JP2002523671A - ポンプユニット内の圧力形成を制御するための制御ユニット - Google Patents

ポンプユニット内の圧力形成を制御するための制御ユニット

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JP2002523671A JP2000566567A JP2000566567A JP2002523671A JP 2002523671 A JP2002523671 A JP 2002523671A JP 2000566567 A JP2000566567 A JP 2000566567A JP 2000566567 A JP2000566567 A JP 2000566567A JP 2002523671 A JP2002523671 A JP 2002523671A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ポンプユニット(2)内の圧力形成を制御するための制御ユニット(4)であって、制御弁(5)と、この制御弁と結合されている弁操作ユニット(6)とを有し、その際制御弁(5)は流動方向で内方に向かって開くI型弁として構成されており、このI型弁は制御ユニット(4)のケーシング(12)内で軸方向にしゅう動可能に支承されている弁体(11)を有しており、この弁体は、制御弁(5)が閉じられている場合に、内方から制御弁(5)の弁座(13)上に座着する形式のものに関する。その制御弁(5)が必要とする弁操作力がわずかであり、切り替え時間が短い制御ユニット(4)を提供するために、本発明は、弁体(11)の軸方向に作用する表面が次のように、すなわち、制御弁(5)が閉じられている場合にポンプユニット(2)の作用圧力によって弁体(11)上に作用する力が互いに相殺されるように、構成されているようにすることを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ポンプユニット内の圧力形成を制御するための制御ユニットであっ
て、制御弁と、この制御弁と結合されている弁操作ユニットとを有し、その際制
御弁は流動方向で内方に向かって開くI型弁として構成されており、このI型弁
は制御ユニットのケーシング内で軸方向にしゅう動可能に支承されている弁体を
有しており、この弁体は、制御弁が閉じられている場合に、内方から制御弁の弁
座上に座着する形式のものに関する。
【0002】 背景技術 このような制御ユニットによって、任意のポンプユニット内の圧力形成を制御
することができる。背景技術から、例えば直噴式内燃機関の燃焼室内に燃料を供
給するための噴射システムの噴射圧力を形成するためのポンプユニットの圧力形
成を制御する制御ユニットが公知である。このような制御ユニットは普通は磁石
弁として構成されている。この場合弁操作ユニットは電磁石として構成されてい
て、この電磁石は制御弁を操作する。磁石弁は付勢されていない状態では開かれ
ている。これによってポンプユニットから噴射システムの低圧範囲への自由な流
通が行われ、したがってポンプピストンの吸い込み行程中にポンプ室を燃料で満
たすことが可能である。ポンプピストンの吐出行程中に磁石弁が制御されると、
このバイパスが閉じられる。これにより、システムの高圧範囲内に圧力が形成さ
れる。
【0003】 背景技術から公知の制御ユニットにおいては、制御弁は普通は流動方向で内方
に向かって開くいわゆるI型弁として構成されている。I型弁は、流動方向で外
方に向かって開くいわゆるA型弁と異なって、著しく簡単にかつ安価に製作する
ことができるという利点を有している。
【0004】 しかしながら公知の制御ユニットの欠点は、弁操作ユニットによって制御弁を
操作するために著しい力を必要とすることである。その理由は、制御弁が閉じら
れている場合に大きな圧力を有している媒体が圧力を弁体に作用させ、これに基
づく軸方向の力を制御弁の操作の際に克服しなければならないからである。弁操
作力を減少させるために、背景技術によればしばしば、弁体に作用する合成力に
反対作用をするばねエレメントが使用されてはいるが、しかしこれらのばねエレ
メントは制御弁内の媒体の圧力とは無関係なコンスタントなばね力を弁体に作用
させる。圧力が低い場合にはこのばね力は過度に大きく、また圧力が高い場合に
はこのばね力は過度にわずかであり、両方の場合にばね力若しくは弁体に作用す
る合成力を克服するためには著しい力が必要である。
【0005】 この理由から背景技術の弁操作ユニットは、それが常に制御弁の操作のために
充分に大きな力を作用させ得るように、構成しなければならない。このためには
一般に特に大型の弁操作ユニットが必要である。圧電式のアクチュエータを弁操
作ユニットとして使用することは、背景技術の制御ユニットの制御弁の場合には
できない。それは圧電式のアクチュエータによって作用せしめられる弁操作力若
しくは弁操作行程は一般に充分に大きくなく、公知の制御弁を操作することがで
きないからである。
【0006】 公知の制御ユニットの更に別の欠点は、大きな弁操作力に基づいて切り替え時
間が極めて長いことである。
【0007】 このような背景技術の欠点に基づいて、本発明の課題は、制御ユニットの制御
弁がわずかな弁操作力で操作することができ、短い切り替え時間を有しているよ
うにすることである。
【0008】 この課題を解決するために、本発明は最初に述べた形式の制御ユニットにおい
て、弁体の軸方向に作用する表面が次のように、すなわち、制御弁が閉じられて
いる場合にポンプユニットの作用圧力によって弁体上に作用する力が互いに相殺
されるように、構成されているようにすることを提案する。
【0009】 本発明による制御ユニットにおいては、有利な形式で、弁操作力を最小限に、
それも作用媒体の圧力に関連して、減少させるために、制御弁内で作用する媒体
の圧力が使用される。弁体に作用する圧力は互いに相殺し合い、したがって合成
力はゼロである。このために弁体の、流動方向で内方に向いた軸方向に作用する
表面と、流動方向で外方に向いた軸方向に作用する表面とは、同じ面積を有して
いる。弁体に作用する媒体によって、弁体の両方の軸方向に作用する表面には、
同じ大きさの、しかし向きが互いに逆の圧力が作用し、これらの圧力は互いに相
殺される。したがって制御弁の操作の際に単に別の力、例えば摩擦力あるいはば
ね力を、圧力に基づく合成力として克服すればよい。弁体の軸方向に作用する表
面は次のように、すなわち合成力が別の力に対して反対作用をし、弁体に作用す
るすべての力の総計が最小の弁操作力を生ぜしめるように、構成することもでき
る。
【0010】 わずかな弁操作力に基づいて、本発明による制御ユニットは有利には極めて短
い切り替え時間を有している。切り替え時間はほぼ100・10-6sである。
【0011】 弁体の横断面及び弁座の延びは任意の輪郭を有することができる。実地におい
てはなかんずく製作技術的な理由から環形の形状、例えば円又はだ円が選ばれる
。しかし環形の延びを有していない輪郭も考えることができる。
【0012】 本発明の有利な1実施形態では、弁体は円形の横断面を有していて、流動方向
で内方に位置している第1の案内エレメントによってケーシング内で軸方向にし
ゅう動可能に支承されており、弁座が円環形の形状を有しており、かつ第1の案
内エレメントの外径が弁座の外径と等しい。この実施形態では、流動方向で内方
に位置しかつ内方に向いて第1の案内エレメントの回りに、第1の円環形の軸方
向に作用する面が構成されている。弁座の回りに、やはり流動方向で内方に位置
して、外方に向いた同じ大きさの第2の円環形の軸方向に作用する面が構成され
ている。制御弁が閉じている場合に弁体に作用する媒体の圧力は、両方の同じ大
きさの円環形の面に同じ大きさの圧力を生ぜしめる。これらの圧力は互いに逆向
きであって、互いに相殺し合う。弁操作力はしたがって、弁体に任意の圧力が生
じている場合に、最低限である。
【0013】 弁体を制御ユニットのケーシング内で確実に案内するために、有利な1実施形
態では、弁体は流動方向で外方に位置している第2の案内エレメントによってケ
ーシング内で軸方向にしゅう動可能に支承されている。これにより弁体は弁座の
両側で案内エレメントによってケーシング内で軸方向に可動に支承されている。
これによって弁体の弁座上への全面状の接触及び弁座の確実なシール作用が保証
される。
【0014】 弁体が制御弁の開放の際に突然に戻り運動をすることを阻止するために、本発
明の有利な1実施形態では、第2の案内エレメントが次のように、すなわち制御
弁が開かれている場合に作用圧力によって弁体上に作用する力が互いにほぼ相殺
されるように、構成された軸方向に作用する表面を有している。制御弁が開かれ
ると、弁体の、流動方向で外方に向いた軸方向に作用する表面は、制御弁が閉じ
られている場合に弁座によって、弁体に作用する圧力に対して遮へいされている
範囲だけ、増大せしめられる。制御弁が開かれると、作用圧力は、流動方向で内
方に向いた、弁体に作用する力を生ぜしめる。第2の案内エレメントは、弁体の
回りで延びる流動方向で内方に向いた軸方向に作用する表面を有しており、この
表面に、制御弁が開かれると作用圧力が作用して、外方に向いた弁体に作用する
力を生ぜしめる。作用圧力の大きさに無関係に、これら両方の力はほぼ相殺し合
う。これによって、任意の大きさの圧力において、常に弁体のコントロールされ
た戻り運動を保証することができる。
【0015】 有利には弁体とケーシングとの間にばねエレメントが配置されており、このば
ねエレメントは弁操作ユニットが付勢されていない状態にある場合に、弁体を弁
座から流通位置に押し離す。弁操作ユニットが付勢されていない場合にはしたが
って制御弁は開かれており、換言すればポンプユニットによってポンピングされ
るべき媒体は自由にポンプユニットから噴射システムの低圧側にかつ再びポンプ
ユニットに流れることができる。制御弁が流通位置にある場合には、したがって
、ポンプピストンの吸い込みストローク中におけるポンプ室内へのポンピングさ
れるべき媒体の充てん及び吐出ストローク中における媒体の逆流が可能である。
【0016】 本発明の有利な1実施形態では、弁操作ユニットは圧電式のアクチュエータと
して構成されている。本発明による制御ユニットは、制御弁が圧電式のアクチュ
エータによって制御される場合に特に有利である。本発明による制御弁操作のた
めの制御ユニットにおいては、弁操作力は必要でないか、若しくは極めてわずか
しか必要でないので、圧電式アクチュエータの最大行程を利用することができる
。それは特に、制御弁が閉じている場合には、制御弁を閉じた状態に保つために
、弁操作ユニットは極めてわずかな力しか必要としないからである。
【0017】 制御ユニットの組み立てを簡単にするために、ケーシングが2部分に構成され
ており、第1のケーシング部分が、第1の案内エレメントを収容するための第1
の軸方向の孔と直径の大きな同軸的な第2の孔とを有しており、この第2の孔内
にポンプユニットから供給孔が開口しており、第2のケーシング部分の、流動方
向で内方に位置している端面に弁座が形成されており、第2のケーシング部分が
第2の孔の底から間隔をおいて第2の孔内に配置されているようにすることを、
提案する。
【0018】 ケーシングを少なくとも2つの部分から構成することによって、弁体は個々の
ケーシング部分の間に容易に配置して、個々のケーシング部分に対して位置決め
することができる。個々のケーシング部分を完全なケーシングに組み合わせるこ
とによって、弁体は簡単な形式でケーシングの内部の規定された位置に配置する
ことができる。
【0019】 制御ユニットの第1のケーシング部分内に2つの同軸的な孔を形成することに
よって、弁体のケーシングに対するずれを減少させることができる。第1及び第
2の孔は1工程で、換言すればドリルを第1の孔形成の後に外して、第2の孔形
成の前に新しく装着することなしに、第1のケーシング部分内に形成することが
できる。したがって第1の孔と第2の孔との間の軸線ずれは最小限に減少せしめ
られている。第2のケーシング部分は有利には第2の孔内にプレスばめあるいは
焼きばめされている。
【0020】 有利には第2のケーシング部分はブッシュとして構成されており、このブッシ
ュは第2の案内エレメントを収容するための第3の孔を有している。
【0021】 第3の孔と第1若しくは第2の孔との間の軸線ずれを最小限にするために、別
の有利な実施形態では、第1の案内エレメントと第1の孔との間に小さな遊びが
形成されており、第2の案内エレメントと第3の孔との間に大きな遊びが形成さ
れている。このことは容易に可能である。それは、第2の案内エレメントと第3
の孔との間では単に低い排出圧力が作用するに過ぎないからである。制御ユニッ
トの高圧範囲内では第1の案内エレメントと第1の孔との間のわずかな遊びが充
分なシールを行う。第1の案内エレメントと第1の孔との間の遊びは有利にはほ
ぼ2〜4・10-6mであり、第2の案内エレメントと第3の孔との間の遊びはほ
ぼ8〜10・10-6mである。
【0022】 本発明は、直噴式内燃機関の燃焼室内に燃料を供給するための噴射システムで
あって、噴射圧力を形成するため、かつ次いで燃料を噴射ノズルを介して燃焼室
内に噴射するためのポンプユニットを有している形式のものにも関する。
【0023】 このような噴射システムを改良して、噴射システムが特に短い応動時間を有し
、これにより燃料噴射を特に正確に制御し得るようにするために、本発明は前記
形式の噴射システムにおいて、噴射システムが前述の形式の制御ユニットを有し
ているようにすることを提案する。このような噴射システムは例えばユニットイ
ンジェクタ(PDE)として、あるいはユニットポンプ(PLD)として構成す
ることができる。
【0024】 本発明は更に前述の形式の制御ユニットを製作する方法に関する。
【0025】 制御ユニットを製作する場合に軸線ずれを最低限にするために、本発明は、流
動方向で内方に位置する第1の案内エレメントと外方に位置する第2の案内エレ
メントとを有する弁体を構成し、第1のケーシング部分内に、第1の案内エレメ
ントを収容するための第1の孔と、より大きな直径の同軸的な第2の孔とを形成
し、第2のケーシング部分内に、第2の案内エレメントを収容するための第3の
孔を形成し、第2のケーシング部分の、流動方向で内方に向いた端面に弁座を形
成し、弁体の第1の案内エレメントを第1の孔内にはめ込み、第2の案内エレメ
ントが第3の孔内にはめ込まれるように、第2のケーシング部分を第2の孔内に
はめ込んで、第2の孔内で固定することを提案する。
【0026】 第1及び第2の孔は1工程でケーシング内に形成される。換言すれば第1の孔
形成の後にドリルを外し、第2の孔形成の前にドリルを再び装着することは、行
われない。これにより第1の孔と第2の孔との間の軸線ずれは最低限に減少せし
められている。単に、第3の孔を有する第2のケーシング部分を、軸線ずれが可
及的にわずかであるように、第2の孔に対して相対的に位置決めするだけでよい
【0027】 このためには有利には、第1の案内エレメントと第1の孔との間にほぼ2〜4
・10-6mの遊びを設け、かつ又は第2の案内エレメントと第3の孔との間にほ
ぼ8〜10・10-6mの遊びを設ける。
【0028】 以下においては本発明の有利な1実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】 図1において、噴射システムが全体を符号1で示されている。この噴射システ
ム1は直噴式内燃機関の燃焼室内に燃料を供給するのに役立つ。噴射システムは
噴射圧力を形成して噴射ノズル3を介して燃料を燃焼室内に噴射するためのポン
プユニット2を有している。更に噴射システム1は制御ユニット4を有しており
、この制御ユニットは概略的に示した制御弁5と、ポンプユニット2内での圧力
形成を制御するための弁操作ユニット6とを備えている。
【0030】 噴射システム1はユニットインジェクタ(PDE)として構成されている。P
DEにおいてはポンプユニット2と噴射ノズル3とが1つのユニットを構成して
いる。内燃機関のシリンダ当たり1つのPDE1が内燃機関のシリンダヘッド7
内に取り付けられていて、直接的にプッシュロッドを介してか、あるいは間接的
にツインロッカーアームを介して、内燃機関カム軸(図示せず)によって操作部
8において駆動される。
【0031】 ポンプユニット2のポンプ室9はバイパス孔26を介して制御ユニット4の制
御弁5に接続されている。制御弁5は電気的な制御ユニット4が付勢されていな
い場合には開かれている。これによってポンプユニット2から噴射システムの低
圧範囲への自由な流通が行われ、したがって、ポンプ室9内で軸方向に可動なお
ポンプピストン10の吸い込み行程中にポンプ室9が充てんされ、吐出行程中に
燃料の逆流が可能である(バイパス孔内の矢印で示された供給バイパス孔26a
及び排出バイパス孔26b参照)。
【0032】 ポンプピストン10の吐出行程中に制御ユニット4が制御されると、このバイ
パスは閉じられる。これにより高圧範囲内で圧力が形成され、噴射ノズル3の開
放圧力を超えると、燃料が内燃機関の燃焼室内に噴射される。したがって制御ユ
ニット4の閉鎖時点は噴射開始時期を定め、制御ユニット4の閉鎖持続時間は噴
射量を定める。
【0033】 図1に示した噴射システムにおいては、制御ユニット4の弁操作ユニットは圧
電式アクチュエータとして構成されている。制御弁5は内方に向かって開くI型
弁として構成されていて、弁体11を有しており、この弁体は流動方向で弁座1
3上に作用して、制御弁5を閉じる。
【0034】 制御弁5は図2に示した実施例によって詳細に説明する。図2においては同じ
構造部分には同じ符号が使用されている。
【0035】 制御弁5は図面において上方に向かって、換言すれば流動方向で内方に向かっ
て、弁操作ユニット6に連結されている。制御弁5は制御ユニット4のケーシン
グ12内で軸方向にしゅう動可能に支承されている弁体11を有している。弁体
11は制御弁5が閉じられている場合に、流動方向で内方から弁座13上に座着
している。弁体11は、流動方向で内方に位置していてケーシング12内で軸方
向にしゅう動可能に支承されている第1の案内エレメント14を有しており、円
形の横断面を有している。弁座13は円弧形の延びを有している。第1の案内エ
レメント14の直径d1は弁座13の直径d3と等しい。これによって、弁体11
の、同じ大きさの、逆方向で軸方向に作用する2つの面11a及び11bが生じ
る。制御弁5が閉じられている場合に、バイパス導管26aを介してポンプユニ
ット2の圧力が弁体に作用する。この圧力は軸方向で、円環形の軸方向に作用す
る両方の面11a及び11bに作用し、軸方向で互いに逆向きに弁体に作用する
2つの同じ大きさの力を生ぜしめ、これらの力は互いに相殺し合う。弁操作力は
したがって最小限である。
【0036】 弁体11は更に、流動方向で外方に位置しケーシング12内で軸方向にしゅう
動可能に支承されている第2の案内エレメント15を有しており、この案内エレ
メントは内方に向いた軸方向に作用する面15aを備えている。この面15aに
よって制御弁5が開かれる場合の弁体11の突然の戻り運動が阻止される。
【0037】 制御弁5が開かれている場合、弁体11の、流動方向で外方に向いた軸方向で
作用する表面は、弁体11に作用する圧力に対して弁座13によって遮へいされ
ている範囲だけ増大せしめられる。制御弁5が開かれている場合、作用圧力は流
動方向で内方に向いた弁体11に作用する力を生ぜしめる。第2の案内エレメン
ト15は、弁体11の回りで延びる流動方向で内方に向いた軸方向に作用する面
15aを有しており、この面上に、制御弁5が開かれている場合に作用圧力が作
用して、外方に向いた弁体11に作用する力を生ぜしめる。作用圧力の大きさに
無関係に両方の力は互いにほぼ相殺し合う。
【0038】 本発明による制御ユニット4の製作を簡単にするために、ケーシング12は2
部分から構成されている。第1のケーシング部分12aは第1の案内エレメント
14を収容するための第1の軸方向の孔12cと、直径の大きな同軸的な第2の
孔12dとを有しており、この第2の孔内に、ポンプユニットからの供給部(バ
イパス孔26a)が開口している。第2のケーシング部分12bはブッシュとし
て構成されており、このブッシュ内に、第2の案内エレメント15を収容するた
めの第3の孔12eが形成されている。第2のケーシング部分12bの、流動方
向で内方に位置している端面には弁座13が形成されている。第2のケーシング
部分12bは第2の孔12dの底に対して間隔をおいて第2の孔内に配置されて
いる。第2のケーシング部分12bは第2の孔12d内にプレスばめ又は焼きば
めされている。
【0039】 第1の案内エレメント14と第1の孔12cとの間にはほぼ2〜4・10-6
の遊びが形成されており、第2の案内エレメント15と第3の孔12eとの間に
は8〜10・10-6mの遊びが形成されている。第1の案内エレメント14と第
1の孔12cとの間のわずかな遊び及び第2の案内エレメント15と第3の孔1
2eとの間の大きな遊びによって、ケーシング12内での弁体11のずれを可及
的にわずかにすることができる。
【0040】 弁体11は圧縮ばねとして構成されたばねエレメント16、すなわちケーシン
グ12と弁体11との間に配置されているばねエレメント、によって、弁操作ユ
ニット6が付勢されていない場合に、弁座13から流通位置に、流動方向で内方
に向かって押し離される。弁操作エレメント6の付勢によって弁体11は弁座1
3に向かって閉鎖位置に押し付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による噴射システムを示した図である。
【図2】 本発明による制御ユニットの一部を示した図である。
【符号の説明】
1 噴射システム、 2 ポンプユニット、 3 噴射ノズル、 4 制御ユ
ニット、 5 制御弁、 6 弁操作ユニット、 7 シリンダヘッド、 8
操作部、 9 ポンプ室、 10 ポンプピストン、 11 弁体、 11a
軸方向に作用する面、 11b 軸方向に作用する面、 12 ケーシング、
12a 第1のケーシング部分、 12b 第2のケーシング部分、 12c
第1の軸方向の孔、 12d 第2の軸方向の孔、 12e 第3の軸方向の孔
、 13 弁座、 14 第1の案内エレメント、 15 第2の案内エレメン
ト、 15a 軸方向に作用する面、 16 ばねエレメント、 26 バイパ
ス孔、 26a 供給バイパス孔、 26b 排出バイパス孔、 d1 第1の
案内エレメントの直径、 d2 弁体の直径、 d3 弁座の直径、 d4 第2
の案内エレメントの直径

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプユニット(2)内の圧力形成を制御するための制御ユ
    ニット(4)であって、制御弁(5)と、この制御弁と結合されている弁操作ユ
    ニット(6)とを有し、その際制御弁(5)は流動方向で内方に向かって開くI
    型弁として構成されており、このI型弁は制御ユニット(4)のケーシング(1
    2)内で軸方向にしゅう動可能に支承されている弁体(11)を有しており、こ
    の弁体は、制御弁(5)が閉じられている場合に、内方から制御弁(5)の弁座
    (13)上に座着する形式のものにおいて、弁体(11)の軸方向に作用する表
    面が次のように、すなわち、制御弁(5)が閉じられている場合にポンプユニッ
    ト(2)の作用圧力によって弁体(11)上に作用する力が互いに相殺されるよ
    うに、構成されていることを特徴とする、ポンプユニット内の圧力形成を制御す
    るための制御ユニット。
  2. 【請求項2】 弁体(11)が円形の横断面を有していて、流動方向で内方
    に位置している第1の案内エレメント(14)によってケーシング(12)内で
    軸方向にしゅう動可能に支承されており、弁座(13)が円環形の形状を有して
    おり、かつ第1の案内エレメント(14)の外径が弁座(13)の外径と等しい
    ことを特徴とする、請求項1記載の制御ユニット。
  3. 【請求項3】 弁体(11)が流動方向で外方に位置している第2の案内エ
    レメント(15)によってケーシング(12)内で軸方向にしゅう動可能に支承
    されていることを特徴とする、請求項2記載の制御ユニット。
  4. 【請求項4】 第2の案内エレメント(15)が、次のように、すなわち制
    御弁(5)が開かれている場合に作用圧力によって弁体(11)上に作用する力
    が互いにほぼ相殺されるように、構成された軸方向に作用する表面を有している
    ことを特徴とする、請求項3記載の制御ユニット。
  5. 【請求項5】 弁操作ユニット(6)が圧電式のアクチュエータとして構成
    されていることを特徴とする、請求項4記載の制御ユニット。
  6. 【請求項6】 ケーシング(12)が2部分に構成されており、第1のケー
    シング部分(12a)が、第1の案内エレメント(14)を収容するための第1
    の軸方向の孔(12c)と直径の大きな同軸的な第2の孔(12d)とを有して
    いて、この第2の孔内にポンプユニット(12)から供給孔が開口しており、第
    2のケーシング部分(12b)の、流動方向で内方に位置している端面に弁座(
    13)が形成されており、第2のケーシング部分(12b)が第2の孔(12d
    )の底から間隔をおいて第2の孔内に配置されていることを特徴とする、請求項
    3から5までのいずれか1項記載の制御ユニット。
  7. 【請求項7】 第2のケーシング部分(12b)が第2の孔(12d)内に
    プレスばめされているか、焼きばめされていることを特徴とする、請求項6記載
    の制御ユニット。
  8. 【請求項8】 第2のケーシング部分(12b)がブッシュとして構成され
    ており、このブッシュは第2の案内エレメント(15)を収容するための第3の
    孔(12e)を有していることを特徴とする、請求項3から7までのいずれか1
    項記載の制御ユニット。
  9. 【請求項9】 第1の案内エレメント(14)と第1の孔(12c)との間
    に小さな遊びが形成されており、第2の案内エレメント(15)と第3の孔(1
    2e)との間に大きな遊びが形成されていることを特徴とする、請求項8記載の
    制御ユニット。
  10. 【請求項10】 第1の案内エレメント(14)と第1の孔(12c)との
    間にほぼ2〜4・10-6mの遊びが形成されており、かつ又は第2の案内エレメ
    ント(15)と第3の孔(12e)との間にほぼ8〜10・10-6mの遊びが形
    成されていることを特徴とする、請求項9記載の制御ユニット。
  11. 【請求項11】 直噴式内燃機関の燃焼室内に燃料を供給するための噴射シ
    ステムであって、噴射圧力を形成するため、かつ次いで燃料を噴射ノズル(3)
    を介して燃焼室内に噴射するためのポンプユニット(2)を有している形式のも
    のにおいて、噴射システム(1)が請求項1から10までのいずれか1項記載の
    制御ユニット(4)を有していることを特徴とする、直噴式内燃機関の燃焼室内
    に燃料を供給するための噴射システム。
  12. 【請求項12】 請求項3から10までのいずれか1項記載の制御ユニット
    (4)を製作する方法において、流動方向で内方に位置する第1の案内エレメン
    ト(14)と外方に位置する第2の案内エレメント(15)とを有する弁体(1
    1)を構成し、第1のケーシング部分(12a)内に、第1の案内エレメント(
    14)を収容するための第1の孔(12c)と、より大きな直径の同軸的な第2
    の孔(12d)とを形成し、第2のケーシング部分(12b)内に、第2の案内
    エレメント(15)を収容するための第3の孔(12e)を形成し、第2のケー
    シング部分(12d)の、流動方向で内方に向いた端面に弁座(13)を形成し
    、弁体(11)の第1の案内エレメント(14)を第1の孔(12c)内にはめ
    込み、第2の案内エレメント(15)が第3の孔(12e)内にはめ込まれるよ
    うに、第2のケーシング部分(12b)を第2の孔(12d)内にはめ込んで、
    第2の孔内で固定することを特徴とする、ポンプユニット内の圧力形成を制御す
    るための制御ユニットを製作する方法。
  13. 【請求項13】 第1の案内エレメント(14)と第1の孔(12c)との
    間にほぼ2〜4・10-6mの遊びを形成し、かつ又は第2の案内エレメント(1
    5)と第3の孔(12e)との間にほぼ8〜10・10-6mの遊びを形成するこ
    とを特徴とする、請求項12記載の方法。
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