JP2003121380A - 表面検査装置および表面検査方法 - Google Patents

表面検査装置および表面検査方法

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JP2003121380A
JP2003121380A JP2001313875A JP2001313875A JP2003121380A JP 2003121380 A JP2003121380 A JP 2003121380A JP 2001313875 A JP2001313875 A JP 2001313875A JP 2001313875 A JP2001313875 A JP 2001313875A JP 2003121380 A JP2003121380 A JP 2003121380A
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Mari Yamamoto
麻理 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板などの被検物体の種類(製造工程の種類)
を検査員が知らなくても、回折画像の明暗差(コントラ
スト差)が良好な最適条件の下で、自動的に繰り返しパ
ターンの欠陥検査を行える表面検査装置および表面検査
方法を提供する。 【解決手段】 回折光L2の進行方向と集光光学系27
の光軸方向O2との間の角度に関わる第1装置条件、お
よび、撮像手段28から出力される画像信号の出力レベ
ルに関わる第2装置条件を最適条件に設定する。また、
第2装置条件を一定に保ちながら第1装置条件を予め定
めた一定範囲内で変化させて該第1装置条件の最適条件
を少なくとも1つ決定し、該決定により得られた最適条
件の任意の1つに第1装置条件を保ちながら第2装置条
件を変化させて該第2装置条件の最適条件を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体回路素子や
液晶表示素子の製造工程において基板の表面を検査する
表面検査装置および表面検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体回路素子や液晶表示素
子の製造工程では、基板(ウエハやプレート)の表面に形
成された繰り返しパターンの欠陥検査が行われる。この
欠陥検査は目視観察でも行えるが、検査員の技能や体調
により検査基準が変化して、検査結果にばらつきが生じ
やすい。このため、近年では、基板の表面の欠陥検査を
自動化することが検討されている。
【0003】自動化された従来の表面検査装置は、例え
ば特開平10−325805号公報に開示されている通
り、基板上の繰り返しパターンから発生する回折光に基
づいて基板の像(回折像)を撮像し、得られた回折画像
の明暗差(コントラスト差)により、繰り返しパターン
の欠陥箇所を特定するものである。ちなみに、回折画像
の明暗差(コントラスト差)は、繰り返しパターンの欠
陥箇所と正常箇所とで回折効率が異なることに起因して
現れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の表面検査装置は、基板の種類(製造工程の種
類)、つまり基板に形成されたレジスト層の繰り返しパ
ターンのピッチに関する設計値に応じて、基板の回折像
を撮像する際の装置条件(例えば基板のチルト角や基板
に対する照明光量など)を最適条件に自動設定するもの
であった。
【0005】このため、検査員が基板の種類(製造工程
の種類)を知らない場合は、装置条件を最適条件に自動
設定することができず、結果として、繰り返しパターン
の欠陥箇所を自動的に特定できなかった。最適条件と
は、基板の回折像を撮像して得られる回折画像の明暗差
(コントラスト差)が良好となる条件である。本発明の
目的は、基板などの被検物体の種類(製造工程の種類)を
検査員が知らなくても、回折画像の明暗差(コントラス
ト差)が良好な最適条件の下で、自動的に繰り返しパタ
ーンの欠陥検査を行える表面検査装置および表面検査方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の表面検
査装置は、被検物体に照明光を照射する照明光学系と、
前記被検物体からの回折光を集光して被検物体像を形成
する集光光学系と、前記被検物体像を撮像して画像信号
を出力する撮像手段と、前記撮像手段から前記画像信号
を入力して前記被検物体の欠陥を検出する検出手段と、
前記回折光の進行方向と前記集光光学系の光軸方向との
間の角度に関わる第1装置条件を調整する第1調整手段
と、前記撮像手段から出力される前記画像信号の出力レ
ベルに関わる第2装置条件を調整する第2調整手段と、
前記撮像手段が前記検出手段による欠陥検出のための前
記被検物体像を撮像する前に、前記第1調整手段を制御
して前記第1装置条件を最適条件に設定し、前記第2調
整手段を制御して前記第2装置条件を最適条件に設定す
る設定手段と、前記設定手段による条件設定に用いられ
る前記第1装置条件の最適条件と前記第2装置条件の最
適条件との組み合わせを少なくとも1つ決定する決定手
段とを備えたものであり、前記決定手段が、前記第2装
置条件を一定に保ちながら前記第1装置条件を予め定め
た一定範囲内で変化させて該第1装置条件の最適条件を
少なくとも1つ決定し、該決定により得られた最適条件
の任意の1つに前記第1装置条件を保ちながら前記第2
装置条件を変化させて該第2装置条件の最適条件を決定
するものである。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の表面検査装置において、前記決定手段が、前記第2装
置条件の最適条件を決定する際、前記第2装置条件を変
化させる毎に前記撮像手段から前記画像信号を入力し、
該画像信号の出力レベルが予め定めた一定範囲内に収束
したときの前記第2装置条件を最適条件として決定する
ものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の表面検査装置において、前記第2調整
手段が、前記照明光の光量と前記撮像手段の露光時間と
感度との少なくとも1つを前記第2装置条件として調整
するものである。
【0009】請求項4に記載の表面検査方法は、被検物
体に照明光を照射する照明工程と、記被検物体からの回
折光を集光する集光光学系によって形成される被検物体
像を撮像して画像信号を出力する撮像工程と、前記画像
信号を入力して前記被検物体の欠陥を検出する検出工程
と、前記撮像工程で前記検出工程における欠陥検出のた
めの前記被検物体像を撮像する前に、前記回折光の進行
方向と前記集光光学系の光軸方向との間の角度に関わる
第1装置条件を制御して該第1装置条件を最適条件に設
定し、前記撮像工程で出力される前記画像信号の出力レ
ベルに関わる第2装置条件を制御して該第2装置条件を
最適条件に設定する設定工程と、前記設定工程における
条件設定に用いられる前記第1装置条件の最適条件と前
記第2装置条件の最適条件との組み合わせを少なくとも
1つ決定する決定工程とを備えたものであり、前記決定
工程が、前記第2装置条件を一定に保ちながら前記第1
装置条件を予め定めた一定範囲内で変化させて該第1装
置条件の最適条件を少なくとも1つ決定し、該決定によ
り得られた最適条件の任意の1つに前記第1装置条件を
保ちながら前記第2装置条件を変化させて該第2装置条
件の最適条件を決定するものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の表面検査方法において、前記決定工程が、前記第2装
置条件の最適条件を決定する際、前記第2装置条件を変
化させる毎に前記撮像手段から前記画像信号を入力し、
該画像信号の出力レベルが予め定めた一定範囲内に収束
したときの前記第2装置条件を最適条件として決定する
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。本発明の実施形態は、請求項1
〜請求項5に対応する。本実施形態の表面検査装置10
は、図1に示すように、被検物体であるウエハ11を保
持するホルダ12と、ホルダ12上のウエハ11の表面
に照明光L1を照射する照明光学系13と、照明光L1
が照射されたウエハ11の表面からの回折光L2を受光
する受光光学系14と、画像処理装置15とで構成され
ている。
【0012】本実施形態の表面検査装置10は、半導体
回路素子の製造工程において、ウエハ11の表面に形成
された繰り返しパターンの欠陥検査を自動的に行うため
の装置である。繰り返しパターンとは、周期的に繰り返
される線配列形状の回路パターンのことである。表面検
査装置10のホルダ12には、不図示のチルト機構と回
転機構とが設けられる。このため、ホルダ12は、チル
ト機構によって、ウエハ11の表面を通る軸Ax2のま
わりに所定の角度範囲(20°〜75°)内でチルト可
能であり、回転機構によって、ウエハ11の表面に垂直
な軸Ax1のまわりに回転可能である。
【0013】なお、ホルダ12は、不図示の搬送装置に
よって搬送されてきたウエハ11を上面に載置し、真空
吸着によって固定保持する。ホルダ12は、請求項の
「第1調整手段」に対応する。ホルダ12(ウエハ1
1)のチルト角Tは、請求項の「第1装置条件」に対応
する。ここで、ホルダ12(ウエハ11)の軸Ax2に
平行な方向をX方向とする。また、ホルダ12(ウエハ
11)が水平に保たれた状態での法線(基準法線)に平
行な方向をZ方向とする。さらに、X方向およびZ方向
に直交する方向をY方向とする。
【0014】表面検査装置10の照明光学系13は、光
源21とライトガイド22と凹面反射鏡23とで構成さ
れた偏心光学系であり、光源21は、放電ランプ24と
波長選択フィルタ25とニュートラルデンシティ(ND)
フィルタ26とで構成されている。このうち、放電ラン
プ24は、例えばメタルハライドランプや水銀ランプで
ある。波長選択フィルタ25は、透過波長域が異なる複
数種類のフィルタと、これらのフィルタを切り換える機
構とで構成され、放電ランプ24から射出された光の波
長選択を行う。この波長選択フィルタ25は、照明光L
1の波長を調整する手段である。
【0015】NDフィルタ26は、透過濃度が周方向に
順次変化する1枚の円盤状フィルタと、これを回転させ
る機構とで構成され、円盤状フィルタの回転角に応じて
波長選択フィルタ25からの光の光量調整を行う。ND
フィルタ26による光量調整は、0〜65000の範囲
の各段階で行われる。このNDフィルタ26は、照明光
L1の光量を調整する手段であり、請求項の「第2調整
手段」に対応する。照明光L1の光量は、請求項の「第
2装置条件」に対応する。
【0016】ライトガイド22は、光源21からの光を
伝送して、端面22aから凹面反射鏡23に向けて射出
する。ライトガイド22の端面22aは、凹面反射鏡2
3の前側焦点位置に配置されている。凹面反射鏡23
は、球面の内側を反射面とした反射鏡であり、ホルダ1
2の斜め上方に配置される。つまり、凹面反射鏡23の
中心とホルダ12の中心とを通る軸(光軸O1)は、Z
方向に対して所定の角度だけ傾けられている。
【0017】また、凹面反射鏡23は、光軸O1がホル
ダ12の軸Ax2(X方向)に対して直交するように配
置されている。このため、光軸O1とウエハ11の法線
(軸Ax1)とを含む面(入射面)は、YZ面に平行と
なる。さらに、凹面反射鏡23は、後側焦点面がウエハ
11と略一致するように配置されている。このため、表
面検査装置10の照明光学系13は、ウエハ11側に対
してテレセントリックな光学系となっている。
【0018】上記の照明光学系13において、光源21
からの光は、ライトガイド22と凹面反射鏡23とを介
して、ウエハ11の表面全体に照射される(照明光L
1)。照明光L1は、ウエハ11上の任意の点に到達す
る光束の中心線が光軸O1に略平行な光束である。照明
光L1の入射角(θi−T)は、ウエハ11の表面に垂直
な軸Ax1と光軸O1との間の角度に相当する。
【0019】このようにして照明光L1が照射される
と、ウエハ11の表面に形成された繰り返しパターンか
らは、後述する回折の条件にしたがって、回折光L2が
発生する。回折光L2の強度は、繰り返しパターンの欠
陥箇所と正常箇所とで異なる。回折光L2の回折角(θ
r+T)は、ウエハ11の表面に垂直な軸Ax1と回折
光L2の進行方向との間の角度に相当する。ちなみに、
回折光L2を発生させる繰り返しパターンの直線方向
は、ホルダ12の軸Ax2に略平行である。
【0020】ここで、回折の条件は、照明光L1の波長
λおよび入射角(θi−T)、回折光L2の回折角(θr
+T)および回折次数n、繰り返しパターンのピッチp
を用いると、次式(1)で表すことができる。 sin(θi−T) − sin(θr+T) = nλ/p …(1) 式(1)において、入射角(θi−T)および回折角(θr+
T)は、ウエハ11の表面に垂直な軸Ax1を基準とし
て入射側に見込む角度方向をプラス、反射側に見込む角
度方向をマイナスとする。回折次数nは、n=0の0次
回折光(正反射光)を基準として入射側に見込む角度方
向をプラス、反射側に見込む角度方向をマイナスとす
る。
【0021】また、式(1)において、θiは基準法線
(Z方向)と光軸O1との間の角度を表し、θrは基準法
線(Z方向)と回折光L2の進行方向との間の角度を表
し、Tはホルダ12のチルト角を表している。チルト角
Tは、所定の角度範囲(20°〜75°)内において可変
であり、ホルダ12が水平状態に保たれたときをT=0
とし、入射側への角度方向をプラス、反対側への角度方
向をマイナスとする。θiは、表面検査装置10におけ
る固定値であり、チルト角T=0のときの照明光L1の
入射角に相当する。θrは、チルト角T=0のときの回
折光L2の回折角に相当する。
【0022】式(1)からも分かるように、チルト角Tを
変化させることにより、照明光L1の入射角(θi−T)
をチルト角Tに応じて変化させることができ、結果とし
て、回折光L2の回折角(θr+T)も変化させることが
できる。
【0023】表面検査装置10の受光光学系14は、回
折光L2を受光する光学系であり、凹面反射鏡27(集
光光学系)と、CCDカメラ28(撮像手段)とで構成
された偏心光学系である。凹面反射鏡27は、上記の凹
面反射鏡23と同様の反射鏡であり、ホルダ12の斜め
上方に配置される。つまり、凹面反射鏡27の中心とホ
ルダ12の中心とを通る軸(光軸O2)が基準法線(Z
方向)に対して所定の角度θdだけ傾くように配置され
ている。
【0024】θdは、表面検査装置10における固定値
である。以下、ウエハ11の表面に垂直な軸Ax1と光
軸O2との間の角度(θd+T)を受光角という。この受
光角(θd+T)も、上記の入射角(θi−T)と同様、チ
ルト角Tに応じて変化する。また、CCDカメラ28
は、その撮像面が凹面反射鏡23の焦点面と略一致する
ように配置される。CCDカメラ28の撮像面には、複
数の画素が2次元的に配列されている。
【0025】上記の受光光学系14において、ウエハ1
1の繰り返しパターンから発生した回折光L2は、凹面
反射鏡23を介して集光され、CCDカメラ28の撮像
面上に到達する。CCDカメラ28の撮像面上には、回
折光L2によるウエハ11の像(ウエハ回折像)が形成
される。CCDカメラ28は、ウエハ回折像を撮像し
て、画像信号を画像処理装置15に出力する。
【0026】ここで、回折光L2の強度は、ウエハ11
の繰り返しパターンの欠陥箇所と正常箇所とで異なる。
このため、CCDカメラ28の撮像面に形成されるウエ
ハ回折像には、繰り返しパターンの欠陥箇所と正常箇所
とに起因する明暗差(コントラスト差)が生じることに
なる。表面検査装置10の画像処理装置15は、制御部
16と、条件決定部17と、欠陥検出部18と、メモリ
19とで構成されている。
【0027】このうち制御部16は、ホルダ12(ウエ
ハ11)の軸Ax2まわりのチルト制御や軸Ax1まわ
りの回転制御、NDフィルタ26の回転制御、波長選択
フィルタ25の切り換え制御を行う。つまり、制御部1
6は、CCDカメラ28がウエハ回折像を撮像する際の
装置条件(後述するチルト角T,照明光量I)を設定す
る手段であり、請求項の「設定手段」に対応する。
【0028】また、制御部16は、CCDカメラ28か
ら得られるウエハ回折像の画像信号を所定ビット(例え
ば8ビット)のディジタル画像に変換して、メモリ19
に記憶させる。さらに、上記の装置条件(後述するチル
ト角T,照明光量I)も併せてメモリ19に記憶させ
る。条件決定部17は、CCDカメラ28がウエハ回折
像を撮像する際の最適な装置条件(後述する最適チルト
角Ts,最適照明光量Is)の決定処理を行う。欠陥検
出部18は、ウエハ11の繰り返しパターンの欠陥検出
処理を行う。条件決定部17における条件決定や欠陥検
出部18における欠陥検出についての詳細は、後述す
る。条件決定部17と制御部16とは、請求項の「決定
手段」に対応する。欠陥検出部18と制御部16とは、
請求項の「検出手段」に対応する。
【0029】ところで、本実施形態の表面検査装置10
では、上記の照明光学系13と受光光学系14とが固定
されている(θi,θdは固定値)。このため、入射角
(θi−T)および受光角(θd+T)の調整は、ホルダ1
2(ウエハ11)を軸Ax2のまわりにチルトさせるこ
とで行われる。ただし、入射角(θi−T)と受光角(θ
d+T)との和は常に一定である。
【0030】この表面検査装置10では、回折光L2の
回折角(θr+T)が受光角(θd+T)と一致するように
ホルダ12(ウエハ11)をチルトさせれば、つまり、
式(1)のθrにθd(固定値)を代入したときの解Tにし
たがってホルダ12(ウエハ11)をチルトさせれば、
ウエハ11の繰り返しパターンから発生した回折光L2
を受光光学系14の光軸O2に沿って進行させることが
できる。
【0031】そして、受光光学系14の光軸O2に沿っ
て導かれる回折光L2の光量が適量である場合には、C
CDカメラ28によって、コントラストの良好なウエハ
回折像を撮像することができる。回折光L2の光量は、
ウエハ11に照射される照明光L1の光量(照明光量
I)を調整することで、適量に設定できる。なお、照明
光量Iの調整は、NDフィルタ26を用いて行われる。
【0032】このように、CCDカメラ28により撮像
されるウエハ回折像のコントラストが良好か否かは、ウ
エハ回折像を撮像する際の装置条件(ウエハ11のチル
ト角T,照明光量I)に左右される。つまり、コントラ
ストの良好なウエハ回折像を撮像するためには、チルト
角Tを最適条件(最適チルト角Ts)に設定すると共
に、照明光量Iを最適条件(最適照明光量Is)に設定
することが必要となる。ちなみに、最適チルト角Ts
は、ウエハ11に形成された繰り返しパターンのピッチ
pによって異なる。
【0033】次に、本実施形態の表面検査装置10にお
ける最適な装置条件(最適チルト角Ts,最適照明光量
Is)の決定方法について説明する。最適な装置条件
(最適チルト角Ts,最適照明光量Is)の決定は、画
像処理装置15の制御部16と条件決定部17とが、図
2,図3に示すフローチャートの手順にしたがって行
う。図2のステップS1〜S7は、最適チルト角Tsを
決定する手順である。図2のステップS8〜S13およ
び図3は、最適照明光量Isを決定する手順である。
【0034】ウエハ11がホルダ12上に固定される
と、制御部16は、まず、ウエハ11のチルト角Tを初
期値(20°)に設定する(図2のステップS1)。そし
て、CCDカメラ28からウエハ回折像の画像信号を取
り込み(ステップS2)、ディジタル画像に変換してメ
モリ19に記憶させる。また、このときのチルト角Tも
メモリ19に記憶させる。メモリ19内のディジタル画
像を「ウエハ回折画像」という。
【0035】次に、制御部16は、ステップS3におい
て、現在のチルト角Tが終了値(75°)か否かを判断す
る。そして、未だ終了値(75°)に達していない場合は
(S3がN)、ウエハ11のチルト角Tを所定角度(例
えば0.2度)だけ変化させて(ステップS4)、ステ
ップS2の処理に戻る。すなわち、制御部16は、ウエ
ハ11のチルト角Tを初期値(20°)から終了値(75
°)までの一定範囲ΔT内で所定角度(例えば0.2度)
おきに変化させながら、順次にウエハ回折像の画像信号
を取り込み、チルト角Tが異なるときのウエハ回折画像
とチルト角Tとをメモリ19に順次記憶させる(ステッ
プS1〜S4)。この間、照明光L1の光量(照明光量
I)は一定に保たれる。
【0036】そして、ウエハ11のチルト角Tが終了値
(75°)に達すると(S3がY)、次のステップS5の
処理に進む。この時点で、チルト角Tの変動範囲ΔT
(20°〜75°)の全範囲について、ウエハ回折像の
画像信号の取り込みが終了したことになる。その結果、
メモリ19には、変動範囲ΔTの全範囲についてのウエ
ハ回折画像とチルト角Tとが記憶される。
【0037】次に、ステップS5では、メモリ19内の
全てのウエハ回折画像とチルト角Tとが条件決定部17
に順次読み出される。そして、条件決定部17は、チル
ト角Tが異なる各ウエハ回折画像ごとに、全画素の輝度
値を調べて、最大輝度値を求める。なお、各画素の輝度
値は、ウエハ回折画像が8ビットの場合、256段階
(0〜255)である。
【0038】このようにして各ウエハ回折画像ごとの最
大輝度値を求めた結果、チルト角Tの変動範囲ΔT(2
0°〜75°)の全範囲において、チルト角Tと最大輝
度値との関係が得られる。図4は、チルト角Tに対する
最大輝度値の変化をグラフ化したものである。次に、条
件決定部17は、ステップS6において、チルト角Tに
対する最大輝度値の変化(図4)を示す波形に対して二
次微分処理を施し、最大輝度値の変化点(ピーク)を検
出する。図4に示す波形の例では、変化点(ピーク)と
して、チルト角T=t1,t2,t3,t4の4つが検出
される。
【0039】最大輝度値の各々の変化点(ピーク)は、
ウエハ11の繰り返しパターンから発生した回折光L2
が受光光学系の光軸O2に沿って導かれたときに得られ
る。また、ウエハ11の繰り返しパターンから発生する
回折光L2の進行方向は、繰り返しパターンのピッチp
によって異なる。このため、図4の例は、ウエハ11の
表面に少なくとも4種類のピッチpの繰り返しパターン
が存在することを示している。
【0040】したがって、条件決定部17は、上記した
4つの変化点(ピーク)のチルト角T=t1,t2,t
3,t4を、ウエハ11の表面に形成された4種類の繰
り返しパターンの欠陥を検査するために最適な装置条件
(最適チルト角Ts)として決定する。そして、これら
の最適チルト角Ts(=t1,t2,t3,t4)を制御部
16に出力し、メモリ19に記憶させる(ステップS
7)。
【0041】上記のステップS1〜S7によって最適チ
ルト角Ts(=t1〜t4)を決定し終えると、制御部1
6は、この決定により得られた最適チルト角Ts(=t
1〜t4)の各々における最適照明光量Isを決定する
ために、次のステップS8〜S13および図3を実行す
る。つまり、制御部16は、まず、最適チルト角Ts
(=t1〜t4)の中の任意の1つを最適照明光量Isの
決定対象として選択し(ステップS8)、ここで選択し
た最適チルト角tiをメモリ19から読み出して、ホル
ダ12をチルト制御する。そして、ウエハ11のチルト
角Tを最適チルト角tiに設定する(ステップS9)。
【0042】このとき、ウエハ11の表面に形成された
4種類の繰り返しパターンのうち任意の1種類から発生
した回折光L2が、受光光学系の光軸O2に沿って導か
れることになる。そして、制御部16は、この状態を保
ちながら、つまり、ウエハ11のチルト角Tを最適チル
ト角tiに保ちながら、ステップS10において、最適
照明光量Isの探索処理を実行する。
【0043】詳細は後述するが、最適照明光量Isの探
索処理(ステップS10)とは、照明光量Iを変化させ
る毎にCCDカメラ28から画像信号を入力し、この画
像信号の出力レベルが一定範囲内に収束したときの照明
光量Iを最適照明光量Isとして決定する処理である。
制御部16は、ステップS10における最適照明光量I
sの探索処理が終了すると、探索結果の照明光量Iを最
適照明光量Isとしてメモリ19に記憶させる(ステッ
プS11)。これにより、最適チルト角Ts(=t1〜
t4)の中の任意の1つにおける最適照明光量Isの決
定が終了したことになる。
【0044】次に、制御部16は、ステップS12にお
いて、全ての最適チルト角Ts(=t1〜t4)における
最適照明光量Isの決定が終了したか否かを判断する。
そして、未だ終了していない場合は(S12がN)、次
の最適チルト角t(i+1)を最適照明光量Isの決定
対象として選択し(ステップS13)、ステップS9の
処理に戻る。
【0045】このように、ステップS9〜S13の処理
を繰り返すことで、全ての最適チルト角Ts(=t1〜
t4)の各々における最適照明光量Isを決定し、メモ
リ19に記憶させることができる。その結果、全ての最
適チルト角Ts(=t1〜t4)における最適照明光量I
sの決定が終了すると(S12がY)、メモリ19に
は、最適チルト角Tsと最適照明光量Isとの組み合わ
せが4通り記憶されたことになる。
【0046】さて次に、ステップS10における最適照
明光量Isの探索処理について、図3を用いて詳細に説
明する。図3の探索処理は、二分探索処理の例である。
また、ここでは、CCDカメラ28から出力される画像
信号の出力レベルの大小を判断するために、ウエハ回折
画像の平均輝度値(0〜255)を求め、この平均輝度
値が一定の最適輝度範囲(閾値±α)内に収束したとき
の照明光量Iを最適照明光量Isとして決定する。
【0047】制御部16は、まず、照明光量Iを最大光
量に設定する(ステップS21)。つまり、NDフィル
タ26を回転制御して、NDフィルタ26による光量調
整の段階を最大値(65000)に設定する。そして、
CCDカメラ28からウエハ回折像の画像信号を取り込
み、ディジタル画像に変換してメモリ19に記憶させる
(ステップS22)。このときの照明光量I(=最大光
量)も併せてメモリ19に記憶させる。
【0048】次のステップS23では、メモリ19内の
ウエハ回折画像と照明光量Iとが条件決定部17に読み
出される。そして、条件決定部17は、最大光量の照明
光L1が照射されたときのウエハ回折画像において、全
画素の輝度値(0〜255)を調べて、平均輝度値Kmax
を求める。次に、条件決定部17は、ステップS23で
求めた最大照明時の平均輝度値Kmaxと最適輝度範囲
(閾値±α)との比較を行い(ステップS24)、最大
照明時の平均輝度値Kmaxが最適輝度範囲の下限値(閾
値−α)以下である場合(S24がN)には、光量不足
と判断して探索を終了する。
【0049】一方、最大照明時の平均輝度値Kmaxが最
適輝度範囲の下限値(閾値−α)より大きい場合(S2
4がY)には、次のステップS25に進み、照明光量I
の探索範囲の設定を行う。つまり、上限値(Upper)を最
大光量に設定し、下限値(Lower)を最小光量に設定す
る。最大光量,最小光量とは、各々、NDフィルタ26
による光量調整段階の最大値(65000),最小値(0)
のことである。
【0050】そして、条件決定部17は、ステップS2
6において、照明光量Iの探索範囲(Upper,Lower)の
半分に相当する光量L=(Upper+Lower)/2を求め、こ
の光量Lを制御部16に出力する。制御部16は、条件
決定部17から光量Lに関する情報を受け取ると、ND
フィルタ26を回転制御して、照明光量Iを光量Lに設
定する(ステップS27)。このとき、NDフィルタ2
6による光量調整段階は中間値(32500)に設定さ
れる。
【0051】次いで、制御部16は、上記したステップ
S22と同様に、CCDカメラ28からウエハ回折像の
画像信号を取り込み、ディジタル画像に変換してメモリ
19に記憶させる(ステップS28)。このときの照明
光量I(=光量L)も併せてメモリ19に記憶させる。そ
して、次のステップS29では、メモリ19内のウエハ
回折画像と照明光量Iとが条件決定部17に読み出され
る。条件決定部17は、光量L=(Upper+Lower)/2の
照明光L1が照射されたときのウエハ回折画像におい
て、全画素の輝度値(0〜255)を調べて、平均輝度
値KLを求める。
【0052】次に、条件決定部17は、ステップS29
で求めた平均輝度値KLと最適輝度範囲(閾値±α)と
の比較を行い(ステップS30)、その平均輝度値KL
が最適輝度範囲(閾値±α)内に収束している場合(S
30がY)には、このときの照明光量I(=光量L)を最
適照明光量Isと決定して探索を終了する。一方、照明
光量I(=光量L)のときの平均輝度値KLが最適輝度範
囲(閾値±α)から外れている場合(S30がN)、条
件決定部17は、ステップS31〜S33において、照
明光量Iの探索範囲(Upper,Lower)を変更する。
【0053】つまり、照明光量I(=光量L)のときの平
均輝度値KLが最適輝度範囲の閾値より大きい場合(ス
テップS31がY)には、ステップS32において、探
索範囲(Upper,Lower)の上限値(Upper)を光量Lに設定
する。逆に、平均輝度値KLが最適輝度範囲の閾値より
小さい場合(S31がN)は、ステップS33におい
て、探索範囲(Upper,Lower)の下限値(Lower)を光量L
に設定する。
【0054】そして、ステップS26〜S33のループ
を実行した回数が20回に達していなければ(ステップ
S34がY)、ステップS26に戻り、新たに設定され
た照明光量Iの探索範囲(Upper,Lower)に対して、ス
テップS26〜S33の処理を繰り返す。
【0055】このようにして、照明光量I(=光量L)の
ときの平均輝度値KLが最適輝度範囲(閾値±α)内に
収束するまで、照明光量Iの探索範囲(Upper,Lower)
を半分に狭めながら、ステップS26〜S33の処理が
繰り返される。その結果、通常は、ステップS26〜S
33のループ回数が20回より少ないうちに、平均輝度
値KLが最適輝度範囲(閾値±α)内に収束する(S3
0がYとなる)。そして、そのときの照明光量I(=光
量L)を最適照明光量Isと決定して探索を終了する。
【0056】既に説明したように、最適照明光量Isの
探索処理(図3)(図2のS10)が終了すると、制御部1
6は、探索結果の照明光量I(=光量L)を最適照明光量
Isとしてメモリ19に記憶させる(図2のS11)。
そして、図2のS9〜S13の処理を繰り返すことで、
全ての最適チルト角Ts(=t1〜t4)の各々におい
て、探索結果の照明光量I(=光量L)を最適照明光量I
sとしてメモリ19に記憶させることができる。
【0057】最後に、本実施形態の表面検査装置10に
おけるウエハ11の繰り返しパターンの欠陥検出につい
て、簡単に説明する。繰り返しパターンの欠陥検出は、
画像処理装置15の制御部16と欠陥検出部18とが行
う。制御部16は、ウエハ11の繰り返しパターンの欠
陥検出時、CCDカメラ28からウエハ回折像の画像信
号を取り込み、ディジタル画像に変換して得られるウエ
ハ回折画像を欠陥検出部18に出力する。
【0058】また、制御部16は、ウエハ11の繰り返
しパターンの欠陥検出時、CCDカメラ28が欠陥検出
のためのウエハ回折像を撮像する前に、メモリ19内の
最適な装置条件(最適チルト角Tsと最適照明光量Is
との組み合わせ)を用いて条件設定を行う。すなわち、
制御部16は、メモリ19から最適チルト角Tsと最適
照明光量Isとの組み合わせを1つ読み出し、最適チル
ト角Tsに基づいてホルダ12をチルト制御すると共
に、最適照明光量Isに基づいてNDフィルタ26を回
転制御する。そして、ウエハ11のチルト角Tを最適チ
ルト角tiに、また、照明光量Iを最適照明光量Is
(=光量L)に設定する。
【0059】このとき、ウエハ11の表面に形成された
任意の1種類の繰り返しパターンから発生した回折光L
2が、受光光学系の光軸O2に沿って導かれる。また、
このときのウエハ11には最適照明光量Isの照明光L
1が照射されているため、ウエハ11から発生する回折
光L2の光量は適量である。その結果、CCDカメラ2
8によって、コントラストの良好なウエハ回折像を撮像
することができる。
【0060】したがって、ウエハ11の繰り返しパター
ンの欠陥検出時、制御部16は、CCDカメラ28から
コントラストの良好なウエハ回折像の画像信号を取り込
むことができる。このとき取り込まれる画像信号の出力
レベルは、予め定めた一定範囲内に収束している。そし
て、制御部16は、上記したコントラストの良好なウエ
ハ回折像の画像信号をディジタル画像に変換して、ウエ
ハ回折画像を欠陥検出部18に出力する。このとき欠陥
検出部18に出力されるウエハ回折画像は、平均輝度値
が最適輝度範囲(閾値±α)内に収束している。
【0061】このため、図5(a)に示すように、ウエハ
回折画像には、ウエハ11の繰り返しパターンの欠陥箇
所と正常箇所とに起因する明暗差(コントラスト差)が
明確に現れることになる。繰り返しパターンの欠陥箇所
とは、デフォーカスによる膜厚むら、パターン形状の異
常、傷などである。したがって、欠陥検出部18では、
明暗差(コントラスト差)が明確なウエハ回折画像と、
予め記憶されている良品ウエハの表面の画像(検査基準
画像)とのパターンマッチングを行ったり、予め学習さ
せておいた検査基準画像の特徴との相違点の有無を検出
したりすることで、ウエハ11の繰り返しパターンの欠
陥箇所を精度良く検出することができる。
【0062】ここで、ウエハ11に対する照明光量Iが
最適照明光量Isより小さい場合はウエハ回折画像が著
しく暗くなり(図5(b))、逆に、照明光量Iが最適照
明光量Isより大きい場合はウエハ回折画像が著しく明
るくなり(図5(c))、何れにしても明暗差(コントラ
スト差)が小さく不明確になってしまう。このため、ウ
エハ11の繰り返しパターンの欠陥箇所を認識すること
が困難となる。
【0063】本実施形態の表面検査装置10では、ウエ
ハ11の繰り返しパターンの欠陥検出時に、ウエハ11
のチルト角Tが最適チルト角Tsに設定され、かつ、ウ
エハ11への照明光量Iが最適照明光量Isに設定され
た状態で、コントラストの良好なウエハ回折像を撮像す
るため、回折効率が異なる繰り返しパターンであって
も、ウエハ回折画像の明暗差(コントラスト差)が良好
な最適条件の下で、一定の精度により欠陥を検出するこ
とができ、信頼性の高い検査結果が得られる。
【0064】また、条件決定部17と制御部16とによ
り最適チルト角Tsおよび最適照明光量Isが決定さ
れ、制御部16によりチルト角Tが最適チルト角Tsに
照明光量Iが最適照明光量Isに自動設定されるので、
検査員の能力や熟練によらない安定した検査結果を自動
的に得ることもできる。なお、上記した実施形態では、
最適照明光量Isの探索処理(図2のS10)として二
分探索処理(図3)を用いたが、本発明はこれに限定さ
れない。最適照明光量Isの探索処理(図2のS10)
の別の例について、図6のフローチャートを用いて説明
する。
【0065】ここでは、CCDカメラ28から出力され
る画像信号の出力レベルの大小を判断するために、ウエ
ハ回折画像を二値化したときの明部(ウエハ回折画像を
背景部と回折信号部とに分けたときの回折信号部)にお
ける平均輝度値MICを求め、この明部の平均輝度値M
Cが一定の最適輝度範囲(閾値±α)内に収束したと
きの照明光量Iを最適照明光量Isとして決定する。
【0066】制御部16は、まず、照明光量Iを初期値
(光量L)に設定する(ステップS41)。そして、C
CDカメラ28からウエハ回折像の画像信号を取り込
み、ディジタル画像に変換してメモリ19に記憶させる
(ステップS42)。このときの照明光量I(=光量L)
も併せてメモリ19に記憶させる。次のステップS43
では、メモリ19内のウエハ回折画像と照明光量Iとが
条件決定部17に読み出される。そして、条件決定部1
7は、光量Lの照明光L1が照射されたときのウエハ回
折画像において、全画素の輝度値(0〜255)を調べ
て、明部の平均輝度値MIcを求める。
【0067】次に、条件決定部17は、ステップS43
で求めた明部の平均輝度値MIcと最適輝度範囲(閾値
±α)との比較を行う(ステップS44)。ここでは、
最適輝度範囲の上限値(閾値+α)をT3、下限値(閾
値−α)をT2と定義している。そして、明部の平均輝
度値MIcが最適輝度範囲(T2≦MIc≦T3)内に
収束している場合(S34がY)には、このときの照明
光量I(=光量L)を最適照明光量Isと決定して探索を
終了する。
【0068】一方、明部の平均輝度値MIcが最適輝度
範囲(T2≦MIc≦T3)から外れている場合(S4
4がN)、条件決定部17は、ステップS45〜S49
において、照明光量Iの設定を変更する。照明光量Iの
設定変更に当たっては、最適輝度範囲(T2≦MIc≦
T3)の上限値T3より大きい閾値T4と、下限値T2
より小さい閾値T1とを比較基準として用いる(T1<
T2<T3<T4)。
【0069】まず、条件決定部17は、明部の平均輝度
値MIcを閾値T1と比較して(ステップS35)、平
均輝度値MIcが閾値T1より小さい場合(S45が
Y)は、現在の照明光量I(=光量L)が低すぎると判断
し、ステップS46において、現在の光量Lの3倍を新
たな照明光量I(=光量L)に設定する。また、明部の平
均輝度値MIcが閾値T1以上の場合(S45がN)、
条件決定部17は、平均輝度値MIcを閾値T4と比較
して(ステップS47)、平均輝度値MIcが閾値T4
より大きい場合(S47がY)は、現在の照明光量I
(=光量L)が高すぎると判断し、ステップS48におい
て、現在の光量Lの1/4倍を新たな照明光量I(=光量
L)に設定する。
【0070】さらに、明部の平均輝度値MIcが閾値T
4以下の場合(S47がN)は、平均輝度値MIcがT
1≦MIc<T2またはT3<MIc≦T4を満足する
場合であり、平均輝度値MIcが最適輝度範囲(T2≦
MIc≦T3)に近いことを意味している。この場合、
条件決定部17は、ステップS49において、現在の光
量Lの{(T2+T3)/2}/MIc倍を新たな照明光量
I(=光量L)に設定する。
【0071】このようにして、ステップS46,S48,
S49の何れかにおいて、新たな照明光量I(=光量L)
に設定されると、条件決定部17は、ステップS42の
処理に戻り、新たな照明光量I(=光量L)に対するステ
ップS42〜S39の処理を繰り返す。ステップS42
〜S39の処理は、ステップS43で求められる明部の
平均輝度値MIcが最適輝度範囲(T2≦MIc≦T
3)内に収束する(S34がYとなる)まで繰り返され
る。その結果、最終的には、平均輝度値MIcが最適輝
度範囲(T2≦MIc≦T3)内に収束するときの照明
光量I(=光量L)を得ることができ、最適照明光量Is
と決定して探索を終了する。
【0072】さらに、上記した実施形態では、最適照明
光量Isの探索処理(図2のS10)において、CCD
カメラ28から出力される画像信号の出力レベルの大小
を判断するために、ウエハ回折画像の平均輝度値を求め
て一定の最適輝度範囲(閾値±α)と比較したが、ウエ
ハ回折画像の最大輝度値を求めて、これに対応する別の
最適輝度範囲と比較してもよい。
【0073】また、上記した実施形態では、ウエハ回折
画像の最大輝度値(図4)が変化点(ピーク)となるチ
ルト角Tを最適チルト角Tsに決定した(図2のS5〜
S7)が、ウエハ回折画像の平均輝度値が変化点(ピー
ク)となるチルト角Tを最適チルト角Tsに決定しても
よい。
【0074】さらに、上記した実施形態では、各ウエハ
回折画像の全画素の輝度値を調べて最大輝度値や平均輝
度値を求める例を説明したが、各ウエハ回折画像の中の
適当な部分領域に含まれる一部の画素の輝度値を調べて
最大輝度値や平均輝度値を求めても良い。ウエハ回折る
画像の部分領域としては、例えば、ウエハ11上の繰り
返しパターンが形成された領域に対応する部分が考えら
れる。
【0075】また、上記した実施形態では、照明光学系
13および受光光学系14が固定された装置を例に説明
したが、照明光学系13および受光光学系14をX方向
に沿った軸まわりに回転可能に構成することもできる。
この場合、ウエハ11(ホルダ12)が固定されていて
も、照明光学系13と受光光学系14との少なくとも一
方を回転させることで、回折光L2の進行方向と受光光
学系14の光軸O2の方向との間の角度に関わる第1装
置条件(θiとθdとの少なくとも一方)を調整するこ
とができる。
【0076】さらに、上記した実施形態では、波長選択
フィルタ25を切り換えることによって照明光L1の波
長λを調整できるため、照明光L1の波長λを調整する
ことで、上記の第1装置条件を調整することもできる。
また、上記した実施形態では、照明光L1の光量(照明
光量I)を調整するに当たってNDフィルタ26を回転
制御したが、放電ランプ24の電圧制御によって照明光
量Iを調整しても良い。
【0077】さらに、上記した実施形態では、照明光L
1の光量(照明光量I)を調整することで、CCDカメ
ラ28から出力される画像信号の出力レベルに関わる第
2装置条件を調整したが、CCDカメラ28の露光時間
や感度によって上記の第2装置条件を調整することもで
きる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検物体の種類(製造工程の種類)を検査員が知らなくて
も、回折画像の明暗差(コントラスト差)が良好な最適
条件の下で、自動的に繰り返しパターンの欠陥検査を行
えるため、検査員の能力や熟練によらない安定した検査
結果を得ることができ、検査結果の信頼性向上が図られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面検査装置10の構成を示す図である。
【図2】表面検査装置10において最適な装置条件を決
定する手順を示すフローチャートである。
【図3】表面検査装置10において最適な装置条件(最
適照明光量)を決定する手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】チルト角Tに対する最大輝度値の関係を示すグ
ラフである。
【図5】ウエハ11に対する照明光量Iが最適照明光量
Isのとき(a)、最適照明光量Isより小さいとき
(b)、最適照明光量Isより大きいとき(c)に得られる
ウエハ回折画像の例を示す図である。
【図6】表面検査装置10において最適な装置条件(最
適照明光量)を決定する別の手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
10 表面検査装置 11 ウエハ 12 ホルダ 13 照明光学系 14 受光光学系 15 画像処理装置 16 制御部 17 条件決定部 18 欠陥検出部 19 メモリ 21 光源 22 ライドガイド 23,27 凹面反射鏡 24 放電ランプ 25 波長選択フィルタ 26 NDフィルタ 28 CCDカメラ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G051 AA51 AB02 BB07 BB11 BB17 BC01 BC04 CA04 CB05 DA01 EA14 EA16 EB01 EC03 4M106 AA01 CA39 DB04 DB13 DB19 DB20 DJ11 DJ13 DJ14 DJ20 DJ21 DJ39 5B047 AA12 AB02 BA02 BB04 BC07 BC08 BC09 BC11 BC14 CA17 CA19 CB22 DC02 5B057 AA03 BA02 BA11 BA17 BA30 CA02 CA08 CA12 CA16 DA03 DB02 DB05 DB09 DC22 DC33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物体に照明光を照射する照明光学系
    と、 前記被検物体からの回折光を集光して被検物体像を形成
    する集光光学系と、 前記被検物体像を撮像して画像信号を出力する撮像手段
    と、 前記撮像手段から前記画像信号を入力して前記被検物体
    の欠陥を検出する検出手段と、 前記回折光の進行方向と前記集光光学系の光軸方向との
    間の角度に関わる第1装置条件を調整する第1調整手段
    と、 前記撮像手段から出力される前記画像信号の出力レベル
    に関わる第2装置条件を調整する第2調整手段と、 前記撮像手段が前記検出手段による欠陥検出のための前
    記被検物体像を撮像する前に、前記第1調整手段を制御
    して前記第1装置条件を最適条件に設定し、前記第2調
    整手段を制御して前記第2装置条件を最適条件に設定す
    る設定手段と、 前記設定手段による条件設定に用いられる前記第1装置
    条件の最適条件と前記第2装置条件の最適条件との組み
    合わせを少なくとも1つ決定する決定手段とを備え、 前記決定手段は、前記第2装置条件を一定に保ちながら
    前記第1装置条件を予め定めた一定範囲内で変化させて
    該第1装置条件の最適条件を少なくとも1つ決定し、該
    決定により得られた最適条件の任意の1つに前記第1装
    置条件を保ちながら前記第2装置条件を変化させて該第
    2装置条件の最適条件を決定することを特徴とする表面
    検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表面検査装置におい
    て、 前記決定手段は、前記第2装置条件の最適条件を決定す
    る際、前記第2装置条件を変化させる毎に前記撮像手段
    から前記画像信号を入力し、該画像信号の出力レベルが
    予め定めた一定範囲内に収束したときの前記第2装置条
    件を最適条件として決定することを特徴とする表面検査
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の表面検
    査装置において、 前記第2調整手段は、前記照明光の光量と前記撮像手段
    の露光時間と感度との少なくとも1つを前記第2装置条
    件として調整することを特徴とする表面検査装置。
  4. 【請求項4】 被検物体に照明光を照射する照明工程
    と、 前記被検物体からの回折光を集光する集光光学系によっ
    て形成される被検物体像を撮像し、画像信号を出力する
    撮像工程と、 前記画像信号を入力して前記被検物体の欠陥を検出する
    検出工程と、 前記撮像工程で前記検出工程における欠陥検出のための
    前記被検物体像を撮像する前に、前記回折光の進行方向
    と前記集光光学系の光軸方向との間の角度に関わる第1
    装置条件を制御して該第1装置条件を最適条件に設定
    し、前記撮像工程で出力される前記画像信号の出力レベ
    ルに関わる第2装置条件を制御して該第2装置条件を最
    適条件に設定する設定工程と、 前記設定工程における条件設定に用いられる前記第1装
    置条件の最適条件と前記第2装置条件の最適条件との組
    み合わせを少なくとも1つ決定する決定工程とを備え、 前記決定工程は、前記第2装置条件を一定に保ちながら
    前記第1装置条件を予め定めた一定範囲内で変化させて
    該第1装置条件の最適条件を少なくとも1つ決定し、該
    決定により得られた最適条件の任意の1つに前記第1装
    置条件を保ちながら前記第2装置条件を変化させて該第
    2装置条件の最適条件を決定することを特徴とする表面
    検査方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の表面検査方法におい
    て、 前記決定工程は、前記第2装置条件の最適条件を決定す
    る際、前記第2装置条件を変化させる毎に前記撮像手段
    から前記画像信号を入力し、該画像信号の出力レベルが
    予め定めた一定範囲内に収束したときの前記第2装置条
    件を最適条件として決定することを特徴とする表面検査
    方法。
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