JP2003119615A - マイナスイオン発生アクリル繊維及びその製造方法 - Google Patents

マイナスイオン発生アクリル繊維及びその製造方法

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JP2003119615A
JP2003119615A JP2001314936A JP2001314936A JP2003119615A JP 2003119615 A JP2003119615 A JP 2003119615A JP 2001314936 A JP2001314936 A JP 2001314936A JP 2001314936 A JP2001314936 A JP 2001314936A JP 2003119615 A JP2003119615 A JP 2003119615A
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tourmaline
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acrylic fiber
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acrylonitrile copolymer
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JP2001314936A
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Toshihiro Yamamoto
俊博 山本
Zenji Wakayama
善治 若山
Chieko Iwamoto
智江子 岩本
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイナスイオンの放出機能を改良したトルマ
リン組成物を含有し、実用レベルのマイナスイオン発生
量を有する、マイナスイオン発生アクリル繊維を提供す
る。 【解決手段】 平均粒径3μm以下のトルマリンと、平
均粒径1μm以下の電気絶縁性物質とを、混合してなる
組成物を含有することを特徴とするマイナスイオン発生
アクリル繊維。また、トルマリンの平均粒径が、好まし
くは0.1μm以上、1μm以下であることを特徴とし
ている。また、トルマリン及び電気絶縁性物質の合計含
有量が好ましくは2〜15重量%であることを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイナスイオンを発
生させるアクリル繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイナスイオンは、通常0.5〜1nm
の小さなクラスターの水と結びつき地上に存在し、滝口
や森林などでは特に多い。また、人工的にもコロナ放電
装置などで作ることが出来る。しかし、人が多く集まる
場所などは極端にマイナスイオンが減り、例えば、タバ
コの充満する部屋では、滝口の約千分の1、森林の約百
分の1とマイナスイオン数は極端に少なくなる。一方、
マイナスイオンの人体に及ぼす効果としては大脳皮質、
血液中のセロトニン量を低下させたり、血液中の酸素量
やSOD酵素を増加させ、またストレス抑制ホルモン
(キャバ)を増加させたりするなど、体に良いことが殆
どであると言われている。
【0003】従来、マイナスイオンを放出する物質とし
て、電気石とも呼ばれるトルマリンが知られているが、
そのマイナスイオン放出機能は弱く、実用的ではなかっ
た。
【0004】そして、アクリル繊維に練り込んだトルマ
リンが活性電子を放出して、生活細胞に賦活効果を与え
るエレクトレット繊維が提案されている(特開平10−
183422号公報)。しかし、トルマリンだけをアク
リル繊維に練り込んでも、当然、マイナスイオンの発生
量は少なく、マイナスイオン発生繊維としての実用性は
低かった。
【0005】一方、トルマリンだけではマイナスイオン
放出量が少ない為、トリウム石などの励起剤と併用し
て、マイナスイオンの発生効率を高めたマイナスイオン
発生温度調節体が提案されている(特開2001-21
165号公報)。しかし励起剤として放射性物質を使用
しており、製品としては微弱な放射線量であっても、製
造時には放射性物質を大量に取り扱うため、安全性の面
から問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点に鑑みて、アクリル繊維のマイナスイオン発生効率を
高める事を鋭意研究した結果、微粒子のトルマリンと、
微粒子の電気絶縁性物質とを、混合してなる組成物をア
クリル重合体に均一に練り込むことで、マイナスイオン
発生量が極めて大きくなることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明の目的は、放射性物質な
どの励起剤を使うことなく、マイナスイオンの放出機能
を改良したトルマリン組成物を含有し、実用レベルのマ
イナスイオン発生量を有する、マイナスイオン発生アク
リル繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、平均粒径3μm以下のトルマリンと、平均粒径1
μm以下の電気絶縁性物質とを、混合してなる組成物を
含有することを特徴とするマイナスイオン発生アクリル
繊維である。
【0009】そして、前記トルマリンの平均粒径が、好
ましくは0.1μm以上、1μm以下であることを特徴
としている。また、前記トルマリン及び前記電気絶縁性
物質の合計含有量が好ましくは2〜15重量%であるこ
とを特徴としている。
【0010】さらに、本発明のマイナスイオン発生アク
リル繊維の製造方法には、三つの方法がある。第一の方
法は、アクリロニトリル共重合体及びアクリロニトリル
共重合体の溶媒溶液に対し、前記アクリロニトリル共重
合体の溶媒溶液と同組成の溶媒中でトルマリンを湿式粉
砕して分散させたのち電気絶縁性物質の微粒子を加えて
混合して得られた混合溶液を、所定の濃度に調整混合
し、得られた溶液を紡糸用原液として用いたことを特徴
としている。
【0011】次に、第二の方法は、アクリロニトリル共
重合体及びアクリロニトリル共重合体の溶媒溶液に対
し、トルマリンを乾式粉砕後分級して得られたトルマリ
ンの微粒子に電気絶縁性物質の微粒子を加えて混合して
得られた混合物を、所定の濃度に調整混合し、得られた
溶液を紡糸用原液として用いたことを特徴としている。
【0012】また、第三の方法は、アクリロニトリル共
重合体及びアクリロニトリル共重合体の溶媒溶液に対
し、水中でトルマリンを湿式粉砕した後、乾燥、解砕及
び/又は再粉砕して得られたトルマリンの微粒子に電気
絶縁性物質の微粒子を加えて混合して得られた混合物
を、所定の濃度に調整混合し、得られた溶液を紡糸用原
液として用いたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアクリル繊維は、アクリロニトリルと、
他の単量体との共重合体を紡出して、得られたものであ
る。そして、その割合は特に限定されるものではない
が、アクリロニトリル/他の単量体=80重量%以上/
20重量%以下が好ましい。また、他の単量体としては
アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アリルスルフォン酸ソ
ーダ、メタリルスルフォン酸ソーダ、スチレンスルフォ
ン酸ソーダ、2アクリルアミド2メチルプロパンスルフ
ォン酸ソーダなどが挙げられるが、これら単独使用又は
2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0014】また、本発明において使用するトルマリン
は、従来から知られているもので良い。すなわち、下記
一般式で表わされるものである。 NaX3Al6(BO33Si618(OH)4 但し、式中Xは同一又は相異なるMg,Fe,Liを表
わす。特に好ましい具体例を挙げると以下の通りであ
る。 (イ) NaFe3Al6(BO33Si618(OH)4 (ロ) Na(Li,Al)3Al6(BO33Si6
18(OH)4 (ハ) NaMg3Al6(BO33Si618(OH)4 なお、上記(イ)はショール、(ロ)はエルバアイト、
(ハ)はドラバイトと称されることもある。
【0015】そして、このトルマリンの平均粒径は、マ
イナスイオン放出量と紡糸操業性により、3μm以下で
あることを必要とし、更に好ましくは、0.1〜1μm
である。トルマリンの平均粒径が、3μmを超えると、
マイナスイオン放出量が落ちるばかりか、アクリル繊維
紡出時に濾布に詰まったり、口金孔を塞いだりして、糸
切れをもたらすなど、操業性を低下させる原因になる。
一方、トルマリンの平均粒径が小さい程、マイナスイオ
ン放出量は多くなるが、0.1μm未満になる程に小さ
いと、トルマリン微粒子同士が二次凝集を起こし易くな
り、マイナスイオン放出量も低下する傾向にある。
【0016】そして、トルマリンの平均粒径を適度なサ
イズ、すなわち0.1〜1μmにするには、特に方法を
限定されるものではないが、一般的な粉砕機を用いての
湿式粉砕や乾式粉砕によるものが好ましい。粉砕機とし
ては、例えば、転動ボールミル、ロッドミル、チューブ
ミル等の転動ミル;ビーズミル、サンドミル、タワーミ
ル等の撹拌ミル;振動ミル;ジェットミル;遊星ミル;
ローラーミル等が挙げられるが、特に粉砕媒体としてボ
ールを使用するものが均一な微粒子を得やすいため好ま
しい。すなわち、前記粉砕機のうち、転動ミル、撹拌ミ
ル、振動ミル、遊星ミルが該当する。また、工業的に大
型のミル容器が可能なものがさらに好ましく、転動ミル
や撹拌ミルが最適である。
【0017】一方、乾式粉砕の場合、トルマリン砕料と
必要に応じた粉砕媒体と必要に応じた粉砕助剤とを粉砕
機に投入して粉砕すればよいが、湿式粉砕の場合、さら
に溶剤が必要となる。溶剤の中でも扱いやすさの点で水
が挙げられるが、他にもアクリル繊維に使用する溶媒が
挙げられる。特にアクリル繊維に使用する溶媒を用いて
湿式粉砕を行うと、トルマリン砕生物の粒度分布も比較
的狭く、また、粉砕後の溶液をそのままアクリル繊維紡
出の原料に使用することも可能なので、乾燥工程などの
必要がなく好ましい。
【0018】また、本発明に使用する電気絶縁性物質
は、電気を通さないか又は殆ど通さない無機物質で、常
温時は固体であればよい。例えば、タルク、雲母、第三
りん酸カルシウム、ピロりん酸カルシウムなどが挙げら
れるが、この限りではない。そして、トルマリンとの混
合性により、電気絶縁性物質の平均粒径は1μm以下で
あることを必要とする。その平均粒径が1μmを超える
と、トルマリンとの混合斑につながり好ましくない。
【0019】そして、電気絶縁性物質をトルマリンと併
用すると、マイナスイオン放出量は著しく向上する。そ
の理由として、2点考えられるが、詳細は定かでない。
1点目は、トルマリンが発生させている電界を電気絶縁
性物質が乱す為、電界中の電荷バランスが崩れ、マイナ
スイオンが放出されると考えられる。2点目は、トルマ
リン微粒子間に電気絶縁性物質が存在するため、トルマ
リン微粒子同士の二次凝集を防止でき、トルマリンを微
粒子のままアクリル繊維中に存在させ得るので、マイナ
スイオン放出量の低下を防止できると考えられる。ま
た、紡糸操業性の低下も見られないという副次効果もあ
る。
【0020】また、本発明において、トルマリン微粒子
と電気絶縁性物質の微粒子を混合する割合は、前者10
0重量部に対して、後者は5〜49重量部が好ましく、
なお好ましくは10〜20重量部である。そして、本発
明におけるアクリル繊維に対し、トルマリンと電気絶縁
性物質の合計含有量は、2〜15重量%が好適である。
含有量が多いほどマイナスイオン放出量は大きいが、含
有量が多いほど紡糸時の操業安定性が低下するばかり
か、得られた糸の強度や伸度が低下するからである。
【0021】次に、本発明のマイナスイオン発生アクリ
ル繊維の製造方法は3つあるので順に説明する。
【0022】第一の方法は、まず、前記アクリロニトリ
ル共重合体の溶媒溶液と同組成の溶媒を用いてトルマリ
ンを湿式粉砕する。そして、トルマリン微粒子が分散し
ている溶媒溶液に、電気絶縁性物質の微粒子を加えて、
さらに混合・攪拌して混合溶液を得る。次に、アクリロ
ニトリル共重合体及びアクリロニトリル共重合体の溶媒
溶液と前記混合溶液とを混合・撹拌して、トルマリン及
び電気絶縁性物質が所定の含有量となるように濃度を調
整する。そして、得られた溶液を紡糸用原液として用
い、通常の湿式或いは乾式紡糸で繊維化する。
【0023】前記溶媒溶液としては、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
硝酸水溶液、ロダン塩水溶液や塩化亜鉛水溶液などが好
ましい。また、湿式粉砕の方法としては、前述した粉砕
機を用いればよい。そして、紡出された糸については従
来慣用の方法で、すなわち紡糸・延伸・水洗・乾燥・オ
イリング・クリンピング工程を通して得られる。
【0024】次に、第二の方法は、まず、トルマリンを
乾式粉砕する。そして、得られたトルマリン微粒子を分
級した後、電気絶縁性物質の微粒子を加えて、さらに混
合・攪拌して混合物を得る。次に、アクリロニトリル共
重合体及びアクリロニトリル共重合体の溶媒溶液と前記
混合物とを混合・撹拌して、トルマリン及び電気絶縁性
物質が所定の含有量となるように濃度を調整する。そし
て、得られた溶液を紡糸用原液として用い、通常の湿式
或いは乾式紡糸で繊維化する。
【0025】乾式粉砕の方法としては、前述した粉砕機
を用いればよい。また、分級方法は特に限定されるもの
ではないが、所定のトルマリンの微粒子を得られるもの
であれば一般的な篩い分け機や分級機を用いた分級でよ
い。分級機としては、湿式と乾式の重力分級機、湿式と
乾式の遠心力分級機、乾式の慣性力分級機などがある
が、特に乾式の分級機を用いると、分級後に乾燥工程等
の必要がなく好ましい。仮に湿式の分級機を用いる場
合、溶剤にアクリル繊維に使用する溶媒を用いることが
好ましい。分級後の溶液に電気絶縁性物質の微粒子を加
えればよいので乾燥工程の必要がないからである。
【0026】そして、第三の方法は、まず、水を用いて
トルマリンを湿式粉砕する。そして、トルマリン微粒子
が分散している水溶液を乾燥し、得られたトルマリン微
粒子の乾燥凝集体を解砕及び/又は再粉砕した後、電気
絶縁性物質の微粒子を加えて、さらに混合・攪拌して混
合物を得る。次に、アクリロニトリル共重合体及びアク
リロニトリル共重合体の溶媒溶液と前記混合物とを混合
・撹拌して、トルマリン及び電気絶縁性物質が所定の含
有量となるように濃度を調整する。そして、得られた溶
液を紡糸用原液として用い、通常の湿式或いは乾式紡糸
で繊維化する。
【0027】湿式粉砕の方法としては、前述した粉砕機
を用いればよい。また、乾燥方法は特に限定されるもの
ではないが、水を分離できるものであれば、自然乾燥で
も一般的な乾燥機を用いた乾燥でもよい。乾燥機として
は拡散式、熱風式、真空式、凍結式などが挙げられる
が、設備の簡易さや製造コスト等を考慮すると熱風式が
好ましい。さらに、必要に応じて解砕及び/又は再粉砕
する方法としては、一般的な解砕機及び/又は一般的な
粉砕機を用いればよいが、特にケージミルやインパクト
ミル等の解砕機及び/又はジェットミル粉砕機を用いる
のが好ましい。そして、紡出された糸については従来慣
用の方法で、すなわち紡糸・延伸・水洗・乾燥・オイリ
ング・クリンピング工程を通して得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
【0029】・マイナスイオン測定方法 イオンカウンターSC-50(シグマテック社製)を用
いて、マイナスイオン量を測定する。すなわちボックス
内に試料を置きボックスの反対側から60リットル/分
のエアーを吸引する。試料と吸引出口の中間点でマイナ
スイオン量を5分間測定し、1cc当たりのマイナスイ
オン個数の平均値を求め、試料の不在時のマイナスイオ
ン個数と比較し、増加個数を確認する。
【0030】・紡糸操業性評価方法 濾過面積7cm2、濾過布ゴーザミン、5000H*
0.06mmφの口金を使い、吐出量320cc/分、
巻き取り速度10.5m/分で紡糸を1時間行い、濾過
布での圧力上昇(濾過性)、単糸切れ状況(糸切れ)に
て評価した。 a)濾過性 ◎…0以上0.1未満 ○…0.1以上
0.5未満 △…0.5以上1.0未満 ×…1.0以
上2.0未満 ××…2.0以上 (各数値は圧上昇
値:kg/cm2) b)糸切れ ◎…0以上3未満 ○…3以上6未満 △
…6以上12未満 ×…12以上20未満 ××…20
以上 (各数値は単糸切れ本数:本)
【0031】・実施例1〜6(第一の製造方法:溶媒溶
液使用の湿式粉砕) 容積300m3の転動ボールミルにショールトルマリン
#325品100kgと、20mmφボール120kg
と、10mmφボール180kgと、ジメチルホルムア
ミド150kgを加え240時間粉砕した。得られた原
液中のショールトルマリンの平均粒径は0.8μmであ
った。更に平均粒径0.5μmの第三りん酸カルシウム
15kgを添加してさらに5時間混合した。濾過してボ
ールを取り除いた溶液に、アクリルドープ(アクリロニ
トリル/アクリル酸メチル/2アクリルアミド2メチル
プロパンスルフォン酸ソーダ=90/8/2(重量%)
組成のアクリルポリマーの濃度20%ジメチルホルムア
ミド溶液)を50kgと、ジメチルホルムアミド溶媒と
を加え、ショールトルマリンと第三りん酸カルシウム合
計が20%溶液になるように濃度調整した。
【0032】この添加剤溶液を前記組成のアクリルドー
プ(ポリマー濃度25%ジメチルホルムアミド溶液)に
表1示す割合で添加して、ジメチルホルムアミド60%
水溶液に0.06mmφの口金にて紡出、凝固させた。
しかる後、延伸・水洗・乾燥・オイリング・クリンピン
グ・130℃熱セット工程を経て約3.3dtexの繊
維を得た。該繊維をカード紡績機・ニードルパンチ機に
掛け、50g/m2の不織布を作成、マイナスイオンを
測定した。
【0033】
【表1】
【0034】表1で示す結果からも明らかなように、ト
ルマリンと第三りん酸カルシウムの合計含有量が多くな
るほどマイナスイオンの増加量は大きくなるが、紡糸操
業性は低下の傾向にある。
【0035】・実施例7〜10、比較例1(第一の製造
方法:溶媒溶液使用の湿式粉砕) 実施例1〜6と同じ方法にて転動ボールミルでショール
トルマリン#325を粉砕して0.8μmの微粒子を得
た。これに、表2に示す各平均粒径の第三りん酸カルシ
ウムを加えた後、実施例3と同様にトルマリンと第三り
ん酸カルシウムの合計含有量が5重量%となるようにア
クリルドープに添加し、実施例1〜6と全く同一方法に
て紡糸した。
【0036】
【表2】
【0037】表2からも明らかなように、第三りん酸カ
ルシウムの平均粒径が1μm以下だとマイナスイオンの
発生量は高く、紡糸操業性に問題もない。一方、1μm
を超えると、マイナスイオンの発生量がやや少なくな
り、紡糸操業性にも問題が生じる。これは、トルマリン
と第三りん酸カルシウムとの混合斑が起こり、紡糸時、
濾過布に詰まる傾向が認められるからである。
【0038】・比較例2〜7(第一の製造方法:溶媒溶
液使用の湿式粉砕) 実施例1〜6と同じ方法にて転動ボールミルでショール
トルマリン#325を粉砕して0.8μmの微粒子を得
た。これに、電気絶縁性物質としての第三りん酸カルシ
ウムを添加せずに、それ以外は実施例1〜6と同じ方法
で表3に示す割合でアクリルドープに添加してアクリル
繊維を得た。
【0039】
【表3】
【0040】表3から明らかなように、ショールトルマ
リンだけでは、その含有量を多くしてもマイナスイオン
増加数は極めて少ないだけでなく、紡糸操業性が著しく
低下して実用性が無いことが判る。すなわち、第三りん
酸カルシウムのような電気絶縁性物質が存在しないと、
折角微粒子にしたショールトルマリンもすぐに二次凝集
が起こるからである。
【0041】・実施例11〜15、比較例8(第二の製
造方法:乾式粉砕) ショールトルマリン#325品を転動ボールミルで乾式
粉砕を行い、乾式の重力分級機で分級して表4に示す各
平均粒径の微粒子100部を得た。しかる後、0.8μ
mの合成雲母を10部加え、ショールトルマリンと混合
し、実施例1〜6のように、アクリルドープ(アクリロ
ニトリル/アクリル酸メチル/2アクリルアミド2メチ
ルプロパンスルフォン酸ソーダ=90/8/2(重量
%)組成のアクリルポリマーの濃度20%ジメチルホル
ムアミド溶液)を50kgと、ジメチルホルム溶媒とを
加え、トルマリン20重量%ジメチルホルムアミド溶液
を得た。これをアクリルドープに対し、ショールトルマ
リンと合成雲母の合計含有量が5重量%になるように添
加して紡糸を行い、トルマリン含有アクリル繊維を得
た。
【0042】
【表4】
【0043】表4から明らかなように、トルマリンの平
均粒径が3μmを超えると紡糸操業性が著しく低下し、
マイナスイオン発生量も少なくなる。一方、平均粒径が
小さくなるほどマイナスイオン発生量は大きくなるが、
紡糸操業性はやや低下する傾向が認められた。
【0044】・実施例16〜18 ここでは、第一の製造方法(溶媒溶液使用の湿式粉砕)
と第二の製造方法(乾式粉砕)と、第三の製造方法(水
による湿式粉砕)による実施例を示す。エルバアイトト
ルマリン#325品を実施例1〜10及び比較例1〜7
と同様に有機溶剤中で実施する場合(実施例16)と、
実施例11〜15及び比較例8と同様に乾式法で粉砕し
たもの(実施例17)と、転動ボールミルを使用して水
で湿式粉砕したのち熱風乾燥し、ケージミルで解砕・ジ
ェットミルを通過させたもの(実施例18)とで、トル
マリンが平均粒径0.7μmになるように粉砕したもの
に、平均粒径0.7μmのピロりん酸カルシウムをトル
マリンに対し15重量部混合し、しかる後、実施例3と
同様アクリル繊維に5重量%となるように練り込んだ。
なお、紡糸実験は粉砕方法の差を確認する為8時間実施
した。
【0045】
【表5】
【0046】表5より明らかなように、8時間紡糸では
いずれも良好であったが、特に、ジメチルホルムアミド
中で粉砕した実施例16は口金圧上昇もなく極めて良好
であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の効果としては、トルマリンのマ
イナスイオン発生量を放射性物質などの励起剤を使うこ
となく、単に電気絶縁性物質を混合すると言う極めて簡
単な手段により、実用範囲まで高めたマイナスイオン発
生アクリル繊維を工業的容易に作ることが出来ることは
産業上極めて大きい。もちろん、当該繊維を用いて、毛
布、シーツ、カーペット、カーテン等建寝装用品や、肌
着、セーターなどの衣料品などに適用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 智江子 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ合 繊株式会社内 Fターム(参考) 4L035 BB03 EE12 EE20 GG03 JJ01 KK05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径3μm以下のトルマリンと、平
    均粒径1μm以下の電気絶縁性物質とを、混合してなる
    組成物を含有することを特徴とするマイナスイオン発生
    アクリル繊維。
  2. 【請求項2】 前記トルマリンの平均粒径が、0.1μ
    m以上、1μm以下であることを特徴とする請求項1に
    記載のマイナスイオン発生アクリル繊維。
  3. 【請求項3】 前記トルマリン及び前記電気絶縁性物質
    の合計含有量が2〜15重量%であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のマイナスイオン発生ア
    クリル繊維。
  4. 【請求項4】 アクリロニトリル共重合体及びアクリロ
    ニトリル共重合体の溶媒溶液に対し、前記アクリロニト
    リル共重合体の溶媒溶液と同組成の溶媒中でトルマリン
    を湿式粉砕して分散させたのち電気絶縁性物質の微粒子
    を加えて混合して得られた混合溶液を、所定の濃度に調
    整混合し、得られた溶液を紡糸用原液として用いたこと
    を特徴とするマイナスイオン発生アクリル繊維の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アクリロニトリル共重合体及びアクリロ
    ニトリル共重合体の溶媒溶液に対し、トルマリンを乾式
    粉砕後分級して得られたトルマリンの微粒子に電気絶縁
    性物質の微粒子を加えて混合して得られた混合物を、所
    定の濃度に調整混合し、得られた溶液を紡糸用原液とし
    て用いたことを特徴とするマイナスイオン発生アクリル
    繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 アクリロニトリル共重合体及びアクリロ
    ニトリル共重合体の溶媒溶液に対し、水中でトルマリン
    を湿式粉砕した後、乾燥、解砕及び/又は再粉砕して得
    られたトルマリンの微粒子に電気絶縁性物質の微粒子を
    加えて混合して得られた混合物を、所定の濃度に調整混
    合し、得られた溶液を紡糸用原液として用いたことを特
    徴とするマイナスイオン発生アクリル繊維の製造方法。
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