JP2003121411A - 固体電解質型炭酸ガスセンサ素子 - Google Patents

固体電解質型炭酸ガスセンサ素子

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JP2003121411A
JP2003121411A JP2001318338A JP2001318338A JP2003121411A JP 2003121411 A JP2003121411 A JP 2003121411A JP 2001318338 A JP2001318338 A JP 2001318338A JP 2001318338 A JP2001318338 A JP 2001318338A JP 2003121411 A JP2003121411 A JP 2003121411A
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Mitsuhiko Matsui
光彦 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作温度を下げても高精度での計測が可能
で、また応答時間が短縮され、さらにまた、非加熱の状
態で高湿度雰囲気や結露雰囲気などのように水分濃度の
高い雰囲気中に長時間放置されても起電力の変化を生じ
ることがない固体電解質型炭酸ガスセンサ素子を提供す
る。 【解決手段】 NASICON等の固体電解質層の表面
に白金等の電子伝導物質や炭酸ナトリウム等の補助電極
物質を含む作用電極、及び白金等の電子伝導物質を含む
参照電極が接合されてなる固体電解質型炭酸ガスセンサ
素子において、作用極にNiO等の酸化ニッケル、又は
NiLa等のニッケルと他の元素との複合酸化物
を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、雰囲気中の炭酸ガ
ス濃度を測定するための固体電解質型炭酸ガスセンサ素
子に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、住環境、特に室内環境に対する関
心が高まっており、例えば室内の炭酸ガス濃度をモニタ
リングし、炭酸ガス濃度が高くなった場合に自動的に換
気を行なうような炭酸ガスセンサ素子を搭載した空気清
浄装置が開発されている。また、公害防止或いはその対
策の観点から、環境中の炭酸ガス濃度変化を常時測定す
るいわゆる環境測定の重要性も高まっている。これら空
気清浄装置等の制御装置或いは警報装置、または環境測
定装置などに組み込まれる炭酸ガスセンサ素子として
は、ガス選択性が高く小型化が容易で作動条件が広く、
更に保守性に優れるという特長を有する固体電解質型炭
酸ガスセンサ素子が適している。 【0003】固体電解質型炭酸ガスセンサ素子は、一般
に、(a)イオン伝導体である“固体電解質層”に、(b)電
子伝導物質、及び被測定ガスである炭酸ガスとの平衡反
応を引き起こすことができる補助電極物質を含む“作用
電極”、並びに(c)電子伝導物質を含む“参照電極”が
接合された基本構造を有している。このような炭酸ガス
センサ素子においては、付属するヒータによって400
℃〜600℃の一定温度に加熱された状態で被測定ガス
を含む雰囲気中に放置されると、作用電極層に含まれる
補助電極物質と被測定ガスである炭酸ガスとの間で解離
平衡反応が平衡に達するまで進行して作用電極層付近で
固体電解質層の可動イオン濃度に変化が生じ、結果とし
て固体電解質層を介して作用電極層と参照電極層との間
に被測定ガス濃度に応じたある一定の起電力が発生する
ので、該起電力を測定することによって被測定ガス濃度
を知ることができる。 【0004】従来、一般的に知られている固体電解質型
炭酸ガスセンサ素子においては、固体電解質層を形成す
る固体電解質としてNASICON(Na1+AZr
Si 3−A12、但し0≦A≦3)、β−Al
等のナトリウムイオン伝導性物質やLiTiSi
、LiTi(PO等のリチウムイオン伝導
性物質などが、作用電極および参照電極に含まれる電子
伝導物質(該物質は起電力を検出するために必要な物質
である)としては、金や白金など耐熱、耐酸化性に優れ
た貴金属材料が、更に作用電極に含まれる補助電極物質
としてはアルカリ金属炭酸塩やアルカリ土類金属炭酸塩
が一般に用いられている。 【0005】しかし、上記の補助電極物質としてアルカ
リ金属炭酸塩やアルカリ土類金属炭酸塩を用いた固体電
解質型炭酸ガスセンサは、加熱を中断して作動を止めた
状態で高湿度雰囲気や結露雰囲気などのように水分濃度
の高い雰囲気中に放置されると、その後再び作動を開始
した時に起電力が放置前の値に比べて著しく低下する
(以下、このような現象が起こり易いことを非加熱時耐
湿性が低いともいう。)という問題を有していた。 【0006】このような問題点を解決する方法として、
作用極に希土類金属酸化物を添加する方法が知られてお
り(特開平11−174023号公報)、作用極にLa
、Nd、Y、CeO等の希土類金
属酸化物を添加することにより、非加熱の状態で高湿度
の雰囲気中に長時間放置しても起電力が放置前と殆ど変
化しないようにすることが出来、しかも作動開始から起
電力が安定するまでの時間を2時間以内とすることが可
能となっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、固体電解質
型炭酸ガスセンサにおいては、上記非加熱時耐湿性の問
題とは別に、省エネルギーの観点から作動温度を低減す
ることが望まれており、また、特定の用途、例えば炭酸
ガス濃度の変動が激しい環境計測においては雰囲気中の
炭酸ガス濃度が変動した場合に起電力値が素早くその変
動に対応して変化し安定することが望まれている。 【0008】ところが、前記特開平11−174023
号公報に開示されている固体電解質型炭酸ガスセンサに
おいては非加熱時耐湿性の問題は解決されているもの
の、その作動温度及び応答速度は従来の固体電解質型炭
酸ガスセンサと同様であり、必ずしも満足のいくもので
はなかった。例えば、信頼性のある測定を行なうために
作動温度を200℃以下にするのは困難であり、また、
炭酸ガス濃度の変動に追随して起電力が変化し安定する
までの時間(応答時間)は10分以上であった。 【0009】そこで、本発明は、非加熱時耐湿性が高
く、しかも動作温度を下げても高精度での計測が可能
で、更に炭酸ガス濃度変化に対する応答性が良好な(応
答時間が短かい)固体電解質型炭酸ガスセンサを提供す
ることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく研究を重ねた結果、固体電解質層表面に形成
される作用電極に特定の化合物を添加した場合には、上
記の要求性能を全て満足する固体電解質型炭酸ガスセン
サが得られることを見出し、本発明を提案するに至っ
た。 【0011】即ち、本発明は、電子伝導物質、補助電極
物質、及び酸化ニッケル又はニッケルと他の元素との複
合酸化物を含む作用極、並びに電子伝導物質を含む参照
極が固体電解質層の表面に接合されてなることを特徴と
する固体電解質型炭酸ガスセンサ素子である。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型炭酸ガスセ
ンサ素子においては、酸化ニッケル又はニッケルと他の
元素との複合酸化物を含有する作用電極を使用すること
が重要である。作用電極層がこれら酸化物を含まない場
合に作動温度を200℃以下にすると、起電力および感
度の経時的変動が大きくなって炭酸ガス濃度の計測が困
難になるうえに、応答時間が10分以上となり、さらに
高湿度環境下で非加熱の状態で放置されると起電力の値
が放置前と比較して著しく低下してしまう。 【0013】本発明で使用する酸化ニッケルとはニッケ
ル及び酸素で構成される化合物を意味し、ニッケルと他
の元素との複合酸化物とはニッケル、ニッケル及び酸素
以外の1種もしくは2種以上の元素、及び酸素で構成さ
れる化合物を意味する。本発明で使用する酸化ニッケル
又はニッケルと他の元素との複合酸化物としては、上記
のような条件を満足するものであれば公知の化合物が特
に限定されず使用でき、本発明で好適に使用できる酸化
ニッケル又はニッケルと他の元素との複合酸化物を具体
的に例示すれば、NiO、Ni、NiTiO
NiFe、NiMoO、NiWO、NiCu
、NiLa、NiGeO、NiLa
uO、NiLaZrO、NiFeTi
10、NiGaSiO、NiMgMnO
NiKSiW1139、及びこれらの混合物が挙げ
られる。 【0014】これらの酸化物のうち、素子の作動温度低
減効果、応答時間短縮効果、及び非加熱時耐湿性向上効
果が特に高いという点から、NiO、NiTiO、及
びNiLaからなる群より選ばれる少なくとも1
種の酸化物を使用するのが好適である。 【0015】本発明で使用する酸化ニッケル又はニッケ
ルと他の元素との複合酸化物は、市販のものをそのまま
利用できる。また、一般的な複合酸化物の製造方法に従
って容易に得ることもでき、例えば、Ni、Ti、La
等の構成元素を含み、焼成することによりこれら元素の
酸化物を与える炭酸塩等の化合物、又は一酸化ニッケ
ル、酸化チタン等のこれら元素の酸化物を、それぞれ化
学量論的に反応が進行した時に所望の組成となる様な量
比で混合し焼成する方法;又は、Ni、Ti、La等の
構成元素を含む炭酸塩や金属アルコキシドをそれぞれ化
学量論的に反応が進行した時に所望の組成となるような
量比で混合し、これをエチレングリコールとクエン酸の
溶液中で加熱する、いわゆるクエン酸塩法により好適に
得ることができる。 【0016】作用電極層中に含まれる酸化ニッケル又は
ニッケルと他の元素との複合酸化物の量は特に制限され
ないが、効果の観点から、作用電極中の電子伝導物質及
び補助電極物質の合計重量100重量部に対して、1〜
50重量部、特に2〜30重量部であることが好まし
い。 【0017】本発明の固体電解質型炭酸ガスセンサ素子
は、作用電極として酸化ニッケル又はニッケルと他の元
素との複合酸化物を含有する作用電極を用いる他は、従
来の固体電解質型炭酸ガスセンサ素子と特に変わる点は
ない。即ち、本発明の固体電解質型炭酸ガスセンサ素子
は、従来の固体電解質型炭酸ガスセンサ素子と同様に、
固体電解質層の表面に作用極及び参照極が接合された基
本構造を有する。図1に代表的な本発明の固体電解質型
ガスセンサ素子の断面図を示す。該固体電解質型センサ
素子では、加熱用電源7に接続したヒータ6がその裏面
に接合されている“アルミナ、窒化アルミニウム等から
成るセラミックス基板4”上に、“層状の参照電極3、
固体電解質層2、及び層状の作用電極1がこの順で積層
された積層体”が、該積層体の参照電極3の表面が上記
セラミック基板と接触するようにして接着剤5を用いて
接合され、更に参照電極3及び作用電極1間の電位差を
測定するための電圧計8が両電極に電気的に接合された
構造を有している。なお、図1に示す構造は一例に過ぎ
ず、ヒータ及びその電源、電圧計等の付属部品との結合
様式を含めて各種部材の接続様式は図1に示すものに限
定されるものではない。例えば作用電極及び参照電極の
配置は、作用電極層及び参照電極層に接触していれば特
に制限されず、固体電解質層の同一表面上に作用伝極と
参照電極とが一定の距離をおいて形成されていてもよ
い。また、ヒータの接続態様についてもセンサの作動を
阻害しなければ特に制限されず、さらに、何らかの方法
で素子外部からの加熱によって素子の温度を所定の一定
温度に保つことが可能であればヒータを用いなくてもよ
い。 【0018】また、本発明の固体電解質型炭酸ガスセン
サ素子に用いられる作用極、参照極、及びこれら電極を
構成する部材の構造、材質、形状、及び大きさ等も特に
限定されず、従来の固体電解質型ガスセンサ素子におい
て採用されているものが何ら制限されず使用できる。例
えば、前記図1に示されるような構造の本発明の炭酸ガ
スセンサ素子においては以下に示すようなものがこれら
部材として好適に使用できる。 【0019】即ち、作用電極としては、電子伝導物質、
被測定ガスとの平衡反応を引き起こすことができる補助
電極物質及び、酸化ニッケル又はニッケルと他の元素と
の複合酸化物を含む全層厚が0.001〜0.05mm
の層状体からなるものが使用できる。ここで、電子伝導
物質は、後述する参照電極層に含まれる電子伝導物質と
同様に、センサ素子の起電力を出力するための物質であ
り、白金、金、パラジウム、銀などの貴金属元素及びこ
れらの合金、もしくはこれら貴金属元素の2種類以上を
混合したものが一般的に採用されるが、耐腐食性に優れ
ていることから白金、金、これらの混合物、又はこれら
の合金が特に好適に採用される。また、上記補助電極物
質としては、炭酸ガスが含まれる雰囲気中で炭酸ガスと
の平衡反応を引き起こすことができる物質であれば特制
限されず、炭酸ナトリウムや炭酸リチウムなどのアルカ
リ金属炭酸塩或いはこれらの混合物、又は炭酸カルシウ
ムや炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩或
いはこれらの混合物が採用されるが、炭酸ガスとの平衡
反応を起こしやすいことから、炭酸ナトリウム及び/又
は炭酸リチウムが好適に採用される。作用電極中に含ま
れる電子伝導物質及び補助電極物質の含有割合は特に制
限されないが、連続使用時におけるセンサ素子の起電力
のふらつきが少ないことから、両物質の合計重量を基準
とする電子伝導物質の重量%で表して、20〜95重量
%、特に40〜90%であることが好ましい。なお、作
用電極の構造も特に限定されず、(i)電子伝導物質、補
助電極物質及び、酸化ニッケル又はニッケルと他の元素
との複合酸化物が固体電解質層表面に層状に積み重ねら
れた構造、(ii)固体電解質層表面に形成された補助電極
物質及び、酸化ニッケル又はニッケルと他の元素との複
合酸化物を含む層の一部または全部を電子伝導物質が被
覆する構造、(iii)電子伝導物質中に補助電極物質及
び、酸化ニッケル又はニッケルと他の元素との複合酸化
物が分散して存在する構造等の公知の構造を取り得る
が、製造の容易さからは上記(iii)の構造が好ましい。
また、これら構造の作用電極は、電子伝導物質、補助電
極物質及び、酸化ニッケル又はニッケルと他の元素との
複合酸化物をそれぞれ単独でもしくは混合した後に溶媒
及びバインダーと混練してペースト化し、該ペーストを
スクリーン印刷法などによって固体電解質層表面に焼き
付ける方法;電子伝導物質および補助電極物質をスパッ
タリングや蒸着などの薄膜形成技術によって形成する方
法などの方法により形成できる。 【0020】参照電極としては、上記したような電子伝
導物質、好適には白金、金、これらの混合物、又はこれ
らの合金からなる厚さ0.001〜0.03mmの層状
体のものが好適に採用される。該参照電極も上記作用極
と同様の方法により形成できる。 【0021】また、固体電解質層としては、前述のNA
SICON、LiTiSiOなどの固体電解質が厚
さ0.02mm〜2.0mmの板状、円筒状、有底円筒
状等の形状に成形されたものが好適に使用できる。な
お、固体電解質層の形成方法も特に限定されず、例え
ば、固体電解質の合成原料を焼成し、成型した後に加熱
する方法;固体電解質の合成原料を成型した後、焼結す
る方法;又は固体電解質の合成原料を溶媒およびバイン
ダーと混練してペースト化し、該ペーストをスクリーン
印刷報などによってセラミックスやガラスの基板上に印
刷して焼き付ける方法などが好適に採用できる。 【0022】本発明の炭酸ガスセンサ素子は、一定の温
度に保たれた条件下で被検出ガスである炭酸ガスを含み
得る雰囲気下に放置することによって使用され、前記電
圧計で測定される起電力に基づいて雰囲気中の炭酸ガス
濃度を測定することができるものであるが、非加熱時耐
湿性が高いばかりでなく、動作温度を200℃程度に下
げても高精度での計測が可能であり省エネルギー運転が
可能である。そして、炭酸ガス濃度が大きく変化ときの
応答時間も約10〜20秒と非常に短い。このため、炭
酸ガス濃度変化が激しい環境測定用の炭酸ガスセンサ素
子として特に好適に使用できる。 【0023】 【実施例】本発明を具体的に説明するために以下の実施
例を挙げて説明するが、本発明は、これら実施例に制限
されるものではない。 【0024】実施例1〜3 先ず、CONa、Zr(CO)、Si
(OC、(C O)POをモル比で
3:2:2:1となるように混合し、金属アルコキシド
化合物を加水分解した後に100℃で乾燥し、さらに9
00℃で4時間焼成ののちにペレット状に一軸成型し、
1200℃の大気雰囲気で10時間焼結して円盤状のペ
レットとし、NASICONからなる固体電解質層を形
成した。 【0025】次に、5重量%エチルセルロースを溶解し
たテルピネオール30重量部に対して、電子伝導物質と
しての金粉末、補助電極物質としてのLiCO又は
Na CO、及び市販のNiO粉末を表1に示した割
合で混練してペーストとし、これを上記固体電解質層の
片面にスクリーン印刷、乾燥した後に650℃の大気中
で30分焼成し、膜厚が0.015mmの作用電極層を
形成した。 【0026】その後、電子伝導物質としての金粉末10
0重量部に、5重量%エチルセルロースを溶解したテル
ピネオール30重量部を加えて混連し、ペースト化した
後にこれを上記固体電解質層の作用電極層を形成した面
とは反対の表面にスクリーン印刷し、乾燥後に650℃
の大気中で30分焼成して膜厚が0.015mmの参照
電極層を形成した。 【0027】次いで、市販の白金ペーストを用いてスク
リーン印刷法によって形成した白金ヒータを搭載するア
ルミナ基板を、ヒータが形成されていない面が接合面に
なるように上記参照電極層上にガラスよりなる接着剤を
用いて接合すると共に、ヒータに外部交流電源を接続
し、更に作用電極及び参照電極間に電圧計を接続し、図
1に示されるような断面構造を有する固体電解質型セン
サ素子を作製した。 【0028】上記の様にして作製した固体電解質型炭酸
ガスセンサ素子について、下記(1)〜(3)に示す様
にして、起電力及び感度の作動温度依存性試験、応答時
間測定、並びに非加熱時耐湿性試験を行った。測定結果
を表2に示す。 【0029】(1)起電力と感度の作動温度依存性試験
方法 固体電解質型炭酸ガスセンサ素子を作製した直後に炭酸
ガス濃度が自由に制御できるチャンバー内に入れ、電源
よりヒータに直流電圧を印加することで素子を作動温度
の200℃に加熱し、センサ素子を該温度に保持したま
ま、チャンバー内の炭酸ガス濃度を350ppmに調整
して起電力を測定した。次いで、チャンバー内の炭酸ガ
ス濃度を2000ppmに調整し、同一温度で起電力を
測定した。その後、素子温度(作動温度)を300℃、
及び450℃に上げて、各温度で同様にして350pp
m及び2000ppmにおける起電力を測定した。ま
た、各温度における350ppmのときと2000pp
mの時の起電力差を求め、この値を各作動温度における
感度とした。 【0030】(2)応答時間測定方法 上記(1)の試験の測定後直ちに、固体電解質型炭酸ガ
スセンサ素子を炭酸ガス濃度が自由に制御できるチャン
バー内に入れ、電源よりヒータに直流電圧を印加するこ
とで素子を450℃に加熱し、センサ素子を450℃に
保持したまま、チャンバー内の炭酸ガス濃度を350p
pmに調整し起電力が一定になったことを確認して炭酸
ガス濃度を2000ppmへ瞬間に変化させ、起電力が
安定するまでの時間(応答時間)を測定した。次にチャ
ンバー内の炭酸ガス濃度を2000ppmから350p
pmへ瞬間的に変化させ、起電力が安定するまでの時間
(応答時間)を測定した。 【0031】(3)非加熱時耐湿性試験方法 上記(2)の試験の測定後直ちに、固体電解質型炭酸ガ
スセンサ素子を炭酸ガス濃度が自由に制御できるチャン
バー内に入れ、電源よりヒータに直流電圧を印加するこ
とで素子を450℃に加熱し、センサ素子の温度を45
0℃に保持したまま、チャンバー内の炭酸ガス濃度を3
50ppmおよび2000ppmに調整し、それぞれの
濃度での起電力を測定して、これを初期の起電力とし
た。また、350ppmの時の起電力値と2000pp
mの時の起電力値との差を求め、これを素子温度450
℃における初期の感度とした。素子温度450℃時にお
ける初期感度を測定後、センサ素子をチャンバー内から
取り出し、これを温度60℃、湿度90%に保持された
恒温槽内に入れて、非加熱の状態で7日間放置した後に
恒温槽から取り出し、素子温度が450℃時における3
50ppmと2000ppmにおける起電力(試験後起
電力)を同様にして測定し、感度(試験後感度)を算出
した。 【0032】 【表1】 【0033】 【表2】【0034】実施例4〜6 作用電極に添加するNiO粉末をNiTiO粉末に変
更する以外は、実施例1〜3と同様にして固体電解質型
炭酸ガスセンサを作製し、実施例1〜3と同様にして評
価を行なった。作用極の組成を表1に、評価結果を表2
にそれぞれ合わせて示す。 【0035】実施例7〜8 作用電極に添加するNiO粉末をNiLa粉末に
変更する以外は、実施例1〜3と同様にして固体電解質
型炭酸ガスセンサを作製し、実施例1〜3と同様にして
評価を行なった。作用極の組成を表1に、評価結果を表
2にそれぞれ合わせて示す。 【0036】比較例1〜4 表1に示す組成の作用極を用いる以外は実施例1〜3と
同様にして固体電解質型炭酸ガスセンサを作製し、実施
例1〜3と同様にして評価を行なった。作用極の組成を
表1に、評価結果を表2にそれぞれ合わせて示す。 【0037】比較例1及び2は、それぞれ実施例2にお
いてNiOに替えて希土類酸化物であるLaを使
用したものであるが、非加熱時耐湿性は高いものの応答
時間が長く、また200℃という低温では炭酸ガス濃度
の測定を行なうことができなかった。また、比較例3及
び4は電子伝導物質および補助電極物質のみからなる作
用電極を用いた例であるが、この場合には非加熱時耐湿
性も低くなっている。 【0038】 【発明の効果】本発明の固体電解質型炭酸ガスセンサ素
子は、非加熱時耐湿性が高いばかりでなく、動作温度を
例えば200℃に下げても高精度での計測が可能で、さ
らに応答時間10〜20秒と非常に短かい。このため、
長期間信頼性の高い測定が可能なばかりでなく、使用時
に消費するエネルギーを低減することができる。さら
に、炭酸ガス濃度変化が激しくなる可能性がある環境測
定にも充分に使用可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本図は、代表的な本発明の固体電解質型炭酸
ガスセンサ素子の断面図である。 【符号の説明】 1.作用電極 2.固体電解質層 3.参照電極 4.セラミックス板 5.接着剤 6.ヒータ 7.電源 8.電圧計

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 電子伝導物質、補助電極物質、及び酸化
    ニッケル又はニッケルと他の元素との複合酸化物を含む
    作用極、並びに電子伝導物質を含む参照極が固体電解質
    層の表面に接合されてなることを特徴とする固体電解質
    型炭酸ガスセンサ素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128868A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Nagaoka Univ Of Technology 有機物センサー用素子及びその製造方法

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JP2008128868A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Nagaoka Univ Of Technology 有機物センサー用素子及びその製造方法

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