JP2003117270A - シートクッション - Google Patents

シートクッション

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JP2003117270A
JP2003117270A JP2001318488A JP2001318488A JP2003117270A JP 2003117270 A JP2003117270 A JP 2003117270A JP 2001318488 A JP2001318488 A JP 2001318488A JP 2001318488 A JP2001318488 A JP 2001318488A JP 2003117270 A JP2003117270 A JP 2003117270A
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浩嗣 細田
Naoki Ogasawara
直樹 小笠原
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Howa Kogyo KK
Suzuki Motor Corp
Howa Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観品質に優れると共に、アンダーカットを
有する形状に形成可能なシートクッションを提供するこ
と。 【解決手段】 シートパッド2の裏面2cには、凹部2
dが凹設されており、その凹部2d側へシートパッド2
の側壁2eが傾倒された状態でシートパッド2は表皮材
4に被包されている。よって、シートパッド2の側面2
bの下部を、シートパッド2の成形時より凹部2d側へ
傾倒させた形状のシートクッション1を形成することが
できる。このため、シートクッション1が形成された状
態では、シートパッド2の側面2bの下部は、型構造
上、座面2a側へ型抜き不能なアンダーカットとなる
が、そのアンダーカットとなる側面2bの下部は、シー
トパッド2の成形後に形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、シートクッショ
ンに関し、特に、外観品質に優れると共に、アンダーカ
ットを有する形状に形成可能なシートクッションを提供
することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】 自動車用のシートクッションは、自動
車の座席シートに着座した乗員を支えるクッションとし
て車両に装着される部品である。このシートクッション
は、乗員に直接触れる部品であるので、表面が平滑で凹
凸の少ないものであることが望まれている。また、シー
トクッションは、車室内を装飾する部品でもあるので、
任意のデザインに形成可能なシートクッションを製造す
ることが望まれている。このシートクッションは、クッ
ション性を有するウレタン等の発泡材で成形されてシー
トクッションの外形を形成するシートパッドと、そのシ
ートパッドを被包してシートクッションの外面を装飾す
る表皮材とによって形成されている。
【0003】シートクッションの外形を形成するシート
パッドは、上下に開閉可能な発泡成形金型の上型と下型
とを利用して成形される。具体的には、凹状の型面を有
する下型でシートパッドの座面から側面にかけて形成さ
れる意匠面が成形され、その下型の型面に対向して覆設
され略平面状の型面を有する上型でシートパッドの裏面
が成形される。
【0004】この発泡成形金型で成形されるシートパッ
ドによれば、発泡材の成形時に生じる気泡によってシー
トパッド表面に発生する小さな粒状の凹みは、上型で成
形されるシートパッドの裏面に形成されるので、下型で
成形されるシートパッドは、成形時の気泡の影響を受け
ず、型面に沿って平滑に意匠面を形成することができ
る。また、シートパッドの意匠面は下型のみで成形され
るので、型の合わせ面に発生する段差やバリが生じず、
シートパッドの意匠面を平滑に形成することができる。
このように、シートパッドの意匠面は平滑に形成される
ので、シートクッションが外観品質に優れたものとなる
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
シートクッションでは、シートパッドの座面及び側面が
下型で成形されるので、型構造を変更しなければ、脱型
性の問題によって、極端なアンダーカットを有する形状
を形成することができない。つまり、微小なアンダーカ
ットであれば製品を金型から無理抜きすることも可能で
あるが、座面側から下方へ向けて極端にすぼめられる部
位を有するシートクッションは形成することができない
という問題点があった。このため、シートクッションの
意匠面をデザインするときの自由度が制限されてしまう
という問題点があった。
【0006】一方、アンダーカットを有する形状を形成
するために型構造を変更すると、発泡材から生じる気泡
によってシートパッドの意匠面に小さな粒状の凹みが生
じたり、又は、型の合わせ面によってシートパッドの意
匠面に段差やバリが生じてしまい、外観品質が低下して
しまうという問題点があった。
【0007】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、外観品質に優れると共に、アンダ
ーカットを有する形状に形成可能なシートクッションを
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに、請求項1記載のシートクッションは、乗員が着座
可能な座面と、その座面の周縁から下方へ向けて形成さ
れる側面と、その側面の下端を周縁として形成される裏
面とを有し、ウレタン等の発泡材で成形されたシートパ
ッドと、そのシートパッドを被包する表皮材とを備え、
前記シートパッドの裏面には、その裏面の周縁に沿って
少なくとも1以上の凹部が凹設されており、その凹部側
へ前記シートパッドの側面の下部が傾倒された状態で前
記表皮材が前記シートパッドを被包するものである。
【0009】この請求項1記載のシートクッションによ
れば、シートパッドの外面が内方へ押圧されると、シー
トパッドに凹設された凹部の隙間が縮小される。かかる
凹部の隙間の縮小に連動して、その凹部に近接したシー
トパッドの側面の下部は、成形時よりも凹部側、即ち、
シートパッドの裏面中央側へ傾倒される。シートパッド
の側面の下部が凹部側へ傾倒された状態で、シートパッ
ドが表皮材に被包されると、シートパッドの側面の下部
は、表皮材により外方への移動が規制され傾倒された状
態に保持される。
【0010】請求項2記載のシートクッションは、請求
項1記載のシートクッションにおいて、前記表皮材を前
記シートパッドの裏面に固定する固定手段を備えてお
り、その固定手段は、前記シートパッドの側面の下部が
前記凹部側へ傾倒された状態で前記表皮材を前記シート
パッドの裏面に固定するものである。
【0011】請求項3記載のシートクッションは、請求
項2記載のシートクッションにおいて、前記固定手段
は、前記凹部に隙間を残した状態で前記表皮材を前記シ
ートパッドの裏面に固定するものである。
【0012】請求項4記載のシートクッションは、請求
項1から3のいずれかに記載のシートクッションにおい
て、前記シートパッドは、そのシートパッドの骨格をな
すシートフレームを備えており、前記凹部は、前記シー
トフレームと前記シートパッドの側面との間に凹設され
る。
【0013】請求項5記載のシートクッションは、請求
項4記載のシートクッションにおいて、前記固定手段
は、前記シートフレームに前記表皮材を連結することに
よりその表皮材を前記シートパッドの裏面に固定するも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発
明の第1実施例におけるシートクッション1を示す斜視
図であり、図2は、図1のII−II線におけるシート
クッション1の断面図である。
【0015】シートクッション1は、自動車のリヤシー
トに着座する乗員の下半身を支持するクッションとして
車両に装着される部品である。このシートクッション1
は、図1に示すように、略矩形状の座面1aと、その座
面1aの周縁から下方へ向けて形成される側面1b,1
cと、その側面1b,1cの下端を周縁として形成され
る裏面とによって形成されている。座面1aの長手方向
に直交する側面1bの下部(図1下側)は、内側へ傾斜
して形成されている。
【0016】また、シートクッション1は、図2に示す
ように、シートクッション1の外形を形成するシートパ
ッド2と、そのシートパッド2の骨格をなすシートフレ
ーム3と、シートパッド2を被包する表皮材4と、その
表皮材4をシートパッド2に固定する留め具5とを備え
ている。
【0017】シートパッド2は、シートクッション1の
外形を形成する部材である。このシートパッド2は、図
2に示すように、乗員が着座可能な座面2a(図2上
側)と、その座面2aの周縁から下方へ向けて形成され
る側面2b,2f(図3(a)参照)と、その側面2
b,2fの下端を周縁として形成される裏面2c(図2
下側)とを備えており、多孔質(多孔性)の弾性材料で
あるウレタンを発泡成形したウレタンフォームにより形
成されている。シートパッド2の内部には、丸鋼等によ
り形成されたシートフレーム3がシートパッド2の骨格
として配設されている。なお、シートパッド2及びシー
トフレーム3の詳細については、図3において後述す
る。
【0018】表皮材4は、シートクッション1の外面を
装飾する部材である。この表皮材4は、図2に示すよう
に、シートパッド2の座面2a及び側面2b,2fを被
包可能なシート状の布により形成されており、シートパ
ッド2の座面2a及び側面2b,2fに接着固定されて
いる。なお、この表皮材4は、必ずしもシートパッド2
の座面2a及び側面2b,2fに接着固定する必要はな
く、表皮材4を接着することなくシートパッド2に被包
するだけでも良い。また、シートパッド2の内部と表皮
材4の内面とに樹脂や金属等で形成されたワイヤをそれ
ぞれ配設し、そのワイヤ同士をCリング等で固持する、
所謂つり込みによって表皮材4を固定しても良い。
【0019】また、表皮材4は、シートパッド2の裏面
2c(図2下側)の周縁部を被包するように形成されて
おり、その裏面2cの周縁部を被包した表皮材4の端部
4aは、留め具5によりシートフレーム3に連結されて
いる。なお、表皮材4は、布製に限るものでなく、ビニ
ールレザーや皮革などを使用して形成しても良い。
【0020】留め具5は、表皮材4とシートフレーム3
とを挟着して連結する、所謂Cリングである。この留め
具5は、鋼線をC字状に形成したものであり、シートパ
ッド2の裏面2cの周縁に沿った複数箇所で表皮材4の
端部4aをシートフレーム3に連結している。このよう
に、発泡材より強度のあるシートフレーム3に表皮材4
を連結することによって、表皮材4をシートパッド2の
裏面2cに確実に固定することができる。なお、表皮材
4をシートパッド2に固定する留め具5としては、公知
のホックリングや接着剤その他熱融解性フィルム等を使
用しても良い。また、留め具5として樹脂や金属等を断
面J字状に形成したフックを使用し、そのフックをシー
トフレーム3等に掛けて表皮材4を固定しても良い。
【0021】次に、図3を参照して、シートパッド2及
びシートフレーム3について説明する。図3(a)は、
シートパッド2の裏面2cを示す図であり、図3(b)
は、図3(a)のIIIb−IIIb線における断面図
である。
【0022】シートパッド2の裏面2cは、図3(a)
に示すように、略矩形状に形成されており、裏面2cの
長手方向に直交する側面2b付近には、裏面2cの周縁
に沿って略20mm幅の溝状に凹設された凹部2dが形
成されている。凹部2dは、裏面2cの周縁から略20
mm離間して凹設されており、凹部2dと側面2bとに
よって、図3(b)に示すように、座面2a側から裏面
2c側へ向けて突設された薄板状の側壁2eが形成され
ている。側壁2eは、薄板状に形成されているので、凹
部2d側へ傾倒可能に構成される。
【0023】また、シートパッド2の内部には、直径略
5mmの丸鋼等により形成されたシートフレーム3が配
設されている。シートフレーム3は、シートパッド2の
骨格をなす部材であり、図3(a)に示すように、シー
トパッド2の外形に沿った形状に形成されている。この
シートフレーム3がシートパッド2の外形に沿って配設
されているので、柔軟な材料で成形されるシートパッド
2を適度に補強して、シートパッド2の外形形状を安定
したものとすることができる。なお、このシートフレー
ム3を必ずしもシートパッド2の内部に配設する必要は
なく、シートフレーム3の無いシートパッド2を成形し
て使用しても良い。
【0024】また、シートフレーム3は、図3(b)に
示すように、シートパッド2の凹部2dに隣接し、且
つ、側壁2eに対して凹部2dを隔てた位置に配設され
ている。よって、側壁2eは、シートフレーム3に補強
されることなく、凹部2d側へ傾倒可能に構成される。
【0025】ここで、シートパッド2は、上下に開閉可
能な発泡成形金型の上型と下型とを使用して成形される
ものである。即ち、凹状の型面を有する下型によってシ
ートパッド2の座面2aから側面2b,2fにかけた部
位が成形される。また、下型の型面に対向して覆設され
略平面状の型面を有する上型によってシートパッド2の
裏面2cが成形される。シートパッド2の裏面2cに凹
設される凹部2dは、上型によって形成される。
【0026】この上型と下型とにより成形されるシート
パッド2は、型の合わせ面によって生じる段差やバリが
側面2b,2fの端縁に形成されるので、シートパッド
2の側面2b,2fを平滑に形成することができる。ま
た、シートパッド2の側面2b,2fの途中に型の合わ
せ面を設けるよりも下型の型面をより深い凹状に形成す
ることができるので、注入時や発泡途中など型締め前の
ウレタン原液の液漏れを防止することができる。更に、
発泡成形時の気泡によって生じる小さな粒状の凹みは、
上型で成形されるシートパッド2の裏面2cにのみ形成
され、下型で成形されるシートパッド2の座面2a及び
側面2b,2fは、型面に沿って平滑に形成することが
できる。なお、上型の型面を凹状に形成し、シートパッ
ド2の側面2b,2fの端部(図3(b)上側)を上型
で形成しても良い。
【0027】次に、図2及び図3を参照して、シートク
ッション1を形成する方法について説明する。シートク
ッション1を形成する場合には、まず、シートフレーム
3をインサートしたシートパッド2を成形する(図3参
照)。成形時のシートパッド2は、図3(b)に示すよ
うに、その側面2bが略鉛直方向(図3(b)上下方
向)に沿って形成されており、型構造上、図3(b)の
下方へ型抜き可能なアンダーカットの無い形状に成形さ
れている。
【0028】次に、その成形されたシートパッド2の座
面2a及び側面2b,2fに接着剤を塗布してから、シ
ートパッド2を表皮材4により被包し(図2参照)、そ
の接着材を塗布した部位に対応する表皮材4の一部分を
外方より押圧して、シートパッド2の座面2a及び側面
2b,2fと表皮材4とを接着固定する。シート状の表
皮材4は、シートパッド2の座面2a及び側面2b,2
fに密着して固定され、シートクッション1の外形は、
シートパッド2の外形に沿った形状となる。
【0029】シートパッド2の座面2a及び側面2b,
2fと表皮材4とを接着した後に、表皮材4の端部4a
に対しシートパッド2の裏面2c中央側へ向けて引張り
力を付与する。表皮材4の端部4aに引張り力が付与さ
れると、図2に示すように、シートパッド2の側面2b
は凹部2d側へ押圧されて、側壁2eは凹部2d側へ傾
倒される。側壁2eが傾倒され凹部2dの隙間が閉塞さ
れると(図2に示す状態)、凹部2dにおけるシートフ
レーム3が配設される側の壁に側壁2eが支持されて、
側壁2eの傾倒は停止する。凹部2d側へ側壁2eを傾
倒することによって、シートパッド2の側面2bの下部
は、型構造上では、座面2a側(図2上側)へ型抜き不
能なアンダーカットを有する形状に形成され、シートク
ッション1の側面1bの下部を内側へ傾斜した形状に形
成することができる。
【0030】なお、シートクッション1の側面1bの下
部は、シートパッド2の凹部2dの形状を調整すること
によって所望の形状に形成することができる。即ち、シ
ートパッド2の凹部2dの深さを調整することにより、
シートクッション1の側面1bが内側へ傾斜し始める位
置を調整することができる。また、シートパッド2の凹
部2dの幅を調整することによって、シートクッション
1の側面1bが内側へ傾斜する量を調整することができ
る。
【0031】次に、側壁2eが傾倒された状態で、留め
具5によって表皮材4の端部4aをシートフレーム3に
連結固定する。表皮材4の端部4aがシートフレーム3
に連結固定されると、側壁2eは、元の位置に復元しよ
うとしてもその復元が表皮材4に規制され、傾倒された
状態に保持される。
【0032】このように、シートパッド2の裏面2cに
は、凹部2dが凹設されており、その凹部2d側へシー
トパッド2の側壁2eが傾倒された状態でシートパッド
2は表皮材4に被包されるので、シートパッド2の側壁
2eを、シートパッド2成形時より凹部2d側へ傾倒さ
せた形状のシートクッション1を形成することができ
る。よって、シートパッド2の座面2a及び側面2b,
2fを下型で成形する従来の型構造であっても、シート
パッド2の側面2bの下部を成形後に凹部2d側へ傾倒
させることができ、極端なアンダーカットを有する形状
のシートクッション1を形成することができる。この結
果、シートクッション1のデザインの自由度を増大する
ことができるのである。
【0033】また、従来の型構造を踏襲した上型と下型
とを組み合わせた発泡成形金型を使用して、極端なアン
ダーカットを有する形状のシートクッション1を形成す
ることができるので、型構造を変更することにより成形
時の気泡や型の合わせ面により生じる段差や凹みがシー
トパッド2の座面2a及び側面2bに形成されることが
無い。このため、外観品質に優れたシートクッション1
を製造することができる。
【0034】次に図4を参照して、本発明の第2実施例
について説明する。図4は、第2実施例におけるシート
クッション10の断面図である。第2実施例のシートク
ッション10は、上述した第1実施例のシートクッショ
ン1に対して、シートパッド12の凹部12dに隙間A
が設けられている。以下、第1実施例と同一の部分には
同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ
を説明する。
【0035】図4に示すように、シートクッション10
は、第1実施例のシートパッド2と略同一の外形に成形
されたシートパッド12を備えている。シートパッド1
2には、その裏面12cに第1実施例の凹部2dより幅
広の凹部12dが凹設されている。シートクッション1
0は、凹部12dに隙間Aが残されるように、留め具5
により表皮材4が固定されている。
【0036】この表皮材4を固定する方法は、シートパ
ッド12の座面12a及び側面12bに表皮材4を接着
した後に、シートパッド12の側壁12eを傾倒させつ
つ、表皮材4の端部4aをシートパッド12の裏面12
c中央側へ移動する。この表皮材4の端部4aの移動
は、側壁12eが凹部12d側へ所定量傾倒した時点で
停止する。その後、留め具5によって表皮材4の端部4
aをシートフレーム3に固定する。この結果、留め具5
は、凹部12dに隙間Aを残した状態で、シートパッド
12の裏面12cに表皮材4を固定することができる。
【0037】このように、凹部12dに隙間Aが残され
たシートクッション10は、シートパッド12の側壁1
2eがシートパッド12の裏面12c中央側へ更に傾倒
可能に構成される。つまり、シートクッション10の側
面10bへの押圧に応じて、シートクッション10の側
面10bの下部を更に凹部側へ傾倒させることができる
のである。
【0038】ここで、シートクッション10がリヤシー
トとして車両に装着されるとき、シートクッション10
は、自動車の車輪周りに形成されるホイールハウス20
(図4の2点鎖線)に隣接して配置される。シートクッ
ション10は、その側面10bの下部を凹部側へ傾倒さ
せることができるので、その側面10bの下部をホイー
ルハウス20に押し付けつつ傾倒させながら、シートク
ッション10を組み付けることができる。よって、シー
トクッション10とホイールハウス20との相対位置が
製造上のばらつき等によって変動しても、そのばらつき
を凹部12dの隙間Aに吸収させて、シートクッション
10とホイールハウス20とを隙間無く組み付けること
ができる。
【0039】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変
更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0040】例えば、上記各実施例では、乗員の下半身
を支持するクッションであるシートクッション1,10
を用いて本発明を説明したが、これに代えて、乗員の背
中を支持するクッションであるシートバックに本発明を
適用しても良い。なお、請求項1において記載した乗員
が着座可能な座面とは、乗員の背中を支持する面をも含
む趣旨である。
【0041】また、上記各実施例では、シートクッショ
ン1,10(又は上記したシートバック)が使用される
部位としてリヤシートを用いて説明したが、フロントシ
ートやセカンドシート等に使用しても良く、また、1人
掛けのセパレートシートに使用しても良い。
【0042】また、上記第1実施例では、凹部2dは、
シートパッド2の側面2b付近に凹設されていたが、凹
部は、シートパッド2の裏面2cの周縁全周に沿って凹
設しても良く、また、シートパッド2の裏面2cにおけ
る四隅や長辺にのみ凹設しても良い。凹部の幅、深さ及
び位置を調整することにより、従来の型構造にて成形し
たシートパッド2を、様々なデザインのシートクッショ
ン1に適用することができる。
【0043】また、上記第1実施例では、シートパッド
2の側面2b付近に凹設された凹部2dは、1本の溝状
に連続して形成されていたが、凹部は、断続的に形成さ
れていても良く、又は、複数の凹部がシートパッドの裏
面の周縁側から裏面の中央側へ向けて並列して形成され
ていても良い。
【0044】さらに、上記第1実施例では、シートパッ
ド2の裏面2cに表皮材4を固定することにより凹部2
dの傾倒状態を保持したが、凹部内へ接着剤を塗布する
ことにより凹部2dを縮めた状態に固定して凹部2dの
傾倒状態を保持しても良い。
【0045】
【発明の効果】 請求項1記載のシートクッションによ
れば、シートパッドの裏面には、凹部が凹設されてお
り、その凹部側へシートパッドの側面の下部が傾倒され
た状態でシートパッドは表皮材に被包されるので、シー
トパッドの側面の下部をシートパッド成形時より凹部側
へ傾倒させた形状のシートクッションを形成することが
できる。よって、シートパッドの座面及び側面を下型で
成形する従来の型構造であっても、シートパッドの側面
の下部を成形後に凹部側へ傾倒させることができ、アン
ダーカットを有する形状のシートクッションを形成する
ことができる。このため、シートクッションのデザイン
の自由度を増大することができるという効果がある。ま
た、従来の型構造を踏襲してアンダーカットを有する形
状のシートクッションを形成することができるので、成
形時の気泡や型の合わせ面による段差や凹みがシートパ
ッドの座面及び側面に形成されることを防止することが
できる。よって、外観品質に優れたシートクッションを
製造することができるという効果がある。
【0046】請求項2記載のシートクッションによれ
ば、請求項1記載のシートクッションの奏する効果に加
え、固定手段は、シートパッドの側面の下部が凹部側へ
傾倒された状態で表皮材をシートパッドの裏面に固定す
るものである。このため、凹部側へ傾倒されたシートパ
ッドの側面の下部が、傾倒前の位置に復元することを、
表皮材によって規制することができる。よって、シート
パッドの側面の下部が傾倒された状態を保持するための
手段を上記した固定手段とは別に設ける必要がないの
で、製造工程を追加することなく、アンダーカットを有
する形状のシートクッションを製造することができると
いう効果がある。
【0047】請求項3記載のシートクッションによれ
ば、請求項2記載のシートクッションの奏する効果に加
え、固定手段は、凹部に隙間を残した状態で表皮材をシ
ートパッドの裏面に固定するものであるので、残された
凹部の隙間分だけシートクッションの側面の下部を更に
凹部側へ傾倒可能に形成することができる。このため、
傾倒可能な側面の下部をシートクッションに隣接する別
部材に押し当て、シートクッションの側面の下部を凹部
側へ傾倒させながら、シートクッションを車両に組み付
けることができる。よって、シートクッションの側面の
下部と別部材との相対位置が製造上のばらつき等によっ
て変動する場合でも、そのばらつきを凹部の隙間に吸収
させて、シートクッションと別部材とを隙間無く組み付
けることができるという効果がある。
【0048】請求項4記載のシートクッションによれ
ば、請求項1から3のいずれかに記載のシートクッショ
ンの奏する効果に加え、シートパッドは、そのシートパ
ッドの骨格をなすシートフレームを備えているので、ウ
レタン等で成形された柔軟な部位をシートフレームで支
持することができ、シートパッドの外形形状を安定させ
ることができるという効果がある。また、凹部は、シー
トフレームとシートパッドの側面との間に凹設されるの
で、シートパッドの側面の下部は、シートフレームに補
強されることなく、凹部側へ傾倒可能に形成することが
できるという効果がある。
【0049】請求項5記載のシートクッションによれ
ば、請求項4記載のシートクッションの奏する効果に加
え、固定手段は、シートフレームに表皮材を連結するこ
とにより表皮材をシートパッドの裏面に固定するもので
ある。ここで、シートパッドにおける発泡材で成形され
た柔軟な部位に表皮材を連結する場合には、その連結部
近傍のシートパッドが破損し易い。金属等で形成される
シートフレームに固定手段を連結することによってシー
トパッドの破損を抑制し、表皮材をシートパッドの裏面
に確実に固定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例におけるシートクッショ
ンの斜視図である。
【図2】 図1のII−II線における断面図である。
【図3】 (a)は、シートパッドの裏面を示す図であ
り、(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線にお
ける断面図である。
【図4】 本発明の第2実施例におけるシートクッショ
ンの断面図である。
【符号の説明】
1 シートクッション 2 シートパッド 2a 座面 2b,2f 側面 2c 裏面 2d 凹部 3 シートフレーム 4 表皮材 5 留め具(固定手段)
フロントページの続き (72)発明者 小笠原 直樹 愛知県豊橋市冨士見町145番地 宝和工業 株式会社豊橋工場内 Fターム(参考) 3B084 CA00 3B096 AB00 AB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員が着座可能な座面と、その座面の周
    縁から下方へ向けて形成される側面と、その側面の下端
    を周縁として形成される裏面とを有し、ウレタン等の発
    泡材で成形されたシートパッドと、そのシートパッドを
    被包する表皮材とを備えたシートクッションにおいて、 前記シートパッドの裏面には、その裏面の周縁に沿って
    少なくとも1以上の凹部が凹設されており、 その凹部側へ前記シートパッドの側面の下部が傾倒され
    た状態で前記表皮材が前記シートパッドを被包するもの
    であることを特徴とするシートクッション。
  2. 【請求項2】 前記表皮材を前記シートパッドの裏面に
    固定する固定手段を備えており、 その固定手段は、前記シートパッドの側面の下部が前記
    凹部側へ傾倒された状態で前記表皮材を前記シートパッ
    ドの裏面に固定するものであることを特徴とする請求項
    1記載のシートクッション。
  3. 【請求項3】 前記固定手段は、前記凹部に隙間を残し
    た状態で前記表皮材を前記シートパッドの裏面に固定す
    るものであることを特徴とする請求項2記載のシートク
    ッション。
  4. 【請求項4】 前記シートパッドは、そのシートパッド
    の骨格をなすシートフレームを備えており、 前記凹部は、前記シートフレームと前記シートパッドの
    側面との間に凹設されることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載のシートクッション。
  5. 【請求項5】 前記固定手段は、前記シートフレームに
    前記表皮材を連結することによりその表皮材を前記シー
    トパッドの裏面に固定するものであることを特徴とする
    請求項4記載のシートクッション。
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