JP6158066B2 - 打込み工具 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工材に釘等の被打込材を打込む作業に用いられる電気−空圧式の打込み工具に関する。
特開2011−25363号公報(特許文献1)は、バッテリで駆動する電動モータ及び当該電動モータで駆動される圧縮装置を搭載した電気−空圧式の打込み工具を開示している。この打込み工具は、モータによりクランクを介して圧縮装置を駆動し、圧縮室内の空気が最大圧縮状態に達したときに、クランクに接続されたカムによりバルブを開放して圧縮室内の圧縮空気を打込みシリンダ内に供給し、この供給された圧縮空気によって打込み機構を作動させて被打込材を打込むように構成されている。
特開2011−25363号公報
特開2011−25363号公報に記載の打込み工具においては、圧縮室内の空気が最大圧縮状態に達したときにバルブが開放動作するタイミングを基準タイミングとして定めている。一方、カムの回転運動を直線運動に変換してバルブ開閉動作させる機構においては、機械部品の製作誤差に原因して、例えばカムと当該カムに応動する部材間に隙間(ガタ)が発生した場合、基準タイミングに対するバルブの開放タイミングがずれる可能性がある。バルブの開放タイミングのずれは、打込み工具の打込み性能に悪影響を及ぼすことになる。
本発明は、上記の問題に鑑み、所定の打込み性能を発揮できるように改良された打込み工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る打込み工具の好ましい形態によれば、モータと、第1シリンダと、第1シリンダに摺動可能に収容された摺動部、及び当該摺動部に連接されるとともに、被打込み材を打込む長尺状の打込み部を備えた第1ピストンと、第2シリンダと、第2シリンダ内を往復動することにより圧縮空気を生成する第2ピストンと、モータによって駆動されて第2ピストンを第2シリンダ内で往復動させるクランクと、第1シリンダと第2シリンダとを連通する圧縮空気供給経路と、圧縮空気供給経路を開放する開放位置と閉止する閉止位置との間で移動する弁部材と、弁部材を閉止位置側に付勢する付勢部材と、クランクに接続されて回転駆動されるカム部材と、を有し、カム部材のカムリフト量に応じて弁部材による圧縮空気供給経路の開閉制御が行われ、弁部材が開放位置に移動された場合に、第2シリンダから圧縮空気供給経路を経て第1シリンダ内に送られた圧縮空気により第1ピストンを直線状に移動させ、当該第1ピストンの前記打込み部により前記被打込み材の打込み作業を遂行する打込み工具が構成される。なお、本発明における「打込み工具」は、典型的には、釘打機或いはタッカーであり、「被打込み材」としては、先端を尖らせた直線棒状のものであって、頭部に傘を有するもの、あるいは有しないもの更にはU字状のステープル等を広く包含する
本発明に係る打込み工具は、第2ピストンが移動して第2シリンダ内の空気を第1ピストンによる被打込み材の打込みに必要な一定以上の圧力状態とする領域のうち予め定めた所定の位置に移動されたときの圧縮タイミングに対して、弁部材が開放位置に移動されて圧縮空気供給経路を開放する開放タイミングが一致するように、弁部材、付勢部材およびカム部材が組み付けられた状態において弁部材の開放タイミングを調整する調整装置を備えている。なお、本発明における「所定の位置に移動されたときの圧縮タイミング」とは、典型的には第2ピストンが第2シリンダ内の空気を最大圧力状態とする位置に移動されたときの最大圧縮タイミング、すなわち第2ピストンが第2シリンダの容積を最小とするクランク角の上死点に達した位置をいうが、上死点に達する直前の位置でもよい。
本発明によれば、カム部材及び弁部材がそれぞれ組み付けられた状態において、例えばカム部材及び弁部材の製作誤差に起因して、第2ピストンの圧縮タイミングに対する弁部材の開放タイミングにずれが発生した場合に、調整装置により圧縮タイミングに対して開放タイミングが一致するように、当該開放タイミングを調整し、打込み工具の所定の打込み性能を得ることができる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、カム部材と弁部材を接続する介在部材を有し、介在部材がカム部材に当接して移動し、当該移動した介在部材が弁部材に当接して当該弁部材を移動させ、当該弁部材が移動することで圧縮空気供給経路を開放させる構成である。調整装置は、カム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置を調整可能な位置調整部材で構成されている。そして、介在部材がカム部材と弁部材に当接するように、カム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置が位置調整部材により調整されることで、弁部材の開放タイミングが圧縮タイミングに一致するように調整される構成としている。なお、この形態における「位置調整部材」としては、部材相互の接続長さを調整可能なターンバックル、部材相互間に介在状に配置されて部材相互間の相対位置を調整可能なシム或いは楔等が適用可能である。
カム部材と弁部材を介在部材により接続する構成においては、それら各部材の製作誤差に原因して、例えばカム部材と介在部材間に隙間(ガタ)が生ずることが考えられる。この形態によれば、位置調整部材によりカム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置を調整することで、上記の隙間を解消して弁部材の開放タイミングが第2ピストンの圧縮タイミングに一致するように開放タイミングを調整することができる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、介在部材は、互いに相対移動可能な第1部材と第2部材を含んで構成される。位置調整部材は、第1部材と第2部材間に介在状に配置され、第1部材と第2部材の相対位置が位置調整部材により調整可能に構成されている。そして、第1部材と第2部材の相対位置が位置調整部材により調整されることでカム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置が調整される。
この形態によれば、位置調整部材により第1部材と第2部材の相対位置を調整することでカム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置を調整することができる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、位置調整部材は、楔状部材を有する。楔状部材は、第1部材及び第2部材それぞれに対して移動可能に設けられ、当該楔状部材の位置に応じて第1部材と第2部材の相対位置が調整可能とされている。なお、本発明における「楔状部材」とは、楔の効果を発揮する部材をいい、第1部材と第2部材を強固に接続することが可能な部材をいう。
この形態によれば、楔状部材の位置に応じて第1部材と第2部材の相対位置を調整することで、カム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置を調整することができる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、位置調整部材は、楔状部材を付勢する第2付勢部材有する。そして、第2付勢部材の付勢力によって介在部材がカム部材と弁部材のそれぞれに当接するように第1部材と第2部材が保持される構成とした。
この形態によれば、使用に伴い、カム部材と介在部材の当接面が摩耗した場合であっても、楔状部材を付勢する第2付勢部材により介在部材のカム部材及び弁部材に対する当接状態を維持することができる。これにより、カム部材と介在部材の当接面の摩耗に起因する第2ピストンの圧縮タイミングに対する弁部材の開放タイミングのずれの発生を未然に防止できる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、第1部材と第2部材は、同一軸周りに個々に回動可能に取り付けられ、楔状部材の位置に応じて同一軸周りに関する第1部材と第2部材の相対位置が調整可能とされている。
この形態によれば、楔状部材の位置に応じて同一軸周りに関する第1部材と第2部材の相対位置を調整することで、カム部材と介在部材の相対位置、又は弁部材と介在部材の相対位置を調整することができる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、弁部材は、所定の軸方向に移動して圧縮空気供給経路を開閉する構成である。介在部材は、カム部材に当接可能に配置されるとともに所定の回動軸を支点としてカム部材の回転軸方向に当該カム部材により揺動される揺動部材と、所定の軸方向に延在するとともに、揺動部材の揺動を往復運動として弁部材に伝達する伝達部材と、を有する。伝達部材は、所定の軸方向に関して互いに相対移動可能な第1伝達部材と第2伝達部材で構成されており、第1伝達部材が弁部材に当接可能に配置され、第2部材が揺動部材に接続されている。位置調整部材は、第1伝達部材と第2伝達部材間に介在状に配置され、第1伝達部材と第2伝達部材の相対位置が位置調整部材により調整可能に構成されている。そして、第1伝達部材と第2伝達部材の相対位置が位置調整部材により調整されることでカム部材に対する揺動部材の相対位置、又は弁部材に対する第1伝達部材の相対位置が調整される構成とした。
この形態によれば、位置調整部材により第1伝達部材と第2伝達部材の相対位置を調整することでカム部材に対する揺動部材の相対位置、又は弁部材に対する第1伝達部材の相対位置を調整することができる。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、弁部材は、所定の軸方向に移動して圧縮空気供給経路を開閉する構成である。介在部材は、カム部材に当接可能に配置されるとともに所定の回動軸を支点としてカム部材の回転軸方向に当該カム部材により揺動される揺動部材と、所定の軸方向に延在するとともに、揺動部材の揺動を往復運動として弁部材に伝達する伝達部材と、を有する。位置調整部材は、伝達部材と弁部材との間に介在状に配置され、伝達部材と弁部材との相対位置が位置調整部材により調整可能に構成されている。
この形態によれば、位置調整部材により伝達部材と弁部材の相対位置を調整することでカム部材と介在部材の相対位置を調整することができる。
本発明によれば、所定の打込み性能を発揮できるように改良された打込み工具が提供されることとなった。
本発明の第1実施形態に係る電気−空圧式釘打機を示す全体構成図であり、圧縮ピストンが下死点に位置した状態を示す。 同じく電気−空圧式釘打機の全体構成図であり、圧縮ピストンが上死点に位置した状態を示す。 ヘッドバルブ付近を拡大した部分断面図である。 カムとカムフォロワーを示す図である。 電気−空圧式釘打機の動作図であり、カム山にカムフォロワーが接触した状態を示す。 電気−空圧式釘打機の動作図であり、カム山にカムフォロワーが上りヘッドバルブのシールがシリンダヘッドから離れ始めたヘッドバルブの開放初期状態を示す。 電気−空圧式釘打機の動作図であり、ヘッドバルブの全開状態を示す。 電気−空圧式釘打機の動作図であり、圧縮ピストンが上死点から下死点に向けて移動を開始した戻り行程の初期段階を示す。 圧縮空気の流れを説明する流路説明図である。 図9のA−A線断面図である。 第1実施形態に係る誤差調整手段を示す斜視図である。 同じく誤差調整手段を分解して示す斜視図である。 誤差調整手段による誤差調整を説明する略図である。 第2実施形態に係る誤差調整手段を示す斜視図である。 第3実施形態に係る誤差調整手段の斜視図である。
(本発明の第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態につき、図1〜図13を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、打込み工具の一例として電気−空圧式釘打機を用いて説明する。図1に示すように、釘打機100は、釘打機100の外郭を形成する工具本体としての本体ハウジング101と、被加工材に打ち込まれる被打込み材としての釘(便宜上図示を省略する)が装填されるマガジン105とを備えている。本体ハウジング101は、ほぼ対称形の1対のハウジングを突き合わせて結合することで形成される。本体ハウジング101は、作業者が握るハンドル部103、釘打込み機構120を収容するための打込み機構収容部101A、圧縮装置130を収容するための圧縮装置収容部101B及び電動モータ111を収容するためのモータ収容部101Cを一体に備えている。
図1及び図2に示すように、本体ハウジング101のハンドル部103、打込み機構収容部101A、圧縮装置収容部101B及びモータ収容部101Cは、それぞれが各辺をなす概ね四角形状を形成するように配置されている。
図1は釘打機100の先端部(図1右端)に配置されるドライバガイド141が被加工材に向けられた横向き状態を示している。このため、図1において右方向が釘打込み機構120による釘の打込み方向であり、ドライバ125による釘の打撃方向となる。なお、説明の便宜上、釘打機100の先端側(図1の右側)を前側、その反対側を後側という。また、ハンドル部103と釘打込み機構120との連接側(図1の上側)を上側、ハンドル部103と電動モータ111との連接側(図1の下側)を下側という。
本体ハウジング101の打込み機構収容部101Aに収容された釘打込み機構120は、打込みシリンダ121及び打込みピストン123を主体として構成される。打込みシリンダ121内には、釘を打込む打込みピストン123が前後方向に摺動可能に収容されている。打込みピストン123は、打込みシリンダ121内に摺動可能に収容されたピストン本体部124と、当該ピストン本体部124に一体状に設けられて前方へと延在する釘打込み用の長尺状のドライバ125とから構成される。打込みピストン123は、シリンダ室121aに供給される圧縮空気によって打込みシリンダ121の長軸方向、すなわち前後方向に直線状に移動される。ドライバ125は、ドライバガイド141の打込み通路内を前方に移動して釘を打込む作動部材を構成する。上記の打込みシリンダ121が、本発明における「第1シリンダ」に対応し、打込みピストン123が、本発明における「第1ピストン」に対応する実施構成例である。また、ピストン本体部124が、本発明における「摺動部」に対応し、ドライバ125が、本発明における「打込み部」に対応する実施構成例である。
ドライバガイド141は、打込みシリンダ121の先端部(図2の右方)に配置され、釘の射出口としての打込み通路を備えている。マガジン105は、被打込み材としての釘を直線状に収容する長方形状の長尺状部材である。マガジン105は、本体ハウジング101の最先端側に配置されるとともに、釘供給側先端部がドライバガイド141に連結されている。なお、マガジン105には、釘を供給方向(図2の上方)に押すためのプッシャプレート(図示を省略する)が備えられている。プッシャプレートは、釘をドライバガイド141の打込み通路に打込み方向と交差する方向から1本ずつ直線的に供給するよう構成されている。打込み通路は、ドライバ125が直線動作して釘を打込む際の通路を構成するものである。
図1に示すように、圧縮装置収容部101Bに収容された圧縮装置130は、圧縮シリンダ131と、圧縮シリンダ131内に上下方向に摺動可能に配置され圧縮ピストン133と、を主体として構成される。この圧縮シリンダ131が、本発明における「第2シリンダ」に対応し、圧縮ピストン133が、本発明における「第2ピストン」に対応する実施構成例である。
圧縮シリンダ131は、マガジン105の外面(図1の左側の側面)に沿って当該マガジン105と並行状に配置されている。圧縮シリンダ131の上端側が打込みシリンダ121の前端部に一体状に連接されている。圧縮ピストン133は、マガジン105に沿って上下方向に往復摺動するように配置されている。圧縮ピストン133は、当該圧縮ピストン133の動作方向が打込みピストン123の動作方向に対して概ね直交する構成とされる。圧縮ピストン133が上下方向に摺動動作することで、圧縮シリンダ131の内部空間である圧縮室131aの容積が変化する。圧縮ピストン133は、圧縮室131aの容積を減少する上方側へと移動する往動時には、圧縮室131aの空気を圧縮し、圧縮空気を生成する。圧縮室131aは、圧縮シリンダ131の内壁面と圧縮ピストン133の上面とにより囲まれる空間として、打込みシリンダ121と近接する上部側に形成されている。
図1に示すように、モータ収容部101Cには、圧縮装置130を駆動するための電動モータ111が収容される。この電動モータ111が、本発明における「モータ」に対応する実施構成例である。電動モータ111は、当該電動モータ111の回転軸線が打込みシリンダ121の長軸線に対して概ね平行となるように配置されている。従って、電動モータ111の回転軸線は、圧縮ピストン133の動作方向に延在する長軸線に対しては直交している。なお、モータ収容部101Cの下部側には、電動モータ111の電源となる充電式のバッテリパック110が着脱可能に装着されている。
電動モータ111の回転は、遊星歯車式の減速機構(図示省略)に伝達された後、運動変換機構としてのクランク機構115を介して直線運動に変換されて圧縮ピストン133に伝達される構成とされる。すなわち、本実施形態では、圧縮装置130として、圧縮シリンダ131、圧縮ピストン133及びクランク機構115を主体として構成されるレシプロ式の圧縮装置が用いられている。このクランク機構115が、本発明における「クランク」に対応する実施構成例である。
図1に示すように、クランク機構115は、遊星歯車式の減速機構によって回転されるクランク軸115aと、クランク軸115aの回転中心から偏心した位置に設けられた偏心ピン115bと、偏心ピン115bに一端が相対回動可能に連接され、他端が圧縮ピストン133に相対回動可能に連接された連接ロッド115cとによって構成されている。クランク機構115は、圧縮シリンダ131の下方に配置されている。
電動モータ111は、ハンドル部103に設けたトリガ103aを引き操作するとともに、本体ハウジング101の前端領域に設けられたコンタクトアームの機能を兼用するドライバガイド141を被加工材に押し付けたときに通電駆動され、トリガ103aの引き操作の解除、またはドライバガイド141の被加工材に対する押し付け解除の少なくとも一方が実行されることで停止されるように構成されている。
釘打機100は、圧縮シリンダ131の圧縮室131aと打込みシリンダ121のシリンダ室121aとを連通する空気通路135(図9参照)及び該空気通路135を開放及び閉止するヘッドバルブ137(図1、図3参照)を備えている。図1に示すように、クランク軸115aのクランク角度が0度(360度)のときに、打込みピストン123が打込みシリンダ121のシリンダヘッド122に最も近い後端位置(図1の左端位置)に位置し、圧縮ピストン133が、圧縮シリンダ131のシリンダヘッド132から最も離れた下端位置としての下死点に位置するように設定されている。すなわち、打込みピストン123は、後端位置が初期位置として設定され、圧縮ピストン133は、下死点が初期位置として設定される。
空気通路135は、管状部材135a、圧縮シリンダ側の連通ポート135b、バルブ室136、及び打込みシリンダ側の連通ポート135cによって構成される。この空気通路135が、本発明における「圧縮空気供給経路」に対応する実施構成例である。管状部材135aは、図9に示すように、打込みシリンダ121の長軸方向に沿って前後方向に直線状に延在される。管状部材135aの一端は、圧縮シリンダ131のシリンダヘッド132に形成された連通ポート135bに連通される。管状部材135aの他端は、打込みシリンダ121のシリンダヘッド122に形成されたバルブ室136(図3参照)に連通される。図3に示すように、バルブ室136とシリンダ室121aとの間には仕切り壁127が設けられている。仕切り壁127にはバルブ室136とシリンダ室121aとを連通する連通ポート135cが形成されている。
バルブ室136は、シリンダヘッド122に円形状の空間として形成される。バルブ室136にはヘッドバルブ137が前後方向に摺動可能に配置されている。このヘッドバルブ137が、本発明における「弁部材」に対応する実施構成例である。ヘッドバルブ137は、円柱状部材として備えられる。ヘッドバルブ137は、打込みピストン123のドライバ125の打込み線、すなわち打撃軸線と同軸線上において前後方向に移動可能とされる。ヘッドバルブ137のシリンダ室121aと対向する側の軸方向一端面が平坦なシール面137aとして設定されている。シール面137aに対向して仕切り壁127にはシール部材としてのOリング129が設けられている。シール面137aは、ヘッドバルブ137が前方へ移動したときにOリング129に接触して連通ポート135cを閉止し、ヘッドバルブ137が後方へ移動したときにOリング129から離間して連通ポート135cを開放する。なお、ヘッドバルブ137の外周にはバルブ室136の内周面と接触して当該バルブ室136の空気が外部に漏れ出ることを防止するOリング139が設けられている。
ヘッドバルブ137は、図3に示すように、常時には付勢部材としての圧縮コイルバネ138によって前方に向けて付勢されている。このため、シール面137aがOリング129に押し付けられて連通ポート135cを閉止している。すなわち、ヘッドバルブ137は、連通ポート135cを閉止する位置が初期位置として設定される。この圧縮コイルバネ138が、本発明における「付勢部材」に対応する実施構成例である。また、ヘッドバルブ137は、クランク機構115と連動して回転する円筒カム151によりリンク機構155を介して開閉制御されるメカニカルバルブとして構成されている。リンク機構155は、円筒カム151の回転運動を前後方向の直線運動に変換してヘッドバルブ137に伝達する手段として備えられる。
本実施形態に係る円筒カム151は、軸方向の一端面にカム面153が形成された端面カムとして設定され、クランク軸115a上に一体に回転するよう取付けられている。この円筒カム151が、本発明における「カム部材」に対応する実施構成例である。円筒カム151は、圧縮ピストン133が下死点に位置するクランク角度で0度(360度)のときを初期位置として設定される。そして、圧縮ピストン133が上死点に達するクランク角度で180度のとき、すなわち圧縮室131a内の圧縮空気が最大圧縮状態とされたときに、ヘッドバルブ137を後方へ移動させて連通ポート135cを開放するように構成される。図4には円筒カム151の一部が展開図で示される。図示するように、円筒カム151のカム面153は、ヘッドバルブ137を開放させる開放領域としての山部153aと、ヘッドバルブ137を閉止させる閉止領域としての谷部153bとを有する。例えば、クランク角度で160度から340度までの領域が山部153a(斜面を含む)とされ、それ以外の領域が谷部153bとされる。
リンク機構155は、図1に示すように、リンク157とプッシュプレート159とによって構成されている。リンク157は、圧縮シリンダ131の外側面に沿って上下方向に延在して配置され、延在方向の略中央部において、本体ハウジング101に支軸156により前後方向に回動可能に装着されている。そして、リンク157の一端部(下端部)には、円筒カム151の動きに応動するカムフォロワー161が円筒カム151のカム面153に対向するように配置されている。カムフォロワー161は、円筒カム151の軸線に交差する軸線周りに回転可能なローラによって構成されている。
プッシュプレート159は、打込みシリンダ121の外側面に沿って前後方向に延在されている。プッシュプレート159の一端部(前端部)がリンク157の他端部(上端部)とピン163により相対回動可能に連結される。なお、プッシュプレート159の他端部には、ピン163が遊嵌状に嵌合する上下方向に長い長孔が設けられ、リンク157が支軸156を支点に前後方向に回動される際の、上下方向に関するリンク157とプッシュプレート159との相対変位が許容されている。プッシュプレート159の他端側(後端側)は、平面視(上面視)でL形に形成されている。プッシュプレート159のL形端部159aは、打込みシリンダ121のシリンダヘッド122の開口部を通ってバルブ室136内に挿入された状態でヘッドバルブ137の頭部に連結されている。具体的には、図3に示すように、L形端部159aは、円形の孔を有する。そして、孔にヘッドバルブ137の頭部が挿入された状態で、当該頭部に設けられたフランジ部137bと頭部に嵌合して固定された止め輪158により挟持されて抜け止めされている。
従って、支軸156を回動支点としてリンク157の上端側が前方へ回動され、プッシュプレート159が前方へ移動したときには、ヘッドバルブ137が前方へと移動して連通ポート135cを閉止し、リンク157が後方へ回動され、プッシュプレート159が後方へ移動したときには、圧縮コイルバネ138の付勢力に抗してヘッドバルブ137が後方へ移動して連通ポート135cを開放する。図7には連通ポート135cの全開状態が示される。なお、ヘッドバルブ137を閉じ側に付勢する圧縮コイルバネ138の付勢力は、リンク157のカムフォロワー161を円筒カム151のカム面153に押し付けるように作用している。
上記のように構成された釘打機100においては、圧縮ピストン133が下死点に位置した状態、すなわちクランク軸115aのクランク角度が0のときの位置が圧縮ピストン133の初期位置として設定される。一方、圧縮コイルバネ138の付勢力によりヘッドバルブ137が最も前方へ移動されて連通ポート135cを閉止する位置がヘッドバルブ137の初期位置として設定される(図1参照)。この状態において、電動モータ111が通電駆動されると、減速機構を介してクランク機構115が駆動され、圧縮ピストン133が上死点に向かって移動を開始する。この往動時において、カムフォロワー161は、円筒カム151の谷部153bに対向している。このため、ヘッドバルブ137は、圧縮コイルバネ138の付勢力により前方に押されて連通ポート135cを閉止している。従って、図5に示すように、圧縮室131a内に閉じ込められた空気が圧縮される。
次に図6に示すように、円筒カム151が回転して山部153aにカムフォロワー161が接触し、カムフォロワー161が山部153aを上り始める。このとき、圧縮ピストン133は未だ上死点に達していない。カムフォロワー161が山部153aを上ることによりリンク機構155を介してヘッドバルブ137が圧縮コイルバネ138の付勢力に抗して後方へと移動し、ヘッドバルブ137のシール面137aがOリング129から離れる。そして、連通ポート135cが少しでも開くと、ヘッドバルブ137のシール面137aに作用する圧力で当該ヘッドバルブ137が後方へ押され、全開状態となる。すなわち、カムフォロワー161が山部153aを上る途中で、クランク角度が180度に至り、圧縮ピストン133が上死点に達し、圧縮室131a内の圧縮空気が最大圧縮状態とされたときに連通ポート135cが全開状態となる。このとき、カムフォロワー161は、円筒カム151の山部153aから一旦離れるが、その後円筒カム151が回転して山部153aの頂部に対向したときに山部153aに当接する。そして、連通ポート135cが開放されると、図7に示すように、圧縮空気がバルブ室136を経由してシリンダ室121a内に供給され、当該圧縮空気によって打込みピストン123が前方へ移動される。前方へと移動された打込みピストン123のドライバ125がドライバガイド141の打込み通路に待機している釘を打撃し、釘を被加工材に打込む。
なお、圧縮ピストン133の圧縮動作後において、圧縮ピストン133が下死点に向かって移動する復動時には、圧縮室131aの容積の拡大に伴い当該圧縮室131aが負圧化される。そして、圧縮室131a内の負圧により打込みシリンダ121内の打込みピストン123が初期位置に戻される。この間、ヘッドバルブ137は、図8に示すように、連通ポート135cの開放を継続する。このように、本実施形態に係る釘打機100は、圧縮ピストン133が一往復すると、打込みピストン123のドライバ125が一回の釘打込み動作を行う。
さて、上記のように構成され、かつ作用する釘打機100において、本実施形態では、圧縮ピストン133が圧縮シリンダ131の圧縮室131a内の空気を最大圧力状態とする位置へと移動された最大圧縮タイミングに対して、ヘッドバルブ137が連通ポート135cを開放する開放タイミングが一致するように定められる。しかしながら、ヘッドバルブ137が円筒カム151によりリンク機構155を介して開閉されるバルブ開閉機構の場合、バルブ開閉機構を構成する各構成要素の組み付け状態において、各構成要素の製作誤差に原因して、円筒カム151とカムフォロワー161との間、プッシュプレート159のL形端部159aと止め輪158との間又はL形端部159aとフランジ部137bとの間に隙間(ガタ)が発生する可能性がある。このような隙間は、最大圧縮タイミングに対するヘッドバルブ137の連通ポート135cを開放する開放タイミングにずれを生じさせ、その結果、打込みシリンダ121のシリンダ室121aに供給される圧力が不安定となり、打込みピストン123が所定の打込み力で釘を打込むことができないといった現象を起こす可能性がある。上記の最大圧縮タイミングが、本発明における「圧縮タイミング」に対応し、開放タイミングが、本発明における「開放タイミング」に対応する実施構成例である。
そこで、本実施形態に係る釘打機100は、バルブ開閉機構の各構成要素の組み付け時において、ヘッドバルブ137の連通ポート135cを開放する開放タイミングが最大圧縮タイミングと一致するように、ヘッドバルブ137の開放タイミングを調整するためのタイミング調整手段170を備えている。このタイミング調整手段170が、本発明における「調整装置」に対応する実施構成例である。
タイミング調整手段170は、リンク機構155におけるリンク157上に配置された楔状部材171を主体として構成される。リンク機構155を構成する構成部材が、本発明における「介在部材」に対応する実施構成例である。以下、タイミング調整手段170につき、図11〜図13を主体として説明する。楔状部材171が配置されるリンク157は、その延在方向(上下方向)に関してカムフォロワー161が取り付けられた第1リンク要素165と、プッシュプレート159と連結される第2リンク要素167との2部材から構成されている。そして、リンク157の延在方向において、第1リンク要素165の一部と第2リンク要素167の一部が左右方向(図1の紙面に直交する方向)に互いに重なり合うように配置される。第1リンク要素165が、本発明における「第1部材」に対応し、第2リンク要素167が、本発明における「第2部材」に対応する実施構成例である。楔状部材171は、第1リンク要素165と第2リンク要素167の重なる領域に配置されており、リンク157の延在方向に移動することで第1リンク要素165を支軸156周りに前後方向に回動させる部材として備えられる。
第1リンク要素165と第2リンク要素167が互いに重なる領域において、第1リンク要素165は、円形の第1取付孔165aと、当該第1取付孔165aよりも上方位置に形成された長方形状の楔係合用の第1係合孔165bとを有する。また、第2リンク要素167は、前後方向に長い長円形の第2取付孔167aと、当該第2取付孔167aよりも上方位置に形成された長方形状の楔係合用の第2係合孔167bとを有する。そして、第1リンク要素165と第2リンク要素167は、第1取付孔165aと第2取付孔167aに挿入された支軸156によって本体ハウジング101に対して回動可能に装着される。なお、第2取付孔167bが前後方向に長い長円形に形成されているため、第2リンク要素167は、支軸156に対し前後方向の移動が許容される。
楔状部材171は、図12に示すように、長方形状の第1係合部173と、当該第1係合部173に一体に形成された長方形状の第2係合部175とを主体として構成されている。第1係合部173と第2係合部175は、左右方向に並設されている。そして、第1係合部173は、第1リンク要素165の第1係合孔165bに係合され、当該第1係合孔165b内において、第1係合部173の前面173aが第1係合孔165bの前面に接触し、第1係合部173の後面173bが第1係合孔165bの後面に接触した状態で上下方向に摺動自在とされる。第2係合部175は、第2リンク要素167の第2係合孔167bに係合され、当該第2係合孔167b内において、第2係合部175の前面175aが第2係合孔167bの前面に接触し、第2係合部175の後面175bが第2係合孔167bの後面に接触した状態で上下方向に摺動自在とされる。
図13には、第1リンク要素165と第2リンク要素167と楔状部材171が簡略に示される。図13では、便宜上、第1リンク要素165及び第1係合部173を破線で示し、第2リンク要素167及び第2係合部175を実線で示している。第1係合部173と第1係合孔165bは、リンク157の延在方向(上下方向)に概ね直線状に形成されている。これに対し、第2係合部175と第2係合孔167bは、リンク157の回動中心としての支軸156の中心を通り、かつ円筒カム151の軸線に直交する直線に対して上方にいくほど前方(図13の右方)に向かうように傾斜された傾斜状に形成されている。すなわち、楔状部材171は、第1係合部173の前面173aと第2係合部175の後面175bとにより、上方に向かって細くなる逆さV字形の第1楔部を構成し、第1係合部173の後面173bと第2係合部175の前面175aとにより、下方に向かって細くなるV字形の第2楔部を構成している。
従って、楔状部材171が図13に矢印Fで示す上方に移動された場合には、第1楔部が楔として作用する。すなわち、第1係合部173の前面173aが第1リンク要素165の第1係合孔165bの前面を前方(図13の右方)へ押し、第2係合部175の後面175bが第2リンク要素167の第2係合孔167bの後面を後方(図13の左方)へ押す。このため、第1リンク要素165が支軸156周りに矢印Pで示す方向、すなわちカムフォロワー161を円筒カム151に接触させる後方に回動する。一方、楔状部材171が下方に移動された場合には、第2楔部が楔として作用する。すなわち、第1係合部173の後面173bが第1リンク要素165の第1係合孔165bの後面を後方(図13の左方)へ押し、第2係合部175の前面175aが第2リンク要素167の第2係合孔167bの前面を前方(図13の右方)へ押す。このため、第1リンク要素165が支軸156周りに矢印Pで示す方向とは逆方向、すなわちカムフォロワー161を円筒カム151から離間させる前方に回動する。このように、楔状部材171は、当該楔状部材171の位置に応じて第1リンク要素165と第2リンク要素167の相対位置を調整する部材として備えられる。この楔状部材171が、本発明における「位置調整部材」に対応する実施構成例である。
釘打機100の駆動時においては、円筒カム151の山部153aにカムフォロワー161が乗り上がるとき、第1リンク要素165の第1係合孔165bの前面が第1係合部173の前面173aを後方へ押し、相対的に第2リンク要素167の第2係合孔167bの後面が第2係合部175の後面175bを前方へ押すことになる。すなわち、釘打機100の駆動時においては、楔状部材171には逆さV字形の第1楔部を介して当該楔状部材171を下方へ移動させようとする力が作用することになる。本実施形態では、第2係合部175の後面175bと第2係合孔167bの後面の摺動面に生ずる摩擦力が、楔状部材171を下方へ移動させようとする力を上回るように、支軸156の中心を通り、かつ円筒カム151の軸線に直交する直線に対する第2係合部175と第2係合孔167bの傾斜角度が設定されている。これにより楔状部材171は、第1リンク要素165と第2リンク要素167とを強固に接続する。
すなわち、楔状部材171は、手指での移動は可能であるが、円筒カム151側から受ける力では移動しないように構成されている。そして、楔状部材171は、タイミング調整時にあっては、第1リンク要素165を支軸156周りに回動させることで、円筒カム151の軸線に交差し、且つリンク157の回動中心を通る直線に対する第1リンク要素165の傾き角度を変化させ、これにより円筒カム151の軸線方向に対するカムフォロワー161の位置を変化させるように機能する。一方、楔状部材171は、釘打機100の駆動時には、円筒カム151から受ける力では移動することなく、リンク157に対する上下方向の位置が固定され、第1リンク要素165と第2リンク要素167とを強固に接続する部材として機能する。
また、本実施形態の楔状部材171は、円筒状のバネ収容部177を有し、当該バネ収容部177の筒状空間内に付勢部材としての圧縮コイルバネ179が収容されている。この圧縮コイルバネ179が、本発明における「第2付勢部材」に対応する実施構成例である。圧縮コイルバネ179は、軸方向の一端がバネ収容部177の筒状空間底面で支持され、他端が第1リンク要素165に設けたリンク157の延在方向と交差する方向に延在するバネ支持部165cで支持される。このため、楔状部材171には、常時に上向きに圧縮コイルバネ179の付勢力が作用する構成とされる。なお、楔状部材171は、第1係合部173が第1係合孔165bに係合され、第2係合部175が第2係合孔167bに係合された状態において、ネジ169により座金168を介してリンク157から抜け落ちないように取り付けられる。
本実施形態に係るタイミング調整手段170は、上記のように構成されている。ヘッドバルブ137が円筒カム151によりリンク機構155を介して開閉されるバルブ開閉機構の組み付け状態では、ヘッドバルブ137は、圧縮コイルバネ138の付勢力によって前方に押され、連通ポート135cを閉止する位置に保持されている。この状態において、バルブ開閉機構を構成する各構成要素の製作誤差は、前述したように、各構成要素の接続部、具体的には、カムフォロワー161と円筒カム151のカム面153との間、リンク157とプッシュプレート159との間及びプッシュプレート159とヘッドバルブ137との間に隙間を生じさせるという形で現われる。このような隙間の発生は、圧縮ピストン133が圧縮室131a内の圧縮空気を最大圧縮状態とする位置へ移動されたときの最大圧縮タイミングに対して、ヘッドバルブ137の連通ポート135cを開放する開放タイミングがずれることになる。
かかる製作誤差による、最大圧縮タイミングに対するヘッドバルブの開放タイミングのずれを調整するべく、楔状部材171を上方へと移動させると、図13に示すように、支軸156よりも上方の、第1リンク要素165と第2リンク要素167が重なり合う領域において、楔状部材171の第1楔部が楔として作用する。すなわち、第1係合部173の前面173aが第1リンク要素165の第1係合孔165bの前面を前方(図13の右方)へ押し、第2係合部175の後面175bが第2リンク要素167の第2係合孔167bの後面を後方(図13の左方)へ押す。このため、第1リンク要素165が支軸156周りに矢印Pで示す後方に回動し、カムフォロワー161が円筒カム151のカム面153に当接される。一方、第2リンク要素167が支軸156周りに前方へ回動される。第2リンク要素167の前方への回動によりプッシュプレート159が前方へ移動される。これにより、カムフォロワー161と円筒カム151のカム面153との間の隙間、リンク157とプッシュプレート159との間の隙間、プッシュプレート159とヘッドバルブ137との間の隙間が解消する。すなわち、カムフォロワー161と円筒カム151のカム面153が互いに当接し、リンク157とプッシュプレート159が互いに当接し、プッシュプレート159とヘッドバルブ137が互いに当接する。
本実施形態によれば、上記のように、カムフォロワー161と円筒カム151のカム面153が互いに当接し、リンク157とプッシュプレート159が互いに当接し、プッシュプレート159とヘッドバルブ137が互いに当接することで、圧縮ピストン133の最大圧縮タイミングに対して、ヘッドバルブ137の連通ポート135cを開放する開放タイミングが一致するように調整される。すなわち、クランク機構115により駆動される圧縮ピストン133が上死点付近に達し、圧縮室131a内の圧縮空気が最大圧縮状態とされたときに、円筒カム151により駆動されるヘッドバルブ137が連通ポート135cを開放するように調整され、これにより、釘打機100の予定された打込み性能を確保できる。すなわち、打込みシリンダ121のシリンダ室121aに供給される圧力が安定し、打込みピストン123が所定の打込み力で釘を打込むことができる。
また、本実施形態では、楔状部材171には、常時に上向きに圧縮コイルバネ179の付勢力が作用する構成としている。このため、長期間の使用によって、円筒カム151のカム面153とカムフォロワー161が摩耗したような場合も、楔状部材171が圧縮コイルバネ179の付勢力で上方へ移動され、当該摩耗により円筒カム151のカム面153とカムフォロワー161間に隙間が生じないように、自動調整することができる。圧縮コイルバネ179による自動調整は、摩耗時に限らず、組み付け時においても言えることである。すなわち、楔状部材171を付勢する圧縮コイルバネ179の付勢力によって、カムフォロワー161と円筒カム151のカム面153が互いに当接し、リンク157とプッシュプレート159が互いに当接し、プッシュプレート159とヘッドバルブ137が互いに当接するように、第1リンク要素165と第2リンク要素167の相対位置が位置決めされる構成である。このため、人手による調整とは異なり、過不足の無い圧縮コイルバネ179で定められた一定の力(ばね荷重)で位置決めできる。
(本発明の第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態につき、図14を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、第1実施形態のタイミング調整手段170を変更したものであり、タイミング調整手段170以外については、第1実施形態と同様に構成される。本実施形態のタイミング調整手段170は、円筒カム151とヘッドバルブ137との間に介在状に配置されるリンク機構155の構成部材のうちプッシュプレート159に設けられ、当該プッシュプレート159の延在方向の長さを調整するターンバックル187によって構成される。なお、本実施形態では、リンク機構155の他の構成部材であるリンク157は、1枚の長尺の板状部材で構成される。リンク機構155の構成部材が、本発明における「介在部材」に対応し、リンク157が、本発明における「揺動部材」に対応し、プッシュプレート159が、本発明における「伝達部材」に対応する実施構成例である。
図14に示すように、プッシュプレート159は、打込みシリンダ121に沿って前後方向に延在されるとともに、延在方向に関して、第1プレート要素181と第2プレート要素183との2部材によって構成されている。この第1プレート要素181が、本発明における「第1部材」及び「第1伝達部材」に対応し、第2プレート要素が、本発明における「第2部材」及び「第2伝達部材」に対応する実施構成例である。第1プレート要素181は、それぞれL形に形成された後側L形端部181aと前側L形端部181bを有する。後側L形端部181aは、打込みシリンダ121のシリンダヘッド122の開口部を通ってバルブ室136内に挿入されるとともに、ヘッドバルブ137の頭部に連結されている。前側L形端部181bには、ネジ孔が形成されている。
第2プレート要素183は、前端側がピン185によりリンク157の上端部と相対回動可能に連結される。第2プレート要素183は、後端部にL形端部183aを有し、このL形端部183aが第1プレート要素181の前側L形端部181bと所定間隔を置いて対向している。
ターンバックル187は、第1プレート要素181の前側L形端部181bと、第2プレート要素183のL形端部183aを貫通して延在する調整ネジ189を主体として構成される。調整ネジ189は、軸方向一端側において、第2プレート要素183のL形端部183aに対して軸方向の移動が規制された状態で軸線周りに回転可能に取り付けられるとともに、スパナ等の手工具を用いての回転操作を可能とするために端部189aが角型形状に形成されている。調整ネジ189の軸方向他端側には、雄ネジ189bが形成され、この雄ネジ189bが第1プレート要素181の前側L形端部181bのネジ孔に螺合されている。また、調整ネジ189の雄ネジ189bには、ロックナット188が螺合されている。
本実施形態のターンバックル187は、上記のように構成されている。従って、ロックナット188を緩めた状態において、調整ネジ189を回転操作して、第1プレート要素181の前側L形端部181bと第2プレート要素183のL形端部183aとの対向間隔を狭める。これにより、プッシュプレート159の長さが伸びてリンク157との連結点からヘッドバルブ137との連結点までの間隔が拡大する。リンク157の長さが伸びることで、リンク157がカムフォロワー161を円筒カム151のカム面153に接触する方向に支軸156周りに回動する。すなわち、ターンバックル187は、第1プレート要素181と第2プレート要素183の相対位置を調整することで、プッシュプレート159の長さを調整するものであり、本発明における「位置調整部材」に対応する実施構成例である。
上記のように、本実施形態によれば、ターンバックル187の調整ネジ189を回転操作し、プッシュプレート159の長さを調整してカムフォロワー161を円筒カム151のカム面153に当接させることにより、前述した第1実施形態の場合と同様、製作誤差に起因するカムフォロワー161と円筒カム151のカム面153との間の隙間、リンク157とプッシュプレート159との間の隙間、プッシュプレート159とヘッドバルブ137との間の隙間を解消することができる。
(本発明の第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態につき、図15を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、第1実施形態のタイミング調整手段170を変更したものであり、タイミング調整手段170以外については、第1実施形態と同様に構成される。本実施形態のタイミング調整手段170は、ヘッドバルブ137とプッシュプレート159との連結箇所に介在されるシム(薄板)191を主体として構成されている。また、本実施形態では、第2実施形態の場合と同様、リンク機構155の構成部材のうちのリンク157は、1枚の長尺の板状部材で構成される。リンク機構155の構成部材が、本発明における「介在部材」に対応し、リンク157が、本発明における「揺動部材」に対応し、プッシュプレート159が、本発明における「伝達部材」に対応する実施構成例である。
図15に示すように、ヘッドバルブ137は、頭部外周にフランジ部137bを有し、このフランジ部137bよりも後方には雄ネジが形成されたネジ軸部137cを備えている。一方、プッシュプレート159の後端部には、ネジ軸部137cが挿入可能な貫通孔を有するL形端部159aが形成されている。L形端部159aの貫通孔にヘッドバルブ137のネジ軸部137cを挿入後、当該ネジ軸部137cにロックナット193を螺合し、当該ロックナット193とフランジ部137bによりL形端部159aを挟み付けることによってヘッドバルブ137とプッシュプレート159を連結する構成としている。
上記のような連結構造において、本実施形態では、フランジ部とL形端部159aとの間にネジ軸部137cに嵌合可能な環状のシム191を介在状に配置し、いわゆるシム調整を行うことでヘッドバルブ137とプッシュプレート159の相対位置を調整する。これによりプッシュプレート159のヘッドバルブ137に対する連結中心からプッシュプレート159のリンク157との連結中心(ピン163の中心)までの長さが調整される。このシム191が、本発明における「位置調整部材」に対応する実施構成例である。
本実施形態によれば、上記の長さ調整を行い、リンク157を支軸156周りに回動させてカムフォロワー161を円筒カム151のカム面153に当接させることにより、前述した第1実施形態の場合と同様、製作誤差に起因するカムフォロワー161と円筒カム151のカム面153との間の隙間、リンク157とプッシュプレート159との間の隙間、プッシュプレート159とヘッドバルブ137との間の隙間を解消することができる。
なお、上述した実施形態では、ヘッドバルブ137の開放タイミングを、圧縮ピストン133が圧縮室131a内の圧縮空気を最大圧縮状態とする位置に移動された最大圧縮タイミングに一致させるとしたが、当該最大圧縮タイミングに限定されるものでない。すなわち、圧縮ピストン133が移動して圧縮室131a内の空気を打込みピストン123による釘の打込みに必要な一定以上の圧力状態とする領域のうち予め定めた所定の位置に移動された圧縮タイミングに対してヘッドバルブ137の開放タイミングを一致させるように構成すればよい。
なお、タイミング調整手段170は、円筒カム151側に設けてもよい。具体的には、円筒カム151とクランクシャフト115a間にタイミング調整手段170としてのシムを介在状に配置して、クランク軸115aに対する円筒カム151の軸方向に関する位置を調整可能とすることで、円筒カム151とカムフォロワー161との相対位置を調整可能に構成してもよい。
また、上述した各実施形態では、リンク機構155が、リンク157とプッシュプレート159で構成されるとして説明したが、リンク機構155の構成部材の1つであるプッシュプレート159を省略した構成に変更してもよい。すなわち、リンク157を支軸156周りに回動可能に設ける。そして、リンク157の一端側に、円筒カム151のカム面153に当接可能なカムフォロワー161を設け、リンク155の他端側をヘッドバルブ137に直接に接続する構成としてもよい。
また、上述した各実施形態に係るタイミング調整手段170は、打込みシリンダ121と圧縮シリンダ131が直交状に配置される釘打機に適用した場合で説明したが、例えば、打込みシリンダ121と圧縮シリンダ131が平行に配置された構成の打込み機のバルブ開閉機構に適用してもよい。その場合、円筒カムを板カムに変更するとともに、当該板カムの回転に応じて直線運動を行う棒状の介在部材を介してヘッドバルブを開閉するように構成し、その上で、当該介在部材の長さを、例えばターンバックルで調整する構成、或いは介在部材とヘッドバルブの連結箇所にシムを介在する構成にしてもよい。
また、上述した実施形態は、打込み工具として釘打機100を例にして説明したが、釘打機以外のタッカー、ステープラーと呼ばれる打込み工具に適用してもよい。
(実施形態の各構成要素と本発明の構成要素との対応関係)
本実施形態における各構成要素と、本発明における構成要素との発明特定事項との関係は、以下のとおりである。もちろん、本実施形態における各構成要素は、対応する本発明の特定事項に関する一つの実施構成例に過ぎず、本発明の各構成要素はこれに限定されるものではない。
釘打機100が、本発明の「打込み工具」に対応する構成の一例である。
電動モータ111が、本発明における「モータ」に対応する構成の一例である。
打込みシリンダ121が、本発明の「第1シリンダ」に対応する構成の一例である。
打込みピストン123が、本発明の「第1ピストン」に対応する構成の一例である。
ピストン本体部124が、本発明の「摺動部」に対応する構成の一例である。
ドライバ125が、本発明の「打込み部」に対応する構成の一例である。
圧縮シリンダ131が、本発明の「第2シリンダ」に対応する構成の一例である。
圧縮ピストン133が、本発明の「第2ピストン」に対応する構成の一例である。
クランク機構115が、本発明の「クランク」に対応する構成の一例である。
空気通路135が、本発明の「圧縮空気供給経路」に対応する構成の一例である。
ヘッドバルブ137が、本発明の「弁部材」に対応する構成の一例である。
円筒カム151が、本発明の「カム部材」に対応する構成の一例である。
圧縮コイルバネ138が、本発明の「付勢部材」に対応する構成の一例である。
タイミング調整手段170が、本発明における「調整装置」に対応する構成の一例である。
リンク機構155の構成部材が、本発明の「介在部材」に対応する構成の一例である。
第1リンク要素165が、本発明の「第1部材」に対応する構成の一例である。
第2リンク要素167が、本発明の「第2部材」に対応する構成の一例である。
楔状部材171、ターンバックル187及びシム191が、本発明の「位置調整部材」に対応する構成の一例である。
圧縮コイルバネ179が、本発明の「第2付勢部材」に対応する構成の一例である。
リンク157が、本発明の「揺動部材」に対応する構成の一例である。
プッシュプレート159が、本発明の「伝達部材」に対応する構成の一例である。
第1プレート要素181が、本発明の「第1部材」及び「第1伝達部材」に対応する構成の一例である。
第2プレート要素183が、本発明の「第2部材」及び「第2伝達部材」に対応する構成の一例である。
100 釘打機(打込み工具)
101 本体ハウジング
101A 打込み機構収容部
101B 圧縮装置収容部
101C モータ収容部
103 ハンドル部
103a トリガ
105 マガジン
110 バッテリパック
111 電動モータ(モータ)
115 クランク機構(クランク)
115a クランク軸
115b 偏心ピン
115c 連接ロッド
120 釘打込み機構
121 打込みシリンダ(第1シリンダ)
121a シリンダ室
122 シリンダヘッド
123 打込みピストン(第1ピストン)
124 ピストン本体部(摺動部)
125 ドライバ(打込み部)
127 仕切り壁
129 Oリング
130 圧縮装置
131 圧縮シリンダ(第2シリンダ)
131a 圧縮室
132 シリンダヘッド
133 圧縮ピストン(第2ピストン)
135 空気通路(圧縮空気供給経路)
135a 管状部材
135b 連通ポート
135c 連通ポート
136 バルブ室
137 ヘッドバルブ(弁部材)
137a シール面
137b フランジ部
137c ネジ軸部
138 圧縮コイルバネ(付勢部材)
139 Oリング
141 ドライバガイド
151 円筒カム
153 カム面
153a 山部
153b 谷部
155 リンク機構(介在部材)
156 支軸
157 リンク(介在部材、揺動部材)
159 プッシュプレート(伝達部材)
159a L形端部
161 カムフォロワー
163 ピン
165 第1リンク要素(第1部材)
165a 第1取付孔
165b 第1係合孔
165c バネ支持部
167 第2リンク要素(第2部材)
167a 第2取付孔
167b 第2係合孔
168 座金
169 ネジ
170 タイミング調整手段(調整装置)
171 楔状部材(位置調整部材)
173 第1係合部
173a 前面
173b 後面
175 第2係合部
175a 前面
175b 後面
177 バネ収容部
179 圧縮コイルバネ(第2付勢部材)
181 第1プレート要素(第1部材、第1伝達部材)
181a 後側L形端部
181b 前側L形端部
183 第2プレート要素(第2部材、第2伝達部材)
183a L形端部
185 ピン
187 ターンバックル(位置調整部材)
188 ロックナット
189 調整ネジ
189a 端部
189b 雄ネジ
191 シム(位置調整部材)
193 ロックナット

Claims (8)

  1. モータと、
    第1シリンダと、
    前記第1シリンダに摺動可能に収容された摺動部、及び当該摺動部に連接されるとともに、被打込み材を打込む長尺状の打込み部を備えた第1ピストンと、
    第2シリンダと、
    前記第2シリンダ内を往復動することにより圧縮空気を生成する第2ピストンと、
    前記モータによって駆動されて前記第2ピストンを前記第2シリンダ内で往復動させるクランクと、
    前記第1シリンダと前記第2シリンダとを連通する圧縮空気供給経路と、
    前記圧縮空気供給経路を開放する開放位置と閉止する閉止位置との間で移動する弁部材と、
    前記弁部材を閉止位置側に付勢する付勢部材と、
    前記クランクに接続されて回転駆動されるカム部材と、を有し、
    前記カム部材のカムリフト量に応じて前記弁部材による前記圧縮空気供給経路の開閉制御が行われ、
    前記弁部材が前記開放位置に移動された場合に、前記第2シリンダから前記圧縮空気供給経路を経て前記第1シリンダ内に送られた圧縮空気により前記第1ピストンを直線状に移動させ、当該第1ピストンの前記打込み部により前記被打込み材の打込み作業を遂行する打込み工具であって、
    前記第2ピストンが移動して前記第2シリンダ内の空気を前記第1ピストンによる前記被打込み材の打込みに必要な一定以上の圧力状態とする領域のうち予め定めた所定の位置に移動されたときの圧縮タイミングに対して、前記弁部材が前記開放位置に移動されて前記圧縮空気供給経路を開放する開放タイミングが一致するように、前記弁部材、前記付勢部材および前記カム部材が組み付けられた状態において前記弁部材の開放タイミングを調整する調整装置を備えたことを特徴とする打込み工具。
  2. 請求項1に記載の打込み工具であって、
    前記カム部材と前記弁部材を接続する介在部材を有し、
    前記介在部材が前記カム部材に当接して移動し、当該移動した前記介在部材が前記弁部材に当接して当該弁部材を移動させ、当該弁部材が移動することで前記圧縮空気供給経路を開放させる構成であり、
    前記調整装置は、前記カム部材と前記介在部材の相対位置、又は前記弁部材と前記介在部材の相対位置を調整可能な位置調整部材で構成されており、
    前記介在部材が前記カム部材と前記弁部材に当接するように、前記カム部材と前記介在部材の相対位置、又は前記弁部材と前記介在部材の相対位置が前記位置調整部材により調整されることで、前記開放タイミングが前記圧縮タイミングに一致するように調整されることを特徴とする打込み工具。
  3. 請求項2に記載の打込み工具であって、
    前記介在部材は、互いに相対移動可能な第1部材と第2部材を含んで構成され、
    前記位置調整部材は、前記第1部材と前記第2部材間に介在状に配置され、
    前記第1部材と前記第2部材の相対位置が前記位置調整部材により調整可能に構成されており、
    前記第1部材と前記第2部材の相対位置が前記位置調整部材により調整されることで前記カム部材と前記介在部材の相対位置、又は前記弁部材と前記介在部材の相対位置が調整されることを特徴とする打込み工具。
  4. 請求項3に記載の打込み工具であって、
    前記位置調整部材は、楔状部材を有し、
    前記楔状部材は、前記第1部材及び前記第2部材それぞれに対して移動可能に設けられ、
    前記楔状部材の位置に応じて前記第1部材と前記第2部材の相対位置が調整可能とされていることを特徴とする打込み工具。
  5. 請求項4に記載の打込み工具であって、
    前記位置調整部材は、前記楔状部材を付勢する第2付勢部材を有し、
    前記第2付勢部材の付勢力によって前記介在部材が前記カム部材と前記弁部材のそれぞれに当接するように前記第1部材と前記第2部材が保持されることを特徴とする打込み工具。
  6. 請求項4又は5に記載の打込み工具であって、
    前記第1部材と前記第2部材は、同一軸周りに個々に回動可能に取り付けられ、
    前記楔状部材の位置に応じて前記同一軸周りに関する前記第1部材と前記第2部材の相対位置が調整可能とされていることを特徴とする打込み工具。
  7. 請求項2に記載の打込み工具であって、
    前記弁部材は、所定の軸方向に移動して前記圧縮空気供給経路を開閉する構成であり、
    前記介在部材は、前記カム部材に当接可能に配置されるとともに所定の回動軸を支点として前記カム部材の回転軸方向に当該カム部材により揺動される揺動部材と、前記所定の軸方向に延在するとともに、前記揺動部材の揺動を往復運動として前記弁部材に伝達する伝達部材と、を有し、
    前記伝達部材は、前記所定の軸方向に関して互いに相対移動可能な第1伝達部材と第2伝達部材で構成されており、
    前記第1伝達部材が前記弁部材に当接可能に配置され、前記第2伝達部材が前記揺動部材に接続されており、
    前記位置調整部材は、前記第1伝達部材と前記第2伝達部材間に介在状に配置され、
    前記第1伝達部材と前記第2伝達部材の相対位置が前記位置調整部材により調整可能に構成されており、
    前記第1伝達部材と前記第2伝達部材の相対位置が前記位置調整部材により調整されることで前記カム部材に対する前記揺動部材の相対位置、又は前記弁部材に対する前記第1伝達部材の相対位置が調整されることを特徴とする打込み工具。
  8. 請求項2に記載の打込み工具であって、
    前記弁部材は、所定の軸方向に移動して前記圧縮空気供給経路を開閉する構成であり、
    前記介在部材は、前記カム部材に当接可能に配置されるとともに所定の回動軸を支点として前記カム部材の回転軸方向に当該カム部材により揺動される揺動部材と、前記第1ピストンの長軸方向に延在するとともに、前記揺動部材の揺動を往復運動として前記弁部材に伝達する伝達部材と、を有し、
    前記位置調整部材は、前記伝達部材と前記弁部材との間に介在状に配置され、
    前記伝達部材と前記弁部材との相対位置が前記位置調整部材により調整可能に構成されていることを特徴とする打込み工具。
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