JPH11351153A - プランジャポンプ - Google Patents

プランジャポンプ

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JPH11351153A
JPH11351153A JP10166700A JP16670098A JPH11351153A JP H11351153 A JPH11351153 A JP H11351153A JP 10166700 A JP10166700 A JP 10166700A JP 16670098 A JP16670098 A JP 16670098A JP H11351153 A JPH11351153 A JP H11351153A
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JP
Japan
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plunger
pressure
passage
pump
low
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JP10166700A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Hori
俊明 堀
Yoshio Okubo
好夫 大久保
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転カムのカム山の頂部付近がプランジャ側
部材に当接するときの回転カムとプランジャ側部材の間
の摩擦抵抗の増大を無くす。この摩擦抵抗の増大に起因
する構成部品の摩耗や発熱を低減する。 【解決手段】 シリンダ12のプランジャ13との摺動
面に、一端が吸入通路17に連通する通路孔22を開口
形成する。プランジャ13にポンプ室14と摺動面を連
通する連通路25を形成し、プランジャ13が上死点の
手前の所定位置に変位したときに連通路25が通路孔2
2に連通するようにする。回転カム8の当接部がカム山
9の頂部tに近づき、プランジャ13が上死点の手前の
所定位置に変位すると、ポンプ室14内の圧力が連通路
25と通路孔22を通して吸入通路17に逃がされる。
このとき、回転カム8とプランジャ側部材の間の摩擦抵
抗が低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の燃料加圧
用ポンプ等に用いられるプランジャポンプに関するもの
で、とりわけ、非円形の回転カムによってプランジャを
進退作動させるプランジャポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のプランジャポンプとして、特開
平8−14140号公報に示されるようなものが従来よ
り案出されている。
【0003】このプランジャポンプは、シリンダ内にプ
ランジャが摺動自在に収容されて、このプランジャの基
部とシリンダの間にポンプ室が形成されると共に、プラ
ンジャの先端部がリフタを介して非円形の回転カムの外
周面に当接するようになっている。したがって、このポ
ンプの場合、回転カムが駆動回転すると、プランジャが
回転カムの外周面のカム山形状に従ってシリンダ内を進
退動作し、回転カムの半径が減少する領域においてはポ
ンプ室内に液体を吸い入れ、回転カムの半径が増大する
領域、つまり、カム山の頂部に向かう領域においてはポ
ンプ室内の液体を加圧してポンプ外部に吐出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来のプランジャ
ポンプは、回転カムの当接部がカムベース部からカム山
の頂部に移行する領域においてプランジャがポンプ室内
の液体を加圧するため、回転カムとリフタの当接面はこ
の領域全域においてポンプ室からの大きな反力を受け
る。また、通常回転カムの外周面の曲率半径はカムベー
ス部からカム山の頂部に向かう途中は比較的大きく、頂
部の僅か手前側で急激に小さくなっている。このため、
上記のプランジャポンプにおいては、回転カムの外周面
のうちのカム山の頂部付近での接触面圧が急激に大きく
なり、その結果、この部分で摩擦抵抗が極端に大きくな
って部品の摩耗や発熱等を生じ易くなる。
【0005】そこで本発明は、回転カムのカム山の頂部
付近がプランジャ側部材に当接するときの回転カムとプ
ランジャ側部材の間の摩擦抵抗の増大を無くして、この
摩擦抵抗の増大に起因する構成部品の摩耗や発熱を確実
に低減することのできるプランジャポンプを提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、シリンダ
にプランジャが摺動自在に収容されて、このプランジャ
の基部とシリンダの間にポンプ室が形成され、前記プラ
ンジャが非円形の回転カムの外周面に押圧されることで
ポンプ室内の液体を加圧するプランジャポンプにおい
て、前記プランジャが上死点に変位する直前でポンプ室
を低圧通路に連通させるようにした。
【0007】この発明の場合、プランジャ側部材に対す
る回転カムの当接部がカムベース部からカム山の頂部に
向かう方向に移行すると、ポンプ室内の液体がプランジ
ャによって加圧されるようになるが、回転カムの当接部
がカム山の頂部に近づいてプランジャが上死点の直前の
所定位置まで変位すると、ポンプ室が低圧通路に連通し
てポンプ室内の圧力が逃がされるようになる。したがっ
て、この時点で回転カムとプランジャ側部材との当接部
に作用するポンプ室からの反力が低下し、それに伴って
回転カムとプランジャ側部材の間の摩擦抵抗の増大が抑
えられるようになる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、プランジャの進退作動によってポンプ
室と低圧通路の遮断と連通を行うようにした。この場
合、プランジャの変位を検出するためのセンサ等を用い
ることなく、プランジャが、ポンプ室と低圧通路の遮断
と連通を直接行うため、プランジャが上死点に達する手
前の一定位置で常に確実にポンプ室を低圧通路に連通さ
せることか可能になる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、シリンダのプランジャとの摺動面に低
圧通路を開口形成すると共に、プランジャに、ポンプ室
と前記摺動面を連通する連通路を形成し、この連通路の
前記摺動面側の開口部を、プランジャが上死点に変位す
る直前で低圧通路と連通する位置に設定するようにし
た。この場合、連通路がプランジャとシリンダの摺動面
に向かって形成されているため、ポンプ室内の液体がこ
の連通路を通して摺動面に効率良く供給されるようにな
る。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、ポンプ室に低圧通路を接続して、この
低圧通路に同通路を開閉する電磁アクチュエータを介装
する一方で、プランジャの上死点直前の変位を検出する
変位検出装置と、前記電磁アクチュエータをこの変位検
出装置の検出結果に基づいて開閉制御する開閉制御手段
とを設けるようにした。この場合、プランジャの圧縮ス
トロークの間に、ポンプ室と低圧通路を電磁アクチュエ
ータで適宜連通させることで吐出圧力を制御する周知の
圧力制御装置に対して、プランジャの上死点直前の変位
を検出する変位検出装置と開閉制御手段を付加するだけ
容易に構成することができる。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、ポンプ室の圧力を検出する圧力検出装
置と、この圧力検出装置による検出圧が設定値に満たな
いときに開閉制御手段による電磁アクチュエータの開制
御をキャンセルするキャンセル手段とを設けるようにし
た。ポンプ始動時等にはポンプ室内の圧力が低く、しか
も、このときポンプ室から吐出される液体の流量が不足
がちとなるが、この発明の場合、ポンプ室内の圧力が設
定圧に満たないときには圧力検出装置の検出値に基づい
てキャンセル手段が電磁アクチュエータの開制御をキャ
ンセルするため、プランジャの全圧縮ストローク域にお
いて液体の加圧と吐出が行われるようになる。したがっ
て、このとき充分な吐出流量が得られるようになると共
に、ポンプ室内の圧力が低いことから回転カムの当接部
の摩擦抵抗もさして大きくはならない。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0013】まず、図1〜図4に示す本発明の第1実施
例について説明する。
【0014】図1において、1は本発明にかかるプラン
ジャポンプを適用した自動車の燃料加圧用ポンプであ
り、この燃料加圧用ポンプ1は、モータM駆動される供
給ポンプ2によって燃料タンク3から送られた燃料を低
圧レギュレータ4によって調圧した後に設定高圧に加圧
して燃料噴射装置のインジェクター5へと供給するよう
になっている。
【0015】燃料加圧用ポンプ1は、シリンダ12内を
進退動作してポンプ作用を為す棒状のプランジャ13
と、このプランジャ13の進退方向と直交する方向に沿
って配置されエンジンの動力を受けて回転する駆動軸7
と、この駆動軸7に一体に設けられその外周面を通して
前記プランジャ13に作動力を伝達する非円形の回転カ
ム8と、を備え、駆動軸7の回転を回転カム8を介して
プランジャ13の進退動作に変換し、このプランジャ1
3の進退動作によって燃料の吸入と吐出を行う基本構成
となっている。尚、回転カム8の外周面にはエンジンの
気筒数に対応した4つのカム山9が形成されている。
【0016】燃料加圧用ポンプ1のポンプボディ10に
は、前記回転カム8を収容するカム室11と、このカム
室11に向かって開口形成されたシリンダ12とが設け
られており、このシリンダ12に棒状のプランジャ13
の基部が摺動自在に収容されている。そして、シリンダ
12と前記プランジャ13の基部とに挟まれた空間部は
ポンプ室14とされており、プランジャ13の進退動作
によってこのポンプ室14の容積が増減変化するように
なっている。このポンプ室14は吸入チェック弁15と
吐出チェック弁16を夫々介して吸入通路17と吐出通
路18に接続されている。
【0017】ポンプボディ10内のシリンダ12とカム
室11の連接部分には有底円筒状のリフタ19が摺動自
在に嵌装されており、回転カム8からプランジャ13に
はこのリフタ19を通して動力が伝達されるようになっ
ている。また、プランジャ13の先端部外周には環状の
バルブシート20が取り付けられており、プランジャ1
3はこのバルブシート20を通してスプリング21によ
って回転カム8方向に付勢されている。そして、リフタ
19の底壁の下面側には耐摩耗性の高いセラミック等の
材料から成る当接盤21を備えており、回転カム8の外
周面がこの当接盤21の下面に直接接触するようになっ
ている。
【0018】ここで、シリンダ12の内周面(プランジ
ャ13との摺動面)には軸方向に離間して一対の通路孔
22,23が開口形成されている。これらの通路孔2
2,23は、シリンダ12の外周側に設けられた所定幅
の環状孔24で合流接続され、この環状孔24を通して
吸入通路17のチェック弁15の前流側部分に導通して
いる。この実施例の場合、ポンプ室14寄りの通路孔2
2と環状孔24によって本発明における低圧通路が構成
されている。
【0019】これに対し、プランジャ6には、ポンプ室
14に臨む端面と、シリンダ12に摺接する外周面とを
連通する連通路25が形成されている。この連通路25
は、図2,図3に示すように、一端がプランジャ6のポ
ンプ室14側の端面に開口するL字孔26と、プランジ
ャ6の外周面に形成されてその底部にL字孔26の他端
が開口する環状溝27とから成り、環状溝27は、プラ
ンジャ6が上死点に変位する直前の所定位置から上死点
に達するまでの間、シリンダ12側の通路孔22(低圧
通路)と連通するように形成されている。したがって、
プランジャ6は、圧縮ストローク時に上死点の直前の所
定位置まで変位すると、そこで連通路25を通してポン
プ室14内の燃料を通路孔22(低圧通路)に逃がし、
上死点に達するまでの間ポンプ室14内の圧力を低圧に
維持する。
【0020】さらに、プランジャ13の外周面の環状溝
27よりも僅かに先端寄り部分には捕獲溝28が環状に
形成され、プランジャ13とシリンダ12の摺動隙間に
入り込んだ燃料をこの捕獲溝28によって捕獲し、それ
によってカム室11側への燃料の漏出を防止するように
なっている。この捕獲溝28はシリンダ12のカム室1
1寄りの通路孔23に導通し、ここで捕獲した燃料を通
路孔23と環状孔24を通して吸入通路17側に戻すよ
うになっている。尚、プランジャ13の捕獲溝28より
もさらに先端側にはシールリング29が装着されてお
り、プランジャ13とシリンダ12の摺動隙間からの燃
料の漏出をこのシールリング29によってさらに確実に
阻止するようになっている。
【0021】また、ポンプボディ10には、吐出通路1
8と吸入通路17を接続する戻し通路30が形成され、
この戻し通路30の途中に、同通路30を適宜開閉する
ことで吐出通路18内の圧力を設定圧に調圧する圧力制
御弁31が介装されている。この圧力制御弁31は、弁
体であるポペット32を閉弁方向に付勢するスプリング
33の力と、ポペット32に対し開弁方向に作用する吐
出通路18側の燃料圧とのバランスによって戻し通路3
0を開く基本構成となっており、ポペット32に作用す
る実質的なスプリング33の付勢力を、エンジンの負荷
状況に応じてソレノイド34によって制御するようにな
っている。
【0022】さらに、吸入通路17と吐出通路18の間
にはチェック弁35を備えたバイパス通路36が設けら
れており、プランジャ13による充分なポンプ作用を得
ることのできないエンジン始動時等に供給ポンプ2から
の供給燃料をこのバイパス通路36を通してインジェク
ター5に直接供給できるようになっている。また、さら
に吐出通路18には安全弁37が介装され、吐出通路1
8内の圧力が異常上昇した場合に、この安全弁37が開
いて吐出通路18内の燃料を吸入通路17に戻すように
なっている。
【0023】以上の構成において、回転カム8がエンジ
ンの動力を受けて回転すると、プランジャ13がリフタ
19を介して回転カム8に押圧され、この回転カム8の
カム山形状に従ってシリンダ12内を進退動作するよう
になる。
【0024】このとき、回転カム8のリフタ19との当
接部がカム山9の頂部tからカムベース部b方向に移行
すると、プランジャ13がカム室11方向に突出してポ
ンプ室11内が負圧になり、供給ポンプ2から送られた
燃料が吸入チェック弁15を開いてポンプ室11内へと
吸い入れられるようになる。そして、この後回転カム8
の当接部がカムベース部bからカム山9の頂部t方向に
移行すると、プランジャ13がポンプ室14内に後退し
てその内部の燃料を加圧し、吐出チェック弁16を開い
て吐出通路18に送り出すようになる。
【0025】この燃料の吐出は、図2に示すように、回
転カム8の当接部がカム山9の頂部tに近付いてプラン
ジャ13が上死点の直前の所定位置に達するまで行われ
るが、図3に示すように、プランジャ13が所定位置に
達すると、プランジャ13の環状溝27(連通路25)
がシリンダ12側の通路孔22(低圧通路)に連通し
て、それ以後プランジャ13が上死点に変位するまでの
間ポンプ室14内の圧力が吸入通路17側に逃がされ
る。したがって、この間、回転カム8とリフタ19の当
接面に作用するポンプ室14からの反力は極めて小さく
なる。
【0026】ところで、回転カム8のカム山9は頂部t
に近付くにつれて曲率半径が小さくなり、頂部tで曲率
半径が最小になるが、この燃料加圧用ポンプ1は、回転
カム8のカム山9の曲率半径が最小になる前に上述のよ
うにポンプ室14内の圧力を吸入通路17側に逃がすた
め、回転カム8とリフタ19の間の接触面圧の急増は確
実に抑えられる。つまり、この燃料加圧用ポンプ1の場
合、図4中の実線で示すように、プランジャ13とリフ
タ19の当接部の面圧はプランジャ13の上死点ストロ
ークSt2よりも手前側のストロークSt1の時点で急激に
低下し、回転カム8の曲率半径が小さくなるストローク
St1〜St2の間はその小さい値のままに維持される。
【0027】したがって、この燃料加圧用ポンプ1は、
同じ吐出ストロークSt1を持った従来のもの(ポンプ室
14内の圧力を逃がす構造を持たないもの)に対して、
最大面圧FAが図4中のFB−FAだけ小さくなり、その
分、回転カム8とリフタ19の当接部の摩耗や熱の発生
を確実に抑えることができる。
【0028】また、この燃料加圧用ポンプ1は、プラン
ジャ13の進退変位によってポンプ室14と低圧通路
(通路孔22)の遮断と連通を直接行うようにしている
ため、回転カム8のカム山9の変位に対して常時正確な
タイミングでポンプ室14の圧力を逃がすことができ、
しかも、センサ等の電子部品を用いないことから耐久性
が高く、製造コストも低く抑えることができる。
【0029】さらに、このポンプ1においては、プラン
ジャ13に形成した連通路25の一端(環状溝27)が
プランジャ13とシリンダ12の摺動面に開口している
ため、ポンプ室14内の燃料をこの連通路25を通して
プランジャ13とシリンダ12の摺動面に積極的に導入
し、それによって両者間の潤滑性能をより高めることが
できる。
【0030】つづいて、図5,図6に示す本発明の第2
実施例について説明する。尚、以下で説明する実施例に
おいては、図1〜図4に示した第1実施例と同一部分に
同一符号を付し、重複する部分についての説明は省略す
るものとする。
【0031】この実施例の燃料加圧用ポンプ101は、
非円形の回転カム8によってプランジャ13を進退作動
させる基本的な構成は第1実施例のものと同様である
が、プランジャ13が上死点の直前の所定位置に変位し
たときにポンプ室14内の燃料圧を逃がすための具体的
な構造が第1実施例のものと異なっている。
【0032】即ち、この燃料加圧用ポンプ101は、ポ
ンプ室14に臨むシリンダ12の上壁の中央部に低圧通
路50が開口形成され、この低圧通路50のポンプ室1
4の近傍部分に同通路50を開閉するためのボール弁5
1が設けられると共に、プランジャ13の基部側の端面
にボール弁51を操作するための突起部52が設けられ
ている。ボール弁51は、ポンプ室14の直上部に形成
された弁室53に、弁体であるボール54と、このボー
ル54をポンプ室14寄りの弁座55に押し付けるため
のスプリング56とが収容された構造となっており、プ
ランジャ13の突起部52からボール54に操作力が加
えられない間は、ボール54が弁座55に当接して低圧
通路50を閉塞するようになっている。一方、プランジ
ャ13の突起部52は、プランジャ13が後退作動した
ときに低圧通路50の開口内に突出し、プランジャ13
が上死点の近傍の所定位置まで変位したときに、その先
端部がボール弁51のボール54を押し上げ低圧通路5
0を開くようになっている。
【0033】したがって、この燃料加圧用ポンプ101
の場合、プランジャ13の圧縮ストローク時に、プラン
ジャ13が上死点の手前の所定位置まで変位すると、突
起部52が低圧通路50を押し開き、以後プランジャ1
3が上死点に達するまでの間、ポンプ室14内の燃料圧
を低圧通路50側に逃がすようになる。このため、第1
実施例の場合と同様に、回転カム(図示せず)の当接部
の曲率半径が小さくなる領域においてポンプ室14内の
圧力が低圧になり、その結果、この領域で回転カムとリ
フタ(図示せず)の当接部の摩擦抵抗が増大する不具合
が防止される。
【0034】最後に、図7,図8に示す本発明の第3実
施例について説明する。
【0035】この実施例の燃料加圧用ポンプ201は、
プランジャ13が上死点の直前の所定位置に変位したと
きにポンプ室14内の燃料圧を逃がすための構造が第1
実施例のものと異なり、他の部分の構造は第1実施例の
ものとほぼ同様となっている。
【0036】この実施例の燃料加圧用ポンプ201は、
ポンプ室14に臨むシリンダ12の上壁に低圧通路60
が形成され、この低圧通路60の途中に、同通路60を
開閉する電磁アクチュエータとしてのソレノイドバルブ
61が介装されている。このソレノイドバルブ61はコ
ントローラ62によって制御されるが、このコントロー
ラ62には、プランジャ13が上死点の直前の所定位置
に変位したことを検出する変位検出装置63の検出信号
と、ポンプ室14の圧力を検出する圧力検出装置64の
検出信号とが入力されるようになっている。尚、変位検
出装置63としては、例えば、ポンプボディとリフタの
間に、プランジャが所定位置に変位したときにオン作動
する接触スイッチを設けたものや、プランジャの所定の
押し上げ位置に対応する駆動軸の外周位置に突起を設
け、この突起の回転変位をエンコーダで検出するように
したもの等が採用可能である。
【0037】また、コントローラ62は、変位検出装置
63から前記の検出信号が入力されたときにソレノイド
バルブ61に低圧通路60を開くべくオン信号を出力す
る開閉制御手段65と、圧力検出装置64による検出圧
が設定値に満たないときに開閉制御手段65のオン信号
出力をキャンセルするキャンセル手段66とを備えてい
る。
【0038】この燃料加圧用ポンプ201は以上のよう
な構成であるため、プランジャ13の圧縮ストローク初
期には、図7に示すように、低圧通路60がソレノイド
バルブ61によって閉じられており、プランジャ13で
加圧された燃料はポンプ室14から吐出通路17へと送
り出される。そして、プランジャ13の圧縮ストローク
が後期になって、図8に示すように、プランジャ13が
上死点の手前の所定位置まで変位すると、そのことが変
位検出手段63によって検出され、コントローラ62の
開閉制御手段65がソレノイドバルブ61にオン信号を
出力してソレノイドバルブ61が低圧通路60を開くよ
うになる。ただし、このときポンプ室14内の圧力が低
い場合には、コントローラ62のキャンセル手段66が
開閉制御手段65のオン信号出力をキャンセルし、相変
わらず低圧通路60を閉じた状態が維持される。
【0039】したがって、このポンプ201の場合に
も、第1,第2実施例と同様に、回転カムの当接部がカ
ム山の頂部の近傍の曲率半径が小さくなる領域に移行す
ると、ポンプ室14内の圧力が逃がされて回転カムとリ
フタの当接部の面圧の上昇が抑制され、この当接部の摩
擦抵抗の増大が阻止される。
【0040】また、この燃料加圧用ポンプ201の場
合、エンジン始動時のようにポンプ室14内の圧力が設
定圧よりも低いときには、低圧通路60の開制御がキャ
ンセル手段66によって阻止されるため、このとき圧縮
ストロークの全域において燃料の吐出が行われるように
なって充分な吐出流量を確保することが可能になる。
尚、このときポンプ室14内は低圧となっているため、
圧縮ストロークの後期にも回転カムとリフタの当接部の
面圧はさして大きくはならない。
【0041】さらに、この燃料加圧用ポンプ201の要
部の構造は、プランジャ13の圧縮ストロークの間に、
ポンプ室14と低圧通路60を電磁アクチュエータで適
宜連通させることで吐出圧力を制御する周知の圧力制御
装置に対して、変位検出装置63と開閉制御手段65を
付加するだけで容易に得ることができるため、前記圧力
制御装置と組み合わせれば比較的低コストで製造するこ
とが可能である。
【0042】尚、以上の実施例においては、いずれも回
転カムとプランジャをリフタを介して当接させるものに
ついて説明したが、プランジャの形状を改良することで
回転カムとプランジャを直接当接させるようにしても良
い。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
プランジャが上死点に変位する直前でポンプ室を低圧通
路に連通させるようにしたため、回転カムの当接部がカ
ム山の頂部に近づいたときに当接部に作用するポンプ室
内の圧力が逃がされ、回転カムとプランジャ側部材の間
の摩擦抵抗の急増が阻止される。したがって、この発明
によれば、摩擦抵抗の増大に起因する構成部品の摩耗や
発熱を確実に低減することが可能になる。
【0044】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、プランジャの進退作動によってポンプ
室と低圧通路の遮断と連通を行うようにしたため、プラ
ンジャが上死点に達する手前の一定位置で常時正確なタ
イミングでポンプ室を低圧通路に連通させることがで
き、しかも、センサ等の電子部品を要しないことから、
耐久性の向上と製造コストの削減を図ることもできる。
【0045】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、シリンダのプランジャとの摺動面に低
圧通路を開口形成すると共に、プランジャに、ポンプ室
と前記摺動面を連通する連通路を形成し、この連通路の
前記摺動面側の開口部を、プランジャが上死点に変位す
る直前で低圧通路と連通する位置に設定するようにした
ため、ポンプ室内の液体をプランジャとシリンダの間の
摺動面に連通路を通して積極的に送り込んで摺動面の潤
滑性能の向上を図ることができる。
【0046】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、ポンプ室に低圧通路を接続して、この
低圧通路に同通路を開閉する電磁アクチュエータを介装
する一方で、プランジャの上死点直前の変位を検出する
変位検出装置と、前記電磁アクチュエータをこの変位検
出装置の検出結果に基づいて開閉制御する開閉制御手段
とを設けるようにしたため、電磁アクチュエータを用い
た周知の圧力制御装置に対して、プランジャの上死点直
前の変位を検出する変位検出装置と開閉制御手段を付加
するだけ大幅な構成の変更を要することなく容易に製造
するができ、このことから製造コストの削減を図ること
が可能である。
【0047】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、ポンプ室の圧力を検出する圧力検出装
置と、この圧力検出装置による検出圧が設定値に満たな
いときに開閉制御手段による電磁アクチュエータの開制
御をキャンセルするキャンセル手段とを設けるようにし
たため、ポンプ始動時のようにポンプ室内の圧力が低
く、しかも、充分な吐出流量の確保が要求されるとき
に、キャンセル手段の作動によって吐出流量の低下を回
避してポンプ性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】同実施例を示す要部の拡大断面図。
【図3】同実施例を示す要部の拡大断面図。
【図4】同実施例を示す面圧−ストローク特性図。
【図5】本発明の第2実施例を示す要部の断面図。
【図6】同実施例を示す要部の断面図。
【図7】本発明の第3実施例を示す要部の断面図。
【図8】同実施例を示す要部の断面図。
【符号の説明】
1,101,201…燃料加圧用ポンプ(プランジャポ
ンプ) 8…回転カム 12…シリンダ 13…プランジャ 14…ポンプ室 22…通路孔(低圧通路) 24…環状孔(低圧通路) 25…連通路 50,60…低圧通路 61…ソレノイドバルブ(電磁アクチュエータ) 63…変位検出装置 64…圧力検出装置 65…開閉制御手段 66…キャンセル手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダにプランジャが摺動自在に収容
    されて、このプランジャの基部とシリンダの間にポンプ
    室が形成され、前記プランジャが非円形の回転カムの外
    周面に押圧されることでポンプ室内の液体を加圧するプ
    ランジャポンプにおいて、 前記プランジャが上死点に変位する直前でポンプ室を低
    圧通路に連通させるようにしたことを特徴とするプラン
    ジャポンプ。
  2. 【請求項2】 プランジャの進退作動によってポンプ室
    と低圧通路の遮断と連通を行うようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載のプランジャポンプ。
  3. 【請求項3】 シリンダのプランジャとの摺動面に低圧
    通路を開口形成すると共に、プランジャに、ポンプ室と
    前記摺動面を連通する連通路を形成し、この連通路の前
    記摺動面側の開口部を、プランジャが上死点に変位する
    直前で低圧通路と連通する位置に設定したことを特徴と
    する請求項2に記載のプランジャポンプ。
  4. 【請求項4】 ポンプ室に低圧通路を接続して、この低
    圧通路に同通路を開閉する電磁アクチュエータを介装す
    る一方で、プランジャの上死点直前の変位を検出する変
    位検出装置と、前記電磁アクチュエータをこの変位検出
    装置の検出結果に基づいて開閉制御する開閉制御手段と
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプランジャ
    ポンプ。
  5. 【請求項5】 ポンプ室の圧力を検出する圧力検出装置
    と、この圧力検出装置による検出圧が設定値に満たない
    ときに開閉制御手段による電磁アクチュエータの開制御
    をキャンセルするキャンセル手段とを設けたことを特徴
    とする請求項4に記載のプランジャポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN109667754A (zh) * 2019-02-03 2019-04-23 玉环联刚工具有限公司 液压泵头

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