JP2003120609A - 油圧作動機におけるオートリターン構造 - Google Patents

油圧作動機におけるオートリターン構造

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JP2003120609A
JP2003120609A JP2001317094A JP2001317094A JP2003120609A JP 2003120609 A JP2003120609 A JP 2003120609A JP 2001317094 A JP2001317094 A JP 2001317094A JP 2001317094 A JP2001317094 A JP 2001317094A JP 2003120609 A JP2003120609 A JP 2003120609A
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oil
valve rod
oil tank
piston
cylinder chamber
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JP2001317094A
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Yoshikuni Kikura
芳邦 亀倉
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KAMEKURA SEIKI KK
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KAMEKURA SEIKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンが戻り(復)可動するにあたって、
リターンバネ力より大きな抵抗が発生してピストンが戻
らない状況となっても、油槽室側に圧油を供給して強制
的にピストンの戻り動作を行わせることができる油圧作
動機におけるオートリターン構造を提供すること。 【解決手段】 弁杆7に、この弁杆7が油槽室5側へ移
動した際に導通孔6を閉塞する第一シール面10と、シリ
ンダ室4側へ移動した際に導通孔6を閉塞する第二シー
ル面11とを設け、シリンダ室4へ圧油を圧送する往動用
送油手段12若しくはこの往動用送油手段12と別個の復動
用送油手段により油槽室5に圧油を圧送し得るように構
成し、この往動用送油手段12若しくは復動用送油手段に
より油槽室5に圧油を圧送すると、前記弁杆7がシリン
ダ室4側に可動して第二シール面11が前記導通孔6を閉
塞し、この油槽室5内の圧油による押圧力と前記リター
ンバネ2の復帰力とによりピストン3が押圧されて強制
的に復動するように構成した油圧作動機におけるオート
リターン構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧作動機におけ
るオートリターン構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
油圧作動機におけるオートリターン(リターンバルブ)
の構造は、例えば、特開平8−42517号などに示す
ように次のような構造である。
【0003】シリンダ室内に圧送される圧油により押圧
されてリターンバネに抗して可動するピストンを設け、
このピストンにシリンダ室とピストンを境にした反対側
の油槽室とを連通する導通孔を設け、この導通孔を閉塞
する弁杆を可動自在に設けて導通孔を弁杆の可動により
開閉自在に構成し、この弁杆に油槽室側へ突出する突出
部を設け、シリンダ室内に圧油が圧送されるピストン可
動時は導通孔が閉塞し、このシリンダ室内に圧油が圧送
されるピストン可動時に弁杆の前記突出部が突き当て部
に押圧当接した際には弁杆が可動して導通孔が開放し,
シリンダ室から油槽室へ圧油が流入して前記リターンバ
ネの復帰力によりピストンが戻り可動するように構成
し、前記弁杆が可動して導通孔が開放した状態となる弁
杆の可動位置を位置決め保持する開放保持機構を設けて
いる。
【0004】従って、シリンダ室に圧油を圧送すると、
この油圧により弁杆は押圧され導通孔を閉塞するため、
シリンダ室とピストンを境にした反対側の油槽室との圧
力差によりピストンがシリンダ室内をリターンバネに抗
して油槽室側へ可動する。
【0005】このピストンの移動に伴って弁杆も移動す
るが、弁杆の突出部が突き当て部に押圧当接すると、弁
杆がシリンダ室側へ押し上げられ、導通孔が開放する。
【0006】シリンダ室内の圧油は、この導通孔を通っ
て油槽室側へ流れ込み、シリンダ室と油槽室との圧力差
が崩れ、ピストンはリターンバネの復帰力によりシリン
ダ室側へ押し戻される。
【0007】この際、前述のように弁杆が移動すると、
開放保持機構によりこの導通孔が開放した状態となる位
置に弁杆が位置決め保持され、ピストンの戻り途中で弁
杆が可動して導通孔を誤って閉塞してしまうことがな
く、安定した戻り可動が行われる。
【0008】このように所定ストロークだけ移動すると
自動的にピストンを戻り移動させる構造である。
【0009】本発明は、このような油圧作動機における
リターンバルブの改良に係るもので、ピストンが戻り
(復)可動する際、何らかの原因によりリターンバネの
復帰力だけではピストンが戻らくなってしまっても、油
槽室に圧油を供給することにより強制的にピストンを復
動させることができる従来にない油圧作動機におけるオ
ートリターン構造を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0011】シリンダ1内に圧送される圧油により押圧
されてリターンバネ2に抗して可動するピストン3を設
け、このピストン3にシリンダ室4と反対側の油槽室5
とを連通する導通孔6を設け、この導通孔6を閉塞する
弁杆7を可動自在に設けて導通孔6を弁杆7の可動によ
り開閉自在に構成し、この弁杆7にシリンダ室4側へ突
出するシリンダ室側突出部7Aを設けると共に、油槽室
5側へ突出する油槽室側突出部7Bを設け、シリンダ室
4内に圧油が圧送されるピストン3往動時は弁杆7が油
槽室5側へ可動して導通孔6が閉塞し、このピストン3
往動時に弁杆7の前記油槽室側突出部7Bが直接若しく
は間接的に油槽室5内面の所定位置に押圧当接した際に
は弁杆7がシリンダ室4側に可動して導通孔6が開放
し、シリンダ室4から油槽室5へ圧油が流入して前記リ
ターンバネ2の復帰力によりピストン3が復動するよう
に構成し、このピストン3復動時に弁杆7の前記シリン
ダ室側突出部7Aが直接若しくは間接的にシリンダ室4
内面の所定位置に押圧当接した際には弁杆7が油槽室5
側に可動して再び前記導通孔6が閉塞するように構成し
た油圧作動機におけるオートリターン構造において、前
記弁杆7に、この弁杆7が油槽室5側へ移動した際に前
記導通孔6を閉塞する第一シール面10と、シリンダ室4
側へ移動した際に導通孔6を閉塞する第二シール面11と
を設け、シリンダ室4へ圧油を圧送する往動用送油手段
12若しくはこの往動用送油手段12と別個の復動用送油手
段により油槽室5に圧油を圧送し得るように構成し、こ
の往動用送油手段12若しくは復動用送油手段により油槽
室5に圧油を圧送すると、前記弁杆7がシリンダ室4側
に可動して第二シール面11が前記導通孔6を閉塞し、こ
の油槽室5内の圧油による押圧力と前記リターンバネ2
の復帰力とによりピストン3が押圧されて強制的に復動
するように構成したことを特徴とする油圧作動機におけ
るオートリターン構造に係るものである。
【0012】また、前記ピストン3がシリンダ室4側の
復動終点位置にあって前記弁杆7が前記導通孔6を閉塞
している時、前記往動用送油手段12若しくは復動用送油
手段により前記油槽室5に圧油を圧送することで油槽室
5内が高圧化すると、弁杆7が可動して導通孔6を開放
しシリンダ室4側に圧油を流入せしめる安全弁機構13を
設けたことを特徴とする請求項1記載の油圧作動機にお
けるオートリターン構造に係るものである。
【0013】また、前記弁杆7に係合部14を形成し、弁
杆7が嵌合する嵌合部15に前記係合部14に係合する係合
体16を設けて、この弁杆7が可動することにより係合部
14に係合体16が係合して前記導通孔6が開放した状態を
保持する開放保持機構17を設けたことを特徴とする請求
項1,2のいずれか1項に記載の油圧作動機におけるオ
ートリターン構造に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0015】例えば、実施例に基づいて説明すると、図
3に示すようにシリンダ室4に圧油を圧送すると、この
油圧により弁杆7は押圧され油槽室5側へ可動して第一
シール面10が導通孔6を閉塞するため、シリンダ室4と
ピストン3を境にした反対側の油槽室5との圧力差によ
りピストン3がシリンダ1内をリターンバネ2に抗して
油槽室5側へ移動(往動)し、例えばピストン3の可動
先端部に設けた加工部19により加工作業がなされる。
【0016】このピストン3の移動に伴って弁杆7も移
動するが、図4に示すように弁杆7の油槽室側突出部7
Bが油槽室5内面の所定位置に直接若しくは間接的に押
圧当接すると、弁杆7がシリンダ室4側へ押し上げら
れ、導通孔6が開放する。
【0017】シリンダ室4内の圧油は、図4中の矢印に
示したようにこの開放した導通孔6を通って油槽室5側
へ流れ込み、シリンダ室4と油槽室5との圧力差が崩
れ、ピストン3はリターンバネ2の復帰力によりシリン
ダ室4側へ移動(復動)する。
【0018】また、この復動に際して、例えば、ピスト
ン3にリターンバネ2の復帰力よりも大きな何らかの抵
抗が作用してピストン3が復動途中で停止してしまった
場合には、往動用送油手段12若しくは復動用送油手段に
より油槽室5内に圧油を圧送すると、この油圧により前
記弁杆7が押圧されシリンダ室4側に可動して第二シー
ル面11が前記導通孔6を閉塞し、この油槽室5内の圧油
による押圧力と前記リターンバネ2の復帰力とにより強
制的にピストン3が復動することになる。
【0019】従って、ピストン3の復動が正常に行われ
ないような場合であっても、ピストン3を確実に強制復
動させることができる極めて実用性に秀れた油圧作動機
におけるオートリターン構造となる。
【0020】また、一つの弁杆7に第一シール面10と第
二シール面11との二つのシール面を設けて、この油槽室
5に圧油を圧送しての強制復動作動構造を、弁杆7に設
けた第二シール面11が導通孔6を閉塞することで可能と
なる構成としたため、この強制復動構造を設けるために
他の弁構造を設けるような構成に比して部品点数が少な
くで済み、簡易に且つコスト安に設計実現可能となる。
【0021】また、例えば、前記往動用送油手段12若し
くは復動用送油手段により前記油槽室5に圧油を圧送し
て前記ピストン3を強制的に復動させてピストン3が復
動終点位置に到達した後、前記弁杆7が第一シール面10
で前記導通孔6を閉塞することによって油槽室5内が高
圧化すると、弁杆7が可動して導通孔6を開放しシリン
ダ室4側に圧油を流入せしめる安全弁機構13を設けれ
ば、油槽室5内に圧油を圧送しての強制復動後ピストン
3が復動終点位置(往動始点位置)に戻った時に、油槽
室5内が異常に高圧化してしまうことを確実に防止で
き、一層安全性に秀れ実用的となる。
【0022】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0023】本実施例は、ピストン3に導通孔6(貫通
路)を形成し、この貫通路途中に停留室6Aを形成し、
この停留室6Aの油槽室5側には油槽室5へ貫通する径
大貫通路6Bを形成し、停留室6Aのシリンダ室4側に
は径小貫通路6Cを形成している。
【0024】弁杆7は、中程に径大閉塞盤部7Cを形成
して、この径大閉塞盤部7Cより図面において上側杆部
をシリンダ室側突出部7Aとし、径大閉塞盤部7Cより
下側杆部を油槽室側突出部7Bとしている。また、この
油槽室側突出部7Bには緩衝用キックバネ21を被嵌状態
に装着している。
【0025】そして、この径大閉塞盤部7Cを前記停留
室6Aに配設し、油槽室側突出部7Bを前記径大貫通路
6Bに摺動自在に嵌挿し、前記シリンダ室側突出部7A
を前記径小貫通路6Cの側方に設けた嵌合部15に摺動自
在に嵌挿している。
【0026】この弁杆7のシリンダ室側突出部7Aを嵌
挿(嵌合)する嵌合部15に横穴20を形成し、この横穴20
内に弾性体18としてコイルバネを内装し、このコイルバ
ネ18により弁杆7(シリンダ室側突出部7A)周面に向
けて突出付勢されたボール状の係合体16を設けている。
【0027】即ち、このコイルバネ18によりボール状の
係合体16が弁杆7のシリンダ室側突出部7A周面に押圧
当接するように構成している。一方、シリンダ室側突出
部7Aの周面には弁杆7が移動すると、この係合体16が
嵌まり込み係合し、また弁杆7が戻り可動すれば乗越え
係脱可能な凹状の係合部14を形成している。
【0028】従って、図3に示すようにシリンダ室4に
圧油を圧送すると、この圧油は導通孔6の径小貫通路6
Cを通って停留室6A内へ流れ込むが、この圧油が径大
閉塞盤部7Cを押圧して後述する第一シール面10が導通
孔6の径大貫通路6Bを塞ぐ。そのためシリンダ室4と
ピストン3を境にした反対側の油槽室5との圧力差によ
りピストン3がシリンダ1内をリターンバネ2に抗して
油槽室5側へ移動(往動)する。
【0029】このピストン3の移動に伴って弁杆7も移
動するが、図4に示すように弁杆7の油槽室側突出部7
Bが油槽室5内面の所定位置に押圧当接すると、前記弁
杆7のキックバネ21の付勢力もあって弁杆7がシリンダ
室4側へ押し上げられ、径大閉塞盤部7Cが持ち上がる
ことで径大貫通路6Bが流通可能となって導通孔6が開
放する。
【0030】シリンダ室4内の圧油は、図4中の矢印に
示すようにこの導通孔6の径小貫通路6C,停留室6
A,更に径大貫通路6Bを通って油槽室5側へ流れ込
み、シリンダ室4と油槽室5との圧力差が崩れ、ピスト
ン3はリターンバネ2の復帰力によりシリンダ室4側へ
押し戻される(復動する)。
【0031】この際、前述のようにして弁杆7が移動す
ると、予め所定位置に設定した弁杆7(シリンダ室側突
出部7A)周面の係合部14にそれまでシリンダ室側突出
部7A周面にコイルバネ18により押圧されていたボール
状の係合体16が嵌まり込み係合して導通孔6が開放した
状態となる位置に位置決め保持され、導通孔6が開放し
た状態がピストン3が完全に復動終点位置(往動始点位
置)に完全に戻るまで保持される。従って、ピストン3
の復動途中で弁杆7が可動して誤って導通孔6を閉塞し
てしまうことがなく、安定した復動可動が行われること
となる。
【0032】ピストン3が復動してシリンダ室側突出部
7Aに装着した後述の補助バネ26がシリンダ室4内面の
所定位置に突き当たると再び弁杆7が油槽室5側へ移動
し、シリンダ室側突出部7Aの係合部14に嵌まり込んで
いた係合体16が乗越え係脱し、再び再可動状態(図3の
状態)に戻る。
【0033】また、シリンダ室4内への圧油の圧送は、
往動用送油手段12により行う構成としている。
【0034】この往動用送油手段12について具体的に説
明すると、油を収容する油タンク12Aと送油ポンプ12B
とから成り、油タンク12A内の油を送油ポンプ12Bによ
ってシリンダ室4内へ圧送する構成としている。
【0035】本実施例は、前記ピストン3に、このピス
トン3復動時に前記シリンダ室4内面の所定位置に当接
して前記弁杆7のシリンダ室側突出部7Aがシリンダ室
4内面の所定位置に間接的に当接することにより導通孔
6が閉塞することを阻止するストッパ部8を設け、この
ストッパ部8により弁杆7が導通孔6を閉塞することを
阻止された状態で、且つシリンダ室4内に圧油が圧送さ
れた状態では、シリンダ室4内の油圧が高圧となってピ
ストン3をリターンバネ2の復帰力に抗して復動途中の
所定の位置に保持する復動途中停止機構9を設けてい
る。
【0036】具体的に説明すると、ストッパ部8は、ピ
ストン3から前記シリンダ室4側に突出する前記弁杆7
のシリンダ室側突出部7Aを囲う形状(円筒状)に形成
すると共に、このストッパ部8がシリンダ室側突出部7
Aよりもやや上方へ突出状態となるように設け、ピスト
ン3が復動した際には、先ずストッパ部8がシリンダ室
4内面の所定位置(天壁面)に近接して圧油流通路を絞
るため、シリンダ室4の圧力が上がり、ピストン3が停
止する。これによりシリンダ室側突出部7Aがシリンダ
室4内面の所定位置に当接して導通孔6が閉塞してしま
うことを阻止する構成としている。
【0037】従って、圧油を圧送し続ける状態では、続
いてピストン3が往動することはなく、復動途中停止機
構9により確実に一旦ピストンが復動途中位置で自動停
止することになる構成としている。
【0038】よって、例えば、かってにピストンが連続
往復可動して誤った加工作業がなされるようなことがな
い油圧作動機を構成できる極めて実用性に秀れた油圧作
動機におけるオートリターン構造となる。
【0039】シリンダ室4内への圧油の圧送を停止して
高圧状態を解除すると、ピストン3がリターンバネ2の
復帰力により再び復動し、これに伴いシリンダ室4内面
の所定位置に近接状態となっていた前記ストッパ部8が
このシリンダ室4内面の所定位置に当接して、弁杆7の
シリンダ室側突出部7Aが後述する補助バネ26を介して
間接的にシリンダ室4内面の所定位置に押圧当接し、こ
れにより弁杆7が油槽室5側に移動して後述の第一シー
ル面10が前記導通孔6を閉塞し(図3参照)、この状態
でシリンダ室4内に圧油を圧送すると、再びピストン3
が往動する。
【0040】また、このストッパ8には、このストッパ
8の内側と外側とを連通する連通孔8Aを形成し、この
連通孔8Aは後述する安全弁機構13として機能するよう
に構成している。
【0041】また、本実施例では、前記弁杆7に、この
弁杆7が油槽室5側へ移動した際に前記導通孔6を閉塞
する第一シール面10と、シリンダ室4側へ移動した際に
導通孔6を閉塞する第二シール面11とを設けている。
【0042】具体的に説明すると、第一シール面10は前
記径大閉塞盤部7Cの下面とし、弁杆7が油槽室5側へ
移動した際にはこの第一シール面10が前記停留室6Aの
下面に当接して導通孔6を閉塞する構成としている。
【0043】また、第二シール面11は前記径大閉塞盤部
7Cの上面とし、弁杆7がシリンダ室4側へ移動した際
にはこの第二シール面11が前記停留室6Aの上面に当接
して導通孔6を閉塞する構成としている。
【0044】本実施例は、シリンダ室4へ圧油を圧送す
る前記往動用送油手段12に切替装置24を設け、この切替
装置24によって切り替えると、圧送路25を介して往動用
送油手段12から圧油が油槽室5内に圧送されるように構
成している。
【0045】そして、この切替装置24によって油槽室5
に圧油を圧送すると、図6に示すように前記弁杆7がシ
リンダ室4側に可動して第二シール面11が前記導通孔6
を閉塞し、この油槽室5内の圧油による押圧力と前記リ
ターンバネ2の復帰力とによりピストン3が押圧されて
強制的に復動するように構成している。
【0046】また、本実施例では、この切替装置24を切
り替えることによって往動用送油手段12から油槽室5に
圧油を圧送して前記ピストン3を強制的に復動終点位置
まで移動させた際に、前記弁杆7の第一シール面10が前
記導通孔6を閉塞することによって油槽室5内が高圧化
すると、弁杆7が可動して導通孔6を開放しシリンダ室
4側に圧油を流入せしめる安全弁機構13を設けている。
【0047】この安全弁機構13について具体的に説明す
ると、前記弁杆7のシリンダ室側突出部7Aに補助バネ
26を設けると共に、この補助バネ26を前記ストッパ部8
よりも上方へ突出状態となるように設けて、ピストン3
復動時には、先ずこの補助バネ26がシリンダ室4内の天
壁面に当接する構成としている。
【0048】また、ピストン3が復動終点位置に存して
前記ストッパ部8がシリンダ室4内の天壁面に当接した
状態となっても、この補助バネ26の付勢力により図7に
示すように弁杆7のシリンダ室側突出部7Aはシリンダ
室4内の天壁面には当接せずに若干隙間を介在すること
となるように構成し、油槽室5内に圧油を圧送して異常
な高圧となった時には、補助バネ26の付勢力に抗して前
記隙間分弁杆7がシリンダ室4側に移動し、これにより
前記第一シール面10が前記停留部6Aの下面から離れて
導通孔6が開放し、図7中の矢印のように前記連通孔8
Aを介して圧油がシリンダ室4側へと流入して異常高圧
状態を回避する構成としている。
【0049】尚、ピストン3が復動する際には図4中の
矢印のようにシリンダ室4側から油槽室5側へ圧油が流
れて弁杆7(径大閉塞盤部7C)を押圧するため、弁杆
7がシリンダ室4側へ移動することはなく、導通孔6の
開放状態は確実に保持される。
【0050】尚、本実施例は、図1,図2に示すような
出願人の開発した穿孔機に適用したもので、本機はピス
トン3の先端加工部19のパンチの押圧により被穿孔材a
を穿孔する穿孔機において、機体Aの上部に電動機22を
設け、機体A内にこの電動機22の作動により液圧を発生
する前記往動用送油手段12としての油圧発生機構を設
け、油圧発生機構12の下方の機体A内に油圧発生機構12
により昇降する液圧シリンダ機構23(油圧作動機)を設
け、この液圧シリンダ機構23により下動して被穿孔材a
を穿孔するパンチ(加工部19)を液圧シリンダ機構23の
下端に設けたものである。
【0051】図中符号27は出力軸、28,29は軸受、30は
偏心ローラ、31はOリング、32はバックアップリング、
33はピストン3の連結杆、34はダイス、35はダイス台、
36はスタンド、37は把手である。
【0052】尚、本発明は、本実施例に限られるもので
はなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るもの
である。
【0053】例えば、キックバネ21,補助バネ26は弁杆
7に装着した場合を採用したが、弁杆7に対向するシリ
ンダ室4内の天壁面及び油槽室5内の底壁面にキックバ
ネ21,補助バネ26を付設する構成としても良いし、本実
施例でバネと称したものはコイルバネ,皿バネ,波座
金,ゴムなどのどのタイプの弾性体によって構成しても
良い。
【0054】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、例
えば、ピストンにリターンバネの復帰力よりも大きな何
らかの抵抗が作用してピストンが正常に復動せず、途中
で停止してしまった場合などでも、油槽室内に圧油を圧
送することで、強制的にピストンを復動させることがで
きることとなり、しかも一つの弁杆に第一シール面と第
二シール面との二つのシール面を設けて、この油槽室に
圧油を圧送しての強制復動作動構造を、弁杆に設けた第
二シール面が導通孔を閉塞することで可能となる構成と
したため、この強制復動構造を設けるために他の弁構造
を設けるような構成に比して部品点数が少なくで済み、
簡易に且つコスト安に設計実現可能となるなど、極めて
実用性に秀れた油圧作動機におけるオートリターン構造
となる。
【0055】また、請求項2記載の発明においては、油
槽室内に圧油を圧送してのピストンの強制復動に際し
て、万一ピストンが復動終点位置に到達後も圧油を圧送
し続けてしまっても、安全弁機構により油槽室内が異常
に高圧化してしまうことを確実に防止できる一層安全性
・実用性に秀れた油圧作動機におけるオートリターン構
造となる。
【0056】また、請求項3記載の発明においては、開
放保持機構により導通孔が開放作動した状態が自動的に
保持され、常に安定した開閉作動が維持されることにな
り、しかもこの開放保持機構は構造が簡易で製作が非常
に容易となり、量産性に秀れるなど一層実用性に秀れた
油圧作動機におけるオートリターン構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の製品外観図である。
【図2】本実施例の製品の断面図である。
【図3】本実施例の要部の油圧作動機のピストン移動開
始時を示す拡大断面図である。
【図4】本実施例の要部のピストンが往動終点位置にあ
る状態を示す拡大断面図である。
【図5】本実施例の要部のピストン復動途中で停止した
状態を示す拡大断面図である。
【図6】本実施例の要部のピストンが往動終点位置にあ
る状態から、油槽室内に圧油を圧送してピストンを強制
復動させる際の移動開始時を示す拡大断面図ある。
【図7】本実施例の要部の油槽室内に圧油を圧送してピ
ストンを強制復動させ、復動終点位置で安全弁機構が作
動した状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 リターンバネ 3 ピストン 4 シリンダ室 5 油槽室 6 導通孔 7 弁杆 7A シリンダ室側突出部 7B 油槽室側突出部 10 第一シール面 11 第二シール面 12 往動用送油手段 13 安全弁機構 14 係合部 15 嵌合部 16 係合体 17 開放保持機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に圧送される圧油により押圧
    されてリターンバネに抗して可動するピストンを設け、
    このピストンにシリンダ室と反対側の油槽室とを連通す
    る導通孔を設け、この導通孔を閉塞する弁杆を可動自在
    に設けて導通孔を弁杆の可動により開閉自在に構成し、
    この弁杆にシリンダ室側へ突出するシリンダ室側突出部
    を設けると共に、油槽室側へ突出する油槽室側突出部を
    設け、シリンダ室内に圧油が圧送されるピストン往動時
    は弁杆が油槽室側へ可動して導通孔が閉塞し、このピス
    トン往動時に弁杆の前記油槽室側突出部が直接若しくは
    間接的に油槽室内面の所定位置に押圧当接した際には弁
    杆がシリンダ室側に可動して導通孔が開放し、シリンダ
    室から油槽室へ圧油が流入して前記リターンバネの復帰
    力によりピストンが復動するように構成し、このピスト
    ン復動時に弁杆の前記シリンダ室側突出部が直接若しく
    は間接的にシリンダ室内面の所定位置に押圧当接した際
    には弁杆が油槽室側に可動して再び前記導通孔が閉塞す
    るように構成した油圧作動機におけるオートリターン構
    造において、前記弁杆に、この弁杆が油槽室側へ移動し
    た際に前記導通孔を閉塞する第一シール面と、シリンダ
    室側へ移動した際に導通孔を閉塞する第二シール面とを
    設け、シリンダ室へ圧油を圧送する往動用送油手段若し
    くはこの往動用送油手段と別個の復動用送油手段により
    油槽室に圧油を圧送し得るように構成し、この往動用送
    油手段若しくは復動用送油手段により油槽室に圧油を圧
    送すると、前記弁杆がシリンダ室側に可動して第二シー
    ル面が前記導通孔を閉塞し、この油槽室内の圧油による
    押圧力と前記リターンバネの復帰力とによりピストンが
    押圧されて強制的に復動するように構成したことを特徴
    とする油圧作動機におけるオートリターン構造。
  2. 【請求項2】 前記ピストンがシリンダ室側の復動終点
    位置にあって前記弁杆が前記導通孔を閉塞している時、
    前記往動用送油手段若しくは復動用送油手段により前記
    油槽室に圧油を圧送することで油槽室内が高圧化する
    と、弁杆が可動して導通孔を開放しシリンダ室側に圧油
    を流入せしめる安全弁機構を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の油圧作動機におけるオートリターン構造。
  3. 【請求項3】 前記弁杆に係合部を形成し、弁杆が嵌合
    する嵌合部に前記係合部に係合する係合体を設けて、こ
    の弁杆が可動することにより係合部に係合体が係合して
    前記導通孔が開放した状態を保持する開放保持機構を設
    けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記
    載の油圧作動機におけるオートリターン構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102889267A (zh) * 2012-11-16 2013-01-23 江阴市洪腾机械有限公司 一种自复位单作用式液压缸
JP2018017269A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 Smc株式会社 増力機構付き流体圧シリンダ

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