JP2003115174A - クロック抽出回路および情報記録再生装置 - Google Patents

クロック抽出回路および情報記録再生装置

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JP2003115174A JP2002215338A JP2002215338A JP2003115174A JP 2003115174 A JP2003115174 A JP 2003115174A JP 2002215338 A JP2002215338 A JP 2002215338A JP 2002215338 A JP2002215338 A JP 2002215338A JP 2003115174 A JP2003115174 A JP 2003115174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウォブル検出信号から同期クロックを抽出する
PLL回路に関して、信号品質が悪い場合でも高安定性
と高速引込みを満足する回路を提供し、さらには、情報
記録再生装置に搭載することによって装置の転送レート
向上と信頼性向上に貢献する。 【解決手段】ウォブル信号を狭帯域なフィルタリング処
理によってSNRを改善し、これをもとに位相同期ルー
プを形成する。周波数引込み時には前述のフィルタより
も広帯域なフィルタ処理後、周波数検出器によって周波
数を検出しPLL内のVCO中心周波数を直接プリセッ
トする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は周期的にウォブルさ
れたトラックが形成されたディスクから情報を再生ある
いは記録するディスク装置に好適であり、特にウォブル
情報から同期クロックを抽出する回路の安定性改善と高
速引込み性改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体プロセス技術の進歩、イン
ターネット技術の進歩およびデータ通信容量の拡大など
により個人で膨大なデータを扱う場面が増えてきた。こ
れに伴ってデータストレージ分野では、単位面積あたり
の記録密度を出来るだけ向上させ、さらに高速なデータ
転送レートを確保するための技術開発が、特に光ディス
ク、HDD分野において盛んである。
【0003】従来の光ディスク装置、特に光磁気ディス
クは、ディスク回転数を一定にして駆動するCAV方式
(Constant Angular Velocity )が採用されていた。CA
V方式では半径が大きいほど光ヘッドに対する媒体の線
速度が早くなるため、記録密度が半径位置によって異な
ってしまい、記録密度を一定にすることができない。
【0004】これに対して常に線速度を一定に保つCL
V方式(Constant Linear Velocity)では、記録密度が一
定となり、ディスク1枚に収められる情報量は最大とな
る。しかし、半径位置によってスピンドル回転数を変化
させる必要があるため、CAV方式のような高速アクセ
スが出来ないという問題点がある。
【0005】最近、記録可能でかつROMドライブで再
生可能なディスク装置が考案された。これにはグルーブ
トラックのカッティング時に半径方向にウォブリングし
たウォブルトラック方式のディスクが用いられる。従来
の物理アドレス情報(プリピット)をウォブリング情報
の中に埋め込むことで、ROMとの互換性が確保でき、
ブロック単位の記録が可能となる。さらには、記録クロ
ックをこのウォブル情報から安定かつ低ジッタで生成す
ることができれば、ロスなくデータの書き換えが可能と
なる。ウォブル情報を用いてスピンドルを制御すること
で、CLV制御が実現できるが、CAV制御でもCLV
ディスク情報の再生が可能となる。
【0006】ところで、隣接するマークの影響あるいは
記録済み領域の情報マークの影響によってウォブル信号
には多くのノイズ成分が混入してしまう。ウォブル信号
は、記録マーク長よりもかなり長い周期を持たせてお
り、フィルタリング処理をすることによって大抵のノイ
ズ成分は除去可能である。通常、フィルタリング処理後
のウォブル信号からPLL回路によって逓倍クロックを
生成する。このクロックによって記録を行うわけである
が、記録中にPLLロックがはずれた場合にはその領域
の再生が困難になるため、記録中のPLLロックの安定
性はかなり堅牢にする必要がある。そのため、通過帯域
を制限したBPF(Band Pass Filter)によってノイズ除
去を行っている。
【0007】一方、通常ディスクではデータ領域の最内
周と最外周との半径比はおおよそ2倍である。スピンド
ル回転数が急激に変化できないことを考慮すると、最内
周から最外周にシークした場合、ウォブル周波数は、約
2倍に変化する。また、最外周から最内周にシークした
場合、ウォブル周波数は、約1/2倍に変化する。CL
VディスクをCAVで再生する場合には、ウォブル信号
SNR(Signal to Noise Ratio)確保のためのBPFの
通過帯域は上記の周波数をカバーできるように設定しな
ければならない。CLV制御をしている場合でもウォブ
ルPLLがシーク直後にPLLロックすれば、スピンド
ル回転数制定まで待たなくても記録再生動作が開始で
き、ドライブ装置全体のスループットが大きく向上す
る。従って、BPFの通過帯域は広めに取っておく必要
がある。
【0008】PLL安定性を確保するために、狭帯域の
BPFを用いることが有効である。しかし、中心周波数
固定でBPFの通過帯域を狭くするとウォブル周波数が
変化した時に、ウォブル情報が得られなくなるという問
題がある。
【0009】これに対して、図15には特開平6−49
92号公報に開示されたクロック同期回路を示す。この
回路においては、デジタルで構成したBPF61にウォ
ブル信号を通過させ、PLL62によって生成したクロ
ックに同期させてBPF61を動作させることにより、
BPF61の通過帯域をウォブル信号のキャリア周波数
に追従させている。これによって狭通過帯域でかつディ
スク全領域でウォブル信号を検出することが可能とな
る。この発明は主にスピンドルのCLV制御にウォブル
情報を用いたものである。
【0010】また、特開平11−86417号公報に開
示されているように、ディスク半径位置によって発振周
波数が制御されるPLL出力を用いてBPFの中心周波
数を制御する方法も知られている。これによって上述の
特開平6−4992号公報と同様な効果が得られる。
【0011】また、図16にその構成を示すように、特
開平2000−11532号公報においては、スイッチ
トキャパシタで構成したBPFであるSCF61dの入
出力の位相差を検出し、位相差出力の低域成分に基づく
発振出力をVCO624で生成する。この発振出力をS
CF61dの制御信号とする方法によって帯域幅を一定
にしたまま通過帯域を変更できる。これによって上述の
特開平6−4992号公報と同様な効果が得られる。
【0012】これらの技術では、確かにディスクの内周
から外周に溝に沿ってシーケンシャルに記録再生する場
合には良好にウォブル信号を抽出することができる。し
かし、通常のドライブ動作では、シークが頻発して、ウ
ォブル周波数が瞬時に大きく変化する場合が多々ある。
このような場合、上述の方法だけではBPFからはウォ
ブル信号がほとんど出力されないことになる。
【0013】これに対して特開平11−86417号公
報では、周波数引込み時にBPFの中心周波数をスイー
プさせる方法が開示されている。
【0014】また、特開平2000−11532号公報
でも同様に、周波数引込み時にBPFの通過帯域を段階
状に少しずつスイープする方法が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では、周波数引込みするまでに多くの時間がかかりドラ
イブ装置のスループットが低下してしまうという問題が
ある。
【0016】そこで、本発明は、信号品質が低下したウ
ォブル信号からでも安定にクロック信号を抽出できか
つ、ロングシーク時のウォブル周波数ずれから高速に周
波数引込みおよび位相引込みを実現するクロック抽出回
路及びこれを使用した高速転送レートのドライブ装置を
提供することを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明のクロック抽出回路においては、周波数引込
み時と位相追従時で異なる帯域幅のフィルタを設け、周
波数検出器で生成した周波数情報によりVCOの中心周
波数を変更する。位相追従時の狭帯域フィルタで信号の
SNRを稼ぐことでPLLの安定性を確保できる。ま
た、周波数引込み時には広帯域フィルタ出力を用いて入
力周波数を検出しVCO中心周波数を変更することで高
速な引込み動作が確保できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態のクロック抽出回路のブロック図である。図1
によると、入力は、A/D変換器60によってサンプリ
ング後、狭帯域フィルタ61aに入力される。狭帯域フ
ィルタ61aは入力信号に含まれている情報帯域のみを
通過させるような帯域通過フィルタが望ましいが、重畳
しているノイズの周波数特性により低域通過フィルタ、
低域阻止フィルタでも置き換えることが可能である。P
LL62は、狭帯域フィルタ61aの出力を受けて位相
同期ループを形成することで入力信号に同期したクロッ
クを生成する。また、PLL62から周波数に相当する
情報、例えば同期クロック情報をもとに、狭帯域フィル
タ61aを動作させることで、フィルタの通過帯域を制
御させることが可能である。つまり入力信号の周波数が
変動してもそれに追従するように通過周波数帯域が変化
する。
【0019】A/D変換器60には、量子化ビット幅1
bitのスライサも含まれる。A/D変換器60のサン
プリングクロックは、PLL62の出力クロックを用い
ても良いが、周波数固定の例えば水晶クロックを用いて
も良い。ただし、周波数固定のクロックを用いる場合、
A/D変換器60の後ろに位相を補正するための補間器
が必要となる。
【0020】本発明を光ディスクのウォブルクロック抽
出に用いる場合には、狭帯域フィルタ61aは、できる
だけウォブル信号のSNRを稼ぐため、例えば通過帯域
をウォブル周波数に対して±10%程度に設定する。ア
ナログ回路で実現する場合には、A/D変換器60は不
用であり、インピーダンスあるいはキャパシタンス値に
よりフィルタ定数を設定することになるが、かなりの精
度が必要となるため、デジタルフィルタを用いるのが望
ましい。
【0021】狭帯域フィルタ61aの出力を用いて位相
追従を行ことによって、PLLの安定性が確保できる。
特に記録用同期クロックをウォブル信号から抽出する場
合には、PLLとして高安定性と高追従精度が要求され
る。一般に高い安定性と早い引込み動作とは相反する
が、本発明では、入力されたウォブル信号の周波数が大
きくずれた場合のために、外部から与える周波数情報と
タイミング信号によってPLL62内部のVCO発振周
波数を瞬時に切り替える。与える周波数情報が正しけれ
ば、高速な周波数引込み動作が実現可能である。
【0022】図1のようにデジタル回路で構成した場
合、デジタルBPFで狭帯域フィルタを構成することは
容易である。しかし、BPFの動作クロックに対して極
端に低い周波数帯域のBPFを構成すると、回路規模が
大きくなりかつ乗算器の精度もかなり高くしなければな
らない。
【0023】一方、アナログ信号をデジタル処理するた
めには、サンプリング定理により、入力信号周波数の2
倍以上でサンプルした情報を回路に入力する必要があ
る。しかし、2倍サンプル動作の場合にはデジタル位相
比較器で位相情報を満足に出力することができない。ま
た、奇数倍サンプル動作では、立ち上がり、立下り両エ
ッジの位相情報を生成するために回路的な工夫が必要と
なる。さらに上述したように高い倍率でサンプルした情
報を入力することが回路の制約で困難となる。すなわ
ち、入力信号周波数の4倍、6倍、8倍程度までが理想
的なフィルタ動作周波数となる。
【0024】図2は、本発明の第1の実施の形態による
クロック抽出回路を構成するPLL回路62の構成例の
ブロック図である。位相比較器621は、同期クロック
と狭帯域フィルタ出力との位相情報を生成し、位相情報
はループフィルタLPF622によって平均化される。
ループフィルタLPF622出力は、D/A変換器62
3によってその周波数情報がアナログ値として出力さ
れ、電圧制御発振器624の発振周波数を制御する。発
振器出力は、前段ブロックの同期クロックとしても利用
される。D/A変換器623を用いずに完全なデジタル
VCOで構成することも可能である。
【0025】周波数検出器出力は、LPF622に入力
されて、周波数セット信号(タイミング信号)によって
LPF622の出力は瞬時に切り替えられる。これによ
ってVCO624の中心周波数も瞬時に切り替わること
になる。
【0026】デジタルPLL回路の各ブロックの構成は
公知の技術なので説明を省略する。
【0027】図3は、第2の実施の形態のクロック抽出
回路の構成例のブロック図である。狭帯域フィルタ61
aの通過帯域を決定する情報として外部から与える周波
数情報を用いている点に特徴がある。この構成により、
第1の実施の形態と同様に帯域フィルタの通過帯域を入
力信号のキャリア周波数に一致させて追従動作させるこ
とが可能である。
【0028】図4は、第3の実施の形態を示すクロック
抽出回路の構成例のブロック図である。狭帯域フィルタ
61aよりも広い通過帯域をもつ広帯域フィルタ61b
によって入力信号をフィルタリングし、周波数検出器6
3によって入力信号の周波数情報を生成する点が上述実
施の形態とは異なる。この周波数情報によりPLL62
のVCO中心周波数を制御する。
【0029】光ディスクにおけるウォブル信号の場合、
光ヘッドが最内周から最外周へあるいは最外周から最内
周へロングシークした場合を考慮して、例えば、広帯域
フィルタ61bの通過帯域をウォブル周波数の50%か
ら200%程度に設定する。入力したウォブル信号の周
波数を検出するだけならば通過帯域を広げても正確に周
波数情報を検出することが可能である。これによって外
部から周波数情報を与えなくとも周波数検出が可能とな
る。
【0030】図5は、第3の実施の形態のクロック抽出
回路を構成する周波数検出器63の構成例のブロック図
である。広帯域フィルタ出力は、ヒステリシスコンパレ
ータ631に入力されて1bit情報に変換される。こ
の情報はエッジ検出器632に入力後、ゲート生成回路
635で生成したゲート期間だけ、カウンタ633でエ
ッジの数を計測する。ゲート生成回路635は、固定周
波数クロックで動作させことによりゲート長は既知とな
る。すなわち、基準の時間内の周期が計測できるため周
波数値に変換することが可能である。
【0031】図6は、第4の実施の形態のクロック抽出
回路のブロック図である。第3の実施の形態で示した狭
帯域フィルタ61aと広帯域フィルタ61bとを一つの
帯域可変フィルタ61cで構成している点が特徴であ
る。デジタル回路で構成したフィルタ回路の場合、タッ
プ係数を変更することで周波数特性を変更することは容
易である。そこで周波数引込み時は、帯域切換信号によ
ってフィルタを広帯域に設定し、周波数検出器63によ
り周波数を検出する。
【0032】周波数値をVCOにセット後、帯域切換信
号によりフィルタを狭帯域に設定し、位相同期ループを
動作させる。これによってより小さなフィルタ回路構成
でPLL安定性と引込み速度向上が実現できる。
【0033】図7は、帯域可変フィルタ61cの構成例
のブロック図である。例えばBPF611を一般的な2
次IIRフィルタ2段構成でフィルタを構成した場合、
10個のタップ係数が必要である。このタップ係数を狭
帯域用と広帯域用の2種類をあらかじめ与えておいて、
周波数特性切換信号によってセレクタ612を制御して
切り替えることによって構成することが可能である。
【0034】クロック抽出回路入力からPLL入力まで
の経路の遅延によって、クロック抽出回路入力とPLL
出力クロックの位相差が、入力周波数に依存して変化す
ることがある。CAV光ディスクのウォブル信号から記
録用の同期クロックを生成する場合、半径位置によって
ウォブル周波数は異なるため、記録位相がずれてリンキ
ング精度を確保できなくなる。従って、このような場
合、クロック抽出回路入力とPLL出力クロックとの位
相ずれをできるだけ0にすることが望まれる。
【0035】図8は、第5の実施の形態を示すクロック
抽出回路のブロック図であり、上記課題が解決できる。
すなわち、PLL内部の発振周波数情報によって位相補
正量を算出する位相補正量算出器64を設け、この出力
により位相シフタ65を動作させてPLL62出力クロ
ックの位相を補正することで、入力周波数に依存した位
相ずれが補正できる。位相補正量算出器64の入力周波
数値から出力位相補正量への変換は、例えば1次関数が
実用的である。
【0036】図9は、第6の実施の形態を示すクロック
抽出回路のブロック図である。位相同期ループ機能ある
いは周波数引込み機能は第3の実施の形態と同様であ
る。差異はロック検出器66にある。
【0037】ロック検出器66は、狭帯域フィルタ61
a出力あるいは位相比較出力などのPLL62の内部信
号を用いてPLLループがロックしているか否かを判断
し、アンロック状態の場合には周波数検出器63の出力
を用いてPLL62の中心周波数を切り替える。これに
よって例えばCPUなどで生成するVCO中心周波数を
プリセットするための外部タイミング信号が不用とな
る。
【0038】PLL62内部の位相誤差量より位相誤差
がどの程度であるのかがわかる。この位相誤差の絶対値
が例えばπ/2以下であるという条件によって、ある程
度のロック検出が実現できる。しかし、この条件だけで
は、例えばデジタル回路で一般に用いられる振幅情報を
用いた位相比較器の場合には、不都合が生じる。すなわ
ち、入力信号周波数が狭帯域BPF61aの通過帯域か
ら外れた場合、PLL62の入力振幅が0に近づく。そ
うすると位相比較器出力も0に近づき、ロックしていな
いにもかかわらずロック誤検出してしまうことになる。
これを防ぐためには、入力振幅が例えば理想振幅の1/
4以上であるという条件を付加する必要がある。
【0039】図10は、ロック検出器66の構成例のブ
ロック図である。例えば、PLLクロックがウォブル周
波数の4逓倍である場合を考える。この場合、ウォブル
信号を同期したクロックでサンプルすると、立ち上がり
エッジ、振幅最大値、立下りエッジ、振幅最小値、の繰
り返しとなる。従って、連続するサンプル情報からコン
パレータ662および論理演算器663,664を用い
て、立ち上がりエッジ信号Lおよび立下りエッジ信号T
を生成する。このエッジ信号と3bitレジスタ666
および組み合わせ回路665によってシーケンサを構成
して1周期分正しくサンプルできた場合のみカウンタ6
67をカウントアップする。
【0040】カウンタ667のカウント値がN以上にな
った場合、すなわちウォブルN周期分が正確に検出でき
た場合にロック信号を出力する。
【0041】図11は、ロック検出器の動作例を示すタ
イミングチャートである。ここではN=4に設定してい
ある。状態Sは1→2→3→4→1→2→・・の順に遷
移し、ロック外れの場合には0に遷移する。S=4ごと
にカウントアップして4以上でロック信号を出力する。
【0042】図12は、第7実施の形態を示す情報記録
再生装置の構成例のブロック図である。図12には光デ
ィスク記録再生装置を示しているが、磁気ディスク装置
でも同期クロック抽出として用いることが可能である。
図12によると、光ヘッド1によって集光されたレーザ
ー光は回転しているディスク媒体11に照射される。集
光されたピームスポットは、図示していないフォーカス
サーボ機構によって、焦点がディスク媒体のデータ層に
一致するように制御される。ディスク媒体11には案内
溝が形成されており、図示していないトラックサーボ機
構によって、ビームスポットが常に情報トラックを追従
するように制御される。ディスク媒体上にはトラックに
沿って微小な情報マークが形成してあり、ROMディス
クおよび相変化ディスクなどでは明暗信号として情報マ
ークの読出しが可能である。ディスク面で反射されたレ
ーザー光は、ヘッド内の分割ディテクタに照射される。
ディテクタ出力の一つである再生信号は、2値化回路2
に入力されて“0”あるいは“1”に判別された後、デ
コーダ回路3に入力される。同時に図示していないPL
L回路によって再生信号に同期したクロックを生成し、
後段ブロックのデジタル回路に共通に入力される。
【0043】通常、ディスクには記録情報を特殊な変調
符号(例えばEFM変調や(1,7)変調)により変調
した情報が記録されるが、読出し時にはこれを復調する
必要がある。デコーダ3では、この復調処理を主に行
う。光ディスクでは、読み出した情報の信頼性を上げる
ため、記録時に冗長データを付加して読出し時に誤り訂
正処理を行っている。デコーダ3の出力は光ディスクコ
ントローラ(Optical Disk Controller; ODC)12内でこ
の誤り訂正処理を行う。
【0044】CD−R/RWやDVD−R/RWでは、
トラックの案内溝を蛇行(ウォブル)させたウォブルト
ラックを採用している。このウォブルの周波数は、トラ
ッキングアクチュエータの追従可能周波数よりも高い領
域に設定してある。これによって分割ディテクタの差信
号は、トラッキングエラー信号として利用できるが、ト
ラッキング追従後は、ウォブル信号を得ることができ
る。
【0045】ウォブル周波数は、記録情報の周波数帯域
よりも低い領域に設定することによって、再生信号から
の漏れ込みあるいは再生信号への漏れ出しを帯域分離す
ることにより削除することができる。クロック抽出回路
6では、このウォブル信号よりウォブル信号周波数の逓
倍の同期クロックを生成する。ウォブル周波数が大きく
変化するようなロングシークの場合には、クロック抽出
回路は、周波数の引込み動作をする必要がある。このた
め、シーク終了タイミングに相当するタイミング信号
(図示せず)がODC12からクロック抽出回路6に入力
されている。
【0046】ところで、通常、ウォブル信号中には部分
的に位相変調あるいは周波数変調がなされていてアドレ
ス情報が埋め込まれている。クロック抽出回路6による
PLLクロックとウォブル信号をもとに2値化するのが
ウォブル検波回路4である。
【0047】ウォブルの2値化情報をもとに物理アドレ
ス情報を生成するのがアドレスデコーダー5である。こ
の物理アドレスは、ODC12に入力されてシークある
いは記録ゲートタイミング生成などに用いられる。
【0048】クロック抽出回路6で生成したPLLクロ
ックは、同時にスピンドル回転制御部9に入力されて、
ウォブルPLLクロックが一定の周波数になるようにス
ピンドル10の回転制御がなされる。これによってCL
V制御が実現できる。もちろんクロック抽出回路6が常
にロックしていれば、CAVモードでディスクを回転さ
せることも可能である。
【0049】ところでウォブルPLLクロックは同時に
LDパワー制御部7および記録データエンコーダー8に
入力される。記録データは、エラー訂正用の冗長コード
がODC12によって付加された後、記録データエンコ
ーダー8によって変調される。変調データは、LDパワ
ー制御部7によってレーザー発光パワーに変調される。
高いパワーのレーザー光の照射を受けたディスク媒体面
は、局所的に温度が上がることで、物性的な変化を引き
起こす。これによって微小なマークが媒体面上に形成さ
れる。
【0050】図13は、第8の実施の形態の情報記録再
生装置の構成例のブロック図である。LDパワー制御器
7のLDパワー値がウォブルPLL6からのウォブル周
波数情報を用いて決定されている点が上述の実施の形態
と異なっている。これは、後述するクロック抽出回路6
にウォブル周波数/パワー変換機能を持たせることに起
因する。
【0051】図14は、第8の実施の形態の情報記録再
生装置を構成するクロック抽出回路6の構成例のブロッ
ク図である。ディスクに情報を記録する場合には、LD
レーザーパワーの制御が重要であり、パワーに対する装
置のマージンは記録時の方が再生時に比べて格段に狭く
なってしまう。一方、光ヘッドが比較的長い距離をシー
クした場合、スピンドルの回転数は瞬時には切り替わら
ないため線速度が大幅に変化する。もちろん線速度が所
望の値になるまで待ってから記録を開始すればよいが装
置全体の転送レートが低下する。
【0052】しかし、本発明のクロック抽出回路6を用
いることによって高速に周波数、位相引込みが完了する
ので、ロングシーク時でも安定な同期クロックを得るこ
とが可能である。
【0053】すなわちクロック抽出回路6の周波数情報
をもとに記録時のパワーを算出してフィードバックする
ことでスピンドルの回転待ち時間を短縮することが可能
となる。
【0054】図14においてPLL62内のループフィ
ルタ出力を取り出してパワー変換器67入力する。この
変換器67は、ウォブル周波数に対して単調増加する関
数を当てはめればよい。この構成によって特に記録時の
スループットが向上する。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
狭帯域化による信号の高SNR化と、広帯域信号から検
出した周波数を直接VCOの中心周波数としてプリセッ
トするという基本構成に基づいてクロック抽出回路を構
成することにより、PLLの高安定化と高速引込み動作
の両方を満足するPLLを提供することができる。ま
た、このクロック抽出回路を情報記録再生装置に適用す
ることによって転送レートを向上させることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態を示すクロッ
ク抽出回路構成例である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるクロック抽
出回路を構成するPLL回路構成例である。
【図3】本発明における第2の実施の形態を示すクロッ
ク抽出回路構成例である。
【図4】本発明における第3の実施の形態を示すクロッ
ク抽出回路構成例である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるクロック抽
出回路を構成する周波数検出器構成例である。
【図6】本発明における第4の実施の形態を示すクロッ
ク抽出回路構成例である。
【図7】本発明の第4の実施の形態におけるクロック抽
出回路を構成する帯域可変フィルタ構成例である。
【図8】本発明における第5の実施の形態を示すクロッ
ク抽出回路構成例である。
【図9】本発明における第6の実施の形態を示すクロッ
ク抽出回路構成例である。
【図10】本発明の第6の実施の形態におけるクロック
抽出回路を構成するロック検出器構成例である。
【図11】本発明の第6の実施の形態におけるクロック
抽出回路を構成するロック検出器動作例である。
【図12】本発明における第7の実施の形態を示す情報
記録再生装置構成例である。
【図13】本発明における第8の実施の形態を示す情報
記録再生装置構成例である。
【図14】本発明の第8の実施の形態におけるクロック
抽出回路構成例である。
【図15】従来技術によるウォブルPLLの構成例であ
る。
【図16】従来技術によるウォブルPLLの構成例であ
る。
【符号の説明】
1…光ヘッド、2…2値化回路、3…データデコーダ
ー、4…ウォブル検波器、5…アドレスデコーダー、6
…クロック抽出回路、60…A/D変換器、61a…狭
帯域フィルタ、61b…広帯域フィルタ、61c…帯域
可変フィルタ、61d…スイッチトキャパシタフィル
タ、611…特性可変バンドパスフィルタ、612…セ
レクタ、62…PLL、621…位相比較器、622…
ループフィルタ、623…D/A変換器、624…電圧
制御発振器、63…周波数検出器、631…ヒステリシ
スコンパレータ、632…エッジ検出器、633…カウ
ンタ、634…ラッチ回路、635…ゲート生成回路、
64…位相補正量算出器、65…位相シフタ、66…ロ
ック検出器、661…フリップ・フロップ、662…比
較器、663…AND回路、664…NOR回路、66
5…組み合わせ回路、666…レジスタ、667…カウ
ンタ、668…不等号演算器、67…周波数/記録パワ
ー変換器、68…位相比較器、7…LDパワー制御部、
8…データエンコーダー、9…スピンドル制御部、10
…スピンドル、11…ディスク媒体、12…光ディスク
コントローラー、13…トラッキングエラー生成部、1
4…トラッキングサーボ回路、15…分周器、16…発
振部、17…位相比較部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体として周期性を有しながらその中心
    周波数が大きく変動しうるアナログ波形から同期クロッ
    クを生成するためのクロック生成回路において、入力信
    号の通過帯域を制限する帯域フィルタと、前記帯域フィ
    ルタ出力から同期クロックを生成するPLL回路とを含
    み、前記PLL回路は、外部より与える周波数情報およ
    びタイミング情報によって前記PLL回路内部のVCO
    中心周波数を変更し、前記帯域通過フィルタは、前記P
    LL回路が出力する前記同期クロックに基づいて通過帯
    域の中心周波数を前記入力信号のキャリア周波数付近に
    近づけることを特徴とするクロック抽出回路。
  2. 【請求項2】 全体として周期性を有しながらその中心
    周波数が大きく変動しうるアナログ波形から同期クロッ
    クを生成するためのクロック生成回路において、入力信
    号の通過帯域を制限する帯域フィルタと、前記帯域フィ
    ルタ出力から同期クロックを生成するPLL回路とを含
    み、前記PLL回路は、外部より与える周波数情報およ
    びタイミング情報によって前記PLL回路内部のVCO
    中心周波数を変更し、前記通過帯域フィルタは、前記周
    波数情報に基づいて通過帯域が可変となることを特徴と
    するクロック抽出回路。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれか1項に記載の
    クロック抽出回路であって、前記帯域フィルタよりも広
    い通過帯域をもつ広帯域フィルタと、前記広帯域フィル
    タ出力から前記入力信号の周波数を検出する周波数検出
    器を有し、前記周波数情報として前記周波数検出器出力
    を用いることを特徴とするクロック抽出回路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    クロック抽出回路であって、前記帯域フィルタにおいて
    2種類以上の通過帯域幅の切換が可能であり、前記帯域
    フィルタ出力から前記入力信号の周波数を検出する周波
    数検出器を有し、前記周波数検出器出力により前記帯域
    フィルタの通過帯域を切り替えるようにしたことを特徴
    とするクロック抽出回路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    クロック抽出回路であって、前記PLL回路内の発振周
    波数情報によって出力同期クロックの位相を可変にしう
    る位相シフタを設け、前記帯域通過フィルタの通過帯域
    制御用には前記位相シフタ前の同期クロックを用い、前
    記クロック抽出回路出力としては位相シフタ出力を用い
    ることにより、前記入力信号の周波数に依存して発生す
    るクロック抽出回路入出力間の位相ずれを補正すること
    を特徴とするクロック抽出回路。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    クロック抽出回路であって、前記帯域フィルタ出力又は
    前記PLL内部信号又はその両方からPLLロック状態
    を検出するロック検出器を有し、前記ロック検出器出力
    タイミングをもとに前記PLL回路内VCO中心周波数
    を切り替えることを特徴とするクロック抽出回路。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のクロック抽出回路であっ
    て、前記ロック検出器は、前記帯域フィルタ出力の振幅
    値がある閾値以上であってかつPLL内部の位相誤差量
    がある閾値以下であることをもとにロック状態を判断す
    ることを特徴とするクロック抽出回路。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のクロック抽出回路であっ
    て、前記ロック検出器は、立ち上がりエッジ検出器と、
    立下りエッジ検出器と、前記立ち上がりエッジ検出器出
    力と前記立下りエッジ検出器出力を入力とするシーケン
    サにより構成されることを特徴とするクロック抽出回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    クロック抽出回路であって、前記フィルタがデジタル回
    路で構成されかつ、その動作周波数が前記入力信号周波
    数の4,6,8逓倍のいずれかであることを特徴とする
    クロック抽出回路。
  10. 【請求項10】 磁気ディスク装置に請求項1乃至9の
    いずれか1項に記載のクロック抽出回路を搭載したこと
    を特徴とする情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】 光ディスク装置のウォブル検出系に請
    求項1乃至9のいずれか1項に記載のクロック抽出回路
    を搭載したことを特徴とする情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の情報記録再生装置
    であって、前記PLL回路の内部周波数情報に基づいて
    最適なLDパワー値を生成するパワー変換回路を有し、
    前記パワー変換回路出力でLDパワーを制御することを
    特徴とする情報記録再生装置。
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