JP2003120557A - 気体圧縮機 - Google Patents

気体圧縮機

Info

Publication number
JP2003120557A
JP2003120557A JP2001320993A JP2001320993A JP2003120557A JP 2003120557 A JP2003120557 A JP 2003120557A JP 2001320993 A JP2001320993 A JP 2001320993A JP 2001320993 A JP2001320993 A JP 2001320993A JP 2003120557 A JP2003120557 A JP 2003120557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
peripheral surface
cylinder
compression chamber
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001320993A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichiro Yoda
誠一郎 依田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2001320993A priority Critical patent/JP2003120557A/ja
Publication of JP2003120557A publication Critical patent/JP2003120557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器の信頼性の低下や動力の増加を伴うこと
なく、高圧側から低圧側への冷媒ガスの漏れを防止し、
冷却性能の向上を図れるようにした気体圧縮機を提供す
る。 【解決手段】 ロータ1の回転中心軸を挟んで対象とな
る位置に、吸入孔12と吐出孔13が対向配置され、ロ
ータ1が上記吸入孔12から出発して上記吐出孔13ま
で回転したときの該ロータ1の回転角度範囲に、圧縮室
形成空間部10が設けられ、上記吐出孔13まで回転し
たロータ1がこれに続いてさらに上記吸入孔12まで回
転したときの該ロータ1の回転角度範囲に、シール部1
4−1が設けられるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーエアコンシステ
ム等に用いられるベーンロータリー式の気体圧縮機に関
し、特に、その機器の信頼性の低下や動力の増加を伴う
ことなく、高圧側から低圧側への冷媒ガスの漏れを防止
し、冷却性能の向上を図れるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の気体圧縮機においては、
図3に示したように、内周を楕円のカム形状としたシリ
ンダ2の内側に真円のロータ1が回転可能に設置され、
このロータ1がシリンダ2の内側を楕円長手方向に2分
することで、2つの圧縮室形成空間部10、10がシリ
ンダ2の内側に形成される構造となっている。
【0003】上記ロータ1にはその径方向にベーン溝8
が複数切り込み形成され、このベーン溝8にはベーン9
が摺動可能に装着されており、ベーン9はロータ1外周
面からシリンダ2内周面に向って出没自在に設けられて
いる。そして、このようなベーン9により上記圧縮室形
成空間部10は複数の圧縮室11、11…に仕切られて
おり、この圧縮室11は、図中矢印イで示す方向へのロ
ータ1の回転により容積の大小変化が生じるとともに、
この容積変化により吸入孔12から冷媒ガスを吸気し、
これを圧縮して吐出孔13から吐出する。
【0004】また、上記のようにロータ1がシリンダ2
の内側を2分する2点(図中aとbで示す範囲)におい
て、シリンダ2内周面とロータ1外周面との間には、高
圧となる圧縮室11側と低圧の吸入孔12側とをシール
するシール部14が設けられており、このようなロータ
外周面側のシール部14は、シリンダ2内周面とロータ
1外周面との間を一定の長さに精密に管理された微小隙
間部15とし、この微小隙間部15に潤滑油の被膜を形
成する構造となっている。
【0005】しかしながら、上記のような従来の気体圧
縮機にあっては、ロータ外周面側のシール部14のシー
ル性能が悪く、高圧となる圧縮室11側から低圧の吸入
孔12側へ高圧の冷媒ガスが漏れる、いわゆる内部リー
クが発生し、この種内部リークによる冷却性能の低下が
問題となっていた。
【0006】ところで、上記従来のシール部14のよう
に、シリンダ2内周面とロータ1外周面との間を微小隙
間部15とし、この微小隙間部15に潤滑油の被膜を形
成するというシール構造の場合、その微小隙間部15の
間隔を狭くすれば、それだけシール部14によるロータ
外周面側のシール性は向上する。しかし、微小隙間部1
5の間隔が狭すぎると、ロータ1とシリンダ2の接触、
磨耗、破損、焼付き等が生じやすくなり、気体圧縮機と
しての機器の信頼性が低下する。このため、微小隙間部
15の間隔には機器の信頼性との関係から一定の限界値
があり、この限界値より狭い微小隙間部15を採用する
ことはできない。しかも、気体圧縮機の運転中は停止時
に比しロータ1の撓み変形が大きく、この撓み変形によ
るロータ1とシリンダ2の接触、磨耗等を回避するため
に、微小隙間部15の間隔は上記限界値よりさらに大き
く設定されるので、シール部14によるロータ外周面側
のシール性は益々悪くなる。
【0007】また、微小隙間部15をロータ1若しくは
シリンダ2の周方向に長く形成すれば、それだけシール
部14のシール長が長くなるので、シール部14による
ロータ外周面側のシール性は向上する。しかしながら、
そのように微小隙間部15を長く形成すると、ロータ1
の回転中心軸からみて扇状に開いている圧縮室形成空間
10の開き角度が小さくなってしまい、必要な吸入体積
を確保するための滑らかなカム形状(シリンダ内周形
状)を形成することが難しくなる。また、上記のように
圧縮室形成空間10の開き角度が小さくなると、冷媒ガ
スの吸入から吐出までの時間が短くなるので、急激な冷
媒ガスの圧力上昇が生じることや、吐出孔13に設けら
れているリードバルブ16の開きの遅れとの関係から、
冷媒ガスの吐出圧力Pd以上の圧力が圧縮室11内で発
生しやすくなり、不要な動力の増加や、吐出される冷媒
ガスの温度上昇による冷却性能の低下が起るという問題
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたもので、その目的とするところ
は、機器の信頼性の低下や動力の増加を伴うことなく、
高圧側から低圧側への冷媒ガスの漏れを防止し、冷却性
能の向上を図れるようにした気体圧縮機を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る気体圧縮機は、回転可能に設置された
ロータと、上記ロータを収容するシリンダと、上記ロー
タ外周面から上記シリンダ内周面に向って出没自在に設
けた複数のベーンと、上記シリンダ内周面と上記ロータ
外周面との間に設けられ、かつ、上記ベーン先端部によ
り複数の圧縮室に仕切り形成される圧縮室形成空間部
と、上記シリンダ内周面とロータ外周面との間に設けた
シール部とを有し、上記圧縮室は、上記ロータの回転に
伴う上記ベーンの移動より容積の大小変化が生じ、この
容積変化により吸入孔から冷媒を吸気し、これを圧縮し
て吐出孔から吐出する構造からなり、上記ロータの回転
中心軸を挟んで対象となる位置に、上記吸入孔と吐出孔
が対向配置され、上記ロータが上記吸入孔から出発して
上記吐出孔まで回転したときの該ロータの回転角度範囲
に、上記圧縮室形成空間部が設けられ、上記吐出孔まで
回転したロータがこれに続いてさらに上記吸入孔まで回
転したときの該ロータの回転角度範囲に、上記シール部
が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】本発明に係る気体圧縮機は、回転可能に設
置されたロータと、上記ロータを収容するシリンダと、
上記ロータ外周面から上記シリンダ内周面に向って出没
自在に設けた複数のベーンと、上記シリンダ内周面と上
記ロータ外周面との間に設けられ、かつ、上記ベーン先
端部により複数の圧縮室に仕切り形成される圧縮室形成
空間部と、上記シリンダ内周面とロータ外周面との間に
設けたシール部とを有し、上記圧縮室は、上記ロータの
回転に伴う上記ベーンの移動より容積の大小変化が生
じ、この容積変化により吸入孔から冷媒を吸気し、これ
を圧縮して吐出孔から吐出する構造からなり、上記ロー
タの回転中心軸を挟んで対象となる位置に、上記吸入孔
と吐出孔が対向配置され、上記ロータが上記吸入孔から
出発して上記吐出孔まで回転したときの該ロータの回転
角度範囲では、上記シリンダの内周が楕円に形成される
とともに、この楕円のシリンダ内周面と上記ロータ外周
面との間に、上記圧縮室形成空間部が設けられ、上記吐
出孔まで回転したロータがこれに続いてさらに上記吸入
孔まで回転したときの該ロータの回転角度範囲では、上
記シリンダの内周が真円に形成されるとともに、この真
円のシリンダ内周面と上記ロータ外周面との間に、上記
シール部が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0011】ここで、上記ロータの回転角度をθとし、
このθで上記シール部の形成範囲を示すと、上記シール
部は180°〜220°≦θ≦360°の範囲全体に形
成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1および図2を基に詳細に説明する。図1は本発明の
一実施形態を示す気体圧縮機の断面図、図2は図1のA
−A線断面図である。
【0013】本実施形態の気体圧縮機は、図1および図
2に示したように、真円のロータ1とこれを収容するシ
リンダ2を有しており、ロータ1は、その軸心に一体に
設けたロータ軸3とこれを支持する一対の軸受け4、5
とを介して、シリンダ2の中心に回転可能に設置されて
いる。
【0014】シリンダ2のフロント側端面とリア側端面
にはサイドブロック6、7がそれぞれ取り付けられてお
り、このフロントおよびリア側の両サイドブロック6、
7の中央付近に、上記ロータ軸3を支持する軸受け4、
5が形成されている。
【0015】ロータ1にはその径方向にベーン溝8が5
つ切込み形成され、これらのベーン溝8、8…にはそれ
ぞれベーン9が1つずつ摺動可能に装着されており、各
ベーン9、9…は、いずれもロータ1外周面からシリン
ダ2内周面に向って出没自在に設けられている。
【0016】シリンダ2内周面とロータ1外周面との間
には、圧縮室形成空間部10が形成されており、この圧
縮室形成空間部10は、上記ベーン9先端部により複数
の圧縮室11、11…に仕切り形成される。
【0017】上記のように仕切り形成された圧縮室1
1、11…は、ロータ1の回転に伴うベーン9の移動に
より容積の大小変化が生じるとともに、この容積変化に
より吸入孔12から低圧の冷媒ガスを吸気し、これを圧
縮し高圧の冷媒ガスとして吐出孔13から吐出するよう
に構成されている。
【0018】また、シリンダ2内周面とロータ1外周面
との間には、圧縮室11側と吸入孔12側、すなわち高
圧側と低圧側をシールするためのシール部14−1が設
けられており、このようなロータ外周面側のシール部1
4−1は、シリンダ2内周面とロータ1外周面との間の
微小隙間部15−1と、この微小隙間15−1に形成さ
れる潤滑油の被膜とにより構成されている。
【0019】さらに、ロータ1端面とサイドブロック
6、7との間にも、シール部14−2が設けられてお
り、このようなロータ端面側のシール部14−2は、ロ
ータ1端面とサイドブロック6、7との間の微小隙間部
15−2と、この微小隙間部15−2に形成される潤滑
油の被膜とにより構成されている。
【0020】ところで、本実施形態の気体圧縮機におい
ては、上記の如く吸入孔12を介して圧縮室11内に低
圧の冷媒が吸気され、かつ、圧縮室11内から吐出孔1
3を介して高圧の冷媒が吐出されるが、その吸入孔12
はシリンダ2のフロント側端面と対向するサイドブロッ
ク6に穿孔形成され、また、吐出孔13はシリンダ2の
胴体腹部に穿孔形成されている。
【0021】また、上記のような吸入孔12と吐出孔1
3は、ロータ1の回転中心を挟んで対象位置に配置され
ている。ここで、吸入孔12および吐出孔13の開口位
置等をロータ1の回転角度θ(θ=0°〜360°)で
示すと、吸入孔12は0°≦θ≦74°の位置に、その
開き角度で大きく開口形成されており、一方、吐出孔1
3は220°付近に開設されている。
【0022】ロータ1外周と対向するシリンダ2内周の
カム形状は、楕円と真円をほぼ半分ずつ滑らかに繋ぎ合
わせた形状となっている。このシリンダ2内周のカム形
状をロータ1の回転角度θ(θ=0°〜360°)で説
明すると、0°<θ<180°〜220°において、こ
のシリンダ2内周は楕円となり、残りの180°〜22
0°≦θ≦360°において、このシリンダ2内周はロ
ータ1より少し小径の真円となように構成されている。
【0023】また、本実施形態の気体圧縮機の場合、上
記圧縮室形成空間部10は、シリンダ2内周が楕円であ
る範囲、すなわちロータ1が吸入孔12を出発して吐出
孔13まで回転したときの該ロータ1の回転角度範囲
(0°<θ<180°〜220°)に設けられるととも
に、上記ロータ外周面側のシール部14−1は、シリン
ダ2内周が真円である範囲、すなわち上記のように吐出
孔13まで回転したロータ1がこれに続いてさらに吸入
孔12まで回転したときの該ロータ1の回転角度範囲
(180°〜220°≦θ≦360°)全体に設けられ
ている。
【0024】つまり、ロータ1の回転角度θ(θ=0°
〜360°)でロータ外周面側のシール部14−1の形
成範囲を示すと、このシール部14−1は180°〜2
20°≦θ≦360°の範囲全体に形成されている。こ
のような広範囲にロータ外周面側のシール部14−1を
設けることを可能としたのは、吸入孔12と吐出孔13
がロータ1の回転中心を挟んで対象位置に配置される構
造を採用したためである。
【0025】次に、上記の如く構成された気体圧縮機の
動作について図1および図2を基に説明する。なお、こ
こでは、説明の便宜上、0°≦θ≦220°の範囲に圧
縮室形成空間部10を設け、残りの220°≦θ≦36
0°の範囲全体にシール部14−1を設けた場合の動作
例について説明する。
【0026】図1に示した気体圧縮機の運転が開始さ
れ、ロータ1が図中矢印イの方向に回転すると、このロ
ータ1と一体に5つのベーン9、9…がロータ回転中心
軸回りに旋回移動する。このとき、各ベーン9、9…に
は回転による遠心力とベーン溝8からベーン9底部へ供
給される潤滑油のベーン背圧とが作用し、これら2つの
力により当該各ベーン9、9…はシリンダ2内周面に向
って付勢される。
【0027】上記のように旋回移動する各ベーン9、9
…はその先端部側が圧縮室形成空間部10を順次通過す
るが、このとき、先行のベーン9aとその後方のベーン
9bが圧縮室形成空間部10を仕切って圧縮室11aを
形成する。
【0028】そして、上記圧縮室11aを仕切り形成し
ている後方のベーン9aがθ=0°からθ=74°まで
旋回移動する間、この圧縮室11aは吸気口12に連通
し、かつ、この圧縮室11aの容積は増加する傾向にあ
る。そして、このような圧縮室11aの容積増加効果に
より、この圧縮室11aには吸入室18内から吸気口1
2を介して低圧の冷媒ガスが吸気される。つまり、本実
施形態の気体圧縮機の場合、ロータ1の回転角度θで吸
入工程を示すと、0°≦θ≦74°の範囲が吸入工程と
なる。
【0029】さらに、上記圧縮室11aを仕切り形成し
ている後方のベーン9bがθ=74°を越えると、この
圧縮室11aは吸気口12から完全に切り離され、か
つ、この圧縮室11a内に冷媒ガスが閉じ込められた状
態となる。したがって、本実施形態の気体圧縮機の場
合、ロータ1の回転角度θで圧縮室11a内への冷媒ガ
スの閉じ込み角度を示すと、この閉じ込み角度はθ=7
4°前後となる。
【0030】その後、上記圧縮室11aを仕切り形成し
ている後方のベーン9bがθ=74°付近を越えてさら
に旋回移動すると、この圧縮室11aの容積は減少し始
め、このような圧縮室11aの容積減少効果により、こ
の圧縮室11aに閉じ込められている冷媒ガスが圧縮さ
れる。
【0031】そして、上記圧縮室11aを仕切り形成し
ている先行のベーン9aがθ=220°を越える直前付
近において、この圧縮室11aは吐出孔13に連通し、
かつ、この圧縮室11a内の冷媒ガス圧が最大値に近づ
く。その後、圧縮室11a内の冷媒ガス圧が最大になる
と、この最大の冷媒ガス圧により吐出孔13のリードバ
ルブ16が開き、これにより、圧縮室11a内の高圧の
冷媒ガスが吐出孔13、シリンダ2外部の吐出チャンバ
室17、サイドブロック7の高圧ガス通路(図示省略)
を経て吐出室19側へ吐出する。
【0032】要するに、本実施形態の気体圧縮機の場
合、冷媒ガスの圧縮から吐出までの圧縮工程をロータ1
の回転角度θで圧縮工程示すと、74°前後≦θ≦22
0°前後という146°範囲が圧縮工程となる。
【0033】なお、上記圧縮室11aを仕切り形成して
いる前後双方のベーン9a、9bがθ=220°を越え
ると、この圧縮室11aは完全に消滅する。また、その
後、当該ベーン9a、9bは、シール部14−1を通過
して吸入孔12側へ戻り、再び上記のような圧縮室11
aを仕切り形成する。
【0034】本実施形態の気体圧縮機においても、上記
のように吸入孔12から圧縮室11へ吸気され流入する
冷媒ガス中には潤滑油が数%含まれており、この数%の
潤滑油を含む冷媒ガスが圧縮室11において圧縮される
ため、上記のように圧縮室11から吐出室19側へ吐出
される高圧の冷媒ガス中にも潤滑油がミストの状態とな
って含まれているが、この高圧の冷媒ガスが含有する潤
滑油成分は、吐出室19に設けた油分離器20により分
離捕獲され、かつ、吐出室19底部の油溜り21に滴下
し貯留される。
【0035】上記油溜り21には、冷媒ガスの吐出圧力
Pdが作用しており、このように吐出圧力Pdの作用す
る油溜り21の潤滑油は、サイドブロック6、7やシリ
ンダ2の油穴22を介して軸受け4、5クリアランスに
圧送され、この軸受け4、5を潤滑する。
【0036】上記の如く軸受け4、5クリアランスへ供
給された潤滑油は、サイドブロック6、7のシリンダ対
向面側に形成されたサライ溝23へ流出するとともに、
シリンダ2端面とサイドブロック6、7との間の微小隙
間部15−2にも流出し、この微小隙間部15−2に潤
滑油の被膜からなるシール部14−2を形成する。な
お、サライ溝23へ供給された潤滑油は、該サライ溝2
3からベーン溝8底部へ供給され、ベーン背圧としてベ
ーン9底部に作用する。
【0037】また、上記の如くベーン溝8底部へ供給さ
れた潤滑油は、ベーン溝8とベーン9との間の摺動隙間
を通って、ロータ1外周面とシリンダ2内周面との間の
微小隙間部15−1へ流出し、この微小隙間部15−1
に潤滑油の被膜からなるシール部14−1を形成する。
【0038】上記本実施形態の気体圧縮機にあっては、
高圧となる圧縮室11側から低圧の吸気口12側へ高圧
の冷媒ガスが漏れる、いわゆる内部リークを効果的に防
止することができ、内部リークの減少による圧縮機の体
積効率の向上を図れる。これは、本実施形態の気体圧縮
機では、吸入孔12と吐出孔13がロータ1の回転中心
を挟んで対象位置に配置される構造を採用したため、ロ
ータ1の回転角度θでロータ外周面側のシール部14−
1の形成範囲を示すと、180°〜220°≦θ≦36
0°という広範囲全体に、ロータ外周面側のシール部1
4−1を設けることができ、これによりロータ外周面側
のシール部14−1のシール長を従来の10〜15倍に
設定することが可能となり、ロータ外周面側のシール性
が高くなるためである。また、上記のような吸入孔12
と吐出孔13との対象位置構造の採用により、ロータ端
面側のシール部14−2のシール長も従来の10倍前後
となり、ロータ端面側のシール性も向上するためであ
る。
【0039】ロータ1の回転角度θで冷媒ガスの閉じ込
み角度を示すと、従来θ=54°前後であった冷媒ガス
の閉じ込み角度が、本実施形態の気体圧縮機では、θ=
74°前後となるため、0°≦θ≦74°という大きな
開き角度を有する大口径の吸入孔12を採用することが
でき、これにより高速回転時にも吸入圧損を起し難くな
り、効率よく冷媒ガスを吸入することが可能となる。
【0040】ロータ1の回転角度θで圧縮工程を示す
と、本実施形態の気体圧縮機では、74°前後≦θ≦2
20°前後という146°の範囲が圧縮工程となり、従
来に比し圧縮工程が7〜30%長く、時間をかけて冷媒
ガスを圧縮することから、圧縮室11内の圧力上昇速度
が遅くなり、過圧縮が減少する。よって、過圧縮による
運転動力の増大や、過圧縮による吐出ガス温度の上昇も
防止することができる。
【0041】なお、上記実施形態では、0°<θ<18
0°〜220°の範囲を圧縮室形成空間部10とし、1
80°〜220°≦θ≦360°の範囲をシール部14
−1としたが、0°≦θ≦180°〜220°の範囲を
圧縮室形成空間部10とし、180°〜220°<θ<
360°の範囲をシール部14−1としてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る気体圧縮機にあっては、上
記の如く、吸入孔と吐出孔がロータの回転中心を挟んで
対象位置に配置される構造を採用したため、ロータの回
転角度でロータ外周面側のシール部の形成範囲を示す
と、220°〜360°という広範囲にロータ外周面側
のシール部を設けることができ、これによりロータ外周
面側のシール性を向上させることが可能となるから、機
器の信頼性の低下や動力の増加を伴うことなく、高圧側
から低圧側への冷媒ガスの漏れ(内部リーク)を効果的
に防止し、冷房性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す気体圧縮機の断面
図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】従来の気体圧縮機の断面図。
【符号の説明】
1 ロータ 2 シリンダ 3 ロータ軸 4、5 軸受け 6、7 サイドブロック 8 ベーン溝 9 ベーン 10 圧縮室形成空間部 11 圧縮室 12 吸入孔 13 吐出孔 14−1 ロータ外周面側のシール部 14−2 ロータ端面側のシール部 15−1 ロータ外周面側の微小隙間部 15−2 ロータ端面側の微小隙間部 16 リードバルブ 17 吐出チャンバ室 18 吸入室 19 吐出室 20 油分離器 21 油溜り 22 油穴 23 サライ溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能に設置されたロータと、 上記ロータを収容するシリンダと、 上記ロータ外周面から上記シリンダ内周面に向って出没
    自在に設けた複数のベーンと、 上記シリンダ内周面と上記ロータ外周面との間に設けら
    れ、かつ、上記ベーン先端部により複数の圧縮室に仕切
    り形成される圧縮室形成空間部と、 上記シリンダ内周面とロータ外周面との間に設けたシー
    ル部とを有し、 上記圧縮室は、上記ロータの回転に伴う上記ベーンの移
    動より容積の大小変化が生じ、この容積変化により吸入
    孔から冷媒を吸気し、これを圧縮して吐出孔から吐出す
    る構造からなり、 上記ロータの回転中心軸を挟んで対象となる位置に、上
    記吸入孔と吐出孔が対向配置され、 上記ロータが上記吸入孔から出発して上記吐出孔まで回
    転したときの該ロータの回転角度範囲に、上記圧縮室形
    成空間部が設けられ、 上記吐出孔まで回転したロータがこれに続いてさらに上
    記吸入孔まで回転したときの該ロータの回転角度範囲
    に、上記シール部が設けられていることを特徴とする気
    体圧縮機。
  2. 【請求項2】 回転可能に設置されたロータと、 上記ロータを収容するシリンダと、 上記ロータ外周面から上記シリンダ内周面に向って出没
    自在に設けた複数のベーンと、 上記シリンダ内周面と上記ロータ外周面との間に設けら
    れ、かつ、上記ベーン先端部により複数の圧縮室に仕切
    り形成される圧縮室形成空間部と、 上記シリンダ内周面とロータ外周面との間に設けたシー
    ル部とを有し、 上記圧縮室は、上記ロータの回転に伴う上記ベーンの移
    動より容積の大小変化が生じ、この容積変化により吸入
    孔から冷媒を吸気し、これを圧縮して吐出孔から吐出す
    る構造からなり、 上記ロータの回転中心軸を挟んで対象となる位置に、上
    記吸入孔と吐出孔が対向配置され、 上記ロータが上記吸入孔から出発して上記吐出孔まで回
    転したときの該ロータの回転角度範囲では、上記シリン
    ダの内周が楕円に形成されるとともに、この楕円のシリ
    ンダ内周面と上記ロータ外周面との間に、上記圧縮室形
    成空間部が設けられ、 上記吐出孔まで回転したロータがこれに続いてさらに上
    記吸入孔まで回転したときの該ロータの回転角度範囲で
    は、上記シリンダの内周が真円に形成されるとともに、
    この真円のシリンダ内周面と上記ロータ外周面との間
    に、上記シール部が設けられていることを特徴とする気
    体圧縮機。
  3. 【請求項3】 上記ロータの回転角度をθとし、このθ
    で上記シール部の形成範囲を示すと、上記シール部は1
    80°〜220°≦θ≦360°の範囲全体に形成され
    ていることを特徴とする請求項1および請求項2に記載
    の気体圧縮機。
JP2001320993A 2001-10-18 2001-10-18 気体圧縮機 Pending JP2003120557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320993A JP2003120557A (ja) 2001-10-18 2001-10-18 気体圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320993A JP2003120557A (ja) 2001-10-18 2001-10-18 気体圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003120557A true JP2003120557A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19138291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001320993A Pending JP2003120557A (ja) 2001-10-18 2001-10-18 気体圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003120557A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20100000369A (ko) 로터리 압축기
JPS63179190A (ja) 回転圧縮機
US11421688B2 (en) Vane compressor with elastic member protruding into the cylinder
JP2003148366A (ja) 多段気体圧縮機
KR100875344B1 (ko) 로터리 압축기
US11346221B2 (en) Backpressure passage rotary compressor
JP2005307764A (ja) 回転式圧縮機
CN115163492B (zh) 泵体组件、活塞式压缩机及制冷设备
JP2003120557A (ja) 気体圧縮機
KR200381016Y1 (ko) 로터리 압축기의 흡입손실 저감 구조
KR20180126301A (ko) 로터리 압축기
JPH06272683A (ja) 圧縮機における給油ポンプ装置
JP4142863B2 (ja) 気体圧縮機
JP3518210B2 (ja) ロータリー圧縮機
JP2004190509A (ja) 気体圧縮機
JPH03185291A (ja) 回転式圧縮機
KR960009866B1 (ko) 스크롤형 압축기
JP4854633B2 (ja) ロータリ型流体機械および冷凍サイクル装置
KR100286714B1 (ko) 베어링부에 흡입구조를 가지는 로터리 압축기
JP6350916B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2004190510A (ja) 気体圧縮機
JPS60113084A (ja) スライディングベ−ン式ロ−タリ−圧縮機
JPS5996496A (ja) ベ−ン圧縮機
JP4320906B2 (ja) スクリュー圧縮機のロータ構造
JP2000257576A (ja) 気体圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040617

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070509