JP2003120817A - ガスケット - Google Patents

ガスケット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で安定した密封性能を発揮するガ
スケットを提供する。 【解決手段】 装着溝51の溝底が高さ方向に湾曲する
部分に相当する位置における、装着溝51の側壁面に、
被係合部としての切り欠き52を複数設け、一方、ガス
ケット1には、これらの切り欠き52の設けられたそれ
ぞれの位置に相当する部分に、係合部としての突起3を
複数設けて、ガスケット1が装着溝51に装着される
と、ガスケット1に設けられた複数の突起3が各々切り
欠き52に係合されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装着溝に装着され
て使用されるガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に2部材間の隙間をガスケットに
よって密封する場合には、一方の部材に装着用の溝を設
けて、この装着溝にガスケットを装着して、装着溝の溝
底と他方の部材の表面にガスケットを密着させることに
より密封している。
【0003】ガスケットが利用される一例について、図
11及び図12を参照して説明する。図11はガスケッ
トの利用例を示す斜視図の一部である。図12は図11
における主要部をZ方向に見た模式図である。
【0004】これらの図に示すように、ガスケットは、
例えば、シリンダヘッド600のヘッドカバー500に
設けられた不図示の装着溝に装着されて、これらシリン
ダヘッド600とヘッドカバー500との間を密着する
ために利用されている。
【0005】ここで、ガスケット100を装着溝に装着
する際の装着性を良くするために、ガスケット100に
おける装着溝の溝幅方向の幅寸法は、装着溝の溝幅に比
べて細くするような形状とするのが一般的である。
【0006】ところで、シリンダヘッド600にヘッド
カバー500を組み付ける場合、最初の組み付けで所望
に位置に組み付けるのは困難であり、X,Y,Z方向に
それぞれ多少のずれが生ずる。従って、ヘッドカバー5
00をX,Y,Z方向にそれぞれずらして、このヘッド
カバー500を正規の位置にする必要がある。
【0007】この際、上述の通り、ガスケット100の
幅寸法は、装着溝の幅寸法に対して細いため、装着溝の
中でずれたり、ねじれたりすることになる。従って、こ
れらのずれやねじれが密封性能を低下する原因になって
いた。
【0008】特に、装着溝の溝底が平坦な位置よりも、
図12に示すように、溝底が湾曲したアーチ部の方が、
ヘッドカバー500をずらす際に、ガスケット100の
位置がずれて、面圧特性が変わりやすく、密封性能が低
下しやすいことが判明している。
【0009】そこで、このような不具合を解消するため
に、ガスケットの剛性を高くして、ガスケットのずれや
ねじれを抑制する技術が特開平9−112700号公開
公報に開示されている。このような従来技術について図
13を参照して説明する。図13は従来技術に係るガス
ケットの模式的断面図である。
【0010】図13に示すように、従来技術に係るガス
ケット200は、金属で構成された芯材201を備え、
この芯材201の両側にそれぞれ弾性材で構成されたシ
ール部202,203を備えている。そして、これらの
シール部202,203をそれぞれ2部材(上記の例で
いえば、ヘッドカバーに設けられた装着溝とシリンダヘ
ッド)に密着させてシールを行っていた。
【0011】このように芯材201を設けることによっ
て、ガスケット200自体の剛性が大きくなるため、ず
れやねじれが抑制されるため、安定した密封性能を発揮
することができた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0013】上述したように、芯材を設ける構成とする
と、弾性部材とは別部材として、金属等の芯材を必要と
するため、部品点数の増加ばかりでなく、ガスケットの
製造工程も増加してしまう。これらのことはコスト増加
にもつながる。
【0014】従って、弾性体のみでも配置精度に優れ、
安定した密封性能を発揮するガスケットの開発が望まれ
ていた。
【0015】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、簡易
な構成で安定した密封性能を発揮するガスケットを提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、2部材のうち一方の部材に設けら
れた装着溝に装着されて、これら2部材間の隙間を密封
するガスケットにおいて、前記装着溝の溝底が高さ方向
に湾曲する部分に設けられた、凹部形状または凸部形状
の被係合部に対して係合する、凸部形状または凹部形状
の係合部を少なくとも2箇所備えることを特徴とする。
【0017】従って、特にガスケットの位置ずれやねじ
れの発生しやすい、装着溝の溝底が高さ方向に湾曲する
部分において、係合部が2箇所以上で係合することによ
って、ガスケットの位置ずれやねじれが抑制される。
【0018】前記被係合部は、前記装着溝の側壁面側に
設けられた切り欠きであり、前記係合部は、該切り欠き
に係合する突起であるとよい。
【0019】このように構成すれば、ガスケットを装着
溝に装着する場合に、ガスケットに設けられた突起が、
装着溝の側壁面側に設けられた切り欠きに沿って嵌り込
むため、ガスケットの装着性に支障を来たすことなく、
ガスケットの位置ずれやねじれが抑制される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0021】(第1の実施の形態)本発明の実施の形態
に係るガスケットは、2部材間の隙間を密封するための
ものであり、2部材のうちの一方の部材に装着用の溝を
設けて、この装着溝にガスケットを装着して、装着溝の
溝底と他方の部材の表面にガスケットを密着させること
により密封するものである。なお、本発明の実施の形態
に係るガスケットはゴム状弾性体である。
【0022】本発明の実施の形態に係るガスケットにお
ける適用例については、既に説明したが、ここで、更に
詳しく図11を参照して説明する。
【0023】図11に示すように、シリンダヘッド60
0には、ヘッドカバー500が取り付けられるが、この
場合に、外部から内部に異物が浸入することを防止する
ため、及び、内部から外部に油が漏れることを防止する
ために、シリンダヘッド600とヘッドカバー500と
の間を密封する必要がある。
【0024】そこで、ヘッドカバー500に不図示の装
着溝を設けて、この装着溝に本実施の形態に係るガスケ
ット100を装着する。そして、ガスケット100を装
着した状態で、ヘッドカバー500をシリンダヘッド6
00に取り付ける。
【0025】これにより、ガスケット100が、装着溝
の溝底とシリンダヘッド600の表面にそれぞれシール
面を形成することで、シリンダヘッド600とヘッドカ
バー500との間を密封することが可能となる。
【0026】ここで、本実施の形態に係るガスケット
は、ガスケットを装着溝に装着する際の装着性を良くす
るために、ガスケットにおける装着溝の溝幅方向の幅寸
法が、装着溝の溝幅に比べて細くするような形状として
いる。
【0027】そのため、上述のように、特に、装着溝の
部分がアーチ形状のところで、ガスケットの位置ずれや
ねじれが発生しやすい。そこで、本発明の実施の形態で
は、そのような不具合を非常に簡易な構成で解消してい
る。
【0028】この点について、図1〜図8を参照して、
詳しく説明する。
【0029】図1は本発明の第1の実施の形態に係るガ
スケットの斜視図の一部である。図2は本発明の第1の
実施の形態に係るガスケットの正面図(図1中P方向か
ら見た図)の一部である。図3は本発明の第1の実施の
形態に係るガスケットの平面図(図1中Q方向から見た
図)の一部である。
【0030】図4は本発明の第1の実施の形態に係るガ
スケットが装着される相手部材の斜視図の一部である。
図5は本発明の第1の実施の形態に係るガスケットが装
着される相手部材の正面図(図4中P方向から見た図)
の一部である。図6は本発明の第1の実施の形態に係る
ガスケットが装着される相手部材の底面図(図4中Q方
向から見た図)の一部である。
【0031】図7は本発明の第1の実施の形態に係るガ
スケットを装着した状態を示す底面図の一部である。図
8は本発明の第1の実施の形態に係るガスケットを装着
した状態を示す断面図である。なお、図8(A)は図7
中AA断面に相当し、図8(B)は図7中BB断面に相
当する。
【0032】図中、1は、本実施の形態に係るガスケッ
トであり、2部材間の隙間を密封するためのものであ
る。また、本実施の形態に係るガスケット1は弾性体で
構成される。
【0033】図中、50は上記2部材のうちの一方の部
材(以下、第1部材50と称する。)である。また、6
0は上記2部材のうちの他方の部材(以下、第2部材6
0と称する。)である。
【0034】ここで、第1部材50は、例えば、上述し
た図5に示すヘッドカバー500に相当する。また、第
2部材60は、例えば、上述した図5に示すシリンダヘ
ッド600に相当する。
【0035】第1部材50には、装着溝51が設けられ
ており、この装着溝51に本実施の形態に係るガスケッ
ト1が装着される。その状態で、第1部材50と第2部
材60を取り付ける。
【0036】これにより、図7や図8から明らかなよう
に、ガスケット1における胴体部2の一方の端部に設け
られた第1シール部4が装着溝51の溝底51aに密着
してシール面を形成する。また、ガスケット1における
胴体部2の他方の端部に設けられた第2シール部5が第
2部材60の表面61に密着してシール面を形成する。
【0037】このように、第1部材50及び第2部材6
0にそれぞれシール面を形成するため、第1部材50と
第2部材60との間が密封される。なお、第2部材60
に形成されるシール面の部分にも溝を形成して、この溝
の溝底に第2シール部5を密着させても良い。
【0038】そして、本実施の形態においては、図4〜
図6に示すように、装着溝51の溝底51aが高さ方向
に湾曲する部分(アーチ部分)に相当する位置におけ
る、装着溝51の側壁面に、被係合部としての切り欠き
52を複数(図示の例では、3個)設けている。
【0039】一方、図1〜図3に示すように、ガスケッ
ト1には、上述した複数の切り欠き52の設けられたそ
れぞれの位置に相当する部分に、係合部としての突起3
を複数(図示の例では、3個)設けている。
【0040】このような構成により、ガスケット1を装
着溝51に装着する際には、突起3は切り欠き52に沿
って嵌り込み、突起3が干渉を受けることはないため、
ガスケット1の装着性に支障を来たすことはない。
【0041】このようにして、ガスケット1が装着溝5
1に装着されると、図7に示すように、ガスケット1に
設けられた複数の突起3が各々切り欠き52に係合され
る。
【0042】そして、ガスケット1を装着させた状態
で、第1部材50と第2部材60を組み付けると、それ
ぞれの突起3の係合部分で位置決めがなされるため、ガ
スケット1自体の位置決めもなされる。
【0043】また、突起3の部分では係合されているた
め、X,Y,Z方向に対して移動が規制される。従っ
て、第1部材50を第2部材60に対して位置をずらし
たとしても、ガスケット1のずれやねじれが抑制され
る。
【0044】以上のように、本発明の実施の形態の構成
により、ガスケット1は弾性体のみの構成であるので、
非常に簡易な構成である。従って、部品点数も少なく、
かつ、製造工程も少ない。これによりコストも低くて済
む。
【0045】そして、装着溝に対するずれやねじれも抑
制できるため、安定した密封性能を発揮する。
【0046】なお、上述のように、ガスケットにおける
装着溝の溝幅方向の幅寸法は、装着溝の溝幅に比べて細
くするような形状であるため、アーチ形状以外の部分で
も倒れ等が発生しやすいため、図9に示すように、複数
の箇所に倒れ防止突起6を設けると良い。なお、図9は
本発明の実施の形態に係るガスケット1を装着した状態
を示す底面図の一部である。
【0047】すなわち、ガスケット1の胴体部2の両側
に複数の倒れ防止突起6を設けて、これらを装着溝51
の側壁面に当接させてやることによって、ガスケット1
の倒れを抑制することが可能となる。
【0048】従って、上述したアーチ部における係合機
構との相乗効果によって、ガスケット1の位置ずれやね
じれを、より一層抑制できる。
【0049】(第2の実施の形態)図10には、第2の
実施の形態が示されている。本実施の形態では、係合部
における係合をより確実にするために、係合部である突
起とは反対側に、装着溝の側壁面に当接する当接部を設
けた構成を示す。
【0050】その他の基本的な構成および作用について
は第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分につ
いては同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0051】図10は本発明の第2の実施の形態に係る
ガスケットの模式図である。なお、図10(A)は第2
の実施の形態に係るガスケットの模式的平面図の一部を
示し、図10(B)はA中CC断面を示している。
【0052】図に示すように、本実施の形態に係るガス
ケット1は、係合部としての突起3を設けた位置の反対
側に、装着溝51の側壁面に当接させる当接部7を設け
ている。
【0053】つまり、上記第1の実施の形態の場合に
は、例えば、図8(A)に示すように、突起3の反対側
の部分では装着溝51の側壁面との間で隙間が生じてい
た。従って、突起3による切り欠き52への係合が十分
に行われているとは言い難い。
【0054】これに対して本実施の形態では、当接部7
が装着溝51の側壁面に当接するため、突起3による切
り欠き52への係合が確実に行われることになる。
【0055】以上のように、本実施の形態の場合には、
上記第1の実施の形態の場合に比べて、より確実に係合
を行うことができる。
【0056】なお、当接部7の構造については、上述し
た図9に示す倒れ防止突起6と同じ構造を採用すること
ができる。
【0057】(その他の実施の形態)上記各実施の形態
においては、環状溝の側壁面側に切り欠きを設けて、ガ
スケット側に突起を設けて、これらを係合する構成を示
した。
【0058】しかし、このような構成に限定されること
はない。すなわち、要は、ガスケットが装着溝に対して
位置決めされて、位置規制されれば良く、一方に凹部形
状部分(孔でもよい)を設けて、他方に凸部形状部分を
設けて、これらを係合させれば良い。
【0059】従って、例えば、切り欠きではなく、環状
溝の側壁面内に凹んだ穴あるいは貫通孔を設けて、これ
にガスケットに設けた凸部(突起)を係合させるように
構成することもできる。ただし、この場合には、ガスケ
ットを装着溝に装着する際に、凸部が穴あるいは貫通孔
に係合されるまでの間は、凸部が環状溝の側壁面に押し
当てられるため、装着性にやや難があると考えられる。
【0060】また、装着溝の側壁面の側に凸部(突起)
を設けて、ガスケットの側に、切り欠きあるいは凹んだ
穴を設けて、これらを係合させるようにすることもでき
る。ただし、この場合には、ガスケットに切り欠き等を
設けることから、ガスケットの剛性が低くなってしまう
おそれがある。
【0061】また、装着溝の側壁面側に係合機構を設け
るのではなく、装着溝の溝底面に係合機構を設けること
もできる。つまり、装着溝の溝底面に凹部または凸部を
設けて、ガスケットには凸部または凹部を設けて、これ
らを係合することができる。
【0062】ただし、この場合には、装着溝の溝底面は
シール面を形成する部分であるため、密封機能を損なわ
ないように工夫する必要がある。
【0063】また、上記実施の形態では、3箇所に、そ
れぞれ切り欠き及び突起を設けて、各々係合させる場合
の構成を示したが、これらは、各部材の寸法や剛性等を
考慮して適宜設定すれば良い。位置ずれやねじれ防止を
考慮すれば、3箇所以上設けると好適である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスケッ
トは、簡易な構成で、ガスケットの位置ずれやねじれを
抑制できるので、安定した密封性能を発揮することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットの
斜視図の一部である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットの
正面図(図1中P方向から見た図)の一部である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットの
平面図(図1中Q方向から見た図)の一部である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットが
装着される相手部材の斜視図の一部である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットが
装着される相手部材の正面図(図4中P方向から見た
図)の一部である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットが
装着される相手部材の底面図(図4中Q方向から見た
図)の一部である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットを
装着した状態を示す底面図の一部である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るガスケットを
装着した状態を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るガスケット1を装着
した状態を示す底面図の一部である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るガスケット
の模式図である。
【図11】ガスケットの利用例を示す斜視図の一部であ
る。
【図12】図11における主要部をZ方向に見た模式図
である。
【図13】従来技術に係るガスケットの模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ガスケット 2 胴体部 3 突起 4 第1シール部 5 第2シール部 6 倒れ防止突起 7 当接部 50 第1部材 51 装着溝 51a 溝底 52 切り欠き 60 第2部材 61 表面 100 ガスケット 500 ヘッドカバー 600 シリンダヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2部材のうち一方の部材に設けられた装着
    溝に装着されて、これら2部材間の隙間を密封するガス
    ケットにおいて、 前記装着溝の溝底が高さ方向に湾曲する部分に設けられ
    た、凹部形状または凸部形状の被係合部に対して係合す
    る、凸部形状または凹部形状の係合部を少なくとも2箇
    所備えることを特徴とするガスケット。
  2. 【請求項2】前記被係合部は、前記装着溝の側壁面側に
    設けられた切り欠きであり、 前記係合部は、該切り欠きに係合する突起であることを
    特徴とする請求項1に記載のガスケット。
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