JP2007002384A - 溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遠赤外線を放射する能力に優れた溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を提供する。
【解決手段】天然繊維もしくは化学繊維の母体に、溶岩を粉砕してなる多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰を付加させてなることを特徴とする溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維。
【選択図】 図1

Description

この発明は、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維及びその製造方法に関するものである。
従来より、布団綿として用いられるレーヨン繊維や、衣料用レーヨン繊維等の繊維に、遠赤外線放射性を与えることが行われている。これは、布団や衣服の防寒機能を高めるためである。また、カーペットや壁張り布等に用いられるレーヨン繊維等の繊維にも、遠赤外線放射性を与えることが行われている。これは、カーペット等の防寒機能を高めるとともに、抗菌作用を持たせて雑菌の繁殖を防止するためでもある。
このような遠赤外線放射の可能なレーヨン繊維等として、レーヨン繊維母体中に、フタロシアニンの金属錯体を吸着させた活性炭微粒子を含有させたものが知られている(特開昭63−300769号公報 特許文献1参照)。この活性炭微粒子入り繊維は、活性炭微粒子に吸着させたフタロシアニンの金属錯体と、臭気分子とを化学反応させることによって、臭気分子を無臭分子(無臭成分)に変換させるものである。したがって、活性炭微粒子は、フタロシアニンの金属錯体を坦持するためだけに使用されているものであり、遠赤外線を放射させるために使用されているものではない。
特開昭63−300769号公報
ところが、溶岩パウダーおよび/または火山灰、とりわけ富士山系で採取される溶岩パウダーおよび/または火山灰をレーヨン繊維等の繊維の母体に付加すると、活性炭微粒子に優れたレーヨン繊維等の繊維が得られることを発見した。そして、さらに富士山系で採取される溶岩パウダーおよび/または火山灰が亜鉛を豊富に含むことやバナジウムを豊富に含むことから、抗菌作用が大幅に向上することをも発見した。この発明は、このような知見に基づいて、なされたものである。
すなわち、この発明の溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維は、天然繊維もしくは化学繊維の母体に、溶岩を粉砕してなる多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰を付加してなることを特徴とするものである。
上記天然繊維には植物繊維や動物繊維、鉱物繊維が含まれ、植物繊維の例としては綿、コットン、麻が挙げられる。動物繊維の例としては毛、羊毛、獣毛、絹が挙げられる。鉱物繊維の例としてはアスベストがある。
化学繊維には再生繊維や半合成繊維、合成繊維、無機繊維が含まれ、再生繊維の例としてはレーヨン、ポリノジック、キュプラが挙げられる。半合成繊維の例としてはアセテートやトリアセテート、プロミックスが、合成繊維としてはナイロンその他のアラミド系繊維、ポリエステル、アクリルその他のアクリル系繊維、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系繊維、ポリウレタン等が挙げられる。さらに無機繊維としてはガラス繊維や炭素繊維、金属繊維が挙げられる。
なお、この発明を好適に適用できるレーヨン繊維としては一般的にビスコースレーヨン繊維が用いられるが、キュプラレーヨン繊維やアセテートレーヨン繊維であっても良い。
この発明は、上記繊維母体に付加する素材として、溶岩を粉砕してなる溶岩パウダーおよび/または火山灰を用いた点に最大の特徴を有するものである。上記付加の手段としては化学繊維母体中に練り込んだり、天然繊維もしくは化学繊維の表面にコーティングすることが考えられ、いずれの場合もこの発明の適用を受けるものである。
練り込み方式において、レーヨン繊維等の繊維母体中に溶岩パウダーを練り込んでも遠赤外線放射機能が低下しにくい理由は、以下のように考えられる。溶岩そのものは小さい気孔を大量に含むものであり、このような溶岩を粉砕して微粒子にすると、どうしても表面が滑らかな球形にならず、凹凸を持った不定形となる。このような溶岩パウダーを多数、例えばレーヨン繊維母体中に練り込むと、図1(溶岩パウダー入り繊維の横断面を示す模式図である。)に示すように、微粒子表面の凸部がレーヨン繊維表面に接触している箇所aが多数生じる。この箇所aでは、溶岩パウダーの凸部が外部へ露出している場合もある。また、外部へ露出してはいないがレーヨン繊維表面が擦られると、レーヨン繊維表面が損傷し、その結果、外部へ溶岩パウダーの凸部が露出する場合もある。このように溶岩パウダーの凸部が表面に露出することにより、遠赤外線放射機能が発揮されることが考えられる。
とはいえ、溶岩パウダーの遠赤外線放射機能は非常に強力であり、上記のような露出部分がなくても、多数の溶岩パウダーを母体中に練り込んだレーヨン繊維は、充分遠赤外線放射機能を発揮することができる。
このような遠赤外線放射機能は、火山灰、とりわけ富士山系で採取される火山灰を用いた場合においても充分発揮されることが分かった。
また、上記溶岩パウダーの遠赤外線は身体等への浸透性が高く、繊維製品に採用した場合には防寒機能を高めるとともに、抗菌作用を持たせて雑菌の繁殖を防止することができるのである。
この発明に係る溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維は、一般的に、以下のようにして製造される。まず、溶岩を準備し、これを粉砕して多数の溶岩パウダーを得る。粉砕方法は、従来公知の任意の粉砕法を用いることができる。好ましい粉砕方法は、粗砕した後、微粉砕を行う二段階粉砕法が良い。特に、粗砕を乾式粉砕で行い、微粉砕を湿式粉砕で行う、二段階粉砕法が最も好ましい。粉砕機としては、従来公知の任意のものを用いることができるが、粗砕ではハンマーミルやロールクラッシャー等を用いるのが好ましく、微粉砕ではボールミルや塔式摩砕機等を用いるのが好ましい。
火山灰の場合は特に粉砕を必要としない場合が多いが、篩をかけて微細な粒径のものを選別して使用することが望ましい。
溶岩パウダーおよび/または火山灰の粒子径は、例えばレーヨン繊維母体中に練り込み可能な程度であれば、任意であるが、好ましくは、多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰のうち、その95%以上が粒子径1.0・m未満であるのが良い。粒子径1.0・m未満のものが95%未満であると、例えばビスコースに溶岩パウダーおよび/または火山灰を添加混合すると、ビスコースが増粘しゲル化を生じる恐れがある。なお、溶岩パウダーおよび/または火山灰の粒子径分布は、コールカウンター等を用いて測定すれば良い。得られた多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰は、水に分散させて水分散液とする。溶岩パウダーおよび/または火山灰を水に分散させるには、界面活性剤等の適当な分散剤を用いても良いし、また用いなくても良い。さらに、溶岩パウダーおよび/または火山灰を得るのに、水(界面活性剤等の分散剤が含有されている場合もある。)を用いて湿式粉砕した場合には、そのままで水分散液となっているので、それを用いても良い。水分散液中における溶岩パウダーおよび/または火山灰の割合は、5〜80重量%であるのが好ましい。5重量%未満であると、レーヨン繊維母体中に練り込まれる溶岩パウダーおよび/または火山灰の数が少なくなる傾向が生じる。また、80重量%を超えると、安定に溶岩パウダーおよび/または火山灰が分散した水分散液を得られにくくなる傾向が生じる。
一方、この水分散液が添加混合されるビスコースとしては、従来公知のビスコースレーヨン繊維の製造に用いられるもので良い。具体的には、セルロース含有率が7〜10%程度で、苛性ソーダ等のアルカリがセルロースに対して50〜80%程度含有されているビスコース(例えばセルロース含有率:9%、アルカリ含有率:6%)を用いれば良い。ビスコース中には、所望により、各種金属塩や帯電防止剤等の任意の添加剤が含有されていても良い。ビスコースに、多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰が分散されてなる水分散液を添加混合する時期は、ビスコースを紡糸する前であれば、いつでも良いが、紡糸する直前に、添加混合するのが最も好ましい。添加混合した後、長時間経過すると、溶岩パウダーおよび/または火山灰が凝集したり、沈降したりして、均一な混合状態を維持しにくくなる傾向が生じる。また、添加方法としては、従来公知の任意の方法を採用しうるが、水分散液をインジェクションポンプによって、ビスコース中に定量的且つ連続的に添加するのが好ましい。
ビスコース中への溶岩パウダーおよび/または火山灰の添加量は任意であるが、一般的に、ビスコース中のセルロース重量に対して、1〜40重量%であるのが好ましく、5〜20重量%であるのがより好ましい。溶岩パウダーおよび/または火山灰の添加量が1重量%未満になると、レーヨン繊維母体中に練り込まれる溶岩パウダーおよび/または火山灰の数が少なくなり、十分な遠赤外線放射機能を発揮できない恐れがある。また、溶岩パウダーおよび/または火山灰の添加量が40重量%を超えると、紡糸性が低下したり、得られた溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維から溶岩パウダーおよび/または火山灰が脱落しやすくなったり、あるいは溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維の強度や伸度等の物性が低下したりする傾向が生じる。
多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰が分散されてなる水分散液を、ビスコースに添加混合した後、レーヨン繊維を製造するときと同様の方法で紡糸する。具体的には、ビスコースを紡糸ノズルから凝固液(液温40〜50℃程度)中に紡速50m/分の速度で押し出せば良い。凝固液は、硫酸80〜120g/l、硫酸亜鉛15g/l及び硫酸ソーダ50〜360g/lを主成分として含有するものである。凝固液中に押し出されたビスコースは、再生セルロースになると共に凝固し、その後所望により延伸・切断・捲縮・精錬・オイリング・乾燥を施され、レーヨン繊維が得られるのである。この発明においては、ビスコース中に溶岩パウダーおよび/または火山灰が添加混合されているため、この方法によって、レーヨン繊維母体中に、多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰が分散された状態の溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維が得られるのである。
特にレーヨン繊維の場合には、図2に示すように、製造過程中に繊維表面に粗面状のスキン層が形成され、当該スキン層に含有される溶岩パウダーおよび/または火山灰が密になることが確認された。もちろん中心のコア層に含有される溶岩パウダーおよび/または火山灰は粗であった。したがって溶岩パウダーおよび/または火山灰がスキン層に豊富に含有されていることにより、遠赤外線放射機能がより大きく発揮されることとなる。
上記においてはこの発明をレーヨン繊維に適用した場合について説明したが、繊維として上記化学繊維を用いた場合には、ほぼ同様にして溶岩パウダーおよび/または火山灰が練り込まれた溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を得ることができる。ただし、例えばポリエステル繊維の場合には、溶岩パウダーおよび/または火山灰が練り込まれる量は最大約8%であり、発明者の知見では溶岩パウダーおよび/または火山灰の練り込み可能な量はレーヨン繊維に対してが最も多かった。
なおまた、予め製造してある天然繊維もしくは化学繊維に多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰が分散されてなる水分散液を接触させることにより、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を得ることもできる。例えば多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰が分散されてなる水分散液に繊維を浸漬したり、吹き付けたりすることにより、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を得ることができるのである。
もちろん上記水分散液のみでは繊維にコーティングした溶岩パウダーおよび/または火山灰が剥落してしまう場合には、適宜繊維への接着力を高める材料を添加することが望ましい。
以上のようにして得られた溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維は、長繊維のまま用いても良いし、所望の繊維長に切断して短繊維として用いても良い。このような溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を用いて、紡績して糸を得れば、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り糸となる。また、糸を得ないで、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を集積すれば溶岩パウダーおよび/または火山灰入り布団綿とすることもできるし、あるいは溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維相互間を任意の手段で結合して不織布を得れば、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り不織布となる。さらに、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り糸を編織すれば、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り編織物となる。溶岩パウダーおよび/または火山灰入り不織布や溶岩パウダーおよび/または火山灰入り編織物は、従来公知の用途、例えば、衣料用素材として好適に用いることができる。また、ベッドシーツ、ベッドパッド、枕カバー、毛布、カーペット、壁張り布、ぬいぐるみの生地、カーテン、掛け布、座布団カバー、自動車の内張り布等の素材しても好適に用いることができる。
溶岩を生成する地中マントルは、岩石の化学組成に類似した成分の溶融状態にあるものと考えられ、鉄、ニッケル、コバルト等の合金がどろどろに溶けた高温の状態のものである。例えばこれが地上3700mに噴出し、富士山を形成しているのであって、その成分からなる凝固物が溶岩(火成岩)と呼ばれるものである。
この溶岩は次第に風化し、その成分が薄いや河川の水に溶けたまま流下した地域における湖底や海底には、ミネラル分が豊富に含まれていることが知られている。これは上記溶岩に多種類のミネラル分が豊富に含まれていたためである。
実際に溶岩の成分を検査してみると、30種類にも及ぶミネラルが検出され、しかも生体に極めてよい影響を及ぼすミネラルバランスであることも明らかとなっている。
そこで、富士山系の溶岩をパウダー状にし、人体に直接接するようにしたり、または近づけることにより、溶岩の含有するミネラルと人体が保有するミネラルとが化学的に結合(イオン結合、共有結合、配位結合、水素結合)して、体内のミネラルをバランスよく増加させる結果となり、ミネラル欠乏症、過剰症を是正してくれることがわかった。
以上のように溶岩から効率よくミネラル分を摂取することにより、次のことが明らかとなった。
1. ミネラル分の欠乏は肌荒れ、抜け毛、老化現象、免疫力の低下、糖尿病など種々様々な症状となって現れ、ミネラルを補給することでその回復が図られる。したがって溶岩からミネラル分を補給することで美しく若返る結果となる。
2. ミネラル事典(糸川嘉則著)には、特に老化の有力な原因としてミネラル欠乏を上げ、治療は通常栄養量よりはるかに多い量を用いて種々の病的状態を回復させることが多くの報告で認められてきているとの記載がある。
この発明の溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維からなる製品を用いた110人のアンケート結果は表1の通りである。

Figure 2007002384
上記以外の効果として次のような例が挙げられる。
1. 特に溶岩のミネラル分のうち亜鉛、モリブデン、銅は共同して肌や髪の毛にたっぷり栄養を与えてくれる(温熱効果は大)。
2. 溶岩の持つ殺菌力は肌につく悪玉菌をやっつけるので、肌が衛生的になる。
3. 老化してできたしみは、ミネラル分の補給により次第に目立たなくなる。
4. しみ、ほくろなどの色が次第に薄れてくる。
5. 髪の毛は抜け毛が解消され、太くなりふさふさしてくる。
6. 溶岩の持つ殺菌力により、肌着においては汗をかいても臭うことがなく、シーツ類にあっては汗をかいた肌着を着て寝ても、翌朝汗の臭いが消えてしまい、老人臭も解消する。
7. 洗濯機等で洗濯する際、洗剤を入れなくてもきれいに選択することができる。
以下、実施例に基づいて、この発明を説明するが、この発明は実施例に限定されるものではない。この発明は、溶岩パウダーおよび/または火山灰は、レーヨン繊維等の繊維母体中に練り込んでも、その消臭機能があまり失われないという発見に基づくものとして、解釈されるべきである。
(溶岩パウダーを用いた例)
見掛け比重1.95g/cm2の富士山系の溶岩を乾式粉砕した後、更に湿式粉砕処理を行い、溶岩パウダーの水分散液(溶岩パウダーの重量割合は20重量%)を得た。この溶岩パウダーは、その95%以上が粒子径1.0・m未満であり、数平均粒子径0.7・m程度であり、最大粒子径が2.5・mであった。
一方、原料パルプを約18%の苛性ソーダ水溶液に浸漬し、圧搾・粉砕によりアルカリセルロースを得た。これを老成した後、二酸化炭素を反応させ、セルロースザンテートを得、次いで希釈苛性ソーダ水溶液で溶解し、ビスコースを調整した。このビスコースは、セルロース含有率8.8%、アルカリ含有率5.9%で、粘度が50秒(落球式)であった。
紡糸直前の上記ビスコースに、上記の水分散液を、インジェクションポンプにより、定量的且つ連続的に添加し、均一に混合した。この際、溶岩パウダーの添加量が、ビスコース中のセルロース重量に対して、10重量%となるようにした。この後、溶岩パウダー含有ビスコースを、ノズル径0.06mm、孔数10,000の紡糸口金から、紡糸速度68m/分にて、凝固・再生浴中に紡糸した。凝固・再生浴は、硫酸110g/l、芒硝350g/l、硫酸亜鉛15g/lを含有するものであり、その液温は45℃とした。紡糸後は、常法の二浴緊張紡糸法により延伸した後、切断し、繊度1.5デニールで繊維長51mmの溶岩パウダー入りレーヨン短繊維を得た。
参考写真1はその断面を示す顕微鏡写真、また参考写真2はその側面を示す顕微鏡写真である。
この溶岩パウダー入りレーヨン短繊維は、溶岩パウダーの含有率が10.2重量%であり、乾強度が1.98g/dで、乾伸度が19.8%であった。即ち、通常のビスコースレーヨン短繊維と比較して、ほぼ同一の強伸度を持つものであり、実用上、何ら問題のないものであった。
〔遠赤外線放射試験〕実施例1で得られた溶岩パウダー入りレーヨン短繊維30gは、元の富士山系の溶岩の特長である極めて優れた遠赤外線放射率(90%以上)を持っており、熱を受けると強力な「遠赤外線」を放射する。これは太陽光線が放射するのと同じものであった。
〔抗菌試験〕実施例1で得られた溶岩パウダー入りレーヨン短繊維30gは、極めて強力な抗菌作用を有していた。すなわち富士山系の溶岩には、驚くべき殺菌能力があることが判明した。溶岩に浸した水は、4大食中毒細菌のサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター菌、病原性大腸菌に対して強い殺菌作用がある。さらに最近話題のピロリ菌やMRSA菌、O-157菌、歯周病菌に対しても有効な殺菌効果を持っている。このような抗菌作用を実施例で得られた溶岩パウダー入りレーヨン短繊維も有していたのである。
〔紫外線照射試験〕実施例で得られた溶岩パウダー入りレーヨン短繊維30gからなる織物の紫外線カット作用を確認した。
得た結果を図3に示す。図3に示すように、溶岩パウダー入りレーヨン短繊維には、顕著な紫外線カット作用があることが判明した。
表2に富士山系の溶岩が含有しているミネラル分を示す。
Figure 2007002384
表2から明らかなように、溶岩パウダー入りレーヨン短繊維は、亜鉛を極めて豊富に含有し、亜鉛が備えている抗菌作用を有効に利用しうるものであることが分かる。したがって、実施例に係る溶岩パウダー入りレーヨン短繊維を用いれば、活性炭等を利用したものよりも、抗菌作用に優れるという予期せぬ効果を奏するものである。
したがって、実施例1に係る溶岩パウダー入りレーヨン短繊維を一般的な用途(例えば、衣料用、布団綿、ベッドシーツ、枕カバー)に用いれば、遠赤外線が豊富に発生し、人体に対して好ましい環境を与えうると考えられる。
(火山灰を用いた例)
見掛け比重1.60g/cm2の富士山系の火山灰を篩にかけた後、更に湿式粉砕処理を行い、溶岩パウダーの水分散液(溶岩パウダーの重量割合は20重量%)を得た。この溶岩パウダーは、その95%以上が粒子径1.0・m未満であり、数平均粒子径0.7・m程度であり、最大粒子径が2.5・mであった。
一方、原料パルプを約18%の苛性ソーダ水溶液に浸漬し、圧搾・粉砕によりアルカリセルロースを得た。これを老成した後、二酸化炭素を反応させ、セルロースザンテートを得、次いで希釈苛性ソーダ水溶液で溶解し、ビスコースを調整した。このビスコースは、セルロース含有率8.8%、アルカリ含有率5.9%で、粘度が50秒(落球式)であった。
紡糸直前の上記ビスコースに、上記の水分散液を、インジェクションポンプにより、定量的且つ連続的に添加し、均一に混合した。この際、火山灰の添加量が、ビスコース中のセルロース重量に対して、10重量%となるようにした。この後、火山灰含有ビスコースを、ノズル径0.06mm、孔数10,000の紡糸口金から、紡糸速度68m/分にて、凝固・再生浴中に紡糸した。凝固・再生浴は、硫酸110g/l、芒硝350g/l、硫酸亜鉛15g/lを含有するものであり、その液温は45℃とした。紡糸後は、常法の二浴緊張紡糸法により延伸した後、切断し、繊度1.5デニールで繊維長51mmの火山灰入りレーヨン短繊維を得た。
この火山灰入りレーヨン短繊維は、火山灰の含有率が10.2重量%であり、乾強度が1.98g/dで、乾伸度が19.8%であった。即ち、通常のビスコースレーヨン短繊維と比較して、ほぼ同一の強伸度を持つものであり、実用上、何ら問題のないものであった。
〔遠赤外線放射試験〕実施例2で得られた火山灰入りレーヨン短繊維30gは、元の富士山系の火山灰の特長である極めて優れた遠赤外線放射率(90%以上)を持っており、熱を受けると強力な「遠赤外線」を放射する。これは太陽光線が放射するのと同じものであった。
この発明に係る溶岩パウダーおよび/または火山灰が母体に付加されてなる溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維は、実施例にて実証したように、極めて優れた溶岩パウダーおよび/または火山灰入り能を持つものである。また、活性炭等を利用したものよりも、優れた抗菌作用を持つものである。この作用は明らかではないが、レーヨン繊維等の繊維母体中に埋入されている溶岩パウダーおよび/または火山灰表面が凹凸を持っているので、レーヨン繊維表面に露出しやすいため、及び溶岩パウダーおよび/または火山灰が微粒子状に粉砕されているので、極めて比表面積が大きくなっているため、と考えられる。したがって、この発明に係る溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維を、布団綿、ベッドシーツ、枕カバー、衣料用素材等として用いれば、溶岩パウダーおよび/または火山灰入り能に優れ、しかも抗菌作用が大幅に向上して雑菌の繁殖を防止し、快適な生活環境を得ることができるという効果を奏する。また、レーヨン繊維及び溶岩パウダーおよび/または火山灰ともに、人体に対して悪影響の少ないものであるから、上記した効果をより助長しうるものである。
この発明の一例に係る溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維の横断面を、模式的に示した図である。 この発明の一例に係る溶岩パウダーおよび/または火山灰入りレーヨン繊維の横断面を、模式的に示した図である。 この発明の一例に係る溶岩パウダーおよび/または火山灰入りレーヨン繊維の紫外線カット作用を示ずグラフである。

Claims (4)

  1. 天然繊維もしくは化学繊維の母体に、溶岩を粉砕して得た多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰を付加したことを特徴とする溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維。
  2. 化学繊維の母体に、溶岩を粉砕して得た多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰を練り込んで紡糸したことを特徴とする溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維。
  3. 天然繊維もしくは化学繊維の母体に、溶岩を粉砕して得た多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰をコーティングしたことを特徴とする溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維。
  4. 多数の溶岩パウダーおよび/または火山灰は、その95%以上が粒子径1.0・m未満である請求項3に記載の溶岩パウダーおよび/または火山灰入り繊維の製造方法。
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