JP2003119547A - イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板 - Google Patents

イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板

Info

Publication number
JP2003119547A
JP2003119547A JP2001312376A JP2001312376A JP2003119547A JP 2003119547 A JP2003119547 A JP 2003119547A JP 2001312376 A JP2001312376 A JP 2001312376A JP 2001312376 A JP2001312376 A JP 2001312376A JP 2003119547 A JP2003119547 A JP 2003119547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
earring
value
less
steel
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001312376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3996754B2 (ja
Inventor
Teruaki Yamada
輝昭 山田
Michihiro Koino
通博 濃野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001312376A priority Critical patent/JP3996754B2/ja
Publication of JP2003119547A publication Critical patent/JP2003119547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3996754B2 publication Critical patent/JP3996754B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板を
提供すること。 【解決手段】 (1)重量%で、C:0.0050〜
0.0170%、Si:≦0.35%、Mn:≦1.0
%、P:≦0.020%、S:≦0.025%、sol
Al:0.005〜0.100%、N:≦0.0070
%、Ti:(6〜20)×C%、Nb:≦0.04%、
残部がFeおよび不可避元素からなる組成で、Δr値が
+0.15〜−0.12の範囲、平均r値≧1.40、
再結晶粒のGS.noが8.5〜11.0で、イヤリン
グ率が1.0%以下であることを特徴とするイヤリング
性の極めて優れた絞り缶用鋼板。および(2)Nb含有
量が0.050%以下を複合添加する組成、(3)N
b:(3〜15)×C%単独含有する組成、(4)C:
0.0070〜0.0130wt%に規制した組成のイ
ヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 イヤリング性の極
めて優れた絞り缶用鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絞り缶用鋼板は、 冷延鋼板のまま或いは
Snメッキ、Niメッキ、Crメッキ、Sn−Niメッ
キ等の各種のメッキが施されたメッキ鋼板で、 一段の絞
り加工、厳しい多段の絞り加工、 DI(Drawn &
Ironed)加工等を行い、缶容器例えば電池缶(
以下、単に絞り缶と称する)に製缶される、 或は、 製缶
後Snメッキ、Niメッキ、Crメッキ、Sn−Niメ
ッキ等の各種のメッキまたは塗装が施され缶容器とな
る。
【0003】従来技術としては、 特公平7−59734
号公報等の方法或いは板金プレス成形分科会第29回S
MFセミナー資料「製缶技術と製缶材料の最新動向(平
成6年10月7日/於名古屋大学)」/文献−1で紹介
されている技術等があるが、例えば、絞り缶のイヤリン
グに伴う鋼板歩留まりの更なる改善の要求、電池缶等の
絞り成形のプレス速度が速くなり、その結果、多段プレ
ス或いはDI絞り工程においてイヤリング起因に伴う工
程間の順送りトラブル、イヤリング先端のちぎれによる
押し疵などの問題が発生し易くなり、 より極めて優れた
イヤリング性が要求されるようになるなど、例えば、特
公平7−59734号公報のような単にΔr値を約ゼロ
にするような方法ではイヤリング性が不十分で、より厳
しい電池缶のような絞り缶の成形には耐えられないもの
も現れるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、 イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 上記課題
を解決する鋼板を提供することについて、 鋭意検討を行
い本発明を完成したものであり、 その要旨とするところ
は下記の通りである。 (1)重量%で、C:0.0050〜0.0170%、
Si:≦0.35%、Mn:≦1.0%、P:≦0.0
20%、S:≦0.025%、solAl:0.005
〜0.0100%、N:≦0.0070%、Ti:(6
〜20)×C%、残部がFeおよび不可避元素からなる
組成で、Δr値が+0.15〜−0.12の範囲、平均
r値≧1.40、 再結晶粒のGS.noが8.5〜1
1.0で、イヤリング率が1.0%以下であることを特
徴とするイヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板。
【0006】(2)前記(1)において、 Nb含有量が
0.050%以下であるイヤリング性の極めて優れた絞
り缶用鋼板。 (3)重量%で、C:0.0050〜0.0170%、
Si:≦0.35%、Mn:≦1.0%、P:≦0.0
20%、S:≦0.025%、solAl:0.005
〜0.0100%、N:≦0.0070%、Nb:(3
〜15)×C%、残部がFeおよび不可避元素からなる
組成で、Δr値が+0.15〜−0.12の範囲、平均
r値≧1.40、 再結晶粒のGS.noが8.5〜1
2.0で、イヤリング率が1.0%以下であることを特
徴とするイヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板。
【0007】(4)前記(1)〜(3)において、 C:
0.0070〜0.0130%で、イヤリング率が更に
低いことを特徴とするイヤリング性の極めて優れた絞り
缶用鋼板。 (5)前記(1)〜(4)において、 C:0.0070
〜0.0130%で、B含有量が0.0002%以下で
ある二次加工性にも優れたイヤリング性の極めて優れた
絞り缶用鋼板。 (6)前記(1)〜(5)において、 鋼板の表面にNi
メッキ、Ni拡散メッキ、Snメッキ、TFSメッキが
施されたイヤリング性の極めて優れた絞り缶用メッキ鋼
板にある。
【0008】以下に本発明について詳細に述べる。本発
明者らは、前述の文献−1の図4にも、「Δr値をほぼ
ゼロにすることで良好なイヤリング性が得られるが、し
かし、Δr値をゼロにしてもなおかつイヤリングは1.
0〜3%と大きくばらついていることと共に、イヤリン
グを1%以下にはできていないこと」が示されているよ
うに、イヤリングは、Δr値がゼロでも大きくばらつく
ことに着目し、イヤリング値を更に優れたものにする方
法について検討した。
【0009】本発明者らは、 前述の文献に紹介されてい
る図3の高r値(2.0前後レベル)である0.009
C−0.118Ti( いわゆるTi添加の極低炭素
鋼)、特公平7−59734号公報の高Al−Al−K
鋼をBAF(箱焼鈍)する方法、等種々の鋼種につい
て、イヤリング性が最も良くなると紹介されている冷延
率(87〜88%)前後に調整し、 再結晶焼鈍を行い
1.0%の調質圧延を施し冷延鋼板を造り、 絞り缶を試
作し、Δr値{=(r0 +r90)/2− r45,....r
0 ,r90,r45:r値測定用引張り試験片の方向と圧延
方向とのなす角度がそれぞれ0°,90°,45°であ
るところのそれぞれのr値}とイヤリング性との関係を
調査した。
【0010】調査した鋼板のΔr値とイヤリング率[ =
{(平均山高さ(絞りカップ側壁山高さ) −平均谷高さ
(絞りカップ側壁谷高さ))/平均壁高さ}×100 ]
との関係は、Δr値とイヤリング率との関係は認められ
るものの、ある程度最適化なされた冷延率の範囲では、
鋼種間の差が大きいことが分かった。そこで、 本発明者
らは、 この原因を調査するため、種種の鋼板のr値を1
5度ピッチで0〜90度まで調査し、 r値の面内異方性
を詳細に調査し、 イヤリング性との関係を比較検討し
た。
【0011】その結果、1)r値の最大値は90°,7
5°,60°,45°、最小値は0°,15°,30
°,45°の位置に存在し、Δr値の算出に用いられる
0°,45°,90°方向以外にも存在し、定義されて
いるΔr値は0〜90°間のr値の最大偏差値に必ずし
もならないこと、2)イヤリング率の定義とΔr値の定
義の測定方向の定義は、上述に示すように一致していな
いことに起因していると考えるべきであること。そし
て、Δr値≒0の範囲においては、 イヤリング値は鋼組
成で大きく異なることを知見した。なお、Δr値は、そ
の鋼種のイヤリング値が最小値になる冷延率を求めるの
に有効で、その鋼種の最少のイヤリング率の鋼板を得る
には、Δr値:+0.15〜−0.12の範囲にある必
要があることも知見した。
【0012】本発明者らは、 本発明の課題である「イヤ
リング性の極めて優れた絞り缶用鋼板」を見いだすため
に、 鋼組成,製造条件を種々変更して製造したΔr値≒
0の鋼板のイヤリング率等の調査結果を詳細に解析した
結果、 1)図1に示すように、極低イヤリング率を得るには、
C含有量が大きく影響し、C:0.0050〜0.01
70wt%の範囲がよく、特にC:0.0070〜0.
0130wt%の範囲が極低イヤリング鋼板を得るのに
最も好ましく、ノンイヤリング鋼板と言ってもよいほど
優れたイヤリング特性が得られること。
【0013】2)添加元素としては、Ti:(6〜2
0)×Cwt%単独添加、Ti:(6〜20)×Cwt
% +Nb:≦0.050wt%の複合添加、Nb:(3
〜15)×Cwt%単独添加、の組成とすることで、軟
質で、極低イヤリング性が得られること。 3)Bの多量の添加は、イヤリング性を損なうが、C含
有量を0.007〜0.013wt%とした上で、B添
加量を0.0002wt%以下とすれば、極低イヤリン
グ鋼板が得られ、更に良好な二次加工性も得られること
を見出した。
【0014】なお、本発明の最重点ポイントであるC含
有量を、C:0.0050〜0.0170wt%の範囲
(特にC:0.0070〜0.0130wt%の範囲)
とするTi,Nbを添加した鋼板が、Ti,Nb添加極
低炭素鋼(C:0.0010〜0.0030wt%)鋼
に比べ、イヤリング性が顕著に改善される理由について
は明確でないが、C含有量が適度に多いので、熱延板の
結晶粒径が微細化されることに基因しているものと思わ
れる。また、本発明者等が発明した「低炭素Al−K鋼
にB添加し連続焼鈍で再結晶焼鈍した鋼板(特願平20
00−246147号)」も極低イヤリング鋼板である
が、r値レベルが、先願では1.20以下程度であるの
に対し、本発明では、1.4以上で、優れた深絞り性も
得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成条件の詳細
な説明を行う。Cは、 0.0050〜0.0170wt
%の範囲を外れる組成では、例え、Δr値を+0.15
〜−0.12の範囲であっても良好なイヤリング性でな
くなるので、C含有量は0.0050超〜0.0170
wt%にする必要がある。 更に、C含有量が0.00
70〜0.0130wt%の範囲に鋼板は、更に優れた
イヤリング性となる。Siは、 多くなるとメッキ密着性
や製缶後に塗装されるときの塗装密着性等に悪影響を及
すので0.35wt%以下に規制する必要がある。
【0016】Mnは、 多く含有すると、 硬質化し、厳し
い深絞り加工に耐えれなくなるので1.0wt%以下に
規制する必要がある。Pは、 鋼板の強度を上昇させるの
で必要に応じ添加しても良いが、0.020wt%超に
なると、 絞り缶の二次加工性( 深絞りを行った缶は、 例
えば−10℃のような低温では落下時の衝撃や曲げ加工
歪みで缶側壁端部が脆性破断することがある。 このよう
な破断の発生のしやすさを示す指標を二次加工性と称さ
れている。)を劣化させるので、 0.020wt%以下
に規制する必要がある。また、より二次加工性を向上さ
せるには、P含有量を0.008wt%以下に規制する
とよい。
【0017】Sは、 熱間圧延時の脆性を阻害し、 熱延鋼
帯に耳荒れを生じさせるので、 0.025wt%以下に
規制する必要がある。solAlは、 鋳片を造るとき
に、良好な表面品位を得るために必要な元素で0.00
5wt%以上含有させてやる必要があり、 また,0.1
0wt%超ではこの効果が飽和しコストが高くなるばか
りでなく、 固溶強化により硬質化しすぎると言う弊害も
生じるようになるので、 0.10wt%以下に規制する
必要がある。
【0018】Nは、 本発明の組成ではTiやAl或いは
Nbと結びついてNによる材質の時効劣化等の弊害防止
できるのであるが、それでも、多くなりすぎると弊害が
生じるようになるので、0.0070wt%以下に規制
する必要がある。Bは、 本発明の鋼の優れたイヤリング
特性を阻害する元素であるので添加しないのが好ましい
が、特に、優れた二次加工特性を必要とするものは、
0.0002wt%以下の範囲で添加すればよい。
【0019】Ti,Nbは、極低炭素鋼に比べ多量に含
有するCを、TiC系、NbC系の析出物として無害化
することと、それら析出物による結晶方位のコントロー
ルによるイヤリング特性の改善のために、添加する必要
がある。添加量は、Ti:(6〜20)×Cwt%単独
添加、Ti:(6〜20)×Cwt%+Nb:≦0.0
50wt%の複合添加、Nb:(3〜15)×Cwt%
単独添加の組成範囲に規制する必要がある。添加量が少
なすぎた場合には固溶のCやFe3 Cが存在するように
なりr値が低くなるとともにイヤリング性も劣化するよ
うになる。また、多くすぎた場合は焼鈍時の再結晶温度
が高くなるとともに硬質化しイヤリング性も劣化し、且
つ、合金コストも高くなる。そして、残部がFeおよび
不可避元素からなる鋼組成でなければならない。なお、
スクラップのリサイクルなどで混入するCu,Ni,C
r,Sn等はそれぞれ0.5,0.5,0.3,0.0
5wt%程度未満ではイヤリング特性への大きな影響は
ないので、含有しても差し支えない。
【0020】本発明の鋼板の製造条件例について、以下
に説明する。本発明の絞り缶用鋼板の製鋼条件は、 上述
の組成の鋼を溶製し鋳片にし得るものではあれば特に規
制する必要がなく、通常の方法で鋳片とすればよい。熱
延条件は、 絞り缶用鋼板の結晶粒を所定のものにする重
要な工程ではあるが特別な規制は必要でなく通常の製造
条件でよい。具体的には、 鋳片を、1000℃以上に加
熱し、850℃〜950℃で仕上げ圧延を行い、 仕上げ
圧延後冷却し、巻取り熱延鋼帯とすればよい。 なお、仕
上げ圧延温度は通常の熱延条件から逸脱して850℃未
満になればα域圧延となり熱延板集合組織が通常のもの
と異なり、その結果として、冷延、再結晶焼鈍後の集合
組織も異常なものとなり、イヤリング性が劣化する。な
お、 推奨加熱温度を1000℃以上としたのは1000
℃未満では850℃以上の仕上げ温度が確保できなくな
るためである。
【0021】また、熱延の巻き取り温度は、特に規制し
なくても優れたイヤリング特性が得られるが、巻き取り
温度を通常の巻き取り温度の350〜670℃とする
と、コイルの全長全巾にわたり、安定して更に優れたイ
ヤリング特性が得られる。冷間圧延の圧延率は、 本発明
の製造条件で製造した熱延板を用い、事前に、冷延率を
変化させ絞り缶用鋼板或いはNiメッキ鋼板を造り、冷
延率とΔr値との関係を求め、鋼板のΔr値がほぼゼロ
(+0.15〜−0.13の範囲)になるように冷間圧
延率を設定する必要がある。 優れたイヤリング性が得ら
れる冷延率の範囲は84〜90%である。
【0022】再結晶焼鈍は、特に規制する必要はなく再
結晶が完了すればよい。 なお、 再結晶焼鈍方法には、箱
焼鈍(BAFと称されている) 法と連続焼鈍(CAL)
法とがあるが、 BAF法では、加熱速度が遅すぎ生産性
が悪いのと、BAF焼鈍時のコイルの積み位置及びコイ
ルの内周、 中央、 外周部での焼鈍温度差が大きいので、
イヤリング特性等のバラツキが発生しやすくなるので、
連続焼鈍法で再結晶焼鈍するのがよい。
【0023】調質圧延は、通常行われている0.5〜
3.0%程度の調質圧延を施せば、形状が優れ、調質度
を選択すれば適度の降伏点の絞り缶用鋼板が得られる。
なお、本発明の鋼板では、調質圧延率3〜40%施す高
調質材或いはDR−6〜10と呼ばれる鋼板に適用して
も、良好なイヤリング性が得られる。鋼板の表面処理
は、必要に応じ、製造した冷延鋼板の表面にNiメッ
キ、Ni拡散メッキ、Snメッキ、TFSメッキを施せ
ばよく特別な制約はない。また、冷間圧延後、 脱脂等の
前処理を行った後にNi電気メッキを施し、 その後、 再
結晶焼鈍とNiのメッキ層の再結晶軟化焼鈍と拡散熱処
理とを兼ねた連続焼鈍を行うと、メッキ層の加工性と密
着性を向上させた耐食性及びイヤリング性の極めて優れ
た電池絞り缶用Ni拡散メッキ鋼板の製造ができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例により説明す
る。表1に示す成分の鋳片を造り、表2に示す熱延条件
で熱延板を製造し、予め調査したΔr値がほぼゼロにな
る冷延率で冷間圧延し、表2に示す条件で、0.25m
mの絞り缶用鋼板を製造し、 Δr値、平均r値、GS.
no、イヤリング率{円筒絞り缶のイヤリング率=(缶
側壁の平均山高さ−平均谷高さ)/(平均山谷高さ×1
00)}を評価した。 それらの評価結果は、 表2に示
す。 なお、イヤリング率の評価は、ブランク径=φ4
1.0mm、ポンチ径=φ20.65mm、で絞りカッ
プを作成し、上記定義でイヤリング率を測定した。 ま
た、イヤリング率の絶対値はカップ絞り条件で変化する
ので留意する必要がある。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】供試鋼A,B,C,Jは、従来例鋼および
比較例鋼の組成の鋼で、 鋼AはB=0.0003wt%
含有するC=0.0020wt%のTi添加極低炭素
鋼、 鋼BはB=0.0003wt%含有するC=0.0
020wt%のNb−Ti添加極低炭素鋼、 鋼CはC含
有量が本発明の範囲であるがNb,Tiを添加しない低
炭素鋼の従来例鋼である。 また、鋼JはB=0.000
7wt%と本発明の範囲を外れ含有している比較例鋼で
ある。
【0028】供試鋼D,E,F,G,H,Iは、本発明
成分範囲の鋼で、 鋼DはC=0.0055wt%、Ti
=0.065wt%、Ti/C=11.8の組成、 鋼E
はC=0.0095wt%、Ti=0.100wt%、
Ti/C=10.5の組成、鋼FはC=0.0095w
t%、Ti=0.080wt%、Ti/C=8.4,N
b=0.020wt%の組成、 鋼GはC=0.0095
wt%、Nb=0.045wt%、Nb/C=4.7の
組成、 鋼HはC=0.0095wt%、Ti=0.10
0wt%、Ti/C=10.5でB=0.00015w
t%含有する二次加工性に優れる成分の組成、 鋼IはC
=0.0145wt%、Ti=0.135wt%、Ti
/C=9.3の組成の鋼である。
【0029】試料No.1,2,3,11は、鋼成分が
本発明の範囲を外れた従来例或いは比較例で、 何れもイ
ヤリング率が2.5%以上と本発明の目標のイヤリング
率から大きく外れている。試料No.4,5,7,8,
9,10は、冷間圧延後鋼板にNiを電気メッキ法で2
μmメッキした後再結晶焼鈍とNiの軟化再結晶ならび
に拡散合金化処理を施し調質圧延を行って電池缶用に製
造したNi拡散メッキ鋼板の本発明の実施例で、何れも
イヤリング率が1.0未満で優れたイヤリング性を示し
ている。
【0030】試料No.6は、冷間圧延後Niめっきを
施さずに焼鈍を行った容器用めっき原板或いは冷延鋼板
を製造した実施例で、同様に優れたイヤリング性が得ら
れている。また、 特に、C含有量が0.0070〜0.
0130wt%の範囲の試料No.5,6,7,8,1
0の本発明の実施例はイヤリング率が0.4%以下と極
めて優れたイヤリング率が得られている。更に、本発明
の実施例では、平均r値が1.6以上と優れた深絞り性
と、GS.noが8.8以上のプレス加工後の肌荒れの
少ない表面品位の良好な特性も得られている。
【0031】以上の実施例の結果から明らかなように、
本発明の鋼板は、 本発明が解決しようとする課題の「イ
ヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板を提供するこ
と」が十分に達成できる。本発明の絞り缶用鋼板は、 S
nメッキ、Niメッキ、Ni拡散メッキ、Crメッキ、
Sn−Niメッキ等の各種のメッキが施された後に、 厳
しい多段の深絞り加工、 厳しいDI加工を行い、深絞り
缶に製缶され、 或は、 製缶後Snメッキ、Niメッキ、
Crメッキ、Sn−Niメッキ等の各種のメッキ或いは
塗装が施され、 電池缶をはじめ各種の缶容器に供されそ
の効果が発揮できる。
【0032】
【発明の効果】以上、本発明について詳細に説明した
が、 本発明の鋼板は、 本発明が解決しようとする課題の
「イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板を提供する
こと」が十分に達成でき、 工業的価値が極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】各鋼種に於けるC含有量とイヤリング率との関
係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月15日(2002.5.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 上記課題
を解決する鋼板を提供することについて、 鋭意検討を行
い本発明を完成したものであり、 その要旨とするところ
は下記の通りである。 (1)重量%で、C:0.0050〜0.0170%、
Si:≦0.35%、Mn:≦1.0%、P:≦0.0
20%、S:≦0.025%、solAl:0.005
0.100%、N:≦0.0070%、Ti:(6〜
20)×C%、残部がFeおよび不可避元素からなる組
成で、Δr値が+0.15〜−0.12の範囲、平均r
値≧1.40、 再結晶粒のGS.noが8.5〜11.
0で、イヤリング率が1.0%以下であることを特徴と
するイヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】(2)前記(1)において、 Nb含有量が
0.050%以下であるイヤリング性の極めて優れた絞
り缶用鋼板。 (3)重量%で、C:0.0050〜0.0170%、
Si:≦0.35%、Mn:≦1.0%、P:≦0.0
20%、S:≦0.025%、solAl:0.005
0.100%、N:≦0.0070%、Nb:(3〜
15)×C%、残部がFeおよび不可避元素からなる組
成で、Δr値が+0.15〜−0.12の範囲、平均r
値≧1.40、 再結晶粒のGS.noが8.5〜12.
0で、イヤリング率が1.0%以下であることを特徴と
するイヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.0050〜0.0170%、 Si:≦0.35%、 Mn:≦1.0%、 P:≦0.020%、 S:≦0.025%、 solAl:0.005〜0.0100%、 N:≦0.0070%、 Ti:(6〜20)×C%、 残部がFeおよび不可避元素からなる組成で、Δr値が
    +0.15〜−0.12の範囲、平均r値≧1.40、
    再結晶粒のGS.noが8.5〜11.0で、イヤリン
    グ率が1.0%以下であることを特徴とするイヤリング
    性の極めて優れた絞り缶用鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 Nb含有量が0.0
    50%以下であるイヤリング性の極めて優れた絞り缶用
    鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C:0.0050〜0.0170%、 Si:≦0.35%、 Mn:≦1.0%、 P:≦0.020%、 S:≦0.025%、 solAl:0.005〜0.0100%、 N:≦0.0070%、 Nb:(3〜15)×C%、 残部がFeおよび不可避元素からなる組成で、Δr値が
    +0.15〜−0.12の範囲、平均r値≧1.40、
    再結晶粒のGS.noが8.5〜12.0で、イヤリン
    グ率が1.0%以下であることを特徴とするイヤリング
    性の極めて優れた絞り缶用鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、 C:0.007
    0〜0.0130%で、イヤリング率が更に低いことを
    特徴とするイヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、 C:0.007
    0〜0.0130%で、B含有量が0.0002%以下
    である二次加工性にも優れたイヤリング性の極めて優れ
    た絞り缶用鋼板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5において、 鋼板の表面にN
    iメッキ、Ni拡散メッキ、Snメッキ、TFSメッキ
    が施されたイヤリング性の極めて優れた絞り缶用メッキ
    鋼板。
JP2001312376A 2001-10-10 2001-10-10 イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板 Expired - Fee Related JP3996754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001312376A JP3996754B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001312376A JP3996754B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003119547A true JP2003119547A (ja) 2003-04-23
JP3996754B2 JP3996754B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=19131047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001312376A Expired - Fee Related JP3996754B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3996754B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005264205A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Jfe Steel Kk 窒化処理用鋼板
JP2007239036A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Jfe Steel Kk 平均r値が高く、面内異方性の小さい冷延鋼板およびその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG11201909620RA (en) 2017-04-19 2019-11-28 Nippon Steel Corp Cold rolled steel sheet for drawn can and method for manufacturing same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005264205A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Jfe Steel Kk 窒化処理用鋼板
JP4561136B2 (ja) * 2004-03-17 2010-10-13 Jfeスチール株式会社 窒化処理用鋼板
JP2007239036A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Jfe Steel Kk 平均r値が高く、面内異方性の小さい冷延鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3996754B2 (ja) 2007-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6428986B1 (ja) 絞り缶用冷延鋼板、及びその製造方法
JP4943244B2 (ja) 極薄容器用鋼板
JP2001107186A (ja) 高強度缶用鋼板およびその製造方法
JP6631816B2 (ja) エアゾール缶天蓋用鋼板
JPH05255804A (ja) 成形性および剛性の優れた冷延鋼板およびその製造方法
JP4374126B2 (ja) イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板および製造方法
JP5359709B2 (ja) 絞り缶用鋼板および絞り缶用めっき鋼板
JP6198011B2 (ja) 硬質容器用鋼板の製造方法
JP2017190469A (ja) 絞り缶用冷延鋼板及びその製造方法
CN113166835A (zh) 罐用钢板及其制造方法
WO2020129482A1 (ja) 缶用鋼板およびその製造方法
JP3996754B2 (ja) イヤリング性の極めて優れた絞り缶用鋼板
JP5919812B2 (ja) 成形性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法
JPH07188862A (ja) 耐食性,防眩性及び加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JPH093547A (ja) 高強度缶用鋼板の製造方法
JPS63134645A (ja) 伸びフランジ成形性の優れたdi缶用鋼板
KR102587650B1 (ko) 캔용 강판 및 그의 제조 방법
JPH11315346A (ja) イヤリング性の優れた深絞り缶用鋼板および製造方法
KR102484992B1 (ko) 강도, 성형성 및 표면 품질이 우수한 도금강판 및 이의 제조방법
JPH08127816A (ja) 耐しわ性にすぐれた容器用原板の製造方法
JPH08283863A (ja) 材質均一性に優れた硬質缶用鋼板の製造方法
JP2002003994A (ja) 高強度薄鋼板および高強度亜鉛系めっき鋼板
JP3596036B2 (ja) 製缶用鋼板の製造方法
JP2705437B2 (ja) 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板とその製造方法
JPH062069A (ja) 深絞り性に優れた高強度冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070803

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3996754

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110810

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120810

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees