JP5359709B2 - 絞り缶用鋼板および絞り缶用めっき鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、絞り缶用鋼板および絞り缶用めっき鋼板に関し、詳しくは良好なイヤリング性のみならず、電池缶等のきわめて重要な品質である缶蓋封口部のシール性(絞り加工後の表面粗さ凹凸の程度、異常な凹みおよび折れ込みしわの有無が大きく影響する)を確保する極めて優れた絞り加工後の表面品位(表面粗さ凹凸が小さく、絞り加工時の不均一な剪断辷りによる異常な凹みおよび折れ込みしわのない表面性状)を有する絞り缶用鋼板および上記表面品位を有し、めっき層の耐食性(めっき層の割れ有無等健全性が大きく影響する)を確保する絞り加工時のめっき層の健全性にも優れた絞り缶用めっき鋼板を提供するものである。
絞り缶用鋼板は、 冷延鋼板のまま或いはSnめっき、Niめっき、 Ni拡散めっき、Crめっき等の各種のめっきが施されためっき鋼板で、厳しい多段の絞り加工、DI(Drawn & Ironed)加工等を行い、缶容器例えば電池缶(以下、単に絞り缶と称する)に製缶される、 或は、 製缶後Snめっき、Niめっき、Crめっき等の各種のめっきまたは塗装が施され缶容器となる。
従来技術としては、 下記特許文献1の方法或いは下記非特許文献1で紹介されている技術のように、より優れたイヤリング特性を有する鋼板が要求されるようになり、そのような要求を満たす鋼板が供給されるようになってきた。しかし、電池缶などの用途においては、更に、上蓋の封口部のシール性を確保する極めて優れた絞り加工後の表面品位(表面粗さ凹凸が小さく、絞り加工時の不均一な剪断辷りによる異常な凹みおよび折れ込みしわのない表面性状)を有する絞り缶用鋼板および、絞り加工後のめっき層の健全性に優れ、薄目付けで良好な耐食性を有し、上記表面品位を有する絞り缶用めっき鋼板の提供が要望されるようになってきた。
特公平7−59734号公報 特許第3996754号公報
板金プレス 成形分科会第29回SMF セミナー資料「製缶技術と製缶材料の最新動向( 平成6年10月7日/ 於名古屋大学)」
本発明が解決しようとする課題は、良好なイヤリング性を有し、缶蓋封口部のシール性を確保する極めて優れた絞り加工後の表面品位(表面粗さ凹凸が小さく、絞り加工時の不均一な剪断辷りによる異常な凹みおよび折れ込みしわのない表面性状)を有する絞り缶用鋼板および上記イヤリング性、上記表面品位を有し、絞り加工後のめっき層の健全性にも優れた絞り缶用めっき鋼板を提供することである。
本発明者らは、 上記課題を解決する鋼板を提供することについて、 鋭意検討を行い本
発明を完成したものであり、 その要旨とするところは下記の通りである。
(1)質量%で、C:0.0035〜0.0080%、Si:≦0.35%、Mn:≦1.0%、P:≦0.030%、S:≦0.025%、solAl: 0.003〜0.100%、N:≦0.0100%、Nb:≦0.040%で且つ(3〜6)×C%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成で、Δr値:+0.15〜−0.15、平均r値:1.00〜1.35、 再結晶粒のGS.no:11.0〜13.0、 イヤリング率:2.5%以下であることを特徴とする絞り加工後の表面品位に優れた絞り缶用鋼板。
(2) さらに、質量%で、BおよびTiを[ N−{(14/11)B+(14/48)Ti}≧ 0ppm ]の範囲で添加したことにより時効特性にも優れたことを特徴とする(1)に記載の絞り缶用鋼板。
(3)(1)または(2)に記載の絞り缶用鋼板の少なくとも片面にSnめっき、Niめっき、Ni拡散めっき、Crめっきのいずれか一種のめっきが施されていることにより絞り加工後のめっき層の健全性にも優れたことを特徴とする絞り缶用めっき鋼板。
本発明の鋼板は、 本発明が解決しようとする課題の「良好なイヤリング性を有し、缶蓋封口部のシール性を確保する極めて優れた絞り加工後の表面品位(表面粗さ凹凸が小さく、絞り加工時の不均一な剪断辷りによる異常な凹みおよび折れ込みしわのない表面性状)を有する絞り缶用鋼板および上記イヤリング性、上記表面品位を有し、絞り加工後のめっき層の健全性にも優れた絞り缶用めっき鋼板を提供すること」が十分に達成でき、 産業上有用な著しい効果を奏する。
以下に本発明について詳細に述べる。
本発明者らは、非特許文献1の図4にも、「Δr値をほぼゼロにすることで良好なイヤリング性が得られるが、しかし、Δr値をゼロにしてもなおかつイヤリングは1.0〜3%と大きくばらついていることと共に、イヤリングを1%以下にはできていないこと」が示されているように、「イヤリングは、Δr値がゼロでも大きくばらつくことに着目し、イヤリング値を更に優れたものにする方法について検討し、上記特許文献2の特許第3996754号を発明し実用化してきた。 尚、平均r値={r値(L)+r値(C)+2r値(X)}/4、 Δr値={r値(L)+r値(C)}/2 − r値(X) 、r値(L):圧延方向(L方向)のr値 、r値(C):圧延方向と直角方向(C方向)のr値 、r値(X):圧延方向と45℃方向(X方向)のr値である。
本発明者らは、上記特許第3996754号の鋼板を実用化していく中で、イヤリング特性が優れていることは好評であったが、電池缶用鋼板として、イヤリング性のみならず、より重要な新しい特性が必要であることを知見した。
即ち、電池缶性能の重要な評価項目である「封口部のシール性(電池缶封口部の缶内面の表面凹凸とシール材(ナイロン等)との隙間から、電解液、ガス等が漏れ出る程度を表す指標で、缶内面の凹凸が大きいとナイロン等のシール材との隙間が大きくなり、シール性が悪くなり、缶内面の凹凸が小さくなるとシール性が良好になる)」ならびに「めっき鋼板で成形した電池缶等のめっき層の耐食性(即ち、めっき層の健全性)」は、プレス成形条件のみならず、それ以上に、鋼板特性が大きく影響していることを突き止めた。
その1つの鋼板特性は、鋼板の結晶粒が極めて微細であること、その微細粒レベルは、上記特許第3996754号の実施例表2に示すGS.no=8.8〜10.8よりも微細粒で、GS.no=11.0〜13.0と超微細粒とすること、更に、平均r値を1.0〜1.35と低r値とすること、の両特性が不可欠であることを見出した。尚、GS.noは、JIS G 0552 (b)の切断法で測定した。
本発明者らは、多段プレスで製造された電池缶の封口部のシール性について種々調査した結果、シール性は、当然のことながら、結晶粒径を小さくすることで改善すると予測されるが、種々調査試験した結果、1〜2段絞り程度の絞り缶では、上記特許第3996754号の実施例の表2に示すGS.no=8.8〜10.8の範囲、特に、10〜10.8の範囲で顕著に肌荒れ性(表面粗さ凹凸の程度)が改善できるが、電池缶等で通常行われる5〜10段絞りでは改善はされるもののシール性を顕著に向上させるレベルに達していないことを知見した。
そこで、更なる細粒化効果を検討し、細粒化しGS.noが11.0以上、12.0レベルになると細粒化効果が、多段プレスでも顕著に現れるようになることを突き止めた。しかし、本発明者らが目標とするようなより優れたシール性が確保できるレベルに達しないことも判明した。
本発明者らは更に、シール性を阻害している原因を種々検討し、以下の結果を見出すことができた。
多段プレス缶のシール性、即ち、缶封口部の缶胴内面の表面粗さは、結晶粒の大きさが影響する要素以外に、細粒でも平均r値が上記特許第3996754号のように高いと、肌荒れ部の表面粗さの凹凸(うねり)ピッチより10倍程度以上の大きなピッチで剪断歪が入り、その部位が表面粗さ(凹凸)以上に大きく凹み、時には、その凹みが折れ込みしわ状になり、大きくシール性をも阻害していることを突き止めた。
また、その肌荒れ部の表面粗さの凹凸(うねり)ピッチより10倍程度以上の大きなピッチで剪断歪が入る部位は、Niめっき層が焼鈍され軟質化され延性が良好となっているNi拡散めっき鋼板でもNiめっき層を破断させNiめっき層の健全性を損ない耐食性を大きく阻害していることも突き止めた。
そして、その大きく凹みあるいは折れ込みしわおよびNiめっき層を破断させるのは、平均r値が高いほど顕著であることをも知見し、本発明方法の平均r値:1.0〜1.35とする方法を見出すことができた。
尚、通常の成形においては、平均r値が低いとわれが発生し、高r値になるほど良好な(成形性)加工性が得られるのに、多段絞り時には、平均r値が高いほど、板厚方向への局所的な剪断歪が入り、厳しい肌荒れが生じるのかについて考察した結果、平均r値の高い鋼板は、鋼板の結晶方位の(111)結晶方位が高いことによって、板厚方向への辷りが生じ難いために高平均r値になることがわかっている。
ところが、多段絞り加工でのプレス工程の後段部では、ダイ肩R部およびしわ押さえ肩Rでの厳しい加工硬化が生じた後も、ダイ肩R部およびしわ押さえ肩Rでの更なる厳しい曲げ曲げ戻し加工を受ける際、板厚方向への鉄結晶の辷り系を持たない高平均r値鋼板は、正常な板厚方向への鉄結晶の辷り系を持たないため、不均一で異常な板厚方向への辷り加工を余儀なくされる結果、局所的な板厚方向への剪断辷りが引き起こされ、異常な凹みや折れ込みしわを発生させシール性やNiめっき層の耐食性を大きく阻害しているのではないかと思われる。
以下に本発明の構成条件の詳細な説明を行う。
C は、 0.0035質量%未満では、GS.no:11.0以上の細粒化ができなくなり、C含有量が0.0080質量%超では非時効化のために必要なNb含有量が0.040質量%超必要となり、高Nb化により平均r値が1.35超となり、本発明の特性が得られなくなるので、C含有量は0.0035〜0.0080質量%にする必要がある。
Siは、 多くなるとめっき密着性や製缶後に塗装されるときの塗装密着性等に悪影響を及すので0.35質量%以下に規制する必要がある。
Mnは、 多く含有すると、 硬質化し、厳しい深絞り加工に耐えれなくなるので1.0質量%以下に規制する必要がある。
Pは、 鋼板の強度を上昇させるので必要に応じ添加しても良いが、0.030質量%超になると、 絞り缶の二次加工性(深絞りを行った缶は、 例えば−10℃のような低温では落下時の衝撃や曲げ加工歪みで缶側壁端部が脆性破断することがある。 このような破断の発生のしやすさを示す指標を二次加工性と称されている。)を劣化させるので、 0.030質量%以下に規制する必要がある。 また、より二次加工性を向上させるには、P含有量を0.010質量%以下に規制するとよい。
Sは、 熱間圧延時の脆性を阻害し、 熱延鋼帯に耳荒れを生じさせるので、 0.025質量%以下に規制する必要がある。
solAlは、 鋳片を造るときに, 良好な表面品位を得るために必要な元素で0.003質量% 以上含有させてやる必要があり、 また、0.100質量%超ではこの効果が飽和しコスト が高くなるばかりでなく、 固溶強化により硬質化しすぎると言う弊害も生じるようになるので、 0.100質量%以下に規制する必要がある。
Nは、 本発明の組成ではNbやAlと結びついて、Nによる材質の時効劣化等の弊害防止できるのであるが、それでも、多くなりすぎると弊害が生じるようになるので、0.0100質量%以下に規制する必要がある。
Nbは、極低炭素鋼に比べ多量に含有するCを、NbC系の析出物として実質非時効化することと、それら析出物による結晶粒の超細粒化のために、(3×C質量%)以上添加する必要があるが、Nb添加量が(6×C質量%)超或いは0.040質量%超添加すると平均r値が1.4超となり、良好な耐肌荒れ性が得られなくなるため、添加量をNb:(3〜6)×C質量%、且つ、0.040質量%以下に規制する必要がある。
B とTiは、 本発明の鋼の優れたイヤリング特性を阻害する元素であるので添加しないのが好ましいが、特に、優れた非時効性を必要とする用途には、質量%で、BおよびTiを[ N−{(14/11)B+(14/48)Ti} ≧0ppm ] の範囲で添加すればよい。 Bが過剰に添加されるとイヤリング特性が劣化し、Tiが過剰に添加されると結晶粒径が大きくなり、本願の目的の微細粒が得難くなるので、規制する必要がある。
そして、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼組成でなければならない。なお、スクラップのリサイクルなどで混入するCu、Ni、Cr、Sn等はそれぞれ0.5、0.5、0.3、0.05質量%程度未満では、特性への大きな影響はないので、含有しても差し支えない。
本発明の鋼板の製造条件例について、以下に説明する。
本発明の絞り缶用鋼板の製鋼条件は、 上述の組成の鋼を溶製し鋳片にし得るものではあれば特に規制する必要がなく、通常の方法で鋳片とすればよい。
熱延条件は、 絞り缶用鋼板の結晶粒を所定のものにする重要な工程ではあるが特別な規制は必要でなく通常の製造条件でよい。 具体的には、 鋳片を、1000℃以上に加熱し、850℃〜950℃で仕上げ圧延を行い、 仕上げ圧延後冷却し、巻取り熱延鋼帯とすればよい。 尚、仕上げ圧延温度は通常の熱延条件から逸脱して850℃未満になればα域圧延となり熱延板集合組織が通常のものと異なり、その結果として、冷延、再結晶焼鈍後の集合組織も異常なものとなり、リジングと称される異常肌荒れが発生したり、イヤリング性が劣化する。
又、熱延の巻き取り温度は、特に規制しなくても通常の巻き取り温度の350〜670℃でよい。
冷間圧延の圧延率は、 本発明の製造条件で製造した熱延板を用い、事前に、冷延率を変化させ絞り缶用冷延鋼板或いはめっき鋼板を造り、冷延率とΔr値との関係を求め、鋼板のΔr値がほぼゼロ(+0.15〜−0.15の範囲)になるように冷間圧延率を設定する必要がある。 優れたイヤリング性が得られる冷延率の範囲は84〜88%である。
再結晶焼鈍は、特に規制する必要はなく再結晶が完了すればよいが、高すぎると結晶粒径及び平均r値が本発明の範囲を超えるようになるので、あまり高すぎないようにする必要がある。 尚、 焼鈍方法は、細粒が得られやすい、連続焼鈍法で再結晶焼鈍するのがよい。
調質圧延は、通常行われている0.5〜3.0%程度の調質圧延を施せば、形状が優れ、調質度を選択すれば適度の降伏点の絞り缶用鋼板が得られる。
鋼板の表面処理は、必要に応じ、製造した冷延鋼板の表面にNiめっき、Ni拡散めっき、Snめっき、Crめっき等を施せばよく特別な制約はない。なお、前記(3)に記載のNi拡散めっき鋼板は、上記のごとく製造した冷延鋼板の表面にNiめっきを施した後、Niの拡散熱処理を施すことで製造できる。又、冷間圧延後、 脱脂等の前処理を行った後にNi電気めっきを施し、 その後、 再結晶焼鈍とNiのめっき層の再結晶軟化焼鈍と拡散熱処理とを兼ねた連続焼鈍を行うことで効率良く製造できる。この方法で製造された前記(3)に記載のNi拡散めっき鋼板は、前記(1)に記載のめっき原板の作用効果との相乗効果で、めっき層の加工性と密着性のみならず、厳しい多段プレス時でも「Ni拡散めっき層の割れ、折れ込みしわ、肌荒れ凸部のNiめっき層の削り取られ等」が防止できNiめっき層の健全性が向上し、耐食性にも優れた電池絞り缶ができる。尚、Niめっき厚みが、5μm以下の場合にNiめっき層の健全性向上効果が顕著である。
以下に本発明の効果を実施例により説明する。
表1に示す成分の鋳片を造り、表2に示す熱延条件(加熱温度/SRT(℃)、仕上げ温度/FT(℃)、巻き取り温度/CT(℃))で熱延板を製造し、予め調査したΔr値がほぼゼロになる冷延率(CR(%))で冷間圧延し、表2に示す条件(Niめっき厚み(μm)、焼鈍温度/S.T(℃)、均熱時間/t(sec)、調質圧延率/S.P(%))で、0.25mmの絞り缶用鋼板、詳しくは絞り缶用Ni拡散めっき鋼板および絞り缶用冷延鋼板を製造し、 平均r値、GS.no、イヤリング率{円筒絞り缶のイヤリング率=(缶側壁の山高さMax−谷高さMin)/平均缶高さx100} を評価した。 それらの評価結果は、 表2に示す。 尚、イヤリング率の評価は、ブランク径=φ41.0mm、ポンチ径=φ20.65mmで絞りカップを作成し、上記定義でイヤリング率を測定した。 尚、イヤリング率の絶対値はカップ絞り条件で変化するので留意する必要がある。 尚、平均缶高さ=缶壁高さを約0.8度ピッチで360度測定した平均値を示す。
また、肌荒れ性、シール性、Niめっき層の健全性は、7段の多段プレスで試作缶を作り、試作缶の缶底から缶高さの90%位置の板厚表層断面組織写真を撮り評価した。
肌荒れ性は、断面の表面粗さ凹凸の程度で評価し、3段階に分け、非常に大きい凹凸が生じているもの/従来レベル(××)、改善しているが大きな凹凸が生じており不十分なもの(×)、大きく改善し凹凸が軽微で良好なもの(○)とに分類評価し表2に記載した。
シール性は、表面線長が1000μm間の発生する不均一な剪断辷りによる異常な凹みおよび折れ込みしわの程度で評価し、3段階に分け、非常に大きい異常な凹みおよび大きな折れ込みしわが生じているもの/従来レベル(××)、改善しているが異常な凹や折れ込みしわが生じており不十分なもの(×)、大きく改善し異常な凹や折れ込みしわがないもの(○)とに分類評価し表2に記載した。
Niめっき層の健全性はNiめっき層が割れているかどうかで評価し、それぞれの評価について、3段階に分け、非常に大きい割れが生じているもの/従来レベル(××)、改善しているが割れが生じており不十分なもの(×)、大きく改善し割れの発生が無く良好なもの(○)とに分類評価し表2に記載した。
供試鋼A、B、Cは、従来例鋼の組成の鋼で、 鋼AはB=0.0003質量%含有するC=0.0020質量%のTi添加極低炭素鋼、 鋼BはB=0.0003質量%含有するC=0.0020質量%のNb−Ti添加極低炭素鋼、 鋼CはC含有量が本発明の範囲を超え且つNb、Tiを添加しない低炭素鋼である。
供試鋼D、E、F、Gは、本発明成分範囲の鋼で、 鋼DはC=0.0040質量%、Nb=0.015質量%、Nb/C=3.75の組成、 鋼EはC=0.0050質量%、Nb=0.020質量%、Nb/C=4.00の組成、 鋼FはC=0.0065質量%、Nb=0.032質量%、Nb/C=4.92の組成、の(1)に記載の鋼で、 鋼GはC=0.0048質量%、Nb=0.020質量%、Nb/C=4.17の組成で、N=0.0035質量%、Ti=0.008質量%、B=0.0005質量%の前記(2)に記載の鋼である。
供試鋼H、I、Jは本発明の比較例成分の鋼で、鋼HはC=0.0040質量%、Nb=0.010質量%、Nb/C=1.54の組成、 鋼IはC=0.0100質量%、Nb=0.050質量%、Nb/C=5.00の組成、 鋼JはC=0.0038質量%、Nb=0.050質量%、Nb/C=13.20の組成、の鋼である。
試料No1、2、4、10、11、12は、鋼成分が本発明の範囲を外れた従来例或いは比較例で、 何れも平均r値、GS.noが本発明の範囲を外れ、缶の肌荒れ性、シール性およびNiめっき層の健全性も悪く本発明の目標から大きく外れている。
試料3は、試料2の鋼B成分および鋼板製造条件で、Niめっきを施さなかった従来例で、 試料2と同じ材質特性で、缶の肌荒れ性、シール性が本発明の目標から大きく外れている。
試料No5、6、8、9は、冷間圧延後、鋼板にNiを電気めっき法で2μmめっきした後再結晶焼鈍とNiの軟化再結晶ならびに拡散合金化処理を施し調質圧延を行って電池缶用に製造したNi拡散めっき鋼板の本発明の実施例で、何れも、平均r値、GS.noが本発明の範囲で、缶の肌荒れ性、シール性およびNiめっき層の健全性も優れており本発明の目標を達成している。 尚、試料No9は、Ti、BをN時効防止のために添加した鋼組成の前記(2)に記載の実施例で、優れた電池缶特性を損なうことなく、より安定した良好な時効特性も得られた。
試料No7は、冷間圧延後Niめっきを施さずに焼鈍を行った容器用めっき原板或いは冷延鋼板を製造した実施例で、同様に、平均r値、GS.noが本発明の範囲で、缶の肌荒れ性及びシール性も優れており発明の目標を達成している。
以上の実施例の結果から明らかなように、 本発明の鋼板は、 本発明が解決しようとする課題の「良好なイヤリング性を有し、缶蓋封口部のシール性を確保する極めて優れた絞り加工後の表面品位(表面粗さ凹凸が小さく、絞り加工時の不均一な剪断辷りによる異常な凹みおよび折れ込みしわのない表面性状)を有する絞り缶用鋼板および上記イヤリング性、上記表面品位を有し、絞り加工後のめっき層の健全性にも優れた絞り缶用めっき鋼板を提供すること」が十分に達成できる。
なお、容器用めっき原板、或いは冷延鋼板としての本発明の絞り缶用鋼板は、 Snめっき、Niめっき、Ni拡散めっき、Crめっき等の各種のめっきが施された後に、 厳しい多段の深絞り加工、 厳しいDI加工を行い, 深絞り缶に製缶され、 或いは、 製缶後Snめっき、Niめっき、Crめっき等の各種のめっきが施され、 電池缶をはじめ各種の缶容器に供されその効果が発揮できる。
Figure 0005359709
Figure 0005359709

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.0035〜0.0080%、
    Si:≦0.35%、
    Mn:≦1.0%、
    P:≦0.030%、
    S:≦0.025%、
    solAl:0.003〜0.100%、
    N:≦0.0100%、
    Nb:≦0.040%で且つ(3〜6)×C%、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成で、
    Δr値:+0.15〜−0.15、
    平均r値:1.00〜1.35、
    再結晶粒のGS.no:11.0〜13.0、
    イヤリング率:2.5%以下であることを特徴とする絞り加工後の表面品位に優れた絞り缶用鋼板。
  2. さらに、質量%で、
    BおよびTiを[N−{(14/11)B+(14/48)Ti}≧0ppm]の範囲で添加したことにより時効特性にも優れたことを特徴とする請求項1に記載の絞り缶用鋼板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の絞り缶用鋼板の少なくとも片面にSnめっき、Niめっき、Ni拡散めっき、Crめっきのいずれか一種のめっきが施されていることにより絞り加工後のめっき層の健全性にも優れたことを特徴とする絞り缶用めっき鋼板。
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