JP2003123759A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
クルの安定性、安全性に優れた二次電池を提供する。 【解決手段】 少なくとも正極、負極、電解質を構成要
素とする二次電池において、正極および負極の少なくと
も一方の活物質が、式(1)等で表されるラジカル化合
物よりなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物を含
む二次電池。 【化1】 (式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立して
式(3)で表される基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
ヒドロキシル基またはシアノ基を表し、R1〜R8はそれ
ぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。) 【化2】 (式(3)において、R10はアルキル基または置換もし
くは無置換のフェニル基を表す。)
Description
のであり、特にエネルギー密度が高く、高容量で安定性
に優れた二次電池に関する。
小型あるいは携帯電子機器の急速な市場拡大に伴い、こ
れらに用いられる電池に対して軽量化、容量化に対する
要求が高まっている。この要求に応えるために、リチウ
ムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体としてその
電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が盛ん
に開発されている。なかでも、リチウムイオン二次電池
は安定性に優れたエネルギー密度の大きな高容量電池と
して種々の電子機器に利用されている。このようなリチ
ウムイオン二次電池は活物質として正極にマンガン酸リ
チウムやコバルト酸リチウムといったリチウム含有遷移
金属酸化物、負極に炭素を用いたものであり、これら活
物質へのリチウムイオンの挿入、脱離反応を利用して充
放電を行っている。
池は特に正極に比重の大きな金属酸化物を用いているた
め、単位質量当たりの電池容量は充分とは言えず、より
軽量の電極材料を用いて高容量電池を開発しようとする
試みが検討されてきた。例えば、米国特許第4,83
3,048号公報、および特許第2715778号公報
にはジスルフィド結合を有する有機化合物を正極に用い
た電池が開示されている。これはジスルフィド結合の生
成、解離を伴う電気化学的酸化還元反応を電池の原理と
して利用したものである。この電池は硫黄や炭素といっ
た比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構成さ
れているため、高エネルギー密度の大容量電池という点
において一定の効果を奏している。しかし、解離した結
合が再度結合する効率が小さいことや活物質の電解液へ
の拡散のため、充放電サイクルを重ねると容量が低下し
やすいという欠点がある。
して、導電性高分子を電極材料に用いた電池が提案され
ている。これは導電性高分子に対する電解質イオンのド
ープ、脱ドープ反応を原理とした電池である。ここで述
べるドープ反応とは、導電性高分子の酸化もしくは還元
によって生ずる荷電ソリトンやポーラロン等のエキシト
ンを、対イオンによって安定化させる反応のことであ
る。一方、脱ドープ反応とはその逆反応に相当し、対イ
オンによって安定化されたエキシトンを電気化学的に酸
化もしくは還元する反応のことを示している。米国特許
第4,442,187号公報には、このような導電性高
分子を正極もしくは負極の材料とする電池が開示されて
いる。この電池は、炭素や窒素といった比重の小さな元
素のみから構成されたものであり、高容量電池として開
発が期待された。しかし、導電性高分子には、酸化還元
によって生じるエキシトンがπ電子共役系の広い範囲に
亘って非局在化し、それらが相互作用するという性質が
ある。これは発生するエキシトンの濃度に限界をもたら
すものであり、電池の容量を制限するものである。この
ため、導電性高分子を電極材料とする電池では軽量化と
いう点では一定の効果を奏しているものの、大容量とい
う点からは不充分である。
するために、遷移金属含有活物質を利用しない様々な電
池の提案がなされている。しかし、エネルギー密度が高
く、高容量で安定性に優れた電池は未だ得られていな
い。
正極に遷移金属酸化物を用いるリチウムイオン電池で
は、元素の比重が大きいため、現状を上回る高容量電池
の製造が原理的に困難であった。このため、高容量電池
を実現するために、遷移金属含有活物質を利用しない様
々な電池の提案がなされているが、エネルギー密度が高
く、高容量で安定性に優れた電池は未だ得られていな
い。本発明は、エネルギー密度が高く、高容量で充放電
サイクルの安定性に優れた新規な二次電池を提供するこ
とを課題としている。
果、前記課題は、電極の活物質として式(1)、式
(2)、式(4)、または式(5)で表される化合物を
用いることにより解決できることを見出した。
極、電解質を構成要素とする二次電池において、正極お
よび負極の少なくとも一方の活物質が、式(1)、式
(2)、式(4)、および式(5)で表されるラジカル
化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物
を含むことを特徴とする二次電池である。
ぞれ独立して式(3)で表される基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基またはシアノ基を表し、R
1〜R8はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を
表す。)
される基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基またはシアノ基を表し、R1〜R4はそれぞれ独立して
水素原子またはアルキル基を表し、R9は式(3)で表
される基を表す。)
たは置換もしくは無置換のフェニル基を表す。)
れ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シア
ノ基またはハロゲン原子を表し、nは自然数を表す。)
れ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シア
ノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表す。) また本発明は、活物質の電極反応を利用する二次電池に
おいて、正極および負極の少なくとも一方の電極反応が
式(1)、式(2)、式(4)、または式(5)で表さ
れるラジカル化合物を反応物もしくは生成物とする電極
反応であることを特徴とする二次電池である。
ぞれ独立して式(3)で表される基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基またはシアノ基を表し、R
1〜R8はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を
表す。)
される基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基またはシアノ基を表し、R1〜R4はそれぞれ独立して
水素原子またはアルキル基を表し、R9は式(3)で表
される基を表す。)
たは置換もしくは無置換のフェニル基を表す。)
れ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シア
ノ基またはハロゲン原子を表し、nは自然数を表す。)
れ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シア
ノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表す。) 本発明においては、前記活物質が、正極活物質であるこ
とが好ましい。
反応であることが好ましい。
る場合、前記電極反応が、前記ラジカル化合物と電解質
カチオンとの結合を生成する放電反応と、該放電反応の
逆反応による充電反応であることができる。このとき、
前記電解質カチオンが、リチウムイオンであることが好
ましい。
応である場合、前記電極反応が、前記ラジカル化合物と
電解質アニオンとの結合を開裂する放電反応と、該放電
反応の逆反応による充電反応であることもできる。
て優れていることを見出したことに基づいてなされたも
のである。これら化合物は、炭素、窒素、水素、酸素か
らなり、質量の小さい元素のみから構成することができ
る。このため、活物質の質量を小さくできるため、これ
を用い電池を作製した場合、質量当たりのエネルギー密
度が大きな電池が得られる。また、本発明の二次電池の
電極反応は、式(1)、式(2)、式(4)、または式
(5)で表される化合物(以下場合により、ニトロキシ
ルラジカル化合物という。)の酸化還元反応であるが、
副反応がほとんどおこらず、100%の割合で可逆にお
こる安定した反応であり、さらに活物質の電解液などへ
の拡散による活物質の減少がおこりにくいため、サイク
ル特性に優れた二次電池を得ることができる。
酸化もしくは還元されるため、電極活物質は出発状態と
酸化もしくは還元状態の二つの状態を取る。本発明では
活物質は出発状態と酸化もしくは還元された状態の何れ
かの状態で、式(1)、式(2)、式(4)、または式
(5)で表される構造をとる。
るニトロキシルラジカルを有する化合物が、電極反応に
よってラジカルの状態とイオンの状態との間で可逆的に
変化して電荷を蓄積、放出する。また、本発明では、正
極、もしくは負極での電極反応に、前記ニトロキシルラ
ジカル化合物が直接寄与しており、これらを活物質材料
として用いる電極は正極もしくは負極のいずれかに限定
されるものではない。ただし、エネルギー密度の観点か
ら、特に正極の電極活物質として用いることが好まし
い。本発明において、電解質カチオンは特に限定されな
いが、高容量が得られるという点から特にリチウムイオ
ンが好ましい。
で表される化合物を用いることができる。
っても異なっていてもよく、式(3)で表される基(式
(3)においてR10はアルキル基、置換もしくは無置換
のフェニル基を表す)、アルコキシ基、ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、シアノ基を表す。X1、X2は、より具
体的には、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロ
ピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチル
ペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジ
メチルヘプチル基などの三級アルキル基、2−(2−フ
ェニル)プロピル基、2−(2−トリル)プロピル基、
2−(2−フルオロフェニル)プロピル基、2−(2−
クロロフェニル)プロピル基、2−(2−ブロモフェニ
ル)プロピル基、2−(2−ヨ−ドフェニル)プロピル
基などのフェニル基置換三級アルキル基、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基,オクチル
オキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基等を表
す。また、R1からR8は同一であっても異なっていても
よく、水素原子もしくはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基等のアルキル基を表す。X1、X2が、式
(3)で表される基でR10がアルキル基の場合、また、
アルコキシ基の場合、そのアルキル基、アルコキシ基の
炭素数は1から8が好ましい。また、R1からR8がアル
キル基の場合も同様に、そのアルキル基の炭素数は1か
ら8が好ましい。これは、それより大きな炭素数の場
合、分子量が大きくなり、活物質の重さあたりの電池容
量密度が小さくなる点で不利だからである。
物の例としては、化学式(6)から(9)に示す化合物
が挙げられる。
表される化合物を用いることができる。
される基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基またはシアノ基を表す。X1、より具体的には、te
rt−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1
−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、
1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘプチ
ル基などの三級アルキル基、2−(2−フェニル)プロ
ピル基、2−(2−トリル)プロピル基、2−(2−フ
ルオロフェニル)プロピル基、2−(2−フルオロフェ
ニル)プロピル基、2−(2−クロロフェニル)プロピ
ル基、2−(2−ブロモフェニル)プロピル基、2−
(2−ヨ−ドフェニル)プロピル基などのフェニル基置
換三級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ヘプチルオキシ基,オクチルオキシ基等のアルコキ
シ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
ヒドロキシル基、シアノ基等を表す。また、R1からR4
は同一であっても異なっていてもよく、水素原子もしく
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキ
ル基を表す。R9は式(3)で表される基を表すが、具
体的には、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロ
ピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチル
ペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジ
メチルヘプチル基などの三級アルキル基、2−(2−フ
ェニル)プロピル基、2−(2−トリル)プロピル基、
2−(2−フルオロフェニル)プロピル基、2−(2−
フルオロフェニル)プロピル基、2−(2−クロロフェ
ニル)プロピル基、2−(2−ブロモフェニル)プロピ
ル基、2−(2−ヨ−ドフェニル)プロピル基などのフ
ェニル基置換三級アルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基,オクチルオキシ基
等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基等を表す。式
(2)で表される化合物の具体的な化合物の例として
は、化学式(10)から(14)に示す化合物が挙げら
れる。X1が、式(3)で表される基でR10がアルキル
基の場合、また、アルコキシ基の場合、そのアルキル
基、アルコキシ基の炭素数は1から8が好ましい。ま
た、R1からR4がアルキル基の場合も同様に、そのアル
キル基の炭素数は1から8が好ましい。これは、それよ
り大きな炭素数の場合、分子量が大きくなり、活物質の
重さあたりの電池容量密度が小さくなる点で不利だから
である。
表される化合物を用いることもできる。
あっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基,オク
チルオキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基等を表す。R11か
らR14が、アルキル基の場合、もしくはアルコキシ基の
場合、そのアルキル基、アルコキシ基の炭素数は1から
8が好ましい。これは、それより大きな炭素数の場合、
分子量が大きくなり、活物質の重さあたりの電池容量密
度が小さくなる点で不利だからである。式(4)で表さ
れる化合物の具体的な化合物の例としては、化学式(1
5)から(19)に示す化合物が挙げられる。
で表される化合物において分子量はとくに限定されな
い。
表される化合物を用いることもできる。
れ独立して水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基,オクチルオキシ基等の
アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子、シアノ基、ニトロ基等を表す。)R15からR18
が、アルキル基の場合、もしくはアルコキシ基の場合、
そのアルキル基、アルコキシ基の炭素数は1から8が好
ましい。これは、それより大きな炭素数の場合、分子量
が大きくなり、活物質の重さあたりの電池容量密度が小
さくなる点で不利だからである。式(5)で表される化
合物の具体的な化合物の例としては、化学式(20)か
ら(23)に示す化合物が挙げられる。
としては、対応するアミン化合物をm−クロロ過安息香
酸などの過安息香酸類、過酸化水素水等の酸化剤によ
り、酸化することにより得ることができる(反応式
(I))。たとえば、式(8)の構造をもつ4、4'−
ジメトキシジフェニルニトロキシドの合成は、対応する
アミンである4、4'−ジメトキシジフェニルアミンを
過安息香酸で酸化することにより得ることができる
[(1964年、テトラヒドロンレター、第3945頁
(Tetrahydron Letters, P3945, 1964)]に記載されて
いる。他の化合物に関しても、同様に対応するアミンの
酸化により得ることができる。
あっても、また、電解質へ溶解または分散した状態であ
ってもよい。ただし、固体状態で用いる場合、電解液へ
の溶解による容量低下が少ないため、電解液に対し不溶
性または低溶解性のものが好ましい。また、本発明の電
池のおいて活物質である前記ニトロキシルラジカル化合
物は、単独で用いることができるが、二種類以上を組み
合わせて用いても良い。また、他の活物質と組み合わせ
て用いても良い。
極反応、または両方の電極反応における活物質として前
記ニトロキシルラジカル化合物を用いるが、このうち、
一方の電極反応にのみ活物質として用いる場合、もう一
方の電極に電池の活物質として従来公知のものが利用で
きる。
合物を用いる場合には、正極として金属酸化物粒子、ジ
スルフィド化合物、および導電性高分子等が用いられ
る。ここで、金属酸化物としては例えばLiMnO2、
LiXMn2O4(0<x<2)等のマンガン酸リチウム
あるいはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、M
nO2、LiCoO2、LiNiO2、あるいはLiXV2
O5(0<x<2)等が、ジスルフィド化合物としては
ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4
−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリ
チオール等が、また、導電性高分子にはポリアセチレ
ン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が
挙げられる。本発明ではこれらの正極材料を単独、もし
くは組み合わせて使用することもできる。また、従来公
知の活物質と前記ニトロキシルラジカル化合物とを混合
して複合活物質として用いてもよい。
正極に用いた場合には負極としてグラファイトや非晶質
カーボン、リチウム金属やリチウム合金、リチウムイオ
ン吸蔵炭素、導電性高分子等を用いることができる。こ
れらの形状としては特に限定されず、例えばリチウム金
属では薄膜状のものに限らず、バルク状のもの、粉末を
固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であっ
ても良い。また、これらの負極活物質を単独、もしくは
組み合わせて使用できる。また、従来公知の活物質と前
記ニトロキシルラジカル化合物を組み合わせて用いても
良い。
電極を形成する場合に、インピーダンスを低下させる目
的で、補助導電材やイオン伝導補助材を混合させること
もできる。これらの材料としては、補助導電材として
は、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック等の炭素質微粒子、ポリアニリン、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電
性高分子が挙げられ、イオン伝導補助材としては高分子
ゲル電解質、高分子固体電解質等が挙げられる。
めに、結着剤を用いることもできる。このような結着剤
としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオ
ロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴ
ム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種
ポリウレタン等の樹脂バインダーが挙げられる。
元反応を助ける触媒を用いることもできる。このような
触媒としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオ
フェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分
子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダ
ゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘
導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられ
る。
やアルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステ
ンレス等の金属箔や金属平板、メッシュ状電極、炭素電
極等を用いることができる。また、集電体に触媒効果を
持たせたり、活物質と集電体とを化学結合させたりして
もよい。一方、上記の正極、および負極が接触しないよ
うに多孔質フィルムからなるセパレーターや不織布を用
いることもできる。
両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温
で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を有している
ことが好ましい。電解質としては、例えば電解質塩を溶
剤に溶解した電解液を利用することができる。電解質塩
として、例えばLiPF6、LiClO4、LiBF4、
LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F
5SO2)2N、Li(CF3SO2)3C、Li(C2F5S
O2)3C等の従来公知の材料を用いることができる。
しては例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、
テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン等の有機溶媒を用いることができる。
これらの溶剤を単独もしくは2種類以上混合して用いる
こともできる。
質を用いることもできる。これら固体電解質に用いられ
る高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン
−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−
トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元
共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニ
トリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニト
リル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル
−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−
エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタ
クリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重
合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等
のアクリルニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキ
サイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の
重合体などが挙げられる。これらの高分子化合物に電解
液を含ませてゲル状にしたものを用いても、高分子化合
物のみをそのまま用いても良い。
れず、従来公知のものを用いることができる。電池形状
としては、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、
樹脂ケース、あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合
成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって
封止したもの等が挙げられ、円筒型、角型、コイン型、
およびシート型等で作製されるが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
材料に応じて様々な方法を用いることができる。例え
ば、活物質に溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に
塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させたのちに、
対極、セパレータを挟んで積層または巻回して外装体で
包み、電解液を注入して封止するといった方法である。
スラリー化のための溶剤としては、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、N−メチ
ルピロリドン等のアミン系溶媒、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプ
タンなどの脂肪族炭化水素系、クロロホルム、ジクロロ
メタン等のハロゲン系炭化水素等が挙げられる。
ニトロキシルラジカル化合物そのものを用いて電池を製
造する場合と、電極反応によって前記ニトロキシルラジ
カル化合物に変化する化合物を用いて電池を製造する場
合とがある。このような電極反応によって前記ニトロキ
シルラジカル化合物に変化する化合物の例としては、ア
ニオンとリチウムイオンやナトリウムイオンといった電
解質カチオンとからなるリチウム塩やナトリウム塩、あ
るいは、カチオンとPF6 -やBF4 -といった電解質アニ
オンとからなる塩などが挙げられる。
出し、外装等のその他の製造条件は二次電池の製造方法
として従来公知の方法を用いることができる。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
構造を有する化合物〈A〉50mg、グラファイト粉末
200mg、ポリテトラフルオロエチレン樹脂バインダ
25mgを測り採り、メノウ乳鉢を用い混練する。10
分ほど乾式混合して得られた混合体を、圧力を掛けてロ
ーラー延伸により、厚さ約200μmの薄膜とした。こ
れを、真空中80℃で一晩乾燥した後、直径12mmの
円形に打ち抜き、コイン電池用電極として成型した。
極中の空隙に電解液を染み込ませる。電解液としては、
1mol/lのLiN(C2F5SO2)2電解質塩を含む
エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液
(混合比3:7)を用いた。電解液を含浸させた電極
は、正極集電体上に置き、その上に同じく電解液を含浸
させた多孔質フィルムセパレータを積層する。さらに負
極となるリチウム張り合わせ銅箔を積層し、絶縁パッキ
ンで被覆された負極集電体を重ね合わせる。こうして作
られた積層体は、かしめ機によって圧力を加え、密閉型
のコイン型電池とした。
合物〈A〉、負極活物質として金属リチウムを用いた電
池を、0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで
充電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電を行っ
た。その結果、電圧は3.2V付近で2時間一定とな
り、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで低下し
たところで再び充電を行い、さらに、4.0〜2.5V
の範囲で充放電を10回繰り返した。その結果、繰り返
し充放電を行っても放電時に3.2V付近で電圧が一定
になることを確認した。
物〈A〉の代わりに下記の化学式(B)の構造を有する
化合物〈B〉25mgを用い、コイン電池用電極を作製
した。この電極を用い、実施例1と同様に、電解液(L
iN(C2F5SO2)2(1mol/l)含有エチレンカ
ーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(3:
7))、セパレーター、正極集電体、負極(金属リチウ
ム)、負極集電体を用いて密閉型コイン電池を組みたて
た。
合物〈B〉、負極活物質として金属リチウムを用いた電
池を用いて、0.1mAの定電流で電圧が4.0Vにな
るまで充電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電
を行った。その結果、電圧は3.1Vで約100分間一
定となり、その後急激に低下した。電圧が2.5Vまで
低下したところで再び充電を行い、さらに、4.0〜
2.5Vの範囲で充放電を10回繰り返した。その結
果、繰り返し充放電を行っても放電時に3.1V付近で
電圧が一定になることを確認した。
物〈A〉の代わりに下記の化学式(C)の構造を有する
化合物〈C〉25mgを用い、コイン電池用電極を作製
した。この電極を用い、実施例1と同様に、電解液(L
iN(C2F5SO2)2(1mol/l)含有エチレンカ
ーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(3:
7))、セパレーター、正極集電体、負極(金属リチウ
ム)、負極集電体を用いて密閉型コイン電池を組みたて
た。
合物〈C〉、負極活物質として金属リチウムを用いた電
池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになるまで充
電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電を行っ
た。その結果、電圧は2.8Vで約90分間一定とな
り、その後急激に低下した。電圧が2.0Vまで低下し
たところで再び充電を行い、さらに4.0〜2.0Vの
範囲で充放電を10回繰り返した。その結果、繰り返し
充放電を行っても放電時に2.8V付近で電圧が一定に
なることを確認した。
物〈A〉の代わりに下記の化学式(D)の構造を有する
高分子化合物〈D〉25mgを用い、コイン電池用電極
を作製した。この電極を用い、実施例1と同様に、電解
液(LiN(C2F5SO2)2(1mol/l)含有エチ
レンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液
(3:7))、セパレーター、正極集電体、負極(金属
リチウム)、負極集電体を用いて密閉型コイン電池を組
みたてた。
分子化合物〈D〉、負極活物質として金属リチウムを用
いた電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになる
まで充電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電を
行った。その結果、4.5時間3.0Vで電圧は一定と
なり、その後急激に低下した。電圧が2.0Vまで低下
したところで再び充電を行った。さらに同様に充放電を
繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲
4.0〜2.0V、評価温度は20℃とした。この試験
の結果、1回めの放電容量(正極の重量あたり)は、1
44mAh/g、50回目の放電容量は141mAh/
gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電
容量)は98%だった。
物〈A〉の代わりに下記の化学式(E)の構造を有する
高分子化合物〈E〉50mgを用い、コイン電池用電極
を作製した。この電極を用い、実施例1と同様に、電解
液(LiN(C2F5SO2)2(1mol/l)含有エチ
レンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液
(3:7))、セパレーター、正極集電体、負極(金属
リチウム)、負極集電体を用いて密閉型コイン電池を組
みたてた。
分子化合物〈E〉、負極活物質として金属リチウムを用
いた電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになる
まで充電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電を
行った。その結果、3.8時間3.0Vで電圧は一定と
なり、その後急激に低下した。電圧が2.0Vまで低下
したところで再び充電を行った。さらに同様に充放電を
繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲
4.0〜2.0V、評価温度は20℃とした。この試験
の結果、1回めの放電容量(正極の重量あたり)は、1
06mAh/g、50回目の放電容量は105mAh/
gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電
容量)は99.1%だった。
物〈A〉の代わりに下記の化学式(F)の構造を有する
高分子化合物〈F〉25mgを用い、コイン電池用電極
を作製した。この電極を用い、実施例1と同様に、電解
液(LiN(C2F5SO2)2(1mol/l)含有エチ
レンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液
(3:7))、セパレーター、正極集電体、負極(金属
リチウム)、負極集電体を用いて密閉型コイン電池を組
みたてた。
分子化合物〈F〉、負極活物質として金属リチウムを用
いた電池を0.1mAの定電流で電圧が4.0Vになる
まで充電した。つづいて、0.1mAの定電流で放電を
行った。その結果、1.5時間2.9Vで電圧は一定と
なり、その後急激に低下した。電圧が2.0Vまで低下
したところで再び充電を行った。さらに同様に充放電を
繰り返すことによりサイクル試験を行った。充放電範囲
4.0〜2.0V、評価温度は20℃とした。この試験
の結果、1回めの放電容量(正極の重量あたり)は、1
04mAh/g、50回目の放電容量は103mAh/
gであった。(50回目の放電容量)/(1回目の放電
容量)は99%だった。
ポリテトラフルオロエチレン樹脂バインダ25mgを測
り採り、メノウ乳鉢を用い混練する。10分ほど乾式混
合して得られた混合体を、圧力を掛けてローラー延伸す
ると、厚さ215μmの薄型電極板が得られる。薄型電
極板は、真空中80℃で一晩乾燥した後、直径12mm
の円形に打ち抜き、ニトロキシルラジカル化合物を含ま
ないコイン電池用電極を作製した。
空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1mo
l/lのLiN(C2F5SO2)2電解質塩を含むエチレ
ンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(混合
比3:7)を用いた。電解液を含浸させた電極は、正極
集電体上に置かれ、その上に同じく電解液を含浸させた
多孔質フィルムセパレータを積層する。さらに負極とな
るリチウム張り合わせ銅箔を積層し、絶縁パッキンで被
覆された負極集電体を重ね合わせる。こうして作られた
積層体は、かしめ機によって圧力を加えられ、密閉型の
コイン型電池を得た。
定電流で電圧が4.0Vになるまで充電した。つづい
て、0.1mAの定電流で放電を行ったところ、電圧は
約30分で0.8Vまで急激に低下した。また、その直
後に、0.1mAの定電流で充電を行ったところ、電圧
は急激に上昇した。4.0Vになった時点で、また再
び、放電を行っても、0.8Vまで急激に低下した。充
放電において、実施例1〜6において見られた電圧平坦
部は確認できなかった。
として式(1)、式(2)、式(4)、または式(5)
で表されるベンゼン環が隣接しているニトロキシルラジ
カルを有する化合物を用いた新規な電池を提案したもの
である。これにより、電極活物質として重金属を含まな
い軽くて安全な元素から構成される電池を作製すること
を可能とするものであり、また、エネルギー密度が高
く、高容量で安定性に優れた電池を実現できる。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも正極、負極、電解質を構成要
素とする二次電池において、正極および負極の少なくと
も一方の活物質が、式(1)、式(2)、式(4)およ
び式(5)で表されるラジカル化合物よりなる群から選
ばれる少なとも一つの化合物を含むことを特徴とする二
次電池。 【化1】 (式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立して
式(3)で表される基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、またはシアノ基を表し、R1〜R8はそ
れぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。) 【化2】 (式(2)において、X1は式(3)で表される基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、またはシ
アノ基を表し、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子ま
たはアルキル基を表し、R9は式(3)で表される基を
表す。) 【化3】 (式(3)において、R10はアルキル基または置換もし
くは無置換のフェニル基を表す。) 【化4】 (式(4)において、R11〜R14はそれぞれ独立して水
素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはハ
ロゲン原子を表し、nは自然数を表す。) 【化5】 (式(5)において、R15〜R18はそれぞれ独立して水
素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ
基またはハロゲン原子を表す。) - 【請求項2】 活物質の電極反応を利用する二次電池に
おいて、正極および負極の少なくとも一方の電極反応が
式(1)、式(2)、式(4)、および式(5)で表さ
れるラジカル化合物を反応物もしくは生成物とする電極
反応であることを特徴とする二次電池。 【化6】 (式(1)において、X1およびX2はそれぞれ独立して
式(3)で表される基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
ヒドロキシル基またはシアノ基を表し、R1〜R8はそれ
ぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。) 【化7】 (式(2)において、X1は式(3)で表される基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基またはシア
ノ基を表し、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子また
はアルキル基を表し、R9は式(3)で表される基を表
す。) 【化8】 (式(3)において、R10はアルキル基または置換もし
くは無置換のフェニル基を表す。) 【化9】 (式(4)において、R11〜R14はそれぞれ独立して水
素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはハ
ロゲン原子を表し、nは自然数を表す。) 【化10】 (式(5)において、R15〜R18はそれぞれ独立して水
素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ
基またはハロゲン原子を表す。) - 【請求項3】 前記活物質が、正極活物質である請求項
1または2に記載の二次電池。 - 【請求項4】 前記電極反応が、正極における電極反応
である請求項2に記載の二次電池。 - 【請求項5】 前記電極反応が、前記ラジカル化合物と
電解質カチオンとの結合を生成する放電反応と、該放電
反応の逆反応による充電反応である請求項2または4に
記載の二次電池。 - 【請求項6】 前記電極反応が、前記ラジカル化合物と
電解質アニオンとの結合を開裂する放電反応と、該放電
反応の逆反応による充電反応である請求項2または4に
記載の二次電池。 - 【請求項7】 前記電解質カチオンが、リチウムイオン
である請求項5に記載の二次電池。
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