JP2003119628A - 新規なスパナイズ外観を呈する複合仮撚斑糸 - Google Patents

新規なスパナイズ外観を呈する複合仮撚斑糸

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JP2003119628A
JP2003119628A JP2001312386A JP2001312386A JP2003119628A JP 2003119628 A JP2003119628 A JP 2003119628A JP 2001312386 A JP2001312386 A JP 2001312386A JP 2001312386 A JP2001312386 A JP 2001312386A JP 2003119628 A JP2003119628 A JP 2003119628A
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filament
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JP2001312386A
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Tomoo Mizumura
知雄 水村
Masaaki Yanagihara
正明 柳原
Nobuyoshi Miyasaka
信義 宮坂
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたナチュラル感、ドライ感、スパナイズ
外観を呈すると共に、嵩高感、表面の柔軟な感触、腰及
び反撥性にも優れた布帛を得るに好適な複合仮撚斑糸を
提供すること。 【解決手段】 繊度斑のないフィラメント(A)と太細
フィラメント(B)とからなり、糸長に交互撚糸状巻付
部と交絡部とからなる集束部と開繊部とが交互に形成さ
れている複合仮撚斑糸であって、交互撚糸状巻付部
は、主としてフィラメント(A)からなる芯部を、フィ
ラメント(B)が交互撚糸状に巻付いて鞘部を形成し、
且つ芯部と鞘部との境界部において両フィラメントの一
部が互いに混合、交錯して交絡部を形成し、他方、開
繊部は、主としてフィラメント(A)からなる芯部を、
フィラメント(B)が個々に分離しつつ連続反転状で糸
軸と略平行状態で被覆し、該複合仮撚斑糸としてはノ
ーマルテストで得られるスペクトログラフ上に、周期5
〜15cmと周期50〜150cmに夫々ピーク値(Pma
1、Pmax2)が存在し、そのピーク値比(Pmax
1/Pmax2)が1.5〜4.0である複合仮撚斑糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたナチュラル
感、ドライ感及びスパナイズ外観を呈しつつ、嵩高感、
表面の柔軟な感触、腰及び反撥性にも優れた風合の布帛
を得るに適した複合仮撚斑糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル未延伸糸を不完全延
伸するとき斑糸が得られることはよく知られている。こ
の斑糸は、斑が強調されればされるほど、当然のことな
がら風合などの特徴が強く出るが、この斑を強調しすぎ
るとナチュラル感が損なわれたり、低配向の未延伸部残
存に起因する取扱い性や機械的特性が低下するという問
題がある。
【0003】この問題を解消するため、特公平3−77
304号公報には、斑糸の太部が特殊な分散状態にあ
り、糸条としてノーマルテストで得られるスペクトログ
ラフ上の周期50cmの値が最大値の1/2以下である
斑糸が提案されている。確かにこの斑糸は、機械的特性
や取扱い性が改善されてはいるものの、用途によっては
風合が未だ不十分で、さらに改善されたナチュラル感、
ドライ感及びスパナイズ外観を呈する斑糸の開発が望ま
れている。
【0004】本発明者らは、かかる要求に答えるため、
先に糸条の長さ方向に特定の分散状態を有するポリエス
テル斑糸を提案した(特願2000−277855)。
確かにこの斑糸によれば、上記の要求を満たすことがで
きるものの、嵩高感、表面の柔軟な感触、腰、反撥性な
どの風合の点で用途によってはまだ不十分なところがあ
りさらなる改善が望まれることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
鑑みなされたもので、その目的は、優れたナチュラル
感、ドライ感、スパナイズ外観を呈すると共に、嵩高
感、表面の柔軟な感触、腰及び反撥性にも優れた布帛を
得るに好適な複合仮撚斑糸を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記本発明の目的は、「糸長方向に繊度斑のないフ
ィラメント(A)と糸長方向に繊度斑のあるフィラメン
ト(B)とから構成される複合仮撚加工糸であって、該
仮撚加工糸の長手方向に交互撚糸状巻付部と交絡部とか
らなる集束部と開繊部とが交互に形成され、その際、 交互撚糸状巻付部にあっては、主として前記フィラメ
ント(A)で構成されている芯部を、前記フィラメント
(B)が交互撚糸状に巻付いて鞘部を形成し、且つ該芯
部と該鞘部との境界部において両フィラメントの一部が
互いに混合、交錯して交絡部を形成し、 他方、開繊部にあっては、主として前記フィラメント
(A)で構成されている芯部を、前記フィラメント
(B)が個々に分離しつつ連続反転状で糸軸と略平行状
態で被覆し、 該複合仮撚加工糸としてはノーマルテストで得られる
スペクトログラフ上に、周期5〜15cmと周期50〜
150cmにそれぞれピーク値(Pmax1、Pma
2)が存在し、そのピーク値比(Pmax1/Pmax
2)が1.5〜4.0である、ことを特徴とする新規な
スパナイズ外観を呈する複合仮撚斑糸。」により達成で
きることが見出された。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の複合仮撚斑糸を構成するフ
ィラメント(A)及び(B)は、夫々エチレンテレフタ
レート、トリメチレンテレフタレート又はテトラメチレ
ンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステ
ルからなるものを主たる対象とするが、必要に応じて第
3成分を少量(通常は全繰返し単位を基準として15モ
ル%以下、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは
5モル%以下)共重合した共重合ポリエステルであって
もよく、また、艶消剤、その他の添加剤を含有していて
もよい。
【0008】なかでも、フィラメント(B)を構成する
ポリエステル中には、アルカリ減量処理することによっ
て、繊維表面又は繊維内部に、微細孔又は微細溝が形成
される微細孔形成剤を含有している場合には、該孔又は
溝の形状によって、吸水性、天然絹様風合、鮮明性、ド
ライタッチ等の各種効果を発現させることができるので
好ましい。
【0009】例えば、該微細孔形成剤として下記一般式
(I)で表わされるスルホン酸金属塩を含有している場
合には、ドライ感が向上して綿に類似した性能を得るこ
とができる。
【0010】
【化2】
【0011】式中、M及びM′は金属であり、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛が
好ましく、M及びM′は同一でも異なっていてもよい。
Rは水素原子又はエステル形成性官能基であり、nは1
又は2を示す。
【0012】かかるスルホン酸金属塩は、例えば特公昭
61−31231号公報にあげられているものが好まし
く用いられ、具体的には3−カルボメトキシベンゼンス
ルホン酸ナトリウム−5−カルボン酸ナトリウム、3−
ヒドロキシエトキシカルボニルベンゼンスルホン酸ナト
リウム−5−カルボン酸1/2マグネシウムをあげるこ
とができる。
【0013】上記スルホン酸金属塩のポリエステルへの
添加時期は、ポリエステルを溶融紡糸する以前の任意の
段階でよく、例えばポリエステルの原料中に添加配合し
ても、ポリエステルの合成中に添加してもよい。また、
上記化合物の添加量は、少ないと最終的に得られるポリ
エステル繊維の綿様風合が低下し、一方多いと紡糸時に
トラブルを発生しやすくなるので、ポリエステル重量を
基準として0.5〜2.5重量%、特に0.6〜1.2
重量%の範囲が適当である。
【0014】本発明の複合仮撚斑糸は、上記ポリエステ
ルからなる、実質的に糸長方向に繊度斑のないフィラメ
ント(A)と繊度斑があるフィラメント(B)とから構
成される複合仮撚加工糸であって、図1に示されるよう
に、その長手方向に交互撚糸状巻付部(I)と交絡部
(II)とからなる集束部(X)と開繊部(III)と
が交互に形成されている必要がある。
【0015】かかる本発明の複合仮撚斑糸の集束部
(X)において、交互撚糸状巻付部(I)は、主として
糸長方向に繊度斑のないフィラメント(A)からなる芯
部を、糸長方向に繊度斑があるフィラメント(B)(以
下太細フィラメントと称することがある)が交互撚糸状
に巻付いて鞘部を形成し、且つ該芯部と該鞘部との境界
部において両フィラメントの一部が互いに混合、交錯し
て交絡部を形成している部分である。一方、交絡部(I
I)は、前記フィラメント(A)とフィラメント(B)
とが混繊状態で緊密に交絡している部分である。本発明
では、これら(I)と(II)とを併せて集束部とい
う。
【0016】この様な集束部(X)において、交絡部
(II)は糸条全体が締まっているため断面二次モーメ
ントが大きく、最終的に得られる布帛に高反撥性を付与
することができる。
【0017】他方、交互撚糸状巻付部(I)は、交絡部
(II)に比較して膨らみを有する部分であって、押さ
えに対する弾力性を呈することができ、張り、腰といっ
た風合を布帛に付与することができる。
【0018】これに対して、前記集束部(X)に隣接す
る開繊部(III)は、主として糸長方向に繊度斑のな
いフィラメント(A)で構成されている芯部を、主とし
て太細フィラメントが個々に分離しつつ連続反転状で糸
軸と略平行状態で被覆している部分であって、前記集束
部において不足しているスパンライクな嵩高感と表面の
柔軟な感触とを布帛に付与することができる。
【0019】次に、本発明でいうスペクトログラフと
は、スイスのツエルベーガ社で開発されたウスタースペ
クトログラフのことを意味し、測定条件はノーマルテス
トとし、測定速度は400m/分とする。このウースタ
ースペクトログラフは、斑内容の迅速な分析を可能とす
るもので、特に斑のピッチを知るのに有用なものとさ
れ、その詳細は繊維機械学会発行の「むらの理論と実
際」第255頁〜第372頁に詳述されている。
【0020】本発明の複合仮撚斑糸のスペクトログラフ
の一例を図2に示し、図をもって詳細に説明する。ここ
で図2は、後記する本発明実施例1で得た複合仮撚斑糸
のスペクトログラフであってピークの数に特徴がある。
つまり、本発明の複合仮撚斑糸は、斑の周期が50〜1
50cmの長い部分と5〜15cmの短い部分との2箇
所に極大値が存在するように斑が分散しているのでナチ
ュラルなスパナイズ外観を呈することが判明したのであ
る。
【0021】すなわち、本発明においては、ノーマルテ
ストで得られるスペクトログラフ上に、周期5〜15c
m、好ましくは6〜10cmと、周期50〜150c
m、好ましくは80〜120cmの範囲に、それぞれピ
ーク値(Pmax1、Pmax2)が存在し、且つそのピーク値
比(Pmax1/Pmax2)が1.5〜4.0、好ましくは
1.5〜3.0であることが必要なのである。該ピーク
値が一つしかなかったり、あるいは、ピーク値の位置が
前記範囲外であったり、さらには、ピーク値比(P max1
/Pmax2)が前記範囲を外れる場合には、太部のランダ
ム分散性が低下してナチュラル感が低下したり、又は、
ドライ感やスパナイズ外観が低下して、本発明の目的を
達成することができない。
【0022】なお、該スペクトログラフ上の周期30c
mでの値P30とピーク値Pmax1との比(Pmax1/P30
が1.5〜4.0、好ましくは2.0〜3.5の範囲に
ある場合には、ナチュラル感、ドライ感、スパナイズ外
観等がさらに向上するので望ましい。
【0023】また、複合仮撚斑糸としてのウースターノ
ーマルU%は、5.0%以上、好ましくは7.0〜1
2.0%の範囲にあることが、布帛に触れた際の凹凸感
と見た目のナチュラル感を両立させることができる点で
好ましい。
【0024】本発明の複合仮撚斑糸を構成するフィラメ
ント(A)及び(B)の単繊維繊度(太細フィラメント
の場合は長さ方向に平均したもの)や糸条としての総繊
度は特に限定されるものではないが、単繊維繊度として
は両フィラメント共に1.5〜5.0dtexの範囲が
適当であり、総繊度としては40〜300dtexの範
囲が適当である。
【0025】フィラメント(A)及びフィラメント
(B)の夫々の総繊度は、用途に応じて適宜選定するこ
とができるが、一般に総繊度でフィラメント(B)≧フ
ィラメント(A)とするのが良く、前者は50〜150
dtex、後者は80〜400dtexとするのが特に
好ましい。
【0026】また、フィラメント(A)及び(B)の繊
維横断面形状についても特に限定する必要はなく、丸断
面でも本発明の目的であるナチュラルなスパナイズ外観
を達成することができるが、複合仮撚斑糸の糸条表面を
主として構成しているフィラメント(B)が三角断面形
状である場合、より優れたドライ感やスパナイズ外観を
付与することができるので好ましい。
【0027】以上に説明した本発明の複合仮撚斑糸は、
少なくとも1.2倍に延伸可能な低伸度で繊度斑のない
と、該フィラメントよりもさらに40%以上伸長が可能
で繊度斑のあるフィラメント(B’)とを引揃え、交絡
処理を施して延伸仮撚加工することにより得られる。
【0028】この実施の形態を、図3にしたがいより詳
細に説明する。互いに伸度の異なるフィラメント
(A’)糸条3とフィラメント(B’)糸条3’は、ガ
イド4で合糸されてから張力調整装置5、フィードロー
ラー6を経て交絡用の空気噴射ノズル7に供給され、こ
こで13個/m以上の交絡点を有する交絡糸とされる。
次いで、この交絡糸は第1デリベリーローラー8により
延伸仮撚ゾーンに供給され、ヒーター9、仮撚具10を
経て、第2デリベリーローラー11により引き取られた
後、チーズ13として捲き取られる。
【0029】ここで仮撚ヒーター9の温度はプレートヒ
ーターの場合には140〜180℃の範囲が好ましく、
この範囲を超える温度の超える場合には、得られる加工
糸における交互撚糸状捲付部の占める割合が多くなりす
ぎて、実質的に交互撚糸捲付状の加工糸となりやすいの
で好ましくない。一方、140℃未満の場合には、得ら
れる加工糸において交互撚糸状巻付部が形成され難くな
るので好ましくない。また、好ましい延伸倍率の範囲は
1.1〜1.4倍であり、この範囲を外れると本発明の
複合仮撚斑糸を得るのが困難となる。
【0030】次に、仮撚数は1000〜4000T/m
の範囲が好ましく、特に2000〜2500T/mの範
囲が好ましい。仮撚数が4000を超える場合には、得
られる加工糸において太細斑形態が目立たなくなり、本
発明の目的とするナチュラル感、スパナイズ外観が損な
われので好ましくない。一方、仮撚数が1000未満の
場合には、得られる加工糸において交互撚糸状巻付部が
形成され難くなり好ましくない。仮撚速度はあまりに速
くなりすぎると速度が、得られる加工糸において交互撚
糸状巻付部が形成され難くなるので、700m/分以下
とするのが望ましい。
【0031】以上に説明した本発明のポリエステル複合
仮撚斑糸を用いて布帛を製造するには、必要に応じて適
度な撚りを施し、所望の組織に織編すればよい。得られ
た布帛は、必要に応じてアルカリ減量処理を施すことに
より、従来の織編物では発現できなかった優れたナチュ
ラル感、ドライ感及びスパナイズ外観を呈しつつ、嵩高
感、表面の柔軟な感触、腰及び反撥性にも優れた風合を
備えたものが得られるので好ましい。
【0032】なお、本発明においては、優れたナチュラ
ル感、ドライ感及びスパナイズ外観を呈しつつ、嵩高
感、表面の柔軟な感触、腰及び反撥性にも優れた風合を
意図しているので、複雑な組織に織成・編成するのは好
ましくなく、平織もしくはその変化組織、簡単な綾織も
しくはその変化組織、サテン織等に織編成するのが好ま
しい。また、布帛中に占める本発明の複合仮撚斑糸の割
合は、必ずしも100%である必要はないが、優れた優
れたナチュラル感、ドライ感及びスパナイズ外観を呈
し、さらに嵩高感、表面の柔軟な感触、腰及び反撥性に
も優れた風合を得るためにはその割合が多いほど好まし
い。
【0033】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法
で測定した。
【0034】[実施例1]テレフタル酸ジメチル197
部、エチレングリコール124部、3−カルボメトキシ
・ベンゼンスルホン酸Na−5−カルボン酸Na4部
(テレフタル酸ジメチルに対して1.3モル%)、酢酸
カルシウム1水塩0.118部を精溜塔付ガラスフラス
コに入れ、常法にしたがってエステル交換反応を行い、
理論量のメタノールが留出した後反応生成物を精溜塔付
重縮合用フラスコに入れ安定剤としてトリメチルホスフ
ェート0.112部及び重縮合触媒として酸化アンチモ
ン0.079部を加え、温度280℃で、常圧下20
分、30mmHgの減圧下15分反応させた後高真空下
で80分間反応させた。最終内圧は50Pa(0.38
mmHg)であり、得られた変性ポリマーの固有粘度
(35℃のオルソクロロフェノール溶液で測定)は0.
640、軟化点は258℃であった。反応終了後変性ポ
リマーを常法にしたがいチップ化した。
【0035】得られたチップを常法にしたがい乾燥して
紡糸口金から溶融吐出し、該吐出糸条を冷却固化させた
後に油剤を付与し、次いで、ノズル数が3のインターレ
ース付与装置で圧力0.15MPa(1.5kg/cm
2)の空気を用いてインターレースを付与した後に22
50m/分の速度で引取り、次いで3000m/分の速
度で斑延伸して、断面形状が三角断面、伸度が121
%、160dtex/36フィラメントの太細フィラメ
ント糸条(フィラメントB’糸条)を得た。
【0036】一方、固有粘度が0.64のポリエチレン
テレフタレートを紡糸口金から溶融吐出し、該吐出糸条
を冷却固化させた後に油剤を付与し、5000m/分の
速度で引取って、断面形状が丸断面、伸度が68%、8
5dtex/36フィラメントの実質的に繊度斑のない
フィラメントA’糸条を得た。
【0037】得られたフィラメントA’糸条と太細フィ
ラメントB’糸条とを引揃え、図3に示す工程で交絡処
理を施した後、延伸仮撚加工を行った。すなわち、前記
2糸条をフィードローラー6に供給し、第1デリベリー
ローラー8との間で、オーバーフィード率0.5%、圧
空圧0.4MPa(4kg/cm2)でインタレースノ
ズル7によりインタレース処理して20個/mの交絡を
付与し、引き続いてローラー8を介して仮撚ゾーンに供
給し、延伸倍率1.207倍、仮撚数2400T/m、
ヒーター温度155℃、糸速400m/分で延伸仮撚加
工を施し、203dtex/72フィラメントの複合仮
撚斑糸を得た。
【0038】得られた複合仮撚加工斑糸を顕微鏡で観察
したところ、図1に示す構造[交互撚糸状巻付部(I)
と交絡部(II)とからなる集束部(X)−開繊部(I
II)が交互に形成されている構造]を主とするもので
あった。
【0039】得られた糸条を経糸及び緯糸に用い、羽二
重に製織し、常法にしたがって精練、熱セット、アルカ
リ減量加工(減量率15%)、染色を施して無地の染め
織物を得た。評価結果を表1及び表2に示す。
【0040】なお、風合についての各評価項目は、熟練
した5人のパネラーによる官能評価で、全員が極めて良
好と判定したものを(優)、3人以上が良好と判断した
ものを(可)、3人以上が不良と判定したものを(不
良)と、三段階にランク付けした。
【0041】また、嵩高性の評価は、以下の測定方法に
したがった。すなわち、複合仮撚斑糸を検尺器(周長
1.125m)にて120回転分とって綛を作り、これ
を2つ折りにしたサンプルの一端に、その綛の重量の3
倍の荷重を吊るして乾熱195℃で5分間熱処理した後
冷却した。次いで該糸条をボックス(高さ2.5cm、
幅1.0cm、長さ10cm、底面0.5cmの曲率半
径)に充填し、蓋(綛の3倍の重量)を荷重させ、その
時の体積(Vcm3)と綛(混繊糸条)の重量(Wg)
とから以下の式により算出した。 嵩高性(cm3/g)=V/W この値が50以上のとき嵩高性「良」とし、50未満の
とき「不良」とした。
【0042】[実施例2]フィラメントB’糸条の断面
形状を丸断面とする以外は実施例1と同様にした。結果
を表1及び表2に示す。
【0043】[実施例3]太細フィラメントB’糸条の
製造工程において、インタレース付与装置で糸条にあて
る圧縮空気の圧力を0.10MPa(1kg/cm2
とする以外は実施例1と同様にした。結果を表1及び表
2に示す。
【0044】[比較例1]太細フィラメントB’糸条の
製造工程において4000m/分の速度で斑延伸し、他
方フィラメントA’糸条の製造工程において紡糸速度を
6000m/分とし、さらに複合延伸仮撚加工時の延伸
倍率を1.1倍とする以外は実施例1と同様にした。結
果を表1及び表2に示す。
【0045】[比較例2]太細フィラメントB’糸条の
製造工程において2000m/分の速度で斑延伸し、他
方フィラメントA’糸条の製造工程において紡糸速度を
2500m/分とする以外は実施例1と同様にした。結
果を表1及び表2に示す。
【0046】[比較例3]太細フィラメントB’糸条の
製造工程において4000m/分の速度で斑延伸する以
外は実施例1と同様にした。結果を表1及び表2に示
す。
【0047】[比較例4]フィラメントA’糸条の製造
工程において紡糸速度を6200m/分とする以外は実
施例1と同様にした。結果を表1及び表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の複合仮撚斑糸によれば、従来の
ポリエステル斑糸には見られなかったナチュラル感、触
れた際のドライ感、スパナイズ外観を呈しつつ、嵩高
感、表面の柔軟な感触、腰及び反撥性に優れた風合を有
する布帛を提供することができる。さらには、ポリエス
テル中、特に鞘部を構成するフィラメントのポリエステ
ル中に微細孔形成剤を含有している場合には、深色性、
吸汗性、着用時の快適性などの特性にも優れた布帛を提
供することができ、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合仮撚斑糸の糸構造の一例を示す図
である。
【図2】本発明の複合仮撚斑糸のスペクトログラフの一
例を示す図である。
【図3】本発明の複合仮撚斑糸を製造するために使用さ
れる装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
I :交互撚糸状巻付部 II :交絡部 X :集束部 III :開繊部 3,3’:原糸 4 :ガイド 5 :張力装置 6 :フィードロ−ラー 7 :インターレースノズル 8 :第1デリベリーローラー 9 :ヒーター 10 :仮撚具 11 :第2デリベリーローラー 12 :捲取ローラー 13 :捲取チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮坂 信義 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 4L035 BB31 BB33 BB34 BB36 BB65 BB91 DD02 DD07 DD12 4L036 MA05 MA26 MA39 PA14 PA42 UA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸長方向に繊度斑のないフィラメント
    (A)と糸長方向に繊度斑のあるフィラメント(B)と
    から構成される複合仮撚加工糸であって、該仮撚加工糸
    の長手方向に交互撚糸状巻付部と交絡部とからなる集束
    部と開繊部とが交互に形成され、その際、 交互撚糸状巻付部にあっては、主として前記フィラメ
    ント(A)で構成されている芯部を、前記フィラメント
    (B)が交互撚糸状に巻付いて鞘部を形成し、且つ該芯
    部と該鞘部との境界部において両フィラメントの一部が
    互いに混合、交錯して交絡部を形成し、 他方、開繊部にあっては、主として前記フィラメント
    (A)で構成されている芯部を、前記フィラメント
    (B)が個々に分離しつつ連続反転状で糸軸と略平行状
    態で被覆し、 該複合仮撚加工糸としてはノーマルテストで得られる
    スペクトログラフ上に、周期5〜15cmと周期50〜
    150cmにそれぞれピーク値(Pmax1、Pma
    2)が存在し、そのピーク値比(Pmax1/Pmax
    2)が1.5〜4.0である、ことを特徴とする新規な
    スパナイズ外観を呈する複合仮撚斑糸。
  2. 【請求項2】 ノーマルテストで得られる該スペクトロ
    グラフ上の周期30cmでの値P30とピーク値Pmax1
    比(Pmax1/P30)が1.5〜4.0である請求項1記
    載の複合仮撚斑糸。
  3. 【請求項3】 糸条としてのウースターノーマルU%が
    5%以上である請求項1又は2記載の複合仮撚斑糸。
  4. 【請求項4】 前記フィラメント(B)の断面形状が三
    角形である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合仮
    撚斑糸。
  5. 【請求項5】 前記フィラメント(B)に微細孔形成剤
    を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合仮
    撚斑糸。
  6. 【請求項6】 微細孔形成剤が下記一般式で表される金
    属塩化合物である請求項5に記載の複合仮撚斑糸。 【化1】 [式中、M及びM′は金属、Rは水素原子又はエステル
    形成性官能基、nは1又は2を示す]
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