JPH1181032A - エレクトレット繊維及びその製造方法 - Google Patents

エレクトレット繊維及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1181032A
JPH1181032A JP24154197A JP24154197A JPH1181032A JP H1181032 A JPH1181032 A JP H1181032A JP 24154197 A JP24154197 A JP 24154197A JP 24154197 A JP24154197 A JP 24154197A JP H1181032 A JPH1181032 A JP H1181032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
particle diameter
granite
fine particles
electret
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24154197A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Sugihara
俊雄 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BEAM KOGYO KK
Original Assignee
BEAM KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BEAM KOGYO KK filed Critical BEAM KOGYO KK
Priority to JP24154197A priority Critical patent/JPH1181032A/ja
Publication of JPH1181032A publication Critical patent/JPH1181032A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性電子を放出して、生体細胞を賦活し、皮
下血行の活性を促進する効果を有し、健康衣料品などの
材料として有用な安価でかつ安定的に供給しうるエレク
トレット繊維を提供する。 【解決手段】 有機質繊維に対し、粒子径0.2μm以
下の火成岩微粒子を、0.5〜3重量%程度含有させて
エレクトレット繊維とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエレクトレ
ット繊維及びその製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、本発明は、各種疾病の治療や健康維持に有効
な繊維製品、あるいは抗菌・防臭機能、酸化粉塵除去機
能、電磁波公害除去機能などを有する繊維製品を与える
エレクトレット繊維、及びこのものを効率よく製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、活性電子は生体細胞を賦活し、生
体に対して好影響を与えることが注目されており、この
活性電子を、例えば自律神経系や運動神経系の調節、熟
睡、精神安定化、疲労回復の促進などに利用する研究が
積極的になされている。
【0003】このような活性電子を放出する物質とし
て、天然産のトルマリンが見出されており、本発明者
は、先に粒径2μm以下のトルマリン微粒子を、有機質
繊維に対し、3〜4重量%の割合で固着若しくは含有さ
せたエレクトレット繊維を提案した(特公平6−104
926号公報、特許第2044241号)。このエレク
トレット繊維は、それから発生する活性電子により、人
体の皮膚に電気的刺激を与えるとともに、皮膚表面に発
する酸化物質を還元浄化し、これらの相乗効果によっ
て、身体の新陳代謝や血行を促進し、特に冷え性や肩こ
り及び老化防止に顕著な効果を奏する上、それを加工し
た繊維製品が、通常の繊維製品と同様に扱いうるなどの
特徴を有している。
【0004】しかしながら、このトルマリンは宝石にも
用いられるものであって、高価であり、しかも産出地域
が限られ、生産量が少ないなどの問題がある。したがっ
て、このトルマリン微粒子を含有するエレクトレット繊
維は、高価になるのを免れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、活性電子放
出物質として、産出量が少なく高価なトルマリンの代わ
りに、産出地域が広く分布し、資源量が豊富であって、
安定的に安価に入手しうる天然鉱石微粒子を含有する前
記機能をもつエレクトレット繊維を提供することを目的
としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エレクトレ
ット繊維について鋭意研究を重ねた結果、火成岩は、ト
ルマリンに比べて単位重量当りの活性電子の放出量は少
ないが、活性電子をかなり放出し、しかも広く分布して
資源量が豊富であって安定的に安価に入手しうること、
そしてその微粒子を有機質繊維に含有させたエレクトレ
ット繊維は、トルマリンを含有するエレクトレット繊維
に匹敵する優れた機能を有し、しかも製造コストが低い
ことを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明は、有機質繊維に対し、
粒子径0.2μm以下の火成岩微粒子を含有させたこと
を特徴とするエレクトレット繊維を提供するものであ
る。また、このエレクトレット繊維は、本発明に従え
ば、火成岩を乾式粉砕後、湿式粉砕し、分級処理して得
られた粒子径0.2μm以下の火成岩微粒子を、有機質
繊維の紡糸用液に加え、次いでこれを紡糸することによ
り製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる火成岩
は、マグマが冷却固結してできた岩石である。岩盤の一
部が溶融してマグマになると、周囲の岩石よりも体積が
膨張するので、密度が小さくなり、地盤の割れ目などを
通って上昇し、地下数km程度で冷え固まったものを深
成岩、地表で急激に固まったものを火山岩という。ま
た、マグマが地下深部で結晶し始めて、やや浅いところ
まで移動して冷え固まったものを半深成岩という。
【0009】深成岩には、花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩な
どがある。マグマが地下深部でゆっくりと冷え固まる
と、溶液の中から鉱物の結晶が現れ、かつ結晶の一つ一
つがほぼ等しい大きさの粒子になる。このような岩石の
組織を等粒状組織という。深成岩は、この等粒状組織を
有するものである。また、半深成岩には、石英斑岩、ヒ
ン岩、輝緑岩などがあり、マグマがやや急速に冷却固結
して形成されるため、成分鉱物は完晶質であるが、結晶
の大きさは不揃いで、斑状である。
【0010】一方、火山岩は、別名噴出岩とも呼ばれ、
流紋岩、安山岩、玄武岩などがある。マグマが噴出した
り、地表のごく近くで冷え固まると、鉱物の結晶が成長
する十分な時間がないので、非結晶質となる。通常、マ
グマは地表に噴出する前に一時的にマグマだまりを作る
ことがあり、そこで鉱物の結晶の一部が成長することが
ある。これが溶融液と共に地表に噴出すると一部分結
晶、他の部分が非結晶の岩石ができる。結晶した部分が
斑晶で、非結晶質の部分が石基であり、このような組織
を斑状組織という。火山石は、このような斑状組織を有
している。
【0011】火成岩を構成している造岩鉱物はほとんど
がケイ酸塩鉱物であり、火成岩の化学組成は、SiO2
が最も多く、その他Al23、Fe23、FeO、Mg
O、CaO、Na2O、K2Oなどの成分も含まれてい
る。主な火成岩の平均化学組成を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】このように、火成岩は種々の酸化物の複合
物であり、その組成の個々の成分の誘電率の相異から電
気的特性が異なっている。この電気的特性効果を高く発
揮するには、火成岩の結晶質の固さと組成のバランスが
重要であって、誘電率の差が大きいことと相互のバラン
ス及び各結晶粒の表面積の総和が大きいことが、外部か
らの動的エネルギーを電気的エネルギーに変える量を大
きくする。
【0014】このような火成岩の中でも、上質な火成岩
は、結晶質が高く、岩石内化学組成内容とその配合バラ
ンスが、それを含有する繊維のエレクトレット能力を高
める効果を有し好ましい。このような上質な火成岩とし
ては、例えば花崗岩などが挙げられる。
【0015】本発明のエレクトレット繊維は、有機質繊
維に対し、粒子径0.2μm以下の前記火成岩微粒子を
含有させてなるものである。この火成岩微粒子の粒子径
が0.2μmを超えると活性電子の放出量が少なくな
り、本発明の目的が達せられない。活性電子を効果的に
放出させるには、この火成岩微粒子は粒子径が0.2μ
m以下で平均粒子径約が0.15μm以下のものが好ま
しい。
【0016】この火成岩微粒子は1種であってもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその含
有量としては特に制限はないが、有機質繊維に対し、
0.3重量%以上であるのが好ましい。この含有量が
0.3重量%未満では活性電子の放出量が不安定で、か
つ少なすぎて本発明の効果が充分に発揮されない。ま
た、含有量があまり多すぎるとその量の割には活性電子
の放出量が多くならず、むしろ減少する傾向がみられ、
経済的に不利となる。活性電子の放出量、その安定性及
び経済性のバランスなどの面から、この火成岩微粒子の
より好ましい含有量は、有機質繊維に対し、0.5〜3
重量%の範囲である。
【0017】本発明のエレクトレット繊維において用い
られる有機質繊維としては特に制限はなく、例えば再生
繊維であるセルロース系繊維のレーヨン繊維やキュプラ
繊維、半合成繊維のアセテート繊維、合成繊維のポリビ
ニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維などが挙げられる。
【0018】本発明のエレクトレット繊維には、火成岩
以外に、所望により、セラミックスを、有機質繊維に対
して、通常10重量%以下の割合で含有させてもよい。
このセラミックスとしては、例えばアルミナ、ケイ酸を
主体とするコージェライトやβ‐スポジュメン、ジルコ
ニア、ジルコン、マグネシア、チタン酸アルミニウムな
どの遠赤外線放射材料などが好ましく挙げられる。さら
に、二酸化マンガン、酸化鉄、酸化クロム、酸化コバル
ト、酸化銅などの遷移金属化合物や、窒化ケイ素、炭化
ケイ素などを含有させてもよい。
【0019】本発明のエレクトレット繊維の製造方法と
しては、前記の性状を有するエレクトレット繊維が得ら
れる方法であればよく、特に制限はないが、以下に示す
本発明方法に従えば、所望のエレクトレット繊維を効率
よく製造することができる。
【0020】本発明方法においては、まず、火成岩を乾
式粉砕処理する。この乾式粉砕処理においては、直径2
0〜30cm程度の火成岩鉱石を、ジョークラッシャー
などを使用して、直径5cm程度の大きさに粉砕したの
ち、ハンマークラッシャーなどを使用して直径2〜3c
m程度まで粉砕する。次いで、レイモンドミルなどを使
用して、直径6〜7mm程度まで粉砕し、さらにボール
ミルなどを使用して、粒子径4〜6μm程度まで粉砕す
る。
【0021】次に、このようにして乾式粉砕処理して得
られた粒子径4〜6μm程度の粒子を、湿式粉砕機によ
り、粉砕処理したのち、分級処理して粒子径0.2μm
以下の火成岩微粒子を得る。この湿式粉砕処理において
は、まず、ボールミルを使用して粒子径2〜3μm程度
まで粉砕したのち、再度ボールミルを用いて粒子径0.
2μm以下の大きさに粉砕する。この際、ボールミルと
しては、直径0.5〜1.0μm程度のジルコニウム製
ビーズと軟質ポリウレタン製の回転翼を用いた特殊なも
のを使用するのが有利である。
【0022】粒子径0.2μmを超える粒子を分級処理
して取り除いたのち、粒子径0.2μm以下の火成岩微
粒子を、そのまま用いてもよいが、本発明においては、
さらに、上記の特殊ボールミルを再度使用して、湿式粉
砕を行ったのち、フィルターろ過により分級処理してな
る粒子径が0.2μm以下で平均粒子径が0.15μm
以下の超微粒子として用いるのが有利である。
【0023】本発明方法においては、このようにして調
製された火成岩微粒子を、有機質繊維の紡糸用液に、有
機質繊維に対し、好ましくは0.3重量%以上、より好
ましくは、0.5〜3重量%になるように加え、これを
紡糸することにより、所望のエレクトレット繊維が得ら
れる。この際、紡糸方法としては、使用する有機質繊維
の種類に応じて、従来慣用されている方法の中から適宜
選択すればよい。
【0024】
【発明の効果】本発明のエレクトレット繊維は、活性電
子放出物質として、産出場所が広く分布し、資源量が豊
富であって、安定的にかつ安価に入手しうる火成岩粒子
を含有するものであって、生体細胞を賦活し、皮下血行
の活性を促進する効果を有しており、各種疾病の治療や
健康維持に有効な繊維製品(衣服、布団綿、シーツな
ど)の材料として好適に用いられる。さらに、抗菌・防
臭機能、酸化粉塵除去機能、電磁波公害除去機能などを
有する繊維製品の材料としても有用である。
【0025】本発明のエレクトレット繊維は、上記のよ
うな優れた機能を有することから、今後の需要増が期待
でき、しかも量的に安定供給が可能であるので、その需
要増に十分に対応することができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0027】実施例1 (1)火成岩微粒子含有レーヨン繊維の製造 常法に従い、パルプ100重量部当り20重量%濃度の
か性ソーダ水溶液350重量部を加え、室温において2
時間かきまぜることによりアルカリセルロースを調製す
る。次いで、このアルカリセルロースに、二硫化炭素3
0重量部を加え室温で3時間かきまぜることによりセル
ロースキサントゲン酸ナトリウムの溶液を得る。次いで
これをか性ソーダ水溶液で希釈して紡糸原液(セルロー
ス8.7重量%、全アルカリ分6.0重量%、全硫黄分
2.4重量%)を調製し、これに水砕法で得られた粒子
径0.2μm以下(平均粒子径0.15μm)の花崗
岩、玄武岩及び安山岩微粒子それぞれを、繊維に対し、
1.0重量%の割合で均一に混合した。各花崗岩、玄武
岩及び安山岩の化学組成を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】このようにして得られた花崗岩、玄武岩、
安山岩微粒子を含有する紡糸原液を孔径0.08mm、
孔数50の紡糸口金を使用し、紡糸速度60m/分に
て、硫酸120g/リットルと硫酸ナトリウム280g
/リットルと硫酸亜鉛15g/リットルとを含有する温
度50℃の紡糸浴に紡糸したのち、通常の二浴緊張紡糸
法により延伸し、繊度15dの花崗岩、玄武岩、安山岩
微粒子含有レーヨン繊維A、B、Cを得た。同様にして
トルマリン微粒子1.0重量%を含有するレーヨン繊維
Dを作成した。
【0030】(2)水の電気伝導度の変化の測定 前記(1)で得た各種花崗岩、玄武岩、安山岩及びトル
マリン含有レーヨン繊維、さらにレーヨン繊維のみを用
いて、下記のようにして活性電子を発生させ、水の電気
伝導度の変化を測定した。
【0031】図1は、活性電子の発生状況を調べるため
の実験装置の概要図であり、試料活性装置における試料
活性器2の内部に設けた試料装着部3に各試料を装着す
る。送風ポンプ1から試料活性器2に、脱二酸化炭素な
どの処理が施された清浄な空気を100ml/分の速度
で導入する。この際、試料装着部3の試料は、試料活性
器2に設けたセラミックスなどの発熱体4により、35
℃に保持する。この温度調節のために、試料活性器2に
は、温度計5と温度センサー6が装備されている。
【0032】試料装着部3を通過した空気は、ビーカー
9中に収容されている蒸留水10(恒温槽8により、2
1℃に保持され、21℃における電気伝導度1.7μS
/cm)の水面上に吹き付けられる。蒸留水10には白
金棒11が挿入されており、その電気伝導度の変化を、
電気伝導度計12(ヒューレットパッカード社製、プレ
シジョンLCRメーター4285A)で測定した。な
お、7は電源である。
【0033】測定開始後、3時間経過するまでの時間と
電気伝導度との関係を、花崗岩、玄武岩、安山岩、トル
マリン含有レーヨン繊維及びレーヨン繊維のみについ
て、図2に、それぞれグラフ曲線A、B、C、D及びE
として示す。このグラフから分かるように、電気伝導度
の上昇度合いは、トルマリン含有レーヨン繊維Dが一番
高い値を示すが、花崗岩、玄武岩及び安山岩含有レーヨ
ン繊維それぞれA、B及びCも高い値を示し、いずれも
レーヨン繊維のみのEよりもかなり高いことが分かる。
【0034】実施例2 (1)花崗岩微粒子含有レーヨン繊維の製造 実施例1(1)において、粒子径0.2μm以下(平均
粒子径0.15μm)の花崗岩微粒子を用い、含有量を
0、0.3、0.5、1.0、2.0、3.0、4.
0、5.0、7.0重量%とした以外は、実施例1
(1)と同様にして花崗岩微粒子含有レーヨン繊維を作
成した。 (2)水の電気伝導度の変化の測定 前記(1)で得た各種花崗岩微粒子含有レーヨン繊維及
び花崗岩微粒子を含有しないレーヨン繊維を用い、実施
例1(2)と同様にして水の電気伝導度の変化を測定し
た。測定開始後、3時間経過した時点での花崗岩含有量
と電気伝導度との関係を図3にグラフ曲線Fとして示し
た。また、ここで得られた花崗岩微粒子含有量1.0重
量%と5.0重量%のレーヨン繊維について、高分解能
透過型電子顕微鏡(TEM,日本電子社製JEM−20
0CX)を用い、加速電圧160keVで観察したとこ
ろ、花崗岩微粒子含有量が1.0重量%のものは、その
粒径が0.02〜0.2μmの範囲であり、かつ大部分
が0.16μm以下で、しかも均一に分散していた。一
方、花崗岩微粒子5.0重量%のものは、粒径0.1μ
m以下の微粒子が凝集した状態となっており、この凝集
体の大きさは、0.2〜1.5μmのものが大部分を占
めていた。この事実は、花崗岩微粒子は、その含有量が
少ないと均一に分散するが、多くなると凝集を生じるこ
とを示している。このことは、図3のグラフにおいて、
花崗岩微粒子含有量が0.3〜3.0重量%の範囲内で
高い電気伝導度となっている事実に符合している。
【0035】比較例 (1)花崗岩微粒子含有レーヨン繊維の製造 実施例2(1)において、粒子径0.2μm以下(平均
粒子径0.15μm)の花崗岩微粒子の代わりに、粒子
径1.0μm以下(平均粒子径0.8μm)の花崗岩粒
子を用いた以外は、実施例2(1)と同様にして、花崗
岩微粒子含有レーヨン繊維を作成した。 (2)水の電気伝導度の変化の測定 前記(1)で得た各種花崗岩微粒子含有レーヨン繊維を
用い、実施例1(2)と同様にして水の電気伝導度の変
化を測定した。測定開始後、3時間経過した時点での電
気伝導度と花崗岩含有量との関係を図3にグラフ曲線G
として示した。
【0036】応用例1 サーモグラフィによる皮膚温度
の測定 サーモグラフィは皮膚温度を超高感度の赤外線カメラで
とらえ、温度分布(サーモグラム)を10色のカラーに
置き換えて表示するものである。恒温シールド室内にお
いて、実施例2で得られた試料の粒子径0.2μm以下
(平均粒子径0.15μm)の花崗岩微粒子1.0重量
%を含有するレーヨン繊維を用いて作成した敷マットJ
(この繊維素材の3時間後の水の電気伝導度2.35μ
S/cm)と、比較例で得られた粒子径1.0μm以下
(平均粒子径0.8μm)の花崗岩微粒子1.0重量%
を含有するレーヨン繊維を用いて作成した敷マットK
(この繊維素材の3時間後の水の電気伝導度2.20μ
S/cm)と、花崗岩微粒子を含有しないレーヨン繊維
を用いて作成した敷マットL(この繊維素材の3時間後
の水の電気伝導度1.90μS/cm)の上に、それぞ
れ健康成人の被験者を仰臥位とし、サーモグラム(皮膚
温分布)の測定を行った。その結果、粒子径0.2μm
以下の花崗岩微粒子含有敷マットJでは、仰臥中及びそ
の後においても、両足の皮膚温は1.0℃上昇し、皮下
血行を盛んにしていることが分かる。次に、粒子径1.
0μm以下の花崗岩微粒子含有敷マットKでは、わずか
に両足の皮膚温の上昇が認められたが、花崗岩微粒子を
含まない敷マットLでは、仰臥中及びその後においても
ほとんど皮膚温に変化がみられなかった。
【0037】この知見により、花崗岩微粒子含有レーヨ
ン繊維は、皮膚温を上昇させ、皮下血行を盛んにさせる
ことが判明するとともに、花崗岩微粒子の粒子径に対応
して皮膚温が上昇し、かつ電気伝導度の測定値と対応す
ることが判明した。このことより、水の電気伝導度を測
定することにより、活性電子の放出量を知り、かつ生体
細胞に対する賦活効果、すなわち、皮下血行の活性度合
いを推測できることが分かった。また、このように花崗
岩などの火成岩微粒子を用いることにより、安価な活性
電子放出エレクトレット繊維を作成しうることが分かっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 活性電子の発生状況を調べるための実験装置
の概要図。
【図2】 各種花崗岩微粒子含有レーヨン繊維及び花崗
岩微粒子を含有しないレーヨン繊維における水の電気伝
導度の経時変化の例を示すグラフ。
【図3】 花崗岩微粒子含有レーヨン繊維における花崗
岩微粒子含有量と水の電気伝導度との関係の例を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
1 送風ポンプ 2 試料活性器 3 試料装着部 4 発熱体 8 恒温槽 9 ビーカー 10 蒸留水 12 電気伝導計

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質繊維に対し、粒子径0.2μm以
    下の火成岩微粒子を含有させたことを特徴とするエレク
    トレット繊維。
  2. 【請求項2】 有機質繊維に対し、粒子径0.2μm以
    下の火成岩微粒子0.5〜3重量%を含有させてなる請
    求項1記載のエレクトレット繊維。
  3. 【請求項3】 有機質繊維がレーヨン繊維である請求項
    1又は2記載のエレクトレット繊維。
  4. 【請求項4】 火成岩微粒子が粒子径0.2μm以下、
    平均粒子径0.15μm以下の花崗岩粒子である請求項
    1,2又は3記載のエレクトレット繊維。
  5. 【請求項5】 火成岩を乾式粉砕後、湿式粉砕し、分級
    処理して得られた粒子径0.2μm以下の火成岩微粒子
    を、有機質繊維の紡糸用液に加え、次いでこれを紡糸す
    ることを特徴とするエレクトレット繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 湿式粉砕し、分級処理して得られた粒子
    径0.2μm以下の火成岩微粒子を、有機質繊維の紡糸
    用液に、繊維に対し0.5〜3重量%になるように加
    え、次いでこれを紡糸する請求項5記載のエレクトレッ
    ト繊維の製造方法。
JP24154197A 1997-09-05 1997-09-05 エレクトレット繊維及びその製造方法 Pending JPH1181032A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24154197A JPH1181032A (ja) 1997-09-05 1997-09-05 エレクトレット繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24154197A JPH1181032A (ja) 1997-09-05 1997-09-05 エレクトレット繊維及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1181032A true JPH1181032A (ja) 1999-03-26

Family

ID=17075900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24154197A Pending JPH1181032A (ja) 1997-09-05 1997-09-05 エレクトレット繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1181032A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007002384A (ja) * 2004-09-30 2007-01-11 Fujiyama:Kk 溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維及びその製造方法
WO2007144991A1 (ja) * 2006-06-13 2007-12-21 K Style Co., Ltd. 生体活性材、履物用中敷及び履物用中敷の製造方法
JP2010517915A (ja) * 2007-02-07 2010-05-27 ユニミン コーポレーション 霞石閃長岩粉末を処理して超微細粒径生成物を生成する方法
JP2018024966A (ja) * 2016-07-29 2018-02-15 株式会社SML−Technology 遠赤外線放射繊維、不織布、糸状体、及び遠赤外線放射繊維の製造方法
KR20190072399A (ko) * 2018-08-23 2019-06-25 한국세라믹기술원 석탄회 및 암석을 이용한 세라믹 장섬유 및 그 제조 방법
KR102018217B1 (ko) * 2018-09-14 2019-09-04 한국세라믹기술원 현무암 및 망간 슬래그를 이용한 세라믹 장섬유 및 세라믹 단섬유, 및 그 제조 방법

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007002384A (ja) * 2004-09-30 2007-01-11 Fujiyama:Kk 溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維及びその製造方法
WO2007144991A1 (ja) * 2006-06-13 2007-12-21 K Style Co., Ltd. 生体活性材、履物用中敷及び履物用中敷の製造方法
JP2010517915A (ja) * 2007-02-07 2010-05-27 ユニミン コーポレーション 霞石閃長岩粉末を処理して超微細粒径生成物を生成する方法
JP2018024966A (ja) * 2016-07-29 2018-02-15 株式会社SML−Technology 遠赤外線放射繊維、不織布、糸状体、及び遠赤外線放射繊維の製造方法
JP2022009122A (ja) * 2016-07-29 2022-01-14 株式会社SML-Technology 農業用資材及び植物の生育方法
KR20190072399A (ko) * 2018-08-23 2019-06-25 한국세라믹기술원 석탄회 및 암석을 이용한 세라믹 장섬유 및 그 제조 방법
KR102018217B1 (ko) * 2018-09-14 2019-09-04 한국세라믹기술원 현무암 및 망간 슬래그를 이용한 세라믹 장섬유 및 세라믹 단섬유, 및 그 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE60117534T2 (de) Zusammensetzung für ferninfrarotbestrahlung mit excellenten antistatischen eigenschaften und faser- sowie textilprodukt beides dieses enthaltend
CN1923294A (zh) 抗菌、除臭、净化空气的组合物、其制备方法及应用
CN1792997A (zh) 多功能纳米生物陶瓷组合物及其制备方法
JPH1181032A (ja) エレクトレット繊維及びその製造方法
JP2022009122A (ja) 農業用資材及び植物の生育方法
CN105413628B (zh) 保健型负离子远红外颗粒及其制备原料、制备方法和应用
KR100777064B1 (ko) 천연의 미네랄을 포함하는 미용맛사지팩의 제조방법
KR20030054074A (ko) 광화석 분말을 함유한 다기능성 섬유 및 그 제조방법
JP3550106B2 (ja) 複合繊維構造物
CN1376814A (zh) 一种载银电气石多功能纤维及其制造方法
CN1470682A (zh) 具有负离子远红外抗菌保健功能的纤维的制法及其制品
KR20130034308A (ko) 고분산 무기질 분말을 함유하는 기능성 섬유의 제조방법
CN109097906A (zh) 用于汽车的抗菌吸音棉
JP2007002384A (ja) 溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維及びその製造方法
JP3297581B2 (ja) トルマリン微粒子含有レーヨン繊維
JP2001192927A (ja) 電気石練り込み抗菌機能性繊維
JP3682942B2 (ja) トルマリン微粒子含有キュプラ法による再生セルロース繊維
KR100544780B1 (ko) 항균성 해도형 폴리에스터계 복합섬유 및 그 제조방법
US5863653A (en) Rayon fiber containing tourmaline particles and method for the preparation thereof
KR101933854B1 (ko) 문자표출형 원적외선 의류
KR970006654A (ko) 원적외선 방사용 세라믹이 도포된 섬유 및 그 제조 방법
KR20090081283A (ko) 침구용 솜의 제조방법
CN108773114A (zh) 透气多功能面料
KR100419118B1 (ko) 희토화합물을 원료로 하는 항균섬유의 제조방법
JP2003171169A (ja) 遠赤外線放射材料