JP2003124012A - 複合磁石、複合磁性材料、および、モータ - Google Patents

複合磁石、複合磁性材料、および、モータ

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JP2003124012A JP2001314939A JP2001314939A JP2003124012A JP 2003124012 A JP2003124012 A JP 2003124012A JP 2001314939 A JP2001314939 A JP 2001314939A JP 2001314939 A JP2001314939 A JP 2001314939A JP 2003124012 A JP2003124012 A JP 2003124012A
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ferromagnetic
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Matahiro Komuro
又洋 小室
Teruyoshi Abe
輝宜 阿部
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2種以上の磁石粉末の混合物を用いた磁石であ
って、室温以上の温度でも高い残留磁束密度を有する磁
石を提供する。 【解決手段】2種類以上の強磁性材料(SmCo系とN
dFeB系)の粉末を含み、該2種類以上の強磁性材料
のうち、最もキュリー温度の高い強磁性材料(SmCo
系)の粉末は、平均粒径が、他の強磁性材料(NdFe
B系)の粉末の平均粒径と同等またはそれ以上である。
これにより、両強磁性材料は磁気的に結合し、粉末の混
合体の全体のキュリー温度を高めることができ、高温で
も残留磁束密度(Br)の減少率の小さい、高残留磁束
密度(Br)の磁石を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の磁性材料を
含む複合磁石に関し、特に、磁性粉末をバインダーで結
合することにより製造した複合磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】1種以上の磁石粉末と有機バインダーと
を混合して、圧縮成形法等により成形した、いわゆるボ
ンド磁石が知られている。例えば、特開平11−307
378号公報には、希土類磁石粉末と熱可塑性樹脂(ポ
リブチレンテレフタレート)とを、樹脂の軟化または溶
融温度で混練した後、所望の磁石形状に温間成形する方
法が開示されている。本公報では、希土類磁石粉末とし
ては、SmCo系粉末、R−Fe−B系合金粉末(ただ
しRは、Yを含む希土類元素)およびSmFeN系粉末
のうちのいずれか、または、これらのうちの少なくとも
2種類を混合することを開示している。磁粉の粒径は、
0.5〜500μm程度が好ましく、1〜100μm程
度がより好ましいと記載されている。また、少量の結合
樹脂で、良好な成形性、高い密度、高い磁気性能を得る
ために、磁石粉末の粒径分布は、ある程度ブロードであ
ることが好ましいと記載されている。また、具体的な磁
石粉末の粒径として、急冷Nd11Pr1FebalCo56
粉末の平均粒径が175μm、急冷Nd12FebalCo3
Nb26粉末の平均粒径が180μm、Sm(Co0.
504Cu0.05Fe0.82Zr0.0188.3粉末の平均粒径が
10μm、Sm2Fe17 3粉末の平均粒径が3μm、H
DDR法による異方性Nd18FebalCo11Ga18
末の平均粒径が10μmと記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁石粉末をバインダー
で結合したボンド磁石は、焼結が不要であるため成形の
自由度が大きく、焼結できないような構造物の凹部等
に、磁石粉末とバインダーの混合物を直接充填して成形
することも可能である。このため、非常に広い用途が期
待できる。しかしながら、従来の磁石粉末をバインダー
で結合した永久磁石は、室温よりも高い温度での残留磁
束密度(Br)や保磁力が小さいため、電気自動車や発
電機等のように高温で使用される用途に使用するには磁
気特性が不十分であった。
【0004】室温よりも高い温度で大きな残留磁束密度
(Br)をもつようにするためには、磁石粉末としてキ
ュリー点が高温の材料のみを用いることが考えられる
が、キュリー点が高温の磁石材料は材料価格が高いもの
が多く、低コストに磁石を製造することが困難になる。
【0005】本発明は、2種以上の磁石粉末の混合物を
用いた磁石であって、室温以上の温度でも高い残留磁束
密度を有する磁石を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば以下のような複合磁石が提供され
る。
【0007】すなわち、2種類以上の強磁性材料の粉末
を含み、該2種類以上の強磁性材料のうち、最もキュリ
ー温度の高い強磁性材料の粉末は、平均粒径が、他の強
磁性材料の粉末の平均粒径と同等またはそれ以上である
ことを特徴とする複合磁石である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態の複合磁石
について説明する。
【0009】本実施の形態では、室温以上200℃以下
の範囲で残留磁束密度(Br)が、従来のボンド磁石よ
りも大きな値を示す永久磁石を提供する。本実施の形態
の永久磁石は、2種以上の強磁性体の粉末を含む複合磁
石である。強磁性体の粉末の粒径は、最もキュリー温度
が高い強磁性体の粉末の平均粒径が、残りの種類の強磁
性体の粉末の平均粒径よりも大きくなるように設計され
ている。このような粒径の関係にすることにより、粒径
の小さい強磁性体粉末は、粒径が大きな、キュリー温度
の高い強磁性体粉末の発生する静磁界中に存在する確率
が高くなる。これにより、粒径の小さな低キュリー温度
の強磁性体粉末は、キュリー温度の高い強磁性体の静磁
界の影響を強く受け、磁化方向が、粒径の大きい強磁性
体粉末の磁化と同じ方向に向き、両強磁性体は磁気的に
結合する。これにより、粒径の小さな強磁性体粉末のキ
ュリー温度が実質的に高められ、強磁性体粉末の混合物
全体のキュリー温度は、粉末の平均粒径の関係を調整し
ていない場合よりも高くなる。例えば後述するように、
ジュリー温度を10℃以上高くすることが可能である。
【0010】キュリー温度の高い磁性体は、残留磁束密
度(Br)の温度依存性(Br温度係数)が小さいた
め、高温になっても残留磁束密度(Br)の減少量が小
さい。よって、本実施の形態の平均粒径の関係を調整し
た強磁性体の混合物は、残留磁束密度の温度依存性(B
r温度係数)が小さく、室温以上200℃以下の範囲で
の残留磁束密度を、平均粒径の小さい強磁性体単体のキ
ュリー温度ならびに粒径の関係を調整していない強磁性
体の混合物のキュリー温度よりも高めることができる。
【0011】これを具体的な強磁性体材料を示してさら
に説明する。ここでは、母材としてNdFeB系強磁性
体の粉末を用い、NdFeB系強磁性体よりもキュリー
温度の高いSmCo系強磁性体(キュリー温度700℃
以上)の粉末を添加する例について説明する。この組み
合わせの場合、SmCo系強磁性体の方がキュリー温度
が高いので、SmCo系強磁性体粉末の平均粒径が、N
dFeB系磁性体粉末の平均粒径よりも大きくなるよう
に設計する。これにより、NdFeB系強磁性体とSm
Co系磁性体の両粉末を混合すると、NdFeB系磁性
体粉末の磁化は、SmCo系磁性体の磁化と同じ方向を
向き、両粉末が磁気的に結合する。よって、NdFeB
系磁性体粉末のキュリー温度を、実質的に高めることが
できる。
【0012】これに対し、SmCo系磁性体粉末の平均
粒径が、NdFeB系磁性体粉末の平均粒径よりも小さ
い場合、SmCo系磁性体粉末の一部の磁化がNdFe
B系磁性体粉末の磁化に対して反転しやすくなり、キュ
リー温度を高める効果は得られない。
【0013】このように、キュリー温度の低いNdFe
B系磁性体の粒径を、キュリー温度の高いSmCo系強
磁性体より小さくすることにより、NdFeB系磁性体
を母材としながら、両粉末の混合物のキュリー温度は、
NdFeB系磁性体単独の場合ならびに粒径を調整して
いない場合よりも大きくすることができ、室温以上(例
えば150〜200℃)の温度範囲における残留磁束密
度(Br)を高めることができる。したがって、安価な
低キュリー温度のNdFeB系磁性体を母材としなが
ら、高温でも残留磁束密度(Br)の大きな磁石を得る
ことができる。
【0014】平均粒径の関係を調整した2種以上の強磁
性体粉末の混合物を成形するためには、焼結して焼結磁
石とする手法を用いるか、もしくは、強磁性体粉末の混
合物にバインダーを添加して成形し、いわゆるボンド磁
石とする手法を用いることがことができる。バインダー
を添加してボンド磁石にする場合、焼結が不要であり、
圧縮成型、射出成型等により所望の形状に成形できるた
め、形成できる形状の自由度が大きく、製造コストも低
い。
【0015】ボンド磁石を製造する場合、2種以上の強
磁性体粉末の混合物と、バインダーとを混合した後、加
熱することによりバインダーを軟化または溶融させて、
所望の形状に成形する。加熱時には、外部磁界を印加し
て、強磁性体粉末を外部磁界の方向に配向させ、配向し
た状態で冷却し硬化させる。成型方法としては、圧縮成
型、射出成型、押し出し成型等を用いることができる。
圧縮成型の場合、圧縮時に加熱する方法や、圧縮して所
望形状に成形した後で加熱する方法にすることが可能で
ある。
【0016】バインダーとしては、有機材料や、低融点
の金属を用いることができる。
【0017】有機材料のバインダーとしては、ポリアミ
ド-12やPPS(ポリエチレンスルフィド)等の熱可
塑性樹脂や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、
EVA(エチレン−ビニルアセテート)、CPE(塩素
化ポリエチレン)、NR(天然ゴム)、DAP(ジアリ
ルフタレート)、フェノール樹脂等を用いることができ
る。
【0018】低融点金属バインダーとしては、混合物に
含まれるすべての強磁性体のキュリー温度よりも低い温
度で軟化または溶融する金属あるいは合金を用いる。例
えば、Al合金、In合金、Mg合金、Sn合金、Zn
合金、Ga合金、Bi合金等を用いることができる。こ
れらの合金には、Fe、Co,Ni等の磁性材料を含ま
せることもできる。
【0019】低融点金属または合金をバインダーとして
用いた場合、有機材料と比較して高温でも安定であるた
め、高温で使用される磁石をボンド磁石で製造すること
ができる。また、金属または合金のバインダーは、有機
材料と比較して吸湿しにくいため、強磁性材料の粉末に
酸化等の劣化が生じにくい。また、100℃以上の熱せ
られた場合でもバインダーから水分が蒸発してバインダ
ーの結合力に支障をきたすおそれもない。
【0020】また、低融点金属または合金をバインダー
として用いた場合、これらの金属または合金の一部を、
強磁性体粉末の粒界あるいは粒内に拡散させることがで
きる。一般にInが微量濃度で拡散した強磁性体は、キ
ュリー温度が高くなることが知られている。そこで、I
nまたはInを含む合金をバインダーとして用いること
により、Inが強磁性体粉末の粒界または粒内に拡散さ
せることができ、強磁性体粉末のキュリー温度を高める
ことができる。これにより、平均粒径の関係を調整した
強磁性体粉末を用いた磁石のキュリー温度をさらに高め
ることが可能である。また、低融点金属または合金バイ
ンダーとして、Fe、Co,Ni等の磁性材料を含むも
のを用いることができる。これにより、外部磁界を印加
して磁性体粉末を配向させる際に、バインダー中にも磁
束が侵入するため、バインダー量の多い磁石であって
も、小さな外部磁界で効果的に配向させることが可能に
なる。
【0021】以下、本発明のさらに具体的な実施の形態
について説明する。
【0022】第1の実施の形態の永久磁石は、強磁性体
の粉末として、Sm(Co0.82Fe 0.1Cu0.05Zr
0.038の粉末と、Nd12FebalCo36(ただしFe
balは、残部がFeであることを示す)の粉末の2種類
を用いる。SmCo系強磁性体であるSm(Co0.82
0.1Cu0.05Zr0.038は、キュリー温度が700℃
以上と高温であり、NdFeB系強磁性体のNd12Fe
balCo36のキュリー温度よりも高い。よって、本実
施の形態では、Sm(Co0.82Fe0.1Cu0.05Zr
0.038の粉末の平均粒径を、Nd12FebalCo36
平均粒径よりも大きくする。ここでは、図1に示したよ
うに、粒径比=((Sm(Co0.82Fe0.1Cu0.05
0.038の平均粒径)/(Nd12FebalCo36の平
均粒径))が1以上の4種の磁性体粉末混合物を作製し
た。いずれの混合物も、Sm(Co0.82Fe0.1Cu
0.05Zr0.038の粉末とNd12FebalCo36の粉末
との混合比率は、体積比率で約3:7である。すなわ
ち、Nd12FebalCo36が母材であり、Sm(Co
0.82Fe0.1Cu0.05Zr0.038が添加材である。な
お、図1のように、比較例として、粒径比が1よりも小
さい磁性体粉末混合物も作製している。
【0023】磁性体粉末の混合物を作製するため、図1
の粒径比を達成する平均粒径を有するSm(Co0.82
0.1Cu0.05Zr0.038の粉末とNd12FebalCo3
6の粉末とを用意し、これらをメカニカルアロイング
法等の混合装置により混合した。この混合により、磁性
体の粒は粉砕されるが、粉砕が一様であるため粒径比は
維持されている。
【0024】本実施の形態では、バインダとしてIn-
3%Al(組成In97Al3の合金)を用いる。このI
n-3%Alを、磁性体粉末の混合物に対して10vo
l%混ぜ、圧縮成型する。圧縮成型時には、In-3%
Alが軟化または溶融する温度で、外部磁界を印加し、
磁性体粉末を配向させた後、冷却し硬化させる。これに
より、図1に示した4種類の粒径比の永久磁石を製造し
た。
【0025】製造した第1の実施の形態の永久磁石の1
50℃における残留磁束密度(Br)(単位テスラー
(T))を測定した。その結果を図1に示す。図1から
明らかなように、粒径比が1付近で残留磁束密度(B
r)は急激に増加し、粒径比が1を超えると粒径比が大
きくなるほど残留磁束密度(Br)は大きくなることが
わかる。この傾向は、測定温度200℃においても同様
であった。これは、キュリー温度の高い磁性体粉末の平
均粒径を、キュリー温度の低い磁性体粉末の平均粒径よ
りも大きくしたことにより、混合物全体のキュリー温度
が高められ、残留磁束密度(Br)の温度依存性(Br
温度係数)が小さくなったためである。これにより、高
温(150℃から200℃)での残留磁束密度(Br)
の減少量が、キュリー温度の低いNd12FebalCo3
6の残留磁束密度(Br)の減少量よりも小さくなるた
め、高温での残留磁束密度(Br)が増加している。
【0026】また、上述の4種の粒径比の磁性体粉末混
合物に、0.5at%の割合でInを添加し、他の条件
は上記の場合と同様にして永久磁石を製造したところ、
図1に示したように残留磁束密度(Br)はさらに増加
し、粒径比が1を超えた場合にBrの値は1.0Tと大
きな値が得られた。これは、Inを添加したことによ
り、磁性体粉末の粒界または粒内にInが微量に拡散し
たため、磁性体のキュリー温度がさらに高まり、磁化曲
線の角型比が増加したためである。また、磁性体粉末混
合物に0.5at%の割合Inを添加した場合の粒径比
1における残留磁束密度(Br)の温度依存性を測定し
た。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、
250℃においても0.8Tを超える値を示しており、
高温でも残留磁束密度(Br)の大きな永久磁石を提供
できることがわかる。
【0027】次に、第2の実施の形態の永久磁石を説明
する。第2の実施の形態の永久磁石は、強磁性体の粉末
として、SmCo系のSm(Co0.82Fe0.1Cu0.05
Zr0 .038 の粉末とSmFeN系のSm2Fe173
の粉末を用いる。SmCo系強磁性体であるSm(Co
0.82Fe0.1Cu0.05Zr0.038は、キュリー温度が7
00℃以上と高温であり、SmFeN系のSm2Fe17
3のキュリー温度よりも高い。よって、本実施の形態
では、Sm(Co0.82Fe0.1Cu0.05Zr0.038の粉
末の平均粒径を、Sm2Fe173の平均粒径よりも大き
くする。ここでは、図2に示したように、粒径比=
((Sm(Co0.82Fe0.1Cu0.05Zr0.038の平均
粒径)/(Sm2Fe173の平均粒径))が1以上の4
種類の混合物を作製した。いずれの混合物も、Sm(C
0.82Fe0.1Cu0.05Zr0.038の粉末とSm2Fe
173の粉末との混合比率は、体積比率で約3:7であ
る。なお、図2のように、比較例として、粒径比が1よ
りも小さい磁性体粉末混合物も作製している。混合方法
は、第1の実施の形態と同様である。混合後も粒径比は
維持されている。
【0028】これらの強磁性体粉末の混合物について、
150℃における残留磁束密度(Br)の値を測定した
結果を図2に示す。粒径比が1よりも小さいと残留磁束
密度(Br)は小さいが、粒径比が1を超えると0.8
T以上となり、さらに粒径比を大きくすると残留磁束密
度(Br)は0.9T以上となる。混合物に、Inを1
at%添加すると残留磁束密度(Br)はさらに増加
し、粒径比10以上の混合物では残留磁束密度(Br)
が1.0Tと大きな値が得られる。
【0029】図2に示した粒径比1以上の強磁性体粉末
の混合物を焼結することにより焼結磁石を得ることがで
きる。また、バインダーを用いて成形することにより、
ボンド磁石を得ることができる。
【0030】上記第1および第2の実施の形態では、そ
れぞれの2種類の強磁性体の粉末を混合する例について
示したが、3以上の強磁性体の粉末を混合することもも
ちろん可能である。この場合も、最もキュリー温度の高
い強磁性体の粉末の平均粒径を他の種類の強磁性体の粉
末の平均粒径よりも大きくする。例えば、第1及び第2
の実施の形態で示したSmCo系の強磁性体粉末、Nd
FeB系の強磁性体粉末、および、SmFeN系の強磁
性体粉末の3種類を混合して永久磁石を製造する場合、
キュリー温度の最も高いSmCo系の強磁性体粉末の平
均粒径を他の2種類の平均粒径よりよりも大きくする。
これにより、磁石の温度特性を向上させることができ
る。永久磁石の温度特性が向上するかどうかは、第2の
実施の形態のように焼結前または成形前に、粉末の混合
物の状態で磁気特性を測定することにより確認すること
ができる。
【0031】なお、SmCo系磁性体粉末の保磁力は1
50℃において10kOe以上の値を示し、SmCo
系、NdFeB系、SmFeN系磁性体を、保磁力の大
きい順に並べるとSmCo系磁粉、SmFeN系磁粉、
NdFeB系磁粉となる。よって、第1及び第2の実施
の形態の強磁性体粉末の混合物を保磁力の観点からみる
と、低保磁力の磁性体材料(NdFeB系、SmFeN
系)粉末に、高保磁力の磁性体材料(SmCo系)粉末
を混合する場合に、保磁力の大きな磁性体材料の粉末の
粒径を最大にすることにより、両者を磁気的に結合させ
ることができ、低保磁力の磁性体材料の保磁力を実質的
に高めることができることがわかる。
【0032】つぎに、第3の実施の形態として、2種類
以上の強磁性体粉末を混合して作製する永久磁石とし
て、好ましい強磁性体粉末の組み合わせについて説明す
る。NdFeB系の磁性体粉末に対して添加することに
より、温度特性向上に効果がある磁性体粉末は、Sm2
Co17やRFe11-11.50.5-1(ただし、Rは希土類元
素、XはNb、Ti、Mo、V、Mn、W、Si、Ge
のうちの1以上の元素である。)や、これらの窒化物を
用いることができる。Sm2Co17を添加した場合、磁
性体粉末混合物の全体のキュリー温度が10℃以上増加
し、不可逆減磁率を0.1%以上抑制することができ
る。また、RFe11-11.5Nb0.5-1系を添加した場合、
Rの希土類元素の種類によりその効果は異なるが、Gd
やSmをRとして使用すると温度特性の向上が著しい。
表1に磁性体の組み合わせ(母材と添加材として示す)
と、混合割合(混合物中の添加材の体積%)、粒径比
(母材と添加材の平均粒径の比)の具体例と、その混合
物の残留磁束密度の温度係数(150℃)の減少率を測
定した結果を示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の磁性体の混合物を焼結またはバイン
ダーを用いて成形することにより、永久磁石を製造する
ことができる。
【0035】つぎに、第4の実施の形態として、上述し
てきた実施の形態のボンド磁石を用いて構成される装置
について説明する。
【0036】上述してきた本実施の形態の磁石は、高温
で高い残留磁束密度(Br)および保磁力を有するた
め、電気自動車、発電機等に使用することができる。例
えば、電気自動車、発電機等に使用されるモータの磁石
として使用することができる。これを具体的に説明す
る。モータは、ロータシャフト(回転子)と、その外側
に配置されたヨーク(不図示)およびコイル(不図示)
を含んでいる。ロータシャフト(回転子)は、図4のよ
うに、電磁鋼板で形成されたコア2と、コア2を貫くシ
ャフト3とを含んでいる。コア2の周縁部には、開口部
が長方形で予め定められた深さを有する複数の凹部1a
が形成されている。凹部1aの内部には、上述してきた
実施の形態の強磁性体の平均粒径が調整されたボンド磁
石1が配置されている。ボンド磁石1は、上述の第1か
ら第3の実施の形態の磁性体粉末の混合物に、バインダ
ーとしてIn−Al合金を混合した後、In−Alが軟
化または溶融する温度(例えば約200℃)まで加熱し
たものを、コア2の凹部1aを金型として凹部1a内に
直接充填して0.5ton/cm2の圧力で圧縮成型す
ることにより成形して製造したものである。なお、圧縮
成型時には磁界を印加し、配向させている。
【0037】ボンド磁石1の強磁性体粉末の混合物は、
上述してきた実施の形態の強磁性体粉末の混合物である
ため、キュリー温度の最も高い磁性体の粉末の平均粒径
が、他の磁性の粉末の平均粒径よりも大きくなるよう設
計されている。よって、ボンド磁石1は、高温(150
〜200℃)での残留磁束密度(Br)が大きいため、
電気自動車や発電機等のように高温(150〜200
℃)となる用途で本実施の形態のモータを使用すること
ができる。この場合、高温(150〜200℃)でのボ
ンド磁石1の特性劣化が生じにくいため、モータ特性の
変動が生じにくく、電気自動車や発電機等の性能を安定
させることができる。
【0038】また、ボンド磁石1をコア2の凹部1aを
金型として直接圧縮成型することができるため、予め焼
結しておいた焼結磁石を凹部1a内に挿入・固定する場
合と比較して、安価に製造することができるとともに、
磁石1とコア2との間に隙間が発生しにくいという効果
が得られる。
【0039】また、ボンド磁石1の配向は、圧縮成型時
に外部磁界により行う代わりに、ロータシャフト(回転
子)を回転させることにより配向(着磁)させることも
可能である。この場合、図4のようにモータの回転子の
円周方向に磁石1を分割して配列し、1個の磁石1を1
極とする。磁石1間、及び、シャフト3と回転子外側の
ヨーク(不図示)間を強磁性材料で構成し、磁石1とシ
ャフト3間に非磁性部(不図示)を設け、回転子外側の
コイル(不図示)及びヨーク(不図示)、あるいは、シ
ャフト3を回転させることにより、磁石1の正弦波的着
磁させることが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、2種以
上の磁石粉末の混合物を用いた磁石であって、室温以上
の温度でも高い残留磁束密度を有する磁石を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の2種類の磁性体粉
末を含む磁石の残留磁束密度(Br)と、2種類の磁性
体粉末の粒径比との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の第2の実施の形態の2種類の磁性体粉
末の混合物の残留磁束密度(Br)と、2種類の磁性体
粉末の粒径比との関係を示すグラフである。
【図3】第1の実施の形態の2種類の磁性体粉末を含む
磁石の残留磁束密度(Br)の温度依存性を示すグラフ
である。
【図4】本発明の第4の実施の形態のモータのロータシ
ャフト(回転子)の、シャフト3の軸に垂直な方向の断
面構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・磁石、 2・・・コア、 3・・・シャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 7/02 H01F 41/02 G 41/02 H02K 15/03 C H02K 15/03 B22F 3/00 C // B22F 3/00 H01F 1/06 A Fターム(参考) 4K018 AA11 AA12 AA27 BA05 BA06 BA18 BB04 GA03 GA04 KA46 5E040 BB01 CA01 NN01 NN04 5E062 CC05 CD04 5H622 DD02 QA02 QA03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類以上の強磁性材料の粉末を含み、該
    2種類以上の強磁性材料のうち、最もキュリー温度の高
    い強磁性材料の粉末は、平均粒径が、他の強磁性材料の
    粉末の平均粒径と同等またはそれ以上であることを特徴
    とする複合磁石。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の複合磁石において、前記
    2種類以上の強磁性材料のいずれのキュリー温度よりも
    低い温度で、軟化または溶融するバインダ材料を含むこ
    とを特徴とする複合磁石。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の複合磁石において、前記
    バインダ材料は、金属あるいは合金であることを特徴と
    する複合磁石。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の複合磁石におい
    て、前記バインダ材料は、磁性材料を含むことを特徴と
    する複合磁石。
  5. 【請求項5】請求項2,3または4に記載の複合磁石に
    おいて、前記バインダ材料は、Inを含むことを特徴と
    する複合磁石。
  6. 【請求項6】請求項1または5に記載の複合磁石におい
    て、前記2種類以上の強磁性材料の粉末の少なくとも一
    部分には、In拡散していることを特徴とする複合磁
    石。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6に記載
    の複合磁石において、前記2種類以上の強磁性材料は、
    最もキュリー温度の高い強磁性材料と、前記他の強磁性
    材料とが磁気的に結合していることを特徴とする複合磁
    石。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の複合磁石において、前記
    最もキュリー温度の高い強磁性材料の磁化方向と、前記
    他の強磁性材料の磁化方向とが一致していることを特徴
    とする複合磁石。
  9. 【請求項9】2種類以上の強磁性材料の粉末を含み、該
    2種類以上の強磁性材料のうち、最もキュリー温度の高
    い強磁性材料の粉末は、平均粒径が、他の強磁性材料の
    粉末の平均粒径と同等またはそれ以上であることを特徴
    とする複合磁性材料。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の複合磁性材料におい
    て、前記2種類以上の強磁性材料の粉末には、Inが添
    加させていることを特徴とする複合磁性材料。
  11. 【請求項11】2種類以上の強磁性材料の粉末を含み、
    前記2種類以上の強磁性材料のうち、最も高保磁力の強
    磁性材料の粉末は、平均粒径が、他の強磁性材料の粉末
    の平均粒径と同等またはそれ以上であることを特徴とす
    る複合磁性材料。
  12. 【請求項12】回転子を有するモータであって、前記回
    転子には磁石が備えられ、 該磁石は、2種類以上の強磁性材料の粉末を含み、該2
    種類以上の強磁性材料のうち、最もキュリー温度の高い
    強磁性材料の粉末は、平均粒径が、他の強磁性材料の粉
    末の平均粒径と同等またはそれ以上であることを特徴と
    するモータ。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のモータにおいて、前
    記磁石は、前記2種類以上の強磁性材料のいずれのキュ
    リー温度よりも低い温度で、軟化または溶融するバイン
    ダ材料を含むことを特徴とするモータ。
  14. 【請求項14】請求項13に記載のモータにおいて、前
    記回転子は前記磁石を支持するコアを有し、前記コアに
    は、前記磁石が内部に配置される凹部が設けられ、 前記磁石は、前記凹部に直接充填されて成形されたもの
    であることを特徴とするモータ。
  15. 【請求項15】磁石を含む装置であって、該磁石は、2
    種類以上の強磁性材料の粉末を含み、該2種類以上の強
    磁性材料のうち、最もキュリー温度の高い強磁性材料の
    粉末は、平均粒径が、他の強磁性材料の粉末の平均粒径
    と同等またはそれ以上であることを特徴とする装置。
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