支持体203は、その左右幅が前部カ
バー14の左右幅と略同じか、若しくは、若干狭くなる
ように構成されており、前部カバー14の左右両側のス
テップ19が広く構成できるようになっており、作業者
がステップ19上を動き易くて作業性が良い(畦に機体
前部を着けて、畦から苗や肥料を機体に積込む苗供給作
業や肥料供給作業の時に、作業性が特に良い)。また、
ガイド枠204がステアリングレバー16のグリップ部
16aの作動範囲を囲むように設けられているので、誤
って、作業者の身体がグリップ部16aに触れてしまっ
て機体が誤作動するようなことが防止でき、安全である
(特に、畦から苗や肥料を機体に積込む苗供給作業や肥
料供給作業の時に作業者の身体がグリップ部16aに触
れてしまうことを防止できて、安全である)。
【0049】さて、上述のように機体を操向操作するス
テアリングレバー16をステッキ状の構成としたので、
従来の回転式の円いハンドルに比して、ステアリングレ
バー16と操縦席20との間隔を狭くでき、従って、操
縦席20から機体前端までの距離を短くした機体構成に
することができるので、ひいては、機体の全長を短く構
成できて小型の乗用型田植機を得ることができる。ま
た、後部に田植装置3を装着した形態の乗用型田植機に
あっては、どうしても機体重心が後方よりになり前後バ
ランスが悪くなる傾向があるが、この実施例によると、
操縦席20が機体前端に近づくので、操縦者の体重が機
体前側に移動し、前後バランスが良くなり、走行性能及
び苗植付性能が向上して良好なる田植え作業が行なえ
る。
【0050】140はクラッチとブレーキを共に操作す
るペダルであって、詳細の構成は後述するが、ステアリ
ングレバー16の右下側に配置されており、このペダル
140を踏み込むとメインクラッチが切れ、続いて左右
後輪ブレーキがかかり、機体は停止する。このペダル1
40と上記位置決め軸115の下アーム133Fとを操
作ワイヤ141にて連携している。即ち、ステアリング
レバー16をニュートラル位置Nから前進最大速位置F
に向けて操作しているときに上記のように自動的に連動
してエンジン回転数は上げられているが、この時、ペダ
ル140を踏み込むと(メインクラッチが切れるまで踏
み込んだ時点で)、操作ワイヤ141が引かれて下アー
ム133Fをステアリングレバー16がニュートラル位
置Nになるまで回動させる。従って、ステアリングレバ
ー16を前進最大速位置Fに向けて操作して機体を前進
させているときに、ペダル140を踏み込むと(メイン
クラッチが切れるまで踏み込んだ時点で)、ステアリン
グレバー16は自動的にニュートラル位置Nになり(エ
ンジン回転数も自動的に下がる)、安全に機体を停止さ
せることができる。
【0051】次に、図6・図7に基づいて、ペダル14
0の連携構成と左右後輪7・7のサイドクラッチIおよ
び後輪ブレーキ装置Jの作動構成を説明する。ペダル1
40の基部は、機体に回動自在に支持された回動支軸1
42に固定されている。そして、回動支軸142の左端
部には、クラッチ作動アーム149が固定されており、
クラッチ作動アーム149の先端には下方に向けて作動
ロッド150が設けられ、作動ロッド150の下端は、
機体に回動自在に支持されたクラッチシフタ151に設
けられたアーム152の先端部に連結されている。そし
て、クラッチシフタ151は、前記摺動部材48を作動
させてメインクラッチ43を入・切操作できる構成にな
っている。
【0052】一方、機体に上端部が回動自在に支持され
た左右油圧シリンダー144L・144Rの進出及び退
入する左右油圧ロッド144La・144Raの下端部
が、機体に回動自在に支持された左右カウンターアーム
145L・145Rの上部に連結されている。そして、
各左右カウンターアーム145L・145Rの下部から
後方に向けて左右連結ロッド146L・146Rが設け
られ、各左右連結ロッド146L・146Rの後端はサ
イドクラッチIおよび後輪ブレーキ装置Jを操作する左
右シフタ85・85を操作する左右操作アーム147L
・147Rに連結されている。
【0053】また、図7に示す油圧回路図において、油
圧式変速装置HSTは、可変容量形のHSTポンプPと
固定容量形のHSTモータMとをHST回路に有し、こ
のHSTポンプPの入力軸35をエンジン側から駆動す
ることによって、HST回路の油圧により出力軸36側
のHSTモータMを連動することができる一般的なもの
である。このHSTポンプPは、ステアリングレバー1
6の操作によってニュートラル位置Nから前進最大速位
置F方向(正方向)へ回動することにより斜板角によっ
てHSTモータMの回転が正方向へ順次増速され、又中
立域へ戻すことにより順次減速される。又、ニュートラ
ル位置Nから後進最大速位置R方向(逆方向)へ回動す
ることにより、同様に逆方向への回転が順次増速され
る。
【0054】このHST回路の油圧をHSTモータM側
から取出して、シャトル弁153及び減圧弁154を通
して、左右比例電磁バルブ155L・155Rにより切
替えられた油圧が、前記左右油圧シリンダー144L・
144Rに供給されるように構成している。
【0055】そして、ペダル140を踏込み操作してメ
インクラッチ43を切操作し、更に、踏込み操作する
と、ペダル140はブレーキ作動スイッチSW1を押し
てON操作し、上記左右比例電磁バルブ155L・15
5Rを同時に切替えて左右油圧シリンダー144L・1
44R両方に油圧を供給して、左右油圧ロッド144L
a・144Raが進出して左右カウンターアーム145
L・145Rを回動させ、左右後輪7・7のサイドクラ
ッチIおよび後輪ブレーキ装置Jを操作する左右シフタ
85・85を操作する左右操作アーム147L・147
Rを同時に作動させて、左右後輪7・7共にサイドクラ
ッチが切れてブレーキが作動する。
【0056】このように、ブレーキ用油圧源をHST回
路の油圧を利用することにより、特別にブレーキ用油圧
源を別途設けなくても良くて、構成が簡潔となり安価な
機械を得ることができる。また、左右油圧シリンダー1
44L・144Rをペダル140近傍の前部カバー14
内に縦方向に配置すれば、コンパクトで見栄えが良く、
更に、機械の小型化が可能となる。
【0057】次に、田植装置3は、走行車両1に昇降用
リンク装置2で昇降自在に装着されているのであるが、
その昇降させる構成と田植装置3の構成について説明す
る。先ず、走行車両1に基部が回動自在に設けた一般的
な油圧シリンダー160のピストン上端部を昇降用リン
ク装置2に連結し、走行車両1に設けた油圧ポンプ13
にてソレノイド油圧バルブ161を介して油圧シリンダ
ー160に圧油を供給・排出して、油圧シリンダー16
0のピストンを伸進・縮退させて昇降用リンク装置2に
連結した田植装置3が上下動されるように構成されてい
る。
【0058】田植装置3は、昇降用リンク装置2の後部
にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフ
レームを兼ねる植付伝動ケース162と、該植付伝動ケ
ース162に設けられた支持部材に支持されて機体左右
方向に往復動する苗載台163と、植付伝動ケース16
2の後端部に装着され前記苗載台163の下端より1株
分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具16
4…と、植付伝動ケース162の下部にその後部が枢支
されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であ
るセンターフロート165・サイドフロート166…等
にて構成されている。センターフロート165・サイド
フロート166…は、圃場を整地すると共に苗植付け具
164…にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく
設けられている。
【0059】167は両端にユニバーサルジョイントを
有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース168の
動力を田植装置3の植付伝動ケース162に伝達すべく
設けている。169はセンターフロート165前部の上
下位置を検出するポテンショメータにより構成されるセ
ンターフロートセンサーであって、センターフロート1
65の前部上面とリンクにより連携されている。そし
て、センターフロートセンサー169のセンターフロー
ト165前部の上下位置検出に基づいて、制御装置17
0の田植装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ16
1を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3の上
下位置を制御するように構成されている。
【0060】即ち、センターフロート165の前部が外
力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ
13にてミッションケース11内から汲み出された圧油
を油圧シリンダー160に送り込んでピストンを突出さ
せ昇降用リンク装置2を上動させて田植装置3を所定位
置まで上昇せしめ、また、センターフロート165の前
部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー16
0内の圧油をミッションケース11内に戻して昇降用リ
ンク装置2を下動させて田植装置3を所定位置まで下降
せしめ、そして、センターフロート165の前部が適正
範囲にあるとき(田植装置3が適正な所定位置にある
時)には油圧シリンダー160内の圧油の出入りを止め
て田植装置3を一定位置に保持せしめるべく設けられて
いる。このように、センターフロート165を田植装置
3の自動高さ制御のための接地センサーとして用いてい
る。
【0061】一方、図9はデフロックペダル91’の作
用を説明する斜視図であり、デフロックペダル91’の
下端に連携したデフ作動アーム216と前記前輪のデフ
ロック装置Hとが作動ロッド217にて連繋されてお
り、また、デフ作動アーム216の下方には前輪デフロ
ックスイッチSW2が配置されている。従って、デフロ
ックペダル91’を踏み込み操作すると、機体に回動自
在に設けられたデフ作動アーム216が回動して作動ロ
ッド217を引き前輪のデフロック装置Hのデフ機能が
停止操作され、前輪デフロックスイッチSW2が押され
てONになる。そして、前輪デフロックスイッチSW2
が押されてONになると、制御装置170の左右ブレー
キ作動手段により左右比例電磁バルブ155L・155
Rが切替えられて、左右油圧シリンダー144L・14
4Rの油圧が排出され左右油圧ロッド144La・14
4Raが退入して、左右後輪7・7のサイドクラッチが
入りブレーキが作動しなくなる(左右後輪7・7共に駆
動状態となる)。
【0062】従って、畦際で機体を旋回させる為に、ス
テアリングレバー16を左右何れかに200度以上回す
と、自動的に旋回する方向の後輪7のサイドクラッチが
切れてブレーキが作動し急旋回(小回り)できて作業性
が良いのであるが、この畦際旋回時に、左右前輪6・6
の何れかが湿田で耕盤の深い部分に入ってしまって左右
前輪6・6が空転をして機体が前進できなくなってしま
うような事態になることがある。このような事態の時に
は、操縦者はデフロックペダル91’を踏み込んで前輪
のデフロック装置Hのデフ機能が停止するように操作し
て、左右前輪6・6が同駆動回転する状態にして機体を
前進させようとするが、上記のとおり、デフロックペダ
ル91’を踏み込むと、前輪デフロックスイッチSW2
が押されてONになり制御装置170の左右ブレーキ作
動手段により左右油圧シリンダー144L・144Rの
油圧が排出されように左右比例電磁バルブ155L・1
55Rが切替えられるので、サイドクラッチが切れてブ
レーキが作動していた後輪7が駆動状態となり、機体の
前進駆動力が増すので左右前輪6・6が湿田で耕盤の深
い部分に入った事態から良好に脱出することができる。
また、この脱出時に左右後輪7・7が共に駆動状態とな
るので、左右後輪7・7が湿田で泥土を持ち上げて圃場
を乱すようなことも防止できる。
【0063】次に、田植装置3を自動的に上昇させる制
御構成について説明する。先ず、チェンジレバー90を
後進速に操作すると、チェンジレバー90の基部に設け
た接当片190が接当してONになるバックリフトスイ
ッチ191が設けられており、制御装置170の田植装
置上昇手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御し
て油圧シリンダー160にて田植装置3を最大位置まで
上昇させるように構成されている。
【0064】このように、チェンジレバー90を後進速
に操作すると、自動的に田植装置3を最大位置まで上昇
させるように構成しておくと、圃場の畦際で機体を旋回
させる為等に機体を畦に向かって後進させる時に、自動
的に田植装置3は最大位置まで上昇しているので、田植
装置3が畦に衝突して破損することが未然に防止でき作
業性が良い。
【0065】一方、操作パネル17には、田植装置3の
自動上昇を行わせる状態と行わせない状態とに切替える
自動リフト切替えスイッチ192が設けられており、即
ち、自動リフト切替えスイッチ192を自動にしている
と、上記のようにバックリフトスイッチ191がONに
なると自動的に田植装置3は制御装置170の田植装置
上昇手段により自動上昇される。そして、自動リフト切
替えスイッチ192をOFFにしていると、バックリフ
トスイッチ191がONになっても田植装置3は自動上
昇されない。尚、自動リフト切替えスイッチ192をO
FFにして、バックリフトスイッチ191がONになっ
ても田植装置3が自動上昇しない状態にしておくと、機
体を後進で納屋等にしまう時にチェンジレバー90を後
進速に操作しても田植装置3が自動上昇しないので、田
植装置3を下げたまま後進することができ、納屋の入口
上部や納屋内の他の部材に田植装置3をぶつけてしまう
ような事態が回避できる。
【0066】尚、上記の実施例では、ステアリングレバ
ー16を左又は右に最大位置まで回動させた時に、制御
装置170の左右ブレーキ作動手段により左又は右比例
電磁バルブ155L・155Rが切替えられ、左又は右
油圧シリンダー144L・144Rに油圧が供給されて
左又は右後輪7・7のサイドクラッチが切れてブレーキ
が作動する構成としたが、左右油圧シリンダー144L
・144Rから左右操作アーム147L・147Rへの
連繋機構中の左右連結ロッド146L・146Rの長さ
を短くして、左右油圧シリンダー144L・144Rに
油圧が供給されて左右油圧ロッド144La・144R
aが進出しても左右後輪7・7のサイドクラッチIのみ
が切れて後輪ブレーキ装置Jは作動しないように構成す
れば、畦際でステアリングレバー16を左又は右に最大
位置まで回動させて旋回する際に、旋回する側の左又は
右後輪7のサイドクラッチIのみが切れて後輪ブレーキ
装置Jは作動しないので、旋回する側の左又は右後輪7
は遊転状態となり圃場を乱すことが少なくなり耕盤を傷
めることも少なくて良好な苗植付け作業が行える(但
し、若干旋回半径が大きくなる)。尚、ステアリングレ
バー16を左又は右に最大位置まで回動させた場合に旋
回側の後輪クラッチが切れてブレーキは作動しない構成
としたが、旋回側の後輪クラッチが切れてブレーキが半
ブレーキ状態に作動するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である8条植え乗用型田植機
を示す全体側面図である。
【図2】図1に示す乗用型田植機の全体平面図である。
【図3】走行車両の伝動構成を示す概略平面図である。
【図4】ミッションケースの展開断面図である。
【図5】油圧式変速装置HSTの操作構成を示す前方か
ら見た斜視図である。
【図6】主クラッチ及び後輪サイドクラッチ・ブレーキ
の操作構成を示す斜視図である。
【図7】油圧回路図である。
【図8】ステアリングレバー16のグリップ部16aの
正面及び左側を示す図である。
【図9】前輪用のデフロックペダルの作用説明用斜視図
である。
【図10】チェンジレバー部の斜視図である。
【図11】制御系のブロック回路図である。
【符号の説明】
1;走行車両 3;作業装置(田植装置) 6;左右走行装置(左右前輪) 7;左右後輪 14;前部カバー 16;ステアリングレバー 16a;ステアリングレバー16のグリップ部 16U;作業装置3を上下動させる手段(上昇スイッ
チ) 16D;作業装置3を上下動させる手段・作業装置3へ
の動力伝動及び切断を切替える手段(下降スイッチ) 16b;作業装置3を上下動させる手段(下げ専用スイ
ッチ) 19;ステップ 20;操縦席 203;支持体 204;ガイド枠 E;フロントデフ装置 I;サイドクラッチ J;後輪ブレーキ装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右走行装置6を装備した走行車両1に
    作業装置3を上下動自在に装着すると共に、左右方向に
    操作することにより機体を操向操作するステアリングレ
    バー16を操縦席20の前方に設けた乗用型作業機にお
    いて、該ステアリングレバー16に作業装置3を上下動
    させる手段と作業装置3への動力伝動及び切断を切替え
    る手段とを設けたことを特徴とする乗用型作業機。
  2. 【請求項2】 左右走行装置6が左右前輪であり、ステ
    アリングレバー16を機体旋回の為に所定量以上に操作
    すると、旋回中心側の後輪7のサイドクラッチIが自動
    的に切れて駆動が停止するように構成したことを特徴と
    する請求項1記載の乗用型作業機。
  3. 【請求項3】 左右走行装置6が左右前輪であり、ステ
    アリングレバー16を機体旋回の為に所定量以上に操作
    すると、旋回中心側の後輪7のサイドブレーキJが自動
    的に制動作動されるように構成したことを特徴とする請
    求項1記載の乗用型作業機。
  4. 【請求項4】 ステアリングレバー16の操縦席20側
    に操縦者の手を支える支持体203を設けたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項3記載の乗用型作業機。
  5. 【請求項5】 ステアリングレバー16のグリップ部1
    6aの作動範囲を囲むようにガイド枠204を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の乗用型作業
    機。
  6. 【請求項6】 機体前部に設けた前部カバー14の左右
    両側にステップ19を設け、支持体203の左右幅を前
    部カバー14の左右幅と略同じか若しくは多少幅狭にし
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の乗用型
    作業機。
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