JP2003113590A5 - 多孔質インク吸収体およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸収可能な多孔質インク吸収体、およびその多孔質インク吸収体を備えたインクジェット記録装置に関するものである。具体例として、本発明は、インクジェット記録装置において排出される廃インクを吸収するための廃インク用吸収体、およびその廃インク用吸収体を備えたインクジェット記録装置として適用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸収可能な多孔質インク吸収体、およびその多孔質インク吸収体を備えたインクジェット記録装置に関するものである。具体例として、本発明は、インクジェット記録装置において排出される廃インクを吸収するための廃インク用吸収体、およびその廃インク用吸収体を備えたインクジェット記録装置として適用することができる。
本発明の目的は、リサイクル材を用いて構成することができて、インクの吸収能力および取り扱い性に優れた低コストの多孔質インク吸収体と、それを備えたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の多孔質インク吸収体は、バージン繊維と古紙繊維と麻繊維とを少なくとも含む多孔質インク吸収体に、水溶性高分子を付与したことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
本発明の多孔質インク吸収体は、バージン繊維と古紙繊維と麻繊維とを少なくとも含む多孔質インク吸収体に、水溶性高分子を付与したことを特徴とする。
本発明の多孔質インク吸収体は、天然繊維または合成繊維を主原料とするスラリーを脱水、乾燥して、多孔質体に形成し、前記天然繊維または合成繊維はバージン繊維と再生繊維とを少なくとも含み、かつ前記多孔質体に水溶性高分子を付与したことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録装置から排出される廃インクの吸収体として、本発明に係る多孔質インク吸収体を備えることを特徴とする。
本発明の多孔質インク吸収体は、その構成物質として、バージン繊維のみではなく、再生繊維(「廃繊維」ともいう)を含めることができ、しかも優れた吸収能力と高い生産性をもつ。
本発明の多孔質インク吸収体は、液体吸収の前後における形状変化がなく、構成物質として再生繊維を含めた場合にも、バージンセルロース繊維100%の吸収体と同等の強度をもつ。また、本発明の多孔質インク吸収体の吸収能力は、構成物質として再生繊維を含めた場合にも、バージンセルロース繊維100%の吸収体よりも液体の拡散性に優れることが確認できた。すなわち、本発明の多孔質インク吸収体においては、構成物質として再生繊維を含めた場合にも、濡れた吸収体表面が空気と接触する時間が長くなり、液体の蒸発率における優位性が確認できた。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、バージン繊維と古紙繊維と麻繊維とを少なくとも含むことにより、リサイクル材を用いて多孔質インク吸収体を構成して、インクなどの吸収能力と取り扱い性の向上、および低コスト化を実現することができる。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、バージン繊維と古紙繊維と麻繊維とを少なくとも含むことにより、リサイクル材を用いて多孔質インク吸収体を構成して、インクなどの吸収能力と取り扱い性の向上、および低コスト化を実現することができる。
より具体的には、多孔質インク吸収体をインクジェット記録装置用の廃インク吸収体として用いた場合に、インクジェット記録装置に装着されているときには充分なインク回収能力を発揮し、インクジェット記録装置がリサイクルのために解体されるときには簡単かつ確実に回収することができて、インクジェット記録装置のリサイクルに貢献することができる。
また、多孔質インク吸収体に水溶性高分子を付与することにより、繊維が毛羽となって飛散することを抑制することができる。
また、天然繊維または合成繊維を主原料とするスラリーを脱水、乾燥して多孔質インク吸収体を形成することにより、それを新規な湿式製法により製造することができ、しかもインクジェット記録装置などにおいて優れた吸収能力を発揮することができる。
また、多孔質インク吸収体の構成繊維として、古紙や麻などの再生繊維を用いることにより、バージン繊維100%の多孔質インク吸収体と同等あるいは同等以上の吸収能力をもつ環境配慮型の多孔質インク吸収体を提供して、リサイクル材料としての古紙や麻などの新たな用途を開拓することができる。
Claims (37)
- バージン繊維と古紙繊維と麻繊維とを少なくとも含む多孔質インク吸収体に、水溶性高分子を付与したことを特徴とする多孔質インク吸収体。
- 前記バージン繊維を40〜50%、前記古紙繊維を15〜30%含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質インク吸収体。
- 前記バージン繊維は、天然セルロース繊維であることを特徴とする請求項1また2に記載の多孔質インク吸収体。
- 前記バージン繊維は、製紙に使用される未使用の針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械パルプ等の木材パルプの繊維であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記古紙繊維は廃新聞古紙繊維であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記麻繊維は廃麻繊維であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 数平均繊維長が50mm以下の前記バージン繊維を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記バージン繊維と前記廃新聞古紙繊維と前記麻繊維を主原料とするスラリーを脱水、乾燥して、多孔質体に形成したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記スラリーの濃度は、乾燥固形成分量が0.03〜10重量%の範囲に調製されることを特徴とする請求項8に記載の多孔質インク吸収体。
- 前記スラリーの濃度は、乾燥固形成分量が0.03〜5重量%の範囲に調製されることを特徴とする請求項8に記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の見かけ密度が0.02g/cm3以上、0.40g/cm3以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の見かけ密度が0.10g/cm3以上、0.25g/cm3以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の厚さは1mm以上であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記水溶性高分子は、多糖類、タンパク質類、熱可塑性樹脂類の群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記水溶性高分子は、澱粉、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、にかわ、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記水溶性高分子は、前記多孔質吸収体の重量の0.001%以上、5%以下の量を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記水溶性高分子を噴霧して前記多孔質インク吸収体の表面に付与したことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記インクジェット記録装置にて排出される廃インクの吸収体として、請求項1から17のいずれかに記載の多孔質インク吸収体を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記廃インクは、前記記録ヘッドのインク吐出口から吸引排出されるインク、前記記録ヘッドのインク吐出口から加圧排出されるインク、または前記記録ヘッドから吐出されて画像の記録に寄与しないインクのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項18または19に記載のインクジェット記録装置。
- 天然繊維または合成繊維を主原料とするスラリーを脱水、乾燥して、多孔質体に形成し、前記天然繊維または合成繊維はバージン繊維と再生繊維とを少なくとも含み、かつ前記多孔質体に水溶性高分子を付与したことを特徴とする多孔質インク吸収体。
- 前記天然繊維または合成繊維は、カナダ標準フリーネス(CSF)が550ml以上の繊維であることを特徴とする請求項21に記載の多孔質インク吸収体。
- 前記天然繊維または合成繊維は、王研式脱水速度値が20秒以下の繊維であることを特徴とする請求項21または22に記載の多孔質インク吸収体。
- 前記天然繊維は、セルロース繊維、非木材天然パルプの繊維、または廃天然繊維の内の少なくとも1つであることを特徴とする請求項21から23のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記セルロース繊維は、製紙に使用される未使用の針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械パルプ等の木材パルプの繊維であり、
前記非木材天然パルプの繊維は麻や綿等の繊維であり、
前記再生繊維は、古紙や廃麻等の廃天然繊維であることを特徴とする請求項24に記載の多孔質インク吸収体。 - 前記合成繊維は、液体吸収能を有するポリエステルやレーヨンの群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項21から23のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記天然繊維または合成繊維を主原料とするスラリーの濃度は、乾燥固形成分量が0.03〜10重量%の範囲に調製されることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記天然繊維または合成繊維を主原料とするスラリーの濃度は、乾燥固形成分量が0.03〜5重量%の範囲に調製されることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の見かけ密度が0.02g/cm3以上、0.40g/cm3以下であることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の見かけ密度が0.10g/cm3以上、0.25g/cm3以下であることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の体積の10%以上の量の廃天然繊維と、残りの量の天然木材パルプ繊維とによって構成されることを特徴とする請求項21から30のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- バージンセルロース繊維を30〜50%、廃新聞古紙繊維を25〜35%、廃麻繊維を25〜35%含むことを特徴とする請求項21から30のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 数平均繊維長が50mm以下の廃天然繊維を含むことを特徴とする請求項21から32のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- 前記多孔質吸収体の厚さは1mm以上であることを特徴とする請求項21から33のいずれかに記載の多孔質インク吸収体。
- インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記インクジェット記録装置にて排出される廃インクの吸収体として、請求項21から 34のいずれかに記載の多孔質インク吸収体を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記廃インクは、前記記録ヘッドのインク吐出口から吸引排出されるインク、前記記録ヘッドのインク吐出口から加圧排出されるインク、または前記記録ヘッドから吐出されて画像の記録に寄与しないインクのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項35に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項35または36に記載のインクジェット記録装置。
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