JP2003112611A - ワイパーブレードゴム - Google Patents

ワイパーブレードゴム

Info

Publication number
JP2003112611A
JP2003112611A JP2001310211A JP2001310211A JP2003112611A JP 2003112611 A JP2003112611 A JP 2003112611A JP 2001310211 A JP2001310211 A JP 2001310211A JP 2001310211 A JP2001310211 A JP 2001310211A JP 2003112611 A JP2003112611 A JP 2003112611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
layer
silicone
wiper blade
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001310211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3861646B2 (ja
Inventor
Kazumasa Yasuda
和正 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2001310211A priority Critical patent/JP3861646B2/ja
Publication of JP2003112611A publication Critical patent/JP2003112611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3861646B2 publication Critical patent/JP3861646B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイパーブレードゴムに関し、窓ガラスの撥
水性の寿命を延ばすと共にワイパーブレードゴムの寿命
をも延ばすことができるようにする。 【解決手段】 撥水ガラスを用いた窓ガラスの表面を払
拭するリップ部2を有するワイパーブレードゴムであっ
て、少なくともリップ部2の払拭部分が、ゴム弾性体,
シリコーン系ゴムの何れかからなる第1材料と、フッ化
シリコーン系ゴム,熱可塑性エラストマの何れか又はこ
れらの混合物からなる第2材料とで構成される基材層1
1と、シリコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何
れか又はこれらの混合物で構成される表層12aと、上
記基材層と上記表層との間に設けられて、シリコーン系
ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れか又はこれらの混
合物と固体潤滑材とで構成される中間層12bとをそな
えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のウインドシ
ールドガラスを払拭するワイパー装置に用いて好適の、
ワイパーブレードゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のウインドシールドガラス
を撥水処理することによって、降雨時にワイパーを用い
ずに走行できるようにする技術が普及している。ところ
が、このような技術を用いると、ゴムと撥水ガラスとの
間に水膜の介在が少なくなるため、従来のワイパーブレ
ードゴムでは、ワイパーにビビリ振動が生じることがあ
る。このビビリ振動により、ワイパーブレードゴムから
ウインドシールドガラスに不均一な力が加わって、ウイ
ンドシールドガラスに部分的に大きな力が加わることに
なるため、ワイパーブレードゴムによってウインドシー
ルドガラス上の撥水膜が削れて撥水膜の寿命が短くなっ
てしまうという課題があった。
【0003】そこで、例えば、特開平10−95314
号公報に開示されているように、ワイパーブレード本体
のゴム基材を従来同様にゴム弾性体より構成し、このワ
イパーブレード本体の両側面に、分子内に反応性基を有
するフッ素系樹脂と、反応性基と反応性を有する硬化剤
と、四フッ化エチレン樹脂や有機ケイ素系弾性体や固体
潤滑材(グラファイトなど)とを含む表面被覆層を設け
ることによって、摺動抵抗の低下を図り、どのようなガ
ラス表面に対してもビビリ振動がなく拭き取り性能に優
れていると共に、その性能を長期間維持できるようにす
る技術が開発されている(以上、第1従来技術)。
【0004】また、特開2001−55119号公報に
開示されているように、ワイパーブレード本体のゴム基
材をシリコーン系ゴムにより構成し、ゴム基材の払拭部
にシリコーン系ゴムと固体潤滑剤(グラファイトなど)
を含む厚さ5〜30μmほどの層を形成して、ワイパー
ブレードゴムのゴム基材及び表面処理変更による摺動抵
抗の低下を図り、撥水皮膜による撥水効果を長期間維持
できるようにする技術も開発されている(以上、第2従
来技術)。
【0005】また、特開平10−1640号公報には、
ワイパーブレードゴムに樹脂,シリコーンパウダー,固
体潤滑剤,有機溶剤からなる塗料組成物を塗布すること
で、ワイパーブレードゴムの摺動性を向上させるととも
にワイパーブレードゴムの耐久性を向上させようとする
技術が開示されている(以上、第3従来技術)。また、
特開平10−35419号公報には、ワイパーブレード
ゴムのワイパーリップのウィンドウガラスと接触する部
分を、炭化水素構造を有するジエンベースの天然ゴム及
び/又は合成エラストマから構成する技術が開示されて
いる(以上、第4従来技術)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、撥水処
理を行ったガラス(撥水ガラス)は、撥水層に有機物を
使用するため耐久性が悪く、いかに摺動抵抗を低下させ
たワイパーゴムを使用しても、耐候性などの影響で撥水
層が劣化して剥離してしまうため撥水層の寿命は短くな
ってしまい、撥水効果を長期間にわたって維持するのは
困難である。
【0007】第4従来技術のように、ワイパーリップの
ウィンドウガラスと接触する部分に合成エラストマを用
いれば、低温時に天然ゴムよりも硬化しにくく柔軟であ
るため、撥水ガラスの表面に過剰な力が加わるのを抑制
でき、その分、撥水層が劣化を抑制できるものの、撥水
層の寿命を十分に延ばせるものではない。一方、第1〜
3従来技術に用いられている固体潤滑剤は、ワイパーブ
レードゴムの磨耗を軽減できるため、固体潤滑剤を含有
させることは、ワイパーブレードゴムの寿命を延ばす上
で有効である。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、窓ガラスの撥水層の寿命を延ばして長期間にわた
って撥水効果を維持することができるようにするととも
にワイパーブレードゴムの寿命をも延ばすことができる
ようにした、ワイパーブレードゴムを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のワイパーブレードゴムは、撥水ガラスを用い
た窓ガラスの表面を払拭するリップ部を有するワイパー
ブレードゴムであって、少なくとも該リップ部の払拭部
分が、ゴム弾性体,シリコーン系ゴムの何れかからなる
第1材料と、フッ化シリコーン系ゴム,熱可塑性エラス
トマの何れか又はこれらの混合物からなる第2材料とで
構成される基材層と、シリコーン系ゴム,フッ化シリコ
ーン系ゴムの何れか又はこれらの混合物で構成される表
層と、上記基材層と上記表層との間に設けられ、シリコ
ーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れか又はこれ
らの混合物と固体潤滑材とで構成される中間層と、を有
するように構成される。
【0010】これによって、本ワイパーブレードゴムを
使用していくと、使用の初期には、表層が撥水ガラスを
用いた窓ガラスの表面に摺接しながら雨滴を払拭する。
この表層は、シリコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴ
ムの何れか又はこれらの混合物で構成されるので、これ
に含まれるシリコーン及び/又はフッ化シリコーンが撥
水ガラスの撥水層を修復する。
【0011】そして、表層が磨耗して中間層が窓ガラス
の表面に摺接するようになると、中間層に含まれる固体
潤滑材がワイパーブレードゴムと窓ガラスとの間に介在
し、この固体潤滑材が、撥水ガラスの撥水層を修復する
上では妨げになるが、ワイパーブレードゴムを窓ガラス
に対して円滑に摺動させるようにするため、ワイパーブ
レードゴムの磨耗を軽減し寿命を延ばす。
【0012】さらに、中間層が磨耗して基材層が窓ガラ
スの表面に摺接するようになると、基材層の第1材料に
含まれるシリコーン及び/又はフッ化シリコーンが撥水
ガラスの撥水層を修復する。また、熱可塑性エラストマ
は低温時に天然ゴムよりも硬化しにくく柔軟であるた
め、基材層の第2材料に熱可塑性エラストマが含まれて
いれば、撥水ガラスの表面に過剰な力が加わるのを抑制
でき、撥水層の劣化を抑制できる。特に、フッ化シリコ
ーン中のフッ素は、撥水層の修復効果が高く耐磨耗性も
高いので、ワイパーブレードゴムの寿命が延び、撥水層
の修復も十分に行なわれ、より有効である。
【0013】請求項2記載の本発明のワイパーブレード
ゴムは、撥水ガラスを用いた窓ガラスの表面を払拭する
リップ部を有するワイパーブレードゴムであって、少な
くとも該リップ部の払拭部分が、ゴム弾性体,熱可塑性
エラストマ,シリコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴ
ムのうち少なくともシリコーン系ゴム,フッ化シリコー
ン系ゴムの何れかのゴム又は該何れかのゴムを含む混合
物からなり固体潤滑材を含有しない第1層と、ゴム弾性
体,熱可塑性エラストマ,シリコーン系ゴム,フッ化シ
リコーン系ゴムのうち少なくとも何れか又は該何れかを
含む混合物からなり固体潤滑材を含有する第2層とが、
交互に積層されてなる層状に形成されている。
【0014】第1層と第2層とでは、第1層が固体潤滑
材を含有しないが第2層が固体潤滑材を含有している点
で異なっている。固体潤滑材が含有されると、この固体
潤滑材がワイパーブレードゴムと窓ガラスとの間に介在
し、ワイパーブレードゴムを窓ガラスに対して円滑に摺
動させるようにするため、ワイパーブレードゴムの磨耗
を軽減し寿命を延ばすが、この反面、ワイパーブレード
ゴムの材料に、撥水ガラスの撥水層を修復する成分が含
まれている場合、ワイパーブレードゴムの磨耗軽減分だ
け撥水層を修復する成分の撥水ガラスへの供給が減少
し、撥水層修復効果は低下する。
【0015】したがって、第1層が窓ガラスの表面に摺
接すると、第1層には固体潤滑材が含まれないので、シ
リコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れかのゴ
ムが撥水ガラスの撥水層を効率よく修復する。一方、第
2層が窓ガラスの表面に摺接すると、第2層には固体潤
滑材が含まれているので、この固体潤滑材がワイパーブ
レードゴムと窓ガラスとの間に介在し、ワイパーブレー
ドゴムを窓ガラスに対して円滑に摺動させるようにする
ため、ワイパーブレードゴムの磨耗を軽減し寿命を延ば
す。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。まず、第1実施形態について
説明すると、図1〜図3は本発明の第1実施形態として
のワイパーブレードゴムを説明するもので、図1(a)
はその横断面図、図1(b)はそのリップ部表面付近の
断面図、図2はワイパーブレードゴムの払拭対象である
撥水ガラスを示す断面図である。
【0017】まず、ワイパーブレードゴムの払拭対象で
ある撥水ガラスを説明すると、図2に示すように、撥水
ガラス20はガラス21の表面に、ガラス21側からシ
リカ層22,シリコーン層23,フッ素層24がこの順
に被覆されている。シリカ層22にはシリカSiO2
含有され、シリコーン層23にはシリコーン類SiOX
が含有され、フッ素層24にはCF2基又はCF3基から
なるテフロン(登録商標)等が含有されている。
【0018】そして、撥水は主としてフッ素層24のテ
フロン等によって行われ、シリカ層22,シリコーン層
23は、主として、ガラス21とフッ素層24とを接合
するための接合剤として機能する。つまり、ガラス21
とフッ素層24とを直接接合させようとしても接合力が
弱いため、ガラス21とシリコーン層23との接合性の
高いシリカ層22と、シリカ層22とフッ素層24との
接合性の高いシリコーン層23を、ガラス21とフッ素
層24との間に介在させているのである。また、シリコ
ーン類SiOXも撥水性をそなえている。
【0019】したがって、撥水ガラス20の表面が磨耗
すると、まず、フッ素層24が減っていき、このフッ素
層24が欠落するとその部分の撥水性が大きく低下す
る。この場合、撥水ガラス20の表面から、フッ素層2
4を構成するテフロン等を供給すれば、欠落したフッ素
層24を修復することができる。また、フッ素層24が
欠落した上に、さらにフッ素層24の下層のシリコーン
層23が欠落した場合には、シリコーン層23を構成す
るシリコーン類SiOXを供給すれば、欠落したシリコ
ーン層23を復元することができる。
【0020】一方、本ワイパーブレードゴム1は、図1
(a)の横断面図に示すように、図示しないワイパーブ
レード本体に係止される基部5と、この基部5からネッ
ク部3を介して突設されたリップ部2とをそなえてお
り、リップ部2のエッジ部4近傍で、窓ガラスの表面を
払拭するようになっている。本ワイパーブレードゴム1
のリップ部2は、ゴム弾性体及びシリコーン系ゴム(第
1材料)をベースとしてこれにフッ化シリコーン系ゴム
と熱可塑性エラストマとの混合物(第2材料)とを含有
されてなるゴム基体(基材層)11と、このゴム基体1
1の表面に被覆される被覆層12とからなっている。
【0021】また、被覆層12は、表層12aと中間層
12bとからなり、最も外側に表層12aが装備され、
表層12aとゴム基体11との間に中間層12bが装備
されている。そして、表層12aは、シリコーン系ゴム
とフッ化シリコーン系ゴムとの混合物で構成され、中間
層12bはシリコーン系ゴムとフッ化シリコーン系ゴム
との混合物と固体潤滑材とから構成されている。
【0022】本発明の第1実施形態としてのワイパーブ
レードゴムは、上述のように構成されているので、本ワ
イパーブレードゴム1のリップ部2が、窓ガラス(撥水
ガラス)20の表面を払拭すると、まずは、表層12a
が窓ガラスの表面に摺接しながら窓ガラスの表面を払拭
する。ここで、窓ガラスである撥水ガラス20の表面が
磨耗して、例えば図3(a)に示すように、フッ素層2
4やシリコーン層23が減っている場合、表層12aに
含まれたシリコーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリコ
ーン系ゴムのフッ化シリコーン26が、図3(b)に示
すように撥水ガラス20の表面のフッ素層24やシリコ
ーン層23の欠落部25に転移し、図3(c)に示すよ
うにフッ素層24やシリコーン層23を修復する。符号
26は修復部を示す。
【0023】また、表層12aが磨耗して中間層12b
が現れると、中間層12bには、シリコーン系ゴムとフ
ッ化シリコーン系ゴムの他に固体潤滑材が含有されるの
で、固体潤滑材がワイパーブレードゴム1と撥水ガラス
20との間に介在してワイパーブレードゴム1を撥水ガ
ラス20に対して滑らかに摺接する。このため、中間層
12b内のシリコーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリ
コーン系ゴムのフッ化シリコーンが撥水ガラス20の表
面に転移しにくくなるため、フッ素層24やシリコーン
層23の修復効果は低下するものの、中間層12bの磨
耗が抑制され、ワイパーブレードゴム1の寿命が向上す
る。
【0024】さらに、中間層12bが磨耗してゴム基体
11が現れると、ゴム基体11には、シリコーン系ゴム
とフッ化シリコーン系ゴムとが含有されるため、シリコ
ーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリコーン系ゴムのフ
ッ化シリコーンが、撥水ガラス20の表面のフッ素層2
4やシリコーン層23の欠落部に転移し、フッ素層24
やシリコーン層23を修復する。
【0025】このように、本ワイパーブレードゴムによ
れば、主として表層12a及びゴム基体11によって、
シリコーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリコーン系ゴ
ムのフッ化シリコーンを、撥水ガラス20の表面のフッ
素層24やシリコーン層23の欠落部に転移させなが
ら、フッ素層24やシリコーン層23を修復することが
でき、撥水ガラスの撥水性の寿命を大きく向上させるこ
とができると共に、中間層12bの固体潤滑材による磨
耗低減効果によって、ワイパーブレードゴム1の寿命を
向上させることができるのである。
【0026】また、ゴム基体11を構成する熱可塑性エ
ラストマは低温時に天然ゴムよりも硬化しにくく柔軟で
あるため、撥水ガラスの表面に過剰な力が加わるのを抑
制でき、撥水層の劣化を抑制でき、この点からも撥水ガ
ラスの撥水性をより長期間にわたって確保することがで
きる。
【0027】次に、第2実施形態について説明すると、
図4は本発明の第2実施形態としてのワイパーブレード
ゴムのリップ部表面付近の断面図である。本ワイパーブ
レードゴム1のリップ部2は、第1実施形態と同様にゴ
ム基体11に被覆層12´が被覆されるが、本被覆層1
2´は、熱可塑性エラストマ,シリコーン系ゴム,フッ
化シリコーン系ゴムの混合物であって固体潤滑材を含有
しない第1層12cと、熱可塑性エラストマ,シリコー
ン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの混合物に固体潤滑
材を含有する第2層12dとが、交互に積層されてなる
層状に形成されている。
【0028】本発明の第2実施形態としてのワイパーブ
レードゴムは、上述のように構成されているので、本ワ
イパーブレードゴム1のリップ部2が、窓ガラス(撥水
ガラス)20の表面を払拭して、第1層12cが窓ガラ
スの表面に摺接しながら窓ガラスの表面を払拭すると、
フッ素層24やシリコーン層23を修復し、第2層12
dが窓ガラスの表面に摺接しながら窓ガラスの表面を払
拭すると、ワイパーブレードゴム1の寿命を向上させ
る。
【0029】つまり、窓ガラスである撥水ガラス20の
表面が磨耗して、フッ素層24やシリコーン層23が減
っている場合に、第1層12cが窓ガラスの表面を払拭
すると、第1層12cに含まれたシリコーン系ゴムのシ
リコーンやフッ化シリコーン系ゴムのフッ化シリコーン
が、撥水ガラス20の表面のフッ素層24やシリコーン
層23の欠落部25に転移し、フッ素層24やシリコー
ン層23を修復する。
【0030】また、第2層12dが窓ガラスの表面を払
拭すると、第2層12dには、シリコーン系ゴムとフッ
化シリコーン系ゴムの他に固体潤滑材が含有されるの
で、固体潤滑材がワイパーブレードゴム1と撥水ガラス
20との間に介在してワイパーブレードゴム1を撥水ガ
ラス20に対して滑らかに摺接する。このため、中間層
12b内のシリコーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリ
コーン系ゴムのフッ化シリコーンが撥水ガラス20の表
面に転移しにくくなって、フッ素層24やシリコーン層
23の修復効果は低下するものの、第2層12dの磨耗
が抑制され、ワイパーブレードゴム1の寿命が向上す
る。
【0031】さらに、ゴム基体11が現れると、第1実
施形態と同様に、ゴム基体11には、シリコーン系ゴム
とフッ化シリコーン系ゴムとが含有されるため、シリコ
ーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリコーン系ゴムのフ
ッ化シリコーンが、撥水ガラス20の表面のフッ素層2
4やシリコーン層23の欠落部に転移し、フッ素層24
やシリコーン層23を修復する。
【0032】このように、本ワイパーブレードゴムによ
れば、主として第1層12c及びゴム基体11によっ
て、シリコーン系ゴムのシリコーンやフッ化シリコン系
ゴムのフッ化シリコーンを、撥水ガラス20の表面のフ
ッ素層24やシリコーン層23の欠落部に転移させなが
ら、フッ素層24やシリコーン層23を修復することが
でき、撥水ガラスの撥水性の寿命を大きく向上させるこ
とができると共に、第2層12dの固体潤滑材による磨
耗低減効果によって、ワイパーブレードゴム1の寿命を
向上させることができる。
【0033】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変形が可能である。例えば、上記第1実施形態で
は、ゴム基体(基材層)11を、第1材料をゴム弾性体
及びシリコーン系ゴムの両方としているが、第1材料を
ゴム弾性体及びシリコーン系ゴムの一方のみとしてもよ
く、また、第2材料をフッ化シリコーン系ゴムと熱可塑
性エラストマとの混合物としているが、第2材料をフッ
化シリコーン系ゴムと熱可塑性エラストマとの何れか一
方のみとしてもよい。
【0034】また、上記第2実施形態の構成に関し、第
1層及び第2層は第2実施形態のものに限定されない。
つまり、第1層は、ゴム弾性体,熱可塑性エラストマ,
シリコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムのうち少な
くともシリコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何
れかのゴムを含み且つ固体潤滑材を含有しなければよ
く、第2層は、ゴム弾性体,熱可塑性エラストマ,シリ
コーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムのうち少なくと
も何れかのゴムを含むと共に固体潤滑材が含有されてい
ればよい。
【0035】また、ゴム基体11は、単なるゴム弾性体
(天然ゴムを含む)であってもかまわない。つまり、ワ
イパーブレードゴムにシリコーン系ゴムを含有させれ
ば、シリコーン系ゴムのシリコーンを、撥水ガラス20
の表面のシリコーン層23の欠落部に転移させてシリコ
ーン層23を修復することができ、ワイパーブレードゴ
ムにフッ化シリコーン系を含有させれば、フッ化シリコ
ーン系ゴムのフッ化シリコーンを、撥水ガラス20の表
面のフッ素層24の欠落部に転移させてフッ素層24を
修復することができ、ワイパーブレードゴムに熱可塑性
エラストマを含有させれば、硬化しにくく柔軟になるた
め、撥水ガラス20の表面に過剰な力が加わるのを抑制
でき、撥水層の劣化を抑制でき、要求に応じて適宜の材
料を適宜の割合で含有させればよい。
【0036】さらに、各実施形態の層構成は、少なくと
もワイパーブレードゴムにおける撥水ガラス20の表面
に接触する部分に設けられればよく、リップ部2全域に
設ける必要はない。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のワイパーブレードゴムによれば、本ワイパーブレ
ードゴムの使用の初期には、表層が撥水ガラスを用いた
窓ガラスの表面に摺接しながら雨滴を払拭して、表層に
含まれるシリコーン及び/又はフッ化シリコーンが撥水
ガラスの撥水層を修復する。表層が磨耗して中間層が窓
ガラスの表面に摺接するようになると、中間層に含まれ
る固体潤滑材がワイパーブレードゴムと窓ガラスとの間
に介在し、この固体潤滑材が、ワイパーブレードゴムを
窓ガラスに対して円滑に摺動させるようにするため、ワ
イパーブレードゴムの磨耗を軽減し寿命を延ばす。さら
に、中間層が磨耗して基材層が窓ガラスの表面に摺接す
るようになると、基材層の第1材料に含まれるシリコー
ン及び/又はフッ化シリコーンが撥水ガラスの撥水層を
修復する。
【0038】これによって、ワイパーブレードゴムの磨
耗を軽減し寿命を延ばしながら、撥水ガラスの撥水層の
修復を行い撥水ガラスの撥水性を長期間にわたって確保
することができるようになる。また、熱可塑性エラスト
マは低温時に天然ゴムよりも硬化しにくく柔軟であるた
め、基材層の第2材料に熱可塑性エラストマが含まれて
いれば、撥水ガラスの表面に過剰な力が加わるのを抑制
でき、撥水層の劣化を抑制でき、撥水ガラスの撥水性を
より長期間にわたって確保することができるようにな
る。また、フッ化シリコーン中のフッ素は、撥水層の修
復効果が高く耐磨耗性も高いので、ワイパーブレードゴ
ムの寿命が延び、撥水層の修復も十分に行なわれ、ワイ
パーブレードゴムの寿命向上と、撥水ガラスの撥水性確
保により有効である。
【0039】請求項2記載の本発明のワイパーブレード
ゴムによれば、第1層が窓ガラスの表面に摺接すると、
第1層には固体潤滑材が含まれないので、シリコーン系
ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れかのゴムが撥水ガ
ラスの撥水層を効率よく修復し、第2層が窓ガラスの表
面に摺接すると、第2層には固体潤滑材が含まれている
ので、この固体潤滑材がワイパーブレードゴムと窓ガラ
スとの間に介在し、ワイパーブレードゴムを窓ガラスに
対して円滑に摺動させ、ワイパーブレードゴムの磨耗を
軽減し寿命を延ばす。ワイパーブレードゴムの磨耗に応
じてこのような作用を繰り返しながら、窓ガラスの雨滴
を払拭するので、ワイパーブレードゴムの寿命延長と、
撥水ガラスの撥水性確保とを行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のワイパーブレードゴム
を示すもので、(a)はその模式的横断面図、(b)は
そのリップ部表面付近の模式的断面図である。
【図2】本発明の各実施形態のワイパーブレードゴムの
払拭対象である撥水ガラスを示す模式的断面図である。
【図3】本発明の各実施形態のワイパーブレードゴムの
作用を、(a)〜(c)の順に説明する撥水ガラスの模
式的断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態のワイパーブレードゴム
を示すリップ部表面付近の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ワイパーブレードゴム 2 リップ部 3 ネック部 4 エッジ部 5 基部 11 ゴム基体(基材層) 12 被覆層 12a 表層 12b 中間層 12c 第1層 12d 第2層 20 撥水ガラス 21 ガラス 22 シリカ層 23 シリコーン層 24 フッ素層 25 欠損部 26 修復部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水ガラスを用いた窓ガラスの表面を払
    拭するリップ部を有するワイパーブレードゴムであっ
    て、 少なくとも該リップ部の払拭部分が、 ゴム弾性体,シリコーン系ゴムの何れかからなる第1材
    料と、フッ化シリコーン系ゴム,熱可塑性エラストマの
    何れか又はこれらの混合物からなる第2材料とで構成さ
    れる基材層と、 シリコーン系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れか又
    はこれらの混合物で構成される表層と、 上記基材層と上記表層との間に設けられて、シリコーン
    系ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れか又はこれらの
    混合物と固体潤滑材とで構成される中間層と、を有する
    ことを特徴とする、ワイパーブレードゴム。
  2. 【請求項2】 撥水ガラスを用いた窓ガラスの表面を払
    拭するリップ部を有するワイパーブレードゴムであっ
    て、 少なくとも該リップ部の払拭部分が、 ゴム弾性体,熱可塑性エラストマ,シリコーン系ゴム,
    フッ化シリコーン系ゴムのうち少なくともシリコーン系
    ゴム,フッ化シリコーン系ゴムの何れかのゴム又は該何
    れかのゴムを含む混合物からなり固体潤滑材を含有しな
    い第1層と、 ゴム弾性体,熱可塑性エラストマ,シリコーン系ゴム,
    フッ化シリコーン系ゴムのうち少なくとも何れか又は該
    何れかを含む混合物からなり固体潤滑材を含有する第2
    層とが、交互に積層されてなる層状に形成されているこ
    とを特徴とする、ワイパーブレードゴム。
JP2001310211A 2001-10-05 2001-10-05 ワイパーブレードゴム Expired - Fee Related JP3861646B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001310211A JP3861646B2 (ja) 2001-10-05 2001-10-05 ワイパーブレードゴム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001310211A JP3861646B2 (ja) 2001-10-05 2001-10-05 ワイパーブレードゴム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003112611A true JP2003112611A (ja) 2003-04-15
JP3861646B2 JP3861646B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=19129227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001310211A Expired - Fee Related JP3861646B2 (ja) 2001-10-05 2001-10-05 ワイパーブレードゴム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3861646B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150079648A (ko) * 2012-10-29 2015-07-08 일리노이즈 툴 워크스 인코포레이티드 접촉 표면으로 이동 가능한 소수성 코팅을 갖는 애플리케이터
EP3078554A1 (fr) * 2015-04-10 2016-10-12 Valeo Systèmes d'Essuyage Lame d'essuyage pour balai d'essuie-glace
JP2016179456A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 三ツ星ベルト株式会社 ワイパー

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150079648A (ko) * 2012-10-29 2015-07-08 일리노이즈 툴 워크스 인코포레이티드 접촉 표면으로 이동 가능한 소수성 코팅을 갖는 애플리케이터
KR102105121B1 (ko) 2012-10-29 2020-04-27 일리노이즈 툴 워크스 인코포레이티드 접촉 표면으로 이동 가능한 소수성 코팅을 갖는 애플리케이터
JP2016179456A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 三ツ星ベルト株式会社 ワイパー
EP3078554A1 (fr) * 2015-04-10 2016-10-12 Valeo Systèmes d'Essuyage Lame d'essuyage pour balai d'essuie-glace
FR3034734A1 (fr) * 2015-04-10 2016-10-14 Valeo Systemes Dessuyage Lame d'essuyage pour balai d'essuie-glace

Also Published As

Publication number Publication date
JP3861646B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101006778B1 (ko) 차량용 와이퍼 블레이드 코팅 조성물 및 차량용 와이퍼 블레이드
CN103025520B (zh) 挡风玻璃处理以及雨刮器的结合
JPH1095314A (ja) ワイパーブレードおよびその製造方法
JP2009046659A (ja) ワイパーブレード用ゴムのコーティング組成物、このコーティング方法及びこれによって製造されたワイパーブレード用ゴム
EP2912152B1 (en) Hydrophobic coating transferable to contacting surface
JP2007255482A (ja) 防水ガスケット
JP4881436B2 (ja) ウインドワイパのワイパブレード用の保護レール及び保護レールを製造する方法
JP6482472B2 (ja) ワイパーブレードゴム用コーティング剤及びそれを用いたワイパーブレードゴム
JP4073686B2 (ja) コーティング組成物およびワイパーブレード
JP7140679B2 (ja) ワイパーブレードラバー
EP1059213A3 (en) Silicone rubber-based wiper blade for vehicle windows
JP3861646B2 (ja) ワイパーブレードゴム
JP2005188651A (ja) ウォーターポンプにおけるメカニカルシール
US10883017B2 (en) Coating composition for a silicone rubber wiper blade and silicone rubber wiper blade using the same
WO2003020558A1 (fr) Balai d'essuie-glace et procede de fabrication afferent
JP3086888B2 (ja) 車両用ワイパーブレード及び車両ウインドガラスの水滴払拭方法
KR20080033759A (ko) 차량용 와이퍼 블레이드용 윤활 도료 조성물
KR20050006677A (ko) 차량용 와이퍼 블레이드 코팅 조성물, 이의 코팅방법 및이를 적용한 차량용 와이퍼 블레이드
KR101350279B1 (ko) 와이퍼 립커버
KR100403283B1 (ko) 발수 코팅 유리용 와이퍼 브레이드 윤활 코팅 조성물
JPH04250158A (ja) 人工関節およびその製造方法
JP6881456B2 (ja) ワイパーブレードラバー
JPH1024803A (ja) ワイパーブレードラバー
JP2003182531A (ja) 粗面化処理ワイパーブレードラバーおよびワイパー装置
KR20080024251A (ko) 탄소나노튜브가 강화된 와이퍼 블레이드

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060918

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees