JP2003115550A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JP2003115550A
JP2003115550A JP2001310196A JP2001310196A JP2003115550A JP 2003115550 A JP2003115550 A JP 2003115550A JP 2001310196 A JP2001310196 A JP 2001310196A JP 2001310196 A JP2001310196 A JP 2001310196A JP 2003115550 A JP2003115550 A JP 2003115550A
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Hisashi Nagamine
久之 長峰
Akitomo Nakayama
晶智 中山
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Renesas Micro Systems Co Ltd
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    • G11C5/063Voltage and signal distribution in integrated semi-conductor memory access lines, e.g. word-line, bit-line, cross-over resistance, propagation delay
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/21Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements
    • G11C11/34Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices
    • G11C11/40Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors
    • G11C11/41Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using electric elements using semiconductor devices using transistors forming static cells with positive feedback, i.e. cells not needing refreshing or charge regeneration, e.g. bistable multivibrator or Schmitt trigger

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ面積の増大を抑えつつ、遠端側メモリ
セルと近端側メモリセルとの間で生じる読出し速度の差
を低減することができる半導体記憶装置を提供する。 【解決手段】 本半導体記憶装置は、行列方向に延在す
る複数のワード線WLとビット線BL、/BLとの各交
差部分に配設された複数のメモリセル11と、ワード線
WLに接続され前記メモリセル11を選択する選択回路
12と、ビット線BL、/BLに接続され前記選択され
たメモリセル11から記憶情報を読み出す読出し回路1
3とを備えている。同じワード線WLに接続されるメモ
リセル11のグループ内では、選択回路12から遠い遠
端側のメモリセル11Bの電流駆動能力が、選択回路1
2に近い近端側のメモリセル11Aの電流駆動能力より
も高く設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SRAM(Static
Random Access Memory)等の半導体記憶装置に関し、特
に、メモリセル領域内の全てのメモリセルに対する情報
伝搬時間を均一化可能な半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、SRAM等の半導体記憶装置で
は、大容量化、高速動作、低電流動作、及び低コスト等
の要請があり、これらの要請に伴い、半導体プロセスの
微細化が急速に進められつつある。図30は、従来の半
導体記憶装置の内部構成を示す等価回路図である。この
半導体記憶装置10は、行方向に延在する複数のワード
線WL1〜WLnと、列方向に延在する複数のビット線B
L1〜BLm及び/BL1〜/BLmと、ワード線WLとビ
ット線BL、/BLとの各交差部分にマトリクス状に配
列された複数のメモリセル11と、対応するワード線W
Lに接続された複数の選択回路12と、対応するビット
線BL、/BLに接続された複数の読出し回路13とを
備える。ここで、/BL1〜/BLmに「/」を付してビ
ット線BL1〜BLmの各反転信号を示したが、このよう
に本明細書では「/」を、反転信号を意味するオーバー
バーとして用いる。
【0003】半導体記憶装置10では、同一のワード線
WLに接続された選択回路12から選択信号を送信して
メモリセル11を選択した後、同一のビット線BL、/
BLに接続された読出し回路13によって、選択された
メモリセル11からの記憶情報を読み出す。複数のメモ
リセル11は、選択回路12や読出し回路13までの距
離が夫々に異なる。このため、選択信号を伝達する場合
に、同じワード線WLに接続されるメモリセル11のグ
ループ内では、選択回路12から遠い位置(以下、遠端
と呼ぶ)側にあるメモリセル11と近い位置(以下、近
端と呼ぶ)側にあるメモリセル11との間で、ワード線
WLの電気抵抗による遅延時間分だけ選択信号への応答
速度に差が生じ、その結果として読出し速度に差が生じ
る。
【0004】同様に、同じビット線BL、/BLに接続
されるメモリセル11のグループ内でも、読出し回路1
3から遠端側のメモリセル11と近端側のメモリセル1
1との間で、ビット線抵抗による遅延時間分だけ読出し
速度に差が生じる。従って、半導体記憶装置では、遠端
側及び近端側のどの位置のメモリセル11からの記憶情
報を受けた際でも誤作動を生じさせないようにするた
め、遠端側のメモリセル11からの情報伝達時間に対応
して設計される。
【0005】ここで、SRAM製品における読出し回路
を例に挙げて、従来の問題点をより詳細に説明する。図
31にメモリセルブロックの構成を模式的に示す。この
メモリセルブロックは、同一の読出し回路13に一対の
ビット線BL、/BLを介して接続されたn個のメモリ
セル11を備える。読出し回路13との間の距離が各メ
モリセル11毎に異なる。読出し回路13から各メモリ
セル11までのビット線長の違いによる寄生抵抗や寄生
容量に起因して、各メモリセル11からの情報伝搬時間
に差が生じる。図中のTは、読出し回路13の正常な動
作に必要な電位差ΔVを満足するタイミングを示す。
【0006】図32は図31のメモリセルブロックにお
ける読出し回路13からの距離の違いによる信号伝達の
遅延を示す図であり、(a)はメモリセルブロックの各
電流経路を示し、(b)は近端側のメモリセルが選択さ
れた際のビット線の電位波形を示し、(c)は遠端側の
メモリセルが選択された際のビット線の電位波形を示
す。
【0007】図32(a)に示すように、読出し回路1
3から近端側に配置されたメモリセル(以下、近端側メ
モリセルとも呼ぶ)111は、矢印bで示す電流経路に
よってビット線間の電位差をΔVにする。このような近
端側メモリセル111では、遠端側に配置されたメモリ
セル(以下、遠端側メモリセルとも呼ぶ)11nに比し
て、読出し回路13までのビット線BLの電気抵抗(以
下、ビット線抵抗とも呼ぶ)が小さいため、電位差ΔV
に早期に達する。しかし、遠端メモリセル11 nでは、
図32(a)の矢印cで示す電流経路となり、読出し回
路13までのビット線抵抗が、近端メモリセル111
ビット線抵抗よりも大きいため、ビット線BL、/BL
間の電位差がΔVとなるまでに、近端メモリセル111
よりも多くの時間を要することになる。
【0008】図32(c)に示すように、読出し回路1
3の動作に必要なビット線BL、/BL間の電位差ΔV
を満足するタイミングTで、読出し回路13を制御す
る。この際のタイミングTは、電位差ΔVに達するまで
に最も長い時間を要するメモリセル11に対応して設定
する。このため、図32(b)に示すように、近端メモ
リセル111が選択された際には、タイミングTでのビ
ット線BL、/BL間の電位差ΔVは、実際に必要な電
位差ΔVよりもαだけ大きいΔV+αとなる。つまり、
近端メモリセル111ではタイミングTよりも早い時期
に電位差ΔVに達するので、遠端メモリセルに対応して
設定されたタイミングTは、近端メモリセル111にと
っては最適ではない。
【0009】読出し速度を向上させるための技術(第1
従来例)として、ビット線を分割する手法が知られてい
る。図33はビット線分割手法を説明するための等価回
路図であり、(a)はメモリセルブロックに2n個のメ
モリセルを有する構成を示し、(b)は(a)の構成を
2分割した構成を示す。図33(a)では、ビット線B
L、/BLに2n個のメモリセル111〜112nが接続
されている。図33(b)では、ビット線を2ルート化
した上で、図33(a)に示した2n個のメモリセルを
各ルートにn個ずつ接続して、遠端メモリセル11n
近端メモリセル111の読み出し回路までの情報伝搬時
間を近付けている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第1従来例では、ビッ
ト線を2ルート化することによって遠端メモリセル11
nと近端メモリセル111とを近接させ、読出し回路まで
の情報伝搬速度差を低減しているが、ルートを分割した
分だけ読出し回路13を増加しなければならず、増加し
た読出し回路13分だけのチップ面積が増大する結果を
招く。
【0011】読出し速度を向上させるための別の技術
(第2従来例)が、特開平10−289585号公報に記載され
ている。図34はこの公報に記載された技術を示す模式
図である。この技術では、制御回路15が、アドレス信
号ARn、ARn-1から、選択すべきメモリセル11の位
置を判断し、この判断に基づいて選択制御信号を生成す
る。選択回路16は、制御回路15で生成された選択制
御信号に応答して、相互にレベルが異なる複数の電圧
(Vref0〜3)の内から1つを選択して、メモリセル
アレイ17に供給している。
【0012】第2従来例では、近端側のメモリセルと遠
端側のメモリセルとの各選択時の駆動電圧を異ならせる
ことによって読出し速度を向上できるものの、メモリセ
ル11の位置を判断する制御回路15や、レベルの異な
る電圧(Vref0〜3)を生成する電圧制御回路(図示
せず)などが別途必要になる。このため、新規な回路を
追加した分だけチップ面積が増大するという不都合を招
く。
【0013】以上のように、第1及び第2従来例では、
配置距離の違いによって生じるメモリセル間での読出し
速度の差の低減と、チップ面積の縮小とを両立させるこ
とは極めて困難であった。
【0014】本発明は、上記に鑑み、チップ面積の増大
を抑えつつ、遠端側メモリセルと近端側メモリセルとの
間で生じる読出し速度の差を低減することができる半導
体記憶装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1視点の半導体記憶装置は、行列方
向に延在する複数のワード線とビット線との各交差部分
に配設された複数のメモリセルと、前記ワード線に接続
され前記メモリセルを選択する選択回路と、前記ビット
線に接続され前記選択されたメモリセルから記憶情報を
読み出す読出し回路とを備えた半導体記憶装置におい
て、同じワード線に接続されるメモリセルのグループ内
では、前記選択回路から遠い位置の遠端側メモリセルの
電流駆動能力が、前記選択回路に近い位置の近端側メモ
リセルの電流駆動能力よりも高く設定されていることを
特徴とする。
【0016】本明細書で言う「メモリセルの電流駆動能
力」は、メモリセル全体がオフ状態からオン状態に転じ
るまでの動作速度のレベルを意味する。
【0017】本発明に係る第1視点の半導体記憶装置で
は、選択回路から遠い遠端側メモリセルの電流駆動能力
が、選択回路に近い近端側メモリセルの電流駆動能力よ
りも高く設定されるので、読出し回路に必要なビット線
間の電位差を素早く得る事ができ、読出し回路への情報
伝搬時間が早まる。このため、遠端側メモリセルと近端
側メモリセルとの間で生じる読出し回路までの情報伝搬
速度差が低減できる。
【0018】また、本発明に係る第2視点の半導体記憶
装置は、行列方向に延在する複数のワード線とビット線
との各交差部分に配設された複数のメモリセルと、前記
ワード線に接続され前記メモリセルを選択する選択回路
と、前記ビット線に接続され前記選択されたメモリセル
から記憶情報を読み出す読出し回路とを備えた半導体記
憶装置において、同じビット線に接続されるメモリセル
のグループ内では、前記読出し回路から遠い位置の遠端
側メモリセルの電流駆動能力が、前記読出し回路に近い
位置の近端側メモリセルの電流駆動能力よりも高く設定
されていることを特徴とする。
【0019】本発明に係る第2視点の半導体記憶装置で
は、読出し回路から遠い遠端側メモリセルの電流駆動能
力が、読出し回路に近い近端側メモリセルの電流駆動能
力よりも高く設定されるので、遠端側メモリセルが選択
された際にはその高い電流駆動能力により読出し回路へ
の情報伝搬時間が短縮でき、従って、遠端側メモリセル
と近端側メモリセルとで生じる情報伝搬速度差を低減す
ることができる。
【0020】本発明の好ましい半導体記憶装置では、各
メモリセルがMOSトランジスタを備え、前記遠端側メモ
リセル内のMOSトランジスタにおけるゲート幅(チャネ
ル幅)が、前記近端側メモリセル内のMOSトランジスタ
におけるゲート幅よりも大きく設定される。この場合、
簡単な構成の変更により、遠端側メモリセル内のMOSト
ランジスタの電流駆動能力を高めることができる。
【0021】本明細書で言う「トランジスタの電流駆動
能力」とは、メモリセル内のMOSトランジスタが完全に
オンとなったときに流れる単位時間あたりの電流量の程
度を意味し、この電流量が多い場合に「電流駆動能力が
高い」と言い、少ない場合に「電流駆動能力が低い」と
言う。
【0022】或いは、上記に代えて、各メモリセルがMO
Sトランジスタを備え、前記遠端側メモリセル内のMOSト
ランジスタにおけるゲート長(チャネル長)が、前記近
端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけるゲート長
よりも小さく設定されることも好ましい態様である。こ
の場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0023】或いは、上記に代えて、各メモリセルがMO
Sトランジスタを備え、前記遠端側メモリセル内のMOSト
ランジスタにおけるチャネル領域のドーピング量と、前
記近端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけるチャ
ネル領域のドーピング量とが異なることも好ましい態様
である。この場合、前記チャネル領域にドーピングされ
ている不純物がボロンから成り、前記遠端側メモリセル
内のMOSトランジスタにおけるチャネル領域のドーピン
グ量が、前記近端側メモリセル内のMOSトランジスタに
おけるチャネル領域のドーピング量よりも低いことが好
ましい。或いは、これに代えて、前記チャネル領域にド
ーピングされている不純物がリンから成り、前記遠端側
メモリセル内のMOSトランジスタにおけるチャネル領域
のドーピング量が、前記近端側メモリセル内のMOSトラ
ンジスタにおけるチャネル領域のドーピング量よりも高
いことも好ましい態様である。これらの場合、簡単な構
成の変更によって、読出し回路に必要なビット線間の電
位差を得る状態に素早く転じるように遠端側メモリセル
内のMOSトランジスタの電流駆動能力を高めることがで
きる。更に、遠端側メモリセルのサイズ変更が不要にな
るという効果も得ることができる。
【0024】更に好ましくは、前記複数のメモリセルを
含むメモリセルアレイ領域を備え、前記メモリセルアレ
イ領域と選択回路との間及び/又は前記メモリセルアレ
イ領域と読出し回路との間に、前記選択回路及び/又は
読出し回路に含まれる配線と、前記メモリセルに含まれ
る配線との位置を調整して接続する接続調整領域が設け
られている。この場合、選択回路及び/又は読出し回路
とメモリセルとを、内部構成が最適な配線位置となるよ
うに夫々に設計することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明に係
る実施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る第1実施形態例の半導体記憶装置
のメモリセルアレイ領域及び周辺制御回路の配置を示す
平面図である。本発明は、メモリセルアレイを備える全
ての種類の半導体記憶装置に適用可能であるが、本実施
形態例では、SRAMで構成された半導体記憶装置につ
いて説明する。
【0026】図1に示すように、本実施形態例の半導体
記憶装置は、メモリセルアレイ領域30と、メモリセル
アレイ領域30の一辺に隣接して設けられた選択回路領
域31と、選択回路領域31に隣接する周辺回路領域3
2と、メモリセルアレイ領域30の他辺に隣接して設け
られた読出し回路領域33と、メモリセルアレイ領域3
0を挟む位置に設けられたアドレス部パッド領域35及
び入出力部パッド領域36とを備える。
【0027】メモリセルアレイ領域30内には、図30
に示した、一対のビット線BL、/BLに接続されたメ
モリセル11が、読出し回路領域33内に設けられた読
出し回路13の個数に対応して設けられている。各メモ
リセル11は、メモリセルアレイ領域30内で、行方向
に延在するn本のワード線WLを介して、対応する選択
回路12に接続されている。
【0028】本半導体記憶装置では、アドレス部パッド
領域35から出力される信号に応答して、選択回路領域
31内の選択回路12から選択信号が出力され、この選
択信号で選択されたメモリセルアレイ領域30内のメモ
リセル11から記憶情報が読出し回路領域33内の読出
し回路13によって読み出され、この記憶情報が入出力
部パッド領域36に伝達される。
【0029】図2は、本実施形態例におけるメモリセル
11の単体構成を示す回路図である。メモリセル11で
は、相補型のビット線BL、/BLが夫々、選択用のN
型MOSトランジスタ41a、41bを介してフリップフ
ロップ回路に接続され、MOSトランジスタ41a、41
bの各ゲート電極が同じワード線WLに夫々接続されて
いる。ビット線BL、/BLとMOSトランジスタ41
a、41bとは夫々、コンタクトプラグ45a、45b
を介して接続される。
【0030】フリップフロップ回路は、駆動用のN型MO
Sトランジスタ43a、43bと、記憶情報を保持する
ために微小な電流を記憶ノードN1、N2に供給する負
荷用のP型MOSトランジスタ42a、42bとを備え
る。負荷用のMOSトランジスタ42a、42bは電源電
位線Vddに、駆動用のMOSトランジスタ43a、43b
は接地電位線Vssに夫々接続されている。
【0031】図3は、図30に示した等価回路図に対応
する、本実施形態例の半導体記憶装置のマスクイメージ
を示す平面図である。図3では、図1に示した周辺回路
領域32、アドレス部パッド領域35及び入出力部パッ
ド領域36を図示省略しているが、図1と共通の領域に
は同じ符号を付している。
【0032】例えば、メモリセルアレイ領域30の全て
に、図4に示すメモリセル11Aを配置すると、読出し
回路13に流れる信号波形が図5に示すようになり、読
出し回路13から遠端側に位置するメモリセル11A
と、読出し回路13からの近端側に位置するメモリセル
11Aとの間で、情報伝搬遅延時間Δtが発生すること
になる。
【0033】後述する図13からも理解できるように、
本明細書では、選択回路12に関して「近端メモリセ
ル」と言う際には、選択回路12に最も近い位置のメモ
リセル11を意味する。また、「近端側メモリセル」と
言う際には、選択回路12に近い側で読出し回路特性に
特定の影響を与える領域内のメモリセルを意味する。こ
の領域内のメモリセルとは、例えば、同じワード線WL
に接続されるメモリセル11のグループ内での、選択回
路12に近い側の1/3〜2/3程度の数のメモリセル
11を示す。更に、選択回路12に関して「遠端メモリ
セル」と言う際には、選択回路12から最も遠い位置の
メモリセル11を意味し、「遠端側メモリセル」と言う
際には、選択回路12から遠い側で読出し回路特性に特
定の影響を与える領域内のメモリセルを意味する。この
領域内のメモリセルとは、例えば、同じワード線WLに
接続されるメモリセル11のグループ内での、選択回路
12から遠い側の2/3〜1/3程度の数のメモリセル
11を示す。また、読出し回路13に関して「近端メモ
リセル」、「近端側メモリセル」、「遠端メモリセ
ル」、及び「遠端側メモリセル」と言う場合も、上述と
同様である。
【0034】図4は、近端メモリセル11Aのマスクパ
ターンイメージを示す平面図である。このマスクパター
ンは、図2に示した回路図に対応している。近端メモリ
セル11Aは、矩形状領域の四隅に夫々形成されたN型
拡散層及びP型拡散層を有している。N型拡散層は、ソ
ース拡散領域44a、46a及び44b、46bと、ド
レイン拡散領域47a、47bとを有している。P型拡
散層は、ソース拡散領域40a、40bと、ドレイン拡
散領域49a、49bとを有している。また、ソース拡
散領域40aとドレイン拡散領域49aの間、ソース拡
散領域44aとドレイン拡散領域47aの間、ソース拡
散領域40bとドレイン拡散領域49bの間、ソース拡
散領域44bとドレイン拡散領域47bの間、ソース拡
散領域46aとドレイン拡散領域47aの間、及び、ソ
ース拡散領域46bとドレイン拡散領域47bの間の各
領域には夫々、各ゲート電極に対応するチャネル領域が
形成されている。
【0035】図4の矢印Xaで示す方向にワード線WL
が延在している。このワード線WLが、ソース拡散領域
46aとドレイン拡散領域47aとの間のチャネル領域
上、及び、ソース拡散領域46bとドレイン拡散領域4
7bとの間のチャネル領域上をゲート電極として交差す
ることによってMOSトランジスタ41a、41bが構成
される。また、矢印Yaで示す方向にゲートポリシリコ
ン配線37a、37bが相互に平行に延在している。こ
のゲートポリシリコン配線37aが、ソース拡散領域4
4aとドレイン拡散領域47aとの間のチャネル領域
上、及び、ソース拡散領域40aとドレイン拡散領域4
9aとの間のチャネル領域上をゲート電極として交差す
ることによってMOSトランジスタ43a、42aが構成
される。
【0036】ゲートポリシリコン配線37bが、ソース
拡散領域44bとドレイン拡散領域47bとの間のチャ
ネル領域上、及び、ソース拡散領域40bとドレイン拡
散領域49bとの間のチャネル領域上をゲート電極とし
て交差することによってMOSトランジスタ43b、42
bが構成される。また、ゲートポリシリコン配線37
a、37bと平行にビット線BL、/BLが延在してい
る。ビット線BL、/BLには、MOSトランジスタ41
a、41bのソース拡散領域46a、46bがコンタク
トプラグ45a、45bを介して夫々接続される。
【0037】図5は、読出し回路13から遠端、近端に
配置された従来技術のメモリセル11が選択された際の
ビット線BL、/BLの信号波形を示すグラフ図であ
る。グラフから、読出し回路13が正常に動作するため
に必要なビット線間の電位差ΔVは、読出し回路13か
ら近端の近端メモリセル11が選択された際の信号波形
に比して情報伝搬遅延時間Δtだけ遅れることが分か
る。
【0038】伝搬遅延時間Δtは、メモリの大容量化と
プロセスの微細化により、ビット線の寄生抵抗が、負荷
素子などの等価抵抗に対して無視できなくなることに起
因して生じる。そこで、読出し回路13が動作するのに
必要な電位差ΔVに到達するためのタイミングTを、近
端メモリセルのタイミングに合わせて設定することによ
って動作速度を向上させる。動作速度を向上させるに
は、読出し回路13から遠端メモリセルの波形が、タイ
ミングTの時点で電位差ΔVに達している必要がある。
【0039】例えば、図2に示したSRAMのメモリセ
ル11では、メモリセル11を構成する選択用のMOSト
ランジスタ41a、41b及び駆動用のMOSトランジス
タ43a、43bの電流駆動能力を同じ比率で引き上
げ、メモリセル11の電流駆動能力を向上させること
で、ビット線抵抗による情報伝搬遅延時間Δtを低減す
ることができる。SRAMで、MOSトランジスタ41
a、41b及びMOSトランジスタ43a、43bの電流
駆動能力を同じ比率で引き上げる理由は、読出し時のメ
モリセル11の破壊を防ぐためである。
【0040】本実施形態例の半導体記憶装置では、図3
に示すように、読出し回路13の近端側には図4の近端
メモリセル11Aを配置し、遠端側には図6に示す遠端
メモリセル11Bを配置している。これにより、読出し
回路13から遠い遠端側のメモリセル11Bの電流駆動
能力を、読出し回路13に近い近端側のメモリセル11
Aの電流駆動能力よりも高く設定し、同じビット線B
L、/BLに接続されるメモリセルのグループ内で情報
伝搬遅延時間Δtを短縮し、図7に示すような信号波形
を得る。
【0041】図7は、電流駆動能力を向上させた遠端メ
モリセル11Bによるビット線BL、/BLの信号波形
を示すグラフ図である。このグラフで、近端メモリセル
11Aが選択された際のビット線BLに流れる信号波形
は、図5の近端メモリセル11Aからの信号波形と同じ
である。しかし、遠端メモリセル11Bが選択された際
にビット線BLに流れる信号波形は、図5の遠端メモリ
セル11Bが選択された際の信号波形に比してその傾き
が大きいので、近端メモリセル11Aからの信号波形と
同等の時間で電位差ΔVに達する。従って、遠端メモリ
セル11Bと近端メモリセル11Aとの間で、電流駆動
能力に差を持たせることにより、半導体記憶装置全体の
動作速度を向上させることができる。
【0042】図6は、本実施形態例における遠端メモリ
セルのマスクパターンイメージを示す、図2の回路図に
対応する平面図であり、図4と共通の要素には同じ符号
を付している。遠端メモリセル11Bは、図4に示した
MOSトランジスタ41a、41b及び43a、43bの
電流駆動能力が同じ比率で高くなるように、トランジス
タのゲート幅が近端メモリセル11Aに比して大きく設
定されている。
【0043】つまり、図6の遠端メモリセル11Bにお
けるMOSトランジスタ41a、41b及び43a、43
bの各ゲート幅WBa、WBcは、図4の近端メモリセ
ル11AにおけるMOSトランジスタ41a、41b及び
43a、43bの各ゲート幅WAa、WAcに対し、次
式 WBa=WAa+ΔWBa ……(1) WBc=WAc+ΔWBc ……(2) の関係を有し、夫々にΔWBa、ΔWBcだけ大きく形
成されている。
【0044】図6の遠端メモリセル11Bは、図4に示
した近端メモリセル11Aに比較した場合に、ゲート幅
の増加分ΔWBaに対応して、拡散領域46a、47a
及び46b、47bのゲート(ワード線WL)に関係す
る部分のみを増大させ、X方向長さXbが図4のX方向
長さXaと同じになっている。つまり、次式 Xb=Xa …(3) を満たしている。また、遠端メモリセル11BのY方向
長さYbは、MOSトランジスタ43a、43bのゲート
幅の増加分ΔWBcだけ、図4の近端メモリセル11A
のY方向長さYaよりも大きく形成され、次式 Yb=Ya+ΔWBc …(4) を満たしている。
【0045】ところで、図6に示した遠端メモリセル1
1BでY方向長さYbのみを大きくする理由は、遠端メ
モリセル11Bの電流駆動能力を向上させる際にX方向
長さXbを大きくすると、近端メモリセル11Aとのサ
イズ差によって、マスクパターン上で、図8(a)に示
すような段差D1が形成されるからである。この場合に
は、無駄領域が形成され、読出し回路13と遠端メモリ
セル11Bとの接続が困難になる等の問題が生じる。従
って、X方向長さXbを変更せずにY方向長さYbのみ
を変更することにより、読出し回路13とメモリセル1
1Bとのピッチずれを無くし、従来型のメモリセルピッ
チで設計することを可能にした。
【0046】メモリセル11のY方向長さYbを読出し
回路13から遠端側と近端側とで変化させた際には、図
8(b)に示すように、プロセス最小で作製されたメモ
リセル11と同じピッチで配置された選択回路12との
間で、段差D2が生じる。そこで、読出し回路13から
遠端側に位置する選択回路12そのもののサイズ及びピ
ッチも、図6に示した遠端メモリセル11Bに対応して
変化させる。これにより、読出し回路13から近端側の
近端メモリセル11Aに対し、遠端側の遠端メモリセル
11BのY方向長さYbが大きくなることで生じる選択
回路12との段差D2を解消することができる。
【0047】図9及び図10は夫々、図3に示した丸領
域P及びQを拡大して詳細に示す平面図である。図9に
は、読出し回路13から近端側にある2つの近端メモリ
セル11Aと1つの選択回路12Aとの接続時の配線位
置を示している。図10には、読出し回路13から遠端
側にある2つの遠端メモリセル11Bと1つの選択回路
12Bとの接続時の配線配置を示している。
【0048】図10に示すY方向長さYbは、図9に示
すY方向長さYaに比して長くなっている。読出し回路
13から遠端、近端に配置された図10の遠端選択回路
12Bと図9の近端選択回路12Aとは、その領域内で
回路機能を有している。図9の50は近端メモリセル1
1と近端選択回路12Aとの接続を調整する接続調整領
域を、図10の50は遠端メモリセル11Bと遠端選択
回路12Bとの接続を調整する接続調整領域を夫々示
す。
【0049】図9は、図4に示したワード線WLとゲー
トポリシリコン配線37a(又は37b)とを備えると
共に、図4では図示省略した電源電位線Vddとなるアル
ミニウム配線51と、接地電位線Vssとなるアルミニウ
ム配線53とを備える。これらの配線構成は、図10に
おいても同様である。
【0050】図11に示すように、遠端メモリセル11
Bでは、近端メモリセル11AのY方向長さYaに比し
てY方向長さYbが、Yb−Yaだけ長くされている関
係上、各配線WL、37a(又は37b)、51、53
の間隔が広くなり、配置位置が異なる。
【0051】そこで、メモリセルサイズで決定される各
配線WL、37a(又は37b)、51、53のメモリ
セル内での配置位置と、選択回路12サイズで決定され
る配線位置とを調整して接続する機能を接続調整領域5
0に持たせる。この接続調整領域50の存在により、近
端メモリセル11A、遠端メモリセル11B、及び選択
回路12は、各内部構成を夫々に最適な配線位置で設計
することが可能になる。接続調整領域50には、選択回
路12と分離した状態で隣接配置される形態と、選択回
路12内にその機能を含む形態との何れかを採用するこ
とができる。
【0052】図12は、半導体記憶装置における図11
のビット線分割のレイアウトイメージを示す図であり、
(a)は1ビット線に2n個のメモリセルを接続した構
成、(b)は1ビット線上にn個のメモリセルを接続し
た構成を夫々示す。図12(a)及び(b)の双方と
も、メモリ容量は同じであるとする。
【0053】図12(a)に示す半導体記憶装置は、ア
ドレス部パッド領域35、選択回路領域31、メモリセ
ルアレイ領域30、読出し回路領域33、及び、入出力
部パッド領域36を備える。
【0054】図12(b)に示す半導体記憶装置は、図
12(a)の半導体記憶装置よりも動作速度を向上させ
る構成を備える。つまり、図12(b)の半導体記憶装
置は、図12(a)におけるメモリセルアレイ領域30
内のメモリセル数を2分割したメモリセルアレイ領域3
0A及び30Bを備える。これらアレイ領域30A及び
30Bには、図12(a)における選択回路領域31を
2分割した選択回路領域31A及び31Bが夫々接続さ
れると共に、図12(a)における読出し回路領域33
と同じ構成の読出し回路領域33A及び33Bが夫々接
続される。
【0055】このように、図12(b)に示した半導体
記憶装置では、読出し回路13が、メモリセルアレイ領
域30A及び30Bの分割で増加したビット線の数だけ
必要となり、増加した読出し回路領域33A(又は33
B)の分だけ面積が増大する。これら読出し回路領域3
3A、33Bで、例えば、読出し回路領域33A(又は
33B)のX方向長さを3730μm、Y方向長さを1
13μmとすると、読出し回路領域33A、33Bの全
体の面積は、3730×113×2μm2となる。
【0056】ところで、本実施形態例において電流駆動
能力を向上させる対象がメモリセルアレイ領域30の全
域ではないことの主な理由として、 電流駆動能力の向上で全メモリセルのサイズが拡大す
ると、メモリセルアレイ領域全体が拡大してチップ面積
が増大する、 スタンバイ電流が大きくなって消費電流の増加を招
く、 遠端側、近端側のメモリセル間で読出し回路の動作タ
イミングが異なるので近端側メモリセルに対し読出し回
路等の動作タイミングが遅くなるように別途設計する必
要があり、周辺コントロール回路に対するメモリセルの
場所依存が最適化できない、等が挙げられる。
【0057】ここで、上記理由〜を解消しつつメモ
リセルを配置する構成例を図13に示す。この構成例で
は、メモリセルアレイ領域30の全体で、1つのビット
線上に1024個のメモリセルが接続され、メモリセル
アレイ領域30の読出し回路13から遠端側の約3分の
1を占める342個のメモリセルを有するメモリセルア
レイ領域30aと、近端側の約3分の2を占める682
個のプロセス最小基準のメモリセルを有するメモリセル
アレイ領域30bとに分割し、読出し回路13の動作タ
イミングTを早くしている。
【0058】動作速度の向上は、図2に示したSRAM
のメモリセル11を成すMOSトランジスタ41a、41
b及び43a、43bの各ゲート幅を拡大することで実
現できる。この際、上述したように、図6の遠端メモリ
セル11BのX方向長さXbは図4のX方向長さと同等
であるが、Y方向長さは図4のY方向長さより長い。こ
こで、図12(b)における増加した読出し回路領域3
3A(又は33B)のY方向長さ(113μm)を遠端
側メモリセル分である342等分すると、1メモリセル
当たり約0.33μmとなる。従って、ゲート幅を広く
してメモリセル11の電流駆動能力を向上させる際に、
0.33μmを超える値にΔWを設定すると、ビット線
分割による対策よりも面積が増大する結果を招く。従っ
て、図13に示す構成例では、図6に示す1メモリセル
当たりのY方向長さYbの最大増加サイズは0.33μ
m以内であることが望ましい。
【0059】図14は、メモリセルの能力向上のための
信号波形を示すグラフ図である。このグラフでは、近端
と遠端に夫々配置されプロセス最小基準で作製された従
来型メモリセル11と、図2に示すMOSトランジスタ4
1a、41b及び43a、43bの各ゲート幅を0.3
3μm大きくした遠端メモリセル11Bとが選択された
際にビット線に印加される信号波形を示す。このグラフ
を参照して、メモリ製品の動作速度の向上のため、ビッ
ト線分割を行い、読出し回路13までの情報伝搬時間を
短縮(情報伝搬速度を向上)させる例を説明する。例え
ば、図33(b)に示したようにビット線を分割する
と、分割分に対応して読出し回路13の個数を増加しな
ければならなくなり、読出し回路13の増加分だけチッ
プ面積が増大する。本例では、読出し回路13の面積の
増大分を抑えながら、動作速度を向上させる。つまり、
ビット線分割した際の面積増大分は、本発明に適応する
最大の面積増大分でなければならず、従って、回路特性
的に考慮した領域、つまり遠端側のメモリセル領域に面
積増大分を割り当てる。この際に、全体の面積増大分か
ら、1メモリセル毎に許容される増大分を計算し、これ
により最大の許容増大分を得たとき、許容増大分を最大
に活用したビット線の信号波形が得られる。最大の許容
増大分が得られた際の信号波形と、ビット線分割を適用
しない従来例での信号波形との間Twで、電流駆動能力
を調節する。本例では、ビット線分割した際の最大の面
積増大分を加えた電流駆動能力向上のメモリセル領域と
読出し回路とを加えた面積が、ビット分割した従来のメ
モリセル領域と読出し回路とを加えた面積を超えないよ
うに調節する。
【0060】グラフから、ビット線の電位差ΔVが30
mVになった際におけるΔW=0の遠端メモリセル11
Bと、ΔW=0.33μmの遠端メモリセル11Bとの
時間差Twの間でメモリセルの電流駆動能力をコントロ
ールすることで、従来技術のビット線分割による面積増
加に比べて、面積増加量が抑えられながらも動作速度が
向上していることが分かる。
【0061】ここで、メモリセルの電流駆動能力のコン
トロール領域は、(1)目的の動作タイミングTが可能な
メモリセルより、読出し回路領域33から遠端側のメモ
リセルアレイ領域30を2つ以上の領域に分割し、その
領域毎に遠端に向かって電流駆動能力を向上させる、
(2)或る特定の読出し回路13から遠端側のメモリセル
アレイ領域30の電流駆動能力を向上させ、その境界部
を動作タイミングTとする、(3)任意の動作タイミング
Tで、どの場所のメモリセル11が選択されても、ビッ
ト線の電位差がΔVになるように各メモリセル11毎の
能力を向上させる、など、歩留まり向上、メモリ製品の
仕様や動作環境に対応したタイミングになるような設定
が考えられる。この際に、同じ目的の機能を有するもの
であれば、上記設定(1)〜(3)のパターンに限定されな
い。
【0062】上記設定(1)〜(3)の全てにおいて選択回路
12は、接続するメモリセル11にピッチ及びサイズを
合わせるように設計する。図15はメモリセルの能力を
コントロールする領域を模式的に示す図であり、(a)
は設定(1)のメモリセルアレイ領域のマスクイメージ
を、(b)は設定(2)のメモリセルアレイ領域のマスク
イメージを、(c)は設定(3)のメモリセルアレイ領域
のマスクイメージを夫々示す。
【0063】図15(a)では、読出し回路領域33に
連結され、近端側から遠端側にかけて相互に分割したメ
モリセルアレイ領域301〜303を有している。メモリ
セルアレイ領域301〜303には夫々、選択回路領域3
1〜313が連絡されている。図15(b)では、読出
し回路領域33に連結され、近端側から遠端側にかけて
相互に分割したメモリセルアレイ領域304及び305
有している。メモリセルアレイ領域304及び305には
夫々、選択回路領域314、315が連絡される。図15
(c)では、読出し回路領域33に連結されたメモリセ
ルアレイ領域306を有している。メモリセルアレイ領
域306には、選択回路領域316が連絡されている。
【0064】図15(a)の構成例に対応する、ビット
線BL、/BLに印加される信号波形を動作タイミング
最適化波形として図16に示した。グラフから、各信号
波形においてビット線の電位差ΔVになる動作タイミン
グTがほぼ同じになっていることが分かる。例えば、半
導体記憶装置を製造する際には、用いる製造プロセスや
メモリセル構成、回路特性等を考慮し、設定(1)〜
(3)の設定例等から最良の設定を選択する。
【0065】次に、本発明に係る第2実施形態例につい
て説明する。本実施形態例においても、第1実施形態例
と同様にSRAMの構成例を挙げ、図1及び図2の構成
例を参照する。本実施形態例では、選択回路12から遠
い遠端メモリセル11Bを選択した際にワード線WLの
寄生抵抗及び容量に起因して遠端及び近端メモリセルの
相互間で生じる伝搬時間差を低減する。
【0066】図17は、本実施形態例の半導体記憶装置
におけるワード線上の電流経路イメージを示す図であ
る。図中のbは選択回路領域31の近端にある近端メモ
リセル11Aが選択された際の電流経路を、cは遠端メ
モリセル11Bが選択された際の電流経路を夫々示す。
本半導体記憶装置で、複数のメモリセル11と、複数の
選択回路12を有する選択回路領域31と、複数の読出
し回路13を有する読出し回路領域33との配置は、図
30に示した等価回路図と同様であり、行方向にm個、
列方向にn個のメモリセルが配設される。図17中のR
は、各メモリセル間のワード線の寄生抵抗(ワード線抵
抗)を意味する。
【0067】本実施形態例では、同じワード線WLに接
続されるメモリセルのグループ内で、選択回路領域31
(選択回路12)から遠端側のメモリセル11の電流駆
動速度を近端側メモリセル11の電流駆動能力より高く
設定し、読出し回路13に必要なビット線BL、/BL
間の電位差に素早く達する事で、遠端側メモリセル11
と近端側メモリセル11との間で生じる読出し速度差が
低減できる。選択回路領域31から遠端側のメモリセル
11の電流駆動能力を向上させるには、前述したよう
に、図2のMOSトランジスタ41a、41b及び43
a、43bの電流駆動能力が同じ比率で向上するように
各ゲート幅を大きくする。
【0068】図18は、ゲート幅を大きくしたメモリセ
ルのマスクイメージを示す図であり、図4及び図6と共
通の構成及び要素には同じ符号を付している。MOSトラ
ンジスタ41a、41b及び43a、43bのゲート幅
WCa、WCcは、図4に示したトランジスタに対し、
次式 WCa=WAa+ΔWCa ……(6) WCc=WAc+ΔWCc ……(7) の関係を有する。このように、MOSトランジスタ41
a、41b及び43a、43bのゲート幅WCa、WC
cは、図4に示したトランジスタに比してΔWCa、Δ
WCcだけ大きく形成される。
【0069】図18の遠端メモリセル11Bは、図6の
遠端メモリセル11Bとは異なり、製造プロセスの設計
基準を保ちつつ、ワード線WLに接続されるMOSトラン
ジスタ41a、41bの各チャネル領域上のゲート電極
と、MOSトランジスタ43a、43bの各チャネル領域
上のゲートポリシリコン配線37a、37bとを拡散層
上で夫々傾斜させることによって、図4の近端メモリセ
ル11Aよりも大きなゲート幅を実現している。このた
め、メモリセルのY方向長さYcは、次式 Yc=Ya ……(8) のように、近端メモリセル11Aに比して増加していな
い。
【0070】つまり、本実施形態例の遠端メモリセル1
1Bでは、図4に示した近端メモリセル11Aのマスク
形状で、Y方向長さYcを一定にし、MOSトランジスタ
41a、41b及び43a、43b夫々のゲート幅をΔ
Wだけ長くしたマスクイメージとなる。この遠端メモリ
セル11Bでは、MOSトランジスタ41a、41b及び
43a、43bの傾斜した各ゲート電極は、同じ方向に
同じ角度で傾斜する各チャネル領域に対して適正に整合
している。
【0071】図19にメモリセルのゲート幅の拡大例を
示す。第1実施形態例では、図19(a)に示すよう
に、拡散層(44a、47a)は設計基準最小値を維持
しながらゲートポリシリコン配線37a(又は37b)
のゲート幅Wを拡大したが、本実施形態例では、図19
(b)に示すように、ゲートポリシリコン配線37a
(又は37b)を拡散層(44a、47a)に対し角度
θ(以下、傾斜角θと呼ぶ)傾斜させてゲート幅Wを拡
大させる。このため、拡散層(44a、47a)の設計
基準最小値に加えてΔXが必要になる。
【0072】つまり、傾斜角θを大きくする際には、設
計基準に適合するように隣接メモリセルとのゲート間隔
を保持するために、ΔX分だけ拡散層を拡大させる必要
がある。このΔXは、設計基準上で問題が生じないプロ
セス最小値で設定する。図18に示すX方向長さXcの
サイズは、図4に示したX方向長さXaに対し、 Xc=Xa+2ΔX ……(9) を満たす値とする。
【0073】選択回路12から遠端側のメモリセル11
Bの電流駆動能力を向上させる際に、Y方向長さYcを
大きくすると、選択回路12の近端側のメモリセル11
A及び選択回路12とのサイズ差で、マスク上で図8
(b)に示したような段差D2が形成される。本実施形
態例では、X方向長さXcのみを大きくすることで、段
差D2の存在によりメモリセル11との接続が困難にな
るという不具合を回避する。
【0074】ところで、メモリセル11のX方向長さX
cを遠端側と近端側とで異ならせた場合に、プロセス最
小で作製されたメモリセル11と、このメモリセル11
と同じピッチで配置された読出し回路13との間で段差
が生じる。そこで、選択回路領域31から遠端側に位置
する読出し回路13のサイズ及びピッチも、図18に示
した遠端メモリセル11Bに対応して変更する。これに
より、近端側のメモリセル11Aよりも遠端側のメモリ
セル11BのX方向長さXcが拡大することで引き起こ
される読出し回路13との段差を解消することができ
る。
【0075】図20は、本実施形態例の半導体記憶装置
のメモリセルアレイ領域及び周辺制御回路の配置位置を
マスクイメージで示す図である。図20では、図3と同
様に、メモリセルアレイ領域30、選択回路領域31、
及び読出し回路領域33を有するが、メモリセルの近端
側、遠端側は選択回路領域31を基準としている。
【0076】図21及び図22は、図20に示した丸領
域F、Gで囲まれた部分を夫々拡大した図である。図2
1には、選択回路領域31から近端側にある2つの近端
メモリセル11Aと1つの読出し回路13の接続時の配
線位置を示している。図22には、選択回路領域31か
ら遠端側にある2つの遠端メモリセル11Bと1つの読
出し回路13との接続時の配線位置を示している。
【0077】図21及び図22に示すように、Y方向長
さは近端側に配置されている図21のYaと遠端側に配
置されている図22のYbは同じ長さであるが、X方向
長さは近端側に配置されている図21のXaに比して、
遠端側に配置されている図22のXbが遠端メモリセル
11Bの増加分長くなっている。
【0078】選択回路領域31から遠端側、近端側の各
読出し回路13では、対応するメモリセル11A、11
Bの各内部のビット線BL、/BLの配置位置に対し、
接続されるべき各配線の配置位置が最適に接続が出来な
くてはならない。しかし、選択回路12から遠端側、近
端側で、読出し回路13のサイズや配線位置が夫々に異
なるので、メモリセル11A(又は11B)と読出し回
路13との間に接続調整領域60を配設する。
【0079】接続調整領域60は、メモリセル11A
(又は11B)のサイズで決定されるビット線BL、/
BLの配置位置と、読出し回路13のサイズで決定され
る配線位置とを調整して接続する機能を有する。接続調
整領域60を用いた接続により、近端側のメモリセル1
1A(又は遠端側のメモリセル11B)と読出し回路1
3とを、最適な配線位置で夫々に設計することができ
る。接続調整領域60は、読出し回路13とは別に構成
して隣接配置することも、読出し回路13内に一体に組
み込むこともできる。
【0080】選択回路領域31から遠端側のメモリセル
11Bが選択された際に、読出し回路13に必要なビッ
ト線BL、/BL間の電位差を得る状態に素早く達する
ように電流駆動能力が高められているので、読出し回路
13への情報伝搬時間が早まる。これにより、選択回路
12からの距離に起因する情報伝搬時間の差を小さくす
ることができる。
【0081】ところで、メモリセル能力のコントロール
領域は、下記に示すような、歩留まり向上やメモリ製品
の仕様、動作環境に応じたタイミングになるような設定
が考えられる。例えば、図23(a)に示すように、選
択回路領域31から順次に配設したメモリセルアレイ領
域307、308、309を配設し、対応するメモリセル
アレイ領域307、308、309の夫々に、読出し回路
領域337、338、339を接続する。メモリセルアレ
イ領域307、308、309は選択回路から遠端側に向
かって、ワード線抵抗による情報伝搬遅延時間を考慮し
て夫々電流駆動能力を向上してある。この構成による
と、選択信号によって選択されるメモリセル11の位置
に拘わらず、メモリセルアレイ領域307〜309の各対
応する読出し回路領域337〜339への出力タイミング
が同等になる。この構成例では、読出し回路領域337
〜339内の各読出し回路13は、接続されるメモリセ
ル11のピッチ及びサイズに合わせて設計される。
【0082】また、図23(b)に示すように、図23
(a)と同様に構成した上で、ある選択されたメモリセ
ルの配置位置によって、読出し回路領域337、338
33 9の何れかより、記憶情報が出力され、入手つ力回
路64に入力される。この構成では、選択回路領域31
からの配置位置が異なるメモリセルアレイ領域307
309までの、ワード線抵抗の違いによる伝搬遅延時間
の差を低減させ、さらに出力される読出し回路領域33
7〜339の場所によって、入出力回路64までの、配線
抵抗の違いによる記憶情報の伝搬遅延時間の差を低減す
るように、メモリセルアレイ領域307〜309内の各メ
モリセル11の電流駆動能力を設定している。これによ
り、選択信号によってどのメモリセルアレイ領域307
〜309内のメモリセル11が選択された場合でも、メ
モリセルアレイ領域307〜309の各対応する読出し回
路領域337〜339を経由して入出力回路64に記憶情
報が達する際の最終的なタイミングがほぼ同じになって
いる。この構成でも、読出し回路領域337〜339内の
各読出し回路13は、接続されるメモリセル11のピッ
チ及びサイズに合わせて設計される。
【0083】ここで、図24に、半導体記憶装置が複数
のメモリセルアレイ領域3011、3012、3013を備え
る超大規模LSIから成り、メモリセルアレイ領域30
11のメモリセル11に対して、メモリセルアレイ領域3
12、3013のメモリセル11の電流駆動能力を夫々向
上させる場合に、メモリセル11のY方向サイズを夫々
拡大した構成例を示す。この構成例では、入出力回路6
4までの配線長は比較的短いが、周辺回路領域66、6
7の配置及び配線が困難であるため、メモリセル11の
構成上の調整を検討する必要がある。これに対する構成
例を図25に示す。この半導体記憶装置は、複数のメモ
リセルアレイ領域3014、3015、30 16を備える超大
規模LSIから成り、メモリセルアレイ領域3014のメ
モリセル11に対して、メモリセルアレイ領域3015
3016のメモリセル11の電流駆動能力を夫々向上させ
る場合に、X方向サイズを夫々拡大されている。この構
成例では、入出力回路64までの配線長が図24の構成
例に比して長くなるが、Y方向には拡大されないため、
周辺回路68の配置及び配線が容易になる。
【0084】図24及び図25に示したように、複数の
メモリセルアレイ領域3011〜30 13、3014〜3016
が夫々存在する場合に、各メモリセルアレイ領域3011
〜3013、又は3014〜3016から各入出力回路64ま
での配線距離が夫々に異なる。その配線距離分の配線長
抵抗及び容量に起因して、入出力回路64までの信号伝
搬時間に差が生じる。しかし、入出力回路64から遠端
側のメモリセルアレイ領域3012、3013及び3015
3016で、図6や図18に示した遠端メモリセル11B
を採用することにより、必要なメモリセルアレイ領域で
メモリセル11の電流駆動能力を向上させ、近端側のメ
モリセルアレイ領域3011及び3014に情報伝搬速度を
合わせる事が出来る。更に、このように構成したメモリ
セルアレイ領域3011〜3013、3014〜3016の夫々
に対し、選択回路領域31及び読出し回路領域33は、
既に述べたように対策する。
【0085】次に、本実施形態例の第3実施形態例につ
いて説明する。本実施形態例は、第1及び第2実施形態
例で述べた、ビット線抵抗及びワード線抵抗による情報
信号の伝搬遅延を同時に改善するものである。図26
は、図30に示した等価回路図に対応する、本実施形態
例の半導体記憶装置のマスクイメージを示す平面図であ
る。
【0086】本実施形態例における読出し回路13及び
選択回路12のサイズ及びピッチは、第1実施形態例の
図9及び図10に示した配線配置構成、並びに、第2実
施形態例の図21及び図22に示した配線配置構成を組
み合わせている。メモリセルアレイ領域30の分割は図
27に示すようになる。
【0087】本実施形態例の半導体記憶装置では、図2
7に示すように、メモリセルアレイ領域30が4分割さ
れてメモリセルアレイ領域30A〜30Dとなり、これに
合わせて、選択回路領域311、312と、読出し回路領
域331、332が配設されている。メモリセルアレイ領
域30Aには図4の構成の近端メモリセル11Aが、メ
モリセルアレイ領域30Bには図6の構成の遠端メモリ
セル11Bが、メモリセルアレイ領域30Cには図18
の構成の遠端メモリセル11Bが夫々配設される。ま
た、メモリセルアレイ領域30Dには、メモリセルアレ
イ領域30Bに配設された遠端メモリセル11BのY方
向長さYbの増加分、及び、メモリセルアレイ領域30
Cに配設された遠端メモリセル11BのX方向長さXc
の増加分だけ拡大した構成のメモリセル11が配設され
る。
【0088】本実施形態例では、メモリセルアレイ領域
の全域で、選択されたメモリセル11の位置に依存する
伝搬遅延時間を短縮することができる。更に、上記構成
の各メモリセルアレイ領域30A〜30Dに対して、選択
回路領域311、312及び読出し回路領域331、332
は、第1及び第2実施形態例で既に述べたように対策す
る。
【0089】以上の第1〜第3実施形態例では、回路特
性を考慮し、信号伝搬遅延の遠近端での差を低減し、従
来技術に比して高速化を図った際にマスクパターンのチ
ップ面積の増大を抑えることができる。例えば、第1実
施形態例の読出し回路領域33は、チップ全体の約4%
を占めることが予想されるが、動作速度向上の目的から
ビット線を2分割すると、チップ面積の約8%が読出し
回路領域33となり、チップサイズが4%増加すること
になる。現在、直径15.24cmのウエハを用いる場
合、約1400個のチップが作製できるので、単純計算
すると約50個程度多く作製することができる。このこ
とから、動作速度向上の面でもコスト低減の面でも夫々
に効果が得られる。
【0090】第1〜第3実施形態例では、メモリセル1
1に備えたMOSトランジスタ41a、41b及び43
a、43bの各ゲート幅を大きくして、遠端側のメモリ
セル11Bの電流駆動能力を高めたが、これ以外に、次
のように構成することで、同様の効果を得ることができ
る。つまり、遠端メモリセル11B内のMOSトランジス
タ41a、41b及び43a、43bにおけるゲート長
を、近端メモリセル11A内のMOSトランジスタ41
a、41b及び43a、43bにおけるゲート長より小
さく設定する。この場合にも、上記と同様の効果を得る
ことができる。
【0091】或いは、上記に代えて、遠端メモリセル1
1内のMOSトランジスタ41a、41b及び43a、4
3bにおけるチャネル領域へのイオンのドーピング量
と、近端メモリセル11内のMOSトランジスタ41a、
41b及び43a、43bにおけるチャネル領域へのド
ーピング量とを異ならせることができる。この場合に
は、遠端メモリセル11Bのサイズを変更せずに、遠端
メモリセル11の電流駆動能力を変えることができる。
【0092】図28は、イオンのドーピング量としきい
値電圧Vtとの相関関係を示すグラフ図である。このグ
ラフでは、横軸に、各トランジスタのチャネル領域への
ボロンのドーピング量をドーズ量で示し、縦軸に、ドー
ピング量の違いに応じて変化するしきい値電圧Vt、及
び、トランジスタが確実にオンとなったときに流れる電
流値Ionを示した。この電流値Ionの高い状態が
「電流駆動能力が高い状態」であり、電流値Ionの低
い状態が「電流駆動能力が低い状態」である。(ア)はし
きい値電圧Vt、(イ)は電流値Ionに夫々対応するグ
ラフであり、(ウ)はゲート長の限界、(エ)はアクセス限
界を夫々示す境界である。図中のAは遠端側、Bは近端
側のメモリセルを夫々示す。
【0093】上記グラフから、チャネル領域へのボロン
のドーピング量を高くする程、しきい値電圧Vtを高い
状態に維持し、且つ電流値Ionを低くすることができ
ることが判る。また、ドーピング量を低くする程、しき
い値電圧Vtを低くし、且つ電流値Ionを高めること
ができ、遠端メモリセル11として好適に使用できるこ
とが判る。
【0094】或いは、上記に代えて、チャネル領域に不
純物としてリンをドーピングすることができる。この場
合、遠端メモリセル11内のMOSトランジスタにおける
チャネル領域のドーピング量を、近端のメモリセル内の
MOSトランジスタにおけるチャネル領域のドーピング量
よりも高くすれば、遠端のメモリセル11B内のMOSト
ランジスタのしきい値電圧Vtを低くし、且つ電流値I
onを高めることができる。
【0095】第1〜第3実施形態例では、SRAMを例
に挙げて半導体記憶装置を説明したが、これに限定され
ることなく、本発明の適用が可能な半導体記憶装置に
は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッ
シュ(Flash)メモリ、ROM等を挙げることができる。
また、第1〜第3実施形態例では、回路特性向上(高速
化)、チップ面積の縮小、動作電流減少という効果を得
ることができるので、従来に比して高性能、低コスト等
の優れたメモリ製品を市場に投入することができ、大幅
なシェアの獲得が期待できる。
【0096】なお、メモリセルアレイに接続する回路の
配置位置や構成は、同様の機能を有するものであれば上
記実施形態例に限定されることはない。例えば、図3、
図20及び図26に示した構成に代えて、図29に示す
ようなメモリセルアレイ領域30を挟むように対向する
選択回路領域31或いは読出し回路領域33を備える構
成を採用することができる。この場合にも、同様の効果
を得ることができる。
【0097】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明に係る半導体記憶装置は、上
記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上
記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施した半
導体記憶装置も、本発明に係る範囲に含まれる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導
体記憶装置によると、チップ面積の増大を抑えつつ、遠
端側メモリセルと近端側メモリセルとの間で生じる読出
し速度の差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態例の半導体記憶装置
のメモリセルアレイ領域等の配置位置を示す図である。
【図2】第1実施形態例におけるメモリセルの単体構成
を示す回路図である。
【図3】第1実施形態例の半導体記憶装置のマスクイメ
ージを示す平面図である。
【図4】第1実施形態例の近端側メモリセルのマスクパ
ターンイメージを示す平面図である。
【図5】従来技術における遠端側、近端側に配置された
メモリセルが選択された際のビット線の信号波形を示す
図である。
【図6】第1実施形態例の遠端側メモリセルのマスクパ
ターンイメージを示す平面図である。
【図7】電流駆動能力を向上させた遠端側メモリセルか
ら読出し回路に読み出される信号波形を示すグラフ図で
ある。
【図8】近端側メモリセルとのサイズ差によりマスクパ
ターン上で形成される段差を示す図である。
【図9】図3の丸領域Pを拡大して詳細に示す平面図で
ある。
【図10】図3の丸領域Qを拡大して詳細に示す平面図
である。
【図11】読出し回路から遠端側、近端側に夫々配置さ
れたメモリセル内で配置位置が異なる状態を模式的示す
図である。
【図12】図11のビット線分割イメージを示す図であ
り、(a)は1ビット線に2n個のメモリセルを接続し
た状態、(b)は1ビット線上にn個のメモリセルを接
続した状態を夫々示す。
【図13】メモリセルアレイ領域を2分割した際の構成
を模式的に示す図である。
【図14】メモリ製品の動作速度を向上させる手法を説
明するためのグラフ図である。
【図15】メモリセルの能力をコントロールする領域を
模式的に示す図であり、(a)は設定(1)のメモリセル
アレイ領域のマスクイメージを、(b)は設定(2)のマ
スクイメージを、(c)は設定(3)のマスクイメージを
夫々示す。
【図16】ビット線に印加される信号波形を動作タイミ
ング最適化波形として示したグラフ図である。
【図17】本発明に係る第2実施形態例の半導体記憶装
置におけるワード線上の電流経路イメージを示す図であ
る。
【図18】第2実施形態例におけるゲート幅を拡大した
メモリセルのマスクイメージを示す図である。
【図19】第2実施形態例のメモリセルのゲート幅拡大
を示す図である。
【図20】第2実施形態例の半導体記憶装置のメモリセ
ルアレイ領域及び周辺制御回路の配置位置をマスクイメ
ージで示す図である。
【図21】図21に示した丸領域Fで囲まれた部分を夫
々拡大した図である。
【図22】図21に示した丸領域Gで囲まれた部分を夫
々拡大した図である。
【図23】複数に分割したメモリセルアレイ領域に異な
る読出し回路領域を夫々接続した構成例を模式的に示す
図である。
【図24】半導体記憶装置が複数のメモリセルアレイ領
域を備える超大規模LSIから成る場合にY方向にサイ
ズを拡大した構成例を模式的に示す図である。
【図25】半導体記憶装置が複数のメモリセルアレイ領
域を備える超大規模LSIから成る場合にX方向にサイ
ズを拡大した構成例を模式的に示す図である。
【図26】図30に示した等価回路図に対応する、本実
施形態例の半導体記憶装置のマスクイメージを示す平面
図である。
【図27】複数に分割したメモリセルアレイ領域に対し
て複数の選択回路領域及び読出し回路領域を接続した構
成例を模式的に示す図である。
【図28】イオンのドーピング量としきい値電圧Vtと
の相関関係を示すグラフ図である。
【図29】メモリセルアレイ領域を挟むように対向する
選択回路領域或いは読出し回路領域を備える構成を模式
的に示す図である。
【図30】従来の半導体記憶装置の内部構成を示す等価
回路図である。
【図31】従来のメモリセルブロックの構成を模式的に
示す図である。
【図32】読出し回路からの距離の違いによる信号伝達
の遅延を示し、(a)はメモリセルブロックの各電流経
路を示す図、(b)は近端側メモリセルが選択された際
のビット線の電位波形を示す図、(c)は遠端側メモリ
セルが選択された際のビット線の電位波形を示す図であ
る。
【図33】ビット線分割手法による等価回路を示し、
(a)はメモリセルブロックに2n個のメモリセルを有
する構成を模式的に示す図、(b)は(a)の構成を2
分割した構成を模式的に示す図である。
【図34】公開特許公報に記載された半導体記憶装置を
模式的に示す図である。
【符号の説明】
11:メモリセル 11A:近端メモリセル 11B:遠端メモリセル 12:選択回路 13:読出し回路 30、301〜309、3011〜3016:メモリセルアレ
イ領域 30A〜30D、30a、30b:メモリセルアレイ領域 31:選択回路領域 311〜316、31A、31B:選択回路領域 32:周辺回路領域 33、331、332、337〜339、33A、33B:
読出し回路領域 35:アドレス部パッド領域 36:入出力部パッド領域 37a、37b:ゲートポリシリコン配線 40a、40b:ソース拡散領域 41a、41b:選択用のMOSトランジスタ 42a、42b:負荷用のMOSトランジスタ 43a、43b:駆動用のMOSトランジスタ 44a、46a、44b、46b:ソース拡散領域 45a、45b:コンタクトプラグ 47a、47b、49a、49b:ドレイン拡散領域 50、60:接続調整領域 61、62:配線 64:入出力回路 66、67:周辺回路領域 68:周辺回路 BL、/BL:ビット線 b、c:電流経路 D1、D2:段差 N1、N2:記憶ノード T:タイミング Vdd:電源電位線 Vss:接地電位線 Vt:しきい値電圧(電圧) W:ゲート幅 WL:ワード線 θ:傾斜角 Δt:伝搬遅延時間 ΔV:電位差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 晶智 神奈川県川崎市中原区小杉町一丁目403番 53 エヌイーシーマイクロシステム株式会 社内 Fターム(参考) 5B015 JJ21 JJ22 JJ31 KA13 KA28 KA38 PP02 QQ03 5F083 BS27 GA01 GA09 LA01 LA12 LA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行列方向に延在する複数のワード線とビ
    ット線との各交差部分に配設された複数のメモリセル
    と、前記ワード線に接続され前記メモリセルを選択する
    選択回路と、前記ビット線に接続され前記選択されたメ
    モリセルから記憶情報を読み出す読出し回路とを備えた
    半導体記憶装置において、 同じワード線に接続されるメモリセルのグループ内で
    は、前記選択回路から遠い位置の遠端側メモリセルの電
    流駆動能力が、前記選択回路に近い位置の近端側メモリ
    セルの電流駆動能力よりも高く設定されていることを特
    徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 行列方向に延在する複数のワード線とビ
    ット線との各交差部分に配設された複数のメモリセル
    と、前記ワード線に接続され前記メモリセルを選択する
    選択回路と、前記ビット線に接続され前記選択されたメ
    モリセルから記憶情報を読み出す読出し回路とを備えた
    半導体記憶装置において、 同じビット線に接続されるメモリセルのグループ内で
    は、前記読出し回路から遠い位置の遠端側メモリセルの
    電流駆動能力が、前記読出し回路に近い位置の近端側メ
    モリセルの電流駆動能力よりも高く設定されていること
    を特徴とする半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 各メモリセルがMOSトランジスタを備
    え、前記遠端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけ
    るゲート幅が、前記近端側メモリセル内のMOSトランジ
    スタにおけるゲート幅よりも大きく設定されることを特
    徴とする、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 各メモリセルがMOSトランジスタを備
    え、前記遠端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけ
    るゲート長が、前記近端側メモリセル内のMOSトランジ
    スタにおけるゲート長よりも小さく設定されることを特
    徴とする、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 各メモリセルがMOSトランジスタを備
    え、前記遠端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけ
    るチャネル領域のドーピング量と、前記近端側メモリセ
    ル内のMOSトランジスタにおけるチャネル領域のドーピ
    ング量とが異なることを特徴とする、請求項1又は2に
    記載の半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記チャネル領域にドーピングされてい
    る不純物がボロンから成り、前記遠端側メモリセル内の
    MOSトランジスタにおけるチャネル領域のドーピング量
    が、前記近端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけ
    るチャネル領域のドーピング量よりも低いことを特徴と
    する、請求項5に記載の半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記チャネル領域にドーピングされてい
    る不純物がリンから成り、前記遠端側メモリセル内のMO
    Sトランジスタにおけるチャネル領域のドーピング量
    が、前記近端側メモリセル内のMOSトランジスタにおけ
    るチャネル領域のドーピング量よりも高いことを特徴と
    する、請求項5に記載の半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のメモリセルを含むメモリセル
    アレイ領域を備え、前記メモリセルアレイ領域と選択回
    路との間及び/又は前記メモリセルアレイ領域と読出し
    回路との間に、前記選択回路及び/又は読出し回路に含
    まれる配線と、前記メモリセルに含まれる配線との位置
    を調整して接続する接続調整領域が設けられることを特
    徴とする、請求項1〜7の内の何れか1項に記載の半導
    体記憶装置。
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