JP4184647B2 - 消火器および中和器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の消火剤を蓄えた消火剤容器と、消火剤を放出する放出口と、消火剤容器から放出口に消火剤を供給する供給手段と、消火剤の供給を開始するよう供給手段を操作する操作部とを有し、操作部による操作がおこなわれた場合に、放出口から消火剤を放出して消火をおこなう消火器に関し、特に、常温帯域の近傍に沸点があるなどの物性を有する消火剤に対応した消火活動を実行することができる消火器に関する。
【0002】
また、この発明は、所定の中和剤を蓄えた中和剤容器を有し、当該中和剤容器に蓄えられた中和剤を放出する中和器に関し、特に、消火剤の加熱によって発生する生成物による人体への悪影響を軽減することができる中和器に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より、火災にあたって初期消火に用いる小型可搬式の器具として、消火剤容器に蓄えられた消火剤を放出する消火器が知られている。かかる消火器としては、人が操作して消火剤を放出する消火器や、火災によって自動的に破裂して消火剤を放出する消火器などがある。
【0004】
このうち、人が操作して消火剤を放出する消火器は、一般的に、所定の消火剤を蓄えた消火剤容器と、消火剤を放出する放出口と、消火剤容器から放出口に消火剤を供給する加圧用ガス容器などの供給手段と、消火剤の供給を開始するよう供給手段を操作するレバーなどの操作部とを有し、人が操作部を操作した場合に、放出口から消火剤を放出して消火をおこなうというものである。
【0005】
また、火災によって自動的に破裂して消火剤を放出する消火器は、火災の熱や内圧の変化によって破裂する消火剤容器に所定の消火剤を蓄え、火災によって自動的に消火剤容器が破裂した場合に、破裂した箇所から消火剤を放出して消火をおこなうというものである。
【0006】
このように、消火剤容器に蓄えられた消火剤を放出する消火器には、人が操作することによって消火剤を放出するものや、自動的に破裂することによって消火剤を放出するものなどがあるが、消火処理に用いられる消火剤としては、いずれも異なることなく、一般的に水や泡薬剤が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、消火器においては、以下に述べるような問題点から、水や泡薬剤を消火剤として用いることが必ずしも最適ではなかった。
【0008】
すなわち、消火剤としての水は、放出後に燃焼物に付着しないため、放出後の事後処理は容易である。しかし、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災が屋内で発生したような場合には、水による冷却作用のみでは、かかる高燃焼性物質の火災を消火することは困難であり、延焼抑制の効果しか期待できないという問題点があった。
【0009】
一方、消火剤としての泡薬剤は、泡が燃焼物の表面を覆うことによって、冷却作用のみならず窒息作用をもたらすものであるため、上記した高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を期待できる。しかし、放出後の泡が燃焼物に付着するため、水と異なり放出後の事後処理が困難であり、下水道設備の整った都市部においてしか利用することができないという問題点があった。
【0010】
ところで、最近になって、CF3CF2C(O)CF(CF32という示性式で表され、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンと呼ばれるフッ素系化学物質が開発された。このフッ素系化学物質は、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球温暖化係数)が1に近く、絶縁性があるなどの物性の他に、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低沸点であるという物性を有する。
【0011】
ここで、消火器の消火剤として、上記のフッ素系化学物質を利用することも考えられるが、ただ単純に水や泡薬剤の代替物として利用するだけでは、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンの物性に対応しきれず、以下に述べるような種々の問題点が考えられる。
【0012】
すなわち、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンは、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いたのでは、火災現場の温度や気圧の変化に左右されて、消火剤が液体状態で放出されたり、気体状態で放出されるおそれがある。このように、消火器から放出される消火剤の状態をコントロールできなくなってしまうと、初期火災を効果的に消火することが困難になるという問題点が考えられる。
【0013】
一方、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低沸点であるという物性を利用して、初期火災を効果的に消火することができるようにした消火器も存在していなかった。
【0014】
また、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンは、上記したように低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いたのでは、消火剤容器に蓄えられている段階で気体状態になるおそれがある。このように、消火剤が貯蔵段階で気体状態になってしまうと、消火剤容器に過度な圧力がかかって事故を誘発するという問題点だけでなく、消火剤容器による消火剤の貯蔵効率が低下するという問題点が考えられる。
【0015】
さらに、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンは、炎に触れるとHF(フッ化水素)という毒性の生成物を発生させる可能性があるため、これを単純に消火剤として用いたのでは、フッ化水素によって人体に害を及ぼしてしまうおそれがあるという問題点が考えられる。
【0016】
このようなことから、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンを消火剤として消火器に用いる場合に、かかる物性に対応した消火器をいかに構築するかが極めて重要な課題になっている。
【0017】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、常温帯域の近傍に沸点があるなどの物性を有する消火剤に対応した消火活動を実行することができる消火器を提供することを目的とする。また、この発明は、消火剤の加熱によって発生する生成物による人体への悪影響を軽減することができる中和器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る消火器は、所定の消火剤を蓄えた消火剤容器と、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤を供給する供給手段と、前記消火剤の供給を開始するよう前記供給手段を操作する操作部とを有し、前記操作部による操作がおこなわれた場合に、前記放出口から前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、前記消火剤を前記放出口から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示する状態指示信号を送出する状態指示手段と、前記状態指示手段から送出された状態指示信号に応じて前記消火剤が液体または気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、消火剤が液体状態から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすため、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤を放出口から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が放出口から液体または気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、放出口から放出される消火剤、すなわち常温の帯域では液体状態であって当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤(例えば、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン)の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することが可能になる。
【0020】
請求項2の発明に係る消火器は、所定の消火剤を蓄えた消火剤容器と、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤を供給する供給手段と、前記消火剤の供給を開始するよう前記供給手段を操作する操作部とを有し、前記操作部による操作がおこなわれた場合に、前記放出口から前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、前記消火剤が加熱されることによって生成物を発生する場合において、当該生成物を中和するための中和剤を放出する中和手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、消火剤が液体状態から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすため、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤が加熱されることによって発生する生成物を中和するための中和剤を放出する。したがって、人体に有害な生成物を中和して、生成物による人体への悪影響を軽減することが可能になる。
【0022】
請求項3の発明に係る消火器は、火災によって破裂する消火剤容器に所定の消火剤を蓄え、破裂によって前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、前記消火剤容器が前記消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する状態維持手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、火災によって消火剤容器が破裂した場合に、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤を放出して消火をおこなう。したがって、請求項1と同様、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になり、さらに、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤容器が消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する。したがって、消火剤容器に過度な圧力がかかることによる事故の誘発を防止することが可能になるとともに、消火剤容器による貯蔵効率の低下を防止することが可能になる。
【0024】
請求項4の発明に係る消火器は、火災によって破裂する消火剤容器に所定の消火剤を蓄え、破裂によって前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、前記消火剤が加熱されることによって所定の生成物を発生する場合において、当該生成物を中和するための中和剤を放出する中和手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、火災によって消火剤容器が破裂した場合に、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤を放出して消火をおこなう。したがって、請求項1と同様、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になり、さらに、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤が加熱されることによって発生する生成物を中和するための中和剤を放出する。したがって、人体に有害な生成物を中和して、生成物による人体への悪影響を軽減することが可能になる。
【0026】
請求項5の発明に係る消火器は、請求項1から4のいずれか一つに記載の消火器において、前記消火剤は、常温帯域では液体状態であって、常温帯域を超える沸点を有することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤を放出して消火をおこなう。
【0028】
請求項6の発明に係る消火器は、請求項5に記載の消火器において、前記消火剤は、CF CF C(O)CF(CF 、C OCH またはC OC を主成分とするものであることを特徴とする。
【0029】
例えば、このCF CF C(O)CF(CF の示性式で表されるドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンは、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球温暖化係数)が1に近く、常温で液体の状態にあり(沸点が48℃)、絶縁性があり、放っておくと蒸発して痕跡が残らないといった物性を備えるフッ素系の化学物質である。したがって、これを消火剤として用いることによって、水を消火剤として用いる場合よりも高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、泡薬剤を消火剤として用いる場合よりも放出後の事後処理を容易にすることが可能になるだけでなく、消火剤による環境への影響を低減することも可能になる。なお、C OCH またはC OC を主成分とする消火剤を用いた場合も、同様の効果が得られる。
【0030】
請求項7の発明に係る消火器は、請求項2から6のいずれか一つに記載の消火器において、前記消火剤が前記放出口から液体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、消火剤が放出口から液体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、操作者に複雑な操作を要求することなく、消火剤が常に液体状態で放出されるよう消火剤の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することが可能になる。特に、高燃焼性物質の火災現場など、消火剤を常に液体状態で放出することが望ましい火災現場で用いる場合には、液体状態の消火剤を操作者による簡単な操作で放出するため、早急に大きな消火効果を得ることが可能になる。
【0032】
請求項8の発明に係る消火器は、請求項2から6のいずれか一つに記載の消火器において、前記消火剤が前記放出口から気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、消火剤が放出口から気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、操作者に複雑な操作を要求することなく、消火剤が常に気体状態で放出されるよう消火剤の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することが可能になる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなど、消火剤を常に気体状態で放出することが望ましい火災現場で用いる場合には、気体状態の消火剤を操作者による簡単な操作で放出するため、早急に大きな消火効果を得ることが可能になる。
【0034】
請求項9の発明に係る消火器は、請求項1から8のいずれか一つに記載の消火器において、前記消火剤容器が前記消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する状態維持手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、消火剤容器が消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する。したがって、消火剤を常に液体状態で貯蔵して、消火剤容器に過度な圧力がかかることによる事故の誘発を防止することが可能になるとともに、消火剤容器による貯蔵効率の低下を防止することが可能になる。
【0036】
請求項10の発明に係る中和器は、所定の中和剤を蓄えた中和剤容器と、前記中和剤を放出する放出口と、前記中和剤容器から前記放出口に前記中和剤を供給する供給手段と、前記中和剤の供給を開始するよう前記供給手段を操作する操作部とを有し、前記操作部による操作がおこなわれた場合に、前記放出口から前記中和剤を放出する中和器であって、前記中和剤は、消火器から放出された消火剤が加熱されることによって所定の生成物を発生する場合において当該生成物を中和するための中和剤であることを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、消火器の消火剤が炎に触れることによって発生するフッ化水素を中和するための中和剤を屋内に放出し、これによって、フッ化水素による人体への悪影響を軽減することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る消火器および中和器の好適な実施の形態を詳細に説明する。ここで、本実施の形態に係る消火器は、人が操作して消火剤を放出することを基本的な処理内容とするものであるため、従来技術に係る消火器と同様、所定の消火剤を蓄えた消火剤容器、消火剤を放出する放出口、消火剤容器から放出口に消火剤を供給する供給手段、消火剤の供給を開始するよう供給手段を操作する操作部などの基本的な構成を有する。
【0055】
その一方、本実施の形態に係る消火器は、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンを消火剤として用いることを主たる特徴とし、この消火剤の物性に対応した種々の特徴的な構成を有する。さらに、本実施の形態に係る中和器は、この消火剤の物性に対応したものである。
【0056】
そこで、以下に示す本実施の形態では、消火器の基本的構成、消火器による消火処理の基本的手順を説明した後、消火器の特徴および当該特徴に係る構成を説明し、さらに本実施の形態に係る中和器について説明することとする。
【0057】
[消火器の基本的な構成]
まず最初に、本実施の形態に係る消火器の基本構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る消火器および中和器の構成を示す構成図である。同図(a)に示す消火器10は、人が操作して消火剤を放出することを基本的な処理内容とするものである。
【0058】
そして、かかる基本的な処理内容を実現するための基本的な構成として、この消火器10は、同図に示すように、本体容器11と、放出管12と、ホース13と、ノズル14と、安全栓15aと、レバー15bと、加圧用ガス容器16aと、容器板16bと、破壊軸16cと、ガス導入管16dとを有する。以下に、この基本的な構成についてそれぞれ具体的に説明する。
【0059】
まず、本体容器11は、円柱状の容器であり、消火剤容器として、その内部に所定の消火剤を蓄える。放出管12は、本体容器11の内部の垂直方向に配置される棒状の管であり、本体容器11に蓄えられた消火剤をホース13に供給するための経路となる。
【0060】
ホース13は、放出管12に接続するように本体容器11の上部に配置されるチューブ状の管であり、放出管12を介して供給された消火剤をノズル14に供給するための経路となる。ノズル14は、消火剤の放出方向を調整するためにホース13の先端に配置される部材であり、放出口として、ホース13を介して供給された消火剤を消火器10の外部に放出する。
【0061】
安全栓15aは、レバー15bが不意に操作されることを防止するために、レバー15bに付属して配置されるピンである。すなわち、操作者が安全栓15aを抜くことによって、はじめてレバー15bの操作が可能になる。レバー15bは、消火器10による消火剤の放出を開始させる操作を実行する操作部として、本体容器11の上部に配置されるレバーである。すなわち、操作者がレバー15bを握ることによって、消火剤の放出(本体容器11からノズル14への消火剤の供給)が開始される。
【0062】
加圧用ガス容器16a、容器板16b、破壊軸16cおよびガス導入管16dは、供給手段として、消火剤とは異なる物性の流体によって消火剤を加圧し、本体容器11からノズル14に消火剤を供給するものである。
【0063】
具体的には、加圧用ガス容器16aは、本体容器11の内部に配置される容器であり、その内部に消火剤とは異なる物性の流体、例えば二酸化炭素、窒素ガスなどの加圧用ガスを蓄える。容器板16bは、加圧ガス容器16aからガス導入管16dに加圧用ガスが流出しないよう、両者の境界に設けられる仕切板である。破壊軸16cは、レバー15bの操作によって容器板16bが破壊されるよう、レバー15bと容器板16bとの間に配置される伝達部材である。ガス導入管16dは、加圧ガス容器16aに蓄えられた加圧用ガスを本体容器11に供給する管である。
【0064】
[消火器による消火処理の基本的な手順]
次に、図1に示した消火器10による消火処理の基本的な手順について説明する。火災にあたって操作者は、まず最初に、安全栓15aを抜き、ホース14を伸ばして、ノズル14を火元に向ける。そして、操作者は、レバー15bを握ることによって、ノズル14から消火剤の放出が開始される。
【0065】
これを具体的に説明すると、操作者がレバー15bを握ることによって、レバー15と容器板16bとの間に配置された破壊軸16cが押し下げられ、容器板16bが破壊される。続いて、この容器板16bの破壊に応じて、加圧ガス容器16aに蓄えられていた加圧用ガスがガス導入管16dを介して本体容器11に流出する。
【0066】
そして、本体容器11に蓄えられていた消火剤が加圧用ガスによって加圧され、本体容器11から放出管12を介してノズル14に消火剤が供給される。これによって、ノズル14から消火剤の放出が開始される。
【0067】
[消火器の特徴および特徴的構成]
次に、図1に示した消火器10の特徴について説明する。この消火器10は、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンと呼ばれるフッ素系化学物質を消火剤として用いる点(特徴1)、消火剤をノズル14から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整する点(特徴2)、本体容器11が消火剤を液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持する点(特徴3)に特徴がある。以下に、これらの特徴および当該特徴に係る構成について具体的に説明する。
【0068】
(特徴1)
まず最初に、上記した特徴1について説明する。この特徴1は、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン(以下、単に「本消火剤」という)を消火剤として用いる点にある。
【0069】
具体的に説明すると、本消火剤は、CF3CF2C(O)CF(CF32という示性式で表され、図2(a)に示すような構造式を有し、同図(b)に示すような物性を備えるフッ素系の化学物質である。すなわち、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球温暖化係数)が1に近く、常温で液体の状態にあり(沸点が48℃)、絶縁性があり、放っておくと蒸発して痕跡が残らないといった物性を備える。
【0070】
そこで、本実施の形態に係る消火器10おいては、本消火剤を消火剤として用いること(本体容器11に本消火剤を蓄えること)を特徴とし、これによって、水を消火剤として用いる場合よりも、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることができ、また、泡薬剤を消火剤として用いる場合よりも、放出後の事後処理を容易にすることができるようにしている。
【0071】
すなわち、本消火剤は、液体状態から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすため、水に比較して高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることができるとともに、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に比較して放出後の事後処理を容易にすることができる。
【0072】
特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する影響を低減することもできる。なお、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球温暖化係数)が1に近いという物性を備えるので、消火剤による環境への影響を低減することもできる。
【0073】
この特徴1に関連して、消火器10は、これをノズル14から放出するが、本体容器11から閉鎖型ノズルに対して消火剤を供給する消火剤供給部22は、本消火剤の物性に対応した構成を備える。以下に、消火剤供給部22の具体的な構成について説明する。
【0074】
(特徴2)
次に、上記した特徴2について説明する。この特徴2は、消火剤をノズル14から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整する点にある。
【0075】
具体的に説明すると、本消火剤は、図2(b)に示したように、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いたのでは、火災現場の温度や気圧の変化に左右されて、消火剤が液体状態で放出されたり、気体状態で放出されるおそれがある。このように、消火器10から放出される消火剤の状態をコントロールできなくなってしまうと、初期火災を効果的に消火することが困難になる。
【0076】
そこで、本実施の形態に係る消火器10においては、本消火剤をノズル14から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整することを特徴とし、これによって、ノズル14から放出される消火剤の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することができるようにしている。
【0077】
この特徴2に関連して、消火器10は、以下のような特徴的な構成を備える。すなわち、図1に示す消火器10は、状態指示部17からの指示に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整する状態調整手段としての状態調整部18と、消火剤をノズル14から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを状態調整部18に指示する状態指示部17とを備える。以下、かかる状態指示部17および状態調整部18についてそれぞれ具体的に説明する。
【0078】
状態指示部17は、図1に示すように、操作部としてのレバー15bの近傍に配置され、消火剤を液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示する。具体的には、操作者は、この状態指示部17を介して消火剤を液体状態または気体状態で放出するかを指示する。
【0079】
これは、ノズル14から放出される消火剤の状態をコントロールできるようにするためであり、例えば、消火剤の冷却作用による消火を期待する場合には、消火剤を液体状態で放出し、消火剤の窒息作用による消火を期待する場合には、消火剤を気体状態で放出することなどが考えられる。
【0080】
具体的には、本消火剤は低沸点であり、液体状態から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすので、この冷却作用および窒息作用によって高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることができるように、常に消火剤が液体状態で放出されるよう指示することも考えられる。
【0081】
一方、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなどで発生した火災を消火する際に、精密機械に対する影響を低減することができるように、常に消火剤が気体状態で放出されるよう指示することも考えられる。
【0082】
また、状態指示部17は、ノズル14から消火剤が放出される際に指示をおこなう。具体的には、状態指示部17は、操作者によるレバー15bの操作に応じて(消火剤の放出開始に応じて)、状態調整部18に状態指示信号を送出するだけでなく、消火剤の放出開始後においても操作者の操作に応じて、状態指示信号を送出する。
【0083】
これは、例えば、消火処理の初期段階では消火剤を液体状態で放出し、その後に消火剤を気体状態で放出するなど、火災発生からの時間経過に応じた多種多様な消火処理を実現することができるようにするためである。なお、状態指示部17は、消火剤の放出が終了した後に、状態調整を終了すべき旨を状態調整部18に指示する。
【0084】
状態調整部18は、放出管12に配置され、状態指示部17からの指示に応じて消火剤が液体または気体状態で放出されるよう、放出管12を流れる消火剤の状態を調整する。ここで、本消火剤の沸点は、上記したように48℃であるので、状態調整部18によって消火剤の状態を調整する方式としては、消火剤の温度を調整する方式や、消火剤の圧力を調整する方式を採用することができる。
【0085】
すなわち、消火剤の温度が48℃未満になるように消火剤を冷却することによって、消火剤を液体状態で放出する方式、消火剤の温度が48℃以上になるように消火剤を加熱することによって、消火剤を気体状態で放出する方式、消火剤の温度が変化しても沸点が消火剤の温度以上になるように消火剤を加圧することによって、消火剤を液体状態で放出する方式、消火剤の温度が変化しても沸点が消火剤の温度未満になるように消火剤を減圧することによって、消火剤を気体状態で放出する方式などを採用することができる。
【0086】
ここで、かかる状態調整部18の具体的な構成例について説明する。図3は、図1に示した状態調整部18の具体的な構成例を示す図である。例えば、図3(a)に示すように、放出管12を覆うように加熱装置18aを配置し、この加熱装置18aによって、本体容器11から供給される液体状態の消火剤を加熱すれば、消火剤を気体状態で放出することができ、一方、加熱装置18aによる加熱を停止すれば、消火剤を液体状態で放出することができる。
【0087】
また、図3(b)に示すように、放出管12を覆うように減圧装置18bを配置し、この減圧装置18bによって、本体容器11から供給される液体状態の消火剤を減圧すれば、消火剤を気体状態で放出することができ、一方、減圧装置18bによる減圧を停止すれば、消火剤を液体状態で放出することができる。
【0088】
なお、図3(a)および(b)では、本体容器11から消火剤が液体状態で供給されることを前提に説明し、加熱の停止や減圧の停止といった簡単な処理によって消火剤を液体状態で放出することとしたが、これを確実に実現するためには、図3(c)に示すように構成することが望ましい。すなわち、放出管12の先端から状態調整部18までの間について、二重構造などの冷却構造や加圧構造を採用することによって、本体容器11から状態調整部18まで消火剤が確実に液体状態で供給されるようにすることが望ましい。
【0089】
また、図3(d)に示すように、状態調整部18に消火剤が液体状態または気体状態のいずれかで供給されても対応できるように、消火剤を確実に気体状態にする加熱装置18aまたは減圧装置18bと、消火剤を確実に液体状態にする冷却装置18cまたは加圧装置18dとを併設するといった方式を採用することもできる。
【0090】
(特徴3)
次に、上記した特徴3について説明する。この特徴3は、本体容器11が消火剤を液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持する点にある。
【0091】
具体的に説明すると、本消火剤は、図2(b)に示したように、沸点が常温帯域の近傍の48℃と低沸点であるため、これを単純に消火剤として用いたのでは、本体容器11に蓄えられている段階で気体状態になるおそれがある。このように、消火剤が貯蔵段階で気体状態になってしまうと、本体容器11に過度な圧力がかかって事故を誘発するだけでなく、本体容器11による消火剤の貯蔵効率も低下することとなる。
【0092】
そこで、本実施の形態に係る消火器10においては、本体容器11が消火剤を液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持することを特徴とし、これによって、消火剤を常に液体状態で貯蔵して、本体容器11に過度な圧力がかかることによる事故の誘発を防止するとともに、本体容器11による貯蔵効率の低下を防止することができるようにしている。
【0093】
この特徴4に関連して、消火器10は、図1に示すように、本体容器11が消火剤を液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持する状態維持手段としての状態維持部19を備える。
【0094】
そして、本消火剤の沸点は、上記したように48℃であるので、状態維持部19によって消火剤を液体状態に維持する方式としては、上記した状態調整部18と同様、消火剤の温度が48℃以下になるように消火剤の温度を調整する方式や、消火剤の温度が48℃以上になっても沸点がこれ以上になるように消火剤の圧力を調整する方式を採用することができる。
【0095】
ここで、状態維持部19の具体的な構成例について説明する。図4は、図1に示した状態維持部19の具体的な構成例を示す図である。例えば、図4(a)に示すように、本体容器11を二重構造にして、空気19aを補填し、この空気19aにより消火剤を冷却することによって、消火剤の温度が48℃以下になるように消火剤の温度を調整することができる。
【0096】
また、これと同様に、図4(b)および(c)に示すように、冷却剤19bまたは断熱材19cにより消火剤を冷却することによって、消火剤の温度が48℃以下になるように消火剤の温度を調整することができる。
【0097】
さらに、図4(d)に示すように、本体容器11に加圧空気19dを補填し、この加圧空気19dにより消火剤の圧力を加圧することによって、沸点が消火剤の温度以上になるように消火剤の圧力を調整することができる。
【0098】
[中和器の構成]
次に、本実施の形態に係る中和器について説明する。この中和器は、図1(b)に示すように、消火器10の基本的構成と同様の構成を有する。すなわち、同図に示す中和器20は、人が操作して中和剤を放出することを基本的な処理内容とするものであり、消火器10と同様、本体容器11と、放出管12と、ホース13と、ノズル14と、安全栓15aと、レバー15bと、加圧用ガス容器16aと、容器板16bと、破壊軸16cと、ガス導入管16dとを有する。
【0099】
そして、この中和器20の操作も、消火器10と同様であり、操作者は、安全栓15aを抜き、ホース14を伸ばして、ノズル14を火災現場(消火器10により消火剤が放出された領域)に向け、レバー15bを握ることによって、ノズル14から中和剤の放出が開始される。
【0100】
ここで、この中和器20は、消火器10の消火剤が加熱されることによって発生する生成物を中和するための中和剤を放出する点に特徴がある。具体的に説明すると、消火器10の消火剤は、図2(b)に示したように、炎に触れるとHF(フッ化水素)という毒性の生成物を発生させる可能性があるため、これを単純に消火剤として用いたのでは、フッ化水素によって人体に害を及ぼしてしまうおそれがある。
【0101】
そこで、本実施の形態に係る中和器20おいては、消火器10の消火剤が炎に触れることによって発生するフッ化水素を中和するための中和剤を屋内に放出することを特徴とし、これによって、フッ化水素による人体への悪影響を軽減することができるようにしている。
【0102】
すなわち、中和器20の本体容器11には、フッ化水素を中和するための中和剤が蓄えられる。なお、中和剤としては、Ca(OH)2の化学式で表される消石灰スラリー、NH3の化学式で表されるアンモニアなど、フッ化水素を中和するあらゆる化学物質を採用することができる。
【0103】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてもよいものである。
【0104】
例えば、本実施の形態では、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンを消火剤として用いる場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンを主成分として含んだものを消火剤として用いる場合にも同様に適用することができる。
【0105】
また、本実施の形態では、消火器10が消火剤としてドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンという化学物質を用いる場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、常温の帯域では液体状態であって当該常温の近傍帯域では気体状態であるなど、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンと同様の物性を有する化学物質(例えば、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンと同じくフルオリネィティドケトンに属する化学物質、C49OCH3やC49OC25など、ハイドロフルオロエーテルに属する化学物質)を消火剤として用いる場合にも同様に適用することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、消火器10について、操作者が状態指示部17を操作することによって、状態調整部18に指示を与える場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、状態指示部17にあらかじめ指示内容を設定し、この設定内容に応じて状態調整部18に指示を与える場合にも同様に適用することができる。すなわち、操作者が状態指示部17を操作しない場合でも、状態指示部17が自動的に状態調整部18に指示を与えるように構成することもできる。これによって、消火剤の物性に詳しくない操作者が消火器を操作するような場合でも、効果的な消火活動を実行することが可能になる。
【0107】
また、本実施の形態では、消火器10について、状態指示部17をノズル15bの近傍に配置し、状態調整部18を放出管12に配置する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、状態指示部17および状態調整部18をノズル14に配置するなど、状態指示部17については操作者による操作が可能なあらゆる位置に、状態調整部18については消火剤の調整が可能なあらゆる位置に配置する場合にも同様に適用することができる。
【0108】
また、本実施の形態では、消火器10による状態調整として、状態指示部17からの指示に応じて、状態調整部18が消火剤が液体または気体状態で放出されるよう消火剤の状態を調整する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、何らの指示によらずに一律に状態を調整する場合にも同様に適用することができる。すなわち、消火器10に状態指示部17を設けずに、消火剤が常に液体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整部18、または消火剤が常に気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整部18のみを設けることもできる。
【0109】
これによって、例えば、前者のように消火器を構成すれば、高燃焼性物質の火災現場など、消火剤を常に液体状態で放出することが望ましい火災現場で用いる場合に効果を発揮し、また、後者のように消火器を構成すれば、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなど、消火剤を常に気体状態で放出することが望ましい火災現場で用いる場合に効果を発揮する。具体的には、いずれの場合も、操作者に複雑な操作を要求することなく、常に液体状態または気体状態の消火剤が放出するため、早急に大きな消火効果を得ることが可能になる。
【0110】
また、本実施の形態では、消火器10による本体容器11からノズル14への消火剤の供給ついて、加圧用ガス容器16aに蓄えられた加圧用ガスによって消火剤を加圧する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体容器11に消火剤とともに充填された圧縮空気・窒素ガスなどの圧力によって消火剤を加圧する方式、本体容器11に充填された消火剤自体の圧力によって消火剤を供給する方式、消火剤を加熱して発生させた蒸気圧の圧力によって消火剤を供給する方式、消火剤を手動または動力駆動のポンプで加圧する方式、消火剤を重力落差によって供給する方式、いわゆる破ビン式や転倒式など、あらゆる供給方式を採用する場合にも同様に適用することができる。
【0111】
例えば、本体容器11に消火剤とともに充填された圧縮空気・窒素ガスなどの圧力によって消火剤を加圧する方式を採用する場合には、図5(a)に示すように、いわゆるスプレー缶として消火器10を構成することができ、また、消火剤を手動または動力駆動のポンプで加圧する方式を採用する場合には、いわゆるピストルやライフル型として消火器10を構成することができ、さらに、消火剤を重力落差によって供給する方式を採用する場合には、図5(b)に示すように、天井などに固定可能なユニット型として消火器10を構成することができる。
【0112】
なお、消火剤を加熱して発生させた蒸気圧の圧力によって消火剤を供給する方式は、本消火剤の沸点が低いこと(大きなエネルギーを消費することなく気体状態にできること)を利用したものであるが、消火剤を加熱することによって、消火剤を気体状態にして放出口に供給することもできるので、状態調整部18の機能を兼任させるという簡便な構成によって消火剤を気体状態で放出することも可能になる。
【0113】
また、本実施の形態では、消火器10とは別に中和器20を構成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、消火器10に中和器20の機能を搭載して構成する場合にも同様に適用することができる。すなわち、この場合には、消火剤と中和剤とを別々にして本体容器11に蓄えることになるが、消火剤と中和剤とを別々または同一の操作部および供給手段によって放出するように構成することもできる。さらに、消火器の状態維持部19に中和剤を充填して、この中和剤に状態維持の機能を兼任させるよう消火器10を構成することもできる。
【0114】
さて、これまで本発明の実施の形態および他の実施の形態として、人が操作して消火剤を放出する消火器について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、火災によって自動的に破裂して消火剤を放出する消火器についても同様に適用することができる。以下、これについて図6を参照して具体的に説明する。
【0115】
火災によって自動的に破裂して消火剤を放出する消火器は、図6(a)〜(d)に示すように、火災の熱や内圧の変化によって破裂する本体容器11に消火剤を蓄え、火災によって自動的に本体容器11が破裂した場合に、破裂した箇所から消火剤を放出して消火をおこなうというものである。
【0116】
かかる破裂型の消火器は、火災の熱や内圧の変化によって本体容器11が破裂することを前提にするため、消火剤を蓄える本体容器11は、火災の熱や内圧の変化によって破裂し易い材質、例えば樹脂などによって形成される。
【0117】
一方、本体容器11が消火剤を液体状態で蓄えるよう消火剤の状態を維持する状態維持手段も備えるが、状態維持手段によって本体容器11の破裂が邪魔されることがないよう、例えば、本体容器11の一部のみを状態維持手段として二重構造にするなどして構成することが望まれる。
【0118】
また、かかる破裂型の消火器は、火災発生後の火中に投入されたり、電気機器の内部、部屋の収納部、コンテナの内部、輸送箱の内部、車のエンジンルーム、ゴミ箱の内部など、火災の早期発見が困難である場所にあらかじめ設置される。このため、図6(a)〜(c)に示すように、チューブ状、板状、ボール状など、火中への投入に適した形態や設置場所に適した形態を採用することができる。
【0119】
また、自動的に破裂して中和剤を放出する中和器についても、上記の消火器と同様、チューブ状、板状、ボール状などの形態によって構成することができる。さらに、図6(d)に示すように、消火器に中和器の機能を搭載して構成することもできる。すなわち、同図に示すものは、本体容器11の破裂によって消火剤が放出された後に、内部容器21が破裂して中和剤を放出するよう構成したものである。
【0120】
なお、本実施の形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0121】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具合的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、消火剤が液体状態から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすため、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤を放出口から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示し、この指示に応じて消火剤が放出口から液体または気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、放出口から放出される消火剤、すなわち常温の帯域では液体状態であって当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤(例えば、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン)の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することが可能になる。
【0123】
また、請求項2の発明によれば、消火剤が液体状態から急速に気体状態になるところ、急速に熱を奪うことによる冷却作用および気体として燃焼物を覆うことによる窒息作用をもたらすため、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなどで発生した火災を消火する場合、放出後には蒸発して痕跡が残らないため、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤が加熱されることによって発生する生成物を中和するための中和剤を放出する。したがって、人体に有害な生成物を中和して、生成物による人体への悪影響を軽減することが可能になる。
【0124】
また、請求項3の発明によれば、火災によって消火剤容器が破裂した場合に、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤を放出して消火をおこなう。したがって、請求項1と同様、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になり、さらに、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤容器が消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する。したがって、消火剤容器に過度な圧力がかかることによる事故の誘発を防止することが可能になるとともに、消火剤容器による貯蔵効率の低下を防止することが可能になる。
【0125】
また、請求項4の発明によれば、火災によって消火剤容器が破裂した場合に、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤を放出して消火をおこなう。したがって、請求項1と同様、水に比較して、樹脂、ゴム、油などの高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、泡薬剤に比較して、放出後の事後処理を容易にすることが可能になり、さらに、精密機械に対する影響を低減することも可能になる。
また、この発明によれば、消火剤が加熱されることによって発生する生成物を中和するための中和剤を放出する。したがって、人体に有害な生成物を中和して、生成物による人体への悪影響を軽減することが可能になる。
【0126】
また、請求項5の発明によれば、常温の帯域では液体状態であって、当該常温の近傍帯域では気体状態であるという物性を備える消火剤を放出して消火をおこなう。
【0127】
また、請求項6の発明によれば、例えば、このCF CF C(O)CF(CF の示性式で表されるドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オンは、ODP(オゾン層破壊係数)が0であり、GWP(地球温暖化係数)が1に近く、常温で液体の状態にあり(沸点が48℃)、絶縁性があり、放っておくと蒸発して痕跡が残らないといった物性を備えるフッ素系の化学物質である。したがって、これを消火剤として用いることによって、水を消火剤として用いる場合よりも高燃焼性物質の火災に対して大きな消火効果を得ることが可能になり、また、泡薬剤を消火剤として用いる場合よりも放出後の事後処理を容易にすることが可能になるだけでなく、消火剤による環境への影響を低減することも可能になる。なお、C OCH またはC OC を主成分とする消火剤を用いた場合も、同様の効果が得られる。
【0128】
また、請求項7の発明によれば、消火剤が放出口から液体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、操作者に複雑な操作を要求することなく、消火剤が常に液体状態で放出されるよう消火剤の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することが可能になる。特に、高燃焼性物質の火災現場など、消火剤を常に液体状態で放出することが望ましい火災現場で用いる場合には、液体状態の消火剤を操作者による簡単な操作で放出するため、早急に大きな消火効果を得ることが可能になる。
【0129】
また、請求項8の発明によれば、消火剤が放出口から気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する。したがって、操作者に複雑な操作を要求することなく、消火剤が常に気体状態で放出されるよう消火剤の状態をコントロールして、初期火災を効果的に消火することが可能になる。特に、水に弱い精密機械が存在するコンピュータルームなど、消火剤を常に気体状態で放出することが望ましい火災現場で用いる場合には、気体状態の消火剤を操作者による簡単な操作で放出するため、早急に大きな消火効果を得ることが可能になる。
【0130】
また、請求項9の発明によれば、消火剤容器が消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する。したがって、消火剤を常に液体状態で貯蔵して、消火剤容器に過度な圧力がかかることによる事故の誘発を防止することが可能になるとともに、消火剤容器による貯蔵効率の低下を防止することが可能になる。
【0131】
また、請求項10の発明によれば、消火器の消火剤が炎に触れることによって発生するフッ化水素を中和するための中和剤を屋内に放出し、これによって、フッ化水素による人体への悪影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る消火器および中和器の構成を示す構成図である。
【図2】本実施の形態に用いられる消火剤を説明するための説明図である。
【図3】図1に示した状態調整部の具体的な構成例を示す図である。
【図4】図1に示した状態維持部の具体的な構成例を示す図である。
【図5】本発明を他の消火器に適用した場合の構成を示す構成図である。
【図6】本発明を他の消火器に適用した場合の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
10 消火器
11 本体容器
12 放出管
13 ホース
14 ノズル
15a 安全栓
15b レバー
16a 加圧用ガス容器
16b 容器板
16c 破壊軸
16d ガス導入管
17 状態指示部
18 状態調整部
19 状態維持部
20 中和器

Claims (10)

  1. 所定の消火剤を蓄えた消火剤容器と、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤を供給する供給手段と、前記消火剤の供給を開始するよう前記供給手段を操作する操作部とを有し、前記操作部による操作がおこなわれた場合に、前記放出口から前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、
    前記消火剤を前記放出口から液体状態で放出するかまたは気体状態で放出するかを指示する状態指示信号を送出する状態指示手段と、
    前記状態指示手段から送出された状態指示信号に応じて前記消火剤が液体または気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整手段と、
    を備えたことを特徴とする消火器。
  2. 所定の消火剤を蓄えた消火剤容器と、前記消火剤を放出する放出口と、前記消火剤容器から前記放出口に前記消火剤を供給する供給手段と、前記消火剤の供給を開始するよう前記供給手段を操作する操作部とを有し、前記操作部による操作がおこなわれた場合に、前記放出口から前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、
    前記消火剤が加熱されることによって生成物を発生する場合において、当該生成物を中和するための中和剤を放出する中和手段を備えたこと、
    を特徴とする消火器。
  3. 火災によって破裂する消火剤容器に所定の消火剤を蓄え、破裂によって前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、
    前記消火剤容器が前記消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する状態維持手段を備えたこと、
    を特徴とする消火器。
  4. 火災によって破裂する消火剤容器に所定の消火剤を蓄え、破裂によって前記消火剤を放出して消火をおこなう消火器であって、
    前記消火剤が加熱されることによって所定の生成物を発生する場合において、当該生成物を中和するための中和剤を放出する中和手段を備えたこと、
    を特徴とする消火器。
  5. 前記消火剤は、常温帯域では液体状態であって、常温帯域を超える沸点を有すること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の消火器。
  6. 前記消火剤は、CFCFC(O)CF(CF、COCHまたはCOCを主成分とするものであること、
    を特徴とする請求項5に記載の消火器。
  7. 前記消火剤が前記放出口から液体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整手段をさらに備えたこと、
    を特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の消火器。
  8. 前記消火剤が前記放出口から気体状態で放出されるよう当該消火剤の状態を調整する状態調整手段をさらに備えたこと、
    を特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の消火器。
  9. 前記消火剤容器が前記消火剤を液体状態で蓄えるよう当該消火剤の状態を維持する状態維持手段をさらに備えたこと、
    を特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の消火器。
  10. 所定の中和剤を蓄えた中和剤容器と、前記中和剤を放出する放出口と、前記中和剤容器から前記放出口に前記中和剤を供給する供給手段と、前記中和剤の供給を開始するよう前記供給手段を操作する操作部とを有し、前記操作部による操作がおこなわれた場合に、前記放出口から前記中和剤を放出する中和器であって、
    前記中和剤は、消火器から放出された消火剤が加熱されることによって所定の生成物を発生する場合において当該生成物を中和するための中和剤であること、
    を特徴とする中和器。
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