JPH02229210A - ポリエステル繊維の高速紡糸方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は．ポリエステル繊維の高速紡糸方法に関し，さ
らに詳しくは，衣料用ポリエステルマルチフィラメント
糸を良好な均斉度で安定に生産することができる高速紡
糸方法を提供することを目的とするものである。

（従来の技術） 一般に，ポリエステル繊維の高速紡糸においては，紡糸
速度が５０００ｍ／分を超える速度領域では，紡出糸は
細化過程でいわゆるネック状の変形を伴い〔文献（Ｉｎ
ｔｅｒｎａｔｔｏｎａｌｅ　Ｃｈｅｎ＋ｉｆａｓｅｒｔ
ａｇｕｎｇ　ｉｎＤｏｒｎｂｉｒｎ　（１９７９）．繊
維学会誌　第３８巻．第１１号，第４９９頁（１９８２
）等〕．シかもこのネック状の変形点は紡糸線方向に激
しく位置変動する。

すなわち．紡糸速度が５０００ｍ／分を超える速度領域
では，走行糸に随伴される気流量が著しく増大し，しか
も各走行糸の周りに発生する随伴気流が相互に干渉し合
うため，走行糸に糸揺れが発生し，この糸揺れが前記ネ
ック状の変形点を紡糸線方向に位置変動させるのである
。そして，このネック状の変形点の位置変動は．巻取ら
れた糸条のフィラメント内及びフィラメント間の均一性
を悪くするばかりか，極端な場合には，紡出糸条の切断
を惹起し，安定紡糸上問題である。

第２図は，従来の紡糸方法の一実施態様を示す説明図で
ある。１は紡糸口金で．口金中心を中心とする同心３重
円配孔のものである。２は紡糸口金１の直下に配設した
積極加熱方式又は非積極加熱方弐の加熱筒，３は加熱筒
２の直下に配設した円筒型冷却装置，４は紡出糸条１　
５は糸条集東ガイドである。なお，糸条集東ガイド５と
しては通常１糸条集東ガイドを兼ねたノズル型給油装置
が好ましく用いられる。

従来の紡糸方法においては，特にその紡糸速度が５００
０ｍ／分以上という高速の場合，第２図に示したような
円筒型冷却装置３からの冷却風は、紡出糸条４を冷却．
熱交換した後，紡出糸条４の中心部を流れる高温気体流
Ｂを形成し１走行紡出糸条４に随伴される。この高温気
体流Ｂは，紡出糸条４が紡糸線下流位置に配設された糸
条集東ガイド５により集束されるため，紡出糸条４の中
心部よりその外方向に激しく排斥され，本来の糸条走行
方向とその方向を異にする脱出気体流Ｃを形成する。そ
して，この脱出気体流Ｃにより紡出糸条４に糸揺れが惹
起される。

本発明者らは，紡糸速度が５０００ｍ／分以上であるポ
リエステル繊維の高速紡糸において，各種紡糸条件を変
更してネック状の変形が円筒冷却装置３の下面近傍で生
起される状況を実現させ２走行紡出糸条４に伴う気体の
流れを詳細に検Ｊ１シ，その結果，特に円筒型冷却装置
３の下面近傍でぱ，紡出糸条４の外部に位置する雰囲気
媒体が紡出糸条４に吸い込まれるような方向に吸込気体
流Ａが形成され，しかも吸込気体流Ａの流速は激しく変
動していること，また，前記流速変動によりネック状の
変形点が紡糸線方向に非定常に，かつ相当激しく位置変
動し，この位置変動が紡出糸条４に糸揺れを惹起してい
ることを見出した。また，長時間の観察では，特に激し
い位置変動に呼応するように．切断に至る場合がしばし
ば観察された。

以上のように，紡糸速度が５０００ｍ／分以上であるポ
リエステル繊維の高速紡糸においては，工業的に極めて
安定に操業性よくポリエステル繊維を製造することは．
まだ困難であるといわざるを得ない。

（発明が解決しようとする課題） 紡糸速度５０００＋＋＋／分以上であるポリエステル繊
維の高速紡糸においては，前記のような紡糸技術上の問
題があった。

本発明は．前記紡糸上の問題を解決する５０００ｉ／分
以上の紡糸速度で工業的に極めて安定に操業性よくポリ
エステル繊維を製造する方法を提供することを技術的な
課題とするものである。

（課題を解決するための手段） すなわち．本発明は．ポリエステル重合体を紡糸口金か
ら溶融紡出し，紡糸口金面直下に配設された加熱筒を通
した後．加熱筒直下に配設された円筒型冷却装置を用い
て冷却後，　５０００ｍ／分以上の速度で引取る溶融紡
糸方法において，加熱筒と円筒型冷却装置の上面との間
に下記■式を満足する上部気流調整板を設け，かつ円筒
型冷却装置の丁面に下記■式を満足する下部気流調整板
を設けることを特徴とするポリエステル繊維の高速紡糸
方法を要旨とするものである。

０．９×ＤＡ≧Ｄ０≧Ｄｓ　　　’−・・−−−−−−
−−−−　　−■ＤＢ≧Ｄ．≧０．４ＸＤａ　　　’−
・−・一・−−−−−−−−−−−一−一−−−一一一
一−■〔但し１００は上部気流調整板の間口径（ｃｍ）
，　　Ｄは下部気流調整板の間口径（ｃｍ）　．　Ｄ　
Ａは円筒型冷却装置の内径（Ｃｍ）　ｌ　Ｄ　ａは紡糸
口金に穿孔された重合体吐出孔の最外配孔径（ｃｍ）を
表す。）本発明において使用するポリエステル重合体と
しては，ポリエチレンテレフタレートを一般に用いるが
，ポリエステル本来の性質を損なわない程度において第
３成分が混合あるいは共重合されたもの，あるいは艶消
剤，着色剤，安定剤，制電剤等を含んでいるものでもよ
い。また，重合度は５繊維形成性を損なわない範囲であ
れば特に限定はされないが，本発明は衣料用ポリエステ
ルマルチフィラメント糸の製造に適した方法であり．フ
エノールと四塩化エタンとの等重ＩＮＫ合物を溶媒とし
，濃度０．５ｇ／ｄ！，温度２５℃で測定した相対粘度
が１．３０〜１．４５のものが好ましい。

以下，本発明を図面に基づいて詳細に説明する。

第１図は．本発明の紡糸方法の一実施態様を示す説明図
である。

なお．本発明でいう紡糸速度とは，紡糸口金からの吐出
糸条を細化変形させるため最初に設けられる引取手段で
の速度であり，また１サクションガンの場合にはザクシ
ョンガン入口部における吸引糸条の速度である。

本発明の特徴は，加熱筒２と加熱筒２の直下に配設され
た円筒冷却装置３との間に上部気流調整板６を配設し．
かつ円筒冷却装置３の下面に気流調整板７を配設した溶
融紡糸装置を用いることにある。円筒型冷却装置３から
の冷却風が紡出糸条４を冷却２熱交換した後．紡出糸条
４の中心部を流れる高温気体流Ｂを形成し２紡出糸条４
の中心部に随伴される点は，前述した従来の紡糸方法の
場合と同様である。しかし，本発明の紡糸方法では．下
部気流調整板７により下部気流調整板７の入口部近傍の
紡出糸条外周部と下部気流調整板７の内面部との境界部
に絞り気体流Ｅが形成されこの気体流Ｅば，下部気流調
整仮７を出た後，しばらく紡出糸条４の走行方向にほぼ
沿うように進行する。また，紡出糸条４の集束状態は，
前記絞り気体流Ｅが形成される部分で，本来の集束状態
よりも集束径が狭められたものとなる。一方１下部気流
調整板７により絞り気体流Ｅが形成されるとき，加熱筒
２内及び円筒冷却装置３の紡出糸条４の冷却部の上部に
おける気圧が下部気流調整板７が配設されていないとき
に比べて低《なるため冷却風が加熱筒２内に吹き上がり
，加熱筒２内の雰囲気温度を低下させ．極端なときには
紡糸口金１の口金面温度を低下させるという問題が生じ
る。

しかしながら，本発明の紡糸方法では，加熱筒２と加熱
筒２の直下に配設された円筒冷却装置３との間に上部気
流調整板６を配設したので，下部気流調整板７により絞
り気体流Ｅが形成されたときに加熱筒２内に吹き上がろ
うとする冷却風は随伴気体流Ｆに変換され．前記のよう
な問題を生じることがない。そして２下部気流調整板７
により絞り気体流Ｅが形成され，かつ上部気流調整仮６
により随伴気体流Ｆが形成されたとき，下部気流調整板
７の下面近傍で生起されるネック状の変形点の位置は，
紡糸線方向に極めて安定しており５　したがって，紡糸
口金１から吐出され下部気流調整板７に至る間の系内に
おける紡出糸条４の糸揺れは．極端に抑制されたものと
なる， 本発明の紡糸方法においては．上部気流調整板の間口径
（Ｄ０）が■式を満足し，かつ下部気流調整板の間口径
（Ｄ１）が■式を満足することが必要であるｏＤｏが円
筒型冷却装置の内径（Ｄ，）の０．９倍より大きい場合
には，加熱筒２内の雰囲気温度の低下や紡糸口金１の口
金面温度の低下を抑制することができず．また＋ＤＯが
紡糸口金に穿孔された重合体吐出孔の最外配孔径（Ｄ８
）より小さい場合には，紡出糸条４の走行張力が低く僅
かな張力変動でも糸揺れが生じ，このとき紡出糸条４が
上部気流調整板６に当たり．単糸の切断が生じるため，
操業上好ましくない。Ｄ，がＤａより大きい場合には，
前述したような下部気流調整板７による気流調整効果か
ほ表んど達成されず，ネック状の変形点を紡糸線方向に
安定化させ，糸揺れを抑制することができない。またＩ
ＤＩが０．４ＸＤｇより小さい場合には，糸Ｉ♂れが逆
に大きくなるとともに紡出糸条４が下部気流調整仮７に
当たり，単糸の切断が生じるため．操業上好ましくない
。

紡糸口金１での吐出孔の配孔は１単孔群に限定されるも
のではなく，多孔群でもよい。配孔方法は，フィラメン
ト間の均一性を考慮し，紡糸口金中心を中心とする同心
の１乃至６重円が好ましいが．円配列に限定されず．フ
ィラメント間の均一性が満足されれば．他の配孔方法，
例えば，いわゆる千鳥配列でもよい。気流調整板６の開
口形状は，実質的な円形であることが最も好ましいが前
述したような本発明の紡糸方法における効果が得られる
範囲であれば．例えば，楕円形等その開口形状は何ら限
定されない。また，気流調整板６の厚みは，■，θ〜３
０．０ａｍが好適であるが，紡糸条件との関連により，
その効果が損なわれない範囲であれば限定されない。

（作用） 以上のような効果が奏されるのは，次のような理由によ
るものと認められる。

（イ）気流調整板６の上下に形成される高温気体流Ｂと
絞り気体流Ｅが，極めて整流効果よ《走行糸条に随伴さ
れること， （Ｉ１）従来の紡糸方法では．円筒型冷却装Ｗ３の下面
近傍で不規則な吸込気体流Ａが形成されたが，本発明の
紡糸方法では，気流調整板６を出た後に相当高速度な絞
り気体流Ｅが形成されるため，前記のような吸込気体流
人が発生する余地がほとんどないこと， （ハ）従来の紡糸方法では，紡出糸条４が集束されるた
めに高温気体流Ｂが糸条群の中心部より糸条群の外側に
激しく排斥され脱出気体流Ｃを形成するが，本発明の紡
糸方法では．紡出糸条４の集束状態が気流調整板６の入
口部で本来の集束状態よりも集束径が狭められたものと
なるため，高温気休流Ｂの脱出気体流化は，従来の紡糸
方法に比較し紡糸線上流側で発生すること， （＝）本発明の紡糸方法では，前記発生した脱出気体流
Ｃは，速やかに極めて整流された絞り気体流Ｅに変換さ
れること， （＊）本発関の紡糸方法では，加熱筒２内に吹き上がろ
うとする冷却風が上部気流調整板６により速やかに随伴
気体流Ｆに変換されること，（ヘ）本発明の紡糸方法で
は，下部気流調整板７通過以降ではすでに相当量の高温
気体流Ｂが消費されているため，発生した脱出気体流Ｃ
の流量は極めて少ないものであること。

（実施例） 以下，本発明を実施例により具体的に説明する。

実施例１ 第１図に示した紡糸装置を用い，相対粘度１．３８のポ
リエチレンテレフタレートチップを溶融後孔径０．２０
■１，孔数３６孔，孔配列２重円，最外配孔径（Ｄ，ｌ
）が６　．　５　ｃｍの紡糸口金１を通して．紡糸温度
２９５℃で第１表に示す種々の条件で紡糸した。

紡出糸条を，紡糸口金１の直下に配設した内径１１　ｃ
ｍ　，長さ７ｃ＋ｉ，雰囲気温度３５０℃の加熱筒２を
通し．加熱筒２の直下に配設した厚さ５龍の上部気流調
整板６を通し，上部気流調整仮６゜の直下に配設した内
径（ＤＡ）ＩＩＣＩｎ．長さ３０ｃ！ｌの円筒型冷却装
置３から温度２０℃，吹出速度３０ＣＩＩＩ／秒の冷却
風を紡出糸条に吹付けて冷却し５円筒型冷却装置３の直
下に配設した厚さ５龍の下部気流調整板７を通した後１
紡糸口金１の下方Ｌ２０ｃｌの位置に配設した糸条集束
ガイドを兼ねたノズル給油装置５により集束を行った。

このとき，上部気流調整板６の開口径（Ｄ０）と下部気
流調整板７の開口径（Ｄ．）を，第１表に示すように各
種変更した。

紡出糸条は，第１表に示す種々の表面速度の非加熱の第
１ゴデットローラで引取り，引き続いて延伸を施すこと
なく非加熱の第２ゴデットローラを介して高速巻取装置
により巻取り，７５デニール／３６フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維糸条を得た。

第１表に．紡糸状況として７２時間連続紡糸した際の単
糸切断の発生頻度と巻取った糸条の糸斑の結果を示す。

第１表において．○印を附した実験陽のものは実施例で
あり，他の実験隘のものは比較実施例である。

紡糸状況は，７２時間の紡糸中に発生した単糸切断の回
数により，次の３段階で評価した。

○：０〜３回，△：４〜１０回，ｘ：ｔ＋回以上繊度斑
（Ｕ％）は，スイス・ツェルベーガ社製のウースタ糸斑
測定装置を用いて．ハーフィナートテストによって測定
した。

第 ｌ 表 本発明の要件を満足する実験ｍｌ，２，４．８及び９で
は．紡糸状況が極めて安定しており，操業上何らの問題
もなかった。また．得られた糸条は，糸斑が掻めて小さ
いものであった。

これに対し，実験患３ではＩＤＯが０．９×ＤＡより大
きいため，冷却風が加熱筒２内に吹き上がり加熱筒２内
の雰囲気温度のみならず紡糸口金１の口金面温度が低下
し，単糸切断が発生し１操業上問題があった。また，得
られた糸条は糸斑が比較的大きかった。実験Ｎ［Ｌ５で
は＋ＤＯがＤＩ１より小さいため．紡出糸条が上部気流
調整板に当たり．単糸の切断が生じ．操業上問題があっ
た。また．得られた糸条は糸斑が極めて大きかった。実
験覧６では＋ＤＩがＤ８より大きいため，紡出糸条は不
安定で糸揺れが大きく，紡糸杖況も単糸切断の発生が多
く．操業上問題があった。また２得られた糸条は糸斑が
比較的大きかった。実験患７ではｒ　Ｄ　ＩがＱ．４Ｘ
Ｄ，より小さいため，前述同様．操業上問題があり，糸
斑は極めて大きかった。

（発明の効果） 本発明によれば，　５０００＋ｎ／分以上の紡糸速度で
，糸条の均一性が極めて優れたポリエステル繊維を工業
的に極めて安定な操業状態で製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は．本発明の紡糸方法の一実施態様を示す説明図
．第２図は，従来の紡糸方法の一実施態様を示す説明図
である。 ｌ：紡糸口金．２：加熱筒，３：円筒型冷却装置，４：
紡出糸条．６：上部気流調整板，７：下部気流調整板 窮２因 塔１ 凹 特許出願人　　　ユニチカ株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリエステル重合体を紡糸口金から溶融紡出し、
   紡糸口金面直下に配設された加熱筒を通した後、加熱筒
   直下に配設された円筒型冷却装置を用いて冷却後、５０
   ００ｍ／分以上の速度で引取る溶融紡糸方法において、
   加熱筒と円筒型冷却装置の上面との間に下記［１］式を
   満足する上部気流調整板を設け、かつ円筒型冷却装置の
   下面に下記［２］式を満足する下部気流調整板を設ける
   ことを特徴とするポリエステル繊維の高速紡糸方法。 ０．９×Ｄ＿Ａ≧Ｄ＿０≧Ｄ＿Ｂ・・・［１］ Ｄ＿Ｂ≧Ｄ＿１≧０．４×Ｄ＿Ｂ・・・［２］ 〔但し、Ｄ＿０は上部気流調整板の開口径（ｃｍ）、Ｄ
   ＿１は下部気流調整板の開口径（ｃｍ）、Ｄ＿Ａは円筒
   型冷却装置の内径（ｃｍ）、Ｄ＿Ｂは紡糸口金に穿孔さ
   れた重合体吐出孔の最外配孔径（ｃｍ）を表す。〕