JP2003123726A - 電池およびその製造方法 - Google Patents
電池およびその製造方法Info
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Abstract
湿潤する性質を持ち、電池を組み立てた後に電解液を注
液するとセパレータ自体が膨潤するために正負極間でシ
ワが生じることにより、セパレータの厚さが場所によっ
て異なり、電流分布が不均一となったり、セパレータ挿
入時において、電極群を構成する際に電極に密着してい
ないためにシワが生じ、活物質の充填が難しくなり、安
定して電池を作製することが容易ではなくなり、歩留ま
りを落とすという課題を有している。 【解決手段】 電極内の多孔質を有す吸熱性絶縁樹脂を
スピノーダル分解又はミセル方式により電極表面に浮き
上がらせることにより、電極内樹脂と同樹脂が連続で電
極表面に樹脂層形成され、従来のセパレータを無くした
構成である。
Description
タ一体の電池及びその製造方法に関する。
する電池においては、微多孔性を有するポリエチレンや
ポリプロピレンからなるセパレータを、正負極間に積層
あるいは捲回することにより電極群を構成している。
的接触を防止しつつイオンを通過させるスペーサーとし
て用いられている。また、電池短絡による異常電流、急
激な内圧上昇および温度上昇を防ぐという観点から、電
池の安全性を担っており、電池が何らかの原因で短絡を
引き起こした場合、大電流が流れることによる発生する
ジュール熱により異常に温度が上昇する危険性がある
が、その際にセパレータの微多孔膜の空孔が融点近くに
おいて閉塞されるため、電極間のイオンの透過を阻止
し、電流を遮断し、温度上昇を抑制するものである。
セパレータにおいては非水電解液で膨潤または湿潤する
性質を持ち、電池を組み立てた後に電解液を注液すると
セパレータ自体が膨潤するために正負極間でシワが生じ
ることにより、セパレータの厚さが場所によって異な
り、電流分布が不均一となった。
構成する際に電極に密着していないためにシワが生じ、
活物質の充填が難しくなり、安定して電池を作製するこ
とが容易ではなくなり、歩留まりを落とすことになって
いた。
に供した場合、温度上昇によってセパレータが中央部に
収縮し、正極と負極間の周辺部にセパレータが存在しな
い部分が生じて短絡が起こるという課題を有していた。
体ではなく、電極の少なくとも片面に多孔質の樹脂層を
一体的に積層してセパレータとすることで電極群の組立
性を改善したもの(特開平11−345606号公報)
が知られているが、充分な効果が得られるものではなか
った。
したものを得、電池温度が上昇しても正負極間の短絡を
防ぐことができる電池を提供することを目的とするもの
である。
に本発明は、正極、負極および正負極間に多孔質樹脂層
を有する電池において、少なくとも一方の電極内の樹脂
と前記多孔質樹脂層の樹脂が同一であり、かつ前記電極
の表面に前記多孔質樹脂層が連続して形成されているこ
とを特徴とし、本発明の構成により電池特性、信頼性、
安全性を向上させることができる。
で一体であるため、電解液の保液性も良く、長寿命化が
可能となり初期容量も向上する。さらに、複雑な孔形状
および電極全体で電解液を保液しているため、デンドラ
イトによる不良を抑制することができる。
するためコストダウンを図ることが可能となる。
は、正極、負極および正負極間に多孔質樹脂層を有する
電池において、少なくとも一方の電極内の樹脂と前記多
孔質樹脂層の樹脂が同一であり、かつ前記電極の表面に
前記多孔質樹脂層が連続して形成されていることを特徴
とするものである。なお、連続とは電極内樹脂と電極表
面樹脂とで切れ目が無い状態を示すものである。
1に記載の電池において、少なくとも一方の電極内の樹
脂量が、電極表面に近いほど多いことを特徴とするもの
である。
1または2に記載の電池において、樹脂が吸熱性絶縁樹
脂であることを特徴とするものである。すなわち、前記
樹脂が吸熱性を有す絶縁樹脂とすることで、さらなる安
全性を確保することができるものである。
1〜3のいずれかに記載の電池において、樹脂がスポン
ジ状の連続孔を有することを特徴とするものである。な
お、スポンジ状とは縦横三次元全体に孔がある様子を示
すものであり、一例としては図1に示されるように不規
則に孔があるものである。
1〜4のいずれかに記載の電池において、樹脂層が蛇行
した連続孔を有することを特徴とするものである。な
お、蛇行とは図3に示されるように、連続孔の出入口を
直線で結んだときその直管から完全にはみ出た路を連続
孔が作っている状態を示すものである。
1〜5のいずれかに記載の電池において、樹脂が溶融点
以下で吸熱性を有し、120℃以上200℃以下で溶融
し、少なくとも溶融点以上で耐熱性を有し、かつ炭化ま
たは昇華しない温度範囲を有していることを特徴とする
ものである。
負極および正負極間に多孔性樹脂層を有する電池の製造
方法において、少なくとも活物質と樹脂材料を含有して
なるペーストを集電体に塗工し、前記ペーストをスピノ
ーダル分解し、電極表面に樹脂層を形成させることを特
徴とするものである。
7に記載の電池の製造方法において、ペースト中に発泡
剤を含有させ、前記発泡剤を発泡させることにより樹脂
に孔を形成することを特徴とするものである。
7または8に記載の電池の製造方法において、樹脂材料
が少なくとも2種以上の複合樹脂材料であることを特徴
とするものであり、熱によってスピノーダル分解する際
に低分子樹脂と高分子樹脂という種類の異なる樹脂が分
離し、活物質を含むフィラー周辺に短分子鎖の樹脂が存
在し、電極表面部には長鎖樹脂層が形成されることで電
極表面側の方が樹脂層の厚いものが形成されることを利
用するものである。
極、負極および正負極間に多孔性樹脂層を有する電池の
製造方法において、樹脂材料と少なくとも活物質を含む
フィラーに少なくともミセル材料を混ぜてペーストとし
て集電体に塗工し、前記フィラーを凝集沈殿させ、加熱
して電極表面に樹脂層を形成させることを特徴とするも
のである。
項10に記載の電池の製造方法において、電場または磁
場を印可してフィラーと樹脂の分離速度を制御すること
を特徴とするものである。
項10または11に記載の電池の製造方法において、ペ
ースト中に発泡剤を含有させ、前記発泡剤を発泡させる
ことにより樹脂に孔を形成することを特徴とするもので
ある。
表面に浮き上がらせ、更に多孔質化することで、従来の
セパレータをなくすことができるものである。ここで、
イオンの移動は樹脂膜中の多孔質の連続孔を通って成さ
れ、セパレータのもう一つの役目である安全性の保持に
ついては、樹脂膜が温度上昇と共に吸熱反応を起こし、
温度上昇を和らげ、更に、温度上昇を続けると溶融し、
耐熱樹脂として存在し、酸素遮断効果を発揮する。
ることで、セパレータのシワについての課題も解決さ
れ、安定した特性を得ることができ、更に、釘さし試験
での安全性確認でも問題なく、従来電池の課題を解決で
きるものが得られた。すなわち安全で製造上安定した電
池を得ることができるわけである。
極やセパレータがずれて短絡してしまうことがあった
が、電極表面を絶縁樹脂層とすることによってそれらの
課題を解決することができ、更なる安全性を得ることが
できた。
トダウンができ、歩留まりを向上させる効果が得られ
る。また、セパレータの役目を有す樹脂層が電極内まで
連続していることで電極内の多孔質樹脂が従来になく電
解液を保液することができ、寿命を延ばすことができ
た。さらに、活物質全体に電解液が接触する構造である
ため、静電容量を向上させ、同時に内部抵抗を下げるこ
とができ、電池特性を向上させることができた。
正極側、負極側あるいは両極でも良い。
は薄すぎると正極及び負極間における短絡の危険性を有
し、厚すぎると正極負極の極板距離が長くなり、内部抵
抗が高くなる傾向を有するので、最適な分離発生する樹
脂の膜厚がそれぞれの電池設計において存在する。
用途に応じて適宜調整すれば良く、調整方法としては発
泡剤量・種類、樹脂の架橋度・分子量、乾燥温度、乾燥
時昇温レート等によってなすことができる。
性を有す絶縁樹脂であれば特に制限されるものではな
い。但し、用いる電解液と樹脂との組み合わせによって
は、樹脂が膨潤する場合が有り、このような場合には膨
潤によって樹脂の多孔性が損なわれる。したがって、用
いる電解液の種類等に応じて膨潤度合い等により樹脂を
適宜選択することになる。
る樹脂を用いることが好ましい。プロピレンカーボネー
ト等のカーボネート類に対して、耐溶剤性に優れている
ものとして、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴ
ム、ブチルイソシアネート、スチレン、SBR、PVd
F、PTFE等があり、これらより選択するのが好まし
い。これらはプロピレンカーボネートによって膨潤しな
いので、その多孔質樹脂を用いても優れた多孔性を安定
して維持できる結果、従来のものよりも優れた静電容量
を発揮することができるとともに、振動などに対しても
変形やずれが生じず安定であること、釘刺し試験、過充
電試験などに見られる熱上昇があっても樹脂の吸熱性に
より、直に活物質表面に吸熱性樹脂が存在するため、温
度上昇を抑制し温度の昇温速度を緩やかとし、従来危険
性があったものを抑制できるものとなる。更に、本樹脂
が溶融して、シャッター効果を有し、その後酸素遮断す
ることができる。
スト中の溶剤としては、用いる樹脂を溶解できるもので
有れば特に制限されず、樹脂の種類などに応じて溶剤の
中から適宜選択使用すれば良い。例えば、ブチルゴム、
エチレンプロピレンジエンゴム、ブチルイソシアネー
ト、スチレン、SBR等は一般的にトルエン、キシレ
ン、エチルシクロヘキサン等をそれぞれ溶剤として用い
ることができる。また、ペーストには、更に必要に応じ
て、接着増強剤、樹脂劣化防止剤、樹脂架橋剤、樹脂架
橋促進剤、酸化防止剤、消化剤等の各種添加物を配合し
ても良い。
方法は、塗布(刷毛塗り、スプレー、ローラー、スクリ
ーン印刷等)、ドクターブレード法、ディッピング(浸
漬)、パイロゾル法(吹き付け)等の方法を適宜採用す
ることができる。塗膜する膜厚は、最終製品の用途等に
よって適宜設定する。
添加しておいて、樹脂膜乾燥時に又は架橋時の加熱処理
によって自己発泡させることでも得られる。発泡剤とし
ては、スルホン酸ヒドラジド、ベンゼンスルホニルヒド
ラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒド
ラジド、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジアゾ
系、カルボン酸アミド等が挙げられる。発泡剤の添加量
は、最終製品の用途等によって適宜設定する。
て説明する。
電体である銅箔1(厚み10μm)に、負極活物質2の
黒鉛及びスピノーダル分解される吸熱性樹脂からなる層
(厚み約30μm)を形成し、ある程度の樹脂部だけ多
孔質吸熱性樹脂膜3として浮き上がり形成されたもので
ある。その作製方法は以下の通りである。
m程度)と樹脂材料としてブチルイソシアネート樹脂9
5質量%、スチレン樹脂3質量%、ブチルゴム2質量%
を混合したものと、その樹脂材料に対して、発泡剤であ
るスルホン酸ヒドラジドを1質量%加えて粘度調整のた
めの溶剤であるトルエンを混合したペースト状の混合物
(粘度2400mPa・s、質量比で人造黒鉛:樹脂=
100:20)を用い、その混合物を塗工機により混合
物を集電体1の両面に塗工し、その後、55℃15分に
加温すると、樹脂分が電極表面に浮き出て、その後、溶
媒を気化させると同時に発泡剤を発泡させるために乾燥
機で乾燥(130℃、1時間)することにより、表面に
多孔質吸熱性樹脂膜が形成された負極電極を得た。
い、SEMで孔の形状構造を観察したところ、活物質を
有する側と反対側である対面の樹脂表面から活物質であ
る黒鉛表面に至り連続孔を有することが観察でき、更
に、無数の孔により先の黒鉛と反対面から黒鉛層面方向
とは垂直方向にも連続孔が見られ、この樹脂層が3次元
的に縦横に連続孔4を有すスポンジ状の構造を持ってい
ることが確認された。また、連続孔の中には蛇行したも
のが観察できた。孔の径は2μm〜15μmが観察され
た。樹脂の割合は活物質から離れるほど表面にかけて多
くなる勾配を有していることも確認した。
た負極電極に対して、加温していくと、加温130℃か
ら155℃において樹脂膜が吸熱反応を起こし前記電極
の温度上昇が抑制され、更に温度をかけていくと160
℃で瞬時に樹脂膜が溶融して孔が塞がり、更に温度を上
げても約280℃まで耐熱性樹脂として酸素遮断をし続
けること(酸素吸入しても酸素濃度計から酸素を通さな
い)も確認できた。
リチウム(LiMn2O4)と導電剤としてアセチレンブ
ラック(AB)の混合粉末に、結着剤としてのポリフッ
カビニリデン(PVdF)をNMP溶液に加え、質量比
でLiMn2O4:AB:PVdF=100:2.5:
4.0となるように混合したものをアルミ箔(厚さ20
μm)の両面に塗工し、乾燥、圧延を行い、所定の大き
さに切断したものとした。
せた負極電極と正極電極とを渦巻き状に巻回し、極板群
を構成した(図2参照)。極板群の上部にポリプロピレ
ン製の上部絶縁板を、極板群の下部にはポリプロピレン
製の下部絶縁板を取り付け、鉄にニッケルメッキした電
池ケースに納入した。
チルカーボネートとエチルメチルカーボネートを30:
56:14の体積比で混合した溶媒に1.0mol/l
のLiPF6を溶解したものを用い、これを注液した
後、開口部を封口板により封口して電池Aとした。
バルト酸リチウム(LiCoO2)70質量%、AB6
質量%、PVdF9質量%、NMP15質量%を混合し
たペーストを集電体であるアルミ箔(厚さ20μm)上
両面に塗布し、150℃1時間乾燥してNMPを蒸発さ
せ、圧延し、所定の大きさに切断したものとした。これ
によって得られた電池を電池Bとした。
て、市販のリチウムニッケルコバルトアルミ複合酸化物
(Li1.05Ni0.8Co0.15Al0.05O2)75質量%、
導電剤としてAB20質量%結着剤としてポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)5質量%を使用し、粘度調
整にNMP溶剤を使用した。これによって得られた電池
を電池Cとした。
において、樹脂膜を形成させず従来のセパレータフィル
ムを挟んだ構造での電池を作製し、それぞれ電池D、電
池E、電池Fとした。
維持率(500サイクル)、振動試験合格割合、過充電
での安全性試験合格割合、釘刺し試験合格割合(SBA
安全性評価基準ガイドライン参照)を表1に示す。
1.05倍と向上し、直流放電抵抗は0.6倍と低抵抗
化していることを確認した。同様に、電池Bは電池Eに
対して、1.06倍と向上し、直流放電抵抗は0.56
倍と低抵抗化し、電池Cは電池Fに対して、1.08倍
と向上し、直流放電抵抗は0.51倍と低抵抗化できて
いた。
電池特性が大きく改善し、安全性を得ることができる。
樹脂膜中の孔が蛇行した構造を有すことでデンドライト
によるセパレータの孔を塞ぐような現象が生じないた
め、保存特性が向上し、セパレータフィルムのようにサ
イクル試験や振動試験でずれが生じることはこのような
塗膜構造をとることで防ぐことができて向上。安全性試
験は樹脂の吸熱性により、過充電での温度上昇を抑制
し、釘刺し試験も樹脂膜が溶融して酸素遮断することで
安全性に優れたシステムができる。これによって、安全
なものを得ることができる。更に、一般的な樹脂を容易
に塗膜形成して使用できるためコストダウンを図ること
ができる。
以下に示す。
極のペースト式Cd及びCd(OH)2含有電極の樹脂
材料として、実施例1記載の樹脂膜材料に対して、トリ
アジン架橋剤を添加し、三次元架橋させ、末端基にプラ
ス及びマイナスの両電荷を近くに持った樹脂としてトル
エン溶剤に溶かして、多孔性ニッケル集電体に塗り、実
施例1と同様にスピノーダル分解を利用することで、多
孔質の樹脂層を負極電極上に形成することができた。こ
れも実施例1と同様な孔形状及び構造となっていた。こ
れを用いて、電池を作製したところ、実施例1と同様
に、従来のものよりも信頼性が高く、初期静電容量も向
上するものを得ることができた。また、樹脂材料の末端
基にプラスとマイナスの電荷を近くに配置した構造の樹
脂膜とすることで、強アルカリ中でも樹脂膜が安定する
ことがわかった。
多孔性基板に、ミッシュメタルのニッケル水素化物Mm
Ni5Hと実施例4同様、実施例1記載の樹脂膜材料に
対して、トリアジン架橋剤を添加し、3次元架橋させ、
末端基にプラス及びマイナスの両電荷を近くに持った樹
脂としてトルエン溶剤に溶かしたものを充填し、スピノ
ーダル分解によって、実施例1と同様に電極表面に樹脂
層を得た。樹脂孔の形状及び構造は実施例1と同様のも
のを得、これをニッケル水素電池として組んだところ、
従来のものよりも信頼性が高く、初期静電容量の高いも
のを得ることができた。また、樹脂材料の末端基にプラ
スとマイナスの電荷を近くに配置した構造の樹脂膜とす
ることで、強アルカリ中でも樹脂膜が安定することがわ
かった。
ペースト式電極表面に実施例1と同様に樹脂層を得たと
ころ、同様に信頼性、静電容量を向上させることがで
き、更に、単純な樹脂であるため、従来のセパレータに
比べて大きくコストダウンを図ることができた。
て、負極のZn表面に実施例5と同様に樹脂層を得たと
ころ、従来に比べて、同様に大きく信頼性、静電容量を
向上させることができた。
負極のZn電極に対しても実施例1と同様に樹脂層を得
たところ、従来の課題であった亜鉛及び酸化銀のデンド
ライト析出による内部短絡を防止する事ができ、保存特
性を改善し、さらには、信頼性を向上させることができ
た。
いて、樹脂材料をブチルイソシアネート樹脂60質量
%、スチレン樹脂20質量%、マレイン酸10質量%、
無水マレイン酸5質量%、ブチルゴム5質量%を混合し
たものとし、実施例1と同様にスピノーダル分解させた
ところ、低分子の短鎖がフィラー側に、電極表面に高分
子の長鎖へと分離する勾配を有し、電極表面に樹脂のか
たまりができやすくなりある程度の厚みの絶縁層を得る
ことができることが化学分析により得られ、更に、フィ
ラー同士の凝集が強くなり、フィラー間には絶縁性の乏
しい樹脂が存在することになり導電性の良い抵抗の低い
電極層ができ、セパレータとしても優れた絶縁性を持
ち、更に、直流放電抵抗を下げることができ、保存特性
も若干向上することがわかった。
極ペースト中にミセル材料であるエチレンアミドとピペ
リジンをそれぞれペーストに対して、1質量%ずつ添加
して、塗工したところ、塗工後室温放置15分後に、大
半の樹脂分だけが浮き上がり、フィラー分は凝集沈降し
た状態となり、その後、実施例1と同様に溶剤を気化さ
せ、発泡剤を発泡させるために乾燥することで、実施例
1と同様の結果を得ることができた。これによって、実
施例1における第1段階の加温を省略することが可能と
なる。
後の室温放置を行わず、塗工後、塗工表面側に対してプ
ラス電荷、集電体側にマイナス電荷の電場をかけたとこ
ろ、瞬時に、フィラーと樹脂分が実施例10同様分離
し、製造上安定して制御できることがわかり、このよう
にして作製した電池も実施例1同様の結果を得ることが
わかった。
よらず、電池特性、信頼性、安全性を格段に向上させる
ことができ、更に構成上の歩留まりも向上し、コストダ
ウンを図ることができる。
Claims (12)
- 【請求項1】 正極、負極および正負極間に多孔質樹脂
層を有する電池において、少なくとも一方の電極内の樹
脂と前記多孔質樹脂層の樹脂が同一であり、かつ前記電
極の表面に前記多孔質樹脂層が連続して形成されている
ことを特徴とする電池。 - 【請求項2】 少なくとも一方の電極内の樹脂量が、電
極表面に近いほど多いことを特徴とする請求項1に記載
の電池。 - 【請求項3】 樹脂が吸熱性絶縁樹脂であることを特徴
とする請求項1または2に記載の電池。 - 【請求項4】 樹脂がスポンジ状の連続孔を有すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電池。 - 【請求項5】 樹脂層が蛇行した連続孔を有することを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電池。 - 【請求項6】 樹脂が溶融点以下で吸熱性を有し、12
0℃以上200℃以下で溶融し、少なくとも溶融点以上
で耐熱性を有し、かつ炭化または昇華しない温度範囲を
有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
記載の電池。 - 【請求項7】 正極、負極および正負極間に多孔性樹脂
層を有する電池において、少なくとも活物質と樹脂材料
を含有してなるペーストを集電体に塗工し、前記ペース
トをスピノーダル分解し、電極表面に樹脂層を形成させ
ることを特徴とする電池の製造方法。 - 【請求項8】 ペースト中に発泡剤を含有させ、前記発
泡剤を発泡させることにより樹脂に孔を形成することを
特徴とする請求項7に記載の電池の製造方法。 - 【請求項9】 樹脂材料が少なくとも2種以上の複合樹
脂材料であることを特徴とする請求項7または8のいず
れかに記載の電池の製造方法。 - 【請求項10】 樹脂材料と少なくとも活物質を含むフ
ィラーに少なくともミセル材料を混ぜてペーストとして
集電体に塗工し、前記フィラーを凝集沈殿させ、加熱し
て電極表面に樹脂層を形成させることを特徴とする電池
の製造方法。 - 【請求項11】 電場または磁場を印可してフィラーと
樹脂の分離速度を制御することを特徴とする請求項10
に記載の電池の製造方法。 - 【請求項12】 ペースト中に発泡剤を含有させ、前記
発泡剤を発泡させることにより樹脂に孔を形成すること
を特徴とする請求項10または11に記載の電池の製造
方法。
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