JP2003117017A - スプリンクラ消火設備 - Google Patents

スプリンクラ消火設備

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JP2003117017A JP2001315961A JP2001315961A JP2003117017A JP 2003117017 A JP2003117017 A JP 2003117017A JP 2001315961 A JP2001315961 A JP 2001315961A JP 2001315961 A JP2001315961 A JP 2001315961A JP 2003117017 A JP2003117017 A JP 2003117017A
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博志 石田
Toshihide Tsuji
利秀 辻
Chikaki Omori
慎樹 大森
Toshiaki Tonomura
賢昭 外村
Masahiro Nenoki
正浩 根之木
Akio Miyazawa
昭雄 宮沢
Tatsuya Hayashi
龍也 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温帯域の近傍に沸点があるなどの物性を有
する消火剤に対応した消火活動を実行することを課題と
する。 【解決手段】 制御盤40は、消火剤を閉鎖型スプリン
クラヘッド4aから液体状態で放出するかまたは気体状
態で放出するかを状態調整部24に対して指示し、状態
調整部24は、制御盤40からの指示に応じて、消火剤
が閉鎖型スプリンクラヘッド4aから液体または気体状
態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、屋内の火災を消
火する所定の消火剤を蓄えた消火剤タンクと、消火剤を
屋内に放出するスプリンクラヘッドと、消火剤タンクに
蓄えられた消火剤をスプリンクラヘッドに対して供給す
る供給手段とを有し、スプリンクラヘッドから消火剤を
放出することによって消火をおこなうスプリンクラ消火
設備に関し、特に、常温帯域の近傍に沸点があるなどの
物性を有する消火剤に対応した消火活動を実行すること
ができるスプリンクラ消火設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築物の屋内で発生した火災
を消火する消火設備として、屋内に設置されたスプリン
クラヘッドから消火剤を放出するスプリンクラ消火設備
が知られている。そして、かかるスプリンクラ消火設備
は、設置対象物や設置場所などによって複数の方式に細
分化されており、具体的には、湿式、乾式、予作動式、
開放式などがある。以下に、各方式のスプリンクラ消火
設備について説明する。
【0003】まず最初に、従来技術に係る湿式スプリン
クラ消火設備について、その構成および消火処理手順を
説明する。図15は、従来技術に係る湿式スプリンクラ
消火設備の一般的な構成を示す構成図である。同図に示
すように、この湿式スプリンクラ消火設備は、二つの消
火剤タンク20と、複数の閉鎖型スプリンクラヘッド4
aと、本管1と、分岐管2と、湿式流水検知装置3a
と、圧力タンク21と、消火剤供給部22と、受信盤1
0と、警報器11とから構成される。
【0004】このうち、消火剤タンク20は、建築物の
最下階や最上階に設置され、所定の消火剤を蓄えるもの
である。なお、高架用の消火剤タンク20は、本管1に
消火剤を常時充填するために設置されるものである。閉
鎖型スプリンクラヘッド4aは、屋内の複数の区画ごと
に配置され、火災の熱によって自動的に放出口を開放し
て消火剤を放出するものである。
【0005】本管1は、建築物の垂直方向において2つ
の消火剤タンク20の間に配管され、消火剤タンク20
から供給される消火剤の経路となるものである。分岐管
2は、本管1から閉鎖型スプリンクラヘッド4aに対し
て分岐して配管され、本管1と同様、消火剤タンク20
から供給される消火剤の経路となるものである。
【0006】湿式流水検知装置3aは、分岐管2に配置
されて消火剤の流れを検知するものであり、消火剤の流
れを検知すると、受信盤10に対して流水信号を送信す
る。圧力タンク21は、本管1に接続されて本管1の管
内圧力を規定圧以上に維持するものであり、管内圧力が
規定圧以下になると、消火剤供給部22に対して起動信
号を送信する。
【0007】消火剤供給部22は、消火剤タンク20の
近傍に設置され、消火剤タンク20に蓄えられた消火剤
を本管1および分岐管2を介して閉鎖型スプリンクラヘ
ッド4aに対して供給するものであり、圧力タンク21
から起動信号を受信すると、消火剤の供給を開始すると
ともに、消火剤の供給を開始した旨を示す起動信号を受
信盤10に送信する。
【0008】受信盤10は、建築物の所定箇所に設置さ
れ、湿式流水検知装置3aや消火剤供給部22から流水
信号や起動信号を受信すると、流水が検知された旨や消
火剤の供給が開始された旨を表示するとともに、警報器
11に対して警報信号を送信するものである。警報器1
1は、建築物の屋内に配置され、受信盤10から警報信
号を受信すると、火災が発生した旨を警報するものであ
る。
【0009】そして、上記したように構成される湿式ス
プリンクラ消火設備は、以下に示す手順にしたがって消
火処理を実行する。すなわち、図15に示した湿式スプ
リンクラ消火設備は、火災発生前の定常状態において
は、消火剤タンク20から閉鎖型スプリンクラヘッド4
aの間、すなわち本管1および分岐管2の全てに消火剤
が充填されている。
【0010】かかる定常状態において火災が発生する
と、閉鎖型スプリンクラヘッド4aが作動し、これによ
って消火処理が開始される。具体的には、閉鎖型スプリ
ンクラヘッド4aは、火災の熱によって自動的に放出口
を開放して消火剤の放出を開始する。続いて、湿式流水
検知装置3aは、分岐管2の管内における消火剤の流れ
を検知して、受信盤10に対して流水信号を送信し、ま
た、圧力タンク21は、本管1の管内圧力が規定圧以下
になったことを検知して、消火剤供給部22に対して起
動信号を送信する。
【0011】一方、起動信号を受信した消火剤供給部2
2は、消火剤タンク20に蓄えられた消火剤を本管1お
よび分岐管2を介して閉鎖型スプリンクラヘッド4aに
対して供給する処理を開始し、これによって、閉鎖型ス
プリンクラヘッド4aから消火剤が連続して放出され
る。また、消火剤供給部22は、消火剤の供給を開始し
た旨を示す起動信号を受信盤10に送信する。
【0012】続いて、湿式流水検知装置3aから流水信
号を受信するとともに消火剤供給部22から起動信号を
受信した受信盤10は、流水が検知された旨や消火剤の
供給が開始された旨を表示するとともに、警報器11に
対して警報信号を送信する。そして、受信盤10から警
報信号を受信した警報器11は、火災が発生した旨を警
報する。
【0013】次に、従来技術に係る乾式スプリンクラ消
火設備について、その構成および消火処理手順を説明す
る。図16は、従来技術に係る乾式スプリンクラ消火設
備の一般的な構成を示す構成図である。同図に示すよう
に、この乾式スプリンクラ消火設備は、図15に示した
湿式スプリンクラ消火設備と比較すると、湿式流水検知
装置3aに代えて乾式流水検知装置3bを有する点と、
分岐管2に加圧気体(例えば、空気、窒素ガスなど)を
供給するための空気コンプレッサ5を有する点が相違す
るものである。
【0014】そして、かかる乾式スプリンクラ消火設備
は、以下に示す手順にしたがって消火処理を実行する。
すなわち、図16に示した乾式スプリンクラ消火設備
は、火災発生前の定常状態においては、消火剤タンク2
0から乾式流水検知装置3bの間に配管される本管1お
よび分岐管2には、消火剤が充填されているが、乾式流
水検知装置3bから閉鎖型スプリンクラヘッド4aの間
に配管される分岐管2には、空気コンプレッサ5によっ
て加圧気体が充填されている。
【0015】かかる定常状態において火災が発生する
と、閉鎖型スプリンクラヘッド4aが作動し、これによ
って消火処理が開始される。具体的には、閉鎖型スプリ
ンクラヘッド4aは、火災の熱によって自動的に放出口
を開放して、加圧気体を放出した後に消火剤の放出を開
始する。続いて、乾式流水検知装置3aは、分岐管2の
管内における消火剤の流れを検知して、受信盤10に対
して流水信号を送信し、また、圧力タンク21は、本管
1の管内圧力が規定圧以下になったことを検知して、消
火剤供給部22に対して起動信号を送信する。そして、
消火剤供給部22、受信盤10および警報器11は、上
記の湿式スプリンクラ消火設備と同様の処理を実行す
る。
【0016】次に、従来技術に係る予作動式スプリンク
ラ消火設備について、その構成および消火処理手順を説
明する。図17は、従来技術に係る予作動式スプリンク
ラ消火設備の一般的な構成を示す構成図である。同図に
示すように、この予作動式スプリンクラ消火設備は、図
15に示した湿式スプリンクラ消火設備と比較すると、
湿式流水検知装置3aに代えて、制御盤50の制御によ
って開閉される予作動弁3dを備えた予作動式流水検知
装置3cを有する点と、分岐管2に加圧気体を供給する
ための空気コンプレッサ5、火災を検知して制御盤50
に火災信号を送信する火災検知器41、および火災検知
器41から火災信号を受信して予作動弁3dに開放信号
を送信する制御盤50を有する点が相違するものであ
る。
【0017】そして、かかる予作動式スプリンクラ消火
設備は、以下に示す手順にしたがって消火処理を実行す
る。すなわち、図17に示した予作動式スプリンクラ消
火設備は、火災発生前の定常状態においては、予作動弁
3dは閉鎖状態にあり、消火剤タンク20から予作動式
流水検知装置3cの間に配管される本管1および分岐管
2には、消火剤が充填されているが、予作動式流水検知
装置3cから閉鎖型スプリンクラヘッド4aの間に配管
される分岐管2には、空気コンプレッサ5によって加圧
空気が充填されている。
【0018】かかる定常状態において火災が発生する
と、火災検知器41は、火災を検知して制御盤50に火
災信号を送信し、火災信号を受信した制御盤50は、予
作動弁3dに対して開放信号を送信して、予作動弁3d
を開放させる。これによって、予作動式流水検知装置3
cから閉鎖型スプリンクラヘッド4aの間に配管される
分岐管2にも、消火剤が充填されることとなる。
【0019】これに続いて、閉鎖型スプリンクラヘッド
4aが作動すると、実際に消火処理が開始される。具体
的には、閉鎖型スプリンクラヘッド4aは、火災の熱に
よって自動的に放出口を開放して消火剤の放出を開始す
る。続いて、予作動式流水検知装置3cは、分岐管2の
管内における消火剤の流れを検知して、受信盤10に対
して流水信号を送信し、また、圧力タンク21は、本管
1の管内圧力が規定圧以下になったことを検知して、消
火剤供給部22に対して起動信号を送信する。そして、
消火剤供給部22、受信盤10および警報器11は、上
記した湿式スプリンクラ消火設備と同様の処理を実行す
る。
【0020】次に、従来技術に係る開放式スプリンクラ
消火設備について、その構成および消火処理手順を説明
する。図18は、従来技術に係る開放式スプリンクラ消
火設備の一般的な構成を示す構成図である。同図に示す
ように、この開放式スプリンクラ消火設備は、図15に
示した湿式スプリンクラ消火設備と比較すると、閉鎖型
スプリンクラヘッド4aに代えて、放出口が常時開放さ
れた開放型スプリンクラヘッド4bを有する点と、分岐
管2に配置されて制御盤50の制御によって開閉される
一斉開放弁6、火災を検知して制御盤50に火災信号を
送信する火災検知器41、および火災検知器41から火
災信号を受信して一斉開放弁6に開放信号を送信する制
御盤50を有する点が相違するものである。
【0021】そして、かかる開放式スプリンクラ消火設
備は、以下に示す手順にしたがって消火処理を実行す
る。すなわち、図18に示した開放式スプリンクラ消火
設備は、火災発生前の定常状態においては、一斉開放弁
6は閉鎖状態にあり、消火剤タンク20から一斉開放弁
6の間に配管される本管1および分岐管2には、消火剤
が充填されているが、一斉開放弁6から開放型スプリン
クラヘッド4bの間に配管される分岐管2には、自然の
空気が充填されている。
【0022】かかる定常状態において火災が発生する
と、火災検知器41は、火災を検知して制御盤50に火
災信号を送信し、火災信号を受信した制御盤50は、一
斉開放弁6に対して開放信号を送信して、一斉開放弁6
を開放させる。これによって、開放型スプリンクラヘッ
ド4bから消火剤の放出が開始される。
【0023】これに続いて、湿式流水検知装置3cは、
分岐管2の管内における消火剤の流れを検知して、受信
盤10に対して流水信号を送信し、また、圧力タンク2
1は、本管1の管内圧力が規定圧以下になったことを検
知して、消火剤供給部22に対して起動信号を送信す
る。そして、消火剤供給部22、受信盤10および警報
器11は、上記した湿式スプリンクラ消火設備と同様の
処理を実行する。
【0024】これまで説明してきたように、従来技術に
係るスプリンクラ消火設備には、湿式、乾式、予作動
式、開放式などがあり、それぞれが異なる構成および異
なる手順によって消火処理を実行するものである。しか
し、消火処理に用いられる消火剤としては、いずれも異
なることなく、一般的に水や泡薬剤が用いられている。
すなわち、従来技術に係るスプリンクラ消火設備は、消
火剤タンク20に水や泡薬剤を蓄え、閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aおよび開放型スプリンクラヘッド4b(以
下、単に「スプリンクラヘッド」という)から水や泡薬
剤が放出するものが一般的であった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スプリ
ンクラ消火設備においては、以下に述べるような問題点
から、水や泡薬剤を消火剤として用いることが必ずしも
最適ではなかった。
【0026】すなわち、消火剤としての水は、放出後に
燃焼物に付着しないため、放出後の事後処理は容易であ
る。しかし、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災
が屋内で発生したような場合には、水による冷却作用の
みでは、かかる高燃焼性物質の火災を消火することは困
難であり、延焼抑制の効果しか期待できないという問題
点があった。
【0027】一方、消火剤としての泡薬剤は、泡が燃焼
物の表面を覆うことによって、冷却作用のみならず窒息
作用をもたらすものであるため、上記した高燃焼性物質
の火災に対して大きな消火効果を期待できる。しかし、
放出後の泡が燃焼物に付着するため、水と異なり放出後
の事後処理が困難であり、下水道設備の整った都市部の
建築物においてしか利用することができないという問題
点があった。
【0028】さらに、最近になって金融機関などにおい
ては、ガソリンなどの引火性物質を撒き散らすような強
盗が多発しており、このような事態に対しては、ガソリ
ンなどが着火される以前に消火剤を放出すれば火災を未
然に防止することができるとも考えられるが、コンピュ
ータなどの精密機械に対する消火剤の水損が想定される
ため、消火剤の放出を躊躇せざるを得ないという問題点
もあった。
【0029】ところで、最近になって、CF3CF2
(O)CF(CF32という示性式で表され、ドデカフ
ルオロ−2−メチルペンタン−3−オンと呼ばれるフッ
素系化学物質が開発された。このフッ素系化学物質は、
ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球
温暖化係数)が1に近く、絶縁性があるなどの物性の他
に、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低沸点であるとい
う物性を有する。
【0030】ここで、図15〜図18に示したスプリン
クラ消火設備の消火剤として、上記のフッ素系化学物質
を主として利用することも考えられるが、ただ単純に水
や泡薬剤の代替物として利用するだけでは、ドデカフル
オロ−2−メチルペンタン−3−オンの物性に対応しき
れず、以下に述べるような種々の問題点が考えられる。
【0031】すなわち、ドデカフルオロ−2−メチルペ
ンタン−3−オンは、沸点が常温帯域の近傍の48℃と
低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いたの
では、屋内の温度や気圧の変化に左右されて、液体状態
としてスプリンクラヘッドから放出されたり、気体状態
としてスプリンクラヘッドから放出されるおそれがあ
る。このように、スプリンクラヘッドから放出される消
火剤の状態をコントロールできなくなってしまうと、屋
内の火災を効果的に消火することが困難になるという問
題点が考えられる。
【0032】一方、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低
沸点であるという物性を利用して、屋内の火災を効果的
に消火することができるようにしたスプリンクラ消火設
備も存在していなかった。
【0033】また、ドデカフルオロ−2−メチルペンタ
ン−3−オンは、上記したように低沸点であるため、こ
れを単純に消火剤として用いたのでは、消火剤タンク2
0に蓄えられている段階で気体状態になるおそれがあ
る。このように、消火剤が貯蔵段階で気体状態になって
しまうと、消火剤タンク20に過度な圧力がかかって事
故を誘発するという問題点だけでなく、消火剤タンク2
0による消火剤の貯蔵効率が低下するという問題点が考
えられる。
【0034】さらに、ドデカフルオロ−2−メチルペン
タン−3−オンは、炎に触れるとHF(フッ化水素)と
いう毒性の生成物を発生させる可能性があるため、これ
を単純に消火剤として用いたのでは、フッ化水素によっ
て人体に害を及ぼすおそれがあるという問題点が考えら
れる。
【0035】このようなことから、ドデカフルオロ−2
−メチルペンタン−3−オンを消火剤としてスプリンク
ラ消火設備に用いる場合に、かかる物性に対応したスプ
リンクラ消火設備をいかに構築するかが極めて重要な課
題になっている。
【0036】そこで、この発明は、上述した従来技術に
よる問題点を解消するためになされたものであり、常温
帯域の近傍に沸点があるなどの物性を有する消火剤に対
応した消火活動を実行することができるスプリンクラ消
火設備を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、所定の消火剤を蓄えた消火剤タンクと、
前記消火剤を放出するスプリンクラヘッドと、前記消火
剤タンクから前記スプリンクラヘッドに配管された消火
剤管を介して前記消火剤を供給する供給手段とを有し、
前記スプリンクラヘッドから前記消火剤を放出すること
によって消火をおこなうスプリンクラ消火設備であっ
て、前記消火剤は、常温の帯域では液体状態であって、
当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備
えることを特徴とする。
【0038】この発明によれば、火災が発生した場合ま
たは火災が発生しそうな場合(例えば、引火性の物質で
あるガソリンなどを撒かれたような場合)に、常温の帯
域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体
状態であるという物性を備える消火剤をスプリンクラヘ
ッドから放出することによって消火をおこなう。したが
って、消火剤が液体状態から急速に気体状態になるとこ
ろ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体とし
て燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすため、水
に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災
に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、ま
た、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に
比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能に
なる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータ
ルームなどで発生した火災を消火する場合、放出後には
蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する影響を
低減することも可能になり、さらに、ガソリンなどの引
火性物質を撒き散らされたような事態に対しても、ガソ
リンなどが着火される以前に躊躇なく消火剤を放出する
ことも可能になる。
【0039】また、請求項2の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項1に記載の発明において、前記消火
剤は、フルオリネィティドケトンまたはハイドロフルオ
ロエーテルを主成分とするものであることを特徴とす
る。
【0040】これは、請求項1に記載の消火剤の一例を
示すものであり、この発明によれば、フルオリネィティ
ドケトンまたはハイドロフルオロエーテルを主成分とす
る消火剤をスプリンクラヘッドから放出することによっ
て消火をおこなう。このフルオリネィティドケトンまた
はハイドロフルオロエーテルは、常温の帯域では液体状
態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であると
いう物性を備えるので、これを消火剤として用いること
によって、請求項1に記載された効果と同様の効果が得
られる。
【0041】また、請求項3の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項1に記載の発明において、前記消火
剤は、CF3CF2C(O)CF(CF32、C49OC
3またはC49OC25を主成分とするものであるこ
とを特徴とする。
【0042】これは、請求項1に記載の消火剤の一例を
示すものであり、この発明によれば、CF3CF2
(O)CF(CF32、C49OCH3またはC49
25を主成分とする消火剤をスプリンクラヘッドから
放出することによって消火をおこなう。例えば、このC
3CF2C(O)CF(CF32の示性式で表されるド
デカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンは、OD
P(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球温暖
化係数)が1に近く、常温で液体の状態にあり(沸点が
48℃)、絶縁性があり、放っておくと蒸発して痕跡が
残らないといった物性を備えるフッ素系の化学物質であ
る。したがって、これを消火剤として用いることによっ
て、水を消火剤として用いる場合よりも高燃焼性物質の
火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、
また、泡薬剤を消火剤として用いる場合よりも放出後の
事後処理を容易にすることが可能になり、さらに、消火
剤による環境への影響を低減することも可能になる。な
お、C49OCH3またはC4 9OC25を主成分とす
る消火剤を用いた場合も、同様の効果が得られる。
【0043】また、請求項4の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項1、2または3に記載の発明におい
て、前記消火剤を前記スプリンクラヘッドから液体状態
で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示する状
態指示手段と、前記状態指示手段による指示に応じて前
記消火剤が前記スプリンクラヘッドから液体または気体
状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態
調整手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0044】これは、常温の帯域では液体状態であっ
て、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという消火
剤の物性に対応したスプリンクラ消火設備の具体的構成
を示すものである。この発明によれば、消火剤をスプリ
ンクラヘッドから液体状態で放出するかまたは気体状態
で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤がスプ
リンクラヘッドから液体または気体状態で放出されるよ
う当該消火剤の状態を調整する。したがって、スプリン
クラヘッドから放出される消火剤、すなわち常温の帯域
では液体状態であって当該常温の近傍帯域では気体状態
であるという物性を備える消火剤(例えば、ドデカフル
オロ−2−メチルペンタン−3−オン)の状態をコント
ロールして、屋内の火災を効果的に消火することが可能
になる。
【0045】また、請求項5の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項4に記載の発明において、前記状態
調整手段は、前記消火剤を冷却または加熱することによ
って当該消火剤の状態を調整することを特徴とする。
【0046】これは、請求項4に記載の状態調整手段に
よる状態調整原理の一例を示すものであり、この発明に
よれば、消火剤を冷却または加熱することによって当該
消火剤の状態を調整する。したがって、消火剤を冷却す
ることによって消火剤を液体状態で放出し、消火剤を加
熱することによって消火剤を気体状態で放出するという
簡便な原理を採用して、消火剤の状態を調整することが
可能になる。
【0047】また、請求項6の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項4に記載の発明において、前記状態
調整手段は、前記消火剤を加圧または減圧することによ
って当該消火剤の状態を調整することを特徴とする。
【0048】これは、請求項5と同様、請求項4に記載
の状態調整手段による状態調整原理の一例を示すもので
あり、この発明によれば、消火剤を加圧または減圧する
ことによって当該消火剤の状態を調整する。したがっ
て、消火剤を加圧することによって消火剤を液体状態で
放出し、消火剤を減圧することによって消火剤を気体状
態で放出するという簡便な原理を採用して、消火剤の状
態を調整することが可能になる。
【0049】また、請求項7の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項4、5または6に記載の発明におい
て、前記状態調整手段は、前記消火剤タンクの近傍に配
置され、当該消火剤タンクから前記スプリンクラヘッド
に対して前記消火剤が供給される際に、当該消火剤の状
態を調整することを特徴とする。
【0050】これは、請求項4に記載の状態調整手段に
よる状態調整タイミングの一例を示すものであり、この
発明によれば、消火剤タンクの近傍にて、消火剤タンク
からスプリンクラヘッドに対して消火剤が供給される際
に、当該消火剤の状態を調整する。したがって、消火剤
の放出に際して各スプリンクラヘッドで消火剤の状態を
調整する態様に比較して簡便な態様で、各スプリンクラ
ヘッドから同様の状態の消火剤を放出することが可能に
なる。
【0051】また、請求項8の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項4、5または6に記載の発明におい
て、前記状態調整手段は、前記スプリンクラヘッドの近
傍に配置され、当該スプリンクラヘッドから前記消火剤
が放出される際に、当該消火剤の状態を調整することを
特徴とする。
【0052】これは、請求項7と同様、請求項4に記載
の状態調整手段による状態調整タイミングの一例を示す
ものであり、この発明によれば、スプリンクラヘッドの
近傍にて、当該スプリンクラヘッドから消火剤が放出さ
れる際に、当該消火剤の状態を調整する。したがって、
消火剤が消火剤タンクからスプリンクラヘッドまで運ば
れてくる段階で消火剤の状態が変化したような場合で
も、スプリンクラヘッドから放出される消火剤の状態を
確実にコントロールすることが可能になる。
【0053】また、請求項9の発明に係るスプリンクラ
消火設備は、請求項8に記載の発明において、前記スプ
リンクラヘッドおよび状態調整手段は、屋内の複数の区
画ごとに対応づけて配置されるものであって、前記状態
指示手段は、前記複数の区画ごとに配置される各状態調
整手段に対して同一または異なる指示を与えることを特
徴とする。
【0054】これは、請求項4に記載の状態指示手段に
よる状態指示態様の一例を示すものであり、この発明に
よれば、複数の区画ごとに配置される各状態調整手段に
対して同一または異なる指示を与える。したがって、例
えば、水に弱い精密機械が存在する区画に対しては消火
剤を気体状態で放出し、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性
物質が存在する区画に対しては消火剤を液体状態で放出
するなど、各区画の消火対象物に応じた多種多様な消火
処理を実現することが可能になる。
【0055】また、請求項10の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項4〜9のいずれか一つに記載の発
明において、前記状態指示手段は、前記火災が発生して
からの時間経過に応じて、前記消火剤を前記スプリンク
ラヘッドから液体状態で放出するかまたは気体状態で放
出するかを指示することを特徴とする。
【0056】これは、請求項9と同様、請求項4に記載
の状態指示手段による状態指示態様の一例を示すもので
あり、この発明によれば、火災が発生してからの時間経
過に応じて、消火剤を液体状態で放出するかまたは気体
状態で放出するかを指示する。したがって、例えば、消
火処理の初期段階では消火剤を液体状態で放出し、その
後に消火剤を気体状態で放出するなど、火災発生からの
時間経過に応じた多種多様な消火処理を実現することが
可能になる。
【0057】また、請求項11の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の
発明において、前記消火剤タンクが前記消火剤を液体状
態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する状態維持手
段をさらに備えたことを特徴とする。
【0058】これは、常温の帯域では液体状態であっ
て、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという消火
剤の物性に対応したスプリンクラ消火設備の具体的構成
を示すものである。この発明によれば、消火剤タンクが
消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持
する。したがって、消火剤を常に液体状態で貯蔵して、
消火剤タンクに過度な圧力がかかることによる事故の誘
発を防止することが可能になるとともに、消火剤タンク
による貯蔵効率の低下を防止することが可能になる。
【0059】また、請求項12の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の
発明において、前記消火剤が加熱されることによって発
生する生成物を中和するための中和剤を前記屋内に放出
する中和手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0060】これは、炎に触れることによって人体に有
害な生成物を発生させるという消火剤の物性に対応した
スプリンクラ消火設備の具体的構成を示すものである。
この発明によれば、消火剤が加熱されることによって発
生する生成物を中和するための中和剤を屋内に放出す
る。したがって、人体に有害な生成物を中和して、生成
物による人体への悪影響を除去することが可能になる。
【0061】また、請求項13の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の
発明において、前記供給手段は、前記消火剤タンクに蓄
えられた消火剤を加熱することを特徴とする。
【0062】これは、請求項1に記載の供給手段による
供給原理の一例を示すものであり、この発明によれば、
消火剤タンクに蓄えられた消火剤を加熱することによっ
て消火剤の供給をおこなう。したがって、消火剤を加熱
するという簡便な原理を採用して、消火剤タンクから消
火剤を供給することが可能になる。また、消火剤を気体
状態にしてスプリンクラヘッドに供給するため、簡便な
構成によって消火剤を気体状態で放出することが可能に
なる。
【0063】また、請求項14の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の
発明において、前記供給手段は、前記消火剤タンクに蓄
えられた消火剤をポンプで加圧することを特徴とする。
【0064】これは、請求項13と同様、請求項1に記
載の供給手段による供給原理の一例を示すものであり、
この発明によれば、消火剤タンクに蓄えられた消火剤を
ポンプで加圧することによって消火剤の供給をおこな
う。したがって、消火剤をポンプで加圧するという簡便
な原理を採用して、消火剤タンクから消火剤を供給する
ことが可能になる。
【0065】また、請求項15の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の
発明において、前記供給手段は、前記消火剤タンクに蓄
えられた消火剤を当該消火剤とは異なる物性の気体で加
圧することを特徴とする。
【0066】これは、請求項13および14と同様、請
求項1に記載の供給手段による供給原理の一例を示すも
のであり、この発明によれば、消火剤タンクに蓄えられ
た消火剤を当該消火剤とは異なる物性の気体で加圧する
ことによって消火剤の供給をおこなう。したがって、消
火剤を気体で加圧するという簡便な原理を採用して、消
火剤タンクから消火剤を供給することが可能になる。
【0067】また、請求項16の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の
発明において、前記供給手段は、前記消火剤タンクに蓄
えられた消火剤を当該消火剤とは異なる物性の液体で加
圧することを特徴とする。
【0068】これは、請求項13〜15と同様、請求項
1に記載の供給手段による供給原理の一例を示すもので
あり、この発明によれば、消火剤タンクに蓄えられた消
火剤を当該消火剤とは異なる物性の液体で加圧すること
によって消火剤の供給をおこなう。したがって、消火剤
を液体で加圧するという簡便な原理を採用して、消火剤
タンクから消火剤を供給することが可能になる。
【0069】また、請求項17の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の
発明において、前記供給手段は、前記消火剤タンクに蓄
えられた消火剤を重力落差によって前記スプリンクラヘ
ッドに対して供給することを特徴とする。
【0070】これは、請求項13〜16と同様、請求項
1に記載の供給手段による供給原理の一例を示すもので
あり、この発明によれば、消火剤タンクに蓄えられた消
火剤を重力落差によって供給する。したがって、重力落
差を利用するという簡便な原理を採用して、消火剤タン
クから消火剤を供給することが可能になる。
【0071】また、請求項18の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜17のいずれか一つに記載の
発明において、前記スプリンクラヘッドは、火災の熱に
よって開放される閉鎖型スプリンクラヘッドまたは火災
の熱によって開閉されるON/OFF型スプリンクラヘ
ッドであって、前記消火剤管は、当該閉鎖型スプリンク
ラヘッドまたはON/OFF型スプリンクラヘッドから
前記消火剤タンクまでの間に前記消火剤を充填して形成
されることを特徴とする。
【0072】これは、請求項1〜17に記載のスプリン
クラ消火設備に関して、その具体的構成の一例を示すも
のであり、端的には、いわゆる湿式スプリンクラ消火設
備に適用した場合の構成を示すものである。この発明に
よれば、火災の熱によって閉鎖型スプリンクラヘッドま
たはON/OFF型スプリンクラヘッドが開放される
と、閉鎖型スプリンクラヘッドまたはON/OFF型ス
プリンクラヘッドから消火剤タンクまでの間に充填され
ていた消火剤が閉鎖型スプリンクラヘッドまたはON/
OFF型スプリンクラヘッドから放出される。さらに、
かかる閉鎖型スプリンクラヘッドまたはON/OFF型
スプリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調整
される。したがって、湿式スプリンクラ消火設備として
構成する場合でも、消火剤の状態をコントロールして、
屋内の火災を効果的に消火することが可能になる。
【0073】また、請求項19の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜17のいずれか一つに記載の
発明において、前記スプリンクラヘッドは、火災の熱に
よって開放される閉鎖型スプリンクラヘッドであって、
前記消火剤管は、当該消火剤管を流れる前記消火剤によ
って開放される弁を有し、前記閉鎖型スプリンクラヘッ
ドから前記弁までの間に加圧気体を充填し、当該弁から
前記消火剤タンクまでの間に前記消火剤を充填して形成
されることを特徴とする。
【0074】これは、請求項18と同様、請求項1〜1
7に記載のスプリンクラ消火設備に関して、その具体的
構成の一例を示すものであり、端的には、いわゆる乾式
スプリンクラ消火設備に適用した場合の構成を示すもの
である。この発明によれば、火災の熱によって閉鎖型ス
プリンクラヘッドが開放されると、閉鎖型スプリンクラ
ヘッドから弁までの間に充填された加圧気体が閉鎖型ス
プリンクラヘッドから放出されるとともに、消火剤管を
流れる消火剤によって弁が開放され、続けて、弁から消
火剤タンクまでの間に充填されていた消火剤が閉鎖型ス
プリンクラヘッドから放出される。さらに、かかる閉鎖
型スプリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調
整される。したがって、乾式スプリンクラ消火設備とし
て構成する場合でも、消火剤の状態をコントロールし
て、屋内の火災を効果的に消火することが可能になる。
【0075】また、請求項20の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜17のいずれか一つに記載の
発明において、前記スプリンクラヘッドは、火災の熱に
よって開放される閉鎖型スプリンクラヘッドであって、
前記消火剤管は、火災の発生を検知する火災検知器によ
る火災検知に応じて開放される予作動弁を有し、当該予
作動弁から前記消火剤タンクまでの間に前記消火剤を充
填して形成されることを特徴とする。
【0076】これは、請求項18および19と同様、請
求項1〜17に記載のスプリンクラ消火設備に関して、
その具体的構成の一例を示すものであり、端的には、い
わゆる予作動式スプリンクラ消火設備に適用した場合の
構成を示すものである。この発明によれば、火災検知器
による火災検知に応じて予作動弁が開放されて、予作動
弁から閉鎖型スプリンクラヘッドの間にも消火剤が充填
され、続いて、火災の熱によって閉鎖型スプリンクラヘ
ッドが開放されると、閉鎖型スプリンクラヘッドから消
火剤タンクまでの間に充填された消火剤が閉鎖型スプリ
ンクラヘッドから放出される。さらに、かかる閉鎖型ス
プリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調整さ
れる。したがって、予作動式スプリンクラ消火設備とし
て構成する場合でも、消火剤の状態をコントロールし
て、屋内の火災を効果的に消火することが可能になる。
【0077】また、請求項21の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項1〜17のいずれか一つに記載の
発明において、前記スプリンクラヘッドは、常時開放さ
れた開放型スプリンクラヘッドであって、前記消火剤管
は、火災の発生を検知する火災検知器による火災検知お
よび/または手動操作に応じて開放される一斉開放弁を
有し、当該一斉開放弁から前記消火剤タンクまでの間に
前記消火剤を充填して形成されることを特徴とする。
【0078】これは、請求項18〜20と同様、請求項
1〜17に記載のスプリンクラ消火設備に関して、その
具体的構成の一例を示すものであり、端的には、いわゆ
る開放式スプリンクラ消火設備に適用した場合の構成を
示すものである。この発明によれば、火災検知器による
火災検知および/または手動操作に応じて一斉開放弁が
開放され、一斉開放弁から消火剤タンクの間に充填され
た消火剤が常時開放された開放型スプリンクラヘッドか
ら放出される。さらに、かかる開放型スプリンクラヘッ
ドから放出される消火剤の状態が調整される。したがっ
て、開放式スプリンクラ消火設備として構成する場合で
も、消火剤の状態をコントロールして、屋内の火災を効
果的に消火することが可能になる。
【0079】また、請求項22の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項18または19に記載の発明にお
いて、前記消火剤管は、火災の発生を検知する火災検知
器によって火災が検知されなかった場合に閉鎖される緊
急停止弁をさらに有して形成されることを特徴とする。
【0080】これは、請求項18または19に記載のス
プリンクラ消火設備に関して、その具体的構成の一例を
示すものであり、端的には、いわゆる緊急停止式スプリ
ンクラ消火設備に適用した場合の構成を示すものであ
る。この発明によれば、湿式スプリンクラ消火設備また
は乾式スプリンクラ消火設備において、消火剤の放出が
開始された後でも、火災検知器によって火災が検知され
なかった場合には、消火剤による屋内の水損を低減する
ために、緊急停止弁が閉鎖され、消火剤の放出が緊急的
に停止される。そして、この緊急停止式スプリンクラ消
火設備においても、閉鎖型スプリンクラヘッドから放出
される消火剤の状態が調整される。したがって、緊急停
止式スプリンクラ消火設備として構成する場合でも、消
火剤の状態をコントロールして、屋内の火災を効果的に
消火することが可能になる。
【0081】また、請求項23の発明に係るスプリンク
ラ消火設備は、請求項18または19に記載の発明にお
いて、常時開放された開放型スプリンクラヘッドと、当
該開放型スプリンクラヘッドから前記消火剤管へ配管さ
れた開放用管とをさらに備え、当該開放用管は、前記閉
鎖型スプリンクラヘッドによる前記消火剤の放出および
/または手動操作に応じて開放される一斉開放弁を有
し、当該一斉開放弁から前記消火剤管までの間に前記消
火剤を充填して形成されることを特徴とする。
【0082】これは、請求項22と同様、請求項18ま
たは19に記載のスプリンクラ消火設備に関して、その
具体的構成の一例を示すものであり、端的には、湿式ス
プリンクラ消火設備と開放式スプリンクラ消火設備とを
併合した併合式スプリンクラ消火設備に適用した場合の
構成を示すものである。この発明によれば、火災の熱に
よって閉鎖型スプリンクラヘッドが開放されると、閉鎖
型スプリンクラヘッドから消火剤タンクまでの間に充填
されていた消火剤が閉鎖型スプリンクラヘッドから放出
され、続いて、この閉鎖型スプリンクラヘッドによる消
火剤の放出および/または手動操作に応じて一斉開放弁
が開放され、一斉開放弁から消火剤管までの間に充填さ
れていた消火剤が開放型スプリンクラヘッドから放出さ
れる。さらに、閉鎖型スプリンクラヘッドおよび開放型
スプリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調整
される。したがって、併合式スプリンクラ消火設備とし
て構成する場合でも、消火剤の状態をコントロールし
て、屋内の火災を効果的に消火することが可能になる。
【0083】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係るスプリンクラ消火設備の好適な実施の形態を
詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明を湿
式スプリンクラ消火設備に適用した場合を説明すること
とするが、後に説明するように、乾式、予作動式、開放
式、制御盤を用いない加圧開型や減圧開型など、あらゆ
る方式のスプリンクラ消火設備に適用することができ
る。
【0084】また、本実施の形態に係る湿式スプリンク
ラ消火設備は、図15に示した従来技術に係るスプリン
クラ消火設備と同様、火災が発生した場合に、閉鎖型ス
プリンクラヘッドから消火剤を放出することを基本的な
処理内容とするものであるため、図15に示した湿式ス
プリンクラ消火設備と同様の基本的な構成を有する。
【0085】その一方、本実施の形態に係る湿式スプリ
ンクラ消火設備は、ドデカフルオロ−2−メチルペンタ
ン−3−オンを消火剤として用いることを主たる特徴と
し、この消火剤の物性に対応した種々の特徴的な構成を
有する。そこで、以下に示す本実施の形態では、湿式ス
プリンクラ消火設備の基本的構成、湿式スプリンクラ消
火設備による消火処理の基本的手順を説明した後、湿式
スプリンクラ消火設備の特徴および当該特徴に係る構成
について説明することとする。
【0086】[湿式スプリンクラ消火設備の基本的な構
成]まず最初に、本実施の形態に係る湿式スプリンクラ
消火設備の基本構成について説明する。図1は、本実施
の形態に係る湿式スプリンクラ消火設備の構成を示す構
成図である。同図に示す湿式スプリンクラ消火設備は、
火災が発生した場合に、閉鎖型スプリンクラヘッドから
消火剤を放出することを基本的な処理内容とするもので
ある。
【0087】そして、かかる基本的な処理内容を実現す
るための基本的な構成として、この湿式スプリンクラ消
火設備は、同図に示すように、二つの消火剤タンク20
と、複数の閉鎖型スプリンクラヘッド4aと、消火剤管
としての本管1および分岐管2と、湿式流水検知装置3
aと、圧力タンク21と、供給手段としての消火剤供給
部22と、受信盤10と、警報器11とを有する。以下
に、この基本的な構成についてそれぞれ具体的に説明す
る。
【0088】まず、消火剤タンク20は、建築物の最下
階や最上階に設置され、所定の消火剤を蓄えるものであ
る。なお、高架用の消火剤タンク20は、本管1に消火
剤を常時充填するために設置されるものである。閉鎖型
スプリンクラヘッド4aは、屋内の複数の区画ごとに配
置され、火災の熱によって自動的に放出口を開放して消
火剤を放出するものである。
【0089】本管1は、建築物の垂直方向において2つ
の消火剤タンク20の間に配管され、消火剤タンク20
から供給される消火剤の経路となるものである。分岐管
2は、本管1から閉鎖型スプリンクラヘッド4aに対し
て分岐して配管され、本管1と同様、消火剤タンク20
から供給される消火剤の経路となるものである。
【0090】湿式流水検知装置3aは、分岐管2に配置
されて消火剤の流れを検知するものであり、消火剤の流
れを検知すると、受信盤10に対して流水信号を送信す
る。圧力タンク21は、本管1に接続されて本管1の管
内圧力を規定圧以上に維持するものであり、管内圧力が
規定圧以下になると、消火剤供給部22に対して起動信
号を送信する。
【0091】消火剤供給部22は、消火剤タンク20の
近傍に設置され、消火剤タンク20に蓄えられた消火剤
を本管1および分岐管2を介して閉鎖型スプリンクラヘ
ッド4aに対して供給するものであり、圧力タンク21
から起動信号を受信すると、消火剤の供給を開始すると
ともに、消火剤の供給を開始した旨を示す起動信号を受
信盤10に送信する。
【0092】受信盤10は、建築物の所定箇所に設置さ
れ、湿式流水検知装置3aや消火剤供給部22から流水
信号や起動信号を受信すると、流水が検知された旨や消
火剤の供給が開始された旨を表示するとともに、警報器
11に対して警報信号を送信するものである。警報器1
1は、建築物の屋内に配置され、受信盤10から警報信
号を受信すると、火災が発生した旨を警報するものであ
る。
【0093】[湿式スプリンクラ消火設備による消火処
理の基本的な手順]次に、図1に示した湿式スプリンク
ラ消火設備による消火処理の基本的な手順について説明
する。図2は、図1に示した湿式スプリンクラ消火設備
による消火処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】この湿式スプリンクラ消火設備は、火災発
生前の定常状態においては、消火剤タンク20から閉鎖
型スプリンクラヘッド4aの間、すなわち本管1および
分岐管2の全てに消火剤が充填されている。
【0095】かかる定常状態において火災が発生すると
(ステップS201)、閉鎖型スプリンクラヘッド4a
が作動し、これによって消火処理が開始される(ステッ
プS202)。具体的には、閉鎖型スプリンクラヘッド
4aは、火災の熱によって自動的に放出口を開放して消
火剤の放出を開始する(ステップS203)。
【0096】この消火剤の放出に対応して、分岐管2の
管内には流水が生じ(ステップS204)、また、本管
1の管内圧力は減圧する(ステップS205)。このた
め、湿式流水検知装置3aが作動し、分岐管2の管内に
おける消火剤の流れを検知して、受信盤10に対して流
水信号を送信する(ステップS206)。また、圧力タ
ンク21も作動し、本管1の管内圧力が規定圧以下にな
ったことを検知して、消火剤供給部22に対して起動信
号を送信する(ステップS207)。
【0097】一方、消火剤供給部22は圧力タンク21
から起動信号を受信して作動し、消火剤タンク20に蓄
えられた消火剤を本管1および分岐管2を介して閉鎖型
スプリンクラヘッド4aに対して供給する処理を開始す
るとともに、消火剤の供給を開始した旨を示す起動信号
を受信盤10に送信する(ステップS208)。なお、
この消火剤の供給開始によって、閉鎖型スプリンクラヘ
ッド4aから消火剤が連続して放出され(ステップS2
11)、消火へと導かれる(ステップS212)。
【0098】続いて、受信盤209は湿式流水検知装置
3aから流水信号を受信するとともに消火剤供給部22
から起動信号を受信して作動し、流水が検知された旨や
消火剤の供給が開始された旨を表示するとともに、警報
器11に対して警報信号を送信する(ステップS20
9)。そして、警報器11は受信盤10から警報信号を
受信して作動し、火災が発生した旨を警報する(ステッ
プS210)。
【0099】[湿式スプリンクラ消火設備の特徴および
特徴的構成]次に、図1に示した湿式スプリンクラ消火
設備の特徴について説明する。この湿式スプリンクラ消
火設備の特徴としては、ドデカフルオロ−2−メチルペ
ンタン−3−オンと呼ばれるフッ素系化学物質を消火剤
として用いる点(特徴1)、消火剤を閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aから液体状態で放出するかまたは気体状態
で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が液体
または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整す
る点(特徴2)、消火剤タンク20が消火剤を液体状態
で蓄えるよう消火剤の状態を維持する点(特徴3)、消
火剤が加熱されることによって発生する生成物を中和す
るための中和剤を放出する点(特徴4)がある。以下
に、これらの特徴および当該特徴に係る構成について具
体的に説明する。
【0100】(特徴1)まず最初に、上記した特徴1に
ついて説明する。この特徴1は、ドデカフルオロ−2−
メチルペンタン−3−オン(以下、単に「本消火剤」と
いう)を消火剤として用いる点にある。
【0101】具体的に説明すると、本消火剤は、CF3
CF2C(O)CF(CF32という示性式で表され、
図3(a)に示すような構造式を有し、同図(b)に示
すような物性を備えるフッ素系の化学物質である。すな
わち、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP
(地球温暖化係数)が1に近く、常温で液体の状態にあ
り(沸点が48℃)、絶縁性があり、放っておくと蒸発
して痕跡が残らないといった物性を備える。
【0102】そこで、本実施の形態に係る湿式スプリン
クラ消火設備おいては、本消火剤を消火剤として用いる
ことを特徴とし、これによって、水を消火剤として用い
る場合よりも高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効
果を得ることができ、また、泡薬剤を消火剤として用い
る場合よりも放出後の事後処理を容易にすることができ
るようにしている。
【0103】すなわち、本消火剤は、液体状態から急速
に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷
却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作
用をもたらすため、水に比較して高燃焼性物質の火災に
対して大きな消火効果を得ることができるとともに、放
出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に比較し
て放出後の事後処理を容易にすることができる。
【0104】特に、水に弱い精密機械が存在するコンピ
ュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放出
後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する
影響を低減することもできる。さらに、ガソリンなどの
引火性物質を撒き散らされたような事態に対しても、ガ
ソリンなどが着火される以前に躊躇なく消火剤を放出す
ることもできる。なお、ODP(オゾン層破壊係数)が
0であり、GWP(地球温暖化係数)が1に近いという
物性を備えるので、消火剤による環境への影響を低減す
ることもできる。
【0105】この特徴1に関連して、湿式スプリンクラ
消火設備は、以下のような特徴的な構成を備える。すな
わち、図1に示す湿式スプリンクラ消火設備は、消火剤
タンク20に本消火剤を蓄え、これを閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aから放出するが、消火剤タンク20から閉
鎖型スプリンクラヘッドに対して消火剤を供給する消火
剤供給部22は、本消火剤の物性に対応した構成を備え
る。以下に、消火剤供給部22の具体的な構成について
説明する。
【0106】図4は、図1に示した消火剤供給部22の
具体的な構成例を示す図である。この消火剤供給部22
としては、図4に示すように、(a)加熱方式、(b)
ポンプ加圧方式、(c)空気加圧方式、(d)水加圧方
式、(e)重力落差方式などを採用することができる。
以下に、それぞれの具体的な構成について説明する。
【0107】図4(a)に示す加熱方式は、消火剤タン
ク20に蓄えられた消火剤を加熱装置22aにより加熱
(例えば、高周波誘導加熱、ヒーター加熱など)するこ
とによって、消火剤を気体状態にして閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aに供給するものである。なお、本方式は、
本消火剤の沸点が低いこと(大きなエネルギーを消費す
ることなく気体状態にできること)を利用したものであ
るが、閉鎖型スプリンクラヘッドから消火剤を気体状態
で放出する場合に有効であると考えられる。
【0108】図4(b)に示すポンプ加圧方式は、消火
剤タンク20に蓄えられた消火剤をポンプ22bにより
吸引することによって、消火剤を液体状態で閉鎖型スプ
リンクラヘッド4aに供給するものである。なお、本方
式を採用する場合には、ポンプ22bの運動熱によって
消火剤が気体状態にならぬよう、ポンプ22bを冷却す
る手段を設けることが望ましいと考えられる。
【0109】図4(c)に示す空気加圧方式は、消火剤
タンク20に蓄えられた消火剤を空気コンプレッサ22
cから供給される加圧空気により押し出すことによっ
て、消火剤を液体状態で閉鎖型スプリンクラヘッド4a
に供給するものである。なお、ここでは、空気コンプレ
ッサ22cにより加圧空気を供給する場合を示している
が、N2ガスやCO2ガスなどの気体を補填したガスボン
ベ、N2ガスなどの気体を発生させるガス発生器を用い
て加圧気体を供給するものでもよい。
【0110】図4(d)に示す水加圧方式は、消火剤タ
ンク20に蓄えられた消火剤を水タンク(水などの液体
を蓄えたタンク)からポンプ22dを介して供給される
加圧水により押し出すことによって、消火剤を液体状態
で閉鎖型スプリンクラヘッド4aに供給するものであ
る。なお、本方式は、本消火剤の比重が水よりも高いこ
とを利用したものであるが、消火剤タンク20の消火剤
が欠如した場合でも、水が消火剤として閉鎖型スプリン
クラヘッド4aから放出されることからも有効であると
考えられる。
【0111】図4(e)に示す重力落差方式は、消火剤
タンク20の下方に開閉可能なバルブ22eを設け、重
力落差を利用することによって消火剤を液体状態で閉鎖
型スプリンクラヘッドに供給するものである。なお、本
方式を採用する場合には、重力落差を利用することがで
きるよう、消火剤タンク20自体を閉鎖型スプリンクラ
ヘッドよりも高い位置(図1に示した高架用の消火剤タ
ンク20の位置)に設置する必要がある。
【0112】(特徴2)次に、上記した特徴2について
説明する。この特徴2は、消火剤を閉鎖型スプリンクラ
ヘッド4aから液体状態で放出するかまたは気体状態で
放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が液体ま
たは気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整する
点にある。
【0113】具体的に説明すると、本消火剤は、図3
(b)に示したように、沸点が常温帯域の近傍の48℃
と低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いた
のでは、屋内の温度や気圧の変化に左右されて、液体状
態として閉鎖型スプリンクラヘッド4aから放出された
り、気体状態として閉鎖型スプリンクラヘッド4aから
放出されるおそれがある。このように、閉鎖型スプリン
クラヘッド4aから放出される消火剤の状態をコントロ
ールできなくなってしまうと、屋内の火災を効果的に消
火することが困難になる。
【0114】そこで、本実施の形態に係る湿式スプリン
クラ消火設備においては、本消火剤を閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aから液体状態で放出するかまたは気体状態
で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が液体
または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整す
ることを特徴とし、これによって、閉鎖型スプリンクラ
ヘッド4aから放出される消火剤の状態をコントロール
して、屋内の火災を効果的に消火することができるよう
にしている。
【0115】この特徴2に関連して、湿式スプリンクラ
消火設備は、以下のような特徴的な構成を備える。すな
わち、図1に示す湿式スプリンクラ消火設備は、制御盤
40からの指示に応じて消火剤が液体または気体状態で
放出されるよう消火剤の状態を調整する状態調整手段と
しての状態調整部24と、消火剤を閉鎖型スプリンクラ
ヘッド4aから液体状態で放出するかまたは気体状態で
放出するかを状態調整部24に指示する状態指示手段と
しての制御盤40とを備える。以下、かかる制御盤40
および状態調整部24についてそれぞれ具体的に説明す
る。
【0116】制御盤40は、消火剤を液体状態で放出す
るかまたは気体状態で放出するかを指示する。これは、
閉鎖型スプリンクラヘッド4aから放出される消火剤の
状態をコントロールすることができるようにするためで
あり、具体的には、消火剤の冷却作用による消火を期待
する場合には、消火剤を液体状態で放出し、消火剤の窒
息作用による消火を期待する場合には、消火剤を気体状
態で放出することなどが考えられる。
【0117】なお、本消火剤は低沸点であり、液体状態
から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うこと
による冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによ
る窒息作用をもたらすので、この冷却作用および窒息作
用によって高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果
を得ることができるように、常に消火剤が液体状態で放
出されるよう指示することもできる。
【0118】また、制御盤40は、各閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aから消火剤が放出される際に指示をおこな
う。すなわち、図1に示すように、状態調整部24は複
数の区画ごとに各閉鎖型スプリンクラヘッド4aの近傍
に配置され、閉鎖型スプリンクラヘッド4aから放出さ
れる消火剤の状態を調整する。
【0119】これは、消火剤の状態が消火剤タンク20
から閉鎖型スプリンクラヘッド4aまで運ばれてくる段
階で変化するおそれがあるところ、各閉鎖型スプリンク
ラヘッド4aの近傍で(閉鎖型スプリンクラヘッド4a
から消火剤が放出される際に)状態を調整することによ
って、閉鎖型スプリンクラヘッド4aから放出される消
火剤の状態を確実にコントロールすることができるよう
にするためである。
【0120】また、制御盤40は、各状態調整部24に
対して同一または異なる状態指示信号を送信する。すな
わち、各状態調整部24に対して同一の状態指示信号を
送信するだけでなく、異なる状態指示信号を送信するこ
ともできる。これは、例えば、水に弱い精密機械が存在
する区画に対しては消火剤を気体状態で放出し、樹脂、
ゴム、油などの高燃焼性物質が存在する区画に対しては
消火剤を液体状態で放出するなど、各区画の消火対象物
に応じた多種多様な消火処理を実現することができるよ
うにするためである。
【0121】また、制御盤40は、図1に示すように、
湿式流水検知装置3aから流水信号を受信し、この受信
に応じて状態指示信号を送信するが、火災が発生してか
らの時間経過に応じて状態指示信号を送信することもで
きる(図2に示すステップS213およびステップS2
14)。すなわち、流水信号の受信に応じて状態指示信
号を送信するだけでなく、消火処理の最中に状態指示信
号を送信することもできる。
【0122】これは、例えば、消火処理の初期段階では
消火剤を液体状態で放出し、その後に消火剤を気体状態
で放出するなど、火災発生からの時間経過に応じた多種
多様な消火処理を実現することができるようにするため
である。なお、制御盤40は、消火終了後に(図2に示
すステップS212)、状態調整を終了すべき旨を状態
調整部24に指示する。
【0123】状態調整部24は、制御盤40からの指示
に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよう
消火剤の状態を調整する。ここで、本消火剤の沸点は、
上記したように48℃であるので、状態調整部24によ
って消火剤の状態を調整する方式としては、消火剤の温
度を調整する方式や、消火剤の圧力を調整する方式を採
用することができる。
【0124】すなわち、消火剤の温度が48℃未満にな
るように消火剤を冷却することによって、消火剤を液体
状態で放出する方式、消火剤の温度が48℃以上になる
ように消火剤を加熱することによって、消火剤を気体状
態で放出する方式、消火剤の温度が変化しても沸点が消
火剤の温度以上になるように消火剤を加圧することによ
って、消火剤を液体状態で放出する方式、消火剤の温度
が変化しても沸点が消火剤の温度未満になるように消火
剤を減圧することによって、消火剤を気体状態で放出す
る方式などを採用することができる。
【0125】ここで、かかる状態調整部24の具体的な
構成例について説明する。図6は、図1に示した状態調
整部24の具体的な構成例を示す図である。例えば、図
6(a)に示すように、閉鎖型スプリンクラヘッド4a
の近傍の分岐管2に加熱装置24aを配置し、この加熱
装置24aによって、消火剤タンク20から供給される
液体状態の消火剤を加熱すれば、消火剤を気体状態で放
出することができ、一方、加熱装置24aによる加熱を
停止すれば、消火剤を液体状態で放出することができ
る。
【0126】また、図6(b)に示すように、閉鎖型ス
プリンクラヘッド4aの近傍の分岐管2に減圧装置24
bを配置し、この減圧装置24bによって、消火剤タン
ク20から供給される液体状態の消火剤を減圧すれば、
消火剤を気体状態で放出することができ、一方、減圧装
置24bによる減圧を停止すれば、消火剤を液体状態で
放出することができる。
【0127】なお、図6(a)および(b)では、消火
剤タンク20から消火剤が液体状態で供給されることを
前提に説明し、加熱の停止や減圧の停止といった簡単な
処理によって消火剤を液体状態で放出することとした
が、これを確実に実現するためには、図6(c)に示す
ように、消火剤が通過する分岐管2、さらには本管1に
ついて、二重構造などの冷却構造や加圧構造を採用する
ことによって、消火剤タンク20から消火剤が確実に液
体状態で供給されるようにすることが望ましい。
【0128】また、図6(d)に示すように、消火剤タ
ンク20から消火剤が液体状態または気体状態のいずれ
かで供給されても対応できるように、消火剤を確実に気
体状態にする加熱装置24aまたは減圧装置24bと、
消火剤を確実に液体状態にする冷却装置24cまたは加
圧装置24dとを併設するといった方式を採用すること
もできる。
【0129】このように、状態調整部24の具体的な構
成例として、複数の構成例を挙げることができるが、閉
鎖型スプリンクラヘッド4aが設置される環境の気温や
気圧など、消火剤の状態に影響を与える要因を考察して
最適な構成例を採用することが望まれる。例えば、気温
の高い熱帯では、消火剤が常に気体状態で放出されるよ
うなことにならないように、図6(c)または(d)に
示した方式を採用することが望ましいと考えられる。
【0130】(特徴3)次に、上記した特徴3について
説明する。この特徴3は、消火剤タンク20が消火剤を
液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持する点にあ
る。
【0131】具体的に説明すると、本消火剤は、図3
(b)に示したように、沸点が常温帯域の近傍の48℃
と低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いた
のでは、消火剤タンク20に蓄えられている段階で気体
状態になるおそれがある。このように、消火剤が貯蔵段
階で気体状態になってしまうと、消火剤タンク20に過
度な圧力がかかって事故を誘発するだけでなく、消火剤
タンク20による消火剤の貯蔵効率も低下することとな
る。
【0132】そこで、本実施の形態に係る湿式スプリン
クラ消火設備においては、消火剤タンク20が消火剤を
液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持することを特
徴とし、これによって、消火剤を常に液体状態で貯蔵し
て、消火剤タンク20に過度な圧力がかかることによる
事故の誘発を防止するとともに、消火剤タンク20によ
る貯蔵効率の低下を防止することができるようにしてい
る。
【0133】この特徴1に関連して、湿式スプリンクラ
消火設備は、図1に示すように、消火剤タンク20が消
火剤を液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持する状
態維持手段としての状態維持部23を備える。
【0134】そして、本消火剤の沸点は、上記したよう
に48℃であるので、状態維持部23によって消火剤を
液体状態に維持する方式としては、上記した状態調整部
24と同様、消火剤の温度が48℃以下になるように消
火剤の温度を調整する方式や、消火剤の温度が48℃以
上になっても沸点がこれ以上になるように消火剤の圧力
を調整する方式を採用することができる。
【0135】ここで、状態維持部23の具体的な構成例
について説明する。図5は、図1に示した状態維持部の
具体的な構成例を示す図である。例えば、図5(a)に
示すように、消火剤タンク20を二重構造にして、空気
23aを補填し、この空気23aにより消火剤を冷却す
ることによって、消火剤の温度が48℃以下になるよう
に消火剤の温度を調整することができる。
【0136】また、これと同様に、図5(b)および
(c)に示すように、冷却剤23bまたは断熱材23c
により消火剤を冷却することによって、消火剤の温度が
48℃以下になるように消火剤の温度を調整することが
できる。
【0137】さらに、図5(d)に示すように、消火剤
タンク20に加圧空気23dを補填し、この加圧空気2
3dにより消火剤の圧力を加圧することによって、沸点
が消火剤の温度以上になるように消火剤の圧力を調整す
ることができる。
【0138】このように、状態維持部23の具体的な構
成例として、複数の構成例を挙げることができるが、上
記した状態調整部24と同様、消火剤タンク20が設置
される環境の気温や気圧など、消火剤の状態に影響を与
える要因を考察して最適な構成例を採用することが望ま
れる。例えば、気温の低い寒冷地帯では、図5(a)に
示した空気23aによる冷却方式を採用することで十分
であるが、気温の高い熱帯では、図5(b)に示した冷
却剤23bによる冷却方式を採用することが望ましいと
考えられる。
【0139】(特徴4)次に、上記した特徴4について
説明する。この特徴4は、消火剤が加熱されることによ
って発生する生成物を中和するための中和剤を屋内に放
出する点にある。
【0140】具体的に説明すると、本消火剤は、図3
(b)に示したように、炎に触れるとHF(フッ化水
素)という毒性の生成物を発生させるという物性を有す
るため、これを単純に消火剤として用いたのでは、フッ
化水素によって人体に害を及ぼしてしまうおそれがあ
る。
【0141】そこで、本実施の形態に係る湿式スプリン
クラ消火設備おいては、本消火剤が炎に触れることによ
って発生するフッ化水素を中和するための中和剤を屋内
に放出することを特徴とし、これによって、フッ化水素
による人体への悪影響を除去することができるようにし
ている。
【0142】この特徴4に関連して、湿式スプリンクラ
消火設備は、図1に示すように、所定の場所に設置され
て中和剤を蓄えた中和剤タンク30と、消火剤タンク2
0から供給される中和剤を屋内に放出する中和剤ヘッド
32と、中和剤ヘッド32の近傍にそれぞれ配置され、
制御盤40の制御(開放信号および閉鎖信号)によって
中和剤供給の開始終了(バルブ開閉)を実行するバルブ
31とを有する。
【0143】そして、湿式スプリンクラ消火設備は、上
記の構成によって、図2に示すように、中和剤を放出し
て、屋内のフッ化水素を中和する(ステップS215お
よびステップS216)。具体的には、制御盤40は、
消火剤が放出された区画に配置された中和剤ヘッド32
に隣接するバルブ31に対して開放信号を送信すること
によって、バルブ31を開放する。このバルブ31の開
放によって、中和剤タンク30から中和剤ヘッド32へ
中和剤が供給され、続いて、中和剤ヘッド32から屋内
に中和剤が放出され、フッ化水素が中和される。
【0144】そして、中和が終了すると、制御盤40
は、開放されたバルブ31に対して閉鎖信号を送信する
ことによって、バルブ31を閉鎖する。このバルブ31
の閉鎖によって、中和剤の供給が停止され、中和剤ヘッ
ド32からの中和剤の放出も停止される。
【0145】なお、中和剤としては、Ca(OH)2
化学式で表される消石灰スラリー、NH3の化学式で表
されるアンモニアなど、フッ化水素を中和するあらゆる
化学物質を採用することができる。
【0146】[他の実施の形態]さて、これまで本発明
の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実
施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術
的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実
施されてもよいものである。
【0147】例えば、本実施の形態では、本発明を湿式
スプリンクラ消火設備に適用した場合を説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、乾式スプリンク
ラ消火設備、予作動式スプリンクラ消火設備、開放式ス
プリンクラ消火設備など、あらゆる方式のスプリンクラ
消火設備に適用することができる。以下に、本発明を適
用した各方式のスプリンクラ消火設備について説明す
る。
【0148】まず最初に、本発明を乾式スプリンクラ消
火設備に適用した場合を説明する。図7は、本発明を乾
式スプリンクラ消火設備に適用した場合の構成を示す構
成図である。同図に示すように、この乾式スプリンクラ
消火設備は、図1に示した湿式スプリンクラ消火設備と
比較すると、湿式流水検知装置3aに代えて乾式流水検
知装置3bを有する点と、分岐管2に加圧空気を供給す
るための空気コンプレッサ5を有する点が相違するが、
上記した特徴1〜4を有する点は共通する。
【0149】すなわち、消火剤タンク20は、ドデカフ
ルオロ−2−メチルペンタン−3−オンを消火剤として
蓄え(特徴1)、制御盤40は、消火剤を閉鎖型スプリ
ンクラヘッド4aから液体状態で放出するかまたは気体
状態で放出するかを指示し、状態調整部24は、この指
示に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよ
う消火剤の状態を調整し(特徴2)、状態維持部23
は、消火剤タンク20が消火剤を液体状態で蓄えるよう
消火剤の状態を維持し(特徴3)、中和剤ヘッド32
は、消火剤が加熱されることによって発生する生成物を
中和するための中和剤を放出する(特徴4)。
【0150】図8は、図7に示した乾式スプリンクラ消
火設備による消火処理の手順を示すフローチャートであ
る。この湿式スプリンクラ消火設備は、火災発生前の定
常状態においては、消火剤タンク20から乾式流水検知
装置3bの間に配管される本管1および分岐管2には、
消火剤が充填されているが、乾式流水検知装置3bから
閉鎖型スプリンクラヘッド4aの間に配管される分岐管
2には、空気コンプレッサ5によって加圧空気が充填さ
れている。
【0151】かかる定常状態において火災が発生すると
(ステップS801)、閉鎖型スプリンクラヘッド4a
が作動し、これによって消火処理が開始される(ステッ
プS802)。具体的には、閉鎖型スプリンクラヘッド
4aは、火災の熱によって自動的に放出口を開放して、
加圧空気を放出した後に消火剤の放出を開始する(ステ
ップS803およびステップS804)。
【0152】この消火剤の放出に対応して、分岐管2の
管内には流水が生じ(ステップS805)、また、本管
1の管内圧力は減圧する(ステップS806)。このた
め、乾式流水検知装置3bが作動し、受信盤10および
制御盤40に対して流水信号を送信する(ステップS8
07)。また、圧力タンク21も作動し、消火剤供給部
22に対して起動信号を送信する(ステップS80
8)。
【0153】そして、消火剤供給部22、受信盤10、
警報器11、制御盤40、状態調整部24および中和剤
ヘッド32は、図2に示した湿式スプリンクラ消火設備
による消火処理と同様の処理を実行する(ステップS8
09〜ステップS817)。
【0154】次に、本発明を予作動式スプリンクラ消火
設備に適用した場合を説明する。図9は、本発明を予作
動式スプリンクラ消火設備に適用した場合の構成を示す
構成図である。同図に示すように、この予作動式スプリ
ンクラ消火設備は、図1に示した湿式スプリンクラ消火
設備と比較すると、湿式流水検知装置3aに代えて、制
御盤40の制御によって開閉される予作動弁3dを備え
た予作動式流水検知装置3cを有する点と、分岐管2に
加圧空気を供給するための空気コンプレッサ5、火災を
検知して制御盤40に火災信号を送信する火災検知器4
1、および火災検知器41から火災信号を受信して予作
動弁3dに開放信号を送信する制御盤40を有する点が
相違するが、上記した特徴1〜4を有する点は共通す
る。
【0155】図10は、図9に示した予作動式スプリン
クラ消火設備による消火処理の手順を示すフローチャー
トである。この予作動式スプリンクラ消火設備は、火災
発生前の定常状態においては、予作動弁3dは閉鎖状態
にあり、消火剤タンク20から予作動式流水検知装置3
cの間に配管される本管1および分岐管2には、消火剤
が充填されているが、予作動式流水検知装置3cから閉
鎖型スプリンクラヘッド4aの間に配管される分岐管2
には、空気コンプレッサ5によって加圧空気が充填され
ている。
【0156】かかる定常状態において火災が発生すると
(ステップS1001)、火災検知器51が作動し、制
御盤40に対して火災信号を送信する(ステップS10
02)。そして、火災信号を受信した制御盤40は、予
作動弁3dに対して開放信号を送信して、予作動弁3d
を開放させる(ステップS1003およびステップS1
004)。これによって、予作動式流水検知装置3cか
ら閉鎖型スプリンクラヘッド4aの間に配管される分岐
管2にも、消火剤が充填されることとなる(ステップS
1005)。
【0157】これに続いて、閉鎖型スプリンクラヘッド
4aが作動すると、実際に消火処理が開始される(ステ
ップS1006)。具体的には、閉鎖型スプリンクラヘ
ッド4aは、火災の熱によって自動的に放出口を開放し
て消火剤の放出を開始する(ステップS1007)。
【0158】この消火剤の放出に対応して、分岐管2の
管内には流水が生じ(ステップS1008)、また、本
管1の管内圧力は減圧する(ステップS1009)。こ
のため、予作動式流水検知装置3cが作動し、受信盤1
0に対して流水信号を送信する(ステップS101
0)。また、圧力タンク21も作動し、消火剤供給部2
2に対して起動信号を送信する(ステップS101
1)。
【0159】そして、消火剤供給部22、受信盤10、
警報器11、制御盤40、状態調整部24および中和剤
ヘッド32は、図2に示した湿式スプリンクラ消火設備
による消火処理と同様の処理を実行する(ステップS1
012〜ステップS1019)。
【0160】次に、本発明を開放式スプリンクラ消火設
備に適用した場合を説明する。図11は、本発明を開放
式スプリンクラ消火設備に適用した場合の構成を示す構
成図である。同図に示すように、この開放式スプリンク
ラ消火設備は、図1に示した湿式スプリンクラ消火設備
と比較すると、閉鎖型スプリンクラヘッド4aに代え
て、放出口が常時開放された開放型スプリンクラヘッド
4bを有する点と、分岐管2に配置されて制御盤40の
制御によって開閉される一斉開放弁6、火災を検知して
制御盤40に火災信号を送信する火災検知器51、およ
び火災検知器51から火災信号を受信して一斉開放弁6
に開放信号を送信する制御盤40を有する点が相違する
が、上記した特徴1〜4を有する点は共通する。
【0161】図12は、図11に示した開放式スプリン
クラ消火設備による消火処理の手順を示すフローチャー
トである。この開放式スプリンクラ消火設備は、火災発
生前の定常状態においては、一斉開放弁6は閉鎖状態に
あり、消火剤タンク20から一斉開放弁6の間に配管さ
れる本管1および分岐管2には、消火剤が充填されてい
るが、一斉開放弁6から開放型スプリンクラヘッド4b
の間に配管される分岐管2には、自然の空気が充填され
ている。
【0162】かかる定常状態において火災が発生すると
(ステップS1201)、火災検知器51が作動し、制
御盤40に対して火災信号を送信する(ステップS12
02)。そして、火災信号を受信した制御盤40は、一
斉開放弁6に対して開放信号を送信して、一斉開放弁6
を開放させる(ステップS1203およびステップS1
204)。これによって、開放型スプリンクラヘッド4
bから消火剤の放出が開始される(ステップS120
5)。
【0163】この消火剤の放出に対応して、分岐管2の
管内には流水が生じ(ステップS1206)、また、本
管1の管内圧力は減圧する(ステップS1207)。こ
のため、湿式流水検知装置3aが作動し、受信盤10に
対して流水信号を送信する(ステップS1208)。ま
た、圧力タンク21も作動し、消火剤供給部22に対し
て起動信号を送信する(ステップS1209)。
【0164】そして、消火剤供給部22、受信盤10、
警報器11、制御盤40、状態調整部24および中和剤
ヘッド32は、図2に示した湿式スプリンクラ消火設備
による消火処理と同様の処理を実行する(ステップS1
210〜ステップS1217)。
【0165】上述してきたように、本発明は乾式スプリ
ンクラ消火設備、予作動式スプリンクラ消火設備および
開放式スプリンクラ消火設備に適用することができる
が、これらの方式に限定されるものではなく、図13お
よび図14に示すように、あらゆる方式のスプリンクラ
消火設備に適用することもできる。
【0166】図13は、本発明を緊急停止式スプリンク
ラ消火設備に適用した場合の構成を示す構成図である。
同図に示すように、この緊急停止式スプリンクラ消火設
備は、図1に示した湿式スプリンクラ消火設備と比較す
ると、分岐管2に配置されて制御盤40の制御によって
開閉される緊急停止弁7、火災を検知して制御盤40に
火災信号を送信する火災検知器41、および火災検知器
41から火災信号を受信して緊急停止弁7に閉鎖信号を
送信する制御盤40を有する点が相違するが、上記した
特徴1〜4を有する点は共通する。
【0167】すなわち、この緊急停止式スプリンクラ消
火設備は、湿式スプリンクラ消火設備または乾式スプリ
ンクラ消火設備(図13においては、湿式スプリンクラ
消火設備)において、消火剤の放出が開始された後で
も、火災検知器41によって火災が検知されなかった場
合には、消火剤による屋内の水損を低減するために、緊
急停止弁7を閉鎖し、消火剤の放出を緊急的に停止する
ものである。そして、このようなスプリンクラ消火設備
においても、本発明を適用することができる。
【0168】また、図14は、本発明を併合式スプリン
クラ消火設備に適用した場合の構成を示す構成図であ
る。同図に示すように、この併合式スプリンクラ消火設
備は、図1に示した湿式スプリンクラ消火設備と比較す
ると、常時開放された開放型スプリンクラヘッド4b
と、この開放型スプリンクラヘッド4bから分岐管2に
配管される管に配置されて制御盤40の制御によって開
閉される一斉開放弁6とを有する点が相違するが、上記
した特徴1〜4を有する点は共通する。
【0169】すなわち、この併合式スプリンクラ消火設
備は、湿式スプリンクラ消火設備と開放式スプリンクラ
消火設備とを併合し、火災の熱によって閉鎖型スプリン
クラヘッド4aが開放されて消火剤が放出されると、一
斉開放弁6を開放し、消火剤を開放型スプリンクラヘッ
ド4bからも放出するものである。そして、このような
スプリンクラ消火設備においても、本発明を適用するこ
とができる。
【0170】さて、これまで本発明を湿式スプリンクラ
消火設備以外に、乾式スプリンクラ消火設備、予作動式
スプリンクラ消火設備、開放式スプリンクラ消火設備な
ど、あらゆる方式のスプリンクラ消火設備に適用するこ
とができる旨を説明したが、本発明はこれ以外にも、以
下に述べるように、上記特許請求の範囲に記載した技術
的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実
施されてもよいものである。
【0171】例えば、本実施の形態では、ドデカフルオ
ロ−2−メチルペンタン−3−オンを消火剤として用い
る場合を説明したが、本発明はこれに限定されるもので
なく、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン
を主成分として含んだものを消火剤として用いる場合に
も同様に適用することができる。
【0172】また、本実施の形態では、消火剤としてド
デカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンという化
学物質を用いる場合を説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、常温の帯域では液体状態であって
当該常温の近傍帯域では気体状態であるなど、ドデカフ
ルオロ−2−メチルペンタン−3−オンと同様の物性を
有する化学物質(例えば、ドデカフルオロ−2−メチル
ペンタン−3−オンと同じくフルオリネィティドケトン
に属する化学物質、C49OCH3やC49OC25
ど、ハイドロフルオロエーテルに属する化学物質)を消
火剤として用いる場合にも同様に適用することができ
る。
【0173】また、本実施の形態では、状態調整部24
を各閉鎖型スプリンクラヘッド4aの近傍に配置する場
合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、状態調整部24を消火剤タンク20の近傍に配置
し、消火剤タンク20から消火剤が供給される際に、消
火剤の状態を調整する場合にも同様に適用することがで
きる。この場合には、閉鎖型スプリンクラヘッド4aご
とに消火剤を異なる状態で放出したりすることはできな
いが、消火剤の放出に際して各閉鎖型スプリンクラヘッ
ド4aで消火剤の状態を調整する態様に比較して簡便な
態様で、各閉鎖型スプリンクラヘッド4aから同様の状
態の消火剤を放出することができる点で有効と考えられ
る。
【0174】また、本実施の形態では、消火処理の終了
段階で中和剤を放出する場合を説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、例えば、消火剤とともに
中和剤を放出するなど、消火処理のあらゆる段階で中和
剤を放出する場合にも同様に適用することができ、ま
た、あらかじめ中和剤を消火剤に混合して放出する場合
や、プレッシャープロポーショナー方式やプレッシャー
サイドプロポーショナー方式を利用して分岐管2の所定
箇所で中和剤を消火剤と混合して放出する場合にも同様
に適用することができる。
【0175】また、本実施の形態では、火災が発生に応
じて消火剤を放出して火災を消火する場合を説明した
が、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、ガ
ソリンなどの引火性物質が撒き散らされて火災発生のお
それがあるような場合など、火災の発生前に消火剤を放
出して火災を防止する場合にも同様に適用することがで
きる。なお、この場合には、火災の検知によらず、手動
操作などによって消火剤の放出が開始されることとな
る。
【0176】また、本実施の形態では、スプリンクラヘ
ッドとして開放型スプリンクラヘッドや閉鎖型スプリン
クラヘッドを用いる場合を説明したが、本発明はこれに
限定されるものでなく、例えば、火災の熱によって開閉
されるON/OFF型スプリンクラヘッドなど、あらゆ
るスプリンクラヘッドを用いる場合にも同様に適用する
ことができる。
【0177】また、本実施の形態では、いわゆる一斉開
放弁が火災検知器による火災検知や消火剤の放出によっ
て開放される場合を説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、一斉開放弁が手動操作によ
って開放される場合にも同様に適用することができる。
【0178】また、本実施の形態では、一般的なスプリ
ンクラ消火設備に本発明を適用する場合を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、消火
剤を200ミクロン以下の霧状にして噴霧する微噴霧消
火設備、火災延焼を防止するために消火剤をカーテン状
にして放出するウォータースクリーン防火設備など、あ
らゆる消火設備に同様に適用することができる。
【0179】なお、本実施の形態において説明した各処
理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処
理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あ
るいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理
の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこと
もできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手
順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ
を含む情報については、特記する場合を除いて任意に変
更することができる。
【0180】また、図示した各装置の各構成要素は機能
概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成
されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・
統合の具合的形態は図示のものに限られず、その全部ま
たは一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の
単位で機能的または物理的に分散・統合して構成するこ
とができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能
は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該C
PUにて解析実行されるプログラムにて実現され、ある
いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実
現され得る。
【0181】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の
近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤
をスプリンクラヘッドから放出することによって消火を
おこなう。したがって、消火剤が液体状態から急速に気
体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作
用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用を
もたらすため、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高
燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが
可能であり、また、放出後には蒸発して痕跡が残らない
ため、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にす
ることが可能なスプリンクラ消火設備が得られるという
効果を奏する。特に、水に弱い精密機械が存在するコン
ピュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放
出後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対す
る影響を低減することも可能であり、さらに、ガソリン
などの引火性物質を撒き散らされたような事態に対して
も、ガソリンなどが着火される以前に躊躇なく消火剤を
放出することも可能なスプリンクラ消火設備が得られる
という効果を奏する。
【0182】また、請求項2の発明によれば、フルオリ
ネィティドケトンまたはハイドロフルオロエーテルを主
成分とする消火剤をスプリンクラヘッドから放出するこ
とによって消火をおこなう。このフルオリネィティドケ
トンまたはハイドロフルオロエーテルは、常温の帯域で
は液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態
であるという物性を備えるので、これを消火剤として用
いることによって、請求項1に記載された効果と同様の
効果を得ることが可能なスプリンクラ消火設備が得られ
るという効果を奏する。
【0183】また、請求項3の発明によれば、CF3
2C(O)CF(CF32、C49OCH3またはC4
9OC25を主成分とする消火剤をスプリンクラヘッ
ドから放出することによって消火をおこなう。例えば、
このCF3CF2C(O)CF(CF32の示性式で表さ
れるドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン
は、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP
(地球温暖化係数)が1に近く、常温で液体の状態にあ
り(沸点が48℃)、絶縁性があり、放っておくと蒸発
して痕跡が残らないといった物性を備えるフッ素系の化
学物質である。したがって、これを消火剤として用いる
ことによって、水を消火剤として用いる場合よりも高燃
焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可
能であり、また、泡薬剤を消火剤として用いる場合より
も放出後の事後処理を容易にすることが可能であり、さ
らに、消火剤による環境への影響を低減することも可能
なスプリンクラ消火設備が得られるという効果を奏す
る。なお、C49OCH3またはC49OC25を主成
分とする消火剤を用いた場合も、同様の効果が奏され
る。
【0184】また、請求項4の発明によれば、消火剤を
スプリンクラヘッドから液体状態で放出するかまたは気
体状態で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤
がスプリンクラヘッドから液体または気体状態で放出さ
れるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、ス
プリンクラヘッドから放出される消火剤、すなわち常温
の帯域では液体状態であって当該常温の近傍帯域では気
体状態であるという物性を備える消火剤(例えば、ドデ
カフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン)の状態を
コントロールして、屋内の火災を効果的に消火すること
が可能なスプリンクラ消火設備が得られるという効果を
奏する。
【0185】また、請求項5の発明によれば、消火剤を
冷却または加熱することによって当該消火剤の状態を調
整する。したがって、消火剤を冷却することによって消
火剤を液体状態で放出し、消火剤を加熱することによっ
て消火剤を気体状態で放出するという簡便な原理を採用
して、消火剤の状態を調整することが可能なスプリンク
ラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【0186】また、請求項6の発明によれば、消火剤を
加圧または減圧することによって当該消火剤の状態を調
整する。したがって、消火剤を加圧することによって消
火剤を液体状態で放出し、消火剤を減圧することによっ
て消火剤を気体状態で放出するという簡便な原理を採用
して、消火剤の状態を調整することが可能なスプリンク
ラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【0187】また、請求項7の発明によれば、消火剤タ
ンクの近傍にて、消火剤タンクからスプリンクラヘッド
に対して消火剤が供給される際に、当該消火剤の状態を
調整する。したがって、消火剤の放出に際して各スプリ
ンクラヘッドで消火剤の状態を調整する態様に比較して
簡便な態様で、各スプリンクラヘッドから同様の状態の
消火剤を放出することが可能なスプリンクラ消火設備が
得られるという効果を奏する。
【0188】また、請求項8の発明によれば、スプリン
クラヘッドの近傍にて、当該スプリンクラヘッドから消
火剤が放出される際に、当該消火剤の状態を調整する。
したがって、消火剤が消火剤タンクからスプリンクラヘ
ッドまで運ばれてくる段階で消火剤の状態が変化したよ
うな場合でも、スプリンクラヘッドから放出される消火
剤の状態を確実にコントロールすることが可能なスプリ
ンクラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【0189】また、請求項9の発明によれば、複数の区
画ごとに配置される各状態調整手段に対して同一または
異なる指示を与える。したがって、例えば、水に弱い精
密機械が存在する区画に対しては消火剤を気体状態で放
出し、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質が存在する区
画に対しては消火剤を液体状態で放出するなど、各区画
の消火対象物に応じた多種多様な消火処理を実現するこ
とが可能なスプリンクラ消火設備が得られるという効果
を奏する。
【0190】また、請求項10の発明によれば、火災が
発生してからの時間経過に応じて、消火剤を液体状態で
放出するかまたは気体状態で放出するかを指示する。し
たがって、例えば、消火処理の初期段階では消火剤を液
体状態で放出し、その後に消火剤を気体状態で放出する
など、火災発生からの時間経過に応じた多種多様な消火
処理を実現することが可能なスプリンクラ消火設備が得
られるという効果を奏する。
【0191】また、請求項11の発明によれば、消火剤
タンクが消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状
態を維持する。したがって、消火剤を常に液体状態で貯
蔵して、消火剤タンクに過度な圧力がかかることによる
事故の誘発を防止することが可能であるとともに、消火
剤タンクによる貯蔵効率の低下を防止することが可能な
スプリンクラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【0192】また、請求項12の発明によれば、消火剤
が加熱されることによって発生する生成物を中和するた
めの中和剤を屋内に放出する。したがって、人体に有害
な生成物を中和して、生成物による人体への悪影響を除
去することが可能なスプリンクラ消火設備が得られると
いう効果を奏する。
【0193】また、請求項13の発明によれば、消火剤
タンクに蓄えられた消火剤を加熱することによって消火
剤の供給をおこなう。したがって、消火剤を加熱すると
いう簡便な原理を採用して、消火剤タンクから消火剤を
供給することが可能になる。また、消火剤を気体状態に
してスプリンクラヘッドに供給するため、簡便な構成に
よって消火剤を気体状態で放出することが可能なスプリ
ンクラ消火設備が得られるという効果を奏する。また、
消火剤を気体状態にしてスプリンクラヘッドに供給する
ため、簡便な構成によって消火剤を気体状態で放出する
ことが可能なスプリンクラ消火設備が得られるという効
果を奏する。
【0194】また、請求項14の発明によれば、消火剤
タンクに蓄えられた消火剤をポンプで加圧することによ
って消火剤の供給をおこなう。したがって、消火剤をポ
ンプで加圧するという簡便な原理を採用して、消火剤タ
ンクから消火剤を供給することが可能なスプリンクラ消
火設備が得られるという効果を奏する。
【0195】また、請求項15の発明によれば、消火剤
タンクに蓄えられた消火剤を当該消火剤とは異なる物性
の気体で加圧することによって消火剤の供給をおこな
う。したがって、消火剤を気体で加圧するという簡便な
原理を採用して、消火剤タンクから消火剤を供給するこ
とが可能なスプリンクラ消火設備が得られるという効果
を奏する。
【0196】また、請求項16の発明によれば、消火剤
タンクに蓄えられた消火剤を当該消火剤とは異なる物性
の液体で加圧することによって消火剤の供給をおこな
う。したがって、消火剤を液体で加圧するという簡便な
原理を採用して、消火剤タンクから消火剤を供給するこ
とが可能なスプリンクラ消火設備が得られるという効果
を奏する。
【0197】また、請求項17の発明によれば、消火剤
タンクに蓄えられた消火剤を重力落差によって供給す
る。したがって、重力落差を利用するという簡便な原理
を採用して、消火剤タンクから消火剤を供給することが
可能なスプリンクラ消火設備が得られるという効果を奏
する。
【0198】また、請求項18の発明によれば、火災の
熱によって閉鎖型スプリンクラヘッドまたはON/OF
F型スプリンクラヘッドが開放されると、閉鎖型スプリ
ンクラヘッドまたはON/OFF型スプリンクラヘッド
から消火剤タンクまでの間に充填されていた消火剤が閉
鎖型スプリンクラヘッドまたはON/OFF型スプリン
クラヘッドから放出される。さらに、かかる閉鎖型スプ
リンクラヘッドまたはON/OFF型スプリンクラヘッ
ドから放出される消火剤の状態が調整される。したがっ
て、湿式スプリンクラ消火設備として構成する場合で
も、消火剤の状態をコントロールして、屋内の火災を効
果的に消火することが可能なスプリンクラ消火設備が得
られるという効果を奏する。
【0199】また、請求項19の発明によれば、火災の
熱によって閉鎖型スプリンクラヘッドが開放されると、
閉鎖型スプリンクラヘッドから弁までの間に充填された
加圧気体が閉鎖型スプリンクラヘッドから放出されると
ともに、消火剤管を流れる消火剤によって弁が開放さ
れ、続けて、弁から消火剤タンクまでの間に充填されて
いた消火剤が閉鎖型スプリンクラヘッドから放出され
る。さらに、かかる閉鎖型スプリンクラヘッドから放出
される消火剤の状態が調整される。したがって、乾式ス
プリンクラ消火設備として構成する場合でも、消火剤の
状態をコントロールして、屋内の火災を効果的に消火す
ることが可能なスプリンクラ消火設備が得られるという
効果を奏する。
【0200】また、請求項20の発明によれば、火災検
知器による火災検知に応じて予作動弁が開放されて、予
作動弁から閉鎖型スプリンクラヘッドの間にも消火剤が
充填され、続いて、火災の熱によって閉鎖型スプリンク
ラヘッドが開放されると、閉鎖型スプリンクラヘッドか
ら消火剤タンクまでの間に充填された消火剤が閉鎖型ス
プリンクラヘッドから放出される。さらに、かかる閉鎖
型スプリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調
整される。したがって、予作動式スプリンクラ消火設備
として構成する場合でも、消火剤の状態をコントロール
して、屋内の火災を効果的に消火することが可能なスプ
リンクラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【0201】また、請求項21の発明によれば、火災検
知器による火災検知および/または手動操作に応じて一
斉開放弁が開放され、一斉開放弁から消火剤タンクの間
に充填された消火剤が常時開放された開放型スプリンク
ラヘッドから放出される。さらに、かかる開放型スプリ
ンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調整され
る。したがって、開放式スプリンクラ消火設備として構
成する場合でも、消火剤の状態をコントロールして、屋
内の火災を効果的に消火することが可能なスプリンクラ
消火設備が得られるという効果を奏する。
【0202】また、請求項22の発明によれば、湿式ス
プリンクラ消火設備または乾式スプリンクラ消火設備に
おいて、消火剤の放出が開始された後でも、火災検知器
によって火災が検知されなかった場合には、消火剤によ
る屋内の水損を低減するために、緊急停止弁が閉鎖さ
れ、消火剤の放出が緊急的に停止される。そして、この
緊急停止式スプリンクラ消火設備においても、閉鎖型ス
プリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が調整さ
れる。したがって、緊急停止式スプリンクラ消火設備と
して構成する場合でも、消火剤の状態をコントロールし
て、屋内の火災を効果的に消火することが可能なスプリ
ンクラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【0203】また、請求項23の発明によれば、火災の
熱によって閉鎖型スプリンクラヘッドが開放されると、
閉鎖型スプリンクラヘッドから消火剤タンクまでの間に
充填されていた消火剤が閉鎖型スプリンクラヘッドから
放出され、続いて、この閉鎖型スプリンクラヘッドによ
る消火剤の放出および/または手動操作に応じて一斉開
放弁が開放され、一斉開放弁から消火剤管までの間に充
填されていた消火剤が開放型スプリンクラヘッドから放
出される。さらに、閉鎖型スプリンクラヘッドおよび開
放型スプリンクラヘッドから放出される消火剤の状態が
調整される。したがって、併合式スプリンクラ消火設備
として構成する場合でも、消火剤の状態をコントロール
して、屋内の火災を効果的に消火することが可能なスプ
リンクラ消火設備が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る湿式スプリンクラ消火設備
の構成を示す構成図である。
【図2】図1に示した湿式スプリンクラ消火設備による
消火処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施の形態に用いられる消火剤を説明するた
めの説明図である。
【図4】図1に示した消火剤供給部の具体的な構成例を
示す図である。
【図5】図1に示した状態維持部の具体的な構成例を示
す図である。
【図6】図1に示した状態調整部の具体的な構成例を示
す図である。
【図7】本発明を乾式スプリンクラ消火設備に適用した
場合の構成を示す構成図である。
【図8】図7に示した乾式スプリンクラ消火設備による
消火処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明を予作動式スプリンクラ消火設備に適用
した場合の構成を示す構成図である。
【図10】図9に示した予作動式スプリンクラ消火設備
による消火処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明を開放式スプリンクラ消火設備に適用
した場合の構成を示す構成図である。
【図12】図11に示した開放式スプリンクラ消火設備
による消火処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明を緊急停止式スプリンクラ消火設備に
適用した場合の構成を示す構成図である。
【図14】本発明を併合式スプリンクラ消火設備に適用
した場合の構成を示す構成図である。
【図15】従来技術に係る湿式スプリンクラ消火設備の
構成を示す構成図である。
【図16】従来技術に係る乾式スプリンクラ消火設備の
構成を示す構成図である。
【図17】従来技術に係る予作動式スプリンクラ消火設
備の構成を示す構成図である。
【図18】従来技術に係る開放式スプリンクラ消火設備
の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 本管 2 分岐管 3a 湿式流水検知装置 4a 閉鎖型スプリンクラヘッド 10 受信盤 11 警報器 20 消火剤タンク 21 圧力タンク 22 消火剤供給部 23 状態維持部 24 状態調整部 30 中和剤タンク 31 バルブ 32 中和剤ヘッド 40 制御盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 慎樹 東京都品川区上大崎二丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 外村 賢昭 東京都品川区上大崎二丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 根之木 正浩 東京都品川区上大崎二丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 宮沢 昭雄 東京都品川区上大崎二丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 林 龍也 東京都品川区上大崎二丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 Fターム(参考) 2E189 BA03 CC02 CH03 GA07 2E191 AA10 AB13

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の消火剤を蓄えた消火剤タンクと、
    前記消火剤を放出するスプリンクラヘッドと、前記消火
    剤タンクから前記スプリンクラヘッドに配管された消火
    剤管を介して前記消火剤を供給する供給手段とを有し、
    前記スプリンクラヘッドから前記消火剤を放出すること
    によって消火をおこなうスプリンクラ消火設備であっ
    て、 前記消火剤は、常温の帯域では液体状態であって、当該
    常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える
    ことを特徴とするスプリンクラ消火設備。
  2. 【請求項2】 前記消火剤は、フルオリネィティドケト
    ンまたはハイドロフルオロエーテルを主成分とするもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のスプリンクラ
    消火設備。
  3. 【請求項3】 前記消火剤は、CF3CF2C(O)CF
    (CF32、C49OCH3またはC49OC25を主
    成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載
    のスプリンクラ消火設備。
  4. 【請求項4】 前記消火剤を前記スプリンクラヘッドか
    ら液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを
    指示する状態指示手段と、 前記状態指示手段による指示に応じて前記消火剤が液体
    または気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調
    整する状態調整手段と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3
    に記載のスプリンクラ消火設備。
  5. 【請求項5】 前記状態調整手段は、前記消火剤を冷却
    または加熱することによって当該消火剤の状態を調整す
    ることを特徴とする請求項4に記載のスプリンクラ消火
    設備。
  6. 【請求項6】 前記状態調整手段は、前記消火剤を加圧
    または減圧することによって当該消火剤の状態を調整す
    ることを特徴とする請求項4に記載のスプリンクラ消火
    設備。
  7. 【請求項7】 前記状態調整手段は、前記消火剤タンク
    の近傍に配置され、当該消火剤タンクから前記スプリン
    クラヘッドに対して前記消火剤が供給される際に、当該
    消火剤の状態を調整することを特徴とする請求項4、5
    または6に記載のスプリンクラ消火設備。
  8. 【請求項8】 前記状態調整手段は、前記スプリンクラ
    ヘッドの近傍に配置され、当該スプリンクラヘッドから
    前記消火剤が放出される際に、当該消火剤の状態を調整
    することを特徴とする請求項4、5または6に記載のス
    プリンクラ消火設備。
  9. 【請求項9】 前記スプリンクラヘッドおよび状態調整
    手段は、複数の区画ごとに対応づけて配置されるもので
    あって、前記状態指示手段は、前記複数の区画ごとに配
    置される各状態調整手段に対して同一または異なる指示
    を与えることを特徴とする請求項8に記載のスプリンク
    ラ消火設備。
  10. 【請求項10】 前記状態指示手段は、前記火災が発生
    してからの時間経過に応じて、前記消火剤を前記スプリ
    ンクラヘッドから液体状態で放出するかまたは気体状態
    で放出するかを指示することを特徴とする請求項4〜9
    のいずれか一つに記載のスプリンクラ消火設備。
  11. 【請求項11】 前記消火剤タンクが前記消火剤を液体
    状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する状態維持
    手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか一つに記載のスプリンクラ消火設備。
  12. 【請求項12】 前記消火剤が加熱されることによって
    発生する生成物を中和するための中和剤を放出する中和
    手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜11の
    いずれか一つに記載のスプリンクラ消火設備。
  13. 【請求項13】 前記供給手段は、前記消火剤タンクに
    蓄えられた消火剤を加熱することを特徴とする請求項1
    〜12のいずれか一つに記載のスプリンクラ消火設備。
  14. 【請求項14】 前記供給手段は、前記消火剤タンクに
    蓄えられた消火剤をポンプで加圧することを特徴とする
    請求項1〜12のいずれか一つに記載のスプリンクラ消
    火設備。
  15. 【請求項15】 前記供給手段は、前記消火剤タンクに
    蓄えられた消火剤を当該消火剤とは異なる物性の気体で
    加圧することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一
    つに記載のスプリンクラ消火設備。
  16. 【請求項16】 前記供給手段は、前記消火剤タンクに
    蓄えられた消火剤を当該消火剤とは異なる物性の液体で
    加圧することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一
    つに記載のスプリンクラ消火設備。
  17. 【請求項17】 前記供給手段は、前記消火剤タンクに
    蓄えられた消火剤を重力落差によって前記スプリンクラ
    ヘッドに対して供給することを特徴とする請求項1〜1
    2のいずれか一つに記載のスプリンクラ消火設備。
  18. 【請求項18】 前記スプリンクラヘッドは、火災の熱
    によって開放される閉鎖型スプリンクラヘッドまたは火
    災の熱によって開閉されるON/OFF型スプリンクラ
    ヘッドであって、 前記消火剤管は、当該閉鎖型スプリンクラヘッドまたは
    ON/OFF型スプリンクラヘッドから前記消火剤タン
    クまでの間に前記消火剤を充填して形成されることを特
    徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載のスプリ
    ンクラ消火設備。
  19. 【請求項19】 前記スプリンクラヘッドは、火災の熱
    によって開放される閉鎖型スプリンクラヘッドであっ
    て、 前記消火剤管は、当該消火剤管を流れる前記消火剤によ
    って開放される弁を有し、前記閉鎖型スプリンクラヘッ
    ドから前記弁までの間に加圧気体を充填し、当該弁から
    前記消火剤タンクまでの間に前記消火剤を充填して形成
    されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つ
    に記載のスプリンクラ消火設備。
  20. 【請求項20】 前記スプリンクラヘッドは、火災の熱
    によって開放される閉鎖型スプリンクラヘッドであっ
    て、 前記消火剤管は、火災の発生を検知する火災検知器によ
    る火災検知に応じて開放される予作動弁を有し、当該予
    作動弁から前記消火剤タンクまでの間に前記消火剤を充
    填して形成されることを特徴とする請求項1〜17のい
    ずれか一つに記載のスプリンクラ消火設備。
  21. 【請求項21】 前記スプリンクラヘッドは、常時開放
    された開放型スプリンクラヘッドであって、 前記消火剤管は、火災の発生を検知する火災検知器によ
    る火災検知および/または手動操作に応じて開放される
    一斉開放弁を有し、当該一斉開放弁から前記消火剤タン
    クまでの間に前記消火剤を充填して形成されることを特
    徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載のスプリ
    ンクラ消火設備。
  22. 【請求項22】 前記消火剤管は、火災の発生を検知す
    る火災検知器によって火災が検知されなかった場合に閉
    鎖される緊急停止弁をさらに有して形成されることを特
    徴とする請求項18または19に記載のスプリンクラ消
    火設備。
  23. 【請求項23】 常時開放された開放型スプリンクラヘ
    ッドと、当該開放型スプリンクラヘッドから前記消火剤
    管へ配管された開放用管とをさらに備え、 当該開放用管は、前記閉鎖型スプリンクラヘッドによる
    前記消火剤の放出および/または手動操作に応じて開放
    される一斉開放弁を有し、当該一斉開放弁から前記消火
    剤管までの間に前記消火剤を充填して形成されることを
    特徴とする請求項18または19に記載のスプリンクラ
    消火設備。
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JP2010183999A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Nohmi Bosai Ltd スプリンクラ消火設備

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