JP2003120672A - 軸 受 - Google Patents

軸 受

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JP2003120672A
JP2003120672A JP2001315830A JP2001315830A JP2003120672A JP 2003120672 A JP2003120672 A JP 2003120672A JP 2001315830 A JP2001315830 A JP 2001315830A JP 2001315830 A JP2001315830 A JP 2001315830A JP 2003120672 A JP2003120672 A JP 2003120672A
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fluid
pressure
emergency
fluid supply
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JP2001315830A
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Zenichi Yoshida
善一 吉田
Akio Tanaka
昭夫 田中
Ryutaro Umagoe
龍太郎 馬越
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、停電等の危急時に常用軸受が作用
しなくなった際においても、回転軸を支えることのでき
る危急軸受を提供することを目的とする。 【解決手段】 回転軸10に流体圧を作用させ、回転軸
10を支持する軸受は、その摺動面に回転軸10を支持
する流体を供給する高圧ポケット73と、回転軸10に
所定流量の流体を供給すると共に、回転軸10の位置に
応じて圧力の変動を検出する検出ポケット74とを備え
る。この軸受には、検出された圧力に応じて軸受に供給
する流体を制御するスプール弁80が接続されており、
スプール弁80には、高圧源からの高圧流体を供給する
流路81aと、この流路81aと開閉可能な流路83が
形成されたピストン82が備えられ、流路83は高圧ポ
ケット73に接続されている。さらに、流路81aから
分岐するオリフィス87を備えた分岐流路86が検出ポ
ケット74に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジャーナル軸受ま
たはスラスト軸受等の静圧軸受の構造に関し、特に停電
時等に動作する危急軸受の構造等に関する。
【0002】
【従来の技術】タービンやコンプレッサ等の回転機械に
は、油潤滑軸受やガス潤滑軸受、または磁気軸受が用い
られている。回転機械の回転軸の両端には、自重を支え
るジャーナル軸受が設けられており、一方の端にはスラ
スト軸受が設けられている。
【0003】ここで、図8を用いて、軸受の構成につい
て説明する。図8は、ジャーナル軸受20およびスラス
ト軸受30の構造を示す図である。図示したように、タ
ービン40と共に回転する回転軸10は、タービン40
を挟んで、この回転軸10の両端に配設されたジャーナ
ル軸受20と、一方のジャーナル軸受20がある端に配
設されたスラスト軸受30とによって支えられている。
ジャーナル軸受20は、回転軸10の軸方向と垂直な方
向にかかる軸全体の自重を支えている。また、スラスト
軸受30は、回転軸10と一体に形成されたスラストカ
ラー11を挟み込むように配置され、この回転軸10の
軸方向の差圧によって発生するスラスト力を抑えてい
る。
【0004】これら、通常動作時に回転軸10を支える
ジャーナル軸受20やスラスト軸受30としては、油潤
滑軸受やガス潤滑軸受、または磁気軸受が用いられる。
油潤滑軸受やガス潤滑軸受が用いられる軸受では、軸受
と軸との間に作動隙間が形成されている。一般的に、軸
の重量が大きくなると、この隙間が支える荷重も大きく
なる。そしてこの隙間は、軸からの荷重が大きくなるに
つれて狭くなる。図9(a)は、スラスト軸受30とし
て、磁気軸受を用いた構成を示す図である。図示したよ
うに、磁気軸受を用いたスラスト軸受30には、コイル
31が巻かれており、このコイル31に電流を流すこと
で、スラスト軸受30は電磁石となる。ところで、磁石
は距離の2乗に反比例して作用する力をもつので、スラ
スト軸受30は、コイル31に流れる電流値によって、
スラスト軸受30同士の距離の2乗に反比例する力をス
ラストカラー11に対して及ぼす。また、このスラスト
軸受30には、変位計32が設けられており、この変位
計32で信号を検出することによって、スラスト軸受3
0とスラストカラー11との隙間を計測する。そして、
この隙間が一定になるように、スラスト軸受30に流す
電流値を制御システムにて制御する。
【0005】上述したように、スラスト軸受30とスラ
ストカラー11との間に形成された隙間は、電磁石によ
って制御されているが、停電が発生した際には、この隙
間を一定に保つことができなくなる。また、スラスト軸
受30を制御する制御システムが壊れた際にも同様に、
隙間を一定に保つことができなくなる。ここで、図9
(b)を用いて作動隙間と負荷能力との関係について説
明する。通常、スラスト軸受30は、定格動作点で作動
隙間と負荷能力とのつりあいがとれた状態で作動してい
る。図示したように、作動隙間が小さくなるにつれて負
荷能力は大きくなる。そして、作動隙間がA以下になる
と、荷重の限界値を超えてしまうため、スラストカラー
11とスラスト軸受30とが接触し、スラストカラー1
1とスラスト軸受30との間で摩擦が生じて、焼損する
ことが考えられる。このように、回転軸10とスラスト
軸受30との間の隙間が狭くなり、接触するというよう
な現象は、回転軸10とジャーナル軸受20との間でも
起こり得る。また、図9では磁気軸受を例に説明した
が、油潤滑軸受やガス潤滑軸受を用いた場合も同様の現
象が起こり得る。
【0006】そこで、回転軸10を支えるのに用いられ
る常用軸受から少し離れた位置に危急軸受を設けること
が行われている。図10は、常用軸受50(ジャーナル
軸受20)の近傍に設けられた危急軸受60を例示する
図である。図10(a)に示すように、回転軸10を支
える油潤滑軸受やガス潤滑軸受または磁気軸受等、常用
軸受50として用いられるジャーナル軸受20の近傍に
は、危急軸受60が設けられている。危急軸受60は、
常用軸受50が作用しなくなった際に用いられるバック
アップ用の軸受である。この危急軸受60の具体的な例
としては、図10(b)に示すような、転がり軸受61
や、図10(c)に示すような円筒軸受65が挙げられ
る。
【0007】また、実公平4−46089号公報には、
回転機械の運転中に地震が発生した場合に作動する危急
軸受が例示されている。この危急軸受は、軸方向位置検
出用の変位計で架台等の固定部材が大変位したことを検
知して、その信号をコントロールボックスに送る。そし
てコントロールボックスは、軸受箱に設けられた弁を開
き、スラストカラーと軸受メタルとの間の隙間に高圧流
体を供給する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
においても常用軸受50をバックアップするような危急
軸受60が用いられていた。図10(b)に示したよう
な転がり軸受61では、回転軸10に嵌合されたスリー
ブ62とケーシングに固定されたスリーブ63とによっ
て球体64が挟まれている。この転がり軸受61を用い
た場合には、常用軸受50が作動しなくなった際に回転
軸10が下方に落ちる。そうすると、球体64とスリー
ブ62,63とが接触して、回転軸10はスリーブ63
を介して球体64によって支えられるので、回転軸10
と常用軸受50とが接触することはなくなる。しかしな
がら、通常の運転時にも、球体64がスリーブ62,6
3と接触してしまうので、転がり軸受61の寿命が短く
なってしまう。また、図10(c)に示したような円筒
軸受65では、ケーシングに固定されたスリーブ66が
設けられている。しかしながら、このような構成では、
負荷能力が小さく、どうしても回転軸10とスリーブ6
6との間の隙間が大きくなってしまい、回転軸10の振
れまわりを抑えることができない。
【0009】また、実公平4−46089号公報に開示
されている危急軸受は、架台が大変位した場合に変位計
が軸方向位置を検出して高圧流体を供給する。しかしな
がら、このような危急軸受は、地震等によって大変位が
発生した際の変位を検出して作動することができるが、
停電が発生した際には、この危急軸受をコントロールす
るコントロールボックスが作動しない。
【0010】そこで、本発明は、停電等の危急時に常用
軸受が作用しなくなった際においても、回転軸を支える
と共に制御することのできる危急軸受を提供することを
目的とする。また、この危急軸受が作動する際に供給す
る高圧流体の流量を低減させることを他の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持面を有す
る回転体の当該支持面に流体圧を作用させて回転体を支
持する軸受に適用される。そしてこの軸受は、回転体を
支持するための流体を供給する支持流体供給路および回
転体に向けて所定流量の流体を供給するとともに回転体
の位置の変動に応じて圧力の変動が生じる圧力検知流路
とを備えた軸受本体と、圧力検知流路を介して検知され
た圧力に応じて軸受本体の支持流体供給路に対する流体
の供給可否を制御する流体供給制御弁と、を備えること
を特徴とする。本発明の軸受は、軸受本体に圧力検知流
路を設け、定格時にこの圧力検知流路から流体を回転体
に向けて供給する。回転体が軸受本体に接近すると、圧
力検知流路内の圧力が上昇する。つまり、圧力検知流路
内の圧力を検知することにより、回転体の異常な接近、
換言すれば危急の発生を検知することができる。そし
て、圧力検知流路内の圧力に応じて、より具体的に言う
ならば、圧力検知流路内の圧力が所定値を超える場合に
は、危急状態にあるものとみなして、流体供給制御弁が
支持流体供給路へ流体の供給を許可する。本発明の軸受
において、定格時に前記圧力検知流路から回転体に向け
て供給する流体の流量は、圧力検知の目的を達成できる
程度で足りる。この供給量は、回転体を支持するために
支持流体供給路から供給する流体の供給量に比べて少な
くてすむ。一方で、定格時には支持流体供給路への流体
供給は停止する。したがって、本発明の軸受は、定格時
および危急時を通じて、流体の供給量を低減することが
できる。
【0012】本発明の軸受において、流体供給制御弁
を、所定の容積を有するケーシングと、ケーシング内に
配置されかつその動作位置によって流体の供給可否を決
定する弁体とを備えたものとすることができる。そして
このケーシングは、外部から供給される流体を容積に流
入させる流体流入口と、軸受本体の支持流体供給路に向
けて流体を供給する支持流体供給口と、軸受本体の圧力
検知流路と容積とを連通させる圧力検知流体流入口とを
有する。また弁体は、圧力検知流体流入口を介して容積
に流入する圧力検知流体に基づいて、流体流入口と支持
流体供給口との間の流路を開閉する。
【0013】本発明の軸受において、軸受本体と流体供
給制御弁とを、分離して構成することもできるし、一体
として形成することもできる。一体として形成する場
合、軸受本体にケーシングを作りこむことができる。ま
た本発明の軸受において、圧力検知流路は、支持流体供
給路よりも回転体の回転方向の上流側に配設することが
望ましい。
【0014】本発明の軸受において、軸受本体は一体に
構成することもできるが、複数の軸受パッドに分割して
構成することもできる。この場合、複数の軸受パッドの
各々に支持流体供給路および圧力検知流路を設ける一
方、流体供給制御弁を複数の軸受パッドの各々に対応し
て設けることができる。つまり、1つの流体供給制御弁
が対応する1つの軸受パッドについて流体供給の制御を
受け持つ。本発明はこの形態に限らず、流体供給制御弁
は、所定の軸受パッドにおける圧力検知流路を介して検
知された圧力に応じて、所定の軸受パッドとは異なる軸
受パッドの支持流体供給路に対する流体の供給可否を制
御することもできる。つまり、本発明の軸受は、圧力を
検知する軸受パッドと、流体供給を制御する軸受パット
とが異なることも想定している。また本発明は、以上の
形態のように、1つの軸受パッドに圧力検知流路と支持
流体供給路とを設けることもできるが、圧力検知流路の
みを有する軸受パッドおよび支持流体供給路のみを有す
る軸受パッドを別個に設けることもできる。つまり本発
明は、圧力検知流路が配設された第1の軸受パッドと、
支持流体供給路が配設された第2の軸受パッドとを備え
る形態を包含している。そしてこの形態においては、流
体供給制御弁が、第1の軸受パッドに配設された圧力検
知流路によって検知された圧力に応じて、第2の軸受パ
ッドに配設された支持流体供給路に対する前記流体の供
給可否を制御することになる。
【0015】また、本発明は、所定の気密度を有する空
間内において、支持面を有する回転体の当該支持面に流
体圧を作用させて回転体を支持する軸受であって、支持
面に向けて流体を供給する流体供給路と、流体供給路と
流体の供給源との間を開閉する第1の弁と、空間内に供
給された流体を外部に流出する流体流出路と、流体流出
路を開閉する第2の弁と、を備えることを特徴とする軸
受によって前記課題を解決する。この軸受は、危急軸受
に適用することができる。そして、危急軸受として適用
される場合、定格時には、第1の弁を開、第2の弁を閉
とする。したがって、所定の気密度を有する空間内にお
いて、回転体は流体流出路から供給された流体の圧力が
支持面に作用することによって支持される。一方、危急
時には、第1の弁および第2の弁をともに開とする。危
急時に、第2の弁を開とすることにより、前記空間内に
供給される流体の相対的な圧力を高くすることができ
る。これは、危急時に供給する流体の量を増やすことな
く、危急軸受としての機能を発揮できることを示してい
る。つまり、本発明によれば、危急軸受としての機能を
より少ない流体流量で実現できることになり、ひいては
高圧流体の流量を極力減らすことが可能になる。またこ
のことは、流体供給源の負荷能力を相対的に向上させる
ことを意味し、より小さな容量の流体供給源の適用を可
能とする。
【0016】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]まずここ
で、ジャーナル軸受20(静圧軸受)をバックアップす
る危急軸受70の例を説明する。図11に示すように、
回転軸10は、その周囲を危急軸受70によって囲まれ
ている。また、回転軸10と危急軸受70との間には、
隙間が形成されている。この危急軸受70は、例えば危
急軸受パッド71a,71b,71c,71dといった
ように、複数に分割されているものとする。そして、危
急軸受パッド71aの摺動面72aには、高圧ポケット
73aが備えられている。また、危急軸受パッド71b
〜71dの摺動面72にも同様に高圧ポケット73が備
えられている。
【0017】常用軸受50として例えば磁気軸受が用い
られていた際に停電が発生すると、回転軸10が下方に
落ちてくる。その際、高圧源から送られてきた高圧流体
を高圧ポケット73aから供給する。これによって回転
軸10が持ち上げられるので、回転軸10と危急軸受パ
ッド71の摺動面72とが接触して焼損することがなく
なる。ところが、図11に示したように高圧ポケット7
3だけが設けられた危急軸受70では、この高圧ポケッ
ト73から供給する高圧流体の流量の制御を行うことが
できないため、高圧源からの流体の流量が多くなってし
まう。
【0018】以下、添付図面に示す第1の実施の形態に
基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、第1の実施
の形態における回転軸10および危急軸受70の軸方向
断面図である。図1に示すように、第1の実施の形態で
は、図11にて示した危急軸受70の危急軸受パッド7
1の摺動面72に検出ポケット74をさらに備える構成
とした。図1に示した例では、検出ポケット74aは、
高圧ポケット73aを基準として矢印の方向に回転する
回転軸10の回転方向の上流側に設けられている。検出
ポケット74aを設ける位置としては、危急軸受パッド
71aのうちで回転軸10の回転方向の下流側としても
構わない。検出ポケット74aによる高圧ポケット73
aからの流体の流量の制御については、後に図2および
図3を用いて詳しく説明する。
【0019】さて、図1に示した危急軸受70を備えた
回転機械の運転中に停電が発生すると、回転軸10が下
方に落ちてくる。回転軸10が下方に落ちてきたこと
は、危急軸受パッド71に備えられた検出ポケット74
を介して検出される。そして、検出ポケット74によっ
て回転軸10が落ちてきたことが検出されたときに高圧
ポケット73より高圧源からの高圧流体を供給すること
ができる。
【0020】以下、図2を用いて危急軸受パッド71を
制御するためのスプール弁80について説明する。図2
は、第1の実施の形態における危急軸受パッド71とス
プール弁80の構成を示す図である。図2(a)に示す
ように、第1の実施の形態では危急軸受パッド71に高
圧源からの高圧流体を供給するスプール弁80が備えら
れている。このスプール弁80のケーシング81には、
高圧源からの高圧流体を供給する流路81aが備えられ
ている。ケーシング81の内部には、流路83が形成さ
れたピストン82が収納されている。このピストン82
は、ピストン82とケーシング81との間に備えられた
バネ84の付勢力によって押し下げられている。また、
ケーシング81の内部には、Oリング85a,85b,
85cが設けられており、高圧源からの流路81a、ピ
ストン82に形成された流路83、ケーシング81内部
に形成された間隙89をそれぞれ隔離している。ピスト
ン82に形成された流路83は危急軸受パッド71に形
成された高圧ポケット73に、分岐流路86は危急軸受
パッド71に形成された検出ポケット74に、それぞれ
接続されている。高圧源からの流路81aには、この流
路81aから分岐する分岐流路86が設けられている。
そして、分岐流路86の途中にはオリフィス87が設け
られている。また、分岐流路86のオリフィス87が設
けられた位置よりも下流側には、この分岐流路86から
さらに分岐する分岐流路88が設けられており、この分
岐流路88はスプール弁80のケーシング81内に形成
された間隙89へと接続されている。
【0021】ここで、図3を用いて分岐流路86内での
圧力の変化について説明する。図3は、高圧源から検出
ポケット74までの間における圧力の状態を示す図であ
る。図3において、破線の曲線は通常運転時(定格時)
の圧力の状態を、実線の曲線は停電時(危急時)におけ
る圧力の状態を示している。定格時には、高圧源からの
流路81aから分岐した分岐流路86において、この分
岐流路86内を流れる流体がオリフィス87に到達する
までは、この流体にかかる圧力は高い状態に保たれる。
オリフィス87では、分岐流路86を流れてきた高圧流
体を絞り込んで下流側へと流すので、この高圧の流体が
オリフィス87に到達すると、圧力が一気に低くなる。
そして、この低圧の流体は分岐経路86を流れて危急軸
受パッド71に設けられた検出ポケット74から流出す
る。また、この低圧の流体は分岐流路86からさらに分
岐する分岐流路88へと流れようとするが、分岐流路8
8と連通する間隙89はピストン82とOリング85c
とによって閉じられている。しかも、ピストン82はバ
ネ84の付勢力によって押し下げられており、低圧の流
体ではピストン82を押し上げることはできない。定格
時の流体の流れを図2(a)に矢印で示す。図示したよ
うに、定格時において高圧流体は、分岐流路86からオ
リフィス87を経て低圧流体となって検出ポケット74
へと流れる。しかしながら、流路81aは、ピストン8
2とOリング85a,85bとによって閉じられている
ので、この流路からケーシング81内部には流れ込むこ
とができない。
【0022】さて、常用軸受50として磁気軸受が用い
られていた際に停電が発生すると、回転軸10が下方に
落ちてくる。そうすると、検出ポケット74と回転軸1
0との間に形成された隙間が狭くなり、検出ポケット7
4から流出しようとする流体の流路抵抗が大きくなる。
そうすると、図3の実線の曲線にて示すように、高圧源
からの高圧流体の圧力はオリフィス87で絞り込まれて
やや低くなるが、オリフィス87と検出ポケット74と
の間での圧力は定格時よりも高くなる。分岐流路86内
の流体の圧力が高くなると、この分岐流路86を流れる
流体は分岐流路88から間隙89にも流れ込むようにな
る。
【0023】ここで、図2(b)に基づいて危急時にお
けるスプール弁80の状態を説明する。矢印で示すよう
に、危急時には分岐流路88から隙間89にも圧力の高
い流体が流れ込んでくる。そして、バネ84の付勢力に
よって押し下げられていたピストン82が白抜きの矢印
で示した方向に働く流体の圧力によって押し上げられ
る。そして、Oリング85b,85cによって閉じられ
ていたピストン82内部の流路83が高圧源からの流路
81aと連通するようになる。そうすると、流路81a
から流路83へと高圧源からの高圧流体が流れ込んでく
る。この高圧流体は、高圧ポケット73から危急軸受パ
ッド71と回転軸10との間に形成された隙間へと供給
される。回転軸10が落ちてきたことによって狭くなっ
ていた隙間が、高圧ポケット73から高圧流体が供給さ
れたことによって押し上げられ、回転軸10は定格時の
位置に戻る。
【0024】回転軸10が押し上げられて通常の位置に
戻ると、狭くなっていた危急軸受パッド71と回転軸1
0との間の隙間は通常の間隔となる。そうすると、検出
ポケット74から流出しようとする流体の流路抵抗が小
さくなり、分岐流路86のオリフィス87よりも下流側
を流れる流体の圧力が下がって図3の破線の曲線で示し
た状態となる。また、分岐流路86からさらに分岐する
分岐流路88およびこの分岐流路88に接続された間隙
89内部の流体の圧力も下がる。このようにピストン8
2を押し上げていた流体の圧力が下がると、ピストン8
2は再びバネ84の付勢力によって押し下げられる。そ
して、高圧源からの流路81aと連通して高圧ポケット
73に高圧流体を供給していた流路83はOリング85
b,85cによって閉じられるので、回転軸10と危急
軸受パッド71の間の隙間には高圧流体が供給されなく
なる。
【0025】以上のように、第1の実施の形態では、危
急軸受パッド71に設けられた検出ポケット74にて回
転軸10が危急軸受パッド71に接近したことを検出
し、それに伴って高圧ポケット73から高圧流体を供給
している。また、この高圧ポケット74から供給する高
圧流体の流量を、スプール弁80にて制御している。こ
のようにすれば、定格時は検出ポケット74から低い圧
力の流体を少量流出させるだけで良く、高圧ポケット7
3には危急時にだけ高圧流体を供給することができるよ
うになる。これによって、危急軸受70と回転軸10と
の間に形成された隙間に供給する流体の流量を極力低減
することができるようになる。
【0026】第1の実施の形態における危急軸受70で
は、検出ポケット74の制御による高圧ポケット73の
流量の応答性を良くするために、検出ポケット74を同
じ危急軸受パッド71に設けずに、例えば危急軸受パッ
ド71aの高圧ポケット73aの流量を制御するための
検出ポケット74を、危急軸受パッド71bに設けられ
た検出ポケット74bとしても構わない。また、危急軸
受パッド71に検出ポケット74を設けるのではなく、
独立したパッドを別途備える構成とし、この独立したパ
ッドに検出ポケット74を設けるようにしても構わな
い。また、第1の実施の形態における危急軸受70で
は、電気的な手段を用いることなく機械的な手段だけで
回転軸10が落ちてきたことを検出して、この危急軸受
70の制御を行うことができるので、停電が発生した際
の危急軸受70の構造として適している。さらに、上述
したように、危急軸受パッド71は回転軸10の下側だ
けでなく例示したように四方に配設されている。そこ
で、停電によって回転軸10が落ちてきた場合だけでは
なく、回転軸10の回転の偏芯によって回転軸10と危
急軸受70との間に形成された隙間が狭くなった場合に
も、この危急軸受70にて回転軸10を通常の位置に戻
してやることができる。またさらに、第1の実施の形態
では、危急軸受パッド71とスプール弁80とを別体、
つまり、それぞれ独立した構成としているので、スプー
ル弁80の寸法を大きくすることができ、大きな回転軸
10を支えることのできる危急軸受70を提供すること
も可能となる。
【0027】[第2の実施の形態]以下、図4に基づいて
第2の実施の形態について説明する。図4は、第2の実
施の形態における危急軸受パッド71とスプール弁90
の構成を示す図である。第1の実施の形態では、危急軸
受パッド71とスプール弁80とを別体とする構成につ
いて説明したが、第2の実施の形態では、危急軸受パッ
ド71とスプール弁90とが一体となる構成について説
明する。図4に示すように、危急軸受パッド71のほぼ
中央部に高圧ポケット73につながる空洞部75が形成
されている。つまり、スプール弁90のケーシングを危
急軸受パッド71に作りこんでいる。また、危急軸受パ
ッド71の摺動面72以外の面からは、高圧源から高圧
流体を供給する流路76が形成されており、この流路7
6は空洞部75と連通している。空洞部75の内部には
流路92が形成されたピストン91が収納されており、
この流路92は高圧ポケット73と連通している。ま
た、空洞部75はカバー94によって閉じられている。
このカバー94には、オリフィス96が設けられた高圧
流体を供給する継ぎ手95と、検出ポケット74と接続
される継ぎ手97とが備えられている。また、図示した
ように、ピストン91の寸法は空洞部75よりも小さい
のでピストン91とカバー94との間には間隙98が形
成される。さらに、危急軸受パッド71に形成された空
洞部75の内部にはOリング93a,93b,93c,
93d,93eが設けられており、高圧源からの流路7
6、ピストン91に形成された流路92、間隙98をそ
れぞれ隔離している。
【0028】定格時には、高圧源からの流路76とピス
トン91に形成された流路92とは、Oリング93bに
よって閉じられている。また、継ぎ手95から供給され
る高圧流体は、この継ぎ手95に設けられたオリフィス
96によって絞り込まれて圧力が低くなる。そしてこの
低圧の流体は間隙98、継ぎ手97を通過して、危急軸
受パッド71と別体に形成された危急軸受パッド77に
設けられた検出ポケット74から流出する。停電等の危
急時には、回転軸10が下方に落ちてくる。そうする
と、検出ポケット74と回転軸10との間に形成された
隙間が狭くなり、検出ポケット74から流出しようとす
る流体の流路抵抗が大きくなり、オリフィス96と検出
ポケット74との間の流体の圧力が高くなる。そしてピ
ストン91が間隙98中の流体の圧力によって押し上げ
られる。ピストン91が押し上げられると、Oリング9
3b,93cによって閉じられていたピストン91内部
の流路92が、高圧源からの流路76と連通するように
なる。そして流路76から流路92へと高圧源からの高
圧流体が流れ込んでくる。この高圧流体は、高圧ポケッ
ト73から危急軸受パッド71と回転軸10との間に形
成された隙間へと供給され、落ちている状態の回転軸1
0を押し上げて定格時の状態に戻す。そして、危急軸受
パッド71と回転軸10との間の隙間に高圧流体が供給
されたことによりこの隙間が広くなり、検出ポケット7
4から流出する流体の流路抵抗が低くなるので、オリフ
ィス96と検出ポケット74との間の流体の圧力は低く
なる。そうすると、間隙98よりも高圧ポケット73側
の圧力の方が高くなるので、ピストン91は下方に押し
戻されて元の位置に戻る。そして、高圧源からの流路7
6と連通して高圧ポケット73に高圧流体を供給してい
た流路92は、Oリング93b,93cによって閉じら
れるので回転軸10と危急軸受パッド71との間の隙間
には高圧流体が供給されなくなる。
【0029】以上のように、第2の実施の形態では、危
急軸受パッド71とスプール弁90とが一体となるよう
に構成されている。このような構成としても、第1の実
施の形態と同様の危急軸受70としての効果を得ること
ができる。また、危急軸受パッド71とスプール弁90
とを一体としたことで、危急軸受70全体の寸法を小さ
くすることができる。
【0030】[第3の実施の形態]以下、図5に基づい
て第3の実施の形態について説明する。図5(a)は、
第3の実施の形態における回転軸10および危急軸受7
0の構成を示す図であり、図5(b)は、回転軸10お
よび危急軸受70の軸方向断面図(A−A矢視図)であ
る。第1および第2の実施の形態では、ジャーナル軸受
20をバックアップする危急軸受70について説明した
が、第3の実施の形態では、危急軸受70をスラスト軸
受30として用いる例について説明する。第3の実施の
形態では図5(a)に示すように、回転軸10と一体に
形成されたスラストカラー11の両側の危急軸受70A
および危急軸受70Bが設けられている。また危急軸受
70Aは、スラストカラー11の摺動面11Aと対向す
る摺動面78Aを、危急軸受70Bは、スラストカラー
11の摺動面11Bと対向する摺動面78Bを備えてい
る。そして、危急軸受70A,70Bとスラストカラー
11との間には、隙間が形成されている。ここで、図5
(b)の軸方向断面図に示すように、回転軸10は、そ
の周囲を危急軸受70によって囲まれている。また、こ
の危急軸受70は危急軸受パッド71a〜71dに分割
されているものとする。そして、この危急軸受パッド7
1のスラストカラー11との摺動面78には、高圧ポケ
ット73および検出ポケット74が備えられている。ま
た、スラストカラー11の反対側の摺動面と対向する危
急軸受パッド71の摺動面78にも同様に、高圧ポケッ
ト73および検出ポケット74が備えられている。この
高圧ポケット73および検出ポケット74には、第1の
実施の形態で説明したスプール弁80または、第2の実
施の形態で説明したスプール弁90が接続されているも
のとする。
【0031】さて、このような危急軸受70を備えた回
転機械の運転中に停電が発生すると回転軸10が軸方向
にぶれるので、図5(a)に示したスラストカラー11
が左または右に動く。そうすると、スラストカラー11
と危急軸受パッド71との間に形成された隙間が狭くな
り、これが検出ポケット74によって検出される。そし
てスラストカラー11は、高圧ポケット73から供給さ
れる高圧流体によって元の位置に押し戻される。以上の
ように、第3の実施の形態によれば、スラストカラー1
1と危急軸受70との間に形成された隙間の状態に応じ
て必要となった場合に高圧流体を供給することができる
危急軸受70を、第1、第2の実施の形態に示したジャ
ーナル軸受20ばかりでなく、スラスト軸受30にも適
用することができるようになる。
【0032】[第4の実施の形態]以下、図6に基づい
て第4の実施の形態について説明する。図6は、第4の
実施の形態における危急軸受100の構成を示す図であ
る。第4の実施の形態では、回転軸10を支えるスラス
ト軸受30の構成について説明する。図6(a)に示す
ように、スラストカラー11および危急軸受パッド10
1は、ケーシング110に収納されている。第4の実施
の形態における危急軸受100を構成する危急軸受パッ
ド101は、第1〜第3の実施の形態と同様に、複数に
分割されているものとする。危急軸受パッド101の摺
動面102には、高圧ポケット103備えられている。
また、ケーシング110の摺動面111には、低圧ポケ
ット104が備えられている。高圧ポケット103には
弁105を介して高圧タンク106が、低圧ポケット1
04には弁107を介して低圧タンク108が接続され
ている。スラストカラー11と危急軸受パッド101お
よびケーシング110との間には、それぞれ隙間が形成
されている。そして、スラストカラー11および危急軸
受パッド101を収納するケーシング110と回転軸1
0との間にはラビリンスシール112が設けられてお
り、ケーシング110内部の隙間とケーシング110外
部との気密性を高めている。
【0033】ここで、ケーシング110の内部の流体が
スラストカラー11に対して及ぼす圧力について説明す
る。定格時においては弁105は開かれているが、弁1
07は閉じている。そうすると、ケーシング110内部
の隙間の雰囲気圧は、高圧タンク106から供給される
高圧流体の圧力と等しくなる。ここで、高圧流体の圧力
をPsとすると、ケーシング110内部の隙間の雰囲気
圧はPsとなる。ここで、スラストカラー11と危急軸
受パッド101とは気密性の高いケーシング110に収
納されているので、図6(b)に示すように、スラスト
カラー11の底面11aには下方向からPsの圧力が、
また同様に、天面11bには上方からPsの圧力がそれ
ぞれかかる。
【0034】この危急軸受パッド101には、図示しな
いが、第1〜第3の実施の形態にて説明した検出ポケッ
トが備えられているものとする。危急時において、回転
軸10が下方に落ちてきたことは、この検出ポケットに
て検出される。その検出結果に応じて、低圧タンク10
8と接続された弁107が開かれる。そうすると、スラ
ストカラー11とケーシング110との間に形成された
隙間からは、低圧ポケット104より低圧タンク108
へと、ケーシング110内部の流体が流出する。ここ
で、危急時においてケーシング110内部の流体がスラ
ストカラー11に対して及ぼす圧力について説明する。
危急時には弁107が開かれているので、低圧ポケット
104から低圧タンク108へとケーシング110内部
の流体が流出する。そして、ケーシング110内部に形
成された隙間の雰囲気圧は、定格時の雰囲気圧Psから
Pdへと下がる。雰囲気圧がPdとなると、スラストカ
ラー11の底面11aには下方向からPdの圧力が、ま
た同様に、天面11bには上方向からPdの圧力がそれ
ぞれかかる。ここで、危急軸受パッド101に備えられ
た高圧ポケット103からは高圧流体がPsの圧力で供
給される。そうすると、スラストカラー11の底面11
aのうち、高圧ポケット103と対向している部分にか
かる圧力は、図6(c)に示すように、ケーシング11
0内部の雰囲気圧Pdよりも高いPsとなる。よって、
スラストカラー11の天面11bにかかる圧力Pdを差
し引いてもスラストカラー11の底面11aにかかる圧
力の方が高いので、スラストカラー11の危急軸受パッ
ド101への接触を阻止することができる。ここで、負
荷能力は圧力の高さに比例するので、高圧ポケット10
3から供給される流体の圧力とケーシング110内部の
雰囲気圧との差が大きくなれば、この負荷能力を相対的
に上げることができる。
【0035】以上のように、第4の実施の形態では、ス
ラストカラー11の天面11b側から流体を流出させ
て、ケーシング110内部の圧力を減圧させている。こ
のように、ケーシング110の内部の雰囲気圧を下げる
ことによって、高圧ポケット103から供給される高圧
流体の相対的な圧力を高くすることができる。これは、
危急時に供給する高圧流体の量を増やすことなく、危急
軸受100としての機能を発揮できることを示してい
る。つまり、本実施の形態によれば、危急軸受100と
しての機能をより少ない流体流量で実現できることにな
り、ひいては高圧流体の流量を極力減らすことが可能に
なる。またこのことは、高圧タンク106の負荷能力を
相対的に向上させることを意味し、より小さな容量の高
圧タンク106の適用を可能とする。
【0036】[第5の実施の形態]以下、図7に基づいて
第5の実施の形態について説明する。図7は、第5の実
施の形態における危急軸受100の構成を示す図であ
る。第4の実施の形態では危急軸受100をスラスト軸
受30に用いたが、第5の実施の形態では、この危急軸
受100をジャーナル軸受20として用いる例について
説明する。図7に示すように、回転軸10は、危急軸受
パッド101を収納したケーシング110によって囲ま
れている。危急軸受パッド101の摺動面102には高
圧ポケット103が備えられている。また、ケーシング
110の回転軸10と対向する面には低圧ポケット10
4が備えられている。高圧ポケット103には弁105
を介して高圧タンク106が、低圧ポケット104には
弁107を介して低圧タンク108が接続されている。
回転軸10と危急軸受パッド101およびケーシング1
10との間には、それぞれ隙間が形成されている。そし
て、危急軸受パッド101を収納するケーシング110
と回転軸10との間にはラビリンスシール112が設け
られており、ケーシング110内部の隙間とケーシング
110外部との気密性を高めている。
【0037】定格時においては、弁105が開かれ、弁
107が閉じられているので、ケーシング110内部の
圧力は一定のPsである。危急時において、回転軸10
が下方に落ちてきたことは、図示しない検出ポケットに
よって検出され、低圧タンク108に接続された弁10
7が開かれる。そして、低圧ポケット104から低圧タ
ンク108へとケーシング110内部の流体が流出し、
ケーシング110内部に形成された隙間の雰囲気圧は定
格時の雰囲気Psよりも低いPdとなる。また、危急軸
受パッド101の高圧ポケット103からは高圧流体が
Psの圧力で供給される。よって、回転軸10のうち高
圧ポケット103と対向している部分にかかる圧力Ps
は、ケーシング内部の雰囲気圧Pdよりも高くなる。
【0038】以上のように、第5の実施の形態では、第
4の実施の形態と同様にケーシング110内部の隙間の
雰囲気圧を下げ、回転軸10に向けて高圧流体を供給し
ている。したがって、第5の実施の形態においても、危
急時に供給する高圧流体の量を増やすことなく、危急軸
受100としての機能を発揮できることを示している。
つまり、本実施の形態によれば、危急軸受100として
の機能をより少ない流体流量で実現できることになり、
ひいては高圧流体の流量を極力減らすことが可能にな
る。またこのことは、高圧タンク106の負荷能力を相
対的に向上させることを意味し、より小さな容量の高圧
タンク106の適用を可能とする。
【0039】以上、第1〜第5の実施の形態では、常用
軸受50として例えば磁気軸受を用い、さらに危急軸受
70,100を設けて危急時にこの危急軸受70,10
0を作動させる場合について例示したが、この危急軸受
70,100を常用軸受50として用いるようにしても
構わない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転機械を運転中に停電が発生するといったような危急
時においても、回転軸やスラストカラーの接触および焼
損を防止することのできる軸受を提供することができ
る。
【0041】また、危急軸受から供給する高圧流体の流
量を制御することもできるようになるため、この高圧流
体の流量を極力減らすことができるようになると共に、
この高圧流体を供給する高圧源の容量を小さくすること
ができる。
【0042】さらに、回転軸やスラストカラーの雰囲気
圧を下げることによって、高圧源から供給する高圧流体
の相対的な圧力を高くすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における回転軸10および
危急軸受70の軸方向断面図である。
【図2】 第1の実施の形態における危急軸受パッド7
1とスプール弁80の構成を示す図である。
【図3】 高圧源から検出ポケット74までの間におけ
る圧力の状態を示す図である。
【図4】 第2の実施の形態における危急軸受パッド7
1とスプール弁90の構成を示す図である。
【図5】 第3の実施の形態における回転軸10および
危急軸受70の軸方向断面図である。
【図6】 第4の実施の形態における危急軸受100の
構成を示す図である。
【図7】 第5の実施の形態における危急軸受100の
構成を示す図である。
【図8】 軸受の構成を示す図である。
【図9】 スラスト軸受30に磁気軸受を用いた構成お
よび作動隙間と負荷能力との関係を示す図である。
【図10】 従来における危急軸受を例示する図であ
る。
【図11】 従来における回転軸10および危急軸受7
0の軸方向断面図である。
【符号の説明】
10…回転軸、11…スラストカラー、11A,11B
…摺動面、11a…底面、11b…天面、20…ジャー
ナル軸受、30…スラスト軸受、31…コイル、32…
変位計、40…タービン、50…常用軸受、60…危急
軸受、61…転がり軸受、62…スリーブ、63…スリ
ーブ、64…球体、65…円筒軸受、66…スリーブ、
70,70A,70B…危急軸受、71,71a,71
b,71c,71d…危急軸受パッド、72,72a…
摺動面、73,73a…高圧ポケット、74,74a…
検出ポケット、75…空洞部、76…流路、77…危急
軸受パッド、78,78A,78B…摺動面、80…ス
プール弁、81…ケーシング、81a…流路、82…ピ
ストン、83…流路、84…バネ、85a,85b,8
5c…Oリング、86…分岐流路、87…オリフィス、
88…分岐流路、89…間隙、90…スプール弁、91
…ピストン、92…流路、93a,93b,93c,9
3d,93e…Oリング、94…カバー、95…継ぎ
手、96…オリフィス、97…継ぎ手、98…間隙、1
00…危急軸受、101…危急軸受パッド、102…摺
動面、103…高圧ポケット、104…低圧ポケット、
105…弁、106…高圧タンク、107…弁、108
…低圧タンク、110…ケーシング、111…摺動面、
112…ラビリンスシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬越 龍太郎 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 Fターム(参考) 3J011 AA04 AA07 AA11 BA15 CA01 3J102 AA02 BA03 CA12 EA02 EA03 EA06 EA09 EA16 EB02 EB07 GA06 GA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持面を有する回転体の当該支持面に流
    体圧を作用させて当該回転体を支持する軸受であって、 前記軸受は、 前記回転体を支持するための流体を供給する支持流体供
    給路および当該回転体に向けて所定流量の流体を供給す
    るとともに当該回転体の位置の変動に応じて圧力の変動
    が生じる圧力検知流路とを備えた軸受本体と、 前記圧力検知流路を介して検知された圧力に応じて前記
    軸受本体の前記支持流体供給路に対する前記流体の供給
    可否を制御する流体供給制御弁と、を備えることを特徴
    とする軸受。
  2. 【請求項2】 前記圧力検知流路から前記回転体に向け
    て供給される流体の所定流量は、当該回転体を支持する
    ための流体の流量よりも少ないことを特徴とする請求項
    1に記載の軸受。
  3. 【請求項3】 前記流体供給制御弁は、 所定の容積を有するケーシングと、 前記ケーシング内に配置されかつその動作位置によって
    前記流体の供給可否を決定する弁体とを備え、 前記ケーシングは、 外部から供給される流体を前記容積に流入させる流体流
    入口と、前記軸受本体の前記支持流体供給路に向けて前
    記流体を供給する支持流体供給口と、前記軸受本体の圧
    力検知流路と前記容積とを連通させる圧力検知流体流入
    口とを有し、 前記弁体は、前記圧力検知流体流入口を介して前記容積
    に流入する圧力検知流体に基づいて、前記流体流入口と
    前記支持流体供給口との間の流路を開閉することを特徴
    とする請求項1または2に記載の軸受。
  4. 【請求項4】 前記軸受本体と前記流体供給制御弁と
    が、分離して構成されたことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の軸受。
  5. 【請求項5】 前記ケーシングが、前記軸受本体に形成
    されたことを特徴とする請求項3に記載の軸受。
  6. 【請求項6】 前記軸受本体は複数の軸受パッドからな
    り、 前記複数の軸受パッドは、各々前記支持流体供給路およ
    び前記圧力検知流路を備え、 前記流体供給制御弁は、前記複数の軸受パッドの各々に
    対応して設けられていることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の軸受。
  7. 【請求項7】 前記軸受本体は複数の軸受パッドからな
    り、 前記複数の軸受パッドは、各々前記支持流体供給路およ
    び前記圧力検知流路を備え、 前記流体供給制御弁は、 所定の軸受パッドにおける前記圧力検知流路を介して検
    知された圧力に応じて、前記所定の軸受パッドとは異な
    る軸受パッドの前記支持流体供給路に対する前記流体の
    供給可否を制御することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の軸受。
  8. 【請求項8】 前記軸受本体は、 前記圧力検知流路が配設された第1の軸受パッドと、 前記支持流体供給路が配設された第2の軸受パッドとを
    備え、 前記流体供給制御弁は、前記第1の軸受パッドに配設さ
    れた前記圧力検知流路によって検知された圧力に応じ
    て、前記第2の軸受パッドに配設された前記支持流体供
    給路に対する前記流体の供給可否を制御することを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の軸受。
  9. 【請求項9】 前記圧力検知流路は、 前記支持流体供給路よりも前記回転体の回転方向の上流
    側に配設されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載の軸受。
  10. 【請求項10】 所定の気密度を有する空間内におい
    て、支持面を有する回転体の当該支持面に流体圧を作用
    させて当該回転体を支持する軸受であって、 前記支持面に向けて流体を供給する流体供給路と、 前記流体供給路と前記流体を供給する供給源との間を開
    閉する第1の弁と、 前記空間内に供給された前記流体を外部に流出する流体
    流出路と、 前記流体流出路を開閉する第2の弁と、を備えることを
    特徴とする軸受。
  11. 【請求項11】 前記軸受は、危急軸受として機能し、 定格時には、前記第1の弁を開、前記第2の弁を閉と
    し、 危急時には、前記第1の弁および前記第2の弁をともに
    開とすることを特徴とする請求項10に記載の軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015161556A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 三菱重工業株式会社 軸受装置、及び回転機械、ならびに回転軸の加振方法
WO2016084937A1 (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ジャーナル軸受、回転機械
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