JP2003120805A - パワートレーンの制御装置 - Google Patents

パワートレーンの制御装置

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JP2003120805A
JP2003120805A JP2001311901A JP2001311901A JP2003120805A JP 2003120805 A JP2003120805 A JP 2003120805A JP 2001311901 A JP2001311901 A JP 2001311901A JP 2001311901 A JP2001311901 A JP 2001311901A JP 2003120805 A JP2003120805 A JP 2003120805A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動力源の出力側に設けられているクラッチ
のトルク容量を低下させる場合に発生するショックを抑
制することのできるパワートレーンの制御装置を提供す
る。 【解決手段】 駆動力源と車輪との間に設けられるクラ
ッチのトルク容量と、駆動力源の動力により駆動され、
かつ、駆動力源に対して前記クラッチと並列に連結され
る補機装置を駆動する負荷とを制御することのできるパ
ワートレーンの制御装置において、クラッチのトルク容
量を低下させる場合に補機装置を駆動する負荷を減少さ
せるとともに、補機装置の負荷の減少状態を、その負荷
の減少にともなう車両速度の変化状態に基づいて制御す
る協調制御手段(ステップS1ないしステップS6)を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動力源の出力
側にクラッチが設けられている構成のパワートレーンの
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】駆動力源と車輪との間にクラッチが設け
られている車両においては、各種の条件に基づいて、ク
ラッチのトルク容量が制御される。このようなクラッチ
の制御に関する技術の一例が、特開平6−323425
号公報に記載されている。この公報によれば、車速およ
びスロットル開度に基づいてロックアップクラッチを係
合すべきか解放すべきかを判断するとともに、コーステ
ィング時にロックアップクラッチを解放する場合におけ
る締結力の低下速度を、コースティング時以外でロック
アップクラッチを解放する場合における締結力の低下速
度よりも早くすることにより、コースティング時におけ
るエンジンブレーキ力が弱められて、引き込みショック
を抑制できるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、駆動力源に
対して、ロックアップクラッチと並列に各種の補機装
置、例えば、発電機、エアコン用コンプレッサなどを連
結した車両が知られている。このような車両において
は、駆動力源により補機装置が駆動され、かつ、車両が
コースティング状態にある場合に、車輪からパワートレ
ーン側に伝達される運動エネルギにより、駆動力源およ
び補機装置が共に駆動されるため、上記運動エネルギに
対する大きな負荷が発生する。そして、車両がコースデ
ィング状態にある場合にロックアップクラッチが解放さ
れると、車輪からパワートレーン側に伝達される運動エ
ネルギにより駆動される負荷が急激に減少することとな
る。その結果、車両の加速度が急激に増加し、車両の乗
員がショックを体感する可能性があった。しかしなが
ら、上記公報においてはロックアップクラッチの解放に
ともなうショックに関しては認識がなく、未だ改善の余
地が残されていた。
【0004】この発明は、上記事情を背景としてなされ
たものであり、駆動力源の出力側に設けられているクラ
ッチのトルク容量を低下させる場合に発生するショック
を抑制することのできるパワートレーンの制御装置を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために請求項1の発明は、駆動力源と車輪
との間に設けられるクラッチのトルク容量と、駆動力源
の動力により駆動され、かつ、駆動力源に対して前記ク
ラッチと並列に連結される補機装置を駆動する負荷とを
制御することのできるパワートレーンの制御装置におい
て、前記クラッチのトルク容量を低下させる場合に前記
補機装置を駆動する負荷を減少させるとともに、この補
機装置を駆動する負荷の減少状態を、その負荷の減少に
ともなう車両速度の変化状態に応じて設定する協調制御
手段を備えていることを特徴とするものである。
【0006】請求項1の発明によれば、車両の惰力走行
時にクラッチのトルク容量を低下させる前に、補機装置
を駆動する負荷を減少させれば、クラッチのトルク容量
の低下にともなう車両速度の急激な変化が制御される。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記協調制御手段は、前記クラッチのトルク容量が
低下された後に、前記補機装置を駆動する負荷を減少前
の負荷に戻す機能を、更に備えていることを特徴とする
ものである。
【0008】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、クラッチのトルク容量が所
定値まで低下された後に、補機装置の負荷が、負荷の減
少前の負荷に戻される。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成に加えて、前記補機装置は発電機を備えているととも
に、前記協調制御手段は、この発電機の発電状態を制御
することにより、前記負荷の減少状態を制御する機能
を、更に備えていることを特徴とするものである。
【0010】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明と同様の作用が生じる他に、発電機の発電状態
を制御することにより、負荷の減少状態が制御される。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を適用すること
のできる車両の一例を、図3に基づいて説明する。図3
に示された車両1においては、駆動力源2と車輪3との
間の動力伝達経路に、トルクコンバータ4および変速機
5が設けられている。駆動力源2としては、エンジンを
用いることができる。エンジンは、燃料を燃焼させて動
力を出力する形式の動力装置である。このエンジンとし
ては、内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、LPGエ
ンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、水
素エンジンなどを用いることができる。以下、駆動力源
2としてガソリンエンジンを用いた場合について説明
し、駆動力源2に代えて、便宜上、“エンジン2”と記
す。エンジン2は燃料噴射装置6および点火装置7を有
する公知のものである。
【0012】また、エンジン2のクランクシャフト8に
対して、伝動装置9を介して連結されたエアコン用コン
プレッサ10およびオルタネータ11が設けられてい
る。また、伝動装置9とエアコン用コンプレッサ10と
の間の動力伝達を制御するクラッチ(電磁クラッチ)1
2が設けられている。なお、バッテリ13には、車両電
気負荷、例えば、照明装置(図示せず)などが接続され
ている。
【0013】前記トルクコンバータ4は、クランクシャ
フト8と変速機5の入力軸15との間で、流体の運動エ
ネルギにより動力の伝達をおこなうものである。トルク
コンバータ4は、クランクシャフト8に連結されたポン
プインペラ14と、入力軸15に連結されたタービンラ
ンナ16と、ステータ(図示せず)とを有している。ま
た、トルクコンバータ4と並列に、ロックアップクラッ
チ17が設けられている。言い換えれば、エンジン2に
対して、ロックアップクラッチ17とエアコン用コンプ
レッサ10およびオルタネータ11とが並列に連結され
ている。ロックアップクラッチ17は、クランクシャフ
ト8と入力軸15との間で、摩擦力により動力の伝達を
おこなうものである。このロックアップクラッチ17
は、その係合圧を制御することにより、クランクシャフ
ト8と入力軸15との間で伝達されるトルクの容量が変
化する。
【0014】また、前記変速機5としては、マニュアル
変速機能または自動変速機能の少なくとも一方を備えた
変速機を用いることができる。マニュアル変速機能を備
えた変速機とは、入力軸15の回転速度と出力軸16の
回転速度との比、すなわち変速比を、運転者による変速
比選択装置の操作状態に基づいて、変更することのでき
る変速機を意味している。これに対して、自動変速機能
を備えた変速機とは、前記変速比を、変速比選択装置の
操作状態以外の条件に基づいて、自動的に制御すること
のできる変速機を意味している。
【0015】また、変速機5としては、無段変速機また
は有段変速機のいずれを用いてもよい。無段変速機と
は、前記変速比を連続的もしくは無段階に制御すること
のできる変速機を意味している。この無段変速機として
は、ベルト式無段変速機とトロイダル式無段変速機とが
挙げられる。一方、有段変速機とは、前記変速比を、不
連続もしくは段階的に制御することのできる変速機を意
味している。有段変速機としては、選択歯車式変速機、
遊星歯車式変速機などが挙げられる。
【0016】上記のロックアップクラッチ17および変
速機5を制御する油圧制御装置18が設けられている。
油圧制御装置18は、オイルポンプ(図示せず)から吐
出されるオイルが供給される油圧回路(図示せず)、お
よび油圧回路に配置された電磁弁(図示せず)などを有
している。この油圧制御装置18により、ロックアップ
クラッチ17のトルク容量、および変速機5の変速比な
どが制御される。ロックアップクラッチ17トルク容量
は油圧に応じて制御される。すなわち、油圧制御装置1
8は、ロックアップクラッチ17のトルク容量を調整す
るアクチュエータであると言える。
【0017】さらに、車両1の全体を制御するコントロ
ーラ(電子制御装置)19が設けられている。コントロ
ーラ19は、中央演算処理装置(CPU)と記憶装置
(ROM、RAM)と入出力インタフェースとを主体と
するマイクロコンピュータにより構成されている。この
コントローラ19には、アクセル開度センサ20の信
号、エンジン回転数センサ21の信号、車速センサ22
の信号、加速度センサ23の信号、シフトポジションセ
ンサ24の信号、ブレーキスイッチ25の信号、エアコ
ンスイッチ26の信号、発電要求検知センサ27の信号
などが入力される。
【0018】シフトポジションセンサ24は、変速機5
を制御するシフトポジションの選択状態を検知するもの
である。シフトポジションとしては、車両1を前進させ
るトルクを変速機5から出力することができる前進ポジ
ション(例えば、D(ドライブ)ポジション)と、車両
1を後進(後退)させるトルクを変速機5から出力する
ことのできる後進ポジションと、車両1を走行させるト
ルクを変速機5から出力することのできない非駆動ポジ
ション(例えば、N(ニュートラル)ポジション、P
(パーキング)ポジション)とが挙げられる。
【0019】コントローラ19には、エンジン出力を制
御するためのエンジン制御データ、ロックアップクラッ
チ17を制御するためのロックアップクラッチ制御デー
タ、変速機5を制御するための変速制御データなどが記
憶されている。そして、コントローラ19に記憶されて
いるデータ、およびコントローラ19に入力される信号
に基づいて、エンジン2の出力およびロックアップクラ
ッチ17の係合状態ならびに変速機5の変速比などが制
御される。前記ロックアップクラッチ制御データには、
シフトポジション、車速、エンジン回転数、アクセル開
度などに基づいて、ロックアップクラッチ17の係合・
スリップ・解放などの各領域が設定されてい。そして、
コントローラ19からは、油圧制御装置18を制御する
信号、燃料噴射装置6を制御する信号、点火装置7を制
御する信号、クラッチ12を制御する信号、オルタネー
タ11を制御する信号などが出力される。
【0020】つぎに、図3に示す車両1の動作を説明す
る。エンジン2のトルクがトルクコンバータ4またはロ
ックアップクラッチ17を経由して車輪3に伝達される
と駆動力が発生する。これに対して、車両1の走行中
に、アクセル開度が全閉となり車両1が減速状態、言い
換えれば、惰力走行状態となった場合は、車輪3側の運
動エネルギが、変速機5を経由してエンジン2に伝達さ
れる。この時、選択されているシフトポジションおよび
変速機5の変速比によっては、エンジンブレーキ力が発
生する。また、このような惰力走行時において、車速が
所定車速以上であり、かつ、エンジン回転数が所定回転
数以上である場合は、ロックアップクラッチ17のトル
ク容量が所定値以上に制御される(係合される)ととも
に、燃料の供給を停止し、かつ、点火制御を停止するこ
とができる。つまり、車輪3側からエンジン2に伝達さ
れる動力により、クランクシャフト8が回転させられ
る。
【0021】そして、車速の低下にともない、エンジン
回転数が所定回転数以下に低下すると、燃料噴射制御お
よび点火制御がおこなわれてもエンジン2を自律回転さ
せることが困難になるため、そのようなエンジン回転数
よりも高い回転数の時点で、ロックアップクラッチ17
のトルク容量を低下させる制御と、燃料噴射制御および
点火制御とがおこなわれて、エンジン2が自律回転させ
られる。
【0022】つぎに、ロックアップクラッチ17の制御
と、エアコン用プレッサ10およびオルタネータ11の
制御とを協調させる制御の一例を、図1のフローチャー
トに基づいて説明する。まず、エアコンスイッチ26の
信号に基づいてクラッチ12がオン(係合)されて、エ
ンジン2のトルクがエアコン用コンプレッサ10に伝達
され、エアコン用コンプレッサ10が駆動されて冷媒の
圧縮がおこなわれるとともに、発電要求検知センサ27
の信号に基づいて、オルタネータ11の界磁が調節さ
れ、その発電量が制御される(ステップS1)。
【0023】このステップS1についで、車両1が惰力
走行状態となり、かつ、ロックアップクラッチ17が係
合されている状態において、実際のエンジン回転数が所
定回転数NE1よりも低くなったか否かが判断される
(ステップS2)。ここで、所定回転数NE1は、燃料
噴射および点火制御をおこなったとしてもエンジン2の
自律回転が困難な回転数よりも高い回転数である。この
ステップS2で否定的に判断された場合は、ステップS
2が繰り返される。
【0024】これに対して、ステップS2で肯定的に判
断された場合は、ロックアップクラッチ17のトルク容
量を低下させる前に、オルタネータ11の発電量、すな
わち、発電負荷を“零”まで低下させる信号と、クラッ
チ12を解放させる信号とが出力される(ステップS
3)。このステップS3についで、オルタネータ11の
発電負荷が“零”となり、かつ、クラッチ12が解放さ
れたか否かが判断される(ステップS4)。このステッ
プS4で否定的に判断された場合は、ステップS3に戻
る。
【0025】ステップS4で肯定的に判断された場合
は、ロックアップクラッチ17を解放させる制御がおこ
なわれる(ステップS5)。このようにして、ロックア
ップクラッチ17のトルク容量を所定値以下まで低下さ
せた後、オルタネータ11の発電負荷およびクラッチ1
2の係合圧を、ステップS3の信号が出力される以前の
値に復帰させる制御がおこなわれ(ステップS6)、こ
の制御ルーチンを終了する。
【0026】つぎに、図1の制御例に対応するタイムチ
ャートの一例を図2に示す。実際のエンジン回転数が所
定回転数NE1よりも高い場合は、クラッチ12が係合
され、かつ、オルタネータ11の発電負荷が所定の発電
負荷V1に制御されている。その後、実際のエンジン回
転数が低下して、そのエンジン回転数が時刻t1で所定
回転数NE1以下になると、クラッチ12が解放される
とともに、オルタネータ11の発電負荷が徐々に減少さ
せられる。
【0027】ここで、オルタネータ11の発電負荷の減
少程度(言い換えれば、減少割合、減少率、減少勾配)
は、発電負荷の減少に基づく車両1の加速度が、乗員に
ショックとして体感されない程度の減速度となるように
制御される。なお、発電負荷の減少程度の具体的な設定
方法としては、予め決定されている固定的な減少値を用
いる方法と、減少値を状況に応じて変更する方法とが挙
げられる。減少値を変更する場合の具体例としては、各
車速に対応させて発電負荷を設定した制御マップを用意
しておき、この制御マップに基づいて、発電負荷の減少
程度を制御する方法と、実際の加速度の変化状態に基づ
いて発電負荷を制御する方法とが挙げられる。
【0028】そして、時刻t2でオルタネータ11の発
電負荷が“零”になると、ロックアップクラッチ11が
解放されるとともに、クラッチ12を係合させる制御が
おこなわれ、かつ、オルタネータ11の発電負荷を高め
る制御が開始される。ついで、時刻t3において、オル
タネータ11の発電負荷が、時刻t1よりも前の発電負
荷V1に復帰させられる。
【0029】以上のように、この実施例によれば、車両
1が惰力走行し、かつ、ロックアップクラッチ17が係
合されている状態から、エンジン回転数の低下に応じて
ロックアップクラッチ17のトルク容量を低下させる前
に、オルタネータ11およびエアコン用コンプレッサ1
0を駆動するためのエンジン負荷が徐々に減少される。
つまり、オルタネータ11による発電量の減少およびエ
アコン用コンプレッサ10の冷媒圧縮量の減少にともな
う車両加速度の減少と、ロックアップクラッチ17の解
放にともなう車両加速度の減少とが、2段階に分かれて
発生する。したがって、ロックアップクラッチ17の解
放にともなう車両加速度の減少程度を抑制でき、乗員が
ショックとして体感することを回避できる。
【0030】また、この実施例によれば、ロックアップ
クラッチ17のトルク容量が所定値まで低下された後
に、クラッチ12が係合され、かつ、オルタネータ11
の発電負荷が、ロックアップクラッチ17の解放前の状
態に復帰される。したがって、エアコン用コンプレッサ
10の機能および発電量機能の低下を抑制できる。さら
に、この実施例によれば、オルタネータ11の界磁を調
整して、その発電状態を制御しているため、発電負荷を
微調整しやすくなっており、発電負荷の減少に伴うショ
ックの発生を、一層確実に抑制することができる。
【0031】また、図1の制御例のステップS2におい
て、車速およびアクセル開度に基づいて、ロックアップ
クラッチのトルク容量を低下させるか否かを判断し、そ
のステップS2で肯定的に判断された場合は図1のステ
ップS3に進むような制御ルーチンを採用することもで
きる。図3の実施例においては、トルク増幅機能を有す
るトルクコンバータ4に対してロックアップクラッチ1
7が設けられているが、トルク増幅機能のない流体伝動
装置であるフルードカップリングに対して、ロックアッ
プクラッチが設けられている車両(図示せず)に対して
も、図1の制御例を適用することができる。
【0032】また、この実施例は、係合されているロッ
クアップクラッチ17を解放する場合の他に、係合され
ているロックアップクラッチをスリップさせる場合、ま
たは、スリップされているロックアップクラッチを解放
させる場合に用いることができる。さらに、駆動力源と
変速機との間に流体伝動装置を設ける代わりに、発進ク
ラッチを設けた車両に対しても、図1の制御例を適用す
ることができる。この場合、図1および図2で述べた
“ロックアップクラッチ17”を“発進クラッチ”と読
み替えればよい。この発進クラッチは、油圧または電磁
力のいずれのアクチュエータにより制御されるものであ
ってもよい。
【0033】さらにまた、この発明のクラッチには、遊
星歯車機構および摩擦係合装置を有し、摩擦係合装置を
係合・解放させることにより、変速比を切り換える構成
の変速機の摩擦係合装置(クラッチ)も含まれる。な
お、エアコン用コンプレッサとして可変容量コンプレッ
サを用いている場合は、クラッチ12を係合・解放させ
ることなく、容量を制御することにより、エンジン負荷
を制御することもできる。
【0034】ここで、図1に示された機能的手段と、こ
の発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS1
ないしステップS6がこの発明の協調制御手段に相当す
る。また、エンジン2が、この発明の駆動力源に相当
し、ロックアップクラッチ17がこの発明のクラッチに
相当し、エアコン用コンプレッサ10、オルタネータ1
1がこの発明の補機装置に相当し、オルタネータ11の
発電量、エアコンプレッサの圧縮容量が、この発明の補
機装置を駆動する負荷に相当する。
【0035】なお、上記の具体例に基づいて開示された
この発明の特徴的な構成を記載すれば、以下のとおりで
ある。すなわち、駆動力源と車輪との間に設けられるク
ラッチのトルク容量と、駆動力源の動力により駆動さ
れ、かつ、駆動力源に対して前記クラッチと並列に連結
される補機装置を駆動する負荷とを制御することのでき
るパワートレーンの制御装置において、前記クラッチの
トルク容量を低下させる場合に前記補機装置を駆動する
負荷を減少させる機能と、前記クラッチのトルク容量を
低下させる制御が終了した場合は、前記補機装置を駆動
する負荷を、前記クラッチのトルク容量を低下させる前
の負荷に復帰させる機能とを有する協調制御手段(図1
のステップS1ないし6)を備えていることを特徴とす
るパワートレーンの制御装置である。
【0036】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
車両が惰力走行し、かつ、クラッチのトルク容量を低下
させる前に、補機装置を駆動させる負荷を減少させるこ
とができる。したがって、“クラッチの解放にともなう
車両加速度が急激に減少すること”を抑制でき、乗員が
ショックを体感することを回避できる。
【0037】また、請求項2の発明によれば請求項1の
発明と同様の効果を得られる他に、クラッチのトルク容
量が所定値まで低下された後に、補機装置の負荷が元に
戻される。したがって、補機装置の機能の低下を抑制で
きる。
【0038】さらに、請求項3の発明によれば、請求項
1または2の発明と同様の効果を得られる他に、発電機
の発電状態を制御しているため、エンジン負荷を微調整
しやすくなっており、クラッチの解放にともなうショッ
クの発生を、一層確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図2】 この発明を適用することのできる車両の概念
図である。
【図3】 図1のフローチャートに対応するタイムチャ
ートの一例である。
【符号の説明】
1…車両、 2…駆動力源(エンジン)、 3…車輪、
4…トルクコンバータ、 5…変速機、 10…エア
コン用コンプレッサ、 11…オルタネータ、12…ク
ラッチ、 17…ロックアップクラッチ、 18…油圧
制御装置、19…コントローラ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力源と車輪との間に設けられるクラ
    ッチのトルク容量と、駆動力源の動力により駆動され、
    かつ、駆動力源に対して前記クラッチと並列に連結され
    る補機装置を駆動する負荷とを制御することのできるパ
    ワートレーンの制御装置において、 前記クラッチのトルク容量を低下させる場合に前記補機
    装置を駆動する負荷を減少させるとともに、この補機装
    置を駆動する負荷の減少状態を、その負荷の減少にとも
    なう車両速度の変化状態に応じて設定する協調制御手段
    を備えていることを特徴とするパワートレーンの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記協調制御手段は、前記クラッチのト
    ルク容量が低下された後に、前記補機装置を駆動する負
    荷を減少前の負荷に戻す機能を、更に備えていることを
    特徴とする請求項1に記載のパワートレーンの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記補機装置は発電機を備えているとと
    もに、前記協調制御手段は、この発電機の発電状態を制
    御することにより、前記負荷の減少状態を制御する機能
    を、更に備えていることを特徴とする請求項1または2
    に記載のパワートレーンの制御装置。
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