JP2003113528A - 紡糸装置 - Google Patents

紡糸装置

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JP2003113528A
JP2003113528A JP2001310523A JP2001310523A JP2003113528A JP 2003113528 A JP2003113528 A JP 2003113528A JP 2001310523 A JP2001310523 A JP 2001310523A JP 2001310523 A JP2001310523 A JP 2001310523A JP 2003113528 A JP2003113528 A JP 2003113528A
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Japan
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air
yarn
cooling air
spinning
cooling
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Masamitsu Yamashita
雅充 山下
Taku Iwade
卓 岩出
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Toray Engineering Co Ltd
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Toray Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、冷却装置内の糸条の走行状
態を検視することによって、糸条の走行状態の異常が早
期に発見でき、直ちに所定の対処をすることができる紡
糸装置を提供することである。 【解決方法】 空気整流体51と、内側多孔管52と、
外側多孔管53がルッキンググラス54の片面側に係合
されてはめ込まれており、このルッキンググラス54の
他面側がダクト11の上面開口部に係合されてはめ込ま
れた構成であり、このルッキンググラス54の外周部か
ら単糸の走行状態が目視できる。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維糸条の製造
設備において適用する紡糸装置に関するものである。 【従来の技術】紡糸装置には、紡糸パック内の口金から
溶融ポリマーを押し出し、押し出されたポリマーを冷却
風導入部および空気エジェクタ機構で構成されている冷
却装置を経て糸条として引き取るようなものがあり、こ
のような紡糸装置においては口金から押し出されたポリ
マーは冷却装置最下部に位置する気流減速部から出たと
き初めて目視することができるのである。 【発明が解決しようとする課題】ところで、口金から押
し出された溶融ポリマーが下流の冷却風導入部、空気噴
射部と下降気流案内管で冷却され、糸条として引き取る
運転形態において、冷却風導入部に異物などが混入した
場合、空気整流体に目詰まりを起こし、導入空気量の分
布にばらつきが生じるので糸揺れが起こり、その状態が
継続し糸条の走行が悪化して行くと溶融ポリマーの各単
糸が接触し、糸切れが発生することがある。従来の紡糸
装置では、前記のような糸条走行上の異常が発生してか
ら糸切れまでの間は異常が発見し難く、糸切れまで何等
対処されずその間不良糸が大量に巻き取られるという問
題があり、後処理に多大の労力が必要であった。そこで
本発明の目的は、冷却装置内の糸条の走行状態を検視す
ることによって、糸条の走行状態の異常が早期に発見で
き、直ちに対処することができる紡糸装置を提供するこ
とである。 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の紡糸装置は、口金のポリマー吐出孔から溶融ポ
リマーを押し出し、該口金下流の冷却風導入部、空気噴
射部、下降気流案内管および気流減速部を有した空気エ
ジェクタ機構を経て、前記ポリマーを糸条として引き取
る紡糸装置において、該冷却風導入部と空気噴射部間に
ルッキンググラスを設け、このルッキンググラス部を介
して糸条の走行状態を検視できるようにしている。 【発明の実施の形態】図1は本発明である紡糸装置1の
実施形態を示す概略図である。2は溶融ポリマーを紡出
する加熱及び保温機能を備えた公知のスピンビームであ
り、スピンビーム2は内部にメターリングポンプ3、分
配ブロック4及び紡糸口金41を内装して配設された紡
糸パック6を有し、それらがポリマー管5を介して連通
しており、メターリングポンプ3に供給された溶融ポリ
マーを紡糸口金41から紡出するようになっている。紡
糸装置1は、紡糸口金41の下流、即ちスピンビーム2
に内設された紡糸パック6の下方に設けられ、円筒状の
冷却風導入部7と冷却風導入部7に続いて鉛直方向に設
けられた空気エジェクタ機構8を有しており、それらが
紡糸パック6の配設に対応して列設されている。冷却風
導入部7は図3、図4に示すように、中心aから放射状
に波形に整形された円盤状のプレートを長手軸心方向に
積層して形成された中空の空気整流体51と、空気整流
体51を包囲する筒状の周面に複数の孔を有した内側多
孔管52と、内側多孔管52と同心に内側多孔管52を
取り囲む筒状の周面に複数の孔を有した外側多孔管53
を有し、それらがルッキンググラス54の片面側に係合
されてはめ込まれている。このルッキンググラス54は
透明のアクリル樹脂、あるいは透明ガラスなどが用いら
れ、他面側が空気エジェクタ機構8の一部を収納してい
るダクト11の上面開口部に係合されてはめ込まれ、空
気整流体51とルッキンググラス54の内周面が連通し
た構成になっている。ルッキンググラス54は透明であ
るので、この外周部から内部が目視できるため口金41
から環状に吐出された単糸の走行状態を覗き込むことが
できる。尚、内側多孔管52と外側多孔管53の周面の
孔は、円形、楕円形の孔あるいはスリット状の長孔等で
も良い。空気整流体51の周囲から空気整流体51に導
入される空気量を制御する制御装置として、外側多孔管
53の下部に円弧状に長孔を設けた板片10を取り付
け、外側多孔管53を少なくとも外側多孔管53の周面
の孔と内側多孔管52の周面の孔との位相が一致する位
置からそれらの孔の大きさ分位相がずれる位置の間で左
右回転自在にせしめ、任意の位相で前記長孔を介してボ
ルトにてルッキンググラス54面に固定するようにして
いる。空気エジェクタ機構8は空気噴射部60と下降気
流案内管9から成り、空気噴射部60には、図1、図2
に示すように、空気整流体51およびルッキンググラス
54の中心に同心で糸条Yと上流部からの気流が通過す
る導入管61が空気整流体51に係合して設けられ、導
入管61にテーパを介して形成された小径部を導入管6
1の周囲から空気を噴射する噴射管62が包囲して設け
られている。噴射管62には噴射管62内に噴射される
空気流を整流する整流部63と噴射口65が形成されて
いる。整流部63には空気流の流れ方向に複数枚の環状
仕切板64が嵌装されており、噴射口65は空気エジェ
クタ機構8の長手軸心と角度θで交差している。この角
度θは0度〜3度の間に設定する。そして、空気噴射部
60の下方に下降気流案内管9が噴射管62に係合して
噴射管62と一体的に形成されており、その出口部には
外周面に複数の孔が設けられると共に、末広がりに径が
拡大された気流減速部12が形成されている。ダクト1
1には列設された空気エジェクタ機構8の空気噴射部6
0を収納して一体的に形成されており、一端面は送風機
(図示せず)に連結されている。また、ダクト11は両
側に立設された案内レール13、14から張り出して固
定された空気圧シリンダ15、16によって支持されて
いる。そして、ダクト11の両側にローラ群17、18
が案内レール13、14に係合して取り付けられてお
り、空気圧シリンダ15、16へ供給する空気圧の切り
替えによってダクト11がローラ群17、18に案内さ
れて案内レール13、14上を昇降するようになってい
る。空気圧シリンダ15、16へ供給する空気圧は、紡
糸時にダクト11の上昇により冷却風導入部7がスピン
ビーム2の下面に押圧された状態になるように設定す
る。また、ローラ群17、18はダクト11の昇降動作
以外の動きを規制する構成になっている。本発明の紡糸
装置1の運転形態を図1〜3を参照にして説明する。紡
糸口金41から押し出された溶融ポリマは冷却風導入部
7で次第に冷やされ空気エジェクタ装置8に至る。冷却
風導入部7における気流の発生は、ダクト11に連結さ
れた送風機(図示せず)からダクト11に送り込まれる
気流によって空気エジェクタ機構8の導入管61に生じ
る負圧による。即ち、この負圧によって室内の温調され
た空気が冷却風導入部7の周囲から冷却風導入部7内部
へ吸引される。冷却風導入部7の吸引気流は空気エジェ
クタ機構8に近いほうが強く、紡糸口金41へ近づくに
従い弱くなる。紡糸口金41近くの気流を強くすると、
空気整流体51内部で紡糸口金41近くから強い下降流
が生じ、この下降流に対してさらに周囲から内側へ向か
う気流が存在するため気流が乱流となり、この発生した
乱流によって冷却途中の繊維に振動が生じるので冷却斑
が発生し繊度斑となる。この繊度斑を起こさない冷却風
の速度は、糸条を構成する繊維の繊度が3.7dtxの
とき冷却風導入部7の下流部で15m/minから35
m/minが好ましく、この冷却風の速度に対して紡糸
口金41近くの冷却風の速度は前記風速の1/1.2〜
1/2となる。繊維の繊度が小さい場合は冷却風の速度
を小さくし、大きい場合は冷却風の速度を大きくすると
良い。また繊度が大きいほど冷却風導入部7の長さを長
くするように冷却風導入部7を交換しても良い。このと
き、冷却風導入部7内の温度が繊維の固化点まで下がら
ないように冷却風導入部7内の冷却風の速度を設定す
る。前記冷却風導入部7内の冷却風の速度は、外側多孔
管53によって内側多孔管周面の複数の孔に対する外側
多孔管周面の複数の孔の位相を変えることによって容易
に調節できる。一方、空気エジェクタ機構8の噴射管6
2の下流では、噴射管62からの空気流によって導入管
61から吸引された糸条Yと空気流は加速され、下降気
流案内管9内で糸条は冷却されながら固化点温度に至
る。下降気流案内管9内は糸条Yと同方向に流れる下降
気流にさらされるため、この気流によって固化点付近の
空気抗力が軽減されるので、繊維にかかる応力が小さく
なり糸条を形成する繊維の配向が抑制される。前記下降
気流案内管9の全長は内径の10倍以上50倍以下が好
ましい。全長が内径の10倍以下であると個下点を常に
安定して下降気流案内管9内に留めることが困難にな
り、糸条の伸度にばらつきが生じ、後工程での糸切れが
増加する。また、全長が50倍以上になると下降気流案
内管9の圧損が増加して上流の負圧の発生が不十分とな
って冷却が不十分となり、繊度斑の原因になるばかりか
吸引力の不足によって糸掛け時に糸が冷却風導入部7に
滞留して糸掛けが困難になる。下降気流の速度は空気噴
射部60への供給空気圧によって制御する。この供給空
気圧が高く下降気流が強すぎると、強い乱流や渦が発生
し糸揺れが生じ、繊度斑や糸切れが発生するため、空気
噴射部60付近の風速は3000m/min以下となる
よう供給空気圧を調節すると良い。一方風速が小さすぎ
ると前記固化点付近の空気抗力の軽減効果が小さくな
る。空気噴射部60への供給空気圧を変化させると、導
入管61に生じる負圧も変化するため、上流の冷却風導
入部7からの冷却風の速度も変化する。この冷却風の速
度を前述のように最適化するために空気噴射部60への
供給空気圧を調節すると共に、前述のように冷却風導入
部7内の冷却風の速度を外側多孔管53によって調節す
る。下降気流案内管9の気流減速部12では、糸条と共
に下降する気流の方向が変わり、糸条と共に下流の給油
ガイド19に到達する気流が軽減するので、給油ガイド
19での糸揺れが減り、油剤の付着斑が防げると共に、
糸揺れが上流へ伝播されないので繊度斑の発生も防止で
きる。本発明の紡糸装置1の紡糸パック6の交換に際し
ては、ダクト11を空気圧シリンダ15、16によって
下降せしめることにより、それに伴なって、冷却風導入
部7も下降するのでスピンビーム2の下面と紡糸装置1
の間に充分な作業空間が得られ、紡糸パック6の交換作
業が容易に行なえる。また前述の繊度に応じた冷却風導
入部7の長さの変更は、冷却風導入部7が空気圧シリン
ダ15、16によって昇降し、スピンビーム2の下面に
押圧される構成であるので適切な長さを設定して組み込
むことで容易に行なえる。次に、本発明の紡糸装置を用
いて行つた場合の紡糸の実施例1と、従来の紡糸装置を
用いて行なった場合の紡糸の比較例1を説明する。 【実施例1】紡糸パック1内の口金41から溶融ポリマ
ーを押し出し、空気エジェクタ機構8から吐出された糸
条を引き取る糸掛け作業を行った。このときの運転条件
は、空気エジェクタ機構8に温度40℃、800mma
qの空気を供給し、冷却風の速度は、冷却風導入部7の
上端で30m/min、下端で45m/min、下降気
流案内管9内で2600m/minであった。糸掛け作
業途中ルッキンググラス54を覗き込んだところ、糸揺
れを検知したので冷却風導入部7を調べた。その結果、
空気整流体51において異物混入による目詰まりが発生
しており、導入空気量の分布にばらつきが生じていたの
でその目詰まりを除去し運転を再開したところ、糸揺れ
はおさまった。以上のように、ルッキンググラス54を
設けることにより、糸切れまでの糸条走行の異常状態を
異常発生蒔近傍において目視にて検知することがきるの
で糸条の異常状態による不良糸の巻き取り量を大幅に減
少することができる。 【比較例1】次に、従来の紡糸装置によって実施例1と
同条件に設定し運転を行っていたところ、糸切れを起こ
した。原因を探索したところ、空気整流体51の異物混
入による目詰まりにより導入空気量分布がばらつき、走
行する単糸同士が融着したのが原因と分かった。そこで
糸掛け直後のものから糸切れするまでの糸物性を調べた
ところ、ポリエステル124dtx−36f、4500
m/minで伸度91%、U%1.5%であり、糸掛け
直後のものから糸切れするまでの全ての糸において物性
が悪くなっており不良糸であった。すなわち、従来の紡
糸装置では走行する糸条に異常状態が発生したことを糸
切れ時まで検知不可能でありその結果、大量の不良糸が
産出されるのである。 【発明の効果】本発明によれば、紡出された後の単糸の
走行状態をルッキンググラスを介して検視することによ
り、糸切れまでの早期に異常が発見でき直ちに所定の対
処ができるので異常発生後の不良糸の大量産出を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態を示す概略正面図である。 【図2】 空気噴射部の構造を示す概略断面図である。 【図3】 冷却風導入部を示す概略斜視図である。 【図4】 冷却風導入部の拡大断面図である。 【符号の説明】 1 紡糸装置 2 スピンビーム 3 メターリングポンプ 4 分配ブロック 6 紡糸パック 7 冷却風導入部 8 空気エジェクタ機構 9 下降気流案内管 11 ダクト 12 気流減速部 41 紡糸口金 51 空気整流体 52 内側多孔管 53 外側多孔管 54 ルッキンググラス 60 空気噴射部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成13年11月2日(2001.11.
2) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 紡糸装置 【特許請求の範囲】 【請求項1】紡糸パック内の口金から溶融ポリマーを押
し出し、該口金下流の冷却風導入部、空気噴射部、下降
気流案内管および気流減速部を有した空気エジェクタ機
構を経て、前記ポリマーを糸条として引き取る紡糸装置
において、該冷却風導入部と空気噴射部間に走行糸条を
目視可能なルッキンググラスを備えたことを特徴とする
紡糸装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維糸条の製造
設備において適用する紡糸装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】紡糸装置には、紡糸パック内の口金から
溶融ポリマーを押し出し、押し出されたポリマーを冷却
風導入部および空気エジェクタ機構で構成されている冷
却装置を経て糸条として引き取るようなものがあり、こ
のような紡糸装置においては口金から押し出されたポリ
マーは冷却装置最下部に位置する気流減速部から出たと
き初めて目視することができるのである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、口金から押
し出された溶融ポリマーが下流の冷却風導入部、空気噴
射部と下降気流案内管で冷却され、糸条として引き取る
運転形態において、冷却風導入部に異物などが混入した
場合、空気整流体に目詰まりを起こし、導入空気量の分
布にばらつきが生じるので糸揺れが起こり、その状態が
継続し糸条の走行が悪化して行くと溶融ポリマーの各単
糸が接触し、糸切れが発生することがある。 【0004】 従来の紡糸装置では、前記のような糸条走
行上の異常が発生してから糸切れまでの間は異常が発見
し難く、糸切れまで何等対処されずその間不良糸が大量
に巻き取られるという問題があり、後処理に多大の労力
が必要であった。 【0005】 そこで本発明の目的は、冷却装置内の糸条
の走行状態を検視することによって、糸条の走行状態の
異常が早期に発見でき、直ちに対処することができる紡
糸装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の紡糸装置は、口金のポリマー吐出孔から溶融ポ
リマーを押し出し、該口金下流の冷却風導入部、空気噴
射部、下降気流案内管および気流減速部を有した空気エ
ジェクタ機構を経て、前記ポリマーを糸条として引き取
る紡糸装置において、該冷却風導入部と空気噴射部間に
ルッキンググラスを設け、このルッキンググラス部を介
して糸条の走行状態を検視できるようにしている。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は本発明である紡糸装置1の
実施形態を示す概略図である。 【0008】 2は溶融ポリマーを紡出する加熱及び保温
機能を備えた公知のスピンビームであり、スピンビーム
2は内部にメターリングポンプ3、分配ブロック4及び
紡糸口金41を内装して配設された紡糸パック6を有
し、それらがポリマー管5を介して連通しており、メタ
ーリングポンプ3に供給された溶融ポリマーを紡糸口金
41から紡出するようになっている。 【0009】 紡糸装置1は、紡糸口金41の下流、即ち
スピンビーム2に内設された紡糸パック6の下方に設け
られ、円筒状の冷却風導入部7と冷却風導入部7に続い
て鉛直方向に設けられた空気エジェクタ機構8を有して
おり、それらが紡糸パック6の配設に対応して列設され
ている。 【0010】 冷却風導入部7は図3、図4に示すよう
に、中心aから放射状に波形に整形された円盤状のプレ
ートを長手軸心方向に積層して形成された中空の空気整
流体51と、空気整流体51を包囲する筒状の周面に複
数の孔を有した内側多孔管52と、内側多孔管52と同
心に内側多孔管52を取り囲む筒状の周面に複数の孔を
有した外側多孔管53を有し、それらがルッキンググラ
ス54の片面側に係合されてはめ込まれている。 【0011】 このルッキンググラス54は透明のアクリ
ル樹脂、あるいは透明ガラスなどが用いられ、他面側が
空気エジェクタ機構8の一部を収納しているダクト11
の上面開口部に係合されてはめ込まれ、空気整流体51
とルッキンググラス54の内周面が連通した構成になっ
ている。 【0012】 ルッキンググラス54は透明であるので、
この外周部から内部が目視できるため口金41から環状
に吐出された単糸の走行状態を覗き込むことができる。 【0013】 尚、内側多孔管52と外側多孔管53の周
面の孔は、円形、楕円形の孔あるいはスリット状の長孔
等でも良い。 【0014】 空気整流体51の周囲から空気整流体51
に導入される空気量を制御する制御装置として、外側多
孔管53の下部に円弧状に長孔を設けた板片10を取り
付け、外側多孔管53を少なくとも外側多孔管53の周
面の孔と内側多孔管52の周面の孔との位相が一致する
位置からそれらの孔の大きさ分位相がずれる位置の間で
左右回転自在にせしめ、任意の位相で前記長孔を介して
ボルトにてルッキンググラス54面に固定するようにし
ている。 【0015】 空気エジェクタ機構8は空気噴射部60と
下降気流案内管9から成り、空気噴射部60には、図
1、図2に示すように、空気整流体51およびルッキン
ググラス54の中心に同心で糸条Yと上流部からの気流
が通過する導入管61が空気整流体51に係合して設け
られ、導入管61にテーパを介して形成された小径部を
導入管61の周囲から空気を噴射する噴射管62が包囲
して設けられている。 【0016】 噴射管62には噴射管62内に噴射される
空気流を整流する整流部63と噴射口65が形成されて
いる。 【0017】 整流部63には空気流の流れ方向に複数枚
の環状仕切板64が嵌装されており、噴射口65は空気
エジェクタ機構8の長手軸心と角度θで交差している。
この角度θは0度〜3度の間に設定する。 【0018】 そして、空気噴射部60の下方に下降気流
案内管9が噴射管62に係合して噴射管62と一体的に
形成されており、その出口部には外周面に複数の孔が設
けられると共に、末広がりに径が拡大された気流減速部
12が形成されている。 【0019】 ダクト11には列設された空気エジェクタ
機構8の空気噴射部60を収納して一体的に形成されて
おり、一端面は送風機(図示せず)に連結されている。
また、ダクト11は両側に立設された案内レール13、
14から張り出して固定された空気圧シリンダ15、1
6によって支持されている。そして、ダクト11の両側
にローラ群17、18が案内レール13、14に係合し
て取り付けられており、空気圧シリンダ15、16へ供
給する空気圧の切り替えによってダクト11がローラ群
17、18に案内されて案内レール13、14上を昇降
するようになっている。 【0020】 空気圧シリンダ15、16へ供給する空気
圧は、紡糸時にダクト11の上昇により冷却風導入部7
がスピンビーム2の下面に押圧された状態になるように
設定する。 【0021】また、ローラ群17、18はダクト11の
昇降動作以外の動きを規制する構成になっている。 【0022】 本発明の紡糸装置1の運転形態を図1〜3
を参照にして説明する。紡糸口金41から押し出された
溶融ポリマは冷却風導入部7で次第に冷やされ空気エジ
ェクタ装置8に至る。冷却風導入部7における気流の発
生は、ダクト11に連結された送風機(図示せず)から
ダクト11に送り込まれる気流によって空気エジェクタ
機構8の導入管61に生じる負圧による。即ち、この負
圧によって室内の温調された空気が冷却風導入部7の周
囲から冷却風導入部7内部へ吸引される。 【0023】 冷却風導入部7の吸引気流は空気エジェク
タ機構8に近いほうが強く、紡糸口金41へ近づくに従
い弱くなる。紡糸口金41近くの気流を強くすると、空
気整流体51内部で紡糸口金41近くから強い下降流が
生じ、この下降流に対してさらに周囲から内側へ向かう
気流が存在するため気流が乱流となり、この発生した乱
流によって冷却途中の繊維に振動が生じるので冷却斑が
発生し繊度斑となる。 この繊度斑を起こさない冷却風
の速度は、糸条を構成する繊維の繊度が3.7dtxの
とき冷却風導入部7の下流部で15m/minから35
m/minが好ましく、この冷却風の速度に対して紡糸
口金41近くの冷却風の速度は前記風速の1/1.2〜
1/2となる。繊維の繊度が小さい場合は冷却風の速度
を小さくし、大きい場合は冷却風の速度を大きくすると
良い。また繊度が大きいほど冷却風導入部7の長さを長
くするように冷却風導入部7を交換しても良い。 【0024】 このとき、冷却風導入部7内の温度が繊維
の固化点まで下がらないように冷却風導入部7内の冷却
風の速度を設定する。前記冷却風導入部7内の冷却風の
速度は、外側多孔管53によって内側多孔管周面の複数
の孔に対する外側多孔管周面の複数の孔の位相を変える
ことによって容易に調節できる。 【0025】 一方、空気エジェクタ機構8の噴射管62
の下流では、噴射管62からの空気流によって導入管6
1から吸引された糸条Yと空気流は加速され、下降気流
案内管9内で糸条は冷却されながら固化点温度に至る。
下降気流案内管9内は糸条Yと同方向に流れる下降気流
にさらされるため、この気流によって固化点付近の空気
抗力が軽減されるので、繊維にかかる応力が小さくなり
糸条を形成する繊維の配向が抑制される。 【0026】 前記下降気流案内管9の全長は内径の10
倍以上50倍以下が好ましい。全長が内径の10倍以下
であると個下点を常に安定して下降気流案内管9内に留
めることが困難になり、糸条の伸度にばらつきが生じ、
後工程での糸切れが増加する。 【0027】 また、全長が50倍以上になると下降気流
案内管9の圧損が増加して上流の負圧の発生が不十分と
なって冷却が不十分となり、繊度斑の原因になるばかり
か吸引力の不足によって糸掛け時に糸が冷却風導入部7
に滞留して糸掛けが困難になる。 【0028】 下降気流の速度は空気噴射部60への供給
空気圧によって制御する。この供給空気圧が高く下降気
流が強すぎると、強い乱流や渦が発生し糸揺れが生じ、
繊度斑や糸切れが発生するため、空気噴射部60付近の
風速は3000m/min以下となるよう供給空気圧を
調節すると良い。一方風速が小さすぎると前記固化点付
近の空気抗力の軽減効果が小さくなる。 【0029】 空気噴射部60への供給空気圧を変化させ
ると、導入管61に生じる負圧も変化するため、上流の
冷却風導入部7からの冷却風の速度も変化する。この冷
却風の速度を前述のように最適化するために空気噴射部
60への供給空気圧を調節すると共に、前述のように冷
却風導入部7内の冷却風の速度を外側多孔管53によっ
て調節する。 【0030】 下降気流案内管9の気流減速部12では、
糸条と共に下降する気流の方向が変わり、糸条と共に下
流の給油ガイド19に到達する気流が軽減するので、給
油ガイド19での糸揺れが減り、油剤の付着斑が防げる
と共に、糸揺れが上流へ伝播されないので繊度斑の発生
も防止できる。 【0031】 本発明の紡糸装置1の紡糸パック6の交換
に際しては、ダクト11を空気圧シリンダ15、16に
よって下降せしめることにより、それに伴なって、冷却
風導入部7も下降するのでスピンビーム2の下面と紡糸
装置1の間に充分な作業空間が得られ、紡糸パック6の
交換作業が容易に行なえる。 【0032】 また前述の繊度に応じた冷却風導入部7の
長さの変更は、冷却風導入部7が空気圧シリンダ15、
16によって昇降し、スピンビーム2の下面に押圧され
る構成であるので適切な長さを設定して組み込むことで
容易に行なえる。 【0033】 次に、本発明の紡糸装置を用いて行つた場
合の紡糸の実施例1と、従来の紡糸装置を用いて行なっ
た場合の紡糸の比較例1を説明する。 【0034】 【実施例1】紡糸パック1内の口金41から溶融ポリマ
ーを押し出し、空気エジェクタ機構8から吐出された糸
条を引き取る糸掛け作業を行った。このときの運転条件
は、空気エジェクタ機構8に温度40℃、800mma
qの空気を供給し、冷却風の速度は、冷却風導入部7の
上端で30m/min、下端で45m/min、下降気
流案内管9内で2600m/minであった。 【0035】 糸掛け作業途中ルッキンググラス54を覗
き込んだところ、糸揺れを検知したので冷却風導入部7
を調べた。その結果、空気整流体51において異物混入
による目詰まりが発生しており、導入空気量の分布にば
らつきが生じていたのでその目詰まりを除去し運転を再
開したところ、糸揺れはおさまった。 【0036】 以上のように、ルッキンググラス54を設
けることにより、糸切れまでの糸条走行の異常状態を異
常発生蒔近傍において目視にて検知することがきるので
糸条の異常状態による不良糸の巻き取り量を大幅に減少
することができる。 【0037】 【比較例1】次に、従来の紡糸装置によって実施例1と
同条件に設定し運転を行っていたところ、糸切れを起こ
した。原因を探索したところ、空気整流体51の異物混
入による目詰まりにより導入空気量分布がばらつき、走
行する単糸同士が融着したのが原因と分かった。 【0038】 そこで糸掛け直後のものから糸切れするま
での糸物性を調べたところ、ポリエステル124dtx
−36f、4500m/minで伸度91%、U%1.
5%であり、糸掛け直後のものから糸切れするまでの全
ての糸において物性が悪くなっており不良糸であった。 【0039】 すなわち、従来の紡糸装置では走行する糸
条に異常状態が発生したことを糸切れ時まで検知不可能
でありその結果、大量の不良糸が産出されるのである。 【0040】 【発明の効果】本発明によれば、紡出された後の単糸の
走行状態をルッキンググラスを介して検視することによ
り、糸切れまでの早期に異常が発見でき直ちに所定の対
処ができるので異常発生後の不良糸の大量産出を防止す
ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態を示す概略正面図である。 【図2】 空気噴射部の構造を示す概略断面図である。 【図3】 冷却風導入部を示す概略斜視図である。 【図4】 冷却風導入部の拡大断面図である。 【符号の説明】 1 紡糸装置 2 スピンビーム 3 メターリングポンプ 4 分配ブロック 6 紡糸パック 7 冷却風導入部 8 空気エジェクタ機構 9 下降気流案内管 11 ダクト 12 気流減速部 41 紡糸口金 51 空気整流体 52 内側多孔管 53 外側多孔管 54 ルッキンググラス 60 空気噴射部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】紡糸パック内の口金から溶融ポリマーを押
    し出し、該口金下流の冷却風導入部、空気噴射部、下降
    気流案内管および気流減速部を有した空気エジェクタ機
    構を経て、前記ポリマーを糸条として引き取る紡糸装置
    において、該冷却風導入部と空気噴射部間に走行糸条を
    目視可能なルッキンググラスを備えたことを特徴とする
    紡糸装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10332645A1 (de) * 2003-07-18 2005-02-03 Saurer Gmbh & Co. Kg Vorrichtung zum Schmelzspinnen, Kühlen und Aufwickeln

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10332645A1 (de) * 2003-07-18 2005-02-03 Saurer Gmbh & Co. Kg Vorrichtung zum Schmelzspinnen, Kühlen und Aufwickeln

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